JP4430035B2 - 音声調整装置および音声調整方法 - Google Patents
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Description
その制御方法としては様々な方法が考案されているが、上述した音量制御装置では、音声の出力レベルを読み取り、予め記憶している出力レベルとの差に応じた補正値を演算し、演算結果に応じて音声の出力レベルを一定に保持している。
また、音声信号を平均値検波処理を行い、1秒間の平均値信号を生成し、その平均値信号に応じて信号レベルを一定に保つように音声信号を増幅し出力する方法も知られている(平均値検波処理法)。
このため、従来の平均値検波処理を行う方法では、それまでの無音状態を含む1秒間の平均値が低い。その低い平均値に基づいて、その低い値を所定のレベルまで増幅するため、大きな増幅度で音声信号を増幅するので、たとえば、図4(b)に例示したように、大きな増幅度で入力された音声信号を過度に増幅してしまい、話しはじめた音声信号の出力レベルが非常に大きくなり耳障りになる。
これを避けるためには、ユーザ(話者)は、しゃべり始めに手動で増幅度を変更するという煩雑な操作を行う必要があった。
特に、本発明は複数の話者の音声信号パターンをデータとして事前に記憶しておき、話者に対応した音声信号パターンをデータを用いて平均値を調整する。その結果、話者の話し方に応じて、無音状態から急激に音声信号のレベルが強くなる場合でも、装置から出力される音声信号の出力レベルが急激に大きくならないようにすることができる。
図1は本発明に係る音声調整装置の第1実施形態の機能ブロック図である。
本実施形態に係る音声調整装置1は、例えば外部入力部としてのマイクロフォン2により入力された音声信号の出力レベルが一定になるように音声信号を増幅して出力する。
音声入力部21は、例えば、話者からの音波(音声)を検出して電気信号に変換して、音声信号S21として音声調整装置1に出力する。
例えば、マイクロフォン2に設けられたタイミング指示信号生成部22は、ユーザ(話者)が話をするときに話者が操作するスイッチを含み、そのスイッチがオン状態またはオフ状態かに応じて第1の状態および第2の状態を設定する。
例えば、ローレベルの電圧のタイミング指示信号S22はミュート信号mに相当し、ハイレベルの電圧のタイミング指示信号S22は、後述する信号処理を行うタイミング指示信号tに相当する。
検波部11は、マイクロフォン2からの話者の音声信号S21の検波処理を行い、検波処理の結果S112をレベル算出部12に出力する。
ピーク検波部111は本発明に係るピーク検波手段に相当し、平均値検波部112は本発明に係る平均値処理手段に相当し、レベル算出部12は本発明に係るレベル算出手段に、出力処理部13は本発明に係る出力処理手段に相当する。
すなわち、ピーク検波部111は、タイミング指示信号S22がハイレベルの間(タイミング指示信号tの間)、後述する平均値検波部112内の時定数が可変の第1平均値検出部1121における時定数を変化させる制御信号S111を、ピーク検波部111における音声信号S12のピーク検波の結果に応じて生成し出力する。なお、ピーク検波部111から出力する制御信号S111は、平均値検波部112において平均値信号を生成させないことを指示することもある。
図2を参照して後述するように、平均値検波部112内の第1平均値検波部1121は、例えば制御信号S111に応じて時定数を設定し、設定した時定数に応じて音声信号S21の平均値化処理を行う。
平均値検波部112は、例えば図2に示すように、第1平均値検波部1121、第2平均値検波部1122、切換部1123、および切換制御部1124を有する。
第1平均値検波部1121は本発明に係る第1平均値処理手段に相当し、第2平均値検波部1122は本発明に係る第2平均値処理手段に相当し、切換部1123および切換制御部1124は本発明に係る信号切換制御手段に相当する。
例えば、ピーク検波部111から時定数を小さく設定させる制御信号S111が出力されると、第1平均値検波部1121は、その制御信号S111に応じて時定数を小さく設定し、その小さな時定数に基づいて、短い期間の音声信号S21の平均値レベルを検出し、第1の平均値信号S1121を生成する。
また、ピーク検波部111から時定数を大きく設定させる制御信号S111が出力されると、第1平均値検波部1121は、その制御信号S111に応じて時定数を大きく設定し、その大きな時定数に基づいて、時定数が小さい時より長い期間にわたる音声信号S21の平均値レベルを検出し、第1の平均値信号S1121を生成する。
一方、第1平均値検波部1121は、時定数が大きいほど、音声信号S21の平均化処理を行う処理単位時間が長いので、時定数が小さいときよりは、音声信号S21のレベルの変化に迅速に追従せずに、大まかな平均値信号レベルを検出する。
ピーク検波部111は、このように、第1平均値検波部1121における時定数を設定させる制御信号S111を、音声信号S12のピーク検波の結果に応じて生成して出力する。
また、切換制御部1124は、ピーク検波部111から出力された制御信号S111が平均値を出力しないことを示す場合は、切換部1123に平均値信号の出力を行わないように制御させる。
図3(a)は音声信号S21を示す図であり、図3(b)は図3(a)に示した音声信号S21の絶対値を示す信号S1110を示す図であり、図3(c)はピーク検波部111における図3(b)に示した音声信号S21のピーク検波処理を説明するための図であり、図3(d)はピーク検波処理の結果、生成されたピーク検波信号S1111を示す図である。図3(e)は第2平均値信号S1122を示す図である。図3(f)は、平均値検波部112から出力される平均値信号S112を示す図である。
ピーク検波部111は、図3(c)に示すように、絶対値信号S1110の変化に追従して絶対値信号S1110のピーク検波処理を行い、図3(d)に示すようなピーク検波信号S1111を生成する。
さらに、ピーク検波部111はピーク検波信号S1111に応じた制御信号S111を生成する。
ピーク検波は、図3(c)を参照して上述したように波形の振幅のピーク(最大値)に応じた信号を生成する検波方法である。
平均値検波部112内の固定の時定数の第2平均値検波部1122は、音声信号S21の絶対値信号S1110に基づいて、所定の期間の平均値検波処理を行う。
例えば第2平均値検波部1122における平均値検波処理としては、所定の時間、所定の時定数に基づいて絶対値信号S1110の平均値を生成する。
また、例えば第2平均値検波部1122は、予め設定された、絶対値信号S1110の1秒間の平均値をとるような時定数に基づいて、立上りが緩やかな平均値信号S1122を生成する。
検波部11内の平均値検波部112は、音声信号S21の立上がりに追従した信号をレベル算出部12に出力するために、詳細には、平均値検波部112内の時定数が可変の第1平均値検波部1121は、ピーク検波部111からピーク検波信号S1111(図3(d))の値に応じた制御信号S111が出力された場合には、その制御信号S111に基づいた時定数に基づいて音声信号S21の平均値レベルが所定のレベルsl以上になるような平均値信号S112を生成し、切換部1123を介してレベル算出部12に出力する。
図4(a)は、マイクロフォン2の音声入力部21に入力される音声信号のレベル特性を示す図である。
図4(b)は、一般的な音声調整装置から出力される増幅された音声信号の特性を説明するための図である。
(a)マイクロフォン2からハイレベルのタイミング指示信号S22(タイミング指示信号t)が入力されると、所定のタイミングで、所定の期間、音声信号S21に応じてピーク検波処理を行い、所定のタイミング指示信号tに応じて規定される所定の期間、音声信号S21の平均値レベルを所定のレベル以上にする制御信号S111を出力するピーク検波部111と、
(b)所定の期間は、制御信号S111に基づいて所定のレベル以上の平均値レベルの平均値信号S112を生成し、所定の期間の後には、音声信号S21に基づいて平均値検波処理を行い平均値レベルを検出し、検出した結果に基づいて平均値信号S112を生成する平均値検波部112と、
(c)平均値信号S112に基づいて音声信号S21の信号強度を示す強度信号S12を生成し出力するレベル算出部12と、
(d)強度信号S12に基づいて音声信号S21を増幅して、増幅によるレベル調整により、一定のレベルを持つ音声信号S13を生成する出力処理部13と
を設けたので、無音状態から急激に音声信号の信号強度(レベル)が強くなる場合であっても、出力信号の信号強度が大きくならずに、略一定の信号強度で出力することができる。
図6は、本発明に係る音声調整装置の第2実施形態の機能ブロック図である。
本実施形態の音声調整装置1aは、図6に示すように、検波部11、レベル算出部12a、出力処理部13、記憶部14、および入力部15を有する。
図1を参照して述べた第2実施の形態の音声調整装置1aと、図6に図解されている第1実施形態に係る音声調整装置1との大きな相違点は、レベル算出部12aにタイミング指示信号生成部22からのタイミング指示信号S22(タイミング指示信号t)が入力する点と、新たに記憶部14および入力部15が構成要素として加わった点である。
第1実施の形態と同様な機能の構成要素については説明を省略し、以下、第1実施の形態との相違点のみ説明する。
入力部15は、例えば、ユーザの操作に応じて、信号パターンSP_1〜SP_nの内から所定の信号パターンSPを選択させる選択信号S15を生成する。
所定の期間ts以降は、レベル算出部12aは平均値検波部112から出力される平均値信号S112を用いる。
例えば、ユーザはマイクロフォン2を用いて話すために、マイクロフォン2の不図示のスイッチをオン状態にすると、タイミング指示信号生成部22から、ハイレベルの電圧の信号S22、具体的には、タイミング指示信号tが出力される。
ユーザがマイクロフォン2に向かって発音すると、音声入力部21で音声信号S21が生成されて出力される。
ユーザの操作に応じて、入力部15は、その信号パターンSP_1〜SP_nの内から所定の信号パターンSPを選択させる選択信号S15をレベル算出部12aに出力する。
レベル算出部12aは、選択したその信号パターンを新たに平均値信号として出力処理部13に出力する。
たとえば、話し始めの時を検出し、図3(c)のように滑らかに立ち上がる特性をもった、安定した音量調整を行うことができる。
図7は、本発明に係る音声調整装置の第3実施形態の機能ブロックの一部を拡大した図である。
本実施形態に係る音声調整装置1bは、第1および第2実施形態に係る音声調整装置1、1aと略同じ構成であり、以下、相違点のみ説明する。
音声調整装置1bにおいて、平均値検波部112bは、図7に示すように、バッファ11231、加算器11232、バッファ11233、および初期加算部11234を有する。
また、音声調整装置1bは、第2実施形態に係る音声調整装置1aと同様に、記憶部14b、入力部15bを有する。
また、入力部15bは、記憶部14bに記憶されている信号パターンSP_1〜SP_nの内から所定の信号パターンSPを選択させる選択信号S151bを生成し、記憶部14bに出力する。
記憶部14bは、入力部15bから出力された信号S151bに基づいて、記憶している信号パターンSP_1〜SP_nの内から所定の信号パターンSPを選択し、初期加算部11234に出力する。
例えば、入力部15bから、平均値検波部112bに平均値検波処理の初期値として、記憶部14bに記憶されている信号パターンSP_1〜の内から所定の信号パターンSPを選択させる選択信号S151bが記憶部14bに出力され、信号15bが初期加算部11234に出力される。
記憶部14bは、信号151bに応じて信号パターンSPを初期加算部11234に出力する。
例えば、記憶部14に記憶された信号パターンSPを他の記憶媒体に記憶することで、バックアップ等を行うことができる。
また、この所定の時間は、例えばユーザそれぞれにより、マイクロフォン2のスイッチをオンし、タイミング指示信号生成部22がハイレベルのタイミング指示信号tを生成してから、話し始める時間が異なるので、ユーザそれぞれに対応した時間を設定する機構を設けてもよい。
Claims (2)
- 話者の音声を検出して電気信号に変換する音声検出手段と、
話者の操作に応じてオンレベルのタイミング信号を発生する、信号発生手段と、
前記タイミング信号がオンレベルの期間、前記音声検出手段が検出した音声信号のピークを検出し、当該音声信号のピークが所定レベル以上のとき、そのピークに応じた制御信号を出力する、ピーク検波手段と、
時定数が可変であり、前記制御信号に基づく時定数で前記音声検出手段が検出した音声信号の平均値を演算する時定数が変更可能な第1平均値処理手段と、固定の時定数で前記音声検出手段が検出した音声信号の平均値を算出する第2平均値処理手段とを有し、前記第1平均値処理手段で演算した第1平均値信号と前記第2平均値処理手段で演算した第2平均値信号とを比較して大きい値の平均値信号を出力する、平均値処理手段と、
事前に複数の話者の音声パターンデータを記憶している記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されている前記複数の話者の音声パターンデータの1つを選択して前記記憶手段から読みだす選択手段と、
前記タイミング信号がオンレベルになってから所定時間の間、前記選択手段から出力された1の音声パターンデータを音声出力処理手段に出力し、前記所定の期間が経過後は、前記平均値処理手段から出力された平均値信号を前記音声出力処理手段に出力する、レベル算出手段と、
前記音声検出手段で検出した音声信号を、前記レベル算出手段から出力された信号に基づく増幅度で増幅する、音声出力処理手段と、
を有する、
音声調整装置。 - タイミング信号がオンレベルの期間、音声検出手段が検出した音声信号のピークを検出し、当該音声信号のピークが所定レベル以上のとき、そのピークに応じた制御信号を出力する、ピーク検波工程と、
時定数が可変であり、前記制御信号に基づく時定数で前記音声検出手段が検出した音声信号の平均値を演算する時定数が変更可能な第1平均値処理工程と、固定の時定数で前記音声検出手段が検出した音声信号の平均値を算出する第2平均値処理工程とを有し、前記第1平均値処理工程で演算した第1平均値信号と前記第2平均値処理工程で演算した第2平均値信号とを比較して大きい値の平均値信号を出力する、平均値処理工程と、
当該平均値処理工程において得られた平均値信号のレベルに応じた信号を算出するレベル算出工程と、
事前に記憶手段に記憶されている複数の話者の音声パターンデータ1つを選択して前記記憶手段から読みだす選択工程と、
前記タイミング信号がオンレベルになってから所定時間の間、前記選択工程で選択された1の音声パターンデータを出力し、前記所定の期間が経過後は、前記平均値処理工程で得られた平均値信号を出力する、レベル算出工程と、
前記音声検出手段で検出した音声信号を、前記レベル算出工程で算出された信号に基づく増幅度で増幅する、音声出力処理工程と、
を有する、音声調整方法。
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