JP4430923B2 - 金属蒸気放電ランプ及び照明装置 - Google Patents

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Description

本発明は、金属蒸気放電ランプ及び照明装置に関する。
金属蒸気放電ランプ、例えばメタルハライドランプ(以下、単に、「ランプ」という。)は、内部に一対の電極が配置され、放電空間が形成されている本管部とこの本管部の両端部に設けられた細管部とからなる放電容器と、放電空間で電極を互いに対向する状態で支持すると共に細管部内に挿通され封着された電極支持体とを有する発光管を備えている。なお、本管部内には、発光物質である金属ハロゲン化物が封入されている。
電極支持体は、電極コイルを先端部に有する電極棒において電極コイルと反対側の端部に接合されてなり、細管部の端部から挿入された状態で、電極支持体と細管部との間の隙間に流し込まれたフリット(シール材)によって封着されている。なお、電極棒と電極支持体との接合は抵抗溶接等により行われる。
電極支持体に用いられる材料としては、例えば、ニオブ(Nb)、或いは導電性サーメットが知られている(特許文献1、特許文献2参照)。
特開昭61−245457号公報 特開平6−196131号公報
しかしながら、上述の材料を用いた電極支持体では以下のような不具合があった。
先ず、ニオブを用いた場合、耐ハライド性に劣るため、発光管内に封入されているハロゲン金属と反応してしまい、累積の点灯時間が長くなると、色温度、演色性等のランプ特性が悪化するだけでなく、フリットによって封着されている部分にクラックが発生する等の問題があった。
そして、このクラックに起因してリークが発生し、ランプは不点灯になる。
一方、導電性サーメットを用いた場合、上述のニオブと異なり耐ハライド性に優れてはいるが、導電性サーメット自体のコストが高く、また、酸化物であるために衝撃特性に劣り、細管部から外部に延伸する部分が容易に折損するという問題があった。
なお、導電性サーミットの代わりに、安価なモリブデンを用いて電極支持体を構成すると、コスト及び対衝撃特性の面では改善できるものの、電極支持体と細管部とのフリットによる封着部分に、両者の線膨張特性の違いからクラックが生じやすいという問題を有する。
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであって、安価に構成できると共に衝撃特性に優れ、さらには、電極支持体と細管部とのシール材による封着部分にクラックの発生しにくい金属蒸気放電ランプ及び照明装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る金属蒸気放電ランプは、内部に一対の電極部が配置され、放電空間が形成されている本管部と当該本管部の両端部から延伸する細管部とからなる放電容器と、先端部に前記電極部を支持し、かつ前記細管部内に挿通された状態で封着された電極支持体とを有する発光管を備え、
前記電極支持体は前記細管部の端部のうち前記本管部とは反対側の端部に流し込まれたシール材によって封着されており、当該封着部分よりも前記放電空間側における前記細管部と前記電極支持体との間には隙間が形成された金属蒸気放電ランプにおいて、前記電極支持体のうち、少なくとも前記シール材によって封着されている封着部分は複数の金属線からなる撚り構造をなしているとともに、前記電極支持体のうち、撚り構造をなしている部分の一部が、前記放電空間と通じる前記細管部内の空間に露出していることを特徴とする。
本発明に係る金属蒸気放電ランプは、電極支持体の金属線に、例えば、耐ハライド性に優れたモリブデンを用いると、安価に実施できると共にその衝撃特性も改善でき、しかも、細管部との封着部分が、複数の金属線からなる撚り構造としているので封着部分にクラックが発生するのを抑制できる。
以下、本発明をメタルハライドランプに適用させた実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、実施の形態に係るメタルハライドランプの一部破断図である。
本メタルハライドランプ(以下、単に、「ランプ」という。)100は、ランプ電力値が150[W]用である。
1.ランプの構成
ランプ100は、図1に示すように、一端に口金110(例えば、E26タイプ)を備える外管バルブ120の内部に発光管150と、この発光管150の周りを囲んで、発光管150が破損した場合でも外管バルブ120の破損を防止する石英ガラス管のスリーブ130とが収納されている。
外管バルブ120は、例えば、硬質ガラスからなり、その内部には、不活性ガスが(例えば、窒素が、46.5[kPa])封入されている。なお、外管バルブ120の内部が真空であっても良い。
ランプ100は、発光管150の両端部からそれぞれ導出する、後述の電極支持体183,188が、口金110に接続されている電力供給線141,142に電気的に接続されている。
なお、電力供給線141,142は、外管バルブ120の内部の所定位置に発光管150を保持する機能も有している。
2.発光管の構成について
次に発光管150について説明する。
図2は、実施の形態に係る発光管の縦断面図である。
発光管150は、同図に示すように、内部に一対の電極部180,185が配置され、放電空間161が形成されている本管部160とこの本管部160の両端部162,163から延伸する筒状の細管部170,175とからなる放電容器155と、先端部に電極部180,185を支持し、細管部170,175内に挿通され封着された電極支持体18183,188とを有している。放電空間161の内部には、緩衝ガス、始動補助用希ガス及び発光物質165が封入されている。
緩衝ガスとしては、例えば、水銀が、また、始動補助用希ガスとしては、例えば、アルゴンガスが、そして、発光物質としては、金属ハロゲン化物、具体的には、DyI3、TmI3、HoI3、TlI、NaIが用いられている。
本管部160及び細管部170,175は、セラミック材料、例えば、透光性のアルミナセラミック材料により形成されている。
本管部160は、第一の筒状部164と、この第一の筒状部164の両端にテーパ部を介して形成された第二の筒状部162,163とを有している。第一の筒状部164は第二の筒状部162,163よりも径大である。この第二の筒部162,163の端部に細管部170,175が焼結により結合されている。
なお、本管部160と細管部170,175とが別部材からなり、焼結によって焼き嵌めて一体化した場合について例示したが、これに限らず本管部と細管部とを焼き嵌めずに一体成形されたものであっても良い。
3.電極部及び電極支持体の構成について
電極部180,185は、図2に示すように、電極棒181,186と、この電極棒181,186の放電空間161側の端部に巻回された電極コイル182,187とからなる。電極棒181,186及び電極コイル182,187には、例えば、タングステンが用いられている。
電極棒181,186の外周には、電極棒181,186と細管部170,175との間の隙間に上述の発光物質165が侵入するのを防ぐために、コイル193,194が巻装されている。なお、このコイル193,194には、例えば、モリブデンが用いられている。
電極支持体183,188は、電極棒181,186の放電空間161とは反対側の端部に接合されている。この電極支持体183,188と電極棒181,186との結合は、例えば、電極支持体183,188、電極棒181,186及び電極コイル182,187とをレーザにより溶融させて溶融部184,189を形成することで行われる。
図3は、図2におけるA部を拡大した図であり、図4は、図3のX−X断面を矢印方向から見た図である。なお、電極支持体183,188は、両者とも同じ構成をしており、図4では、一方の細管部175側の電極支持体188について示している。
上記構成の電極支持体183,188は、図2に示すように、細管部170,175の内部に挿入されて、電極コイル182,187同士が放電空間161内で所定間隔をおいて略対向する状態で、その一部が細管部170,175内でシール材、例えば、フリット191,192によって気密封着される(この部分を、以下、「封着部分」といい、図2において符号196,198で示している。)ことで、細管部170,175内に保持されている(図3参照)。
電極支持体188(,183)は、図3及び図4に示すように、金属線を複数本用いて撚り構造にしたものを利用している。電極支持体188(,183)における細管部175(、170)内に位置する端部は、図3に示すように、フリット192(、191)から露出(延出)している。つまり、電極支持体183,188のうち、撚り構造をなしている部分が、放電空間161と通じる細管部170,175内の空間に露出している。
ここで、電極支持体188は、例えば、3本のモリブデン線188a,188b,188cを用いている。このモリブデン線は、耐ハライド性に優れているため、ランプを長時間点灯しても、色温度が大きく変化したり、演色性が低下したりするのを抑えることができる。
フリット192(,191)は、所謂ガラスフリットと称されるもので、酸化金属、アルミナ、シリカ等を含んでおり、加熱されることにより溶融して細管部175(,170)の端部から内側、つまり本管部160側へと流入する(図3参照)と共に、3本のモリブデン線188a,188b,188cの各々の間の隙間にも流入する(図4参照)。
電極支持体183,188における電極棒181,186と反対側が細管部170,175から外部へ延出し、この延出部分が、上述したように電力供給線141,142に電気的に接続されている。
なお、上記した電極支持体188(,183)は3本のモリブデン線188a,188b,188cを撚った撚り構造からなるが、少なくともフリット192(,191)によって封着されている部分が撚り構造をなしていれば良く、例えば細管部170,175から外部へ延出した部分は撚り構造でなくてもよく、接合された別部材の一本の金属線からなっても良い。しかし、電極支持体183,188のうち、撚り構造をなしている部分の一部が、後述する理由により、放電空間と通じる細管部内の空間に露出していることが好ましい。
4.発光管の具体例について
上記構成の発光管の具体例について説明する。
発光管150の放電容器155の全長が49[mm]である。本管部160は、第一の筒状部164における外径が12.0[mm]、内径が10.7[mm]である。また、細管部170,175は、外径D1が3.2[mm]、内径D2が1.0[mm]、全長が16.8[mm]である。
電極支持体183,188は、放電空間161内の電極棒181,186間(電極間の距離)が10.0[mm]となるように保持されている。電極棒181,186は、その外径が0.5[mm]、全長が16.5[mm]である。また、電極支持体183,188は、外径D5が0.26[mm]のモリブデン線を3本用い、撚り構造での外径D4は0.56[mm]、全長が18.3[mm]である。
フリット191,192を用いて封着されている部分の全長L1(細管部170,175の端部を基準として、当該端部からフリットガラスが流し込まれている長さ)は3.0[mm]である。また、細管部170,175の内部の電極支持体183,188における電極棒181,186との結合側の端部が、フリット191,192から延出しており、この延出長さL2は、0.5[mm]である(図3参照)。
放電空間161内には、発光物質165が、5.2[mg]封入されている。具体的には、DyI3が0.99[mg]、HoI3が0.99[mg]、TmI3が0.99[mg]、NaIが1.33[mg]、TlIが0.90[mg]である。また、放電空間161内に封入される希ガスとして、例えば、20[kPa]のアルゴンが用いられている。
5.ランプの衝撃特性及び寿命特性について
従来のランプは、電極支持体が折損したり、電極支持体と細管部とのシール材による封着部分においてランプの寿命に影響を及ぼすクラックが発生したりするなどの問題があった。そこで、上記構成のランプの衝撃特性及び寿命特性について調査した。具体的には、上記電極支持体に用いるモリブデン線の太さを変えてランプを製作し、このランプを用いてそれぞれの特性について調査した。
(A)衝撃特性について
先ず、外径(太さ)が、0.05[mm]、0.1[mm]、0.2[mm]、0.3[mm]、0.4[mm]及び0.5[mm]の6種類のモリブデン線を3本用いて撚り構造にした電極支持体を製作し、この電極支持体を用いて発光管(ランプ)を製作した。
これら10本のランプを包装する包装箱を、50[cm]の高さから6回落下させた。その内訳は、落下位置が包装箱の1角となるような落下が1回、落下位置が包装箱の稜となるような落下が2回(稜は互いに異なる)、さらに落下位置が包装箱の面となるような落下が3回(この面は底でなく、それぞれ異なる。)である。
そして、最後に底の面を下にして、65[cm]の高さから落下させる。つまり、包装箱を7回落下させた後に、包装箱内のランプに破損があるか否かを調査した。なお、破損具合は目視により行なった。
上記の落下衝撃の試験結果を表1に示す。
Figure 0004430923
表1において、「落下衝撃試験結果」では、電極支持体に断線が生じた場合に、その発生率を括弧内に示している。なお、断線発生率は、試験本数を分母とし、また断線が発生した本数を分子として示している。
表1に示すように、モリブデン線の外径が0.05[mm]の場合に、電極支持体での断線が10本中5本観察され、モリブデン線の外径が0.1[mm]以上になると、電極支持体での断線が観察されなかった。
このことから、電極支持体としてモリブデン線を3本用いて撚り構造にした場合に、モリブデン線の外径が0.1[mm]以上あれば、耐衝撃特性に問題ないと考えられる。
(B)寿命特性について
上記落下衝撃試験に用いた電極支持体と同じ構成、すなわち、外径が6種類のモリブデン線を3本用いて撚り構造にし、この電極支持体を用いた発光管で寿命試験を行った。
寿命試験の内容は、5.5時間点灯し、0.5時間消灯するサイクルを連続して繰り返し、累計の点灯時間が9000時間になるまでにクラックが発生したか否かについて調査した。
この試験結果を、衝撃試験結果を示した表1に併せて示す。表中の「クラック発生率」では、試験本数分母に、クラックが発生した本数を分子にそれぞれ示している。なお、本試験におけるクラックは、細管部と電極支持体とのシール材による封着部分に発生したものを対象としている。クラック発生の有無は、クラックが発生すると発光管内の発光物質が漏出し、外管内壁が着色(例えば、黄色)されるので、この着色の有無により判断している。
表1に示すように、モリブデン線の外径が0.5[mm]のときは、クラックは、10本中2本発生しており、モリブデン線の外径が0.4[mm]のときは、クラックは1本も発生していない。
このことから、モリブデン線を3本用いた場合では、外径が0.4[mm]以下であれば、クラックが発生し難くなると考えられる。
これは、モリブデン線の外径が0.5[mm]になると、ランプ点灯時におけるモリブデン線とフリットとの熱歪量の差が大きくなるためだと考えられる。つまり、モリブデン線の線膨張係数はフリットよりも小さいが、モリブデン線が細いほど、熱歪量が小さくなるために、封着部分におけるクラックの発生が抑制されると考えられる。
(C)まとめ
次に、耐衝撃特性に優れ、しかも長寿命化できる電極支持体について考える。上記落下衝撃試験及び寿命試験の両特性について良好な結果を示したモリブデン線の外径の判定を「○」、一方、落下衝撃試験において電極支持体が断線した或いは寿命試験においてクラックが発生した場合の判定を「×」として、これらを表1の「判定」の欄に示している。
この判定結果から、モリブデン線を3本用いて電極支持体を構成する場合、モリブデン線の外径を、0.1[mm]以上、0.4[mm]以下の範囲にすることにより、耐衝撃性に優れ、しかも封着部分にクラックが発生し難い発光管(ランプ)を得ることができる。
7.電極支持体のモリブデンの本数について
次に、電極支持体に用いるモリブデン線の本数を変えたときのランプの寿命について調査した。試験内容は、上述の寿命試験の内容と同じである。この試験に用いたランプは、上述の寿命試験に用いたものと基本的に同じであり、異なる点は、直径が0.26[mm]であるモリブデン線を、2本、3本、4本、5本ずつ用いて電極支持体を構成したことである。
モリブデン線の本数を変えて行った寿命試験の結果を表2に示す。
Figure 0004430923
表中の「リーク発生率」は、試験本数を分母に、リーク発生数を分子にそれぞれ示している。なお、本試験におけるリークは、細管部と電極支持体との封着部分に発生したものを対象とし、その判断は、ランプ特性の測定結果及び外管の変色度により、リーク発生の判断を行っている。
つまり、発光管の封着部分にリークが発生すると、発光管内の発光物質が漏出するため、発光光束、色温度等のランプ特性が変化すると共に、漏出した発光物質のためにその周辺の外管の内面が着色(例えば黄色に)するのである。
そして、リークが発生した場合には「×」を、また、リークが発生しなかった場合には「○」を、対応するモリブデン線本数の「判定」の欄にそれぞれ記載した。
表2に示すように、モリブデン線を5本用いた電極支持体では、封着部分にリークが発生し、モリブデン線が5本未満、つまり4本以下の電極支持体では、リークが発生していない。つまり、モリブデン線を4本以下にすると、リークの発生を抑えることができる。
なお、リークが発生した、モリブデン線を5本用いた発光管における封着部分を切断して、その断面観察を行った。その断面図を図5に示す。同図に示すように、撚り構造のモリブデン線288a,288b,288c,288d,288eの外周には、フリット298が流れ込んで付着してはいるものの、電極支持体288の中心部分へはフリット298が流れ込んでいないのが観察できる。
つまり、電極支持体288の中心部では、フリット298が流れ込んでおらず、空洞200となっており、この空洞200を介して、放電空間内の発光物質が細管部275の外部へリークしたものと考えられる。
8.その他
本発明に係る金属蒸気放電ランプでは、封着部分でのクラック発生を防止したり、耐衝撃特性を向上させたりできる他、特に電極支持体のうち、撚り構造をなしている部分を放電空間と通じる細管部内の空間に露出させることにより、発光物質の細管部内への沈み込みを抑えることができる。つまり、従来のランプでは、ランプの軸心を上下方向に向けて点灯させた場合、発光管内の発光物質が下側に位置する細管部内に沈み込むという問題があった。
発光物質が細管部内に沈み込むと、放電空間における各発光物質のバランスが崩れ、色温度が変化するなどの問題があり、この沈み込みを防止するために、電極棒と細管部との間の空間を塞ぐように、電極棒にモリブデン製のコイルを巻装している。
これにより、発光物質の沈み込み量を少なくできたが、まだ、発光物質の沈み込みは発生しており、ランプの長寿命化を図るうえで大きな障害となっている。
そこで、発明者は、細管部内で、電極支持体のうち、撚り構造をなしている部分を露出させれば、モリブデン製のコイルよりも下方に沈み込んだ発光物資も蒸発させることができると推測した。この推測に基づいて、電極支持体の撚り構造の部分の一部をフリットから露出させたランプ(以下、単に「電極支持体を露出させたランプ」という。)を用いて、上述と同じ寿命試験を行い、累計の点灯時間が3000時間に達したときの色温度を調査した。なお、電極支持体のうち、細管部内に位置する撚り構造の部分全体をフリットに埋没させたランプ(以下、単に「電極支持体を埋没させたランプ」という。)を製作して同様の比較試験を行った。
なお、試験に用いたランプの仕様を簡単に説明すると、電極支持体を露出させたランプは、上述の4.発光管の具体例についての欄で説明したとおり、電極棒の全長が16.5[mm]で、フリットで封着されている部分の全長(図3におけるL1)が3.0[mm]であり、電極支持体の先端部が0.5[mm]露出している(図3におけるL2)。一方、電極支持体を埋設したランプは、電極棒の全長が18.0[mm]で、フリットで封着されている部分の全長(図3におけるL1)が3.0[mm]であり、電極支持体の先端がフリットに埋設している。
その結果、電極支持体を露出させたランプは、点灯初期の色温度が4200[K]であるの対し、3000時間後の色温度は4400[K]であり、約200[K]の色温度の変化があった。
これに対し、電極支持体を埋没させたランプでは、点灯初期の色温度が4200[K]であるの対し、3000時間後の色温度は4700[K]であり、約500[K]の色温度の変化があった。なお、これらの色温度の値は、試験数5本の測定結果の平均値である。
この結果が示すように電極支持体の電極棒側の端部をフリットから露出させて細管部に封着するという簡単な構成により、ランプの色温度の変化を抑制できる、つまり、発光物質の細管部内への沈み込みを抑制できることが判明した。
なお、上記の各試験では、モリブデン線の本数を3本に設定して、モリブデン線の外径を変化させてクラック発生等について調査したり、モリブデン線の外径を一定にして、モリブデン線の本数を変えてリーク発生について調査したりしたが、モリブデン線の本数及びその径を変えると、上記の試験結果と異なって、クラック又はリークが発生する場合もあり得る。つまり、モリブデン線の本数及びその外径は、実際のランプを用いて試験等により決定するのが好ましいと考えられる。
(変形例)
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明したが、本発明の内容が、上記の実施の形態に示された具体例に限定されないことは勿論であり、例えば以下のような変形例を実施することができる。
1.ランプ電力について
上記の実施の形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は、実施の形態で説明したランプ電力値以外にも適用できる。なお、ランプ電力値が異なると発光管の寸法も変わり得るが、封着部分のクラックは、電極支持体の金属線とシール材(フリット)の間で基本的に発生するので、発光管(細管部)の寸法が変化しても、電極支持線の構成が実施の形態で説明した関係を満たしておれば発生しないと考えられる。
2.発光管について
(A)放電容器
上記実施の形態では、放電容器の本管部は、実施の形態では、直管状の第一の筒状部164と第二の筒状部162,163との間がテーパ形状をしているが、他の形状あっても良い。他の形状としては、例えば、第一の筒状部164から第二の筒状部162,163にかけて円弧状に小径化する形状、さらには、第一の筒状部164と第二の筒状部162,163とが略同じ外径をした直管状であっても良い。
(B)放電空間への封入物
ア)発光物質
上記実施の形態では、発光物質として、DyI3、TmI3、HoI3、TlI及びNaIを用いたが、これら以外に、ScI3、InI3、CeI3、PrI3、CaI2、LiI3などを用いても良い。なお、これらの物質は、放電容器の材料であるアルミナなどと反応し難い特質を有している。
イ)始動補助用希ガス
上記実施の形態では、始動補助用希ガスとして、アルゴンガスを用いたが、これ以外に、ネオンガス、窒素ガス等の不活性ガスを用いても良い。
3.電極支持体について
ア)材料について
上記実施の形態では、電極支持体を構成する金属線にモリブデン線を用いたが、他の金属線で、安価で耐ハライド性が良く、線膨張係数がフリットに近いものがあれば利用できる。このような金属としてタングステンがあるが、金属線を撚り構造に加工する加工性等を考慮するとモリブデンを使用することが好ましい。
金属線をモリブデン以外の材料で構成すると、当然、モリブデンと線膨張特性が異なるので、使用する金属線の本数及びその外径等について試験する必要があるが、電極支持体を従来のように1本で構成したものに対して、金属線が細くなるので、1本で構成したものに比べてクラックは発生し難くできると考えられる。
イ)撚り構造について
実施の形態における電極支持体の撚り構造は、3本の金属線を用いた片撚糸構造としているが、他の撚り構造としてもしても良い。他の撚り構造としては、2本の金属線を用いて撚り構造を構成したもの(下撚り)を複数本用いて下撚りとは反対方向に撚り(上撚り)を掛けた撚り構造等がある。
さらには、電極支持体388を、図6に示すように、軸心となる位置に1本以上の金属線388aを配し、この金属線388aの周りを複数(図6では5本)の金属線388b,388c,388d,388e,388fが巻回するような撚り構造にしても良い。
図6に示すような電極支持体388の構造にすると、実施の形態では、モリブデン線を5本以上で撚り構造にすると、図5で見られた、電極支持体の中心部の空洞200の発生を防止することができると考えられる。
ウ)金属線の本数と外径について
上記実施の形態では、3本のモリブデン線のそれぞれは同じ外径であったが、例えば、1本の金属線の外径を他の金属線の外径と異なるようにしても良いし、さらには、それぞれの金属線の外径を全て異なるようにしても良い。
4.照明装置について
上記実施の形態では、ランプについて説明してきたが、本発明は、照明装置にも適用できるのは言うまでもない。
図7は上記構成のランプを用いた照明装置を示す図であって、装置の内部が分かるようにその一部を切り欠いた全体構成を示す図である。
照明装置500は、同図に示すように、例えば、天井550に組み込まれるダウンライト用であって、天井550に埋設された装置本体510と、この装置本体510に装着されたランプ530とから構成される。
装置本体510は、下拡がり状の笠部512と、この笠部512内に配置され且つランプ530を着脱自在に装着するためのソケット部514と、ソケット部514に装着されたランプ530を点灯させるための点灯回路520とを備え、天井550に形成された取付孔552に笠部512の外周が当接するように装着されている。
ソケット部514は、笠部512の上端に取り付けられ且つ天井550と平行な方向(右方向)に延びるベース板516に装着されている。点灯回路520は、ベース板516における笠部512の外側に対応する部分に装着されたケース522内に収納されている。
本発明に係る給電体は、安価で耐衝撃性の強い、しかも長寿命化を図るランプに利用できる。
実施の形態に係るメタルハライドランプの一部破断図である。 実施の形態に係る発光管の縦断面図である。 図2のA部の拡大図である。 図3におけるX―X断面を矢印方向から見た図である。 リークが発生したランプにおける封着部分における横断面図である。 電極支持体の撚り構造の変形例における横断面図である。 図1のメタルハライドランプを用いた照明装置を示す図である。
符号の説明
100 メタルハライドランプ
150 発光管
155 放電容器
160 本管部
162 発光物質
170,175 細管部
180,185 給電体
181,186 電極棒
182,187 電極コイル
183,188 電極支持体
188a,188b,188c モリブデン線
193,194 コイル
191,192 フリット
196,198 封着部分
500 照明装置

Claims (5)

  1. 内部に一対の電極部が配置され、放電空間が形成されている本管部と当該本管部の両端部から延伸する細管部とからなる放電容器と、先端部に前記電極部を支持し、かつ前記細管部内に挿通された状態で封着された電極支持体とを有する発光管を備え、
    前記電極支持体は前記細管部の端部のうち前記本管部とは反対側の端部に流し込まれたシール材によって封着されており、当該封着部分よりも前記放電空間側における前記細管部と前記電極支持体との間には隙間が形成された金属蒸気放電ランプにおいて、前記電極支持体のうち、少なくとも前記シール材によって封着されている封着部分は複数の金属線からなる撚り構造をなしているとともに、前記電極支持体のうち、撚り構造をなしている部分の一部が、前記放電空間と通じる前記細管部内の空間に露出していることを特徴とする金属蒸気放電ランプ。
  2. 前記金属線は、モリブデン製であることを特徴とする請求項1に記載の金属蒸気放電ランプ。
  3. 前記金属線の直径が0.1mm以上、0.4mm以下の範囲内であることを特徴とする請求項1又は2に記載の金属蒸気放電ランプ。
  4. 前記金属線の本数は、2本以上4本以下であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の金属蒸気放電ランプ。
  5. 請求項1〜の何れか1項に記載の金属蒸気放電ランプを備えることを特徴とする照明装置。
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