本発明の一実施形態を図1から図15を参照して説明する。図1は本実施形態に適用された画像記録装置としての多機能装置(複合機)の前方から見た斜視図、図2は記録部及び上下2段の給紙カセットの側断面図、図3は記録部の平面図、図4は記録部及び上段の給紙カセット3Aの側断面図、図5は上段の給紙カセット3A及び第1給紙手段の斜視図、図6は第2下部ケース内に収納された下段給紙カセット3B及び第2給紙手段の斜視図、図7はリーガルレターサイズの用紙を収納する状態の下段の給紙カセット3Bの斜視図、図8はメインフレームの斜視図、図9はガイド部材に載置されたキャリッジと、メンテナンス部及び動力伝達部分の斜視図、図10は第1給紙手段及び第2給紙手段への動力伝達部を示す用紙搬送下流側から見た斜視図、図11は図10のXI−XI線矢視図、図12は図10のXII −XII 線矢視図、図13(a)は下段のケースを上段のケースから離間させた時の切り換え部の側面図、図13(b)は下段のケースを上段のケースに固定した時の切り換え部の側面図、図14(a)〜図14(c)は下段の第2給紙手段への動力伝達部の構成を示す拡大側方斜視図である。
本実施形態の画像記録装置1は、プリンタ機能、コピー機能、スキャナ機能、ファクシミリ機能を備えた多機能装置(MFD:Multi Function Device )に本発明を適用したものであり、図1に示すように、装置における合成樹脂製のハウジング2の第1下部ケース20の前側(図1において左側)の開口部20aから差込み可能な上段の第1給紙カセット3A(図2、図4参照)が配置され、第1下部ケース20の下端に連結される第2(最下段)下部ケース21にも、同じく前側(図1において左側)の開口部21aから差込み可能な下段の第2給紙カセット3Bが配置されている。但し、図1においては、第2給紙カセット3Bはハウジング2内に収納されているが、第1給紙カセット3Aはハウジング2から取り外されている。以下、ハウジング2、第1下部ケース20、第2下部ケース21や給紙カセット3A,3B等の部品において、開口部20a、21aに近い側を前側、前部または前端と称し、その反対側を後側、後部または後端と称する。
ハウジング2の上側には、コピー機能やファクシミリ機能における原稿読取などのための原稿自動送り装置11が備えられた画像読取装置(図示せず)と、その前方に各種操作ボタンや液晶表示部等を備えた操作パネル部14とが設けられている(図1、図2参照)。画像読取装置における原稿載置用ガラス板(図示せず)の上面を覆う原稿カバー体13の後端は画像読取装置の後端に対して蝶番12を中心に上下回動可能に装着されている。従って、原稿カバー体13を上側に開けて原稿載置用ガラス板に原稿を載置し、その下側に図4の紙面に対して垂直方向(主走査方向、図1でY軸方向)に延びる支軸に往復移動可能に設けられた原稿読取り用のイメージスキャナ装置(CIS:Contact Image Sensor) により画像読取が実行される。また、原稿自動送り装置11における原稿送り台11aに載置された原稿は、下方に搬送され、図示しない原稿読取取り部(載置用ガラス板の左端部、図1の左端部)で原稿表面の画像が読み取られた後、原稿カバー体13の上面に形成されている原稿排出台13a上に原稿が排出される。
操作パネル部14と画像読取装置との平面視投影面積内の下方には記録部7と排紙部10とインク貯蔵部9等が配置されている。
図3に示すように、インク貯蔵部9は、ハウジング2の上方に向かって開放されており、インク貯蔵部9には、フルカラー記録のための4色(即ち、ブラック(BK)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y))のインクを各々収容した平面視の面積が小さく、且つ高さ寸法の高いほぼ矩形箱状のインクカートリッジ9aを、X軸線方向に沿って一列状に収納でき、上方から着脱可能となるように構成されている。
そして、各インクカートリッジ9aからインクジェット式の記録ヘッド4に複数本(実施形態では4本)の可撓性を有するインク供給管(インクチューブ)15を介してインクを供給するように構成されている。
記録部7は、図2〜図4、図8及び図9に示すように、金属板製等の箱型のメインフレーム16における左右一対の側板16aにて支持され、Y軸方向(主走査方向)に延び、横長の板状であって、用紙搬送方向(矢印A方向)の上流側に配置される第1ガイド部材17と、同じく下流側に配置される第2ガイド部材18と、これら両ガイド部材17,18に跨がって摺動自在に支持(搭載)されて往復移動可能に構成されたキャリッジ5と、記録ヘッド4が搭載されたキャリッジ5を往復移動させるために第2ガイド部材18の上面にそれと平行状に配置されたタイミングベルト24と、そのタイミングベルト24を駆動するCR(キャジッジ)モータ25と、記録ヘッド4の下面側にて搬送される用紙Pを支持する板状のプラテン19と、主走査方向に沿って延びるように配置されてキャリッジ5のY軸方向(主走査方向)位置を検知するための帯状のエンコーダストリップ26等を備えている。
搬送される用紙Pの幅(用紙Pの短辺)方向の画像記録領域Lより外側には、その一端側(実施形態では、図3で左側の側板16aに近い部位)にインク受け部100が、また、他端側(図3で右側の側板16aに近い部位)に後述するメンテナンス部としてのメンテナンスユニット101がそれぞれ配置されている。これにより、記録ヘッド4はインク受け部100の上方のフラッシング位置にて記録動作中に定期的にノズルの目詰まり防止のためのインク吐出を行い、インク受け部100にてインクを受ける。メンテナンスユニット101部分では、キャリッジ5は待機位置であって、メンテナンスユニット101におけるキャップ部101a(図9参照)が記録ヘッド4のノズル面を下方から覆って色毎にインクを選択的に吸引したり、記録ヘッド4上の図示しないバッファタンク内の気泡を除去するための回復処理等を行う。なお、キャリッジ5がメンテナンスユニット101部分に横方向に接近移動するとき、図示しないクリーナ(ワイパブレード)103が上昇してノズル面を拭いてクリーニングを行う。
なお、プラテン19を挟んで搬送上流側にレジストローラ対22a,22bが配置されており、このレジストローラ対22a,22bに挟持された用紙Pは記録ヘッド4の下面に送られる(図2、図4参照)。プラテン19の下流側には、用紙Pの上面(記録面)に接する拍車ローラ23aと下面(非記録面)側の排紙ローラ23bとが配置されている。また、記録部7にて記録された用紙Pがその記録面を上向きにして排出される排紙部10は、第1給紙カセット3Aの上側に形成されており、排紙部10に連通する排紙口がハウジング2の前面(開口20aの上側)に開口されている(図2参照)。
次に、給紙カセットの構成について詳述する。まず、図2、図4及び図5を参照して第1下部ケース20内に収納される上段の第1給紙カセット3Aについて説明する。但し、図5では第1給紙カセット3Aと、それに対する第1給紙手段6の斜視図である。第1給紙カセット3Aは、被記録媒体としての例えばA4サイズ、レターサイズ、リーガルサイズ、はがきサイズ等にカットされた用紙Pをその短辺が用紙搬送方向(副走査方向、X軸方向)と直交する方向(図2において紙面と直交する方向、主走査方向、Y軸方向)に延びるようにして複数枚堆積されて収納できる収納部(メインカセット部)31を有する形態とする。なお、第1給紙カセット3Aの前端(開口部20aに近い側)には、リーガルサイズ等の長い用紙Pの後端部を支持する補助支持部材30がX軸方向に移動可能に装着されている。図2では、補助支持部材30がハウジング2から外部に突出する位置に配置されている状態を示しているが、第1給紙カセット3A内に納まってしまう(開口部2aから第1下部ケース20の外部へ突出しない)A4サイズ等の用紙Pを用いる場合には、補助支持部材30を給紙の妨げとならないように、第1給紙カセット3A内に収納することができる(図5の状態参照)。
また、上段の第1給紙カセット3Aの後側には、用紙分離用の傾斜分離板8が配置されている。また、ハウジング2側には、後に詳述する第1給紙手段6おける給紙アーム6aの上端部が上下方向に回動可能に装着され、この給紙アーム6aの下端(自由端部)に設けられた給紙ローラ6bと、傾斜分離板8とにより、第1給紙カセット3Aに堆積された被記録媒体である用紙Pを一枚ずつ分離搬送する。分離された用紙Pは上横向きの第1Uターンパス27を介して上段の第1給紙カセット3Aより上側(高い位置)に設けられた記録部7に給送される。この傾斜分離板8は、用紙Pの幅方向(Y軸方向)の中央側で突出し、用紙Pの幅方向の左右両端部側に行くに従って後退するように平面視で凸湾曲状に形成されており、且つ用紙Pの幅方向の中央部には、用紙Pの先端縁に当接して分離を促進するための鋸歯状の弾性分離パッド8aが設けられている。
図7に示すように、下段の第2給紙カセット3Bは、用紙Pを堆積させて収容するための上面開放状のカセット本体32と、用紙Pの搬送方向(X軸方向)における後端部が載置され、且つカセット本体32に対して前後移動可能に装着された上面開放状の伸縮用カセット部33とからなるもので、カセット本体32及び伸縮用カセット部33の両者は合成樹脂材の射出成形品である。実施形態では、伸縮用カセット部33が第2下部ケース21の前面の開口部21aに近い側に配置されている。図6に示す上向き開放の箱状の第2下部ケース21は前述した第1下部ケース20の下端に継ぎ足して図示しないネジ等に連結可能に構成されており、第1下部ケース20及び第2下部ケース21の後端に跨がって、第1Uターンパス(搬送経路)27と一体的に設けられた第2Uターンパス(搬送経路)34(図2に示す)が着脱自在に装着できる装着切欠き部35が形成されている。
カセット本体32は、図7に示すように、底板36と、左右両側板32a,32b及び後側板32cとからなる。後側板32cの前側には、図7に示すような一の板状部材からなる傾斜分離板39の裏面を支持するための側面視台形状(または三角状)の第2背面支持部40、及び第1背面支持部41がY軸方向に沿って適宜間隔にて複数設けられている。用紙Pの幅方向の左右両端部に近い側の各第2背面支持部40にはその上端から下向きに延びる係止溝がそれぞれ設けられており、合成樹脂材にて射出成形された傾斜分離板39の裏面に一体形成された断面T字状の係止爪を、上述の各係止溝に上方から係止するように構成されている。
また、傾斜分離板39の長手方向(Y軸方向、用紙Pの幅方向)中央部には、分離手段としての鋸歯状の縦長の弾性分離パッド(図示せず)を裏面側から臨ませるための窓孔45が開口しており(図6参照)、その裏面側には弾性分離パッドを含む支持部材を収納するための取付けケース46が一体的に形成されている(図7参照)。そして、取付けケース46の左右両外側面と傾斜分離板39の裏面に跨がって形成されている補強リブ(図示せず)には、一対の第1背面支持部41の各前側傾斜面が当接するように構成されている。従って、装着された傾斜分離板39の前面は、用紙Pの幅方向の中央部で突出し、且つ用紙Pの幅方向の左右両端部側に行くに従って後退する(用紙Pの先端縁から離れる)ように凸湾曲状に配置されることになる。
底板36における前側であって段落ち部36aには、用紙Pの搬送方向と直交する用紙Pの幅方向(Y軸方向)の中央から一方に(図7で右方)に適宜偏倚した位置には、用紙Pの搬送方向における長さに応じて伸縮用カセット部33の係止位置を決定するための複数箇所の被係止部としての凹所(図示せず)がX軸方向に適宜隔てられて形成されている。
図2及び図7に示すように、伸縮用カセット部33は、第2下部ケース21の前面の開口部21aを塞ぐことができる前壁50と、この前壁50の下部から水平に延びて用紙Pの後端部が載置される左右一対の後部支持板51aと、中央側後部支持板51bと、前壁50の内面と対峙して立設する平板状の操作部52と、この操作部52の基部から用紙Pの搬送方向の下流側に延びる弾性支持板53とからなる。この弾性支持板53の先端には下向きの係合爪(図示せず)が形成されている。また、前壁50の外側には下向きに開放された把手部55が形成されている。操作部52の基部及び弾性支持板53の基部が、前壁50から一体的に突出して上下方向に弾性変形可能な基片に一体的に連設されている。従って、伸縮用カセット部33には、用紙Pの搬送方向に沿って適宜隔てて形成されている前述の凹所に対して選択的に係脱可能な係合爪を備えた弾性支持板53と操作部52とが前壁50に一体的に形成されていることになる。
伸縮用カセット部33における左右一対の後部支持板51a、中央側後部支持板51b及び弾性支持板53は、カセット本体32の底板36の前部の段落ち部36a内に収まり、且つ後部支持板51a、中央側後部支持板51b及び弾性支持板53の各上面が底板36の上面と面一状に形成されている。従って、第2給紙カセット3B内に堆積される用紙Pの最下のものは、底板36と後部支持板51a、中央側後部支持板51b及び弾性支持板53とに跨がった状態で面一状にて支持されることになる。
また、中央側後部支持板51bの上面には、用紙Pの後端縁に当接して位置決めするための規制体としての用紙後端ガイド56が用紙搬送方向に沿ってクリック感をもってスライド可能に装着されている。なお、底板36のうち後半部分の左右一対の段落ち部36bの箇所には、用紙Pの幅方向の左右側縁をガイドし、且つ当該用紙Pをカセット本体32の幅方向の中心に対して左右対称状にセットするための用紙幅ガイド60が左右方向に伸縮可能に配置されている。
なお、伸縮用カセット部33をカセット本体32とほぼ同一高さにて支持する支持脚部62が一体的に形成されていると、伸縮用カセット部33を前後方向に移動させたときにも、カセット本体32の底板36の上面と、左右一対の後部支持板51a、中央側後部支持板51b及び弾性支持板53の各上面とが面一状に姿勢保持でき、セット(堆積)された用紙Pに屈曲の癖皺が発生しないのである。
次に、図2、図4〜図6、図8〜図12を参照しながら、第1給紙手段6及び第2給紙手段65の構成及び装着構造について説明すると、第1給紙手段6は、上述したように、合成樹脂製の枠状の給紙アーム6aの自由端部(下端)には外周部にゴムなどの高摩擦係数部材を巻回した給紙ローラ6bが回転可能に軸支され、給紙アーム6aの基端部には、同じく合成樹脂製の駆動軸74の先端部が回動可能に支持されている。そして、駆動軸74の回転駆動により、給紙アーム6a内に設けられた複数の歯車列からなる歯車伝動機構6cを介して給紙ローラ6bが一定方向に回転するよう構成されている。なお、歯車伝動機構6cは、駆動軸74と一体的に回転する歯車と、駆動軸74に対して回転自在に被嵌した遊星アームの先端に枢支され、且つ上述の歯車に噛合う遊星歯車と、この遊星歯車から給紙ローラ6bの側部に形成さている歯車に動力伝達する複数(実施形態では3つ)の中間歯車により構成されている。
他方、図8に示すメインフレーム16における側板16a及び底板16bに切り起こし形成された一対の軸支持板63にそれぞれ穿設された軸孔63aには、駆動軸74が回転自在に軸支され、この駆動軸74の先端が第1給紙手段6における給紙アーム6aの基部に横向きに突出するように挿入され、この給紙アーム6aの基端部が底板16bに穿設された開口部64内に配置されている。従って、給紙アーム6aと駆動軸74とは、一対の軸支持板63における軸孔63aに対して同心状に且つ回転可能に軸支されていることになる。また、図示しない付勢手段(例えば、ねじりバネ)により、給紙ローラ6b側が常に底板16bより下方に向かうように付勢されている。
次に、第1給紙カセット3Aをハウジング2の底部に挿入・外脱するときに、給紙アーム6aが自動的に昇降する構成について説明する。駆動軸74と平行状であって、合成樹脂製の給紙アーム6aから一体的に突出するほぼ平板状のカムフォロア部材75は、メインフレーム16の底板16bの下面側に配置され、第1給紙カセット3Aにおける側板3dの上面に形成されたカム部77(図5参照)の上方にまで延びている。このカムフォロア部材75に一体的に突出する軸受部76は、底板16bに穿設された挿入孔16c(図8参照)から底板21bの上面に挿入されて駆動軸74に対して相対的に回転可能に被嵌している。従って、回動して上昇した給紙アーム6a及び給紙ローラ6bの大部分が底板21bの開口部70から上面側に収納された状態では、カムフォロア部材75が底板21bの下面にほぼ近接して平行状になるように設定されている。
上記の構成によれば、開口部20aから第1給紙カセット3Aを差し込み、カムフォロア部材75の下面がカム部77の始端側(土手部8に近い側)に当接されると、給紙カセット3の前進動に従ってカムフォロア部材75は押し上げられ、これと一体的に給紙アーム6aひいては給紙ローラ6bが上向き回動し、給紙ローラ6b及び給紙アーム6aは傾斜分離板8の上方を越える。給紙アーム6a及び給紙ローラ6bが上昇した状態では、これらの部材は、開口部70から底板16bの上方の空間(メインフレーム16内)に収納される。また、そのとき、扁平なカムフォロア部材75も底板16bの下面に当接または近接した状態となる。従って、メインフレーム16の底板16bと第1給紙カセット3Aとの上下空間の高さを大きくすることなく、給紙アーム6a及び給紙ローラ6bの上下回動動作を確保することができる。
カム部77の最上位置を越えて下降部にカムフォロア部材75が位置すると、それに応じて下向きに付勢されている給紙アーム6aひいては給紙ローラ6bも下向き回動する。そして、給紙ローラ6bは収納部31内に積載(堆積)している用紙Pの最上層に当接できる。
第1給紙カセット3Aをハウジング2に最も奥まで前進させるとき(セット状態)、カム部77の最低高さ位置に、下向き状態の給紙アーム6aにおけるカムフォロア部材75の一端(下端)が当接すると、給紙ローラ6bは第1給紙カセット3Aの底部の重送防止手段78に当接可能となる(図2、図4参照)。
このようにして、第1給紙手段6には、メインフレーム21の底板21bよりも下方に位置するカムフォロア部材75が設けられ、第1給紙カセット3Aには、ハウジング2(本体ケース)内に対する当該第1給紙カセット3Aの進退動に応じて、カムフォロア部材75と共に第1給紙手段6を少なくとも一時的に昇降回動させるためのカム部77が設けられているから、第1給紙カセット3Aの出し入れ動作に応じて給紙手段6が昇降でき、操作が簡単になる。
第2給紙カセット3Bに250枚程度の大量に堆積された用紙Pを一枚ずつ分離して給送するための第2給紙手段65は、前述した第1給紙手段6と概略の構成が同じである。即ち、図2、図10に示すように、合成樹脂製の枠状の給紙アーム65aの自由端部(下端)には外周部にゴムなどの高摩擦係数部材を巻回した給紙ローラ65bが回転可能に軸支され、給紙アーム65aの基端部には、同じく合成樹脂製の駆動軸66の先端部が回動可能に支持されている。そして、駆動軸66の回転駆動により、給紙アーム65a内に設けられた複数の歯車列からなる歯車伝動機構65cを介して給紙ローラ65bが一定方向に回転するよう構成されている。なお、歯車伝動機構65c、駆動軸66と一体的に回転する歯車と、駆動軸66に対して回転自在に被嵌した遊星アームの先端に枢支され、且つ上述の歯車に噛合う遊星歯車と、この遊星歯車から給紙ローラ65bの側部に形成さている歯車に動力伝達する複数(実施形態では3つ)の中間歯車により構成されている。
メインフレーム16の下方に配置される板状の支持フレーム67(図11参照)は、図6に示される第2下部ケース21の左右両側に形成された一対の支持部21a上にねじなどにて固定され、その支持フレーム67に切り起こし形成された3箇所の軸支持板67a,67b,67cにそれぞれ穿設された軸孔(図示せず)には、駆動軸66が回転自在に軸支され、この駆動軸66の先端が第2給紙手段65における給紙アーム65aの基部に横向きに突出するように挿入されている。また、図示しない付勢手段(例えば、ねじりバネ)により、給紙ローラ65b側が常に下方に向かうように付勢されている。
第2給紙カセット3Bを第2下部ケース21に挿入・外脱するときに、給紙アーム65aが自動的に昇降する構成も、第1給紙カセット3Aの場合とほぼ同様であって、図10及び図12に示すように、合成樹脂製の給紙アーム65aから一体的に横向きで駆動軸66と平行状のほぼ平板状のカムフォロア部材68は、支持フレーム67の下面側に配置され、第2給紙カセット3Bにおける側板60の上面に形成されたカム部60a(図7参照)の上方にまで延びている。このカムフォロア部材68に一体的に突出する軸受部69は、駆動軸66に対して相対的に回転可能に被嵌している。そして、第2給紙カセット3Bに大量に用紙Pが堆積されていると、給紙アーム65a及びカムフォロア部材75が支持フレーム67の下面にほぼ近接して平行状になるように設定されている(図2参照)。なお、三角形状のリブ68aでカムフォロア部材68と給紙アーム65aと連結して補強されている。
次に、図9〜図15を参照しながら、第1給紙手段6、第2給紙手段65及びメンテナンス部としてのメンテナンスユニット101に対するそれぞれの駆動力の動力伝達部102、103、104及び伝達切り替え手段105の構成について説明する。まず、下流側の第2ガイド部材18の下面一側(左端部)には、図9に示すように、正逆回転可能な用紙搬送モータ106が配置されている。この用紙搬送モータ106からの回転力は、ピニオン106a及びレジストローラ軸22aの一側(左端部)に取り付けられた減速ギヤ107に伝達される。レジストローラ軸22aの右端部には1つの出力平歯車としての駆動ギヤ108が一体的に回転するように設けられている。この駆動ギヤ108に常時噛み合い、且つレジストローラ軸22aの軸線と並行状にスライド可能な1つの中間歯車である切り換えギヤ109を備えた伝達切り換え手段105は、第1給紙手段6への第1動力伝達部102と、第2給紙手段65への第2動力伝達部103と、メンテナンスユニット101への第3動力伝達部104とに選択に動力伝達するように構成されている。
伝達切り換え手段105は、図14(a)〜図14(c)に示すごとく、メインフレーム16におけるメンテナンスユニット101が配置された側の側板16aから第1ガイド部材17の下面と平行に突出す支軸105bと、これに摺動自在なブロック部105aと、このブロック部105aと切り離し可能であって支軸105bに摺動自在な切り換えギヤ109と、ブロック部105aから上向きに一体的に突出する当接部120と、ブロック部105aを側板16aの外面方向に弾力付勢するための第1付勢バネ105cと、側板16aの外面と切り換えギヤ109との間に配置されて、切り換えギヤ109をブロック部105aの一側方向に押圧付勢するための第2付勢バネ105dとにより構成されている。第1付勢バネ105cより第2付勢バネ105dの付勢力は弱く設定されている。
第1〜第3動力伝達部102〜104は、用紙Pの主走査方向(Y軸方向)の記録領域Lよりも、当該主走査方向の外側に配置され、且つ第1動力伝達部102が最も記録領域Lに接近しており、次いで第2動力伝達部103、第3動力伝達部104の順序で離間配置される。第1動力伝達部102は、上述の切り換えギヤ109に噛み合い可能な平歯車状の第1入力平歯車110から、複数(実施形態では2つ)の中間歯車111a、111bを介して駆動軸74の先端に固定された伝達歯車112に動力伝達するように構成されている(図5、図9及び図13(a)、図13(b)参照)。
第2動力伝達部103は、同じく切り換えギヤ109に噛み合い可能な平歯車状の第2入力平歯車113から、複数(実施形態では4つ)の中間歯車114a〜114dを介して駆動軸66の先端に固定された伝達歯車115に動力伝達するように構成されている(図9、図10及び図13(a)、図13(b)参照)。
第3動力伝達部104は、同じく切り換えギヤ109に噛み合い可能な平歯車状の第3入力平歯車116から、大傘歯車117、小傘歯車118を介してメンテナンスユニット101における伝達部(図示せず)に動力伝達するように構成されている(図9参照)。なお、第3入力平歯車116と大傘歯車117とは一体的に形成され、第1入力平歯車110と第3入力平歯車116との間に第2入力平歯車113が配置されている。そして、図示しない共通の支軸に対して第1〜第3の各入力平歯車110、113、116はそれぞれ、単独で回転可能となるように軸支されている。
切り換えギヤ109が一側部に隣接して配置された伝達切り換え手段105のブロック部105aには、第1ガイド部材17の右端部に穿設された主走査方向(Y軸方向)に長いガイド溝119を介して上向きに突出する当接部120が一体的に設けられている(図9、図14(a)〜図14(c)参照)。そして、図3に示されるように、キャリッジ5の用紙搬送方向の上流側外側面の先端に突起121が一体的に設けられ、キャリッジ5を図3で右端部の方向(側板16aの外面から離間する方向)に移動するとき、その移動量に応じて当接部120に当接して、上述の第1付勢バネ105c及び第2付勢バネ105dの付勢力に抗して、伝達切り換え手段105は右方向に移動して、動力出力部である駆動歯車108から切り換えギヤ109を介して第1入力平歯車110、第2入力平歯車113、第3入力平歯車116に対して択一的に動力伝達させることができる。この場合、1つの出力歯車である駆動ギヤ108、中間歯車である切り換えギヤ109、第1入力平歯車110、第2入力平歯車113、第3入力平歯車116も同じピッチ、歯形を有する平歯車であるから、切り換えギヤ109を支軸105bに沿って摺動させるだけの簡単な操作で動力伝達の切り換えができるという効果を奏する。
例えば、図14(a)のように、キャリッジ5の突起121が当接部120に当接していない状態では、第1付勢バネ105cの付勢力が第2付勢バネ105dの付勢力より大きいので、ブロック部105a及び切り換えギヤ109が画像記録領域Lに近づくように付勢されて、図14(a)のように、図9の長孔119の端部に当接部120が当たって止まり(移動不能)、切り換えギヤ109は第1入力平歯車110と噛合う位置に位置保持され、用紙搬送モータ106の駆動力は、中間歯車111a,111b、伝達歯車112を介して第1給紙手段6の駆動軸74に動力伝達され、給紙ローラ6bを回転させることができる。
キャリッジ5の突起121にて当接部120を当接させて、ブロック部105aを横移動させ、図14(c)のように、切り換えギヤ109を第2入力平歯車113と噛合う位置に保持させた場合には、用紙搬送モータ106の駆動力は、中間歯車114a〜114d、伝達歯車115を介して第2給紙手段65の駆動軸66に動力伝達され、給紙ローラ65bを回転させる。
キャリッジ5を画像記録領域Lから最も離間した位置まで横移動させて、メンテナンスユニット101側に最も近づく位置に保持すると、実施形態では、キャリッジ5が第1ガイド部材17の最も右端に位置する(後述する待機位置に相当)。そのとき、第3入力平歯車116のメンテナンスユニット101側に隣接する大傘歯車117の大径部は、第3入力平歯車116の外周直径より大きいので、第2付勢バネ105dの付勢力により、右方向に押圧される切り換えギヤ109は、大傘歯車117の大径部の背面に当接してそれ以上に右方向には移動不能となる一方、キャリッジ5及び当接部120を介して右方向に押圧されるブロック部105aのみが第1付勢バネ105cの付勢力に抗して右端側に位置する(参照する図14では左右反対に見える)。この状態では、図14(b)のように、切り換えギヤ109が第3入力平歯車116と噛合い、用紙搬送モータ106の駆動力は、メンテナンスユニット101内の伝動部を介してメンテナンスユニット101内の図示しない吸引ポンプ等を作動させるのである。
なお、第2給紙手段65に対する動力伝達部のうち、第2入力平歯車113と噛合う上流側の1つの中間歯車114aは、第1給紙手段6を支持するメインフレーム16の一側板16aに固定されたL字状の支持板122の外面に軸支されている(図13(a)及び図14(b)参照)。そして、図15に示すように、第2給紙手段65における伝達歯車115と、この伝達歯車115に噛合う中間歯車114dは、第2下部ケース21に固定された支持フレーム67の一側板67cに軸支される。その場合、一側縦板67cに突設した横軸123に揺動フレーム124の断面上向きコ字型片124aを上下回動可能に設け、コ字型片124a内にて横軸123に中間歯車114dを軸支する。そして、揺動フレーム124には、残りの複数(実施形態では2つ)の中間歯車114b、114cを軸支する。さらに、揺動フレーム124には、横軸123の軸心から近い側であって、中間歯車114cの外周より外径側に第1ストッパー片125を、遠い側に第2ストッパー片126をそれぞれ折曲して形成する。一側板67cと揺動フレーム124との間に付勢引張ばね127を装架して、横軸123を中心として揺動フレーム124のうち中間歯車114b側(第1ストッパー片125及び第2ストッパー片126側)が上向き回動するように付勢する。一側板67cには、上向き回動する第1ストッパー片125に当接する第1当接部128が設けられ、L字状の支持板122の下端には、同じく上向き回動する第2ストッパー片126に当接する第2当接部129が設けられている(図13(a)、図13(b)及び図15参照)。
上記の構成によれば、第1下部ケース20と第2下部ケース21とが離れている場合(図13(b)参照)には、揺動フレーム124が付勢引張ばね127により上向き回動するので、中間歯車114cの上側歯面(外周面)が支持フレーム67の水平部等に衝突して歯の先端を傷つけることがないように、第1ストッパー片125を第1当接部128に当接させる。
他方、第1下部ケース20の下面に第2下部ケース21を連結した場合、上向き回動する揺動フレーム124に設けられた中間歯車114bの上側歯面が、自動的に第1下部ケース20に設けた中間歯車114aと噛合うが、その噛み合い深さが大き過ぎると、動力伝達時に余分な負荷が作用して、円滑に回転力を伝達できなくなる。そのことを防止するため、第2ストッパー片126が第2当接部129に当接して(図13(a)参照)、それ以上揺動フレーム124の上向き回動を阻止し、中間歯車114bと中間歯車114aとの噛み合いを適正に保持するのである。
上記の構成による第1給紙手段6、第2給紙手段65及びメンテナンス部(メンテナンスユニット)101に対する動力伝達の切り換え手段105による切り換えの制御態様について説明する。図16は、そのための最小限の要素で示す制御手段(制御装置)の機能ブロック図であり、マイクロコンピュータ等からなるコントローラ130と、これに接続する用紙先端検出センサ131と、Y軸方向エンコーダ26と、用紙搬送モータロータリエンコーダ132と、キャリッジモータ25に対する駆動回路133と、用紙搬送モータ106に対する駆動回路134とから成る。用紙先端検出センサ131は、図4に示すように、レジストローラ22a,22bよりも用紙搬送方向の上流側であって、第1Uターンパス27と第2Uターンパス34との搬送下流側合流部近傍に配置されている。用紙搬送モータロータリエンコーダ132は、図10〜図12、図13(a)及び図13(b)に示すようにレジストローラ22aの一端に固定されて、レジストローラ22aと一体的に回転する。
次に、図17のフローチャートを参照しながら、上述の制御手段による給紙及びメンテナンス切り換え制御について説明する。画像記録装置1に電源投入されていない状態では、キャリッジ5はメンテナンスユニット101の上面位置にて停止しており、キャリッジ5における記録ヘッド4のノズル部はメンテナンスユニット101の上面のキャップ部101aに密着されて覆われている(この状態を待機状態という)。
次いで、画像記録装置1に電源投入され(ステップS1)、図示しない外部コンピュータ等から画像形成指令(ステップS2)があると、まず、上述の待機位置(初期位置)にあるキャリッジ5に対するキャップ部101aが下降するように用紙搬送モータ106が所定ステップ数だけ回転する。
次に、キャリッジモータ25を正回転させ、キャリッジ5を図3の左端部(フラッシング位置)へ移動させ(ステップS3)、そのインク受け部にインクを吐出する(ステップS4)。
上述のステップS3でキャリッジ5がメンテナンスユニット101の部分から離れるに際して、図14(b)のごとく、伝達切り換え手段105の切り換えギヤ109が第3入力平歯車116との噛合を解除し、さらに、伝達切り換え手段105を横移動させることを円滑に実行するため第2入力平歯車113及び第1入力平歯車110と噛み合い及び噛み合い解除させるには、用紙搬送モータ106をギヤの歯の1ピッチより少ない位相分だけ、一旦逆回転した後元の位相に戻すべく正回転することを1〜2回繰り返すという切り換え外しのための微小作動を実行する(ステップS5)。
次いで、給紙カセットの選択を実行し(ステップS6)、選択される給紙カセットが 第1給紙カセット3aの場合(ステップS6:yes )、キャリッジ5をメンテナンスユニット101方向に移動させることなく、上述のように、伝達切り換え手段105は図14(a)の状態に切り換えられ、切り換えギヤ109は第1入力平歯車110と噛合うようになる。この状態では、上段である第1給紙カセット3Aからの給紙が可能となるので、給紙動作のため、用紙搬送モータ106を逆回転(図13(a)で反時計周り回転)させ、第1伝達部102を介して給紙ローラ6bを給送方向に回転駆動させる(ステップS7)。
用紙搬送モータ106の逆回転時には、レジストローラ対22a,22bでは用紙Pを記録ヘッド4の下方には送らない逆回転状態である。そして、第1給紙カセット3Aに堆積された用紙Pのうちの最上層の1枚の用紙Pが分離されて、その用紙Pの先端が、用紙先端検出センサ131の箇所を通過してから所定ステップ数だけ、レジストローラ対22a,22bに突き当たる状態まで用紙搬送モータ106の逆回転が継続され、次いで、用紙搬送モータ106を適宜ステップ数だけ正回転させて用紙Pの頭出しを行う(ステップS8)。頭出し動作とは、用紙Pの先端が、用紙先端検出センサ131の箇所を通過してから、記録ヘッド4の下方の所定位置まで前進させて画像記録の開始可能位置にセットすることをいう。
続いて、用紙Pを間欠的に前進させながら、キャリッジ5を主走査方向に往復移動させつつ記録ヘッド4のノズルからインクを吐出させて画像記録を実行する(ステップS9)。所定の画像記録が終わると、用紙搬送モータ106を連続正回転させて、用紙P全体を排紙部10に向かって排出する(ステップS10)。このようにして、第1給紙カセット3Aから給送される用紙Pへの画像記録が実行される。複数枚の連続画像記録の場合には、ステップS7〜ステップS10の工程を繰り返すことになる。
図示しない外部コンピュータ等から画像形成指令があり、それに第2給紙カセット3Bからの給紙を実行する場合、前述のステップS1〜ステップS5までは共通であり、その後のステップS6の判断でnoとなり、キャリッジ5をメンテナンスユニット101方向に所定距離だけ横移動させて、図14(c)に示すごとく、切り換えギヤ109と第2入力平歯車113とが噛合う位置に保持させる(ステップS11)。この状態で、用紙搬送モータ106を逆回転(図13(a)で反時計周り回転)させ、第2伝達部103を介して給紙ローラ65bを給送方向に回転駆動させ(ステップS12)、下段である第2給紙カセット3Bから用紙Pを1枚分離して給紙が可能となる。
次いで、第2給紙カセット3Bから給送された用紙Pの先端が、用紙先端検出センサ131の箇所を通過してから所定ステップ数だけ、レジストローラ対22a,22bに突き当たる状態まで用紙搬送モータ106の逆回転が継続され、次いで、用紙搬送モータ106を適宜ステップ数だけ正回転させて用紙Pの頭出しを行う(ステップS13)。その後前記ステップS5と同じように、歯車の切り換え外しのための用紙搬送モータの作動を実行し(ステップS14)、これから後は、上述と同じようにして、画像記録(ステップS15)、排紙(ステップS16)を実行する。
このように、伝達切り換え手段105を第3入力平歯車116から第2入力平歯車113及び第1入力平歯車110に切り換えまたは切り換え外しであるステップS1〜5の動作(制御)を実行することを、給紙の頭出し動作に先立って実行することにより、給紙カセットの選択のための切り換え制御が簡単になるという効果を奏する。
なお、インクカートリッジの交換等のメンテナンス作業時には、上述したように、図3に示すように、メインフレーム16の右端のメンテナンス位置(待機位置)にキャリッジ5を移動させるものである。
なお、この構成において、第1給紙カセット3Aのみにする場合、第2入力平歯車113は第1入力平歯車110と第3入力平歯車116との間に配置したままであっても、第2入力平歯車113から伝動下流側に伝達すべき歯車が存在しないから、何ら不都合はない。第2入力平歯車113の設置に代えて、切り換えギヤ109と噛合うことのない円筒体を配置しても良い。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば、上下3段の給紙カセットの場合に本発明を適用する時には、最上段の給紙カセットに対する入力平歯車(動力伝達歯車)を画像記録領域Lに最も近くに配置し、次いでその下の段の給紙カセット、更に下段の給紙カセット対する入力平歯車(動力伝達歯車)をという順で配置し、画像記録領域Lから最も離れた位置にメンテナンスユニットに対する入力平歯車(動力伝達歯車)する。これにより、上述の2段の給紙カセットの場合と同じ順序切り換え動作の制御を採用できることになる。従って、オプションとして、給紙カセットの段数を変更しても、制御の態様も簡単になると共に、画像記録のための準備動作を統一させることができる。
さらに、上記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。