JP4431481B2 - クリーニング治具 - Google Patents
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Description
そのため、上記光センサの感度が劣化したとき、専用のクリーニング治具をカード搬送路を搬送させて、付着した塵、埃等を取り払うようにしていた。
このクリーニングカード100は、基材101の片側面であって光センサの受光素子側に対応する位置に、フェルトよりも毛先の長い毛状部材103が設けられている。
このクリーニングカード100をカード搬送路に搬送させることにより、受光素子および素子とカード搬送路との間に形成された隙間のクリーニングを行い、受光素子及び隙間に付着した塵、埃等を取り払っている。(特許文献1を参照。)
このクリーニングカード110では、突出弧状成形部111により、カード搬送路から多少離れて位置している被クリーニング部、例えば、搬送機器部やプリンタ機構部等に対しても効果的に上記繊維布を接触させることができるようになっている。(特許文献2を参照。)
そのため、舞い落ちた塵、埃等は拭き払うことはできるが、搬送されるカードに付着した手垢や油等によって貼着した塵、埃等は粘着性をもち、光センサに貼り付いているので、毛先の長い毛状部材や繊維布を摺動させて拭き払うだけでは取り除くことはできなかった。
また、本発明は、光センサやカード搬送路を傷つけることなく、光センサおよびその周囲部分に付着した粘着性をもつ塵、埃等を取り除くことができるカードリーダのクリーニング治具を提供することを目的とする。
図1は、カードリーダ、およびクリーニング治具の部分縦断面図である。
図1に示すカードリーダ1には、カード挿入口(図示せず)から挿入されたカードが搬送されるカード搬送路4と、カードを搬送するローラ71、72と、搬送されるカードの有無または位置を検出する光センサ2とが設置されている。
具体的には、第一ガイドブロック11には、搬送されるカードが摺接する第一ガイド面11bが形成されており、この第一ガイド面11bに対面するように第二ガイド面12bが第二ガイドブロックに形成されている。そして、第一ガイド面11bと第二ガイド面12bとは、カードを搬送可能な間隔を有して配置され、その形成された空間(間隔)がカード搬送路4となっている。
さらに、本実施の形態では、光センサ2とカード搬送路4との間には光センサ4を保護する透光性のカバー31、32が設けられている。
なお、本実施の形態では、カバー31の凸曲状の先端部である頂部31aは、カード搬送路4から突出しており、搬送されるカードと接触するように設置されている。この突出部分に搬送されるカードが摺接すると、突出部分がこのカード搬送によって自動的にクリーニングされるようにしている。
このカバー31は例えば硬質のアクリル樹脂等の部材により形成され、カードとの接触によっても傷が発生しないような硬度を有している。
また、図1に示すように、このカバー31の基端部31bと第一ガイドブロック11との間には、隙間5a、5bが形成されている。
この第二ガイドブロック12に形成された透孔12aは、第一ガイドブロック11に形成された透孔11aに対向する位置に設けられている。
また、本実施の形態では、受光素子22をカバーするカバー32は、カード搬送路4には突出せず、カード搬送路4との間に僅かな隙間52を有するように設けられている。
さらに、カバー32は、カバー31と同様に、例えば硬質のアクリル樹脂等の部材により形成され、カードとの接触によっても傷が発生しないような硬度を有している。
以下に図2、および図3(a)、(b)を参照しつつ、クリーニング治具の構成を詳細に説明する。
さらに、クリーニング治具6には、第一ガイドブロック11の第一ガイド面11bに当接するように折り曲げられた第一当接部630と、第二ガイドブロック12の第二ガイド面12bに当接するように折り曲げられた第二当接部640a、640bと、これら第一、第二当接部との間に形成され、第一ガイド面11bと第二ガイド面12b間の所定の間隔より長くなるように形成された第一、第二弾性部65a、65bと、第一、第二当接部のうち少なくとも一方に取り付けられたクリーニング材62a、62b、62cと、このクリーニング治具6をつかむ把持部70とが形成されている。
さらに、本実施の形態において、第一当接部630は、図3(b)に示すように、その折り曲げられた頂点の角度θ1が鋭角である山部63となっており、この山部63の頂点(折り曲げ線)およびその近傍が第一ガイド面11bにほぼ線接触の状態で当接するようになっている。
すなわち、当接個所がほぼ線接触となるので、従来技術に比べて小さい接触面積で第一ガイド面11bを押圧することができる。
また、図2に示すように、山部63には、第一ガイドブロック11の第一ガイド面11bまたは発光素子21のカバー31表面に当接する位置にクリーニング材62aが、接着剤等を用いて固着されている。
さらに、本実施の形態では、カード搬送方向において山部63を挟むようにその前後に第一谷部64a、および第二谷部64bを配置している。
第一谷部64aには、第二ガイドブロック12の第二ガイド面12bまたは受光素子22のカバー32表面に当接する位置にクリーニング材62bが貼り付けられている。
同様に、第二谷部64bには、クリーニング材62cが貼り付けられている。
具体的には、本実施の形態では、第一当接部630としての山部63と、第二当接部640aとしての第一谷部64aとの間には、平板状した第一弾性部65aが設けられている。
第一弾性部65aは、図3(b)に示すように、その長さL1は、カード搬送路4の所定の間隔H(以下、高さHという)よりも長く設けられている。
そのため、クリーニング治具6がカードリーダのカード搬送路4内に挿入された場合には、図3(a)に示すように、第一弾性部65aは、その上側先端面に形成された第二谷部64aが第一ガイド面12bに当接するとともに、下側先端面に形成された山部63が第一ガイド面11bに当接するようになっている。そして、山部63と第一谷部64aとの間は、クリーニング治具6自身がもつ弾性により、弧状に弾性変形した状態となっている。
第二弾性部65bは、図3(b)に示すように、その長さL2が、カード搬送路4の高さHよりも長く設けられている。
そのため、第一弾性部65aと同様に、カードリーダのカード搬送路4内では、図3(a)に示すように、第二弾性部65bは、その上側先端面に形成された第二谷部64bが第二ガイド面12bに摺接するとともに、下側先端面に形成された山部63が第一ガイド面11bに当接するようになっている。そして、山部63と第二谷部64bとの間は、クリーニング治具6自身がもつ弾性により、弧状に弾性変形した状態となっている。
また、山部63の頂点の角度θ1は、カード搬送路4内では第一弾性部65a、第二弾性部65bが押し広げられることになるので、その角度θ1’は、角度θ1よりも大きな角度となっている。
なお、図1及び図3(a)において、山部63の頂点の角度θ1’は、θ1に比べて僅かに開いた角度となっているが、これは分かりやすくするために示すものである。すなわち、図1及び図3(a)に示す山部63の頂点の角度θ1’は、鋭角となっている。
そのため、クリーニング治具6は、第一弾性部65a、第二弾性部65bが弾性変形しているので、図3(a)に示すように、第一ガイドブロック11の第一ガイド面11bを押す力F1、第二ガイドブロック12の第二ガイド面12bを押す圧力F2、F3がそれぞれ働いている。
すなわち、第一弾性部65aが、カード搬送路4内に挿入されることで、元に戻ろうとして第二ガイドブロック12の第二ガイド面12bに対しF2、F3の力が働くが、第二ガイドブロック12が固定されているため、同じ大きさの反力を第一弾性部65aが受けている。この反力は第一弾性部65aの山部63を介して第一ガイド面11bを押そうとするが、第一ガイドブロック11も固定されているため、その反力を第一弾性部65aは受けて弧状に弾性変形した状態となっている。
同様に、第二弾性部65bにおいても、第一ガイド面11b及び第二ガイド面12bからそれぞれ反力を受けて弧状に弾性変形した状態となっている。
また、本実施の形態では、第一弾性部65aと、第二弾性部65bとの長さL1とL2とは、ほぼ同じ長さとなっているので、圧力F2とF3とはほぼ同じ圧力の大きさであると考えている。
そのため、山部63に圧力F1が、粘着性をもつ塵、埃等を磨き落とすのに必要な圧力となっている。
なお、本実施の形態では、この圧力F1は、粘着性をもつ塵、埃等を磨き落とすのに必要な圧力であって、かつ、カバー31を傷つけない圧力である10N程度の圧力となっている。
なお、山部63にかかる圧力F1は、10Nに限定されるものではなく、粘着性をもつ塵、埃等を磨き落とすのに必要な圧力であって、かつ、カード搬送路4を構成する第一ガイド面11b、第二ガイド面12b、光センサ及びカバー等を傷つけない圧力(1N以上)であればよい。
さらに詳細に述べると、ガイド部69の先端69aの高さは、カード搬送路4の高さHのほぼ1/2となっている。
具体的には、第二谷部64bから延びる第二斜面部67bが形成されている。
さらに、第二斜面部67bには、その斜面の一部を折り曲げてカード搬送路4と略平行となるように設けられているとともに、その折り曲げた位置は、把持部70がガイド部69の先端69aと同じ高さとなるようになっている。
本実施の形態においては、クリーニング治具6の母材61は、通常使用するカードの本体とほぼ同じ材質でできており、具体的には、塩化ビニル等の材料でできている。すなわち、この塩化ビニル材は、弾性材料であるとともに、その硬度は、光センサとしての発光素子、受光素子、これらを保護するカバーおよびその周辺部分、またはカード搬送路を傷つけない硬さである。
なお、クリーニング治具6の材質は、塩化ビニルに限定されるものではなく、弾性材料であって光センサ、カード搬送路を傷つけないものであればよい。
また、クリーニング治具6の厚みは、特に限定していないが、本実施の形態では通常使用するカードとほぼ同じ厚みとなっている。
まず、長方形状した板材に、その先端から折り曲げる位置、すなわち、ガイド部69、第一谷部64a、山部63、第二谷部64b、第二斜面部67bを測り、それぞれ、折り曲げ中心を示す線80〜84を描いておく。
描かれた折り曲げ中心を示す線80〜84(図2では点線で示す)上に、先端が尖ったポンチ(図示せず)を押し当て、押し曲げ具または手で板材を折り曲げて塑性変形させる。これにより、各位置では折り曲げられた形状となり、特に山部63ではその角度が鋭角となるように成形される。
折り曲げる方向は、図2に示すように互いに反対方向となるようにし、一種のジャバラした形状に成形していく。
なお、本実施の形態では、山部63、第一谷部64a、第二谷部64bの位置に、クリーニング材62を部分貼着したが、母材61全体に、または両面にクリーニング材を貼着してもよい。また、山部63のみにクリーニング材を貼り付けたものでもよい。
さらに、クリーニング材が汚れた場合には、新しいクリーニング材に貼り替えてもよい。
なお、図3(a)、(b)においては、図を簡単にするために、クリーニング材は省略している。
クリーニング治具6のガイド部69の先端69aを、カードリーダのカード挿入口(図示せず)に挿入し、ガイド部69に続いて、第一谷部64a、第一弾性部65a、山部63、第二弾性部65b、第二谷部64bを、このカード挿入口から続いているカード搬送路4内に挿入し続ける。
このカード搬送路4に挿入された状態では、上述したとおり、第一弾性部65a、第二弾性部65bはカード搬送路4の高さHよりも長い。そのため、第一弾性部65a、第二弾性部65bは、第二ガイドブロック12の第二ガイド面12b及び第一ガイドブロック11の第一ガイド面11bからそれぞれ反力を受けて弧状に弾性変形しながらカード搬送路4内に挿入されていく。
このとき、本実施の形態では、ガイド部69の先端69aの高さは、カード搬送路4のほぼ1/2となっているので、カード搬送路4にほぼ平行にクリーニング治具6を挿入することで、ローラ71、72の間に入り込むようになるので、挿入しやすくなっている。
このようにして、図1に示すように、山部63が光センサ22の発光素子21のカバー31の位置近傍に配置するように、クリーニング治具6が挿入される。
そのため、図3(a)に示すように、第一谷部64a、第二谷部64bは、第二ガイドブロック12の第二ガイド面12bより圧力F2、F3を受け、山部63は第一ガイドブロック11の第二ガイド面11より圧力F1を受けている。
この圧力F1は、粘着性をもつ塵、埃等を磨き落とすのに必要な圧力となっている。
さらに、本実施の形態では、第一谷部64aにクリーニング材62bが、第二谷部64bにクリーニング材62cがそれぞれ貼着されているので、クリーニング治具6を摺動させることにより、受光素子22のカバー32面上を同時にクリーニングしている。
このように、クリーニング治具6をカード搬送方向に繰り返し摺動させて光センサ2及びその周辺部分をクリーニングする。または、別の光センサの位置に移動し、摺動させてクリーニングする。
クリーニング後は、クリーニング治具6をカードリーダ内部から取り出す。
本実施形態のクリーニング治具6は、カード搬送路4を構成する第一ガイド面11b、第二ガイド面12bに当接するように折り曲げられた山部(第一当接部630)63、および第一谷部64a、第二谷部64b(第二当接部640a、640b)が形成され、これら山部63、および第一、第二谷部64a、64b間に形成され、第一ガイド面11b、第二ガイド面12b間の所定の間隔より長くなるように形成された第一弾性部65a、および第二弾性部65bとを備えているので、クリーニング治具6は、カード搬送路4内では第一弾性部65a、および第二弾性部65bが弧状に弾性変形しながら山部63、および第一、第二谷部64a、64bが第一ガイド面11b、第二ガイド面12bに当接している。すなわち、山部63が第一ガイドブロック11の第一ガイド面11bを、同様に、第一、第二谷部64a、64bが第二ガイドブロック12の第二ガイド面12bを所定の面圧で押圧しながら摺動するので、クリーニング材62a、62b、62cを取り付けられた山部63、および第一、第二谷部64a、64bが、光センサ2およびその周囲部分、例えばカバー等に付着した、粘着性をもつ塵、埃等を磨き落とすことができる。
また、クリーニング治具6の先端には、ガイド部69が形成され、カード搬送路4への搬入を容易に挿入することができる。
さらに、このガイド部69の先端69aは、山部63、および第一、第二谷部64a、64bの中間の高さに配置したので、スムーズにカード搬送路4内を搬送させることができる。
また、クリーニング材62a、62b、62cにフェルト等の多孔質の繊維を使用しているため、磨き落とされた塵埃を絡み取るため、確実にカード搬送路4から塵埃を除去できる。
さらに、クリーニング治具6を繰り返し搬送させれば、強固にこびりついた粘着性の塵埃を磨き落とすことが可能である。
なお、上述の形態は、本発明の好適な実施例の一例であるが、これに限定されるものではなく、本発明の要旨に逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。
なお、図4(a)〜(d)においては、図を簡単にするために、クリーニング材は省略している。
具体的には、第一弾性部65c、第二弾性部65dは所定の位置で折り曲げられ、山部63は頂点の角度θ1は上述した実施の形態と同じ鋭角を保持したままであるが、第一、第二谷部側では角度θ2を鈍角に設けている。
この構成によれば、角度θ2を鈍角にしたことにより、クリーニング治具6がよりスムーズに第二ガイドブロック12の第二ガイド面12bを摺動できるので、カード搬送路4内につかえることなくスムーズに搬送されるとともに、角度θ1によって、高い面圧での線接触が可能となる。
この構成によれば、クリーニング治具6をカードリーダ内部に挿入する方向で、より高い磨き落としの効果が得ることができる。
なお、長さの関係を逆にすれば、クリーニング治具6をカードリーダ内から排出する方向でより高い磨き落としの効果が得ることができる。
この構成によれば、クリーニング治具6を摺動させる回数を少なくすることができるとともに、粘着性をもつ塵、埃等を確実に磨き落とすことができる。
また、山部63aの角度θ3、山部63bの角度θ4を異なる鋭角としてもよいし、谷部64の保持角度θ5の角度を鋭角としてもよい。
さらに、山部および谷部を複数形成し、ジャバラ形状にしてもよい。
また、山部63cの角度θ6、谷部64cの角度θ7、山部63dの角度θ8、および谷部64dの角度θ9のうち、全てが鋭角である必要はなく、いずれか、もしくは全てが90°〜120°程度の範囲で形成されていてもよい。この場合には、クリーニング材として、ある程度摺動抵抗をもつレーヨンを用いることが好ましい。
なお、この実施の形態では、二箇所に設けたが、図示以外の位置にも山部、および谷部を設けることにより、複数の当接部を備えて、高い磨き落としの効果を得るようにしてもよい。
2 光センサ
4 カード搬送路
6 クリーニング治具
11 第一ガイドブロック
11b 第一ガイド面
12 第二ガイドブロック
12b 第二ガイド面
62a、62b、62c クリーニング材
63 山部
64a 第一谷部
64b 第二谷部
65a 第一弾性部(弾性部)
65b 第二弾性部(弾性部)
630 第一当接部
640a、640b 第二当接部
Claims (2)
- 搬送されるカードのカード面に対向するように所定の間隔を形成して配置された第一ガイド面と第二ガイド面とからなるカード搬送路に設置された光センサをクリーニングするカードリーダのクリーニング治具において、
弾性部材で形成されるとともに、
前記第一ガイド面に当接するように折り曲げられた第一当接部と、前記第二ガイド面に当接するように折り曲げられた第二当接部と、前記第一当接部と前記第二当接部との間に形成された弾性部と、前記第一当接部および前記第二当接部のうちの少なくとも一方に取り付けられたクリーニング材とを備え、
前記第一当接部は、その折り曲げられた頂点の角度が鋭角である山部であり、
前記第二当接部は、カード搬送方向において前記山部の前後に配置された第一谷部および第二谷部であり、
前記弾性部は、前記第一谷部および前記第二谷部と前記山部とを繋ぐ平板状に形成されるとともに、前記山部が前記第一ガイド面を所定の面圧で押圧しながら摺動し、かつ、前記第一谷部および前記第二谷部が前記第二ガイド面を所定の面圧で押圧しながら摺動するように、前記第一ガイド面と前記第二ガイド面間の所定の間隔より長く形成され、
前記クリーニング材が前記光センサに摺動して前記光センサをクリーニングすることを特徴とするクリーニング治具。 - 前記クリーニング治具の母材は、前記カード搬送路で搬送される前記カードと同じ材質であることを特徴とする請求項1記載のクリーニング治具。
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