JP4430590B2 - 容器端面処理装置、容器製造装置および容器製造方法 - Google Patents
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Description
特許文献2の段落0047には、樹脂フィルムにその上方からプラグが当接されて樹脂フィルムが容器本体内に押し込まれる一方で、容器本体の通気性を利用して通気溝及び真空吸引路を通じて容器本体内が減圧され、樹脂フィルムが容器本体の内面及びフランジ部を覆うように貼り付けられることが記載されている。そして、余分な樹脂フィルムを除去して、断熱容器の製造が完了することが記載されている。
特許文献3の段落0047には、容器のフランジ部にその周縁部から下方に垂下する垂下部を形成し、垂下部の下端部を樹脂フィルム層で被覆することが記載されている。
トリミングの際に基材フランジ部より外側で樹脂フィルムのみを切断する場合、樹脂フィルムのみが基材フランジ部よりも外方に突出するため、樹脂フィルムが基材フランジ部から剥がれたり、周囲に引っ掛かりやすいのでダンボール箱内への出し入れ等の作業がし難かったり、見た目が良好でなかったりしていた。例えば、消費者が汁をすする場合に、飲みにくかったり、消費者に不快感を与えたりすることがあった。また、フランジ部の裏面側に樹脂フィルムが被覆されていないため、フランジ部の裏面に液が浸透してしまい、容器の強度が低下したり、容器が汚れて消費者に不快感を与えたりすることがあった。
特許文献2の段落0047記載の技術では、どのようにして余分な樹脂フィルムを除去するのか記載されておらず、樹脂フィルムの端部を容器本体の外面に貼り付けることができなかった。このため、樹脂フィルムが容器本体から剥がれたり、周囲に引っ掛かりやすいのでダンボール箱内への出し入れ等の作業がし難かったり、見た目が良好でなかったりしていた。
特許文献3の段落0047記載の技術では、どのようにして垂下部の下端部を樹脂フィルム層で被覆するのか記載されておらず、迅速かつ確実に容器の端面を被覆することができなかった。
なお、同特許文献3の段落0039には、容器を成形した雄型をその中心軸周りに回転させながら所定温度の熱風を吹き付ける一方で、その側方から回転押圧子のフランジ部を鉛直軸周りに回転させながら容器のフランジ部から垂下した垂下部の先端部に当接させ、ノッチの部分から折り返して折り返し部を形成することが記載されている。しかし、樹脂フィルム層の端部の位置が容器のパルプ層の端部の位置に合わせられており、上記課題を解決することができない。また、容器全体を鉛直軸周りに回転させる必要があるため、迅速に垂下部を折り返すことができなかった。
端面処理前容器の容器基材の端部に沿った平面内で偏心部材を偏心位置に沿って移動させることにより熱可塑性シートをシート非積層面に巻き込ませて積層接着させるだけで容器基材の端面が熱可塑性シートにて被覆されるので、迅速な処理にて容器基材に熱可塑性シートを積層した容器の端面を確実に保護することができる。また、熱可塑性シートをシート非積層面に巻き込ませるので、容器基材の端面から熱可塑性シートをはみ出させないようにさせて外観をより良好にさせることが可能になる。
上記偏心位置が上記平面内で上記基準位置の中心の周りを中心とする位置とされ、上記偏心被覆機構が上記偏心部材の中心を上記基準位置の中心の周りに一回転以上周回させると、容器基材の端部全周のシート非積層面に熱可塑性シートを確実に積層接着させることができるので、より確実に容器基材の端面を被覆して保護することができる。また、上記偏心位置が上記平面内で上記基準位置の中心を中心とする円周上を中心とする位置とされていると、さらに確実に容器基材の端面を被覆して保護することができる。
通気性容器基材としては、パルプモールド、紙、でんぷん、でんぷん発泡体を組成とする生分解性素材、多孔性金属、等を用いることができる。
請求項2にかかる発明では、別途熱可塑性シートを加熱軟化させる必要が無くなるので装置構造を簡素化させることができるとともに、偏心部材で熱可塑性シートを速やかに加熱軟化させながらシート非積層面に積層接着させることができるので容器の端面を保護する処理を迅速化させることが可能となる。
請求項4にかかる発明では、迅速に偏心部材を基準位置と偏心位置との間で移動させることができ、容器の端面を保護する処理を迅速化させることができる。
請求項6にかかる発明では、積み重ねられた端面処理前容器を一つずつ確実に落下させて分離することができるとともに、落下する端面処理済容器の姿勢を安定させることができ、端面処理済容器を自動的に取り出す機構を接続しやすくさせることができる。
請求項9にかかる発明では、最初の回転方向への移動時には比較的ゆっくりと移動する偏心部材から熱可塑性シートへ熱が十分に伝えられて容器基材端部のシート非積層面に熱可塑性シートを十分に積層接着させ、反対の回転方向への移動時には偏心部材が比較的速く移動するので熱可塑性シートの過熱を防ぐことができる。
請求項10にかかる発明では、容器基材に熱可塑性シートを積層した容器の端面をさらに確実に保護することができる。
請求項12にかかる発明では、フッ素樹脂層が剥がれる加熱温度にまで偏心部材を加熱することができ、容器の端面を保護する処理のサイクルを速くすることができる。
請求項13、請求項15にかかる発明では、容器基材に熱可塑性シートを積層した容器の端面を確実に保護することができ、かつ、容器基材の端面から熱可塑性シートをはみ出させないようにさせて外観をより良好にさせることが可能になる。
(1)端面処理前容器の説明:
(2)端面処理前容器の作製方法:
(3)容器端面処理装置の構成:
(4)容器端面処理装置および端面処理済容器製造方法の作用、効果:
(5)変形例:
図1は容器基材V10と端面処理前容器V20とを示す斜視図であり、図2は図1のA1−A1の位置から見て示す垂直断面図である。本容器基材V10は、上部に開口部V13cが形成された凹部V13と、この凹部の周囲に形成された略同一平面(正立状態で略水平面)を有するフランジ部V14とを備え、角部が丸くなった椀状に形成されている。本容器基材V10の凹部V13は、正立状態で略水平となる底部V13aと、この底部の周囲において下部から上部に向かって外側へわずかに傾斜しながら延出した側壁部V13bとから構成されている。これにより、容器基材V10の凹部V13の上方から別の容器基材V10を挿入することができ、容器基材V10は積み重ね可能となっている。側壁部V13bの上端からは、外側に略水平となるように階段状に二段階折り曲げられたフランジ部V14が周囲に向かって延出している。
容器基材V10の凹部側表面(正立状態で上面)は、熱可塑性シートV21が積層されるシート積層面V11とされている。図示のシート積層面V11は、底部V13aの上側面、側壁部V13bの内側面、およびフランジ部V14の上側面となる。一方、容器基材V10におけるシート積層面V11とは反対側の面(正立状態で下面)は、端部V15を除いて熱可塑性シートが積層されないシート非積層面V12とされている。図示のシート非積層面V12は、底部V13aの下側面、および側壁部V13bの外側面となる。
そして、容器基材のシート積層面V11に熱可塑性シートV21が積層され、当該熱可塑性シートが同容器基材V10の端部V15から外側の位置で切断されると、容器製品を製造するための端面処理前容器V20とされる。
通気性容器基材としては、空気を透過させることが可能な素材で形成された容器基材であればよく、パルプモールド成形によって形成された紙製の容器基材、リサイクル法では紙の分類に当てはまらない葦やケナフ等の一年草のパルプで形成された容器基材、でんぷんまたはでんぷん発泡体を含む通気性の生分解性素材、多孔質のセラミックを素材とする多孔質セラミックの容器基材、多孔質の金属を素材とする多孔質金属の容器基材、等を用いることができる。また、少なくとも一部にて空気を透過させることができればよいため、底部のみ通気性素材で形成して側壁部とフランジ部とを無発泡の合成樹脂シート等の非通気性素材で形成したり、側壁部のみ通気性素材で形成して底部とフランジ部とを非通気性素材で形成したりしてもよい。本実施形態では、容器基材V10としてパルプモールド成形によって製造された紙製の容器基材を用いるものとするが、一枚の紙製ブランクシートを折って組み立てられた容器基材等を用いてもよい。
本実施形態では、端面処理前容器V20として、通気性容器基材の凹部側表面のみに加熱軟化した熱可塑性樹脂シートが差圧成形により積層接着されて当該熱可塑性樹脂シートがフランジ部V14の端部V15から外側の位置でトリミングされて形成された容器を用いるものとする。ここで、差圧成形は、真空成形、圧空成形、真空圧空成形、のいずれでもよい。
また、ガスバリア性を持たせるために、内部にポリ塩化ビニリデン(PVDC),エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA),エチレン・ビニルアルコール共重合体(EVOH)に代表されるガスバリア性ポリマーをガスバリア層としてインサートした熱可塑性シートを用いてもよい。
上記端面処理前容器は、例えば図3に示す熱可塑性シート積層装置(端面処理前容器形成機構)70を用いて連続して形成することができる。この装置70は、概略、成形された容器基材V10を供給する容器供給機71と、ロール状に巻かれた熱可塑性シートS1を巻き出すロールシート巻出機72と、巻き出されたシートS1を加熱軟化させる加熱機73と、シートS1を移送させる移送機74と、図4に示す成形機80と、トリミングを行うトリミング機90と、シートS1のスクラップを巻き取るスクラップ巻取機76と、シートS1が凹部側表面に積層されてトリミングされた端面処理前容器を取り出す端面処理前容器取出機77とを備えている。
熱可塑性シートS1は、移送機74のローラにはさみ込まれながら順次必要量がロールシート巻出機72から巻き出され、移送機74にて加熱機73に移送され、同加熱機73内の上面に設置されているヒータ73aにより輻射加熱されて加熱軟化される。加熱軟化されたシートS1は、移送機74にてさらに成形機80に移送され、容器基材V10の開口部に配置される。成形機80には容器供給機71が接続されており、容器基材V10が成形機80に順次搬入される。
容器供給機71では、容器戴置パレットがパレットインデックスモータにて所定の載置位置に位置決めされると、この容器戴置パレットに作業者が容器基材V10を載置する。すると、容器戴置パレットはコンベアによって成形機80側端に搬送され、パレットスライダーにて位置決めされながらストッパによって固定される。このとき、搬送ローダが動作し、容器戴置パレットに載置された容器基材V10を吸引して成形機80に搬入するので、同容器基材は成形用雌型86に設置される。
上ヒータ82は、通電されると熱を放出してプラグ88を加熱し、収容面86aに近づけられて容器基材の側壁部V13bに積層したシートS1を輻射加熱する。下ヒータ85は、通電されると熱を放出し、収容面86aの外縁部を反対側から加熱する。
上クランプ83は、容器基材のフランジ部V14を囲む形状に形成され、両テーブル81,84が近接したときに下面が加熱軟化したシートS1に当接する。下クランプ87は、両テーブル81,84が近接したときに上クランプ83の下面との間で加熱軟化したシートS1を挟持する。
その後、プラグ88に真空を供給して上方に退避させ、両テーブル81,84を上下方向に離反させて、シートS1が積層された容器基材V10をシートS1に付着させたままトリミング機90に移送させる。
形成された端面処理前容器V20は、容器基材のシート積層面V11に熱可塑性シートS1が積層されて当該熱可塑性シートS1が同容器基材の端部V15より同容器基材V10の底部V13a側へ底方向延出部V23が延出してから外側へ外方向延出部V24が延出して同容器基材の端部V15から外側の位置で切断されている。
なお、容器基材の端面V16より外側で残す熱可塑性シートV22の長さは、容器基材のフランジ部V14の長さより短くても長くてもよい。
図7は本実施形態の容器端面処理機(容器端面処理装置)100の構成を示す側面図であり、図8〜図13は容器端面処理機100の構成を垂直断面にて示す断面図である。図14は偏心被覆機構を偏心部材等とともに上面から見て示す上面図であり、図15は載置部材と容器排出機構とを上面から見て示す上面図であり、図16は受止部材と第二容器排出機構とを上面から見て示す上面図である。図17は偏心部材が移動可能な位置を上面から見て模式的に示す上面図であり、図18は偏心部材の動作を上面から見て示す上面図である。なお、図17、図18では、わかりやすく説明するため、偏心部材130の主要部を構成する接触部材132が移動可能な各位置および当該接触部材132の動作を示している。
容器端面処理機100は、端面処理前容器V20を収容する収容部110と、当該容器V20において周囲の熱可塑性シートV22をシート非積層面V12に巻き込ませて積層接着させるための偏心部材130と、当該偏心部材130を用いて第一および第二のエアシリンダ144,146の駆動により周囲の熱可塑性シートV22をシート非積層面V12に巻き込ませて積層接着させる偏心被覆機構(被覆機構)140と、収容部から落下した端面処理済容器V30を一旦受け止める受止部材150と、受け止めた容器V30を落下させる第二容器排出機構160とを備え、容器基材の端部V15におけるシート非積層面V12に周囲の熱可塑性シートV22を積層接着させた端面処理済容器V30を製造する。なお、受止部材150や第二容器排出機構160を設けずに容器端面処理装置を構成することも可能である。
熱可塑性シート積層装置70で形成されて所定数ずつ積み重ねられた端面処理前容器V20は、図示しない積重容器供給装置で倒置されて収容部の4本のガイド部材111の間に上方から挿入される。このとき、載置部材112は図15の上段に示す所定の進出位置L11にあり、倒置状態で積み重ねられた容器V20は載置部材112上に載置されて収容部110に収容される。
エアシリンダ115は、容器端面処理機100において全く移動しない金属製固定部材101に対して本体部が水平方向へ回転可能に取り付けられるとともに可動部が回転部材116に対して回転可能に取り付けられ、真空圧空供給機構115aから真空圧が供給されると回転部材116を右回りに回転させて図15上段に示すように所定の右回り終端位置L13にさせ、真空圧空供給機構115aから圧空が供給されると回転部材116を左回りに回転させて図15下段に示すように所定の左回り終端位置L14にさせる。なお、円弧状穴116a〜dがエアシリンダ115の駆動範囲を規制している。
回転部材116は、載置部材の下方突出部112a2〜112d2を上方から挿入させる円弧状の貫通穴116a〜dが形成されている。下方突出部112a2〜112d2は、円弧状穴116a〜dに沿って移動する。
各溝部材117a〜dは、固定部材101に対して固定され、上面が溝形状とされて、各挿入部112a1〜112d1を水平方向へスライド可能に上方から挿入させている。従って、挿入部112a1〜112d1を有する各載置部材112a〜dは、各溝部材117a〜dに形成された溝の向きにのみ移動する。
接触部材132は、収容部110に収容された端面処理前容器の容器基材の端部V15に沿った平面SP1内で所定の基準位置L1に配置したときに当該容器基材の端部V15を囲む形状とされている。偏心部材130は、基準位置L1と当該基準位置からずれた偏心位置L2との間で移動可能であるとともに、平面SP1内で基準位置L1からずれた偏心位置L2〜L5に沿って移動可能とされている。接触部材132の上面には、ヒータ142を収容するための環状の溝132aが形成されている。支持部材134には、偏心掛止部材149a,bを下方から貫通させて回転可能に掛止させる偏心掛止部材挿入穴134a,bが形成されている。
図17に示すように、偏心位置L2〜L5は、平面SP1内で基準位置L1の中心L1aを中心とする円周L2a上を中心とする位置とされ、平面SP1内で基準位置L1の中心L1aの周りを中心とする位置とされている。本実施形態では、偏心位置L2〜L5を、平面SP1内で基準位置L1の中心L1aを中心とする円周L2a上を中心とする位置としている。偏心部材130は、偏心位置L2〜L5で載置部材112の上面との間に容器の端部V25を挟むように平面SP1内を移動可能である。
また、接触部材132は、収容部110に収容された端面処理前容器の容器基材の端部V15より同容器基材の底部側へ延出した底方向延出部V23に水平外方向から接触する位置とされている。本実施形態では、接触部材132の下面を、載置部材112上に載置された端面処理前容器の容器基材の端部V15におけるシート非積層面V12よりも熱可塑性シートV22の厚みの範囲内で上側としている。これにより、接触部材132の下面は、端面処理前容器の外方向延出部V24の下面よりも下側か、少なくとも当該外方向延出部V24の下面の位置になる。
なお、偏心部材の下面にフッ素樹脂層を形成してもよい。すると、加熱された熱可塑性シートが偏心部材の下面に付着しないので、容器基材の端部におけるシート非積層面に巻き込ませた熱可塑性シートが剥がれることがない。
ヒータ142は、接触部材上面の溝132aに上方から挿入され、熱可塑性シートV22に接触しない位置とされて、通電されると発熱して接触部材132を加熱する。従って、熱可塑性シートV22が直接ヒータに触れず、溶融して切れたりはしない。同ヒータは、収容部110に収容された容器V20の容器基材の端部V25を囲む位置に取り付けられていることになる。
温度センサ143は、接触部材132の外側面に取り付けられ、当該接触部材の温度を検出する。
ここで、接触部材132は、熱可塑性シートV22の非接着面に接触することになるので、熱可塑性シートV22の接着面の融点よりも高い温度とすることができる。また、接触部材132は偏心して回転するため、熱可塑性シートV22に接触する時間が例えば1秒以下と短く、熱可塑性シートV22の融点よりも高い温度とすることができる。例えば、ポリプロピレンフィルムを用いる場合、接触部材を220〜280℃程度に加熱することが可能である。
以上の構成とされた偏心被覆機構140は、センサ143の検出温度に基づいてヒータ142で接触部材132を目標温度まで加熱するとともに、容器基材の端部V15の周囲にある熱可塑性シートV22を当該加熱した接触部材132に接触させて加熱軟化させながら当該容器基材の端部V15におけるシート非積層面V12に巻き込ませて積層接着させる。
ラック147は、エアシリンダ146の駆動方向にギヤ147a,bを有し、当該駆動方向へ往復動可能とされている。
ピニオン148は、下端部に水平方向を回転方向とするギヤ148bを有し、上記平面SP1とは垂直な方向を回転軸148aとして回転可能にラック147と噛合している。
偏心掛止部材149a,b(偏心掛止機構149)は、ピニオン148における回転軸148aから偏心した位置から上方に突出して偏心部材の偏心掛止部材挿入穴134a,bに挿入され、当該偏心部材に対して水平方向に回転可能に掛止されている。これにより、偏心掛止機構149は、ピニオン148における回転軸148aから偏心した位置と偏心部材の支持部材134との間で掛止して当該ピニオン148の回転に応じて偏心部材130の偏心位置L2〜L5を変更させる。
受止部材150の上面と載置部材112の上面との高さの差は、端面処理済容器V30の端部の厚みよりも大きく、積み重ねられた各端面処理前容器V20の間隔よりも小さくしている。
エアシリンダ115は、可動部が回転部材162に対して回転可能に取り付けられ、真空圧空供給機構115aから真空圧が供給されると回転部材162を右回りに回転させて図16上段に示すように所定の右回り終端位置L23にさせ、真空圧空供給機構115aから圧空が供給されると回転部材162を左回りに回転させて図16下段に示すように所定の左回り終端位置L24にさせる。
回転部材162は、載置部材の下方突出部150a2〜150d2を上方から挿入させる円弧状の貫通穴162a〜dが形成されている。下方突出部150a2〜150d2は、円弧状穴162a〜dに沿って移動する。
各溝部材164a〜dは、固定部材101に対して固定され、上面が溝形状とされて、各挿入部150a1〜150d1を水平方向へスライド可能に上方から挿入させている。従って、挿入部150a1〜150d1を有する各受止部材150a〜dは、各溝部材164a〜dに形成された溝の向きにのみ移動する。
図10に示す従来のトリミング装置のように、トリミングの際に熱可塑性樹脂フィルムS1を積層接着させた容器基材v2のフランジ部ごと切刃1で切断する場合、容器基材の端面v6が露出してしまう。すると、樹脂フィルムv3で覆われていない端面v6に液が浸透してしまい、容器v1の強度が低下したり、容器v1が汚れたりすることがあった。
トリミングの際にフランジ部より外側で樹脂フィルムS1のみを切断する場合、図11上段に示す容器v11のように、樹脂フィルムv13のみが容器基材v12のフランジ部よりも外方に突出するため、樹脂フィルムv13が容器基材v12のフランジ部から剥がれたり、周囲に引っ掛かったり、見た目が良好でなかったりしていた。また、端面v16からフランジ部の裏面側にかけて樹脂フィルムが被覆されていないため、フランジ部の裏面に液が浸透してしまい、容器の強度が低下したり、容器が汚れたりしていた。
図11中段に示す容器v21のように、容器基材v22の両面にプラスチックフィルムv23,v24を積層して端面v26を保護すると、この処理に時間がかかってしまう。また、プラスチックフィルムv23,v24のみが容器基材v22のフランジ部よりも外方に突出してしまう。
図11下段に示す容器v31のように、容器基材v32の両面に熱可塑性樹脂フィルムv33,v34を積層し、容器基材v32の端面v36をインサート射出成形法により熱可塑性樹脂v35で被覆すると、この処理に時間がかかってしまう。
本発明では、上記偏心部材130を用いて容器基材の端部の周囲にある熱可塑性シートを当該容器基材の端部におけるシート非積層面に巻き込ませて積層接着させるので、上述した問題点が解決される。
まず、第一のエアシリンダ144に真空圧を供給して、図18のステップST1〜ST2に示すように偏心部材130を基準位置L1から偏心位置L2へ偏心させるようにスライドさせる(タイミングt1)。すると、図9に示す状態になり、図18において周囲の熱可塑性シートV22の底方向延出部V23における左側部分が、接触部材132の内周面に押され、容器基材の端部V15におけるシート非積層面V12に巻き込まれる。このとき、端面処理前容器の端部V25は、載置部材112の上面と接触部材132の下面との間で挟まれた状態になる。
以上の状態で容器基材の端面V16が熱可塑性シートV22で保護されたことになるが、本実施形態ではさらに、ステップST6の状態で一旦停止した後、第二のエアシリンダ146に真空を供給して、ステップST6〜ST2に示すように平面SP1内で基準位置L1を中心として上記右回り回転方向とは反対の左回り回転方向D2へ偏心部材130を一回転スライドさせる(タイミングt4〜t5)。すると、偏心部材130は、端面処理前容器の端部V25を載置部材112の上面と接触部材132の下面との間で挟みながら、平面SP1内で偏心位置L2、L5、L4、L3、L2の順に偏心位置に沿って移動する。なお、偏心部材130が偏心位置L4に戻ったステップST4の状態は図10に示す状態に相当し、偏心部材130が一回転して偏心位置L2に戻ったステップST2の状態は図11に示す状態に相当している。この間、容器基材の端部V15におけるシート非積層面V12に積層接着された熱可塑性シートV22は、加熱状態の接触部材132からに熱を与えられてさらに一部が容器基材の端部V15におけるシート非積層面V12に含浸して確実に積層接着する。
このように、偏心被覆機構140は、収容部110に端面処理前容器V20が収容される前に偏心部材130を基準位置L1にさせ、収容部110に容器V20が収容された後に偏心部材130を偏心位置L2へスライドさせて平面SP1内で偏心位置L2〜L5に沿ってスライドさせることにより容器基材の端部の周囲にある熱可塑性シートV22を当該容器基材の端部V15におけるシート非積層面V12に巻き込ませて積層接着させて端面処理済容器V30を形成し、収容部110から当該容器V30を落下させる前に偏心部材130を基準位置L1にスライドさせて戻す。容器排出機構114は、端面処理済容器V30が形成された後に、載置部材を退避させて当該容器V30を一旦受止部材150上まで落下させる。第二容器排出機構160は、受止部材150を退避させ、受け止めた容器V30を落下させて排出する。
以上説明したように、本発明によると、端面処理前容器の容器基材の端部に沿った平面内で偏心部材を偏心位置に沿って移動させるだけで容器基材の端面が熱可塑性シートにて被覆されるので、容器基材に熱可塑性シートを積層した容器の端面が迅速な処理にて確実に保護される。なお、偏心部材を用いて機械的に熱可塑性シートを巻き込ませるので、この点でも確実に容器基材の端面を熱可塑性シートにて被覆することができる。また、熱可塑性シートをシート非積層面に巻き込ませるので、容器基材の端面から熱可塑性シートをはみ出させないようにさせて外観が向上する。
さらに、偏心部材が加熱されているので、別途熱可塑性シートを加熱軟化させる必要が無くなって装置構造が簡素で済み、偏心部材で熱可塑性シートが速やかに加熱軟化されながらシート非積層面に積層接着され、容器の端面を保護する処理が迅速化される。
さらに、偏心部材が平面SP1内で基準位置を中心として所定の回転方向へ移動した後に当該回転方向とは反対の回転方向へ移動して周囲の熱可塑性シートV22を容器基材の端部V15におけるシート非積層面V12に積層接着させるので、熱可塑性シートV22がさらに確実に積層接着し、さらに確実に容器の端面が保護される。
さらに、端面処理前容器の底方向延出部V23が形成されているので、熱可塑性シートV22がさらに確実に積層接着し、さらに確実に容器の端面が保護される。
さらに、受止部材を用いて端面処理済容器を一旦受け止めるので、積み重ねられた端面処理前容器が一つずつ確実に落下して分離され、落下する端面処理済容器の姿勢が安定し、端面処理済容器を自動的に取り出す機構を接続しやすくさせることができる。
本発明は、様々な変形例が考えられる。
本発明を適用可能な容器は、上面から見て容器基材の端部の外周が円形であると熱可塑性シートを巻き込ませやすいので好適であるものの、楕円形、四角形等の多角形、等でもよい。これらのような端面処理前容器であっても、容器基材の端部を囲む形状の偏心部材を偏心位置に沿って移動させることにより、周囲の熱可塑性シートをシート非積層面に巻き込ませて積層接着させることが可能である。
偏心部材が移動する偏心位置は、基準位置の中心を中心とする円周上であると熱可塑性シートを巻き込ませやすいので好適であるものの、基準位置の中心を中心とする楕円形の周上、四角形等の多角形の辺状、等でもよい。
偏心部材を移動させる際、相対的な位置関係を変えて移動させてもよい。基準位置の中心の周りを中心として偏心部材を周回させる際の回転量は、一回転のみならず、一回転半、二回転以上、等でもよい。
偏心部材を周回させる速度を調節可能なスピードコントローラを設けてもよい。ここで、当該スピードコントローラにより、加熱された偏心部材を所定の第一回転速度で所定の回転方向D1へ一回転スライドさせた後、前記第一回転速度よりも速い所定の第二回転速度で反対の回転方向D2へ一回転スライドさせてもよい。すると、回転方向D1へのスライド時には比較的ゆっくりと周回する偏心部材から熱可塑性シートV22へ熱が十分に伝えられて容器基材端部のシート非積層面V12に熱可塑性シートが十分に積層接着し、反対の回転方向D2へのスライド時には偏心部材が比較的速く周回するので熱可塑性シートV22の加熱しすぎを防ぐことができる。これにより、熱可塑性シートに薄い熱可塑性フィルムを用いても、過熱による穴の発生を防ぐことができる。
偏心部材を加熱させる加熱機構は、ヒータ以外にも、熱風を偏心部材に当てる機構、熱した油を偏心部材内に流す機構、等でもよい。
偏心部材を偏心させる駆動機構や、偏心部材を偏心位置に沿って移動させる駆動機構や、載置部材と受止部材を移動させる駆動機構としては、サーボモータを用いたサーボ駆動機構でもよい。容器端面処理装置を多数使用して端面処理済容器を並行して形成する処理を行い、次工程へ複数の端面処理済容器を同時に受け渡す場合、安定してタイミングを同期させることが可能となる。
上記駆動機構は、上記エアシリンダや上記サーボ駆動機構が好適であるものの、油圧シリンダ、電磁力による駆動機構、等でもよい。
載置部材と受止部材とは、それぞれ別の駆動機構により駆動されてもよい。
偏心部材にヒータを取り付けず、別途周囲の熱可塑性シートV22を加熱軟化させる加熱軟化機構を設けて、加熱軟化した熱可塑性シートV22を容器基材の端部V15におけるシート非積層面V12に巻き込ませて積層接着させても、同様の作用、効果が得られる。このような加熱軟化機構としては、加熱したヒータで熱可塑性シートV22を輻射加熱する機構、熱風を熱可塑性シートV22に当てる機構、等が考えられる。
偏心部材130の下面にフッ素樹脂層を形成する場合、フッ素樹脂層自体は耐熱性が良好でも、フッ素樹脂層を接着させる接着剤の耐熱温度がフッ素樹脂層よりも低いため、ヒータの熱によりフッ素樹脂層が剥がれることがある。この場合、ヒータの設定温度を下げて偏心部材の加熱温度を下げるとともに偏心部材の周回速度を下げる対応も考えられる。その際、上述したスピードコントローラを設け、反対の回転方向D2へは比較的速い回転速度で一回転スライドさせてもよい。しかし、容器の端面を保護する処理のサイクルが遅くなるという課題が生じる。
上記課題を解決するため、偏心部材にフッ素樹脂層を形成せず、周囲の熱可塑性シートV22において偏心部材に接触する面、特に底方向延出部V23の外側面に、熱可塑性シートV22が偏心部材130に付着することを防止するためのシリコーンオイル等の付着防止油を塗布する付着防止油塗布機構を設けてもよい。例えば、図22に示すように、ネル地等の毛羽だった布やフェルトやスポンジ等の基材111aを収容部の複数のガイド部材111における径方向内側の容器V20側の面に組み込んだり各ガイド部材111に巻き付けたりして、当該基材に例えば定量ポンプでシリコーンオイルを連続して供給し、当該基材を熱可塑性シートV22における偏心部材への接触面に接触させると、付着防止油を塗布することができる。
また、上記課題を解決するため、偏心部材130の下面(記周囲の熱可塑性シートV22に接触する面)に、熱可塑性シートが偏心部材に付着することを防止するためのシリコーンオイル等の付着防止油を塗布する付着防止油塗布機構を設けてもよい。例えば、ネル地等の毛羽だった布やフェルトやスポンジ等の基材に例えば定量ポンプでシリコーンオイルを連続して供給し、当該基材を偏心部材130の下面に接触させると、付着防止油を塗布することができる。
むろん、熱可塑性シートV22における偏心部材への接触面と、偏心部材130の下面とに、付着防止油を塗布してもよい。
いずれの場合でも、加熱された熱可塑性シートが偏心部材の下面に付着しないので、容器の端面を保護する処理を効率よく行うことができる。また、フッ素樹脂層が剥がれる加熱温度にまで偏心部材を加熱することができ、容器の端面を保護する処理のサイクルを速くすることができる。さらに、熱可塑性シートV22における偏心部材への接触面に付着防止油が付着するので、載置部材112a〜dで端面処理済容器V30の端部の上側を押さえることにより、容器V30の姿勢を安定させながら容器V30をスムーズに落下させて分離することができる。
ガイド部材111に基材を取り付けると、基材からシリコーンオイルが漏れて容器V20における必要な場所以外の場所に付着したり、容器端面処理装置に付着したりすることがあり、端面処理済容器に斑が生じたり、周囲の熱可塑性シートV22の積層接着が不十分となることがある。
本変形例によると、端面処理済容器に斑が生じることが防がれ、周囲の熱可塑性シートV22を容器基材の端部V15におけるシート非積層面V12に対して十分に積層接着させることが可能になる。また、収容部110に収容された容器V20をスタンプ部材118で押さえることにより、端面を保護する処理対象の容器V20を固定することができる。これにより、容器V20に対して周囲の熱可塑性シートV22を巻き込んでシート非積層面V12に積層接着させる処理の間に機器動作につられて処理対象の容器V20が移動することがなく、より確実に周囲の熱可塑性シートV22をシート非積層面V12に対して十分に積層接着させることが可能になる。
受止部材から熱を奪うことにより受止部材を冷却する受止部材冷却機構を設けてもよい。例えば、受止部材150の内部に冷却通路を形成し、冷却通路内に冷却水等の冷却液を通過させることにより、加熱軟化した熱可塑性シートV22から与えられる熱による温度上昇を防ぐことができる。すると、容器基材の端部のシート非積層面に対して熱可塑性シートをより確実に積層接着させることができるので、より確実に容器の端面を保護することが可能となる。むろん、受止部材内に熱電対を設け、この熱電対に電流を流して受止部材から熱を奪うことにより受止部材を冷却する冷却機構を構成してもよい。
積重容器供給装置60としては、図26に示すように、熱可塑性シート積層装置の端面処理前容器取出機77にて積み重ねられた端面処理前容器V20を水平方向に搬送するベルトコンベア61、当該コンベア61から押し出される容器V20を載置する倒置用下テーブル62、当該倒置用下テーブル62の上方に設けられた倒置用上テーブル63、積み重ねられた容器V20を上下逆にして倒置させる倒置機構64、倒置された積み重ね状態の容器V20を容器端面処理機の収容部110の上方へ水平方向に搬送する搬送機構65、搬送される倒置状態の積み重ねられた容器V20の下側を支持する搬送用下テーブル66、当該搬送用下テーブル66の上方に設けられた搬送用上テーブル67、搬送用下テーブル66を退避させて倒置状態の積み重ねられた容器V20を落下させて収容部110に収容させる退避機構68とを備える構成とすることができる。端面処理前容器取出機77にて積み重ねられた容器V20は、まず、コンベア61にて水平方向に搬送され、倒置用下テーブル62上に押し出される。次に、倒置用上テーブル63が下降し、積み重ねられた容器V20は、上下テーブル62,63に挟まれて、倒置機構64にて上下逆にされる。倒置された積み重ね状態の容器V20は、搬送機構65にて収容部110の上方まで搬送され、退避機構68にて搬送用下テーブル66が退避すると落下して収容部110内に収容される。
端面処理前容器V20は、熱可塑性シートが容器基材の端部V15より同容器基材V10の底部側へ延出してから外側へ延出して同容器基材の端部V15から外側の位置で切断されている。これにより、容器基材の端部の周囲にある熱可塑性シートV22を当該容器基材の端部V15におけるシート非積層面V12に巻き込ませやすくなるので、容器基材に熱可塑性シートを積層した容器の端面が確実に保護される。また、熱可塑性シートをシート非積層面に巻き込ませるので、容器基材の端面から熱可塑性シートがはみ出ず、外観が向上する。
70…熱可塑性シート積層装置(端面処理前容器形成機構)、
80…成形機、
90…トリミング機、95…容器基材収容部、97…ノックアウト機構、
100…容器端面処理機(容器端面処理装置)、101…固定部材、
110…収容部、111…ガイド部材、111a…基材、
112,112a〜d…載置部材、
112a1〜112d1…挿入部、112a2〜112d2…下方突出部、
114…容器排出機構、115…第三のエアシリンダ、115a…真空圧空供給機構、
116…回転部材、116a〜d…円弧状穴、
117a〜d…溝部材、
118…スタンプ部材、118a…基材、
119…定量ポンプ、119a…シリコーンオイル供給管、
130…偏心部材、132…接触部材、132a…溝、
134…支持部材、134a,b…偏心掛止部材挿入穴、134c…開口、
140…偏心被覆機構(被覆機構)、142…ヒータ、143…温度センサ、
144…第一のエアシリンダ、144a…真空圧空供給機構、
146…第二のエアシリンダ、146a…真空圧空供給機構、
147…ラック、147a,b…ギヤ、
148…ピニオン、148a…回転軸、148b…ギヤ、
149…偏心掛止機構、149a,b…偏心掛止部材、
150,150a〜d…受止部材、
150a1〜150d1…挿入部、150a2〜150d2…下方突出部、
160…第二容器排出機構、
162…回転部材、162a〜d…円弧状穴、
164a〜d…溝部材、
200…容器製造装置、
D1,D2…回転方向、
L1…所定の基準位置、L1a…中心、
L2〜L5…所定の偏心位置、L2a…基準位置の中心の周り、
L11…所定の進出位置、L12…所定の退避位置、
L21…所定の第二進出位置、L22…所定の第二退避位置、
S1,V21…熱可塑性シート、
SP1…容器基材の端部に沿った平面、
V10…容器基材、V11…シート積層面、V12…シート非積層面、
V13…凹部、V13a…容器基材の底部、
V14…フランジ部、V15…容器基材の端部、V16…容器基材の端面、
V20,V20a〜c…端面処理前容器、V22…周囲の熱可塑性シート、
V23…底方向延出部、V24…外方向延出部、V25…端部、V26…底部、
V30…端面処理済容器
Claims (15)
- 容器基材のシート積層面に熱可塑性シートが積層されて当該熱可塑性シートが同容器基材の端部から外側の位置で切断された端面処理前容器を収容する収容部と、
収容された端面処理前容器の容器基材の端部に沿った平面内で所定の基準位置に配置したときに当該容器基材の端部を囲む形状とされ、当該平面内で当該基準位置からずれた偏心位置に沿って移動可能な偏心部材と、
上記平面内で上記偏心部材を上記偏心位置に沿って移動させることにより、上記収容部に収容された端面処理前容器における上記容器基材の端部の周囲にある熱可塑性シートを当該偏心部材に接触させて当該容器基材の端部における上記シート積層面とは反対側のシート非積層面に巻き込ませて積層接着させる偏心被覆機構とを具備することを特徴とする容器端面処理装置。 - 上記偏心被覆機構は、上記偏心部材における上記熱可塑性シートに接触しない位置であって上記収容部に収容された端面処理前容器の容器基材の端部を囲む位置に取り付けられたヒータを備え、このヒータで上記偏心部材を加熱するとともに、上記容器基材の端部の周囲にある熱可塑性シートを当該加熱した偏心部材に接触させて加熱軟化させながら当該容器基材の端部における上記シート非積層面に巻き込ませて積層接着させることを特徴とする請求項1に記載の容器端面処理装置。
- 上記収容部は、上記容器基材の端部におけるシート非積層面に上記熱可塑性シートを積層接着させた端面処理済容器を排出させる容器排出機構を備え、
上記偏心部材は、上記基準位置と上記偏心位置との間でスライド可能であり、
上記偏心被覆機構は、上記収容部に上記端面処理前容器が収容される前に上記偏心部材を上記基準位置にさせ、上記収容部に上記端面処理前容器が収容された後に上記偏心部材を上記基準位置から上記偏心位置へスライドさせて上記平面内で上記偏心位置に沿ってスライドさせることにより上記容器基材の端部の周囲にある熱可塑性シートを当該容器基材の端部における上記シート非積層面に巻き込ませて積層接着させて上記端面処理済容器を形成し、上記収容部から当該端面処理済容器を落下させる前に上記偏心部材を上記偏心位置から上記基準位置にスライドさせて戻すことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の容器端面処理装置。 - 上記偏心被覆機構は、上記偏心部材を上記基準位置と上記偏心位置との間で駆動するエアシリンダを備え、このエアシリンダにて上記偏心部材を上記基準位置と上記偏心位置との間で移動させることを特徴とする請求項3に記載の容器端面処理装置。
- 上記収容部は、底部を上側に向けた上記端面処理前容器の端部を所定の進出位置で上面に載置して当該端面処理前容器を収容させるとともに所定の退避位置へ退避可能な載置部材と、当該載置部材を同退避位置へ退避させて上記容器基材の端部におけるシート非積層面に上記熱可塑性シートを積層接着させた端面処理済容器を落下させる容器排出機構とを備え、
上記偏心部材は、上記偏心位置で上記載置部材の上面との間に上記端面処理前容器の端部を挟むように上記平面内を移動可能であり、
上記偏心被覆機構は、上記載置部材が上記進出位置にあるときに、上記平面内で上記偏心部材を上記偏心位置に沿って移動させ、上記容器基材の端部の周囲にある熱可塑性シートを当該偏心部材に接触させて当該容器基材の端部における上記シート非積層面に巻き込ませて上記端面処理前容器の端部を上記載置部材の上面との間で挟んで同熱可塑性シートを同シート非積層面に積層接着させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の容器端面処理装置。 - 上記載置部材の下方に配置されて所定の第二進出位置で上記収容部から落下した上記端面処理済容器を受け止めるとともに所定の第二退避位置へ退避可能な受止部材と、
当該受止部材を上記第二退避位置へ退避させて上記受け止められた端面処理済容器を落下させる第二容器排出機構とが設けられていることを特徴とする請求項5に記載の容器端面処理装置。 - 上記偏心位置は、上記平面内で上記基準位置の中心の周りを中心とする位置とされ、
上記偏心被覆機構は、上記平面内で上記基準位置を中心として所定の回転方向へ上記偏心部材を移動させた後に当該回転方向とは反対の回転方向へ上記偏心部材を移動させることにより、上記容器基材の端部の周囲にある熱可塑性シートを当該偏心部材に接触させて当該容器基材の端部における上記シート非積層面に巻き込ませて積層接着させることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の容器端面処理装置。 - 上記偏心被覆機構は、
上記平面と平行な方向を駆動方向とする第二のエアシリンダと、
上記第二のエアシリンダの駆動方向にギヤを有して当該駆動方向へ往復動可能なラックと、
上記平面とは垂直な方向を回転軸として回転可能に上記ラックと噛合したピニオンと、
このピニオンにおける上記回転軸から偏心した位置と上記偏心部材との間で掛止して当該ピニオンの回転に応じて上記偏心部材の偏心位置を変更させる偏心掛止機構とを備え、
上記第二のエアシリンダにて上記ラックを往復動させて上記ピニオンを回転させ、上記偏心掛止機構にて上記偏心部材を上記偏心位置に沿って移動させることを特徴とする請求項7に記載の容器端面処理装置。 - 上記偏心被覆機構は、上記平面内で上記基準位置を中心として所定の第一回転速度で上記回転方向へ上記偏心部材を移動させた後に当該第一回転速度よりも速い所定の第二回転速度で上記反対の回転方向へ上記偏心部材を移動させることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の容器端面処理装置。
- 上記端面処理前容器を形成する際、上記容器基材のシート積層面に熱可塑性シートが積層されて当該熱可塑性シートが同容器基材の端部より同容器基材の底部側へ延出してから外側へ延出して同容器基材の端部から外側の位置で切断された端面処理前容器を形成する端面処理前容器形成機構が設けられ、
上記収容部は、上記形成された端面処理前容器を収容し、
上記偏心被覆機構は、上記収容部に収容された端面処理前容器における上記容器基材の端部より同容器基材の底部側へ延出した部分の熱可塑性シートに接触する位置にて上記平面内で上記偏心部材を上記偏心位置に沿って移動させることにより、上記容器基材の端部の周囲にある熱可塑性シートを当該偏心部材に接触させて当該容器基材の端部における上記シート非積層面に巻き込ませて積層接着させることを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれかに記載の容器端面処理装置。 - 上記容器基材が凹部を有して当該凹部の周囲にフランジ部が形成されて少なくとも一部に通気性を有する通気性容器基材であるとともに、上記シート積層面が当該通気性容器基材の凹部側表面であり、
上記端面処理前容器形成機構は、上記容器基材の開口部に加熱軟化した熱可塑性シートを配置させ、差圧成形により同容器基材の内側面に同熱可塑性シートを積層接着させるとともに当該熱可塑性シートを同容器基材の端部より同容器基材の底部側へ延出させてから外側へ延出させた形状に成形し、同容器基材の端部から外側の位置で同熱可塑性シートを切断して上記端面処理前容器を形成することを特徴とする請求項10に記載の容器端面処理装置。 - 上記周囲の熱可塑性シートにおいて上記偏心部材に接触する面と、上記偏心部材において上記周囲の熱可塑性シートに接触する面と、の少なくとも一方に、上記周囲の熱可塑性シートが上記偏心部材に付着することを防止する付着防止油を塗布する付着防止油塗布機構が設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項11のいずれかに記載の容器端面処理装置。
- 容器基材のシート積層面に熱可塑性シートが積層されて当該熱可塑性シートが同容器基材の端部より同容器基材の底部側へ延出してから外側へ延出して同容器基材の端部から外側の位置で切断された端面処理前容器を形成する端面処理前容器形成機構と、
形成された端面処理前容器を収容する収容部と、
収容された端面処理前容器における上記容器基材の端部より同容器基材の底部側へ延出してから外側へ延出した熱可塑性シートを当該容器基材の端部における上記シート積層面とは反対側のシート非積層面に巻き込ませて積層接着させて端面処理済容器を製造する被覆機構とを具備することを特徴とする容器製造装置。 - 容器基材のシート積層面に熱可塑性シートが積層されて当該熱可塑性シートが同容器基材の端部から外側の位置で切断された端面処理前容器を所定の収容部に収容し、
収容した端面処理前容器の容器基材の端部に沿った平面内で所定の基準位置に配置したときに当該容器基材の端部を囲む形状とされて当該平面内で当該基準位置からずれた偏心位置に沿って移動可能な偏心部材を同平面内で同偏心位置に沿って移動させることにより、上記収容部に収容された端面処理前容器における上記容器基材の端部の周囲にある熱可塑性シートを当該偏心部材に接触させて当該容器基材の端部における上記シート積層面とは反対側のシート非積層面に巻き込ませて積層接着させて端面処理済容器を製造することを特徴とする容器製造方法。 - 容器基材のシート積層面に熱可塑性シートが積層されて当該熱可塑性シートが同容器基材の端部から外側の位置で切断された端面処理前容器を形成する際、当該熱可塑性シートが同容器基材の端部より同容器基材の底部側へ延出してから外側へ延出して同容器基材の端部から外側の位置で切断された端面処理前容器を形成し、
形成された端面処理前容器を所定の収容部に収容し、
収容した端面処理前容器における上記容器基材の端部より同容器基材の底部側へ延出してから外側へ延出した熱可塑性シートを当該容器基材の端部における上記シート積層面とは反対側のシート非積層面に巻き込ませて積層接着させて端面処理済容器を製造することを特徴とする容器製造方法。
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