以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機を正面からみた正面図である。なお、以下の実施の形態では、パチンコ遊技機を例に説明を行うが、本発明による遊技機はパチンコ遊技機に限られず、スロット機などの他の遊技機に適用することもできる。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤を除く。)とを含む構造体である。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4と遊技球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、所定の始動条件の成立(例えば、打球が始動入賞口14に入賞したこと)にもとづいて各々を識別可能な複数種類の演出用の飾り図柄を可変表示し表示結果を導出表示する可変表示装置9が配置されている。この実施の形態では、可変表示装置9は液晶表示装置(LCD)により構成され、左、中、右の3つの表示領域(飾り図柄表示エリア)に飾り図柄が表示制御されるように構成されている。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄を停止表示させることである(いわゆる再変動の前の停止を除く。)。
この実施の形態では、可変表示装置9の3つの表示領域に表示される飾り図柄として、「0」〜「9」の数字の図柄が用いられている。飾り図柄の可変表示(変動)中に、それぞれの表示領域において「0」〜「9」の飾り図柄が番号順に表示される。
可変表示装置9の上部には、識別情報としての特別図柄を可変表示する特別図柄表示器(特別図柄表示装置)8が設けられている。この実施の形態では、特別図柄表示器8は、例えば「0」〜「9」の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。特別図柄表示器8は、遊技者に特定の停止図柄の種類を把握しづらくさせるために、「0」〜「99」など、より多種類の数字を可変表示するように構成されていてもよい。
可変表示装置9は、特別図柄表示器8による特別図柄の可変表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄としての飾り図柄の可変表示を行う。飾り図柄の可変表示を行う可変表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。特別図柄の可変表示を行う特別図柄表示器8は、遊技制御基板に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータによって制御される。
可変表示装置9の下部には、始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち保留記憶(始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)数を表示する4つの表示器からなる特別図柄保留記憶表示器18が設けられている。有効始動入賞がある毎に、1つの表示器の表示色を変化させる。そして、特別図柄表示器8の可変表示が開始される毎に、1つの表示器の表示色を元に戻す。この例では、特別図柄表示器8と特別図柄保留記憶表示器18とが別個に設けられているので、可変表示中も保留記憶数が表示された状態にすることができる。なお、可変表示装置9の表示領域内に、保留記憶数を表示する4つの表示領域からなる特別図柄保留記憶表示領域を設けるようにしてもよい。また、この実施の形態では、保留記憶数の上限値を4とするが、上限値をより大きい値にしてもよい。さらに、上限値を、遊技状態に応じて変更可能であるようにしてもよい。
可変表示装置9の下方には、遊技球が入賞可能な始動入賞口14が設けられている。始動入賞口14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ14aによって検出される。また、始動入賞口14には開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15は、ソレノイド16(図1では図示せず)によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が始動入賞口14に入賞し易くなり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。
始動入賞口14の下方には、特別図柄表示器8に特定表示結果(大当り図柄:この実施の形態では「0」〜「9」のうちの「1」、「3」、「7」の図柄とする。)が導出表示された場合に生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開状態とされる特別可変入賞装置が設けられている。特別可変入賞装置は、開閉板20を備え、大入賞口を形成する。大入賞口に入った遊技球はカウントスイッチ23で検出される。なお、大当り図柄のうち、「7」は確変大当りとする場合に停止表示される図柄であり、「1」は通常大当りとする場合に停止表示される図柄であり、「3」は突然確変大当りとする場合に停止表示される図柄である。
可変表示装置9の真上には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
ゲート32に遊技球が入賞しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に左側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6には、複数の入賞口29,30,33,39が設けられ、遊技球の入賞口29,30,33,39への入賞は、それぞれ入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aによって検出される。各入賞口29,30,33,39は、遊技球を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構成している。なお、始動入賞口14や大入賞口も、遊技球を受け入れて入賞を許容する入賞領域を構成する。遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(大入賞口等)の周囲には装飾LEDが設置されている。天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28cおよび装飾用LEDは、遊技機に設けられている装飾発光体の一例である。
また、左側のスピーカ27の下方には、賞球払出中に点灯する賞球LED51が設けられ、右側のスピーカ27の下方には、補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。さらに、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニットが、パチンコ遊技機1に隣接して設置されている(図示せず)。
この実施の形態では、打球操作ハンドル5の真上に、遊技者が操作可能な操作手段としてのボタン120が設けられている。このボタン120は、後述する大当り図柄の再抽選演出(図42参照)の実行中に遊技者によって操作される。なお、この実施の形態において、ボタン120のことを図柄昇格ボタンという。図柄昇格ボタン120が遊技者によって押されると、電極が接触することによりオン状態になって、オン信号(検出信号)が基板上に搭載されているマイクロコンピュータ(この実施の形態では演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100:図3参照)に出力される。なお、図1に示す例では、図柄昇格ボタン120は打球操作ハンドル5の真上に設けられているが、他の箇所(例えば打球供給皿3)に設けられていてもよい。
「再抽選演出」とは、可変表示装置9に大当り図柄として非確変図柄(非確変図柄が一般的であるが、はずれ図柄であってもよい。)が導出表示された場合において、後述する昇格演出を行い、停止図柄を確変図柄に変更する昇格演出を含む演出のことである。なお、再抽選演出において昇格演出を行わない場合がある(後述する第1再抽選演出と第2再抽選演出の双方が実行される場合の第1再抽選演出や、確変大当りとしないことに決定されている場合に実行される再抽選演出など)。この実施の形態では、再抽選演出は、大当り遊技中または大当り遊技終了時に実行される。確変大当りとすることに決定されている場合に、大当り遊技中または大当り遊技終了時に、可変表示装置9に表示されている左中右の飾り図柄を確変図柄に変更する。確変大当りとすることに決定されていない場合には、確変図柄に変更しない。確変図柄に変更することによって、遊技者に、確変状態に移行することが報知されることになる。なお、昇格演出は、確変状態に移行することを遊技者に報知できるような演出であれば、停止図柄を確変図柄に変更する演出以外の演出であってもよい。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が始動入賞口14に入り始動口スイッチ14aで検出されると、特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、大当り遊技終了または前回の可変表示の終了)、特別図柄表示器8において特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、可変表示装置9において飾り図柄の可変表示が開始される。特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、特別図柄保留記憶表示器18についての保留記憶数を1増やす。
特別図柄表示器8における特別図柄および可変表示装置9の飾り図柄の可変表示は、所定時間が経過したときに停止する。停止時の停止図柄が大当り図柄(特定表示結果)になると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、一定時間(例えば29秒)が経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の遊技球が大入賞口に入賞するまで特別可変入賞装置が開放される(ただし、停止図柄が後述する突然確変大当り図柄となった場合を除く)。なお、特別可変入賞装置が開放されてから一定期間経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の打球が大入賞口に入賞するまでが大当り遊技状態における1ラウンド(実際に遊技者にとって有利である状態)である。なお、この実施の形態では、各ラウンド中では一定時間を限度として大入賞口の開放状態が継続するが、ラウンド中において、大入賞口の開閉が所定回数繰り返されるようにしてもよい。
特別図柄表示器8における特別図柄の可変表示と、可変表示装置9における飾り図柄の可変表示とは同期している。ここで、同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じ、すなわち可変表示の期間が同じであることをいう。また、特別図柄表示器8において大当り図柄(「1」、「3」または「7」)が停止表示されるときには、可変表示装置9において左中右の飾り図柄が揃った状態(例えば「222」や「777」など)で停止表示される。以下、可変表示装置9において左中右の飾り図柄が揃った状態で停止表示されることを、飾り図柄の大当り図柄(特定表示結果)が表示されるというように表現することがある。
可変表示装置9において、例えば、左中右の飾り図柄が所定の図柄(この実施の形態では、「777」または「333」とする。)で揃って停止表示(「777」については、再抽選演出が実行されるときには再抽選演出後の停止表示)されたときには、大当り遊技状態に移行するとともに、大当り遊技状態の終了後に、大当りの判定を行う際に通常遊技状態(通常状態ともいう。)よりも高い確率(割合)で大当りと判定する確変状態(確率変動状態のことをいい、高確率状態ともいう。確変状態でない遊技状態が通常遊技状態である。)に制御される。すなわち、確変状態という遊技者にとってさらに有利な状態になる。
「0」〜「9」の飾り図柄のうち、確変状態を生起させる飾り図柄のことを確変図柄といい、確変状態を生起させない飾り図柄のことを非確変図柄という。また、確変図柄のうち、突然確変大当りとなるときに停止表示される図柄を突然確変大当り図柄という。この実施の形態では、突然確変大当り図柄を「3」とする。すなわち、突然確変大当りとなるときには、「3」「3」「3」が可変表示装置9に停止表示される。なお、単に「確変大当り」と表現する場合には、特に断らない限り、「突然確変大当り」は除かれている。
可変表示装置9において確変状態を生起させる飾り図柄が揃った状態で停止表示されることを、飾り図柄の確変図柄(特別表示結果)が表示されるというように表現する。なお、この実施の形態では、飾り図柄の確変図柄を「777」の1種類(突然確変大当り図柄を除く。)とするが、多種類あってもよい。例えば、揃った奇数図柄(「111」、「333」、「555」、「777」、「999」)を飾り図柄の確変図柄としてもよい。
この実施の形態では、確変状態のとき、普通図柄表示器10において、停止図柄が当り図柄になる確率が通常遊技状態より高められるとともに、可変入賞球装置15における開放時間と開放回数とのうちの一方または双方が遊技者にとって有利な状態になる。また、確変状態では、普通図柄表示器10における普通図柄の可変表示時間(変動時間)が通常遊技状態よりも短縮されることによって、遊技者にとってさらに有利になるようにしてもよい。
次に、リーチ表示態様(リーチ)について説明する。この実施の形態におけるリーチ表示態様(リーチ)とは、停止した飾り図柄が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ停止していない飾り図柄については可変表示(変動表示)が行われていること、および全てまたは一部の飾り図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態である。
例えば、可変表示装置9における左、中、右の表示領域のうち左、右の表示領域には大当り図柄の一部になる飾り図柄(例えば、「7」)が停止表示されている状態で中の表示領域は未だ変動表示が行われている状態、および表示領域の全てまたは一部の図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態(例えば、可変表示装置9における左、中、右の表示領域の全てに変動表示が行われ、常に同一の図柄が揃っている状態で変動表示が行われている状態)がリーチ表示態様またはリーチになる。
また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行われる。その演出と可変表示装置9におけるリーチ表示態様とをリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(飾り図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、可変表示装置9の背景の表示態様(例えば、色等)を変化させたりすることがある。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する基本回路(遊技制御手段に相当)53が搭載されている。基本回路53は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、およびプログラムに従って制御動作を行うCPU56を有する遊技制御用マイクロコンピュータ560と、I/Oポート部57とを含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータは、少なくともRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されていてもよい。その場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560に、I/Oポート部も含まれる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。また、遊技制御手段は、遊技制御用マイクロコンピュータ560を含む基本回路53で実現されている。
また、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aからの検出信号を基本回路53に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載され、特別可変入賞装置(開閉板20)を開閉するソレノイド21および可変入賞装置15を開閉するソレノイド16を基本回路53からの指令に従って駆動するソレノイド回路59も主基板31に搭載され、電源投入時に遊技制御用マイクロコンピュータ560をリセットするためのシステムリセット回路(図示せず)や、基本回路53から与えられるデータに従って、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、特別図柄を可変表示する特別図柄表示器8の表示制御を行うとともに、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10の表示制御も行う。さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄保留記憶表示器18の表示状態の制御を行うとともに、普通図柄保留記憶表示器41の表示状態の制御も行う。
遊技球を打撃して発射する打球発射装置は、発射モータ94が回転することによって遊技球を遊技領域7に向けて発射する。発射モータ94を駆動するための電力は、電源基板(図示せず)に搭載されている電源からタッチセンサ基板90を介して発射モータ94に供給される。なお、カードユニット50からの接続信号(VL信号)がインタフェース基板66を介してタッチセンサ基板90に入力される。また、遊技者が操作ノブ(打球ハンドル)5に触れていることはタッチセンサ基板90に搭載されているタッチセンサで検出される。そして、タッチセンサからの検出信号と電源からの信号とがタッチセンサ基板90上の1つのAND回路に入力され、そのAND回路の出力信号とカードユニット50からのVL信号とがタッチセンサ基板90上の他のAND回路に入力され、他のAND回路から発射モータ94に信号が出力される。従って、カードユニット50からのVL信号がタッチセンサ基板90に出力されていなかったり、遊技者が操作ノブ5に触れていないことによりタッチセンサから検出信号が出力されていないときは、発射モータ94の駆動が停止される。
また、電源基板に搭載されている電源監視回路からの電源断信号(電源監視手段からの検出信号)が、払出制御基板を経由して主基板31に入力され、CPU56に入力される。また、電源基板に搭載されているバックアップ電源からの電力がRAM55に供給される。なお、この実施の形態では、電源監視回路からの電源断信号は払出制御基板を経由して主基板31に入力されるが、電源基板から主基板31に直接入力されるようにしてもよい。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を可変表示する可変表示装置9の表示制御を行う。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す構成例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80には、少なくとも演出制御用CPU101、ROMおよびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100が搭載されている。なお、ROMやRAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からのストローブ信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に、LCDを用いた可変表示装置9の表示制御を行わせる。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。
さらに、演出制御用マイクロコンピュータ100は、入出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、入出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、ランプを駆動する信号は、入出力ドライバ351を介してランプドライバ352に入力される。ランプドライバ352は、ランプを駆動する信号を増幅して天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28cなどの枠側に設けられている各ランプに供給する。また、枠側に設けられている装飾ランプ25に供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入出力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
なお、ランプを駆動する信号および音番号データは、演出制御用マイクロコンピュータ100とランプドライバ基板35および音声出力基板70との間で、双方向通信(信号受信側から送信側に応答信号を送信するような通信)によって伝達される。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、可変表示装置9に表示される画像の中でも使用頻度の高いキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(飾り図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、キャラクタROMから読み出したデータをVDP109に出力する。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100から入力されたデータにもとづいて可変表示装置9の表示制御を実行する。
この実施の形態では、可変表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを可変表示装置9に出力する。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、入力ポート108を介して図柄昇格ボタン120からのオン信号を入力する。後述するように、演出制御用マイクロコンピュータ100は、再抽選演出を行っているときに、図柄昇格ボタン120からのオン信号に応じて複数種類の演出装置(可変表示装置9、各種ランプ、スピーカ27)の制御を実行する。
次に、電源基板910の構成を図4のブロック図を参照して説明する。電源基板910には、遊技機内の各電気部品制御基板(主基板31、払出制御基板37および演出制御基板80等)や電気部品(電力を受けて動作する部品)への電力供給を実行または遮断するための電源スイッチ914が設けられている。なお、電源スイッチ914は、遊技機において、電源基板910の外に設けられていてもよい。電源スイッチ914が閉状態(オン状態)では、交流電源(AC24V)がトランス911の入力側(一次側)に印加される。トランス911は、交流電源(AC24V)と電源基板910の内部とを電気的に絶縁するためのものであるが、その出力電圧もAC24Vである。また、トランス911の入力側には、過電圧保護回路としてのバリスタ918が設置されている。
電源基板910は、電気部品制御基板と独立して設置され、遊技機内の各基板および機構部品が使用する電圧を生成する。この例では、AC24V、VSL(DC+30V)、VLP(DC+24V)、VDD(DC+12V)およびVCC(DC+5V)を生成する。また、バックアップ電源(VBB)すなわちバックアップRAMに記憶内容を保持させるための記憶保持手段となるコンデンサ916は、DC+5V(VCC)すなわち各基板上のIC等を駆動する電源のラインから充電される。また、+5Vラインとバックアップ+5V(VBB)ラインとの間に、逆流防止用のダイオード917が挿入される。なお、VSLは、整流平滑回路915において、整流素子でAC24Vを整流昇圧することによって生成される。VSLは、ソレノイド駆動電源になる。また、VLPは、ランプ点灯用の電圧であって、整流回路912において、整流素子でAC24Vを整流することによって生成される。
電源電圧生成手段としてのDC−DCコンバータ913は、1つまたは複数のスイッチングレギュレータ(図4では2つのレギュレータIC924A,924Bを示す。)を有し、VSLにもとづいてVDDおよびVCCを生成する。レギュレータIC(スイッチングレギュレータ)924A,924Bの入力側には、比較的大容量のコンデンサ923A,923Bが接続されている。従って、外部からの遊技機に対する電力供給が停止したときに、VSL、VDD、VCC等の直流電圧は、比較的緩やかに低下する。
図4に示すように、トランス911から出力されたAC24Vは、そのままコネクタ922Bに供給される。また、VLPは、コネクタ922Cに供給される。VCC、VDDおよびVSLは、コネクタ922A,922B,922Cに供給される。
コネクタ922Aに接続されるケーブルは、主基板31に接続される。また、コネクタ922Bに接続されるケーブルは、払出制御基板37に接続される。従って、コネクタ922A,922Bには、VBBも供給されている。例えば、コネクタ922Cに接続されるケーブルは、ランプドライバ基板35に接続される。なお、演出制御基板80および音声出力基板70には、ランプドライバ基板35を経由して各電圧が供給される。
また、電源基板910には、押しボタン構造のクリアスイッチ921が搭載されている。電源基板910に搭載されているので、電源基板910から主基板31に亘る電源系統を一系統にすることができ、クリアスイッチ921からのクリア信号の配線と電源系統とを分離しやすくすることができる。クリアスイッチ921が押下されるとローレベル(オン状態)のクリア信号が出力され、コネクタ922Aを介して主基板31に出力される。また、クリアスイッチ921が押下されていなければハイレベル(オフ状態)の信号が出力される。なお、クリアスイッチ921は、押しボタン構造以外の他の構成であってもよい。また、クリアスイッチ921は、遊技機において、電源基板910以外に設けられていてもよい。
さらに、電源基板910には、電気部品制御基板に搭載されているマイクロコンピュータに対するリセット信号を作成するとともに、電源断信号を出力する電源監視回路920と、電源監視回路920からのリセット信号を増幅してコネクタ922A,922B,922Cに出力するとともに、電源断信号を増幅してコネクタ922Bに出力する出力ドライバ回路925が搭載されている。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100に対するリセット信号は、ランプドライバ基板35を経由して演出制御基板80に伝達される。また、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板に搭載した場合に、リセット信号をハイレベルにすることになる電圧値を異ならせるようにしてもよい(例えば、主基板31における場合を最も高くして、遊技制御用マイクロコンピュータ560に対するリセット信号がハイレベルになるタイミングを最も遅くする。)
電源監視回路920は電源断信号を出力する電源監視手段とリセット信号を生成するリセット信号生成手段とを実現する回路であるが、電源監視回路920として、市販の停電監視リセットモジュールICを使用することができる。電源監視回路920は、遊技機において用いられる所定電圧(例えば+24V)が所定値(例えば+5Vであるが、+18Vなど他の値としてもよい)以下になった期間が、あらかじめ決められている時間(例えば56ms)以上継続すると電源断信号を出力する。具体的には、電源断信号をオン状態(ローレベル)にする。なお、この実施の形態では、遊技機に設けられている各スイッチ(遊技球を検出するためのスイッチ等)の駆動電圧が+12Vであるから、電源断信号が出力されるときの電圧の所定値を+12Vよりも高くすれば、電力供給停止時のスイッチの誤検出防止が確実になる。
また、電源監視回路920は、例えば、VCCが+4.5V以下になると、リセット信号をローレベルにする。なお、この実施の形態では、電源断信号を出力する機能とリセット信号を出力する機能とが1つの電源監視回路920で実現されているが、それらを別の回路で実現してもよい。その場合、リセット信号を出力する回路として、ウォッチドッグタイマ内蔵ICを使用することができる。そのようなICとして、電源電圧の瞬断や瞬停などに起因してCPUの誤動作したり暴走したりすることを防止するために、クロック信号がクロック入力端子(CK端子)に入力されない期間(コンデンサ接続端子(TC端子)に接続される単一のコンデンサの容量に応じて設定される期間、また、タイマ監視時間は検出電圧可変端子(VS 端子)に接続される抵抗に応じて可変可能)が所定時間以上になると一定期間リセット信号をリセットレベル(CPUを動作停止させるレベル)としてのローレベル(ローレベル期間は、コンデンサ接続端子に接続される上記コンデンサの容量に応じて設定される)にすることを繰り返すウォッチドッグ機能を内蔵するとともに(ウォッチドッグタイマ停止端子(RCT端子)の入力レベルをGND端子の入力レベルと同じレベルである接地レベルにすることによってこの機能を停止可)、例えばVCC(動作可能電圧+0.8V以上)が+5VであるときにVCCが+4.2V以下になるとリセット信号をローレベルにし、VCCが高くなっていくときと低くなっていくときとでリセット信号のレベルを反転するための検出電圧値を変えるヒステリシス特性を有し、さらに、リセットレベルがローレベルであるリセット信号(RESET ̄端子の出力)の他に、リセットレベルがハイレベルであるリセット信号(RESET端子の出力)を出力可能であるシステムリセットICを使用することができる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板に搭載した場合に、電源断信号をローレベルにすることになる電圧値を異ならせるようにしてもよい(例えば、主基板31における場合を最も高くして、遊技制御用マイクロコンピュータ560に最も早く電源断信号が入力されるようにする。)
電源監視回路920は、遊技機に対する電力供給が停止する際には、電源断信号を出力(ローレベルにする)してから所定期間が経過したことを条件にリセット信号をローレベルにする。所定期間は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560および払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータが、後述する電源断処理を実行するのに十分な時間である。すなわち、電源監視回路920は、電圧低下検出信号としての電源断信号を出力した後、遊技制御用マイクロコンピュータ560および払出制御用マイクロコンピュータが、電源断処理を実行完了した後に、動作停止信号(リセット信号のローレベル)を出力する。また、電源監視回路920は、電圧低下検出信号を出力する第1の電源監視手段と動作停止信号を出力する第2の電源監視手段とを兼ねている。また、遊技機に対する電力供給が開始され、VCCが例えば+4.5Vを越えるとリセット信号をハイレベルにする。
電源監視回路920からの電源断信号すなわち電源監視手段からの検出信号は、払出制御基板37において、入力ポートを介して払出制御用マイクロコンピュータに入力される。すなわち、払出制御用マイクロコンピュータは、入力ポートの入力信号を監視することによって遊技機への電力供給の停止の発生を確認することができる。また、電源監視回路920からの電源断信号は、払出制御基板37および主基板31に搭載されている入力ポートを介してCPU56に入力される。すなわち、CPU56は、入力ポートの入力信号を監視することによって遊技機への電力供給の停止の発生を確認することができる。
なお、この実施の形態では、電源監視手段が所定電位の電源の出力を監視し、外部から遊技機に供給される電力の供給停止に関わる検出条件として、遊技機の外部からの電圧(この実施の形態ではAC24V)から作成された所定の直流電圧が所定値以下になったことを用いたが、検出条件は、それに限られず、外部からの電力が途絶えたことを検出できるのであれば、他の条件を用いてもよい。例えば、交流波そのものを監視して交流波が途絶えたことを検出条件としてもよいし、交流波をディジタル化した信号を監視して、ディジタル信号が平坦になったことをもって交流波が途絶えたことを検出条件としてもよい。さらに、例えば、+12V電源電圧や+5V電源電圧を監視して、その電圧が所定値にまで低下したことを検出して電源断信号を出力するようにしてもよい。ただし、+12Vで動作するスイッチの誤動作を防止するために、+12Vよりも高い電圧を監視することが好ましい。
また、この実施の形態では、電源監視手段が電源基板910に搭載されているが、電源監視手段を払出制御基板37に搭載してもよい。払出制御基板37に搭載した場合には、電源監視手段から遊技制御用マイクロコンピュータ560および払出制御用マイクロコンピュータへの電源断信号の経路が短くなり、電源断信号に対してノイズが乗る可能性を低減できる。
なお、この実施の形態では、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータのRAMも電源バックアップされ遊技機に対する電力供給が停止しても所定期間はRAMの記憶内容を保持するようにしているが、電源バックアップされるものは、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560のRAM55のみにしてもよい。その場合には、払出制御基板37にバックアップ電源(VBB)からの電力および電源断信号を供給しなくてよい。
次に遊技機の動作について説明する。図5は、遊技機に対して電力供給が開始され遊技制御用マイクロコンピュータ560へのリセット信号がハイレベルになったことに応じてCPU56が実行するメイン処理を示すフローチャートである。リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、プログラムの内容が正当か否かを確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、マスク可能割込の割込モードを設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。また、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化(ステップS4)を行った後、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、ステップS2では、CPU56の特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込番地を示すモードに設定する。また、マスク可能な割込が発生すると、CPU56は、自動的に割込禁止状態に設定するとともに、プログラムカウンタの内容をスタックにセーブする。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ921の出力信号の状態を1回だけ確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS10〜ステップS14)。
クリアスイッチ921から出力信号が出力されていないことを確認した場合(クリアスイッチ921が押下されていない場合)には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。この実施の形態では、電力供給の停止が生じた場合には、バックアップRAM領域のデータを保護するための処理が行われている。そのような電力供給停止時処理が行われていたことを確認した場合には、CPU56は、電力供給停止時処理が行われた、すなわち電力供給停止時の制御状態が保存されていると判定する。電力供給停止時処理が行われていないことを確認した場合には、CPU56は初期化処理(ステップS10〜S14の処理)を実行する。
なお、電力供給停止時処理が行われていたか否かは、後述する電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に保存されるバックアップ監視タイマの値が、電力供給停止時処理を実行したことに応じた値(例えば2)になっているか否かによって確認される。ただし、そのような確認の仕方は一例であって、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップフラグ領域に電力供給停止時処理を実行したことを示すフラグをセットし、ステップS7において、そのフラグがセットされていることを確認したら電力供給停止時処理が行われたと判定してもよい。
電力供給停止時の制御状態が保存されていると判定したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS8)。この実施の形態では、クリアデータ(00)をチェックサムデータエリアにセットし、チェックサム算出開始アドレスをポインタにセットする。また、チェックサムの対象になるデータ数に対応するチェックサム算出回数をセットする。そして、チェックサムデータエリアの内容とポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和を演算する。演算結果をチェックサムデータエリアにストアするとともに、ポインタの値を1増やし、チェックサム算出回数の値を1減算する。以上の処理が、チェックサム算出回数の値が0になるまで繰り返される。チェックサム算出回数の値が0になったら、CPU56は、チェックサムデータエリアの内容の各ビットの値を反転し、反転後のデータをチェックサムにする。
電力供給停止時処理において、上記の処理と同様の処理によってチェックサムが算出され、チェックサムはバックアップRAM領域に保存されている。ステップS8では、算出したチェックサムと保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっている可能性があることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理(ステップS10〜S14の処理)を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS91)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内に確保されている領域)に設定する(ステップS92)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS91およびS92の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、ROM54に格納されているバックアップ時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS93)、その内容に従って演出制御基板80に、電力供給が復旧した旨を示す制御コマンド(電力供給復旧時の初期化コマンドとしての復旧コマンド)が送信されるように制御する(ステップS94)。そして、ステップS15に移行する。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。例えば、大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータをそのままにした場合には、不正な手段によって初期化処理が実行される状態になったとしても、大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値が大当り判定値に一致するタイミングを狙うことは困難である。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、ROM54に格納されている初期化時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS13)、その内容に従ってサブ基板を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信する処理を実行する(ステップS14)。初期化コマンドとして、可変表示装置9に表示される初期図柄を示すコマンドや払出制御基板37への初期化コマンド等を使用することができる。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるようにCPU56に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S14)およびタイマ割込の設定(ステップS15)が完了すると、CPU56は、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。CPU56は、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態にして(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態にする(ステップS19)。なお、表示用乱数とは、特別図柄表示器8に表示される図柄を決定するための乱数等であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りにするか否かを決定するための乱数を発生するためのカウンタ(大当り決定用乱数発生カウンタ)等のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている可変表示装置9、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう。)における判定用乱数更新処理において、大当り決定用乱数発生カウンタの値が1ずつ+1されるが、大当り決定用乱数発生カウンタの値が1周(大当り決定用乱数発生カウンタの取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が実行されるときに割込禁止状態にされるのは、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が後述するタイマ割込処理でも実行されることから、タイマ割込処理における処理と競合してしまうのを避けるためである。すなわち、ステップS17,S18の処理中にタイマ割込が発生してタイマ割込処理中で表示用乱数や初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新してしまったのでは、カウント値の連続性が損なわれる場合がある。しかし、ステップS17,S18の処理中では割込禁止状態にしておけば、そのような不都合が生ずることはない。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図6に示すステップS20〜S31の遊技制御処理を実行する。遊技制御処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断処理(電源断検出処理)を実行する(ステップS20)。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS22)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS23,S24)。この実施の形態では、判定用乱数として、大当り判定用乱数の他に、確変状態に制御する(移行させる)か否か決定するための確変決定用乱数などがある。表示用乱数として、特別図柄のはずれ図柄を決定するためのはずれ図柄決定用乱数、変動パターンを決定するための変動パターン決定用乱数、第1再抽選演出および第2再抽選演出を行うか否か決定するための再抽選決定用乱数などがある。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS25)。特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて特別図柄表示器8や特別可変入賞装置(大入賞口)を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。また、特別図柄プロセス処理では、演出制御基板80に対するコマンドの設定処理も実行する。特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
また、CPU56は、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器10の表示状態等を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。普通図柄プロセス処理を実行することにより普通図柄表示器10の表示制御および可変入賞球装置15の開閉制御が実行される。
次いで、CPU56は、可変表示装置9の表示制御に関する演出制御コマンドを送出する処理を行う(飾り図柄コマンド制御処理:ステップS27)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS28)。
また、CPU56は、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS29)。具体的には、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aのいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
そして、CPU56は、遊技機の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を作成し出力する処理である試験端子処理を実行する(ステップS30)。さらに、所定の条件が成立したときにソレノイド回路59に駆動指令を行う(ステップS31)。可変入賞球装置15または開閉板20を開状態または閉状態とするために、ソレノイド回路59は、駆動指令に応じてソレノイド16,21を駆動する。その後、割込許可状態に設定し(ステップS32)、処理を終了する。
なお、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
図7および図8は、ステップS20の電源断処理の一例を示すフローチャートである。電源断処理において、CPU56は、まず、電源断信号が出力されているか否か(オン状態になっているか否か)確認する(ステップS450)。オン状態でなければ、RAM55に形成されているバックアップ監視タイマの値を0クリアする(ステップS451)。オン状態であれば、バックアップ監視タイマの値を1増やす(ステップS452)。そして、バックアップ監視タイマの値が判定値(例えば2)と一致すれば(ステップS453)、ステップS454以降の電力供給停止時処理すなわち電力の供給停止のための準備処理を実行する。つまり、遊技の進行を制御する状態から遊技状態を保存させるための電力供給停止時処理(電源断時制御処理)を実行する状態に移行する。なお、「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。
バックアップ監視タイマと判定値とを用いることによって、判定値に相当する時間だけ電源断信号のオン状態が継続したら、電力供給停止時処理が開始される。すなわち、ノイズ等で一瞬電源断信号のオン状態が発生しても、誤って電力供給停止時処理が開始されるようなことはない。なお、バックアップ監視タイマの値は、遊技機への電力供給が停止しても、所定期間はバックアップ電源によって保存される。従って、メイン処理におけるステップS7では、バックアップ監視タイマの値が判定値と同じ値になっていることによって、電力供給停止時処理の処理結果が保存されていることを確認できる。
電力供給停止時処理において、CPU56は、パリティデータを作成する(ステップS454〜S463)。すなわち、まず、クリアデータ(00)をチェックサムデータエリアにセットし(ステップS454)、電力供給停止時でも内容が保存されるべきRAM領域の先頭アドレスに相当するチェックサム算出開始アドレスをポインタにセットする(ステップS455)。また、電力供給停止時でも内容が保存されるべきRAM領域の最終アドレスに相当するチェックサム算出回数をセットする(ステップS456)。
次いで、チェックサムデータエリアの内容とポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和を演算する(ステップS457)。演算結果をチェックサムデータエリアにストアするとともに(ステップS458)、ポインタの値を1増やし(ステップS459)、チェックサム算出回数の値を1減算する(ステップS460)。そして、ステップS457〜S460の処理を、チェックサム算出回数の値が0になるまで繰り返す(ステップS461)。
チェックサム算出回数の値が0になったら、CPU56は、チェックサムデータエリアの内容の各ビットの値を反転する(ステップS462)。そして、反転後のデータをチェックサムデータエリアにストアする(ステップS463)。このデータが、電源投入時にチェックされるパリティデータになる。次いで、RAMアクセスレジスタにアクセス禁止値を設定する(ステップS471)。以後、内蔵RAM55のアクセスができなくなる。
さらに、CPU56は、ROM54に格納されているポートクリア設定テーブルの先頭アドレスをポインタにセットする(ステップS472)。ポートクリア設定テーブルにおいて、先頭アドレスには処理数(クリアすべき出力ポートの数)が設定され、次いで、出力ポートのアドレスおよび出力値データ(クリアデータ:出力ポートの各ビットのオフ状態の値)が、処理数分の出力ポートについて順次設定されている。
CPU56は、ポインタが指すアドレスのデータ(すなわち処理数)をロードする(ステップS473)。また、ポインタの値を1増やし(ステップS474)、ポインタが指すアドレスのデータ(すなわち出力ポートのアドレス)をロードする(ステップS475)。さらに、ポインタの値を1増やし(ステップS476)、ポインタが指すアドレスのデータ(すなわち出力値データ)をロードする(ステップS477)。そして、出力値データを出力ポートに出力する(ステップS478)。その後、処理数を1減らし(ステップS479)、処理数が0でなければステップS474に戻る。処理数が0であれば、すなわち、クリアすべき出力ポートを全てクリアしたら、タイマ割込を停止し(ステップS481)、ループ処理に入る。
ループ処理では、電源断信号がオフ状態になったか否かを監視する(ステップS482)。電源断信号がオフ状態になった場合には復帰アドレスとして、電源投入時実行アドレス(ステップS1のアドレス)を設定してリターン命令を実行する(ステップS483)。すなわち、メイン処理に戻る。具体的には、遊技機に設けられている遊技用の装置を制御(自身で制御することと、他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信することの双方を含む概念)する状態すなわち遊技制御処理を実行する状態に戻る。
以上の処理によって、電力供給が停止する場合には、ステップS454〜S481の電力供給停止時処理が実行され、電力供給停止時処理が実行されたことを示すデータ(判定値になっているバックアップ監視タイマのおよびチェックサム)がバックアップRAMへストアされ、RAMアクセスが禁止状態にされ、出力ポートがクリアされ、かつ、遊技制御処理を実行するためのタイマ割込が禁止状態に設定される。
この実施の形態では、RAM55の全領域がバックアップ電源によって電源バックアップ(遊技機への電力供給が停止しても所定期間はRAM55の内容が保存されること)されている。この例では、ステップS452〜S479の処理によって、バックアップ監視タイマの値とともに、電源断信号が出力されたときのRAM55の内容にもとづくチェックサムもRAM55のバックアップ領域に保存される。遊技機への電力供給が停止した後、所定期間内に電力供給が復旧したら、遊技制御手段は、上述したステップS91〜S94の処理によって、RAM55に保存されているデータ(電力供給が停止した直前の遊技制御手段による制御状態である遊技状態を示すデータ(例えば、プロセスフラグの状態、大当り中フラグの状態、確変フラグの状態、出力ポートの出力状態等)を含む)に従って、遊技状態を、電力供給が停止した直前の状態に戻すことができる。
なお、この実施の形態では、CPU56は、入力ポートを介して電源断信号を入力し、電源断信号がオン状態であることを確認したら電力供給停止時処理を開始するが、電源断信号の確認の仕方はそのようなものに限られない。例えば、電源断信号が遊技制御用マイクロコンピュータ560のNMI(ノンマスカブル割込)端子に入力されるように構成し、CPU56は、ノンマスカブル割込に応じて電力供給停止時処理を開始してもよい。また、CPU56は、ノンマスカブル割込に応じて所定のフラグをセットし、タイマ割込処理またはメイン処理において、そのフラグがセットされているか否か監視し、そのフラグがセットされていたら、電力供給停止時処理を開始してもよい。また、この実施の形態では、CPU56は、電力供給停止時処理において、所定のフラグをセットし(バックアップ監視タイマ=2に相当)、チェックサムデータを作成し(ステップS454〜S462)、出力ポートをクリア(ステップS472〜S479)する処理を実行したが、それらの実行順序は任意である。また、電力供給停止時処理において、電源断信号がオフ状態になったら遊技制御処理を実行する状態に戻るために制御(ステップS482,S483)を実行したが、そのような制御を行わなくてもよい。
図9は、主基板31に搭載されるCPU56が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS25)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では特別図柄表示器8および大入賞口を制御するための処理が実行される。
CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う際に、遊技盤6に設けられている始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち遊技球が始動入賞口14に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS311)、保留記憶数が上限値に達していないことを条件に(ステップS312)、保留記憶数を示す保留記憶カウンタの値を1増やす(ステップS313)。その後、内部状態(具体的には、特別図柄プロセスフラグの値)に応じて、ステップS300〜S308のうちのいずれかの処理を行う。
なお、保留記憶カウンタの値を1増やす際に、CPU56は、大当り判定用乱数等を生成するためのカウンタの値等を抽出し、それらを、抽出した乱数値として保留記憶カウンタの値に対応する保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する。保留記憶バッファにおいて、保存領域は、保留記憶数の上限値と同数確保されている。なお、大当り判定用乱数等を生成するためのカウンタや保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
特別図柄通常処理(ステップS300):遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(保留記憶数)を確認する。保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は保留記憶カウンタのカウント値により確認できる。そして、保留記憶カウンタのカウント値が0でなければ、特別図柄の可変表示の表示結果を特定表示結果とするか否か(大当りとするか否か)を決定する。特定表示結果とする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値に更新する。
特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301):特別図柄表示器8における停止図柄を決定する。また、大当りフラグがセットされていなければ、可変表示装置9の表示結果がはずれ図柄であることを特定可能な演出制御コマンド(はずれ指定コマンド)を演出制御基板80に送信する。大当りフラグがセットされていれば、可変表示装置9の表示結果が大当り図柄であることを特定可能な演出制御コマンド(通常大当り指定コマンドまたは確変大当り指定コマンド)を演出制御基板80に送信する。さらに、確変大当りとする場合には、大当り遊技のラウンド数(15ラウンド(R)または2ラウンド(R))を決定する。また、大当りフラグがセットされている場合には、大当り遊技中に可変表示装置9において大当り図柄の再抽選演出(第1再抽選演出。詳細内容については後述する。)を実行するか否かを決定する。再抽選演出を実行しないことに決定したときは、再抽選演出を実行しないことを特定可能な演出制御コマンドを演出制御基板80に送信する。再抽選演出を実行することに決定したときは、再抽選演出を実行することを特定可能な演出制御コマンドを演出制御基板80に送信する。また、大当り遊技の終了時に可変表示装置9において大当り図柄の再抽選演出(第2再抽選演出。詳細内容については後述する。)を実行するか否かを決定する。再抽選演出を実行しないことに決定したときは、再抽選演出を実行しないことを特定可能な演出制御コマンドを演出制御基板80に送信する。再抽選演出を実行することに決定したときは、再抽選演出を実行することを特定可能な演出制御コマンドを演出制御基板80に送信する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に応じた値に更新する。
変動パターン設定処理(ステップS302):特別図柄の可変表示の変動パターン(ここでは変動時間に相当)を、始動入賞発生時に抽出した変動パターン決定用乱数(表示用乱数の一つ)の値に応じてあらかじめ定められた複数種類の変動パターンの中から選択する。また、決定された変動パターンにもとづいて、特別図柄が可変表示され導出表示されるまでの可変表示時間(変動時間)を特別図柄プロセスタイマにセットした後、特別図柄プロセスタイマをスタートさせる。このとき、演出制御基板80に対して、変動パターンを指令する情報(変動パターンコマンド)を送信する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に応じた値に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS302でセットされた特別図柄プロセスタイマがタイムアウト)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に応じた値に更新する。なお、この処理では、特別図柄表示器8の表示状態を制御する処理(特別図柄表示制御処理)も実行される。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄表示器8における可変表示を停止して停止図柄を表示させる。また、可変表示装置9における飾り図柄の可変表示の停止を指定する演出制御コマンド(飾り図柄停止指定コマンド)を演出制御基板80に送信する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り図柄を停止表示してから大当り遊技を開始するまでの時間(大当り表示時間)を大入賞口制御タイマにセットした後、大入賞口制御タイマをスタートさせる。また、大当り図柄を停止表示した後に大当り遊技が開始されることを示す合図の演出(ファンファーレ演出)を演出制御用マイクロコンピュータ100に実行させるための演出制御コマンド(ファンファーレコマンド)を演出制御基板80に送信する。そして、大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に応じた値に更新する。そうでない場合には、内部状態をステップS300に応じた値に更新する。
大入賞口開放前処理(ステップS305):大入賞口を開放する制御を開始する。具体的には、ソレノイド21を駆動して特別可変入賞装置を開状態にして大入賞口を開放する。また、カウンタによってラウンド数をカウントする。また、大入賞口制御タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間(ラウンド時間)を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に応じた値に更新する。
大入賞口開放中処理(ステップS306):大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立したら、ソレノイド21を駆動して特別可変入賞装置を閉状態にして大入賞口を閉鎖する。また、まだ残りラウンドがあるかどうかを確認する。残りラウンドがある場合には、ラウンドが終了してから次のラウンドが開始するまでの時間(インターバル時間)を大入賞口制御タイマに設定し、内部状態をステップS305に応じた値に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、大当り遊技状態が終了することを遊技者に報知する演出(エンディング演出)を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための演出制御コマンド(エンディングコマンド)を演出制御基板80に送信した後、内部状態をステップS307に応じた値に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):大当り遊技状態を終了させるための所定のフラグのセット/リセットの処理等を行う。そして、大当り終了演出(エンディング演出)の実行期間(第2再抽選演出を実行する場合には、第2再抽選演出の実行期間)に相当する時間に応じた値を所定のタイマにセットした後、内部状態をステップS308に応じた値に更新する。
大当り終了演出中処理(ステップS308):大当り終了演出の実行期間としてステップS307でタイマにセットされた時間が経過すると、内部状態をステップS300に応じた値に更新する。なお、大当り遊技が終了する前に実行される再抽選演出を第1再抽選演出といい、大当り遊技が終了した時に実行される再抽選演出を第2再抽選演出という。第2再抽選演出が大当り遊技状態の終了時に実行されることから、遊技者の興趣を長期間に亘って持続させることができる。また、単に「再抽選演出」と表現する場合には、特に断らない限り、「再抽選演出」は第1再抽選演出と第2再抽選演出との双方を意味する。
図10は、演出制御基板80に送出される演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成である。1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」とされる。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
図10に示す例において、コマンド8000(H)〜8009(H)は、特別図柄の可変表示に対応して可変表示装置9において可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である。なお、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。
コマンド8100(H)は、可変表示装置9の表示結果をはずれ図柄にすることを指定する演出制御コマンド(はずれ指定コマンド)である。コマンド8111(H)〜8114(H)は、可変表示装置9の表示結果を通常大当り図柄(すなわち大当り図柄のうちの非確変図柄)にすることを指定する演出制御コマンド(通常大当り指定コマンド)である。図10に示すように、通常大当り指定コマンドとして、第1再抽選演出および第2再抽選演出を実行するか否かに応じて、4種類の演出制御コマンドが定義されている。コマンド8121(H)〜8124は、可変表示装置9の表示結果を確変大当り図柄(すなわち大当り図柄のうちの確変図柄)にすることを指定する演出制御コマンド(確変大当り指定コマンド)である。なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変大当り指定コマンドを受信すると、第1再抽選演出もしくは第2再抽選演出または双方を実行する場合には、可変表示終了時の可変表示装置9の表示結果を非確変図柄にし、昇格演出によって確変図柄に昇格させる。図10に示すように、確変大当り指定コマンドとして、第1再抽選演出および第2再抽選演出を実行するか否かに応じて、4種類の演出制御コマンドが定義されている。
コマンド8103(H)は、大当り遊技中のラウンド数の上限が2ラウンドの確変大当りであることを指定する演出制御コマンド(突然確変大当り指定コマンド)である。なお、2ラウンドの確変大当りの大当り遊技中には、15ラウンドの大当りの場合とは異なり、各ラウンドの演出が順に進行していくのではなく、突然、遊技状態が確変状態に移行したように遊技者に見せる特別な演出が実行される。よって、2ラウンドの確変大当りのことを「突然確変大当り」または単に「突然確変」という。
なお、コマンド8100(H)〜8124(H)は、飾り図柄の内容を指定するとともに、大当り遊技中の演出の仕方を指定する演出制御コマンドでもあるので、コマンド8100(H)〜8124(H)を図柄特定/演出指定コマンドという。
コマンドA000(H)は、可変表示装置9における飾り図柄の可変表示(変動)の停止を指定する演出制御コマンド(飾り図柄停止指定コマンド)である。
コマンドBXXX(H)は、大当り遊技開始から大当り遊技終了までの間に送出される演出制御コマンドである。そして、コマンドD000(H)〜EXXX(H)は、飾り図柄の変動および大当り遊技に関わらない可変表示装置9の表示状態に関する演出制御コマンドである。
コマンドB000(H)〜B009(H)は、大当り遊技が開始されることを指定する演出制御コマンド(ファンファーレコマンド)である。そして、ファンファーレコマンドは、第1再抽選演出および第2再抽選演出を実行するか否かの情報を含む。具体的には、第1再抽選演出および第2再抽選演出を実行するか否かに応じて、また、通常大当りとするか確変大当りとするか否かに応じて、ファンファーレ#1指定〜ファンファーレ#4指定およびファンファーレ#6指定〜ファンファーレ#9指定のうちのいずれかの演出制御コマンドが用いられる。また、突然確変大当りとする場合には、ファンファーレ#5指定の演出制御コマンドが用いられる。すなわち、この実施の形態では、ファンファーレコマンドは、通常大当りとするか確変大当りとするか突然確変大当りとするかを示す情報も含む。また、ファンファーレコマンドは、第2再抽選演出を実行するか否かを示す情報を含む。
コマンドB1XX(H)は、大当り遊技中のラウンド中の表示を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放中表示コマンド)である。なお、「XX」に表示するラウンド数が設定される。コマンドB2XX(H)は、各ラウンド中の大入賞口への入賞球数(カウントスイッチ23の入賞検出数)を指定する演出制御コマンド(カウント数指定コマンド)である。なお、「XX」に入賞球数(カウント数)が設定される。コマンドB3XX(H)は、大当り遊技中のラウンド後の表示(ラウンド間のインターバルの表示)を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放後表示コマンド)である。
コマンドB401(H)は、大当り遊技の終了時のエンディング演出(大当り終了演出)において第2再抽選演出を実行せずに通常大当り終了を表示することを指定するエンディング#1指定の演出制御コマンド(エンディング1コマンド)である。コマンドB402(H)は、大当り遊技の終了時のエンディング演出において第2再抽選演出を実行して通常大当り終了を表示することを指定するエンディング#2指定の演出制御コマンド(エンディング2コマンド)である。コマンドB403(H)は、突然確変大当りにもとづく大当り遊技の終了時の演出表示を行うことを指定するエンディング#3指定の演出制御コマンド(エンディング3コマンド)である。なお、突然確変大当りにもとづく大当り遊技の終了時には、常に、第2再抽選演出は行われない。コマンドB404(H)は、大当り遊技の終了時のエンディング演出(大当り終了演出)において第2再抽選演出を実行せずに確変大当り終了を表示することを指定するエンディング#4指定の演出制御コマンド(エンディング4コマンド)である。コマンドB405(H)は、大当り遊技の終了時のエンディング演出において第2再抽選演出を実行して確変大当り終了を表示することを指定するエンディング#5指定の演出制御コマンド(エンディング5コマンド)である。
なお、ここでは、エンディング1コマンド〜エンディング5コマンドを使用するが、演出制御用マイクロコンピュータ100は、他のコマンドから確変大当りであるのか非確変大当りであるのか判断できるので、エンディングコマンドとして、大当り遊技の終了時に再抽選演出を実行するのか否かのみを指定する(確変大当りは通常大当りかは指定しない)コマンドを送信するようにしてもよい。そのようにした場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を減らすことができ、遊技制御用マイクロコンピュータ560のコマンド選択に関する負担が軽減する。さらに、エンディングコマンドとして、大当り遊技の終了を示す1種類のコマンドのみを使用してもよい。その場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄特定/演出指定コマンドから第2再抽選演出を行うと判断した場合には、エンディングコマンドの受信にもとづいて第2再抽選演出を開始する。そのようにした場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を減らすことができる。ただし、この実施の形態のように、確変大当りであるのか否かと再抽選演出を実行するのか否かとを特定可能なエンディング1コマンド〜エンディング5コマンドを使用すれば、ファンファーレコマンド等が演出制御用マイクロコンピュータ100で受信されなかった場合や、エンディングコマンド送信前に停電等が生じ遊技制御用マイクロコンピュータ370が復旧処理を実行したような場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第2再抽選演出を実行することができる。
コマンドD000(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンドである。また、コマンドE401(H)は、遊技状態が通常遊技状態(低確率状態)になったときの可変表示装置9の表示状態(例えば背景や色)を指定する演出制御コマンド(通常表示指定コマンド)であり、コマンドE402(H)は、遊技状態が確変状態(高確率状態)になったときの可変表示装置9の表示状態(例えば背景や色)を指定する演出制御コマンド(高確率表示指定コマンド)であり、コマンドE403(H)は、遊技状態が時短状態(時間短縮状態)になったときの可変表示装置9の表示状態(例えば背景や色)を指定する演出制御コマンド(時短表示指定コマンド)である。
なお、時短状態とは、特別図柄表示器8(および可変表示装置9)における特別図柄(および飾り図柄)の可変表示時間(変動時間)を通常遊技状態(あるいは通常遊技状態および確変状態)よりも短縮するように制御された遊技状態をいう。例えば、確変状態中に通常大当りとなり、その後に通常大当りが終了すると、所定の変動回数(例えば100回)だけ時短状態に制御される。なお、時短状態のとき、普通図柄表示器10における普通図柄の可変表示時間(変動時間)が通常遊技状態よりも短縮される。さらに、可変入賞装置15において、開放時間と開放回数とのうちの一方または双方が遊技者にとって有利な状態になる。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると図10に示された内容に応じて可変表示装置9の表示状態を変更するとともに、ランプの表示状態を変更し、音声出力基板70に対して音番号データを出力する。なお、図10に示された演出制御コマンド以外の演出制御コマンドも使用するようにしてもよい。
図11は、この実施の形態で用いられる変動パターンの一例を示す説明図である。図11において、「EXT」とは、2バイト構成の演出制御コマンドにおける2バイト目のEXTデータを示す。また、「時間」は特別図柄の変動時間(識別情報の可変表示期間)を示す。
この例では、特別図柄の各変動パターンは、はずれとするか大当りとするか、リーチとするか否か、およびリーチとする場合のリーチ態様、予告演出をするか否かなど、各種の演出態様の違いに応じて複数種類用意されている。なお、この実施の形態では、リーチ演出、予告演出および再抽選演出は、演出制御用マイクロコンピュータ100が表示制御する可変表示装置9において実行される。
ここで、「通常変動」は、リーチ態様を伴わない変動パターンである。「ノーマルリーチ」は、単純なリーチ態様を伴う変動パターンである。「リーチA」は、「ノーマルリーチ」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。リーチ態様が異なるとは、リーチ変動時間において異なった態様(速度や回転方向等)の変動が行われたりキャラクタ等が現れたりすることをいう。例えば、「ノーマルリーチ」では単に1種類の変動態様によってリーチ態様が実現されるのに対して、「リーチA」では、変動速度や変動方向が異なる複数の変動態様を含むリーチ態様が実現される。
また、「リーチB」は、「ノーマルリーチ」および「リーチA」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。そして、「リーチC」は、「ノーマルリーチ」、「リーチA」および「リーチB」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。なお、「ノーマルリーチ」、「リーチA」、「リーチB」および「リーチC」では、大当りとなる場合と大当りとならない場合とがある。
また、「予告演出」は、大当りとなるまたはその可能性があることを事前(可変表示装置9において飾り図柄の停止図柄が導出表示される前に)に遊技者に報知するための演出をいう。例えば、変動中に異なった態様(速度や回転方向等)の変動を行ったりキャラクタ等を登場させたりすることにより大当りになる可能性があることを遊技者に報知する。なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される演出制御コマンドにもとづいて、演出制御用マイクロコンピュータ100が所定のタイミングで予告演出を実行するように構成されているが、このような構成に限られず、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100が予告判定用乱数にもとづいて予告演出を実行するか否か判定し、予告演出を実行すると判定したときに所定のタイミングで予告演出を実行するように構成されていてもよい。
なお、この実施の形態では、大当りとすることに決定されている場合には、コマンドの2バイト目が「02H」、「04H」、「06H」または「08H」の変動パターンが使用され、はずれとする(リーチとする場合を含む。)ことに決定されている場合には、コマンドの2バイト目が「00H」、「01H」、「03H」、「05H」、「07H」または「09H」の変動パターンが使用されるとする。よって、はずれとすることに決定されている場合には予告演出は実行されないことになるが、はずれとすることに決定されている場合にも予告演出を行うようにしてもよい。なお、はずれとする場合、リーチにもしないときには、コマンドの2バイト目が「00H」または「09H」の変動パターンが使用される。
図12は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、特別図柄の変動を開始することができる状態(特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合、つまり、特別図柄表示器8において特別図柄の変動表示がなされておらず、かつ、大当り遊技中および大当り終了時のエンディング演出中でもない場合)には(ステップS51)、始動入賞記憶数(保留記憶数)を確認する(ステップS52)。具体的には、始動入賞カウンタのカウント値を確認する。
始動入賞記憶数が0でなければ、始動入賞記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数格納バッファに格納するとともに(ステップS53)、始動入賞記憶数の値を1減らし、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS54)。すなわち、始動入賞記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、始動入賞記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
次いで、CPU56は、乱数格納バッファから大当り判定用乱数を読み出し(ステップS55)、大当り判定処理モジュールを実行する(ステップS56)。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値と大当り判定用乱数値とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。ここで、大当り判定では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合には、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態および時短状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている高確率大当り判定テーブルと、大当り判定値の数が高確率大当り判定テーブルよりも少なく設定されている低確率大当り判定テーブルとを設けておく。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、高確率大当り判定テーブルを使用して大当りの判定処理を行い、遊技状態が通常遊技状態であるときは、低確率大当り判定テーブルを使用して大当りの判定処理を行う。このような構成により、確変状態のときの方が通常遊技状態のときよりも大当りとなる確率が高くなる。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かを確認することによって行われる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにCPU56によってセットされ、確変状態を終了するときにCPU56によってリセットされる。具体的には、確変大当りとなることに決定され、その大当り遊技が終了したことを報知する処理(大当り終了演出中処理)においてセットされ、非確変大当りとなることに決定され、その大当り遊技を開始する処理(大入賞口開放前処理)においてリセットされる。なお、確変状態が、確変大当り遊技の終了後に特別図柄の変動が所定回数(例えば100回)行われる間だけ継続するような場合には、当該所定回数の変動が行われたときにもリセットされる。
大当り判定処理で大当りとすることに決定した場合には(ステップS57)、CPU56は、大当りフラグをセットする(ステップS58)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止図柄設定処理に対応した値に更新する(ステップS59)。
図13および図14は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。特別図柄停止図柄設定処理において、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS101)。大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、乱数格納バッファからはずれ図柄決定用乱数を読み出し、読み出したはずれ図柄決定用乱数の値に応じて特別図柄表示器8に表示する特別図柄のはずれ図柄を決定する(ステップS102)。
そして、CPU56は、可変表示装置9の表示結果がはずれであることを指定するはずれ指定コマンド(8100(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS103)。具体的には、はずれ指定コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットする。はずれ指定コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスがポインタにセットされると、飾り図柄コマンド制御処理(ステップS27)においてはずれ指定コマンドが送信される。以下、「演出制御コマンドを送信する」とは、このような処理が行われることを示す。なお、コマンド送信テーブルとは、図10に例示された各演出制御コマンドが設定されているROM54の領域である。また、ポインタは、その領域において、該当コマンドが格納されているアドレスを指定するために使用されるデータであり、RAM55に形成されている。
はずれ指定コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスがポインタにセットされたことにもとづいて、飾り図柄コマンド制御処理(ステップS27)において、はずれ指定コマンドを送信する構成に限られるわけではなく、ステップS103の処理において、はずれ指定コマンドを送信ように構成してもよい。以下のコマンド送信処理においても同様である。
その後、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS107)。
大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、乱数格納バッファから確変決定用乱数を読み出し、読み出した確変決定用乱数の値に従って、大当りを、通常大当り(非確変大当り)にするのか確変大当りにするかを決定する(ステップS104)。次いで、CPU56は、特別図柄表示器8に停止表示する大当り図柄を決定する(ステップS105)。CPU56は、ステップS104において通常大当りにすることに決定した場合には、特別図柄表示器8に停止表示される大当り図柄を「1」に決定し、確変大当りにすることに決定した場合には大当り図柄を「7」または「3」に決定する。ステップS104において確変大当りにすると決定した場合にはステップS108に移行し(ステップS106)、そうでない場合にはステップS114に移行する。
ステップS108では、CPU56は、確変大当りが発生することを示す確変大当りフラグをセットする。次いで、CPU56は、乱数格納バッファからラウンド数決定用乱数を読み出し、読み出したラウンド数決定用乱数の値に従って、大当り遊技において実行するラウンド数(ラウンドの実行回数、具体的にはラウンド数の上限)を決定する(ステップS109)。そして、ステップS111に移行する。なお、この実施の形態では、ラウンド数として、15ラウンド(15R)と2ラウンド(2R)とが設けられている。
ステップS111では、CPU56は、決定したラウンド数を判定し、ラウンド数が15ラウンドでなく2ラウンドであれば、2ラウンドの大当り遊技であることを示す2Rフラグをセットし(ステップS112)、2ラウンドの確変大当り(突然確変大当り)が発生することを指定する突然確変大当り指定コマンド(8103(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS113)。そして、ステップS107に移行する。なお、CPU56は、2Rフラグをセットした場合には特別図柄表示器8に停止表示される大当り図柄を「3」と最終決定し、2Rフラグをセットしない場合には特別図柄表示器8に停止表示される大当り図柄を「7」と最終決定する。
ステップS114では、CPU56は、乱数格納バッファから再抽選決定用乱数を読み出し、読み出した再抽選決定用乱数の値に従って、大当り遊技中に再抽選演出(第1再抽選演出)を実行するか否か、および大当り遊技の終了時に再抽選演出(第2再抽選演出)を実行するか否かを決定する。そして、第1再抽選演出を実行すると決定した場合(第1再抽選演出のみを実行する場合と、第1再抽選演出と第2再抽選演出の双方を実行する場合とがある。)には、第1再抽選実行フラグをセットし(ステップS115,S116)、ステップS117に移行する。第1再抽選演出を実行しないと決定した場合には、第1再抽選実行フラグをセットせずに、ステップS117に移行する。
また、第2再抽選演出を実行すると決定した場合(第2再抽選演出のみを実行する場合と、第1再抽選演出と第2再抽選演出の双方を実行する場合とがある。)には、第2再抽選実行フラグをセットし(ステップS117,S118)、ステップS119に移行する。第2再抽選演出を実行しないと決定した場合には、第2再抽選実行フラグをセットせずに、ステップS119に移行する。
ステップS119では、CPU56は、確変大当りフラグがセットされているか否か確認する。確変大当りフラグがセットされている場合には、第1再抽選実行フラグおよび第2再抽選実行フラグのセット状態に応じて、確変大当り指定コマンド(確変大当り指定#1〜#4コマンドのいずれか)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS120)。例えば、第1再抽選実行フラグおよび第2再抽選実行フラグがともにリセットされているときには確変大当り指定#1コマンドを送信する制御を行い、第1再抽選実行フラグのみがセットされているときには確変大当り指定#2コマンドを送信する制御を行う。そして、ステップS107に移行する。
確変大当りフラグがセットされていない場合には、通常大当り指定コマンド(通常大当り指定#1〜#4コマンドのいずれか)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS121)。そして、ステップS107に移行する。
なお、この実施の形態では、確変大当りにするか否かの抽選による決定(ステップS104)と抽選によるラウンド数の決定(ステップS109)とを別の処理で行っているが、それらを1つの処理で行うようにしてもよい。例えば、1つの乱数を用いて、確変大当りにするか否かと、確変大当りにする場合のラウンド数とを決定するようにしてもよい。さらに、その処理において、特別図柄の停止図柄も決定するようにしてもよい。
また、確変大当りにすると決定されている場合には、そうでない場合に比べて、第1再抽選演出および第2再抽選演出を実行することに決定される割合を高くする。CPU56は、ステップS114では、再抽選決定用乱数の値と判定値とを比較し再抽選決定用乱数の値に一致する判定値があったときに第1再抽選演出もしくは第2再抽選演出または双方を実行することに決定するのであるが、確変大当りにすると決定されている場合の判定値の数は、そうでない場合の判定値の数よりも多い。
この実施の形態では、例えば、第1再抽選演出を実行する割合および第2再抽選演出を実行する割合は、図15に示すように設定されている。図15に示す割合は、例えば、以下のようにして実現される。例えば、再抽選決定用乱数が0〜99のいずれかの値をとる場合(再抽選決定用乱数が0〜99の各値になる確率は、どの値についても同じ。)、確変大当りにすると決定されているときに用いられる第1再抽選演出のみを実行することに決定するための判定値の数を25個にし、確変大当りにしないと決定されているときに用いられる第1再抽選演出のみを実行することに決定するための判定値の数を10個にすればよい。また、確変大当りにすると決定されているときに用いられる第2再抽選演出のみを実行することに決定するための判定値の数を25個にし、確変大当りにしないと決定されているときに用いられる第2再抽選演出のみを実行することに決定するための判定値の数を10個にすればよい。そして、確変大当りにすると決定されているときに用いられる第1再抽選演出および第2再抽選演出を実行することに決定するための判定値の数を40個にし、確変大当りにしないと決定されているときに用いられる第1再抽選演出および第2再抽選演出を実行することに決定するための判定値の数を10個にすればよい。
図16は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS302)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS201)。大当りフラグがセットされているときは、CPU56は、大当り用変動パターン決定テーブルを用いることに決定する(ステップS202)。そして、ステップS204以降の処理を実行する。
大当りフラグがセットされていなければ、はずれ用変動パターン決定テーブルを用いることに決定する(ステップS203)。そして、ステップS204以降の処理を実行する。
大当り用変動パターン決定テーブルには、図11に示す大当りのときに選択される変動パターン(コマンドの2バイト目が「02H」「04H」「06H」「08H」であるコマンドに対応)が設定され、各変動パターンに複数の判定値が割り当てられている。また、はずれ用変動パターン決定テーブルには、図11に示すはずれのときに選択される変動パターン(コマンドの2バイト目が「00H」「01H」「03H」「05H」「07H」であるコマンドに対応)が設定され、各変動パターンに複数の判定値が割り当てられている。なお、はずれ用変動パターン決定テーブルは、遊技状態が通常遊技状態のときの変動パターン決定テーブルであって、遊技状態が確変状態のときは、別の変動パターン決定テーブルが用いられる。例えば、確変状態のときのはずれ用変動パターン決定テーブルには、図11に示したはずれのときに選択される変動パターン(コマンドの2バイト目が「01H」「03H」「05H」「07H」「09H」であるコマンドに対応)が設定され、各変動パターンに複数の判定値が割り当てられている。
なお、時短状態のときのはずれ用変動パターン決定テーブルは、確変状態のときのはずれ用変動パターン決定テーブルと同じテーブルが用いられる。ただし、時短状態のときのはずれ用変動パターン決定テーブルと確変状態のときのはずれ用変動パターン決定テーブルとを異なるテーブルを用いるようにしてもよい。
ステップS204において、CPU56は、乱数格納バッファから変動パターン決定用乱数を読み出し、読み出した変動パターン決定用乱数の値に従って、変動パターンを決定する。そして、CPU56は、決定された変動パターン(変動時間)に応じた変動パターン指定の演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を送信する制御を行う(ステップS205)。
次いで、CPU56は、特別図柄プロセスタイマに変動時間をセットする(ステップS206)。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に応じた値に更新する(ステップS207)。
図17は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、まず、CPU56は、特別図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS351)。そして、ステップS352で、特別図柄プロセスタイマがタイムアップしているかどうかを確認し(すなわち特別図柄プロセスタイマの値が0であるか否かを確認し)、タイムアップしていなければ、特別図柄表示器8における特別図柄の変動中の表示状態を制御する特別図柄表示制御処理を実行する(ステップS353)。特別図柄プロセスタイマがタイムアップしていれば、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に応じた値に更新する(ステップS354)。
図18は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄変動停止処理において、CPU56は、特別図柄表示器8における特別図柄の変動を止めて、停止図柄を導出表示する(ステップS361)。また、CPU56は、可変表示装置9における飾り図柄の変動の停止を指定する飾り図柄停止指定コマンド(A000(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS362)。そして、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS363)。大当りフラグがセットされていなければ、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に応じた値に更新する(ステップS376)。
大当りフラグがセットされていれば、CPU56は、大入賞口の開放/閉鎖を制御するための時間を計測する大入賞口制御タイマに、大当り図柄を停止表示した後に大当り遊技が開始されることを遊技者に報知する演出(ファンファーレ演出)の実行時間(大当り表示時間)をセットする(ステップS364)。
なお、15ラウンドの大当りのときと2ラウンドの大当りのときとで異なる大当り表示時間をセットするように構成されていてもよい。その場合、一例として、15ラウンドの大当りのときは大当り表示時間が3秒にされ、2ラウンドの大当りのときは大当り表示時間が5秒にされる。
次いで、CPU56は、2Rフラグがセットされているかどうかを確認することによって、大当りのラウンド数が15ラウンドであるか2ラウンドであるかを判断する(ステップS365)。15ラウンドの大当りであれば、15ラウンドの大当り遊技を開始すること(15ラウンドの大当りのファンファーレ演出を実行すること)を指定するファンファーレコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う。
具体的には、第1再抽選実行フラグはセットされていないが第2再抽選実行フラグがセットされている場合には、通常大当りとすることに決定されているときにはファンファーレ#3指定コマンド(B002(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行い、確変大当りとすることに決定されているときにはファンファーレ#8指定コマンド(B008(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS366,S367,S368)。その後、ステップS375に移行する。第1再抽選実行フラグも第2再抽選実行フラグもセットされていない場合には、通常大当りとすることに決定されているときにはファンファーレ#1指定コマンド(B000(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行い、確変大当りとすることに決定されているときにはファンファーレ#6指定コマンド(B006(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS366,S367,S369)。その後、ステップS375に移行する。
第1再抽選実行フラグはセットされているが第2再抽選実行フラグがセットされていない場合には、通常大当りとすることに決定されているときにはファンファーレ#2指定コマンド(B001(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行い、確変大当りとすることに決定されているときにはファンファーレ#7指定コマンド(B007(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS366,S371,S373)。その後、ステップS375に移行する。第1再抽選実行フラグも第2再抽選実行フラグもセットされている場合には、通常大当りとすることに決定されているときにはファンファーレ#4指定コマンド(B003(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行い、確変大当りとすることに決定されているときにはファンファーレ#9指定コマンド(B009(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS366,S371,S372)。その後、ステップS375に移行する。
2ラウンドの大当りであれば、2ラウンドの大当り遊技を開始すること(2ラウンドの大当りのファンファーレ演出を実行すること)を指定するファンファーレ#5指定コマンド(B004(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS365,S374)。その後、ステップS375に移行する。
ステップS375では、CPU56は、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に応じた値に更新する。
図19は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放前処理(ステップS305)を示すフローチャートである。大入賞口開放前処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされ、確変大当りフラグがセットされず(すなわち非確変図柄で大当りとなった場合である。)、かつ、確変フラグがセットされている場合(すなわち遊技状態が確変状態である場合)には、確変フラグをリセットする(ステップS400)。ステップS400の制御によって、確変状態において非確変図柄で大当りとなった場合には確変状態は終了する。
次いで、CPU56は、大入賞口制御タイマの値を−1する(ステップS401)。そして、大入賞口制御タイマの値が0であるか否かを確認し(ステップS402)、その値が0になっていなければ、そのまま処理を終了する。大入賞口制御タイマの値が0になっていれば、2Rフラグがセットされているか否かを確認することによって、大当りのラウンド数が15ラウンドであるかどうかを確認する(ステップS403)。
なお、ステップS401,S402の処理は大入賞口制御タイマを用いた時間監視処理であるが、第1ラウンド(1ラウンド)の開始前には大当り表示演出の時間(大当り表示時間)の経過を監視し、2ラウンド以降の開始前にはインターバル時間を監視することになる。
15ラウンドの大当りであれば、CPU56は、大入賞口の開放中(ラウンド中)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する大入賞口開放中表示コマンド(B1XX(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS404)。なお、CPU56は、大当り遊技中のラウンド数をカウントするラウンド数カウンタの値を確認することによってラウンド数を認識する。そして、CPU56は、ソレノイド21を駆動して大入賞口(開閉板20)を開放する制御を行うとともに(ステップS405)、ラウンド数カウンタの値を+1する(ステップS406)。なお、この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられ、CPU56は、ステップS405において出力ポートのRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を、駆動するソレノイドの開閉状態に応じて設定する。そして、CPU56は、ステップS31のソレノイド出力処理において出力ポートのRAM領域に設定された内容を出力ポートに出力する。その結果、駆動指令の信号が出力ポートからソレノイド回路59に出力される。ソレノイド回路59は、駆動指令の信号に応じてソレノイドを駆動するための駆動信号をソレノイドに出力して、ソレノイドを駆動させる。以下、ソレノイドを開閉駆動させる処理では、同様の動作が行われる。
また、大入賞口制御タイマに、15ラウンドの大当りにおける各ラウンドにおいて大入賞口が開放可能な最大時間(15ラウンド用のラウンド時間)をセットする(ステップS407)。なお、15ラウンド用のラウンド時間は、例えば29.5秒である。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に応じた値に更新する(ステップS411)。
ステップS403において2ラウンドの大当りであったことを確認したときは、CPU56は、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放するとともに(ステップS408)、ラウンド数カウンタの値を+1する(ステップS409)。また、大入賞口制御タイマに、2ラウンドの大当りにおける各ラウンドにおいて大入賞口が開放可能な最大時間(2ラウンド用のラウンド時間)をセットする(ステップS410)。なお、2ラウンド用のラウンド時間は、極めて短い時間であり、例えば0.1秒である。従って、2ラウンドの大当りでは、ラウンド中に大入賞口へ遊技球が入賞する可能性は極めて低い。そして、ステップS411に移行する。また、この実施の形態では、15ラウンドの場合に比べて、ラウンド数とラウンド時間との双方を少なくしているが、いずれか一方だけを少なくしてもよい。
図20および図21は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放中処理(ステップS306)を示すフローチャートである。大入賞口開放中処理において、CPU56は、まず、大入賞口制御タイマの値を−1する(ステップS421)。そして、2Rフラグがセットされているか否か確認することによって、大当りのラウンド数が15ラウンドであるかどうか(15ラウンドの大当りであるか2ラウンドの大当りであるか)を確認する(ステップS422)。
2ラウンドの大当りであれば、CPU56は、大入賞口制御タイマの値が0であるかどうかを確認し(ステップS423)、大入賞口制御タイマの値が0になっていないときは、そのまま処理を終了する。大入賞口制御タイマの値が0になっているときは、ソレノイド21を駆動して大入賞口(開閉板20)を閉鎖する制御を行う(ステップS424)。次いで、CPU56は、ラウンド数カウンタの値が2になっているかどうかを確認する(ステップS425)。
ラウンド数カウンタの値が2になっていなければ、CPU56は、大入賞口制御タイマに、2ラウンドの大当り中においてラウンドが終了してから次のラウンドが開始するまでの時間(2ラウンド用のインターバル時間)をセットし(ステップS429)、特別図柄プロセスフラグの値をステップS305(大入賞口開放前処理)に応じた値に更新する(ステップS430)。なお、2ラウンド用のインターバル時間は、極めて短い時間であり、例えば0.1秒である。
ラウンド数カウンタの値が2になっていれば、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値をステップS307(大当り終了処理)に応じた値に更新する(ステップS426)。
ステップS422において15ラウンドの大当りであることを確認した場合には、CPU56は、大入賞口制御タイマの値が0であるかどうかを確認する(ステップS431)。大入賞口制御タイマの値が0になっていないときは、カウントスイッチ23がオンしたか否かを確認することによって、大入賞口への遊技球の入賞があったかどうかを確認する(ステップS432)。カウントスイッチ23がオンしていなければ、そのまま処理を終了する。カウントスイッチ23がオンしていれば、CPU56は、大入賞口への遊技球の入賞個数をカウントする入賞個数カウンタの値を+1する(ステップS433)。そして、ラウンド中の大入賞口への入賞球数を指定するカウント数指定コマンド(B2XX(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS434)。次いで、CPU56は、入賞個数カウンタの値が所定数(例えば10個)になっているか否かを確認する(ステップS435)。入賞個数カウンタの値が所定数になっていなければ、そのまま処理を終了する。
大入賞口制御タイマの値が0になっているとき、または入賞個数カウンタの値が所定数になっているときには、CPU56は、ソレノイド21を駆動して大入賞口(開閉板20)を閉鎖する制御を行う(ステップS436)。そして、入賞個数カウンタの値をクリアする(0にする)(ステップS437)。
次いで、CPU56は、ラウンド数カウンタの値が15であるか否かを確認する(ステップS441)。ラウンド数カウンタの値が15でないときは、CPU56は、大入賞口の開放後(ラウンドの終了後)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する大入賞口開放後表示指定コマンド(B3XX(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS444)。そして、大入賞口制御タイマに、15ラウンドの大当り中においてラウンドが終了してから次のラウンドが開始するまでの時間(15ラウンド用のインターバル時間)をセットし(ステップS445)、特別図柄プロセスフラグの値をステップS305(大入賞口開放前処理)に応じた値に更新する(ステップS446)。なお、15ラウンド用のインターバル時間は、例えば5秒である。
ラウンド数カウンタの値が15であるときには、特別図柄プロセスフラグの値をステップS307(大当り終了処理)に応じた値に更新する(ステップS442)。
図22は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、確変大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS241)。確変大当りフラグがセットされていない場合には、ステップS256に移行する。
確変大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、2Rフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS242)。2Rフラグがセットされていない場合には、ステップS247に移行する。2Rフラグがセットされている場合には、2Rフラグをリセットするとともに(ステップS243)、エンディング#3指定コマンド(B403(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS244)。そして、ステップS251に移行する。
ステップS247では、CPU56は、第2再抽選実行フラグがセットされているか否かを確認する。第2再抽選実行フラグがセットされていないときは、エンディング演出において再抽選演出(第2再抽選演出)を実行せずに確変大当りの終了を表示することを指定するエンディング#4指定コマンド(B404(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS249)。第2再抽選実行フラグがセットされているときは、エンディング演出において再抽選演出の実行後に確変大当りの終了を表示することを指定するエンディング#5指定コマンド(B405(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS248)。その後、ステップS251に移行する。
ステップS251では、CPU56は、大当りフラグをリセットし、さらに、第1再抽選実行フラグおよび第2再抽選実行フラグをリセットする(ステップS252,S253)。そして、大入賞口制御タイマに大当り終了を遊技者に報知する演出(エンディング演出)の実行時間(大当り終了演出時間)をセットし(ステップS254)、特別図柄プロセスフラグの値を大当り終了演出中処理(ステップS308)に応じた値に更新する(ステップS255)。なお、CPU56は、ステップS254において、第2再抽選演出を実行する場合には、第2再抽選演出の実行時間を大入賞口制御タイマにセットし、第2再抽選演出を実行しない場合には、単に大当りの終了を報知するための演出の実行時間(第2再抽選演出の実行時間よりも短い。)を大入賞口制御タイマにセットする。
ステップS256では、CPU56は、第2再抽選実行フラグがセットされているか否か確認する。そして、第2再抽選実行フラグがセットされていないときは、エンディング演出において再抽選演出(第2再抽選演出)を実行せずに通常大当りの終了を表示することを指定するエンディング#1指定コマンド(B401(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS258)。第2再抽選実行フラグがセットされているときは、エンディング演出において再抽選演出の実行後に通常大当りの終了を表示することを指定するエンディング#2コマンド(B402(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS257)。その後、ステップS251に移行する。
なお、この実施の形態では、遊技状態が確変状態に制御されているときに通常大当りとなると、その大当り遊技の終了後に遊技状態が所定の変動回数分だけ時短状態に制御される。このように遊技状態が確変状態から時短状態に移行するときに、遊技状態が時短状態であることを示す時短フラグがセットされる。CPU56は、ステップS241で確変大当りフラグがセットされていないことを確認したら、時短フラグがセットされているときは時短表示指定の演出制御コマンド(E403(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を実行し、時短フラグがセットされていないときは通常表示指定の演出制御コマンド(E401(H))を送信する制御を実行する。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される各演出制御コマンドの送信タイミングおよび再抽選演出の内容について説明する。
図23は、15ラウンドの大当り遊技が実行されるときの演出制御コマンドの送信タイミングを示すタイミング図である。図23に示すように、始動入賞があり特別図柄表示器8において特別図柄の可変表示が開始されるときに、特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301)において、大当り判定の判定結果(ステップS56)、通常大当りか確変大当りか(確変大当りになるかどうか)の決定結果(ステップS104)、および確変大当りのラウンド数の決定結果(ステップS109)に応じた図柄特定/演出指定コマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
具体的には、大当り判定の判定結果が「はずれ」のときは、はずれ指定コマンドが送信される(ステップS103)。大当り判定の判定結果が「大当り」である場合に、通常大当りか確変大当りかの決定結果が「通常大当り」であるときは、通常大当り指定コマンドが送信される(ステップS121)。また、大当り判定の判定結果が「大当り」である場合に、通常大当りか確変大当りかの決定結果が「確変大当り」であるときは、確変大当り指定コマンドが送信される(ステップS120)。
通常大当りか確変大当りかの決定結果が「確変大当り」である場合に、ラウンド数の決定結果が「2ラウンド」であるときは、突然確変大当り指定コマンドが送信される(ステップS113)。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの図柄特定/演出指定コマンドにもとづいて、可変表示装置9において停止表示する飾り図柄の停止図柄を選択する。
そして、変動パターン設定処理(ステップS302)において、所定の変動パターン決定テーブルを用いて飾り図柄の変動パターン(変動時間)が決定され(ステップS204)、決定された変動パターンを示す変動パターンコマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される(ステップS205)。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの変動パターンコマンドの受信に応じて、可変表示装置9において飾り図柄の変動(可変表示)を開始する。上述したように、可変表示装置9における飾り図柄の変動は、特別図柄表示器8における特別図柄の変動と同期している。
その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄変動中処理(ステップS303)において、特別図柄の変動時間を計測するとともに、特別図柄表示器8における特別図柄の可変表示の制御を行う(ステップS351〜S353)。飾り図柄の変動時間が経過すると、特別図柄変動停止処理(ステップS304)において、特別図柄表示器8における特別図柄の変動が停止されるとともに(ステップS361)、飾り図柄停止指定コマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される(ステップS362)。また、第1再抽選演出および第2再抽選演出を実行するか否かと、確変大当りに決定されているか否かと、突然確変大当りに決定されているか否かに応じて、ファンファーレ#1指定〜ファンファーレ#9指定のうちのいずれかのファンファーレコマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される(ステップS368,S369,S372,S373,S374)。図23に示す例では、第1再抽選演出および第2再抽選演出の双方を実行することを指定するファンファーレ#4指定コマンドまたはファンファーレ#9指定コマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からのファンファーレ#4指定コマンドまたはファンファーレ#9指定コマンドの受信に応じて、可変表示装置9、スピーカ27およびランプ28a〜28c等の演出装置を用いて15ラウンドの大当りが開始することを遊技者に報知するファンファーレ演出を所定期間実行する。例えば、可変表示装置9に飾り図柄の大当り図柄(「222」など)を表示するとともに、大当りになったことを示す文字(「大当り!」)などを表示する。また、スピーカ27から大当りになったときの効果音を鳴らしたり、ランプ28a〜28c等を大当りになったときの点灯パターンで点灯させたりする。また、所定のラウンド中に、可変表示装置9において第1再抽選演出を実行する。
なお、表示の都合上、図23では、2R〜15ラウンドにおいて第1再抽選演出が実行されるように記載されているが、この実施の形態では、8ラウンドまたは12ラウンドにおいて第1再抽選演出が実行される。また、記載省略されているが、2R〜15ラウンドのそれぞれの間にも、インターバル表示が行われる期間(インターバル期間)が設けられている。
大当り遊技中では、CPU56は、大入賞口開放前処理(ステップS305)において、大当り表示時間(大当り図柄を停止表示してからラウンドが開始されるまでの時間)を計測する(ステップS401,S402)。大当り表示時間が経過すると、大入賞口開放中表示コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS404)。大入賞口開放中表示コマンドによって各ラウンド中における可変表示装置9の表示状態が指定される。また、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放する制御を行う(ステップS405)。ステップS405の処理が実行されることによって、大当り遊技中のラウンドが開始される。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの大入賞口開放中表示コマンドの受信に応じて、可変表示装置9、スピーカ27およびランプ28a〜28c等の演出装置を用いて大当り遊技のラウンド中であることを遊技者に報知するラウンド演出(ラウンド表示)を実行する。例えば、可変表示装置9に飾り図柄の大当り図柄(「222」など)を表示するとともに、現在のラウンドを示す文字(「第1ラウンド」)やその他のキャラクタなどを表示する。また、スピーカ27からラウンド中の効果音を鳴らしたり、ランプ28a〜28c等をラウンド中の点灯パターンで点灯させたりする。
その後、CPU56は、大入賞口開放中処理(ステップS306)において、15ラウンド用のラウンド時間を計測する(ステップS421,S431)。また、カウントスイッチ23のオンを検出する毎に入賞個数カウンタの値を+1することによって大入賞口への入賞球数をカウントする(ステップS432,S433)。また、カウント数を指定するカウント数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS434)。
ラウンド時間が経過したとき、または入賞個数が所定数になったときは、ソレノイド21が駆動されて大入賞口が閉鎖され(ステップS436)、大当り遊技中の1つのラウンドが終了する。ラウンド数が15ではない場合には、大入賞口開放後表示コマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される(ステップS444)。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの大入賞口開放後表示コマンドの受信に応じて、可変表示装置9、スピーカ27およびランプ28a〜28c等の演出装置を用いてラウンド間のインターバルであることを遊技者に報知するインターバル演出(インターバル表示)を所定期間実行する。
大入賞口開放中処理において、ラウンド数カウンタの値が15になったときは(ステップS441)、大当り終了処理(ステップS307)において、第2再抽選演出を実行するか否かに応じたエンディングコマンド(エンディング#2コマンドまたはエンディング#5コマンド)が演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される(ステップS248,S257)。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からのエンディングコマンドの受信に応じて、可変表示装置9、スピーカ27およびランプ28a〜28c等の演出装置を用いて大当りが終了することを遊技者に報知するエンディング演出(大当り終了表示)を所定期間実行する。例えば、可変表示装置9に大当りの終了を示す文字(「またね!!」)などを表示したり(エンディング#2コマンドまたはエンディング#5コマンドを受信しなかった場合)、スピーカ27からエンディング演出用の効果音を鳴らしたり、ランプ28a〜28c等をエンディング演出用の点灯パターンで点灯させたりする。この例では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第2再抽選演出の実行を指定するエンディング#2コマンドまたはエンディング#5コマンドを受信して、可変表示装置9において第2再抽選演出を実行する。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、エンディングコマンドを受信しなかった場合、またはエンディングコマンドを受信しても第2再抽選演出の実行を指定するエンディングコマンド(エンディング#2コマンドまたはエンディング#5コマンド)でなかった場合において、既に受信しているファンファーレコマンドで第2再抽選演出の実行が指定されているときには、演出制御用マイクロコンピュータ100は、可変表示装置9において第2再抽選演出を実行する。
図24は、2ラウンドの大当り遊技が実行されるときの演出制御コマンドの送信タイミングを示すタイミング図である。図23に示された場合と同様に、始動入賞があり特別図柄表示器8において特別図柄の可変表示が開始されるときに、特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301)において、大当り判定の判定結果(ステップS56)、通常大当りか確変大当りか(確変大当りになるかどうか)の決定結果(ステップS104)、および確変大当りのラウンド数の決定結果(ステップS109)に応じた図柄特定/演出指定コマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
なお、図24に示す例では、大当り判定(ステップS56)において大当りとする旨の決定がされ、通常大当りとするのか確変大当りとするのかの決定(ステップS104)の結果が確変大当りとすることであり、ラウンド数が2ラウンドに決定されたことによって(ステップS109)、2ラウンドの確変大当りであることを示す突然確変大当り指定コマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されている(ステップS113)。
そして、変動パターン設定処理(ステップS302)において、所定の変動パターン決定テーブルを用いて飾り図柄の変動パターン(変動時間)が決定され(ステップS204)、決定された変動パターンを示す変動パターンコマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される(ステップS205)。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの図柄特定/演出指定コマンドにもとづいて、可変表示装置9において停止表示する飾り図柄の停止図柄を選択する。さらに、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの変動パターンコマンドの受信に応じて、可変表示装置9において飾り図柄の変動(可変表示)を開始する。
その後、CPU56は、特別図柄変動中処理(ステップS303)において、特別図柄の変動時間を計測するとともに、特別図柄表示器8における特別図柄の可変表示の制御を行う(ステップS351〜S353)。飾り図柄の変動時間が経過すると、特別図柄変動停止処理(ステップS304)において、特別図柄表示器8における特別図柄の変動が停止されるとともに(ステップS361)、飾り図柄停止指定コマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される(ステップS362)。また、大当り判定における判定結果が大当りであるときには、ファンファーレコマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。図24に示す例では、2ラウンドの大当りの開始を指定するファンファーレ#5コマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される(ステップS374)。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からのファンファーレ#5コマンドの受信に応じて、可変表示装置9、スピーカ27およびランプ28a〜28c等の演出装置を用いて2ラウンドの大当りが開始することを遊技者に報知するファンファーレ演出を所定期間実行する。2ラウンド用のファンファーレ演出は、15ラウンド用のファンファーレ演出とは異なる態様の特別な演出であることが好ましい。例えば、15ラウンド用のファンファーレ演出では、上述したように、可変表示装置9に飾り図柄の大当り図柄(「222」など)を表示するとともに、大当りになったことを示す文字(「大当り!」)などが表示されるが、2ラウンド用のファンファーレ演出では、可変表示装置9における飾り図柄の停止表示後に、突然、可変表示装置9において特別なキャラクタを登場させたり、特別なムービー画像を表示したりする。この実施の形態では、このように突然に現れる特別な演出のことを「突然確変用演出」ということがある。なお、突然確変用演出が実行されているときは、スピーカ27から突然確変用演出時の効果音を鳴らしたり、突然確変用演出時の点灯パターンでランプ28a〜28c等を点灯させたりすることも行われる。
その後、CPU56は、大入賞口開放前処理(ステップS305)において、大当り表示時間(図24に示す例では、突然確変用演出の一部の演出を実行するための時間)を計測する(ステップS401,S402)。大当り表示時間が経過すると(ステップS402のY)、2ラウンドの大当り遊技であっても(ステップS403のN)、ソレノイド21が駆動されて大入賞口が開放される(ステップS408)。しかし、2ラウンドの大当り遊技を開始するときに、大入賞口開放中表示コマンドは送信されない(ステップS408〜S410参照)。従って、可変表示装置9の表示状態はラウンド表示に切り替えられず、ラウンド中においても継続して突然確変用演出が実行される。
CPU56は、大入賞口開放中処理(ステップS306)において、2ラウンド用のラウンド時間を計測する(ステップS421,S423)。2ラウンド用のラウンド時間は、上述したように極めて短い時間(例えば0.1秒)であるから、ラウンド時間は直ぐに経過してしまい(ステップS423のY)、ソレノイド21が駆動され直ちに大入賞口が閉鎖される(ステップS424)。従って、そのような短い時間内で遊技球は大入賞口に入賞する可能性は極めて低い。この実施の形態では、ラウンド時間が経過する前に遊技球が大入賞口に入賞することはないという前提で制御が実行される。従って、CPU56は、カウントスイッチ23の検出信号のチェックを行わない。ただし、実際には短期間の大入賞口の開放が行われているので、カウントスイッチ23の検出信号のチェックを行うようにしてもよい。
ラウンド数カウンタが2になった場合には(ステップS425のY)、CPU56は、大当り終了処理(ステップS307)に移行する(ステップS426)。大当り終了処理では、エンディング#3コマンドが送信される。なお、大当り終了処理は短時間で終了し、遊技状態は大当り終了演出中処理に移行する。
このように、2ラウンドの大当りでは、大入賞口(開閉板20)を短期間において2回開閉する。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からのエンディング#3指定コマンドの受信に応じて、可変表示装置9、スピーカ27およびランプ28a〜28c等の演出装置を用いて2ラウンドの確変大当りが終了することを遊技者に報知するエンディング演出(大当り終了表示)を所定期間実行する。この2ラウンド用のエンディング演出は、15ラウンド用のエンディング演出とは異なる態様の特別な演出であるのが好ましい。例えば、15ラウンド用のエンディング演出では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、可変表示装置9に大当りの終了を示す文字(「またね!」)などを表示するのに対して、2ラウンド用のエンディング演出では、可変表示装置9において特別なキャラクタを登場させたり、特別なムービー画像を表示したりする。なお、2ラウンド用のエンディング演出は、ファンファーレ#5指定コマンドの受信にもとづいて実行される突然確変用演出と連続的な演出であってもよい。また、エンディング演出が実行されているときは、スピーカ27からエンディング演出用の効果音を鳴らしたり、エンディング演出用の点灯パターンでランプ28a〜28c等を点灯させたりすることも行われる。
CPU56は、大当り終了演出中処理(ステップS308)において、大当り終了演出時間(大当り終了を遊技者に報知するエンディング演出の実行時間)を計測する。大当り終了時間が経過すると、確変大当りフラグをリセットする処理や確変フラグをセットする処理を行う。確変フラグがセットされたことによって、遊技機の遊技状態は確変状態に移行する。このように、15ラウンドの大当り遊技の実行を経ることなく遊技状態が確変状態に移行するので、遊技者は突然、確変状態に移行したように認識することになる。また、必要ならば高確率表示指定コマンドの送信処理等を行った後、特別図柄プロセスフラグを特別図柄通常処理(ステップS300)に応じた値に更新する。
なお、ここでは、2ラウンドの大当り遊技が実行された後の大当り終了演出中処理を説明したが、15ラウンドの大当り遊技が実行された後にも、同様の処理が実行される。
図25および図26は、第1再抽選演出の実行タイミングと第1再抽選演出の概略を示すタイミング図である。図25には、第1再抽選演出のみを実行することの指示および確変大当りとすることを示す情報を含むファンファーレ#7指定コマンドが送信される例が示されている。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からのファンファーレ#7指定コマンドの受信に応じて、大当り表示処理を行った後、可変表示装置9において第1再抽選演出を実行する。この間、可変表示装置9の表示画面の一部には、飾り図柄の停止図柄(この実施の形態では、非確変図柄の組み合わせとする。)が表示されている。第1再抽選演出が実行されているときに、遊技者が昇格有効期間内に図柄昇格ボタン120を押下したときには、確変大当りにもとづく大当り遊技が終了し第2再抽選演出が実行されない場合(昇格条件が成立したとき)には、表示されている飾り図柄を確変図柄(「777」)に変更して遊技者に確変状態に移行されることを報知する。昇格条件が成立しない場合には、表示されている飾り図柄を変更しない。この例では、確変大当りにもとづく大当り遊技が終了したとする。また、ファンファーレ#7指定コマンドは第2再抽選演出を実行しないことの指示するコマンドであるから、昇格条件は成立し、表示されている飾り図柄を確変図柄に変更する。可変表示装置9に停止表示された飾り図柄(非確変図柄)を確変図柄に変更することを昇格という。なお、ここでは、昇格条件を成立させるための条件に図柄昇格ボタン120の押下も含まれているが、図柄昇格ボタン120の押下を、昇格条件を成立させるための条件に含めなくてもよい。また、確変大当りにもとづく大当り遊技が終了したので遊技状態を確変状態に変更する必要があるので、遊技者が図柄昇格ボタン120を押下しなかったときでも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、表示されている飾り図柄を確変図柄に変更する。
図26には、第1再抽選演出と第2再抽選演出との双方を実行することの指示および確変大当りとすることを示す情報を含むを含むファンファーレ#9指定コマンドが送信される例が示されている。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からのファンファーレ#9指定コマンドの受信に応じて、大当り表示処理を行った後、可変表示装置9において第1再抽選演出を実行する。この間、可変表示装置9の表示画面の一部には、飾り図柄の停止図柄(この実施の形態では、非確変図柄の組み合わせとする。)が表示されている。第1再抽選演出が実行されているときに、遊技者が昇格有効期間内に図柄昇格ボタン120を押下したときには、確変大当りにもとづく大当り遊技が終了し第2再抽選演出が実行されない場合(昇格条件が成立したとき)には、表示されている飾り図柄を確変図柄(「777」)に変更して遊技者に確変状態に移行されることを報知する。昇格条件が成立しない場合には、表示されている飾り図柄を変更しない。この例では、ファンファーレ#9指定コマンドは第2再抽選演出を実行することの指示するコマンドであるから、昇格条件は成立せず、表示されている飾り図柄を変更しない。
図27は、第2再抽選演出の実行タイミングと第2再抽選演出の概略を示すタイミング図である。図27には、第2再抽選演出のみを実行することの指示と確変大当りとすることを示す情報とを含むファンファーレ#8指定コマンドが送信され、第2再抽選演出を実行することの指示を含むエンディング#5指定コマンドが送信される例が示されている。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からのエンディングコマンドの受信に応じてエンディング演出(大当り終了表示)を所定期間実行する。この例では、エンディング#5指定コマンドの受信に応じて第2再抽選演出を開始する。
第2再抽選演出が実行されているときに、遊技者が昇格有効期間内に図柄昇格ボタン120を押下したときには、確変大当りにもとづく大当り遊技が終了した後に第2再抽選演出が実行されている場合(昇格条件が成立したとき)には、表示されている飾り図柄を確変図柄(「777」)に変更して遊技者に確変状態に移行されることを報知する。昇格条件が成立しない場合には、表示されている飾り図柄を変更しない。この例では、エンディング#5指定コマンドは第2再抽選演出を実行することを指示するコマンドであるから、昇格条件が成立し、表示されている飾り図柄を確変図柄(「777」)に変更する。なお、ここでは、昇格条件を成立させるための条件に図柄昇格ボタン120の押下も含まれているが、図柄昇格ボタン120の押下を、昇格条件を成立させるための条件に含めなくてもよい。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図28は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御処理の起動間隔を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)の確認を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析する(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して可変表示装置9の表示制御を実行する。さらに、飾り図柄決定用乱数や仮停止図柄決定用乱数、大当り表示図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS706)。その後、ステップS702に移行する。
図29〜図31は、メイン処理におけるコマンド解析処理(ステップS704)を示すフローチャートである。遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、コマンド受信バッファに格納される。コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。
受信した演出制御コマンドが、可変表示装置9の表示結果がはずれであることを指定する演出制御コマンド(はずれ指定コマンド:8100(H))であれば(ステップS613)、演出制御用CPU101は、はずれ演出フラグをセットする(ステップS614)。
また、受信した演出制御コマンドが、可変表示装置9の表示結果が通常大当り(非確変大当り)であることを指定する演出制御コマンド(通常大当り指定コマンド:8111(H)〜8114(H)のいずれか)であれば(ステップS617)、演出制御用CPU101は、通常大当りが指定されたことを示す通常大当り演出フラグをセットする(ステップS618)。
また、受信した演出制御コマンドが、可変表示装置9の表示結果が確変大当りであることを指定する演出制御コマンド(確変大当り指定コマンド:8121(H)〜8124(H)のいずれか)であれば(ステップS620)、演出制御用CPU101は、確変大当りが指定されたことを示す確変大当り演出フラグをセットする(ステップS621)。
また、受信した演出制御コマンドが、突然確変大当りであることを指定する演出制御コマンド(突然確変大当り指定コマンド:8103(H))であれば(ステップS623)、演出制御用CPU101は、突然確変大当りが指定されたことを示す突然確変大当り演出フラグをセットする(ステップS624)。
また、受信した演出制御コマンドが、ファンファーレコマンド(ファンファーレ#1指定コマンド〜ファンファーレ#9指定コマンドのいずれか)であれば(ステップS631)、ファンファーレフラグをセットする(ステップS632)。さらに、受信したファンファーレコマンドがファンファーレ#2指定コマンドまたはファンファーレ#7指定コマンドであれば、第1再抽選演出フラグをセットする(ステップS633,S634)。
受信したファンファーレコマンドがファンファーレ#3指定コマンドまたはファンファーレ#8指定コマンドであれば、第2再抽選演出フラグをセットする(ステップS635,S636)。受信したファンファーレコマンドがファンファーレ#4指定コマンドまたはファンファーレ#9指定コマンドであれば、第1再抽選演出フラグおよび第2再抽選演出フラグをセットする(ステップS637,S638,S639)。
また、受信した演出制御コマンドが、変動パターン指定の演出制御コマンド(変動パターンコマンド:8000(H)〜8009(H))であれば(ステップS641)、演出制御用CPU101は、そのコマンドのEXTデータをRAMにおける変動パターンデータ格納領域に格納し(ステップS642)、変動パターン受信フラグをセットする(ステップS643)。
また、受信した演出制御コマンドが、エンディング指定の演出制御コマンド(エンディング#1指定コマンド〜エンディング#5指定コマンド)であれば(ステップS651)、演出制御用CPU101は、そのコマンドのEXTデータをRAMにおけるエンディングデータ格納領域に格納し(ステップS652)、エンディングコマンドを受信したことを示すエンディングフラグをセットする(ステップS653)。
ステップS612で読み出した受信コマンドがその他の演出制御コマンドである場合には、演出制御用CPU101は、受信コマンドに対応するフラグをセットする(ステップS654)。
図32は、図28に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S808のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):コマンド受信割込処理によって、変動パターン指定の演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を受信したか否か確認する。具体的には、変動パターンコマンドが受信されたことを示すフラグ(変動パターン受信フラグ)がセットされたか否か確認する。変動パターンコマンドを受信したら、演出制御プロセスフラグの値をステップS801に応じた値に更新する。
停止図柄決定処理(ステップS801):飾り図柄の停止図柄を決定する。そして、演出制御プロセスフラグの値をステップS802に応じた値に更新する。
飾り図柄変動開始処理(ステップS802):飾り図柄の変動が開始されるように制御する。また、変動時間タイマに変動時間に相当する値を設定し、使用するプロセステーブルを選択するとともに、プロセステーブルの最初に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する。そして、演出制御プロセスフラグの値をステップS803に応じた値に更新する。
飾り図柄変動中処理(ステップS803):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミングを制御するとともに、変動時間の終了を監視する。変動時間タイマがタイムアウトしたら、演出制御プロセスフラグの値をステップS804に応じた値に更新する。
飾り図柄変動停止処理(ステップS804):遊技制御用マイクロコンピュータ560からの飾り図柄停止指定コマンドを受信したことに応じて、飾り図柄の変動を停止し停止図柄(確定図柄)を導出表示する制御を行う。なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101が、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの飾り図柄停止指定コマンドの受信に応じて飾り図柄を停止表示する制御を行うが、このような構成に限られず、変動時間タイマがタイムアップしたことのみにもとづいて飾り図柄を停止表示する制御を行うようにしてもよい。そして、大当り遊技を行う場合には、演出制御プロセスフラグの値をステップS805に応じた値に更新する。そうでない場合には、演出制御プロセスフラグの値をステップS800に応じた値に更新する。
大当り表示処理(ステップS805):変動時間の終了後、大当り表示の制御を行う。すなわち、ファンファーレ演出を実行する。そして、演出制御プロセスフラグの値をステップS806に応じた値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS806):ラウンド中の表示制御を行う。例えば、大入賞口が開放中であることを示す大入賞口開放中表示コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行う。大入賞口が開放後(閉鎖中)であることを示す大入賞口開放後表示コマンドを受信したら、演出制御プロセスフラグの値をステップS807に応じた値に更新する。
ラウンド後処理(ステップS807):ラウンド間の表示制御を行う。例えば、インターバル表示を行う。また、大当りの終了を指定するエンディングコマンドを受信していたら、演出制御プロセスフラグの値をステップS808に応じた値に更新する。そうでない場合には、演出制御プロセスフラグの値をステップS806に応じた値に更新する。
大当り終了表示処理(ステップS808):大当り遊技の終了時の大当り終了演出表示の制御を行う。エンディングコマンドで第2再抽選演出の実行が指定されていた場合には、第2再抽選演出を実行する。エンディングコマンドで第2再抽選演出の実行が指定されていない場合には、エンディング演出として大当りの終了を報知する演出のみを行う。そして、演出制御プロセスフラグの値をステップS800に応じた値に更新する。
図33は、プロセステーブルの一構成例を示す説明図である。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様が記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で飾り図柄を変動表示させる制御を行う。
また、演出制御用CPU101は、表示制御実行データにもとづく制御と同様に、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけランプ制御実行データにもとづいて各種ランプの点灯状態を制御し、音番号データを音声出力基板70に出力する。
図33に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じた変動態様のそれぞれに応じて用意されている。また、飾り図柄を変動表示させる場合だけでなく、再抽選演出を実行する場合等にもプロセステーブルが用いられる。
図34は、演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターン受信フラグがセットされたか否か確認する(ステップS791)。セットされていない場合には、ステップS795に移行する。セットされていたら、そのフラグをリセットする(ステップS792)。そして、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドで指定された内容(変動時間)にもとづいて、飾り図柄の変動態様を決定する(ステップS793)。その後、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を停止図柄決定処理(ステップS801)に対応した値に変更する(ステップS794)。
ステップS795では、演出制御用CPU101は、エンディングコマンド(エンディング#1指定コマンド〜エンディング#5指定コマンドのいずれか)が受信されているか否か確認する。エンディングコマンドが受信されていることを確認した場合には、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS807)に対応した値に変更する(ステップS796)。
なお、ステップS795,S796の処理は、停電等にもとづく電力供給の停止が発生した後に電力供給が復旧した場合を考慮した処理である。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560がファンファーレコマンドを送信した後エンディングコマンドを送信する前に電力供給の停止が発生し、その後電力供給が復旧した場合に、RAM55に正常に記憶内容が保存されていたことを条件に、電力供給が停止したときの状態から遊技制御処理を続行する。その場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、エンディングコマンドを送信する。ところが、演出制御用マイクロコンピュータ100は、RAMが電源バックアップされていないので、電力供給が復旧した場合に初期状態に戻る。すなわち、ステップS800の処理(変動パターン受信待ち処理)を実行する状態になる。そこで、変動パターン受信待ち処理中に、エンディングコマンドが受信されているか否かも確認する。
また、そのような制御を行うことによって、演出制御用マイクロコンピュータ100における第2移行報知演出実行手段は、例えば特定遊技状態開始コマンド(ファンファーレコマンド)が受信されなかったときでも特定遊技状態終了コマンド(エンディングコマンド)にもとづいて可変表示装置9により第2再抽選演出を実行することができる上に(これについては後述する)、例えば特定遊技状態開始コマンドが受信されてから特定遊技状態終了コマンドが受信されるまでに遊技機への電力供給が停止したときには遊技機への電力供給が復旧した後、特定遊技状態終了コマンドにもとづいて可変表示装置9により第2再抽選演出を実行することができるようになる。すなわち、本発明では、第2再抽選演出の実行の指示を異なる時点に送信される複数のコマンド(この実施の形態では、ファンファーレコマンドおよびエンディングコマンド)で行うことから、複数のコマンドのうちの1つのコマンドが受信できなかったような場合や、例えばファンファーレコマンドを受信した後エンディングコマンドを受信する前に停電が生じたような場合でも、複数のコマンドのうちの他のコマンドの受信にもとづいて第2再抽選演出が実行され、遊技者に確変状態への移行を報知できる。
図35は、演出制御プロセス処理における停止図柄決定処理(ステップS801)を示すフローチャートである。停止図柄決定処理において、演出制御用CPU101は、はずれ指定コマンドを受信しているか否か確認する(ステップS841)。はずれ指定コマンドを受信しているか否かは、はずれ指定演出フラグがセットされているか否かによって確認される。はずれ指定コマンドを受信している場合には、ステップS851に移行する。
はずれ指定コマンドを受信していない場合には、通常大当り指定コマンドを受信しているか否か確認する(ステップS842)。通常大当り指定コマンドを受信していない場合には、ステップS844に移行する。なお、通常大当り指定コマンドを受信したか否かは、通常大当り演出フラグがセットされているか否かによって確認される。通常大当り指定コマンドを受信している場合には、飾り図柄の停止図柄を非確変図柄(「777」および「333」以外)にすることに決定する(ステップS843)。また、決定した飾り図柄の停止図柄をRAMにおける飾り図柄格納領域に格納する。そして、ステップS854に移行する。
ステップS844では、確変大当り指定コマンドを受信しているか否か確認する。なお、確変大当り指定コマンドを受信したか否かは、確変大当り演出フラグがセットされているか否かによって確認される。確変大当り指定コマンドを受信していない場合には、ステップS848に移行する。確変大当り指定コマンドを受信している場合には、受信した確変大当り指定コマンドが再抽選演出を実行しないことを示す確変大当り#1指定コマンドであるか否か確認する(ステップS845)。確変大当り#1指定コマンドであるとき、すなわち、確変大当りであるが第1再抽選演出も第2再抽選演出も実行しないことが指定されているときには、飾り図柄の停止図柄を確変図柄(「777」)にすることに決定する(ステップS846)。また、決定した飾り図柄の停止図柄をRAMにおける飾り図柄格納領域に格納する。そして、ステップS854に移行する。なお、ステップS845の確認処理を行うには、例えば図29に示すステップS621で、受信した確変大当り指定コマンドの種類に応じたフラグをセットし、ステップS845でそのフラグを確認すればよい。
第1再抽選演出フラグまたは第2再抽選演出フラグがセットされている場合には、飾り図柄の停止図柄(最終停止図柄ではなく仮停止図柄)を非確変図柄(「777」および「333」を除く)にすることに決定する(ステップS845,S847)。また、決定した飾り図柄の停止図柄をRAMにおける飾り図柄格納領域に格納する。そして、ステップS854に移行する。
ステップS848では、突然確変大当り指定コマンドを受信しているか否か確認する。突然確変大当り指定コマンドを受信したか否かは、突然確変大当り演出フラグがセットされているか否かによって確認される。突然確変大当り指定コマンドを受信していない場合には、処理を終了する。突然確変大当り指定コマンドを受信している場合には、飾り図柄の停止図柄を確変図柄(「333」)にすることに決定する(ステップS849)。また、決定した飾り図柄の停止図柄をRAMにおける飾り図柄格納領域に格納する。そして、ステップS854に移行する。なお、この実施の形態では、突然確変大当りに対応した大当り表示図柄は、確変大当り(突然確変大当りを除く)とは別の左中右が揃った図柄(この例では「333」)であるが、突然確変大当りに対応した大当り表示図柄ついては、大当りの発生を容易に認識させないようにするために、左中右の飾り図柄が同一図柄で揃っていない状態でもよい。例えば「357」のように奇数の特定の図柄が並んだ状態で表示されるようにしてもよい。確変図柄は一般に奇数であるから、左中右の飾り図柄が同一図柄で揃っていなくても、遊技者に不審感を与えてないようにすることができる。また、この実施の形態では、飾り図柄の停止図柄は演出制御用マイクロコンピュータ100によって決定されるが、突然確変大当りに対応した大当り表示図柄を左中右の飾り図柄が揃った状態にしない場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、はずれ図柄として、突然確変大当りに対応した大当り表示図柄を選択しないようにする。
ステップS851では、演出制御用CPU101は、どの変動パターンコマンドを受信しているか確認する。変動パターン1(変動パターン#1指定:2バイト目が00(H)の変動パターンコマンド)または変動パターン10(変動パターン#10指定:2バイト目が09(H)の変動パターンコマンド)の変動パターンコマンドを受信している場合、すなわちリーチにしない場合には、飾り図柄の停止図柄を左右不一致の組み合わせの図柄にすることに決定する(ステップS852)。また、決定した飾り図柄の停止図柄をRAMにおける飾り図柄格納領域に格納する。そして、ステップS854に移行する。その他の変動パターンコマンドを受信している場合、すなわちリーチにする場合には、飾り図柄の停止図柄を左右一致の組み合わせの図柄(左中右一致にはしない。)にすることに決定する(ステップS853)。また、決定した飾り図柄の停止図柄をRAMにおける飾り図柄格納領域に格納する。そして、ステップS854に移行する。
ステップS854では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS802)を示す値に更新する。
図36は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動開始処理(ステップS802)を示すフローチャートである。飾り図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、まず、使用する飾り図柄の変動パターンに応じたプロセステーブルを選択する(ステップS821)。そして、選択したプロセステーブルにおけるプロセスデータ1のプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS822)。次いで、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(可変表示装置9、各種ランプ、スピーカ27)の制御を実行する(ステップS823)。例えば、可変表示装置9において変動態様に応じた画像を表示させるために、VDP109に制御信号を出力する。また、各種ランプの点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
その後、演出制御用CPU101は、変動時間タイマ(飾り図柄の変動時間に応じたタイマ)をスタートし(ステップS824)、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(ステップS803)を示す値に更新する(ステップS825)。
図37は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動中処理(ステップS803)を示すフローチャートである。飾り図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしていないかどうかを確認する(ステップS831)。変動時間タイマがタイムアウトしていれば、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(ステップS804)を示す値に更新する(ステップS839)。
変動時間タイマがタイムアウトしていなければ、演出制御用CPU101は、プロセスタイマを1減算するとともに(ステップS832)、変動時間タイマを1減算する(ステップS833)。そして、演出制御用CPU101は、プロセスデータi(図33に例示されたプロセスデータ1〜nのうち現在使用しているプロセスデータ)の内容に従って演出装置(可変表示装置9、各種ランプ、スピーカ27)の制御を実行する(ステップS834)。また、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認する(ステップS835)。プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS836)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS837)。また、次のプロセスデータの内容に従って演出装置(可変表示装置9、各種ランプ、スピーカ27)の制御を実行する(ステップS838)。
図38は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動停止処理(ステップS804)を示すフローチャートである。飾り図柄変動停止処理において、演出制御用CPU101は、飾り図柄の変動停止を指示する演出制御コマンド(飾り図柄停止指定コマンド)を受信しているか否か確認する(ステップS871)。飾り図柄停止指定コマンドを受信していれば、飾り図柄格納領域に格納されている停止図柄を停止表示させる(ステップS872)。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101が、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの飾り図柄停止指定コマンドの受信に応じて飾り図柄を停止表示する制御を行うが、このような構成に限られず、変動時間タイマがタイムアップしたことにもとづいて飾り図柄を停止表示する制御を行うようにしてもよい。
そして、ステップS872で大当り図柄を表示しない場合(すなわち、はずれ図柄を表示する場合:ステップS873のN)は、演出制御用CPU101は、所定のフラグ(例えば飾り図柄停止指定コマンドに応じたフラグがセットされるときは、そのフラグ)をリセットし(ステップS880)、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する(ステップS881)。
ステップS872で大当り図柄を表示する場合には(ステップS873のY)、演出制御用CPU101は、ファンファーレフラグがセットされているか否か確認する(ステップS874)。ファンファーレフラグがセットされているとき(ファンファーレコマンドを受信しているとき)には、演出制御用CPU101は、受信したファンファーレコマンドの種類に応じて、大当り表示演出として、15ラウンドの大当り用のファンファーレ演出または突然確変用演出(2ラウンドの大当り用のファンファーレ演出)を選択する(ステップS875)。ファンファーレフラグがセットされていないときには、処理を終了する。
具体的には、ファンファーレ#5指定コマンドを受信している場合には、大当り表示演出として突然確変用演出を選択する。その他のファンファーレコマンドを受信している場合には、大当り表示演出として15ラウンドの大当り用のファンファーレ演出を選択する。
そして、演出制御用CPU101は、ステップS875で選択した15ラウンド用のファンファーレ演出または突然確変用演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS876)。さらに、大当り用のファンファーレ演出(大当り表示演出)または突然確変用演出(突然確変用の大当り表示演出)の演出期間に応じた値を計測タイマに設定する(ステップS877)。ここで、突然確変用演出の演出期間に応じた値は、大当り表示演出の期間に応じた値に、さらに2ラウンドの大当り遊技の期間が加えられた値にする。
また、演出制御用CPU101は、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS878)、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS805)に対応した値に更新する(ステップS879)。
図39は、演出制御プロセス処理における大当り表示処理(ステップS805)を示すフローチャートである。大当り表示処理において、演出制御用CPU101は、計測タイマの値が0になっている否か確認する(ステップS901)。計測タイマの値が0になっていなければ、計測タイマの値を−1してから計測タイマの値が0になっているか否か確認する(ステップS902,S903)。計測タイマの値が0になっている場合には、第1再抽選演出ラウンド決定処理を実行する(ステップS904)。
そして、演出制御用CPU101は、プロセスタイマを−1する(ステップS905)。また、プロセスデータi(図33に例示されたプロセスデータ1〜nのうち現在使用しているプロセスデータ)の内容に従って演出装置(可変表示装置9、各種ランプ、スピーカ27)の制御を実行する(ステップS906)。さらに、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認する(ステップS907)。プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS908)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS909)。
ステップS901で計測タイマがタイムアップしている(0になっている)ことを確認したら、演出制御用CPU101は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から大入賞口開放中表示コマンドを受信しているか否か確認する(ステップS911)。大入賞口開放中表示コマンドが受信されていない場合には、ステップS914に移行する。大入賞口開放中表示コマンド(ラウンド開始を指定するコマンド)が受信されている場合には、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中表示コマンドの内容にもとづいてラウンド中演出(ラウンド数に応じたラウンド表示を実行する演出)を行う(ステップS912)。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS806)に対応した値に更新する(ステップS913)。
ステップS914では、演出制御用CPU101は、突然確変大当りフラグがセットされているか否か確認する。突然確変大当りフラグがセットされていなければ、処理を終了する。突然確変大当りフラグがセットされている場合には、エンディング#3指定コマンドを受信しているか否か確認する(ステップS915)。エンディング#3指定コマンドを受信していなければ、処理を終了する。エンディング#3指定コマンドを受信している場合には、可変表示装置9に突然確変を報知する表示を行い(ステップS916)、計測タイマに、2Rのエンディング演出(大当り終了演出)期間に相当する値をセットする(ステップS917)。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了表示処理(ステップS808)に対応した値に更新する(ステップS918)。なお、2Rのエンディング演出の期間は、第2再抽選演出期間よりも短い。
なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然確変大当り遊技中では、大入賞口開放中表示コマンドを送信しない。また、演出制御用CPU101は、突然確変大当り遊技がなされる場合には、大当り表示の開始時に、計測タイマに、(大当り表示の期間+大当り遊技の期間)に相当する値を設定する(ステップS877)。よって、計測タイマがタイムアップしたときには、2ラウンドの大当り遊技(突然確変大当り遊技)は終了している。従って、ステップS914〜S917の処理が実行される。また、突然確変大当り遊技中には、演出制御用CPU101は、ラウンド中処理(ステップS806)およびラウンド後処理(ステップS807)を実行しない。なお、この実施の形態では、突然確変大当り遊技は2ラウンドで構成されているが、通常の大当り遊技(突然確変大当り遊技ではない大当り遊技)と同様の大入賞口の開放回数および開放時間にしてもよい。また、突然確変大当り遊技を、大入賞口の開放時間もしくは開放回数、または開放時間と開放回数の双方は15ラウンドの場合とは異なるが、15ラウンドの場合と同様に、ラウンド中処理およびラウンド後処理(ただし、2ラウンドに対応する2回ずつ)を実行するようにしてもよい。
図40は、第1再抽選演出ラウンド決定処理(ステップS904)を示すフローチャートである。第1再抽選演出ラウンド決定処理とは、第1再抽選演出を実行するか否かと、実行する場合に15ラウンドにおけるどのラウンドにおいて第1再抽選演出を実行するのかとを決定する処理である。なお、この実施の形態では、8ラウンドまたは12ラウンドにおいて第1再抽選演出が実行される。従って、第1再抽選演出を実行する場合には、演出制御用CPU101は、8ラウンドと12ラウンドとのいずれにおいて第1再抽選演出を実行するのかを決定する。
第1再抽選演出ラウンド決定処理において、演出制御用CPU101は、第1再抽選演出フラグがセットされているか否か確認する(ステップS921)。なお、第1再抽選演出フラグは、第1再抽選演出を実行することを示しているファンファーレコマンドを受信したときにセットされている(ステップS634,S638)。第1再抽選演出フラグがセットされていない場合には、処理を終了する。
第1再抽選演出フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、第2再抽選演出フラグがセットされているか否か確認する(ステップS922)。なお、第2再抽選演出フラグは、第2再抽選演出を実行することを示しているファンファーレコマンドを受信したときにセットされている(ステップS636,S639)。
第2再抽選演出フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、第1再抽選演出を8ラウンド中に実行するのか12ラウンド中に実行するのか決定する(ステップS923)。なお、演出制御用CPU101は、例えば、第1再抽選演出ラウンド決定用乱数を発生させ、乱数の値と判定値とを比較することによって8ラウンド中に実行するのか12ラウンド中に実行するのか決定する。
第2再抽選演出フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、第1再抽選演出を8ラウンド中に実行するのか12ラウンド中に実行するのか決定する(ステップS924)。そして、演出制御用CPU101は、ファンファーレ#7指定コマンド(確変大当り遊技を開始し、第1再抽選のみを行うことを指定する演出制御コマンド)を受信している場合には(ステップS925)、昇格フラグをセットする(ステップS926)。ファンファーレ#7指定コマンドを受信していない場合(この例では、大当り遊技終了時に確変状態に移行させない通常大当り遊技を開始し、第1再抽選のみを行うことを指定する演出制御コマンドであるファンファーレ#2指定コマンドを受信している場合)には、処理を終了する。
なお、昇格フラグとは、第1再抽選演出の実行が終了したときに、可変表示装置9に停止表示されている非確変図柄を確変図柄に変更することを意味するフラグである。すなわち、演出制御用CPU101は、昇格フラグがセットされている場合には、第1再抽選演出の実行が終了したときに停止表示されている飾り図柄を確変図柄に変更する。そのような制御を行うことによって、確変大当り遊技中に第1再抽選演出によって飾り図柄が確変図柄に変更される。
また、昇格フラグがセットされていない場合には、第1再抽選演出の実行が終了したときに、可変表示装置9に停止表示されている非確変図柄を確変図柄に変更しない。すなわち、演出制御用CPU101は、昇格フラグがセットされていない場合には、第1再抽選演出の実行が終了したときに停止表示されている飾り図柄を確変図柄に変更しない。そのような制御を行うことによって、第2再抽選演出を実行することになっている場合に、第1再抽選演出によって飾り図柄が確変図柄に変更されないようにする。第1再抽選演出によって飾り図柄が確変図柄に変更されてしまうと、第2再抽選演出を行う意義がないからである。
図41は、第1再抽選演出の一例を示す説明図である。図41には、大当り遊技中の8ラウンド中と12ラウンド中との双方において第1再抽選演出が実行される例が示されている。しかし、この実施の形態では、8ラウンド中と12ラウンド中とのいずれかにおいて第1再抽選演出が実行される。
図41に示す例では、飾り図柄の変動時間が経過すると、演出制御用CPU101は、可変表示装置9に大当り図柄として非確変図柄を表示する((a)参照)。そして、演出制御用CPU101は、大当り遊技中において非確変図柄の可変表示装置9における表示を継続する((b)〜(i)参照)。また、各ラウンドにおいてラウンド数を表す表示を行う。
図41には、8ラウンド中に第1再抽選演出が実行されることが示されているが((c),(d),(e)参照)、その第1再抽選演出において、演出制御用CPU101は、可変表示装置9においてカードゲームが行われているかのような演出表示を行う。そして、昇格フラグがセットされていない場合には、あらかじめ決められてる所定期間(昇格有効期間ともいう。)が経過したときに、第1再抽選結果として、3枚のカードの絵柄を揃えないで可変表示装置9に表示するとともに、可変表示装置9に、停止図柄が確変図柄に変更されないことを報知する表示(図41に示す例では「残念」)を行う。昇格フラグがセットされている場合には、昇格有効期間が経過したときに、第1再抽選結果として、3枚のカードの絵柄を揃えて可変表示装置9に表示するとともに、可変表示装置9に、停止図柄が確変図柄に変更されることを報知する表示(例えば「確変」)を行う。
また、図41には、12ラウンド中に第1再抽選演出が実行されることが示されているが((g),(h),(i)参照)、その第1再抽選演出において、演出制御用CPU101は、可変表示装置9において円形のルーレットが回転するような演出表示を行うとともに、矢のようなものを可変表示装置9に表示する。ルーレットの内部には、停止図柄が確変図柄に変更されることを想起させる情報(図41に示す例では「確変」)を表示する領域が設けられている。
そして、昇格有効期間内において遊技者が図柄昇格ボタン120を押下し、かつ、昇格フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、第1再抽選結果として、矢のようなものが、停止図柄が確変図柄に変更されることを想起させる情報を表示する領域に刺さったような表示を行う。昇格フラグがセットされていない場合には、遊技者が図柄昇格ボタン120を押下したときに、第1再抽選結果として、矢のようなものが、停止図柄が確変図柄に変更されることを想起させる情報を表示する領域以外の領域に刺さったような表示を行う。また、昇格フラグがセットされていない場合に、遊技者が図柄昇格ボタン120を押下しなかったときには、昇格有効期間が経過したときに、第1再抽選結果として、矢のようなものが、停止図柄が確変図柄に変更されることを想起させる情報を表示する領域以外の領域に刺さったような表示を行う。
なお、昇格フラグがセットされている場合には、昇格有効期間内において遊技者が図柄昇格ボタン120を押下しなかったときでも、演出制御用CPU101は、矢のようなものが、停止図柄が確変図柄に変更されることを想起させる情報を表示する領域に刺さったような表示を行う。
図42は、演出制御プロセス処理におけるラウンド中処理(ステップS806)を示すフローチャートである。なお、突然確変大当り遊技の実行中には、ラウンド中処理は実行されない。
ラウンド中処理において、演出制御用CPU101は、ラウンドが終了したことを意味する大入賞口開放後表示コマンドを受信したか否か確認する(ステップS931)。大入賞口開放後表示コマンドを受信した場合には、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS807)に対応した値に更新する(ステップS933)。大入賞口開放後表示コマンドを受信していない場合には、エンディングコマンドを受信したか否か確認する(ステップS932)。エンディングコマンドを受信した場合には、ステップS933に移行する。
エンディングコマンドを受信していない場合には、演出制御用CPU101は、8ラウンド中に実行される第1再抽選演出(8R用第1再抽選演出:図41(c)〜(e)参照)が実行されているか否か確認する(ステップS934)。8R用第1再抽選演出を実行していない場合には、ステップS941に移行する。なお、8R用第1再抽選演出を実行している状態であるか否かは、ラウンド後処理(ステップS807)において設定される。
8R用第1再抽選演出を実行している場合には、演出制御用CPU101は、昇格有効期間タイマを−1する(ステップS935)。昇格有効期間タイマがタイムアウトしていない場合(0になっていない場合)には(ステップS936)、ステップS947に移行する。昇格有効期間タイマがタイムアウトしている場合には、可変表示装置9に、第1再抽選結果を表示する(ステップS937、図41の(e)参照)。そして、8R用第1再抽選演出の非実行中に設定する(ステップS938)。
ステップS941では、演出制御用CPU101は、12ラウンド中に実行される第1再抽選演出(12R用第1再抽選演出:図41(g)〜(i)参照)が実行されているか否か確認する。12R用第1再抽選演出を実行していない場合には、処理を終了する。なお、12R用第1再抽選演出を実行している状態であるか否かは、ラウンド後処理(ステップS807)において設定される。
12R用第1再抽選演出を実行している場合には、演出制御用CPU101は、図柄昇格ボタン120が押下されたか否か確認する(ステップS942)。図柄昇格ボタン120が押下されていない場合には、昇格有効期間タイマを−1する(ステップS943)。昇格有効期間タイマがタイムアウトしていない場合(0になっていない場合)には(ステップS944)、ステップS947に移行する。昇格有効期間タイマがタイムアウトしている場合には、可変表示装置9に、第1再抽選結果を表示する(ステップS945、図41の(i)参照)。そして、12R用第1再抽選演出の非実行中に設定し(ステップS946)、処理を終了する。
ステップS947では、プロセスタイマを−1する。また、プロセスデータi(図33に例示されたプロセスデータ1〜nのうち現在使用しているプロセスデータ)の内容に従って演出装置(可変表示装置9、各種ランプ、スピーカ27)の制御を実行する(ステップS948)。さらに、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認する(ステップS949)。プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS950)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS951)。
なお、この実施の形態では、昇格有効期間(第1再抽選演出期間よりも短い。)が経過すると第1再抽選演出の結果が可変表示装置9に表示されるが、第1再抽選演出期間が経過したときに第1再抽選演出の結果を表示するようにしてもよい。
図43および図44は、演出制御プロセス処理におけるラウンド後処理(ステップS807)を示すフローチャートである。ラウンド後処理において、演出制御用CPU101は、大入賞口開放後表示コマンドを受信しているか否か確認する(ステップS961)。なお、ラウンド中処理において、大入賞口開放後表示コマンドを受信した場合またはエンディングコマンドを受信した場合に演出制御用CPU101はラウンド後処理を開始するので(図42のステップS931〜S933参照)、ステップS961において大入賞口開放後表示コマンドを受信していないことを確認した場合には、エンディングコマンドを受信していることになる。
大入賞口開放後表示コマンドを受信している場合すなわち大入賞口開放後表示コマンド受信後である場合には。ステップS962に移行する。大入賞口開放後表示コマンドを受信していない場合すなわちエンディングコマンドを受信した場合には、ステップS981に移行する。
ステップS962において、演出制御用CPU101は、次ラウンドの開始を示す大入賞口開放中表示コマンドを受信したか否か確認する。受信していない場合には、処理を終了する。大入賞口開放中表示コマンドを受信している場合には、RAMに形成されているラウンド数カウンタの値を+1する(ステップS963)。そして、第1再抽選演出フラグがセットされている場合(ファンファーレ#2、#4、#7または#9指定コマンドを受信している場合、図30参照)には、ラウンド数カウンタの値が7になっているか否か確認する(ステップS964,S965)。第1再抽選演出フラグがセットされていない場合には、ステップS976に移行する。ラウンド数カウンタの値が7になっていない場合には、ステップS971に移行する。なお、ラウンド数カウンタはラウンドの終了後に+1されるので、7になっているということは、7ラウンドが終了し、次に8ラウンドが開始されることを意味する。また、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、ステップS965において、ラウンド数カウンタの値を判定しているが、大入賞口開放中表示コマンドが示すラウンド数が8になっているか否か判定するようにしてもよい。
ラウンド数カウンタの値が7になっている場合には、演出制御用CPU101は、8ラウンドにおいて第1再抽選演出を実行することに決定されているか否か(図40のステップS923,S924参照)確認する(ステップS966)。8ラウンドにおいて第1再抽選演出を実行することに決定されていないことを確認した場合には、ステップS976に移行する。8ラウンドにおいて第1再抽選演出を実行することに決定されている場合には、制御状態を8R用第1再抽選演出を実行している状態に設定する(ステップ967)。具体的には、例えば、8R用第1再抽選演出を実行している状態を示すフラグをRAMにセットする。その場合には、演出制御用CPU101は、ラウンド中処理におけるステップS934において、そのフラグがセットされているか否かによって、8R用第1再抽選演出を実行している状態であるか否か判定する。
さらに、演出制御用CPU101は、8R用第1再抽選演出に応じたプロセスデータを選択し(ステップS968)、昇格有効時間タイマに昇格有効時間に応じた値を設定する(ステップS969)。そして、ステップS976に移行する。
ステップS971では、演出制御用CPU101は、ラウンド数カウンタの値が11になっているか否か確認する。ラウンド数カウンタの値が11になっている場合には、演出制御用CPU101は、12ラウンドにおいて第1再抽選演出を実行することに決定されているか否か(図40のステップS923,S924参照)確認する(ステップS972)。12ラウンドにおいて第1再抽選演出を実行することに決定されていないことを確認した場合には、ステップS976に移行する。12ラウンドにおいて第1再抽選演出を実行することに決定されている場合には、制御状態を12R用第1再抽選演出を実行している状態に設定する(ステップS973)。具体的には、例えば、12R用第1再抽選演出を実行している状態を示すフラグをRAMにセットする。その場合には、演出制御用CPU101は、ラウンド中処理におけるステップS941において、そのフラグがセットされているか否かによって、12R用第1再抽選演出を実行している状態であるか否か判定する。
さらに、演出制御用CPU101は、12R用第1再抽選演出に応じたプロセスデータを選択し(ステップS974)、昇格有効時間タイマに昇格有効時間に応じた値を設定する(ステップS975)。そして、ステップS976に移行する。
ステップS976では、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中表示コマンドの内容にもとづいてラウンド中演出(ラウンド数に応じたラウンド表示を実行する演出)を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS806)に対応した値に更新する(ステップS977)。
ステップS981では、演出制御用CPU101は、第2再抽選演出フラグがセットされているか否か確認する。第2再抽選演出フラグは、ファンファーレ#3、#4、#8または#9指定コマンドを受信したときにセットされている(図30におけるステップS636,S639参照)。第2再抽選演出フラグがセットされている場合には、ステップS983に移行する。第2再抽選演出フラグがセットされていない場合には、第2再抽選演出の実行を指定することを示すエンディング#2指定コマンドまたはエンディング#5指定コマンドを受信しているか否か確認する(ステップS982)。いずれも受信していなければステップS990に移行する。
ステップS982の処理を実行することによって、ファンファーレコマンドで第2再抽選演出の実行を指定することが指定されていなくても、エンディングコマンドで第2再抽選演出の実行を指定することが指定されている場合には、第2再抽選演出が実行されることになる。また、ファンファーレコマンドが受信されなかったときにはエンディングコマンドにもとづいて可変表示装置9において第2再抽選演出を実行することができることになる。
ステップS983では、演出制御用CPU101は、確変大当りの情報を含むファンファーレ#8指定コマンドもしくはファンファーレ#9指定コマンドを受信している場合、またはエンディング#5指定コマンドを受信している場合には、昇格フラグをセットする。昇格フラグの意味合いは、既に説明したとおりである。
さらに、演出制御用CPU101は、第2再抽選演出に応じたプロセスデータを選択し(ステップS984)、計測タイマに、第2再抽選演出期間に応じた値を設定する(ステップS985)。また、昇格有効時間タイマに昇格有効時間に応じた値を設定する(ステップS986)。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了表示処理(ステップS808)に対応した値に更新する(ステップS987)。
ステップS990では、演出制御用CPU101は、第2再抽選演出を実行せず通常大当り遊技を終了することを示すエンディング#1コマンドを受信しているか否か確認する。エンディング#1コマンドを受信していない場合には、ステップS993に移行する。エンディング#1コマンドを受信していたら、可変表示装置9で通常大当りの報知を開始し(ステップS991)、計測タイマに、通常大当りの演出期間(第2再抽選演出期間よりも短い)に応じた値を設定する(ステップS992)。そして、ステップS987に移行する。
エンディング#1コマンドを受信していない場合には、第2再抽選演出を実行せず確変大当り遊技を終了することを示すエンディング#4コマンドを受信していたことになる。なお、この実施の形態では、突然確変大当りに対応するエンディング#3コマンドを受信した場合には、ラウンド後処理は実行されない(図39のステップS915〜S918参照)。
ステップS993では、演出制御用CPU101は、可変表示装置9で確変大当りの報知を開始し、計測タイマに、確変大当りの演出期間(第2再抽選演出期間よりも短い)に応じた値を設定する(ステップS994)。そして、ステップS987に移行する。
なお、ステップS968,S974,S983でプロセスデータを選択したときに、演出制御用CPU101は、プロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせ、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に従って演出制御を開始する。また、第2再抽選演出を伴わない通常大当りおよび確変大当りの報知を行うときにも(ステップS991,S993)、その演出のために、対応するプロセスデータを選択し、選択したプロセスデータに従って演出を実行するようにしてもよい。また、ラウンド中処理において、演出制御用CPU101は、可変表示装置9等を用いてラウンド中の演出を行っているが、図42では、そのことは記載省略されている。
図45は、第2再抽選演出の一例を示す説明図である。図45に示す例では、大当り遊技が終了したときにその旨を報知する「大当り終了」の表示が可変表示装置9においてなされる((a)参照)。そして、第2再抽選演出では、左中右の飾り図柄が可変表示される((b)参照)。そして、第2再抽選演出が終了するときに、第2再抽選演出の結果が可変表示装置9に表示される。図45に示す例では、第2再抽選演出の結果として昇格したことが示されている。すなわち、可変表示装置9に確変図柄が表示され、かつ、可変表示装置9に、確変状態になることを報知する表示(図45(c)に示す例では「確変!!」)がなされる。第2再抽選演出の結果を昇格させないことにする場合には、可変表示装置9に非確変図柄が表示される。
なお、図45(c)に示すような表示は、昇格フラグがセットされているときになされ、昇格フラグがセットされていないときには、第2再抽選演出の結果を昇格させないことにして、可変表示装置9に非確変図柄が表示される。
図46は、演出制御プロセス処理における大当り終了表示処理(ステップS808)を示すフローチャートである。大当り終了表示処理において、演出制御用CPU101は、大当り終了表示(第2再抽選演出の場合がある。)の演出期間の終了を監視するための計測タイマの値を−1する(ステップS861)。計測タイマの値が0になったとき(タイムアップしたとき)には、ステップS868に移行する。
計測タイマの値が0になっていない場合には、演出制御用CPU101は、第2再抽選演出の実行中であれば(ステップS863)、昇格有効期間タイマの値を−1する(ステップS864)。昇格有効期間タイマの値が0になったとき(タイムアップしたとき)には、可変表示装置9に、第2再抽選結果を表示する(ステップS866)。すなわち、昇格フラグがセットされている場合には、可変表示装置9に停止表示される飾り図柄を確変図柄にする。また、昇格フラグがセットされていない場合には、可変表示装置9に停止表示される飾り図柄を非確変図柄にする。そして、制御状態を第2再抽選演出非実行中にして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターン受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する(ステップS987)。
なお、ステップS863では、例えば、第2再抽選演出実行中を示すフラグがセットされているか否か判定し、ステップS867では、そのフラグをリセットする。そのように制御する場合には、演出制御用CPU101は、ステップS983〜S986の処理が行われるときに、第2再抽選演出実行中を示すフラグをセットする。また、この実施の形態では、昇格有効期間(第2再抽選演出期間よりも短い。)が経過すると第2再抽選演出の結果が可変表示装置9に表示されるが、第2再抽選演出期間が経過したときに第2再抽選演出の結果を表示するようにしてもよい。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信した特定遊技状態開始コマンド(この実施の形態ではファンファーレコマンド)が第1再抽選演出(特定遊技状態の開始後特定遊技状態が終了する前に実行される第1の移行報知演出に相当)の実行を示しているときに、可変表示装置9で第1再抽選演出を実行し、特定遊技状態開始コマンドが第1再抽選演出の実行および第2再抽選演出(特定遊技状態を終了するときに実行される第2の移行報知演出に相当)の実行を示しているときには、特定遊技状態開始コマンドが確変大当りとなることを示しているときでも、第1再抽選演出において確変状態への移行を報知することを禁止する(具体的には、昇格フラグをセットしない)ので、第1再抽選演出によって確変状態への移行を報知したにも関わらず第2再抽選演出を実行して遊技者に不審感を与えるようなことはない。
また、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信した大当り開始コマンド(ファンファーレコマンド)と大当り終了コマンド(エンディングコマンド)との少なくとも一方が第2再抽選演出の実行を示しているときに、可変表示装置9で第2再抽選演出を実行する(図44のステップS981,S982参照)。なお、ステップS981で判定される第2再抽選演出フラグは、ファンファーレコマンドの受信にもとづいてセットされている。
実施の形態2.
上記の実施の形態(第1の実施の形態)では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した特定遊技状態開始コマンド(ファンファーレコマンド)にもとづいて第1再抽選演出において確変状態への移行を報知することを禁止するか否か決定したが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する他のコマンドにもとづいて第1再抽選演出において確変状態への移行を報知することを禁止するか否か決定してもよい。この実施の形態(第2の実施の形態)では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する大入賞口開放中表示コマンド(ラウンド開始を示す演出制御コマンド)にもとづいて第1再抽選演出において確変状態への移行を報知することを禁止するか否か決定する。
図47は、第2の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御基板80に送出される演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図47に示す例では、図10に示す第1の実施の形態における演出制御コマンドの内容の例に比べると、大入賞口開放中表示コマンドが、確変大当り/通常大当り/突然確変大当りとするか、第1再抽選演出を実行するか否か、および第2再抽選演出を実行するか否かに応じて、大入賞口開放中表示#1〜#4,#6〜#9のコマンドに分けられていることが相違している。なお、第1の実施の形態の場合と同様に、2ラウンドの大当り遊技については、大入賞口開放中表示コマンドは送信されない。
また、この実施の形態では、ファンファーレコマンドは、1つに集約されている。
次に、この実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的にはCPU56)および演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には演出制御用CPU101)の動作を説明する。なお、遊技機のハードウェア構成は、第1の実施の形態の場合と同じである。
図48は、この実施の形態におけるCPU56が実行する特別図柄プロセス処理における大入賞口開放前処理(ステップS305)を示すフローチャートである。図19に示す第1の実施の形態における大入賞口開放前処理のステップS404とは異なり、この実施の形態では、ステップS404Aの処理が実行される。
図49は、ステップS404Aの大入賞口開放前処理を示すフローチャートである。大入賞口開放前処理において、CPU56は、まず、確変大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS404a)。確変大当りフラグがセットされている場合には、第1再抽選実行フラグおよび第2再抽選実行フラグの状態に応じて、大入賞口開放中表示#6〜#9のコマンドのうちのいずれかを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS404b)。例えば、第1再抽選実行フラグのみがセットされている場合には、大入賞口開放中表示#7のコマンドを送信する制御を行う。
確変大当りフラグがセットされていない場合には、第1再抽選実行フラグおよび第2再抽選実行フラグの状態に応じて、大入賞口開放中表示#1〜#4のコマンドのうちのいずれかを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS404c)。例えば、第1再抽選実行フラグおよび第2再抽選実行フラグがセットされている場合には、大入賞口開放中表示#4のコマンドを送信する制御を行う。
また、この実施の形態では、CPU56は、特別図柄変動停止処理(第1の実施の形態では図18に示す処理)において、大当りフラグがセットされている場合には、常にファンファーレ指定コマンド(図47に示すB000(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う。
CPU56が実行するその他の制御は、第1の実施の形態の場合と同じである。
図50は、この実施の形態における演出制御用CPU101が実行する演出制御プロセス処理における大当り表示処理(ステップS805)を示すフローチャートである。図39に示す第1の実施の形態における大当り表示処理と比較すると、第1再抽選演出ラウンド決定処理を実行する時点が異なる。すなわち、大入賞口開放中表示コマンド(大入賞口開放中表示#1〜#9のいずれか)を受信したときに、第1再抽選演出ラウンド決定処理を実行する(ステップS911,S910)。
図51は、この実施の形態における第1再抽選演出ラウンド決定処理を示すフローチャートである。第1再抽選演出ラウンド決定処理において、演出制御用CPU101は、1ラウンドが開始されるときであるか否か判定する(ステップS910a)。1ラウンドが開始されるか否かは、例えば、大入賞口開放中表示コマンドで指定されるラウンド数で判定される。
1ラウンドが開始されるときには、演出制御用CPU101は、受信した大入賞口開放中表示コマンドが、第1再抽選演出の実行を示す大入賞口開放中表示#2、#4、#7または#9のコマンドであるか否か確認する(ステップS910b)。大入賞口開放中表示#2、#4、#7および#9のコマンド以外のコマンドであれば、ステップS910dに移行する。大入賞口開放中表示#2、#4、#7または#9のコマンドであれば、第1再抽選演出を実行するラウンドを決定する(ステップS910c)。決定の仕方は、第1の実施の形態の場合と同じである。
そして、受信した大入賞口開放中表示コマンドに応じて、第1再抽選演出フラグもしくは第2再抽選演出フラグ、または双方をセットする(ステップS910d)。具体的には、第1再抽選演出の実行を示す大入賞口開放中表示コマンドを受信していれば第1再抽選演出フラグをセットし、第2再抽選演出の実行を示す大入賞口開放中表示コマンドを受信していれば第2再抽選演出フラグをセットする。その他の場合には、第1再抽選演出フラグも第2再抽選演出フラグもセットしない。そして、受信した大入賞口開放中表示コマンドが、確変大当りおよび第1再抽選演出の実行のみを示す大入賞口開放中表示#7のコマンドであれば(ステップS910e)、昇格フラグをセットする。なお、昇格フラグがセットされた場合には、第1の実施の形態の場合と同様に、第1再抽選演出の結果として、飾り図柄の停止図柄が確変図柄に変更される。すなわち、遊技者に、確変大当りが発生したことが報知される。
その他の制御は、第1の実施の形態の場合と同じである。ただし、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1種類のファンファーレコマンドしか送信しないので、演出用CPU101が実行するコマンド解析処理(図30参照)において、ステップS633〜S639の処理は実行されない。従って、演出用CPU101は、ファンファーレコマンドを受信したときに、第1再抽選演出フラグおよび第2再抽選演出フラグをセットしない。また、この実施の形態では、図44におけるステップS983の処理において、大入賞口開放中表示#8もしくは#9のコマンドを受信している場合、またはエンディング#5指定コマンドを受信している場合には、昇格フラグをセットする。
以上のような制御によって、大入賞口開放中表示コマンドが第1再抽選演出の実行および第2再抽選演出の実行を示しているときには、大入賞口開放中表示コマンドが特定の移行条件を成立させる(確変大当りとする)ことを示しているときでも、第1再抽選演出において特別遊技状態への移行を報知することが禁止される。
また、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信した大入賞口開放中表示コマンドと大当り終了コマンド(エンディングコマンド)との少なくとも一方が第2再抽選演出の実行を示しているときに、可変表示装置9で第2再抽選演出を実行する(図44のステップS981,S982参照)。なお、ステップS981で判定される第2再抽選演出フラグは、大入賞口開放中表示コマンドの受信にもとづいてセットされている。
実施の形態3.
この実施の形態(第3の実施の形態)では、第1の実施の形態の場合と同様に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した特定遊技状態開始コマンド(ファンファーレコマンド)にもとづいて第1再抽選演出において確変状態への移行を報知することを禁止するか否か決定する。しかし、第1の実施の形態の場合とは異なり、演出制御用CPU101は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信した大当り開始コマンド(ファンファーレコマンド)と大入賞口開放中表示コマンド(第1の実施の形態ではエンディングコマンド)との少なくとも一方が第2再抽選演出の実行を示しているときに、可変表示装置9で第2再抽選演出を実行する。
図52および図53は、第3の実施の形態における演出制御基板80に送出される演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図52および図53に示す例では、図10に示す第1の実施の形態における演出制御コマンドの内容の例に比べると、大入賞口開放中表示コマンドが、確変大当り/通常大当り/突然確変大当りとするか、第2再抽選演出を実行するか否かに応じて、大入賞口開放中表示#1、#3、#6、#8のコマンドに分けられていることが相違する。なお、第1の実施の形態および第2の実施の形態の場合と同様に、2ラウンドの大当り遊技については、大入賞口開放中表示コマンドは送信されない。
次に、この実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的にはCPU56)および演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には演出制御用CPU101)の動作を説明する。なお、遊技機のハードウェア構成は、第1の実施の形態の場合と同じである。
この実施の形態では、CPU56は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放前処理を、第2の実施の形態の場合と同様に実行する(図48参照)。ただし、ステップS404Aの大入賞口開放中表示コマンド送信処理の内容は、第2の実施の形態とは異なる。
図54は、この実施の形態における大入賞口開放中表示コマンド送信処理を示すフローチャートである。大入賞口開放前処理において、CPU56は、まず、確変大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS404a)。確変大当りフラグがセットされている場合には、第2再抽選実行フラグの状態に応じて、大入賞口開放中表示#6および#8のコマンドのうちのいずれかを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS404d)。例えば、第2再抽選実行フラグがセットされている場合には、大入賞口開放中表示#8のコマンドを送信する制御を行う。
確変大当りフラグがセットされていない場合には、第2再抽選実行フラグの状態に応じて、大入賞口開放中表示#1および#3のコマンドのうちのいずれかを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS404e)。例えば、第2再抽選実行フラグがセットされている場合には、大入賞口開放中表示#3のコマンドを送信する制御を行う。
CPU56が実行するその他の制御は、第1の実施の形態の場合と同じである。
図55は、この実施の形態における演出制御用CPU101が実行する演出制御プロセス処理におけるラウンド後処理(ステップS807)の一部を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、第2再抽選演出フラグ(第2再抽選演出の実行を示すファンファーレコマンドを受信した場合にセットされている。図30のステップS636,S639参照)がセットされている場合には、ステップS983Aに移行する。また、第2再抽選演出フラグがセットされていない場合には、大入賞口開放中表示#3または#8のコマンドを受信しているときに(ステップS982A)、ステップS983Aに移行する。
ステップS983Aでは、演出制御用CPU101は、ファンファーレ#8指定もしくは#9指定コマンド、または大入賞口開放中表示#8のコマンドを受信していたら昇格フラグをセットする。ラウンド後処理におけるその他の処理は、第1の実施の形態の場合と同様である。また、演出制御用CPU101が実行するその他の処理も、第1の実施の形態の場合と同様である。
この実施の形態では、第1の実施の形態の場合と同様に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信した特定遊技状態開始コマンド(この実施の形態ではファンファーレコマンド)が第1再抽選演出の実行を示しているときに、可変表示装置9で第1再抽選演出を実行し、特定遊技状態開始コマンドが第1再抽選演出の実行および第2再抽選演出の実行を示しているときには、特定遊技状態開始コマンドが確変大当りとなることを示しているときでも、第1再抽選演出において確変状態への移行を報知することを禁止する(具体的には、昇格フラグをセットしない)ので、第1再抽選演出によって確変状態への移行を報知したにも関わらず第2再抽選演出を実行して遊技者に不審感を与えるようなことはない。
また、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信した大当り開始コマンド(ファンファーレコマンド)と大入賞口開放中表示コマンドとの少なくとも一方が第2再抽選演出の実行を示しているときに、可変表示装置9で第2再抽選演出を実行する(図55のステップS981,S982A参照)。なお、ステップS981で判定される第2再抽選演出フラグは、ファンファーレコマンドの受信にもとづいてセットされている。
なお、この実施の形態では、エンディングコマンドは1種類でもよい。その場合には、演出制御用CPU101は、受信したファンファーレコマンドまたは大入賞口開放前コマンドにもとづいて、確変大当りであるか否かと第2再抽選演出を行うか否かとを判定し、大当り終了演出の内容を決定する。
上記の各実施の形態では、確変大当りである場合、大当り遊技中に実行される第1再抽選演出のみが実行されるとき(第2再抽選演出は実行されないとき)には第1再抽選演出の結果として常に飾り図柄の昇格(確変図柄に変更)がなされ、大当り遊技が終了した後に実行される第2再抽選演出(第1再抽選演出も実行される場合と第1再抽選演出は実行されない場合とがある)が実行されるときには第2再抽選演出の結果として常に飾り図柄の昇格がなされたが、飾り図柄の昇格がなされない場合があるように制御してもよい。飾り図柄の昇格がなされないときには、例えば、可変表示装置9、スピーカ27および遊技機に設けられているLEDなどの演出装置によって、確変状態に移行することを遊技者に報知する。
また、上記の各実施の形態では、確変大当り/通常大当り/突然確変大当りのそれぞれの場合に特別図柄表示器8に停止表示される特別図柄を異ならせた。また、可変表示装置9に停止表示される飾り図柄を異ならせた。しかし、可変表示装置9において大当り図柄として確変図柄(突然確変図柄を含む。)が表示されるときも非確変図柄が表示されるときも、特別図柄表示器8には同じ大当り図柄(「7」)が停止表示されるようにしてもよい。また、大当りとなるときには、確変大当り/通常大当り/突然確変大当りに関わらず、可変表示装置9に停止表示される飾り図柄を区別しないようにしてもよい(例えば、奇数図柄で揃った状態にする。)。
すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、事前決定手段が特定遊技状態に移行させることに決定したときには、事前決定手段が特定の移行条件を成立させることに決定した場合でも成立させないことに決定した場合でも、同じ処理で、特別図柄を表示する特別図柄表示手段(例えば、特別図柄表示器8)に導出表示される特別図柄を決定する特別図柄決定手段を備えていてもよい。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、事前決定手段が特定遊技状態に移行させることに決定したときには、事前決定手段が特定の移行条件を成立させるか否かに関わらず、同じ処理で、可変表示装置(例えば、可変表示装置9)に導出表示される識別情報を決定する識別情報決定手段を備えていてもよい。そのような構成によれば、確変大当りの場合でも非確変大当りの場合でも特別図柄表示器8または可変表示装置9には同じ大当り図柄が表示されるので、遊技者は、特別図柄表示器8または可変表示装置9に導出表示される特別図柄にもとづいて確変状態に移行するのか否か判断することができない。
また、確変大当り/通常大当り/突然確変大当りに関わらず、可変表示装置9に停止表示される飾り図柄を区別しない場合には、図柄特定/演出指定コマンドとして、はずれ指定コマンドと大当り指定コマンドの2種類のみを使用するようにしてもよい。また、確変大当りと通常大当りとで可変表示装置9に停止表示される飾り図柄(停止図柄)を区別しないが、突然確変大当りについての停止図柄を、確変大当りおよび通常大当りの場合と区別ずるようにしてもよい。その場合には、遊技者に再抽選演出の結果を予測できないようにしつつ、再抽選演出に関わらない大当りについては確変大当りおよび通常大当りの場合と停止図柄を異ならせることによって、不審感を抱かせないようにすることができる。
また、第2の実施の形態および第3の実施の形態では、第1再抽選演出において特別遊技状態への移行を報知することを禁止するか否かや、可変表示装置9で第2再抽選演出を実行するか否かを決定するために、ラウンド開始を示す大入賞口開放中表示コマンドを用いたが、ラウンド終了を示す大入賞口開放後表示コマンドを用いてもよい。つまり、第2の実施の形態および第3の実施の形態において、大入賞口開放後表示コマンドの使用に代えて大入賞口開放後表示コマンドを使用する変形例を用いてもよい。
さらに、上記の各実施の形態では、2つのコマンド(例えば、第1の実施の形態では、大当り開始コマンド(ファンファーレコマンド)と大当り終了コマンド(エンディングコマンド))の少なくとも一方が第2再抽選演出の実行を示しているときに、可変表示装置で第2再抽選演出を実行するようにしたが、少なくとも(ファンファーレコマンド)とラウンド開始コマンド(大入賞口開放中表示コマンド)と大当り終了コマンド(エンディングコマンド))とのうちのいずれかが第2再抽選演出の実行を示しているときに、可変表示装置で第2再抽選演出を実行するようにしてもよい。
すなわち、演出制御用マイクロコンピュータ100における第2移行報知演出実行手段は、少なくとも(ファンファーレコマンド)とラウンド開始コマンド(大入賞口開放中表示コマンド)と大当り終了コマンド(エンディングコマンド))とのうちのいずれかが第2の移行報知演出の実行を示しているときに、可変表示装置により第2の移行報知演出を実行するようにしてもよい。なお、ラウンド開始コマンドに代えて、ラウンド終了コマンドを用いてもよい。
また、上記の各実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1再抽選演出を実行するか否かを決定し、決定結果を示すコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信したが、そのようにしなくてもよい。その場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1再抽選演出を実行するか否かを示すコマンドを送信せず、第2再抽選演出を実行するか否かと確変大当りとするか否かとを特定可能なコマンドを送信する。演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当りとすることに決定されている場合には第1再抽選演出を実行するが、第2再抽選演出を実行することと確変大当りとすることとを示すコマンドを受信したときには、第1再抽選演出の結果において飾り図柄を確変図柄に昇格させない。また、第2再抽選演出を実行しないが確変大当りとすることとを示すコマンドを受信したときには、第1再抽選演出の結果において飾り図柄を確変図柄に昇格させる。
すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560における移行報知演出実行決定手段は、特定遊技状態の終了時に特定の移行報知演出としての第2の移行報知演出を実行するか否かを決定し、第2の移行報知演出を実行するか否かと事前決定手段の決定にもとづく特定の移行条件を成立させるか否かとを特定可能なコマンド(特定遊技状態開始コマンドまたはラウンド開始コマンド)を送信するコマンド送信手段を備え、演出制御用マイクロコンピュータ100における第1移行報知演出実行手段は、事前決定手段により特定遊技状態に移行させることが決定されているときに第1の移行報知演出を実行し、コマンドが特定の移行条件を成立させることと第2の移行報知演出を実行しないことを示しているときに、特定の移行条件を成立させることの報知を行う。このような制御を行うように構成されている場合には、演出制御コマンドの数を減らすことができる。
また、上記の各実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、あらかじめ決められている複数のラウンド(例えば、8ラウンドと12ラウンド)のうちのいずれのラウンドにおいて第1再抽選演出を実行するのか決定したが、あらかじめ決められている1つの特定のラウンドにおいて第1再抽選演出を実行するようにしてもよい。すなわち、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1の移行報知演出を実行するラウンドを決定する実行ラウンド決定手段を備えていてもよいし、第1移行報知演出実行手段が、あらかじめ決められている特定のラウンドにおいて第1の移行報知演出を実行するようにしてもよい。
また、上記の各実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、1つのラウンドにおいて第1再抽選演出を実行したが、図41に例示されたように複数のラウンド(図41に示す例では2つのラウンド)において第1再抽選演出を実行するようにしてもよい。その場合、あるラウンドにおいて確変大当りとなることを報知した場合には、その後のラウンドでは確変大当りとなることを報知しないか、または第1再抽選演出を実行しない。
すなわち、演出制御用マイクロコンピュータ100における第1移行報知演出実行手段は、複数のラウンドにおいて第1の移行報知演出を実行し、あるラウンドにおいて特別遊技状態への移行を報知したときには、その後のラウンドにおいて特別遊技状態への移行を報知することを禁止するか、または第1の移行報知演出の実行を禁止するように構成されていてもよい。
また、上記の各実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、可変表示装置9を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。また、上記の各実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、他の基板(例えば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など)を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70やランプドライバ基板35にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、可変表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。また、第1の演出制御基板と第2の演出制御基板との2つの基板を設けた場合に、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出に関するコマンドは第2の演出制御基板に対して送信され、第2の演出制御基板から第1の演出制御基板に対してコマンドがそのまま送信されたり、加工(例えば、コマンドの形態や内容を変えたり、簡略化したり、必要なコマンドのみを選択)した後に送信されるように構成してもよい。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、例えば、はずれ指定の図柄特定/演出指定コマンド(上記の各実施の形態ではコマンド8100(H))に飾り図柄の変動時間加算値や図柄のずれ数を特定可能な情報を含めるようにしてもよい。その場合、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、リーチ時に用いられる変動パターンコマンドを受信したときに、図柄特定/演出指定コマンドで特定される変動時間加算値や図柄のずれ数(例えば、左右の停止図柄に対するずれ数。一例として、左右の停止図柄が「7」「7」である場合、「1」ずれるということは図柄「8」を示す。)に応じた時間だけ余分に飾り図柄を変動させる。例えば、変動時間加算値が「1」であったら1秒余分に変動させ、変動時間加算値が「2」であったら2秒余分に変動させる。また、図柄のずれ数が「1」であったら、1図柄変動させる時間、またはずれ数「1」に対応した時間(例えば、あらかじめずれ数「1」に対応して定められている1秒)余分に変動させる。また、図柄のずれ数が「2」であったら2図柄変動させる時間、またはずれ数「2」に対応した時間(例えば、あらかじめずれ数「2」に対応して定められている2秒)余分に変動させる。すなわち、ずれ数に対応した時間を変動時間に加算する。このような制御によって、演出制御コマンドの数を増加させずに、リーチ時の変更時間の種類を増やすことができる。
また、上記の各実施の形態では、再抽選演出として大当たり遊技中に実行される第1再抽選演出と大当り遊技終了時に実行される第2再抽選演出とを例示したが、第1再抽選演出および第2再抽選演出を他の時期に実行してもよい。例えば、第1再抽選演出および第2再抽選演出をともに大当り遊技中に実行してもよい。また、第1再抽選演出を大当り表示期間中(ファンファーレコマンド受信〜第1ラウンド開始の期間)に実行してもよい。第1の実施の形態および第2の実施の形態の変形例として、第1再抽選演出を大当り遊技中のインターバル期間(大入賞口開放後表示コマンド受信〜次ラウンドについての大入賞口開放中表示コマンド受信の期間)において実行してもよい。第3の実施の形態の変形例として、第1再抽選演出および第2再抽選演出を、ともに、大当り表示期間中やインターバル期間に実行するようにしてもよい。
また、上記の実施の形態のパチンコ遊技機は、主として、始動入賞にもとづいて可変表示部に可変表示される特別図柄の停止図柄が所定の図柄になると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になるパチンコ遊技機であったが、始動入賞にもとづいて開放する電動役物の所定領域への入賞があると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になるパチンコ遊技機や、始動入賞にもとづいて可変表示される図柄の停止図柄が所定の図柄の組み合わせになると開放する所定の電動役物への入賞があると所定の権利が発生または継続するパチンコ遊技機であっても、本発明を適用できる。さらに、遊技媒体が遊技球であるパチンコ遊技機に限られず、遊技媒体がコイン(メダル)等のスロット機等においても、本発明を適用することができる。さらに、遊技球をコインに代わる遊技媒体とするようなスロット機等においても、本発明を適用することができる。