JP4462425B2 - 高圧放電灯 - Google Patents
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Description
また発光管の周囲に円筒形の石英ガラス製の透光性スリーブを設けて発光管破裂時に飛散する破片の衝撃を緩和する方法もある(特許文献4参照)。
最近ではセラミック製の発光管にも破裂防止のためのモリブデンコイルを巻き付けた例がある(特許文献13参照)。
すなわち前記特許文献2に記載されているようなグラスファイバや前記特許文献8に記載されているようなセラミックファイバでは発光管破裂時の保護手段として実用的な強度は期待できず、金属メッシュや金属線などを使用する場合でも大きな運動エネルギを持つ破片が衝突することによって金属線が変形してしまうため、網目間隔や線輪間隔を従来の間隔より小さく設定する必要がある。
図6および図7は定格電力400Wのセラミックメタルハライドランプを先行技術により試作した例を示す説明図である。図6は正面図、図7は発光管中心部を発光管軸に垂直な面で切断した断面図である。
他方の電極11aは、同様に図示しない他方の発光管封入線を介し、ニッケル線14を経てフレーム3へ電気的に接続し、さらにステム2の別の封入線に接続している。
発光管1は、図示しない支持用金属線によりフレーム3に固定されている。
発光管1の周囲には金属線32を巻き付けてある。この金属線32はキャピラリー19aおよびキャピラリー19bの一部にも巻き付けることにより位置固定されている。
図7に示すとおり、金属線32は発光管1の外周に設けられているが、実際には金属線32のバネ性による巻き戻しがあり、発光管外周面と金属線32の間に隙間ができる部分が存在する。
ランプへの電力供給は、ランプが図示しないソケットに装着された状態において、口金8からステム2に封止された導入線を通してなされる。
(2) 線径0.3mmで巻き付けピッチ2mm以下。
(3) 線径0.4mmで巻き付けピッチ3mm以下。
(4) 線径0.5mmで巻き付けピッチ4mm以下。
(5) 線径0.6mmで巻き付けピッチ5mm以下。
線径が0.1mm以下では発光管破裂時に飛散する発光管破片によってモリブデン線が切断されるため巻き付けピッチに関係なく不可であった。
線径が0.4mm以下では発光管破裂時に飛散する発光管破片によってモリブデン線の巻き付け間隔が広がる方向へ大きく変形し、モリブデン線が発光管破片の飛散を止める効果が不十分だった。
図8および図9は定格電力400Wの透光性スリーブ付セラミックメタルハライドランプを先行技術により試作したものである。図8は正面図、図9は発光管中心部を発光管軸に垂直な面で切断した断面図である。
他方の電極11aは、同様に図示しない他方の発光管封入線を介し、ニッケル線14を経てフレーム3へ電気的に接続し、さらにステム2の別の封入線に接続している。
発光管1の周囲には石英ガラス製で外径30mm、肉厚1.2mmの透光性スリーブ21が設けられ、その外周全域に亘って金属線42を巻き付けてある。この金属線42は透光性スリーブ21の端面で金属線の端部を折り曲げることにより位置固定されている。
発光管1は、透光性スリーブ固定板(25a25b)により透光性スリーブ21を介してフレーム3に固定されている。
図9に示すとおり、金属線42は透光性スリーブ21の外周に設けられているが、実際には金属線42のバネ性による巻き戻しがあり、透光性スリーブ21と金属線42の間に隙間ができる部分が存在する。
ランプへの電力供給は、ランプが図示しないソケットに装着された状態において、口金8からステム2に封止された導入線を通してなされる。
(2) 線径0.2mmで巻き付けピッチ2mm以下。
(3) 線径0.3mmで巻き付けピッチ6mm以下。
(4) 線径0.4mmで巻き付けピッチ8mm以下。
(5) 線径0.5mmで巻き付けピッチ10mm以下。
(6) 線径0.6mmで巻き付けピッチ12mm以下。
線径が0.05mmでは、発光管破裂時に破壊されるスリーブの破片によってモリブデン線が切断されるため巻き付けピッチに関係なく不可であった。
線径が0.3mm以下では、発光管破裂時に破壊されるスリーブの破片によってモリブデン線がその巻き付け間隔が広がる方向へ大きく変形させられるため、モリブデン線が発光管破片の飛散を止める効果が不十分だった。
本発明はこれらの問題を解決するためになされたもので、発光管が万一破裂した場合でも、透光性外管が破損しない範囲で、光透過率を最大にできる高圧放電灯を提供することを目的としている。
実験によれば、先行技術に従った試作ランプの光束低下率が5〜10%であったのに対し、同じ仕様のランプ部材を用いて本発明に従い金属線を巻き付けた試作ランプは3%以下の光束低下に留まっていた。
また非常に簡易な方法であるため、従来品の製造工程をほとんど変更することなく金属線の巻き付け作業を追加できるため、材料コストおよび製造コストの上昇も抑えられる。
実験によれば、先行技術に従った試作ランプの光束低下率が5〜9%であったのに対し、同じ仕様のランプ部材を用いて本発明に従い金属線をまきつけた試作ランプは3%以下の光束低下に留まっていた。
また非常に簡易な方法であるため、従来品の製造工程をほとんど変更することなく金属線の巻き付け作業を追加できるため、材料コストおよび製造コストの上昇も抑えられる。
図1および図2において、図6および図7と同じ符号をつけた部品は同一仕様の部品であることを示す。
他方の電極11aは、同様に他方の発光管封入線を介し、ニッケル線14を経てフレーム3へ電気的に接続し、さらにステム2の別の封入線に接続している。
発光管1は、図示しない支持用金属線によりフレーム3に固定されている。
発光管1の周囲にはフレーム3を介して金属線12を巻き付けてある。この金属線12は溶接点13aおよび溶接点13bによりフレーム3に位置固定されている。
ランプへの電力供給は、ランプが図示しないソケットに装着された状態において、口金8からステム2に封止された導入線を通してなされる。
金属線12をフレームおよび発光管に巻き付ける手順としては、第1に金属線12の一方の端をフレーム3上の溶接点13aにスポット溶接などで接合する。
このようにすれば、金属線12をフレーム3および発光管1に対して押圧力を加えるように接触させながら巻き付けることができる。
本実施例のランプについて破裂試験を20本実施したところ、透光性外管が破損したランプは全く無かった。
また、先行技術による試作ランプの破裂実験と対比するため、本実施例のランプにおいて金属線12の線径を0.05〜0.6mm、巻き付けピッチを2〜10mmの範囲で巻き付け条件を変更しながら破裂実験を繰り返した。金属線材質は前記破裂実験と同様のモリブデン線とした。
その結果、透光性外管7の破損を防止できる条件は次項のいずれかであった。
(2) 線径0.3mmで巻き付けピッチ10mm以下。
(3) 線径0.4mmで巻き付けピッチ10mm以下。
(4) 線径0.5mmで巻き付けピッチ10mm以下。
(5) 線径0.6mmで巻き付けピッチ10mm以下。
線径が0.1mm以下では先行技術による試作と同様、破裂時にモリブデン線が切断されるため巻き付けピッチに関係なく不可であった。しかしモリブデン線が切断されなければ、発光管破片が衝突しても金属線が大きく変形する事が無いため、巻き付けピッチを大きく広げる事が可能であった。ただし巻き付けピッチが10mmを超えるとモリブデン線に接触せずに通過した発光管破片が透光性外管を破損するため、線径を0.3mm以上にしても、透光性外管の破損を防止する効果は向上しなかった。
それに対し、前項に挙げたランプでは線径0.3mmの金属線を用いた場合、巻き付けピッチを10mmにする事ができ、金属線を巻き付けない同等仕様のランプと比較して、初期光束でわずか3%弱の光束低下にとどまった。
このように、本発明によるランプは先行技術によるランプに対して著しい改善効果がある。
硬質金属線をフレームおよび発光管に巻き付けた後フレームに接合した状態では、図2および図4において、金属線12がフレームおよび透光性スリーブに接触している部分に、フレームや金属線がその弾性により直線に戻ろうとする力により金属線をフレームまたは透光性スリーブに押し付ける力すなわち押圧力がかかっている。両者間では金属線はほぼ直線をなしており金属線に張力が生じている。
さらに金属線はフレームに接合されているうえフレームと発光管との間で金属線がほぼ直線をなしている。そのため発光管は金属線によって押さえつけられ、それ以上膨張する方向に金属線は変形する事ができない。すなわち発光管破片が発光管破裂時に金属線を押し退けて透光性外管内壁方向に飛散しようとしても、フレームを変形させるか金属線を切断しない限り、金属線を大きく変形させて通過することはできない。フレームはランプ部材を透光性外管内の所定位置に保持する役割を持つために比較的太い金属棒が使用されるため、ほとんど変形しない。したがって金属線が大きく変形する事が無いため、前項段落番号(0035)の実験結果に示すとおり先行技術と比較し巻き付けピッチを大きく広げる事が可能となる。
先行技術では、発光管に押圧力が働いていないため、発光管が破壊された瞬間から発光管破片は自由に動く事ができた。すなわち発光管破片が金属線に接触すると金属線を押し退けて通過してしまうという現象が見られた。
すなわち本発明の構成によれば金属線に張力をかけながら巻き付けているために金属線がフレームおよび発光管に押し付けられ、金属線とフレームおよび発光管表面との摩擦力によって金属線が両者に固定されているのと同等の状態になる。そのため外力を受けた時の金属線変形量が小さくなる。
例えば金属線をたわんだ状態で両端を固定した場合、金属線に小石をぶつけると金属線はたわみの分だけ動く事ができる。しかし張力をかけて固定した状態で両端を固定した金属線に小石をぶつけても金属線はほとんど動かず、小石は撥ね返されるか移動方向を大きく変えられてしまう。同様に本発明の構成によれば発光管破裂時の破片が金属線に当たっても、金属線はほとんど変形せず、発光管破片をはじき返す事ができる。
一方先行技術では金属線は宙に浮いている状態であり、発光管破片が接触した時に金属線はほとんど何の抵抗も無く移動してしまう。そのため発光管破片は容易に金属線を押し退けて通過してしまう。
これについては発光管破裂時であってもフレームには金属線が固定されているためと考えられる。また発光管が破裂した直後には、発光管から吹き出るガスによって発光管が金属線を外管内面方向へ押すことになり、一時的に金属線にかかる張力が増大するという現象が起こっているとも考えられる。
タンタル線またはニオブ線を用いた場合、透光性外管内に発生する不純ガスを吸収するという派生効果も得られる。
本発明を考案するに当たって実施した実験結果もこれと同じ傾向である。
線径が大きくなるほど安全性は高くなるが、発光管からの光束低下率も大きくなる。本発明の目的を考えると、モリブデン線を使用する場合、金属線の線径は実施例1のように0.25mm以上とするのが好ましく、遮光率を抑えるためには採用する金属線の線径を0.5mm以下に留めておくのが適当である。
またフレームに純鉄線などの比較的柔らかい材料を採用し、巻き付ける金属線にモリブデンなどの比較的硬い材料を用いた場合には、金属線がフレームに食い込むように加圧して接合する「圧接」や、金属線に強い張力をかけながらフレームに金属線を複数回巻きつける「ラッピング」などの方法で接合することもできる。
この場合、図2に示す構成よりも巻き付け作業性は悪くなる。しかし図5に示すように金属線112をフレーム3に接続する際に、フレーム3および発光管1を図5に示す方向に固定した状態で、図5における上下方向から溶接チップ114aおよび114bにて加圧しながら容易にスポット溶接を行なう事ができ、その後、他の接触位置の溶接も同じ方向から直ちに行なう事ができるため、大量生産時に自動装置にて溶接を行なう際に有利となる。
図3および図4において、図1、図2および図6から図9までの各図と同じ符号をつけた部品は同一仕様の部品であることを示す。
他方の電極11aは、同様に他方の発光管封入線を介し、ニッケル線14を経てフレーム3へ電気的に接続し、さらにステム2の別の封入線に接続している。
発光管1の周囲には石英ガラス製で外径30mm、肉厚1.2mmの透光性スリーブ21が設けられ、その発光部18外周全域に亘って金属線22を巻き付けてある。この金属線22は溶接点23aおよび溶接点23bによりフレーム3に位置固定されている。
発光管1は、透光性スリーブ固定板(25a25b)により透光性スリーブ21を介してフレーム3に固定されている。
ランプへの電力供給は、ランプが図示しないソケットに装着された状態において、口金8からステム2に封止された導入線を通してなされる。
金属線22をフレームおよび発光管に巻き付ける手順としては、第1に金属線22の一方の端をフレーム3上の溶接点23aにスポット溶接などで接合する。
第2に前記金属線22を金属線22に張力が生じるように約1kgfの力で引っ張りながらフレーム3および透光性スリーブ21に巻き付ける。具体的には金属線22にばねばかりを取り付けると張力を制御する事が容易になる。
第3に金属線22に張力をかけたまま金属線22の他方の端をフレーム3上の溶接点23bにスポット溶接などで接合する。
このようにすれば、金属線22をフレーム3および透光性スリーブ21に対して押圧力を加えるように接触させながら巻き付けることができる。
また、先行技術による試作ランプの破裂実験と対比するため、本実施例のランプにおいて金属線22の線径を0.05〜0.6mm、巻き付けピッチを2〜10mmの範囲で巻き付け条件を変更しながら破裂実験を繰り返した。金属線材質は前記破裂実験と同様のモリブデン線とした。
その結果、透光性外管7の破損を防止できる条件は次項のいずれかであった。
(2) 線径0.2mmで巻き付けピッチ12mm以下。
(3) 線径0.3mmで巻き付けピッチ14mm以下。
(4) 線径0.4mmで巻き付けピッチ15mm以下。
(5) 線径0.5mmで巻き付けピッチ15mm以下。
(6) 線径0.6mmで巻き付けピッチ15mm以下。
線径が0.1mm未満では先行技術による試作と同様、発光管破裂時破壊された透光性スリーブ破片によってモリブデン線が切断されるため、金属線の巻き付けピッチに関係なく不可であった。しかしモリブデン線が切断されなければ、透光性スリーブ破片が衝突しても金属線が大きく変形する事が無いため、巻き付けピッチを大きく広げる事が可能であった。ただし巻き付けピッチが16mmを超えるとモリブデン線に接触せずに通過した透光性スリーブ破片が透光性外管を破損するため、線径を0.3mm以上にしても、透光性外管の破損を防止する効果はほとんど向上しなかった。
それに対し、前項に挙げたランプでは線径0.3mmで巻き付けピッチを14mmにする事ができ、金属線を巻き付けない同等仕様のランプと比較して、初期光束でわずか3%弱の光束低下にとどまった。
このように、本発明によるランプは先行技術によるランプに対して著しい改善効果がある。
2 ステム
3 フレーム
7 透光性外管
8 口金
10 口金側リード線
11a、11b 電極
12 金属線
13 溶接点
14 ニッケル線
15 口金側ニッケル線
19a、19b キャピラリー部
21 透光性スリーブ
25a、25b 透光性スリーブ固定板
Claims (2)
- 気密性の透光性外管の内部に一対の相対する電極を内包する発光管と、前記発光管を含むランプ部材を前記透光性外管内の所定位置に保持するためのフレームとを有する高圧放電灯において、前記フレームが発光管軸と平行かつ発光管軸を挟んで相対する位置に2本配置され、高融点金属または耐熱合金からなる金属線が前記フレームおよび前記発光管に対して押圧力が加わるように接触しながら巻き付けられており、前記金属線の少なくとも両端部がフレームに接合されて位置固定されていることを特徴とする高圧放電灯。
- 気密性の透光性外管の内部に一対の相対する電極を内包する発光管と、その発光管を取り囲む円筒状の透光性スリーブと、前記発光管および透光性スリーブを含むランプ部材を前記透光性外管内の所定位置に保持するためのフレームとを有する高圧放電灯において、前記フレームが発光管軸と平行かつ発光管軸を挟んで相対する位置に2本配置され、金属線が前記フレームおよび透光性スリーブに対して押圧力が加わるように接触しながら巻き付けられており、前記金属線の少なくとも両端部がフレームに接合されて位置固定されていることを特徴とする高圧放電灯。
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