JP4431443B2 - 無線通信端末、ハンドオフ実行方法及びハンドオフ実行プログラム。 - Google Patents

無線通信端末、ハンドオフ実行方法及びハンドオフ実行プログラム。 Download PDF

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Description

共通のアンテナを用いて、2つの通信方式を切り替えて通信を行う無線通信端末、ハンドオフ実行方法及びハンドオフ実行プログラムに関する。
2つの通信方式を切り替えて基地局と通信を行うことのできるデュアル方式の無線通信端末が知られている。デュアル方式の無線通信端末において、共通のアンテナを用いて2つの通信方式を切り替えることにより、一方の通信方式を使った通信中に他方の通信方式の無線通信状態を測定し、着信の監視を行うことができるものを、本明細書では、特にハイブリッド方式と呼ぶ。
特開2003−298762号公報
前述したようなハイブリッド方式の無線通信端末において、特に音声通信が主体のcdma2000 1xシステムと、データ通信専用の1xEVDOシステムとのハイブリッド方式の無線通信端末では、1xEVDOシステムがデータ通信中を行っている間にcdma2000 1xの着信を監視するため、所定の間隔(例えば5.12秒間隔)で、1xEVDOのデータ通信を保留し、アンテナと無線部をcdma2000 1xに切り替え、cdma2000 1xでの着信の監視を行う。着信の監視処理が終了すると、再び1xEVDOにアンテナと無線部を切り替え、1xEVDOシステムでのデータ通信を再開する。
ここで、無線通信端末が存在するエリアがcdma2000 1xシステムとして複数の基地局のサービスエリアの境界付近(複数の基地局からの信号の受信品質(例えばRSSI値))が拮抗している場合)の場合は、cdma2000 1xシステムはアイドルハンドオフ(待受状態でのハンドオフ)を頻繁に繰り返す場合がある。この状況下では、cdma2000 1xの着信監視のために、前述した所定の間隔で1xEVDOシステムからcdma2000 1xシステムに切り替わり、cdma2000 1xのシステム監視処理を行う。この際に、cdma2000 1xシステムのアイドルハンドオフが検出され、更にアイドルハンドオフ処理後も連続してアイドルハンドオフが検出されると、無線通信端末のアンテナ部及び無線部はcdma2000 1xシステムが占有したままになってしまう。この占有が一定の時間を経過すると、1xEVDOシステム側では電波断と判断しデータ通信の中断処理を行ってしまう。
すなわち、1xEVDOデータ通信中に1xEVDOシステムの電波状態には関係なく、cdma2000 1xシステムにおいて繰り返されるアイドルハンドオフによって1xEVDOシステムのデータ通信が切断されてしまう。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、cdma2000 1xシステムと1xEVDOシステムとの2つのシステムを切り替えて基地局と通信を行うハイブリッド通信端末において、cdma2000 1xシステム側で頻繁にアイドルハンドオフを繰り返す電波状態であっても、1xEVDOシステム側のデータ通信中に不測の通信中断が発生しない無線通信端末及びハンドオフ実行プログラムを提供することを目的とする。
第1の発明は、第1の通信方式と第2の通信方式とを共通のアンテナを用いて基地局と無線通信を行うと共に両通信方式で待受け可能な無線通信端末において、前記基地局が送信する信号の品質を測定する測定手段と、待受け基地局及び他の基地局から送信される信号の品質に基づいて、待受け中のハンドオフを実行するシステム制御手段と、無線通信端末の移動状態を検出する移動検出手段と、を備え、前記システム制御手段は、前記第1の通信方式が通信中であるか否かを判定し、前記移動検出手段の検出結果に基づいて、無線通信端末が移動しているか否かを判定し、無線通信端末が移動してないと判定すると共に、前記第1の通信方式が通信中である場合に、前記第2の通信方式における前記待ち受け基地局より受信する信号の取得が所定の回数失敗した場合は、前記第2の通信方式における待受け中のハンドオフを実行することを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明において、前記移動検出手段は、GPSを用いて移動状態を検出することを特徴とする。
第3の発明は、第1の発明において、前記移動検出手段は、無線通信端末において稼動中のアプリケーションに関する情報を取得し、取得した前記アプリケーションに関する情報に基づいて移動状態を検出することを特徴とする。
第4の発明は、第1の発明において、前記無線通信端末は、開閉可能に構成され、前記移動検出手段は、前記無線通信端末の筐体の開閉状態に基づいて移動状態を検出することを特徴とする。
第5の発明は、第1の発明において、前記第1の通信方式は少なくともデータ通信に用い、前記第2の通信方式は少なくとも音声通話に用いることを特徴とする。
第6の発明は、第1の発明において、前記第1の通信方式はCDMA2000 1xEVDO方式であり、前記第2の通信方式はCDMA2000 1x方式であることを特徴とする。
第7の発明は、第1の通信方式と第2の通信方式とを共通のアンテナを用いて基地局と無線通信を行うと共に両通信方式で待受け可能であり、前記基地局が送信する信号の品質を測定する測定手段を備えた無線通信端末に、待受け基地局及び他の基地局から送信される信号の品質に基づいて第2の通信方式における待受け中のハンドオフを実行させるハンドオフ実行プログラムであって、前記第1の通信方式が通信中であるか否かを判定する第1の手順と、前記第1の通信方式が通信中である場合は、前記第2の通信方式において、前記基地局が送信する信号の取得が所定の回数失敗したか否かを判定する第2の手順と、前記第2の通信方式において、前記待ち受け基地局が送信する信号の取得が所定の回数失敗した場合は、前記第2の通信方式における待受け中のハンドオフを実行する第3の手順と、無線通信端末の移動状態を検出し、無線通信端末が移動しているか否かを判定する第4の手順と、を備え、無線通信端末が移動してないと判定した場合のみ、前記第1から第3の手順を実行させることを特徴とする。
第8の発明は、第7の発明において、前記第4の手順では、GPSを用いて前記無線通信端末の移動状態を検出することを特徴とする。
第9の発明は、第7の発明において、前記第4の手順では、前記無線通信端末において稼動中のアプリケーションに関する情報を取得し、取得した前記アプリケーションに関する情報に基づいて前記無線通信端末の移動状態を検出することを特徴とする。
第10の発明は、第7の発明において、前記無線通信端末は、開閉可能に構成され、前記第4の手順では、前記筐体の開閉状態に基づいて前記無線通信端末の移動状態を検出することを特徴とする。
第11の発明は、第1の通信方式と第2の通信方式とを共通のアンテナを用いて基地局と無線通信を行うと共に両通信方式で待受け可能であり、前記基地局が送信する信号の品質を測定する測定手段を備えた無線通信端末が、待受け基地局及び他の基地局から送信される信号の品質に基づいて第2の通信方式における待受け中のハンドオフを実行するハンドオフ実行方法であって、前記第1の通信方式が通信中であるか否かを判定する第1の手順と、前記第1の通信方式が通信中である場合は、前記第2の通信方式において、前記基地局が送信する信号の取得が所定の回数失敗したか否かを判定する第2の手順と、前記第2の通信方式において、前記待受け基地局が送信する信号の取得が所定の回数失敗した場合は、前記第2の通信方式における待受け中のハンドオフを実行する第3の手順と、前記無線通信端末の移動状態を検出し、前記無線通信端末が移動しているか否かを判定する第4の手順と、を備え、前記無線通信端末が移動していないと判定した場合のみ、前記第1から第3の手順を実行することを特徴とする。
第12の発明は、第11の発明において、前記第4の手順では、GPSを用いて前記無線通信端末の移動状態を検出することを特徴とする。
第13の発明は、第11の発明において、前記第4の手順は、前記無線通信端末において稼動中のアプリケーションに関する情報を取得し、取得した前記アプリケーションに関する情報に基づいて移動状態を検出することを特徴とする。
第14の発明は、第11の発明において、前記無線通信端末は、開閉可能に構成され、前記第4の手順では、前記筐体の開閉状態に基づいて前記無線通信端末の移動状態を検出することを特徴とする。
本発明によると、第1の通信方式における通信中は、前記第2の通信方式におけるハンドオフの頻度を少なくすることができるので、第1の通信方式における不測のデータ通信の中断が起こりにくくなり、安定したデータ通信を行えるとともに、データ通信のスループットを向上することができる。
以下に、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の形態の無線通信端末の構成を表すブロック図である。
本実施の形態の無線通信端末(携帯電話端末)200は、共通のアンテナ10を用いてcdma20001xの通信方式(以下、「lxシステム」と呼ぶ)と、1xEVDOの通信方式(以下、「DOシステム」と呼ぶ)とを切り替えて基地局100Aと基地局100Bとの間をハンドオフを行って移動しながら通信をすることのできる無線通信端末である。
アンテナ10は、1xRF部20又はDO RF部30の何れかからの高周波信号を電波に変換し基地局100A、100Bに送信し、また、基地局100A、100Bからの電波を受信して1xRF部20又はDO RF部30に高周波信号として送る。
1xRF部20は、1xシステムで送信するデータ又は音声信号を高周波信号に変換し、アンテナ10に送る。また、アンテナ10から送られた高周波信号をデータ信号又は音声信号に変換する。
DO RF部30は、DOシステムで送信するデータを高周波信号に変換し、アンテナ10に送る。また、アンテナ10から送られた高周波信号をデータ信号に変換する。
RF制御部40は、DOシステム及び1xシステムの2つのシステムの通信を制御する制御部である。また、RF制御部40は、アンテナ10が受信した基地局100からの電波の強度(RSSI)を測定する。
システム制御部(システム制御手段)50は、無線通信端末200の各部を統括して制御する制御部である。システム制御部50はRF制御部40を制御し、DOシステム及び1xシステムの2つのシステムの切り替えを制御する。特に待受中は、所定の時間間隔で2つの通信方式を選択的に切り替えて、両通信方式において着信を待ち受ける。また、1xシステムにおいて、着信待ち受け時にアンテナ10によって受信した基地局の電波状態に基づいてハンドオフを行うか否かの判定を行い、必要と判断した場合にハンドオフ処理を実行する。なお、本明細書では接続する基地局を切換える動作をハンドオフと呼ぶ。また、GPS部70の計測した位置情報を元に、端末が移動中か否かの判定を行う。
システム記憶部60は、RAM等のメモリによって構成され、アプリケーションや一時的なデータなどを保存する。
GPS(Global Positioning System)部70は、複数のGPS衛星からの電波を受信し、受信した複数の電波の到達時間差を用いて無線通信端末200の位置を計測する。
UI部80は、無線通信端末200を操作するユーザとのインターフェースとなる部分であり、文字、画像等を表示するLCDディスプレイ(メインディスプレイ、サブディスプレイ)、音声等を出力するスピーカ、音声を入力するマイク、ユーザの入力を受け付ける入力キー等から構成される。
開閉検出部90は、無線通信端末200の開閉状態を検出する。本実施の形態の無線通信端末200は、2つの筐体が開閉可能に連結された折り畳み式のいわゆるフォルダ型の構造を持つ。無線通信端末200を開にした状態では筐体に備わるディスプレイの表示を確認することができ、筐体に備わるマイク及びスピーカを用いて音声通話をすることができる。一方、無線通信端末200を閉にした状態では、筐体が折り畳まれることでディスプレイが隠れてしまい表示が確認できなくなると共に、マイク及びスピーカも隠れてしまい音声通話をすることができなくなる。開閉検出部90は、この筐体の状態(開及び閉)を検出し、システム制御部50にその検出結果を送る。
なお、開閉検出部90は、筐体の開閉状態でなくアンテナの伸縮状態を検出してもよい。
次に、本発明の実施の形態の無線通信端末の動作を説明する。
本発明の実施の形態の無線通信端末200は、1つのRF制御部40を1xシステムとDOシステムとで共有し、通信を行う側がRF制御部40を独占する。
図2は、無線通信端末200が待ち受け時におけるRF制御部40の状態を示す説明図である。
1xシステム及びDOシステムは、それぞれが所定のタイミング(本実施の形態では5.12秒)毎に、着信があるか否かのパイロット信号を検出するための待ち受け処理を行い、各システム側でのRF制御部40の動作が“Active”となる。一方のシステムで待ち受け処理を行っている間はRF制御部40が独占されるため、2つのシステムは互いに異なるタイミングで待ち受け処理を行う。
図3は、待ち受け処理を行っている際に、1xシステムにおいてハンドオフ(アイドルハンドオフ)が発生した場合のRF制御部40の状態を示す説明図である。
無線通信端末200は、現在通信している基地局との電波の状態と、別の基地局のうち最も電波の状態がよいものとを比較し、両者の電波の状態の差が所定の閾値を超えた場合に、当該別の基地局に対してハンドオフを行う。このときのハンドオフの処理(通常モードハンドオフ処理)は図9において後述する。
図3では、1xシステム及びDOシステムが共に待ち受け処理を行っている際に、1xシステムにおいてハンドオフが行われた場合を示す。待ち受け処理を行うタイミングは基地局毎に異なるので、ハンドオフが行われ通信先が他の基地局に変更された場合は、待ち受け処理のタイミングが変更される。このとき、DOシステム側では、1xシステム側の待ち受けタイミングが変更されたことを受けて、1xシステムの待ち受けタイミングと重ならないように、待ち受けタイミングの変更を行う。待ち受けタイミングの変更は、無線通信端末200と基地局とで所定のメッセージを交換することで行われる。
図4は、DOシステムが通信中に1xシステムが待ち受け処理を行う際のRF制御部40の状態を示す説明図である。
DOシステムが通信(データ通信)を行っているときに、1xシステムの待ち受け処理タイミングとなった場合は、一旦RF制御部40を1xシステム側に切り替える。待ち受け処理が終わると、再びDOシステム側にRF制御部40を切り替える。
図5は、DOシステムが通信中に、待ち受け処理を行っている1xシステムにハンドオフが発生した場合のRF制御部40の状態を示す説明図である。
図4において説明したように、DOシステムが通信中の場合も、1xシステムは、所定の間隔で待ち受け処理を行う。そして、待ち受け処理の際に、1xシステムのハンドオフを検出した場合は、まず、基地局100との間でハンドオフの処理を行う。このハンドオフの処理の間は、RF制御部40は1xシステムに独占される。ハンドオフの処理が終了すると、再びDOシステム側にRF制御部40を切り替え、通信を再開する。
この際に、1xシステムのハンドオフの直後に、更にハンドオフ処理が連続して検出されると、無線通信端末のRF制御部40は1xシステムが独占したままとなってしまう。1xシステムのハンドオフ処理の間は、DOシステムは通信を行うことができない。DOシステムでは、所定の時間通信の中断が継続すると通信の中断処理を行うよう予め設定されている。そのため、1xシステムでのハンドオフ処理によってRF部40が独占され、DOシステムが通信を行うことができない時間が一定の時間を経過すると、DOシステムは通信の中断処理を行ってしまう。
そこで、本発明の実施の形態の無線通信端末200は、以下に説明するように、DOシステムにおいて通信中であるか否かを判定し、データ通信中であれば、1xシステムのハンドオフの発生頻度を下げるとともに、さらに無線通信端末200が移動中であるか否かを判定し、移動しておらず固定中であれば、1xシステムのハンドオフの発生頻度を必要最低限にする処理を行う。
図6は、ハンドオフ処理を示すフローチャートであり、以下の処理はシステム制御部50によって行われる。
まず、DOシステムにおいてデータ通信中であるか否かを判定する(ステップ1001)。DOシステムがデータ通信中でないと判定した場合は、通常モードハンドオフ処理(図7)を行う。DOシステムがデータ通信中であると判定した場合は、次に、現在のモードが「移動モード」であるか「固定モード」であるかを判定する(ステップ1002)。
現在無線通信端末200が移動中である場合は「移動モード」と判定し、無線通信端末200が移動していない(移動範囲又は移動速度が極めて小さい)場合は「固定モード」と判定する。
移動モード及び固定モードの判定には、GPS部70によって所定の期間に取得された現在の無線通信端末200の位置から判断する。所定の期間での移動距離が予め定めた所定の距離を超えていた場合(例えば、10分あたり100m以上移動した場合)は移動モードと判定し、それ以外の場合は「固定モード」と判定する。
また、開閉検出部90の検出した筐体の開閉状態によっても、移動モード又は固定モードの判定を行うようにしてもよい。例えば、無線通信端末200を固定してストリーミング映像等を視聴する場合、ユーザはメインディスプレイの表示の確認が行えるように筐体を開にし、これに対し、例えば、データ等をダウンロードしながら移動するような場合、ユーザは無線通信端末200をポケットや鞄に入れるために筐体を閉にすることが考えられる。従って、DOシステムによるデータ通信中において、筐体を開にした状態では「固定モード」と判定し、筐体を閉にした状態では「移動モード」と判定するようにしてもよい。
また、開閉検出部90がアンテナの伸縮状態を検出してもよく、この場合は、例えば、アンテナを伸ばした状態では無線通信端末200を固定してストリーミング映像の視聴等が行われている可能性が高く、アンテナを縮めた状態ではユーザが無線通信端末200をポケットや鞄に入れて移動中である可能性が高いと判断できる。従って、アンテナが「伸」状態では「固定モード」と判定し、アンテナが「縮」状態では「移動モード」であると判定するようにしてもよい。
さらに、上記の開閉検出部90の判断として、別の例も考えられる。例えば、前述したように本実施の形態の無線通信端末200は、筐体を開にした状態でのみ音声通話(1xシステムによる音声通話)が可能であり、筐体を閉にした状態では音声通話は行われない。このため、DOシステムによるデータ通信中において、筐体の状態が閉である場合は音声通話を行うことができないので、1xシステムの優先度は低いと判断し、ハンドオフの頻度を低く抑えるために「固定モード」と判定するようにしてもよい。同様に、開閉検出部90がアンテナの伸縮状態を検出する場合においても、アンテナを伸ばした状態は音声通話が行われる可能性が高く、アンテナを縮めた状態では音声通話が行われない可能性が高いと判断できる。このため、アンテナが「伸」状態では「移動モード」と判定し、アンテナが「縮」状態では「固定モード」と判定するようにしてもよい。さらには、システム制御部50が、現在無線通信端末200において稼動しているアプリケーションによって移動モード又は固定モードの判定を行うようにしてもよい。具体的には、主に移動中に使用されるアプリケーションが稼働している場合は「移動モード」と判定し、主に固定して使用されるアプリケーションが稼働している場合は「固定モード」と判定する。主に移動中に使用されるアプリケーションの例としては「地図表示アプリケーション」があり、主に固定して使用されるアプリケーションとしては、ストリーム映像を受信閲覧する「メディアプレイヤー」がある。
このように、GPS部70、開閉検出部90及びシステム制御部50が、移動検出手段として無線通信端末200の移動状態を検出するようになっている。
ステップ1002において移動モードと判定した場合は移動モードハンドオフ処理(ステップ1003、図8)に移行し、固定モードと判定した場合は固定モードハンドオフ処理(ステップ1004、図9)に移行する。
移動モードである場合は、1xシステムにおいてハンドオフが発生する可能性が高いが、DOシステムでのデータ通信の切断が発生しないように、ハンドオフの頻度を下げるよう制御する。一方、固定モードである場合は、端末は移動していない(又は筐体が閉であり音声通話の優先度が低い)ので、可能な限りハンドオフが発生しないように制御する。
図7は、通常モードハンドオフ処理を示すフローチャートであり、システム制御部50によって行われる。
「通常モード」とは、DOシステムにおいて通信が行われていない場合の処理である。
まず、基地局からのパイロット信号強度(RSSI値)を取得する(ステップ4001)。このとき、現在通信している基地局のパイロット信号強度を「AP」とし、別の基地局のうち最もパイロット信号強度が良いものを「NP」とする。
次に、取得した2つのパイロット信号強度の差が、所定の閾値を超えたか否かを判定する(ステップ4002)。具体的には、他の基地局のパイロット信号強度「NP」から現在の基地局のパイロット信号強度「AP」を減算した値が、予め設定されているハンドオフ判定の閾値「A」を超えたか否かを判定する。
取得した2つのパイロット信号強度の差が、所定の閾値を超えていないと判定した場合は、ステップ4001に戻り、この処理を繰り返す。取得した2つのパイロット信号強度の差が、所定の閾値を超えたと判定した場合は、現在通信している基地局とは別の基地局にハンドオフする(ステップ4003)。
図8は、移動モードハンドオフ処理を示すフローチャートであり、システム制御部50によって行われる。
まず、基地局からのパイロット信号強度(RSSI値)を取得する(ステップ2001)。このとき、現在通信している基地局とのパイロット信号強度を「AP」とし、別の基地局のうち最もパイロット信号強度が良いものを「NP」とする。
次に、取得した2つのパイロット信号強度の差が、閾値(A+α)を超えたか否かを判定する(ステップ2002)。具体的には、他の基地局のパイロット信号強度「NP」から現在の基地局のパイロット信号強度「AP」を減算した値が、通常モードでのハンドオフ判定の閾値「A」に所定の値「α」を加算した値を超えたか否かを判定する。
取得した2つのパイロット信号強度の差が、所定の閾値を超えていないと判定した場合は、ステップ2001に戻り、この処理を繰り返す。取得した2つのパイロット信号強度の差が、所定の閾値を超えたと判定した場合は、現在通信している基地局とは別の基地局にハンドオフする(ステップ2003)。すなわち、通常モードよりもハンドオフの判定を行う閾値を高くし、ハンドオフ発生の頻度を小さくする。
この図8の処理によると、DOシステムにおいてデータ通信中に、無線通信端末200がハンドオフを行うためのパイロット信号強度の閾値を、通常の状態よりも高くするので、ハンドオフの頻度を少なくすることができ、DOシステムにおけるデータ通信中においても、1xシステムのハンドオフ発生に伴うデータ通信の切断が起こりにくくなる。
図9は、固定モードハンドオフ処理を示すフローチャートであり、システム制御部50によって行われる。
まず、基地局とのパイロット信号強度(RSSI値)を取得する(ステップ3001)。このとき、現在通信している基地局とのパイロット信号強度を「AP」とし、現在通信している基地局とは別の基地局のうち最もパイロット信号強度がよいものを「NP」とする。
次に、現在通信している基地局とのパイロット信号強度「AP」を受信できない状態、すなわちAPの信号がロストであるか否かを判定する(ステップ3002)。APがロストでないと判定した場合は、ステップ3001に戻り、処理を繰り返す。APがロストであると判定した場合は、次のタイミング(本実施の形態では5.12秒後)に再び現在通信している基地局とのパイロット信号強度(AP)を取得し、取得したAPがロストであるか否かを再度判定する(ステップ3003)。取得したAPがロストでないと判定した場合は、ステップ3001に戻り、この処理を繰り返す。取得したAPがロストであると判定した場合、すなわち、基地局とのパイロット信号強度が2回連続してロストであると判定した場合は、まず、現在通信している基地局とは別の基地局のパイロット信号強度(すなわち「NP」)がロストであるか否かを判定する。NPがロストでないと判定した場合は、その別の基地局にハンドオフする(ステップ3005)。その後、図6のフローチャートに戻る。
ステップ3004において、NPがロストであると判定した場合は、現在通信を行っている基地局(AP)及び他の基地局(NP)が、共にロストであるので、1xシステムの通信がロストした(基地局との通信が切断した)と判定する(ステップ3006)。そして、新たな基地局と通信を行うために、パイロット信号のサーチを行う(ステップ3007)。
この図9の処理によると、現在の基地局との通信が2回のタイミングで連続してロストしたと判定した場合に限り、他の基地局に対してハンドオフを行うので、可能な限りハンドオフの頻度を少なくすることができ、DOシステムにおけるデータ通信中において、1xシステムのハンドオフ発生に伴うデータ通信の切断が起こりにくくなる。
以上説明したように本発明の実施の形態では、cdma2000 1xシステムと1xEVDOシステムとを持つハイブリッド端末である無線通信端末200において、1xEVDOシステムによるデータ通信中は、cdma2000 1xシステムにおいて可能な限りハンドオフの発生頻度が低くなるように制御する。こうすることによって、複数の基地局のサービスエリアの境界付近に無線通信端末が存在して(複数の基地局からの信号強度(RSS1値)が拮抗している場合)、cdma2000 1xシステムにおけるハンドオフ処理が頻繁に発生する環境下であっても、1xEVDOシステムにおける不測のデータ通信の中断が起こりにくくなり、安定したデータ通信を行えるとともに、データ通信のスループットを向上することができる。
なお、本発明の実施の形態ではパイロット信号強度(RSSI値)をハンドオフを行うか否かの判定に用いたが、これをパイロット信号の搬送波対干渉波比(C/I値)を用いてもよい。
また、本発明の実施の形態ではcdma2000 1xシステムと1xEVDOシステムのハイブリッド方式について説明したが、これに限定されるものではなく、共通のアンテナを用いて2つの通信方式で通信可能であって、これらの通信方式を切換えて一方の通信方式にて通信中に所定のタイミングで他方の通信方式の無線通信状態を測定し、着信監視を行うことができるものであれば、通信方式の種類は問わない。
また、本発明の実施の形態における固定モードハンドオフ処理では、待受け基地局が送信する信号の取得が連続して2回失敗したときにハンドオフを実行する例を説明したが、この失敗の回数はこれに限られるものではなく、例えば、3回、4回、あるいは1回というように予め設定しておけばよい。さらに、待受け基地局が送信する信号の取得を所定回数失敗するとは、連続して失敗する場合に限らず、所定の基準時間内に不連続的に所定の回数失敗したときにハンドオフを実行するようにしてもよい。
また、本発明の実施の形態では、GPS部70が複数のGPS衛星からの電波を受信し、受信した複数の電波の到達時間差を用いて無線通信端末200の位置を計測するようになっているが、実際の位置の計測には数学的計算を要し処理負担が大きくなるため、GPS部70は受信した複数のGPS衛星からの電波の到達時間差に関する情報を基地局100に送信し、この情報から基地局100側で無線通信端末200の位置を計測し、計測結果を無線通信端末200に送信するようにしてもよい。
また、本発明の実施の形態では、2つの筐体が開閉可能に連結してある、いわゆるフオルダ型の無線通信端末について説明したが、開閉可能な無線通信端末であればこれに限定されるものではない。例えば、筐体の一部を覆い隠すことができる保護部材が筐体と開閉可能に連結された、いわゆるフリップ型であってもよいし、2つの筐体が互いに水平方向に回動可能に連結された水平回転型であってもよいし、2つの筐体が互いに垂直方向にスライドすることで開閉可能なスライド型であってもよい。
本発明の実施の形態の無線通信端末200の構成を表すブロック図である。 待ち受け時におけるRF制御部40の状態を示す説明図である。 1xシステムにハンドオフが発生した場合のRF制御部40の状態を示す説明図である。 DOシステムが通信中に1xシステムが待ち受け処理を行う際のRF制御部40の状態を示す説明図である。 DOシステムが通信中に1xシステムにハンドオフが発生した場合のRF制御部40の状態を示す説明図である。 ハンドオフ処理を示すフローチャートである。 通常モードハンドオフ処理を示すフローチャートである。 移動モードハンドオフ処理を示すフローチャートである。 固定モードハンドオフ処理を示すフローチャートである。
符号の説明
10 アンテナ
20 1xRF部
30 DO RF部
40 RF制御部
50 システム制御部
60 システム記憶部
70 GPS部
80 UI部
90 開閉検出部
100A、100B 基地局
200 無線通信端末(携帯電話端末)

Claims (14)

  1. 第1の通信方式と第2の通信方式とを共通のアンテナを用いて基地局と無線通信を行うと共に両通信方式で待受け可能な無線通信端末において、
    前記基地局が送信する信号の品質を測定する測定手段と、
    待受け基地局及び他の基地局から送信される信号の品質に基づいて、待受け中のハンドオフを実行するシステム制御手段と、
    無線通信端末の移動状態を検出する移動検出手段と、
    を備え、
    前記システム制御手段は、
    前記第1の通信方式が通信中であるか否かを判定し、
    前記移動検出手段の検出結果に基づいて、無線通信端末が移動しているか否かを判定し、
    無線通信端末が移動してないと判定すると共に、前記第1の通信方式が通信中である場合に、前記第2の通信方式における前記待ち受け基地局より受信する信号の取得が所定の回数失敗した場合は、前記第2の通信方式における待受け中のハンドオフを実行することを特徴とする無線通信端末。
  2. 前記移動検出手段は、GPSを用いて移動状態を検出することを特徴とする請求項1に記載の無線通信端末。
  3. 前記移動検出手段は、無線通信端末において稼動中のアプリケーションに関する情報を取得し、取得した前記アプリケーションに関する情報に基づいて移動状態を検出することを特徴とする請求項1に記載の無線通信端末。
  4. 前記無線通信端末は、開閉可能に構成され、前記移動検出手段は、前記無線通信端末の筐体の開閉状態に基づいて移動状態を検出することを特徴とする請求項1に記載の無線通信端末。
  5. 前記第1の通信方式は少なくともデータ通信に用い、前記第2の通信方式は少なくとも音声通話に用いることを特徴とする請求項1に記載の無線通信端末。
  6. 前記第1の通信方式はCDMA2000 1xEVDO方式であり、前記第2の通信方式はCDMA2000 1x方式であることを特徴とする請求項1に記載の無線通信端末。
  7. 第1の通信方式と第2の通信方式とを共通のアンテナを用いて基地局と無線通信を行うと共に両通信方式で待受け可能であり、
    前記基地局が送信する信号の品質を測定する測定手段を備えた無線通信端末に、待受け基地局及び他の基地局から送信される信号の品質に基づいて第2の通信方式における待受け中のハンドオフを実行させるハンドオフ実行プログラムであって、
    前記第1の通信方式が通信中であるか否かを判定する第1の手順と、
    前記第1の通信方式が通信中である場合は、前記第2の通信方式において、前記基地局が送信する信号の取得が所定の回数失敗したか否かを判定する第2の手順と、
    前記第2の通信方式において、前記待ち受け基地局が送信する信号の取得が所定の回数失敗した場合は、前記第2の通信方式における待受け中のハンドオフを実行する第3の手順と、
    無線通信端末の移動状態を検出し、無線通信端末が移動しているか否かを判定する第4の手順と、を備え、
    無線通信端末が移動してないと判定した場合のみ、前記第1から第3の手順を実行させることを特徴とするハンドオフ実行プログラム。
  8. 前記第4の手順では、GPSを用いて前記無線通信端末の移動状態を検出することを特徴とする請求項7に記載のハンドオフ実行プログラム。
  9. 前記第4の手順では、前記無線通信端末において稼動中のアプリケーションに関する情報を取得し、取得した前記アプリケーションに関する情報に基づいて前記無線通信端末の移動状態を検出することを特徴とする請求項7に記載のハンドオフ実行プログラム。
  10. 前記無線通信端末は、開閉可能に構成され、前記第4の手順では、前記筐体の開閉状態に基づいて前記無線通信端末の移動状態を検出することを特徴とする請求項7に記載のハンドオフ実行プログラム。
  11. 第1の通信方式と第2の通信方式とを共通のアンテナを用いて基地局と無線通信を行うと共に両通信方式で待受け可能であり、前記基地局が送信する信号の品質を測定する測定手段を備えた無線通信端末が、待受け基地局及び他の基地局から送信される信号の品質に基づいて第2の通信方式における待受け中のハンドオフを実行するハンドオフ実行方法であって、
    前記第1の通信方式が通信中であるか否かを判定する第1の手順と、
    前記第1の通信方式が通信中である場合は、前記第2の通信方式において、前記基地局が送信する信号の取得が所定の回数失敗したか否かを判定する第2の手順と、
    前記第2の通信方式において、前記待受け基地局が送信する信号の取得が所定の回数失敗した場合は、前記第2の通信方式における待受け中のハンドオフを実行する第3の手順と、
    前記無線通信端末の移動状態を検出し、前記無線通信端末が移動しているか否かを判定する第4の手順と、を備え、
    前記無線通信端末が移動していないと判定した場合のみ、前記第1から第3の手順を実行することを特徴とするハンドオフ実行方法。
  12. 前記第4の手順では、GPSを用いて前記無線通信端末の移動状態を検出することを特徴とする請求項11に記載のハンドオフ実行方法。
  13. 前記第4の手順は、前記無線通信端末において稼動中のアプリケーションに関する情報を取得し、取得した前記アプリケーションに関する情報に基づいて移動状態を検出することを特徴とする請求項11に記載のハンドオフ実行方法。
  14. 前記無線通信端末は、開閉可能に構成され、前記第4の手順では、前記筐体の開閉状態に基づいて前記無線通信端末の移動状態を検出することを特徴とする請求項11に記載のハンドオフ実行方法。
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