JP4428946B2 - Fuel electrode for solid oxide fuel cell - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、固体酸化物形燃料電池用燃料極に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
固体酸化物形燃料電池(以下、「SOFC」という。)は、電解質として酸素イオン導電性を有する固体電解質を用いた燃料電池である。SOFCの基本的な要素は、燃料極、固体電解質、空気極であり、これら3つの要素を順に積層して接合した接合体が単セルとなる。通常、この単セルを複数用いて集合体とし、この集合体が発電装置として用いられる。
【0003】
このような構造を有するSOFCにおいては、燃料極に燃料ガス(水素、一酸化炭素、メタン等)、空気極に酸化剤ガス(空気、酸素等)が供給されると、空気極側の酸素分圧と燃料極側の酸素分圧との間に差が生じることから、酸素は、空気極においてイオンとなり、固体電解質内を通って燃料極側に移動し、燃料極に達した酸素イオンは、燃料ガスと反応して電子を放出する。そのため、燃料極および空気極に負荷を接続すれば、電池反応の自由エネルギーの変化を、直接、電気エネルギーとして取り出して発電することが可能となる。
【0004】
上記SOFCの一部を構成する要素のうち、燃料極は、燃料ガスの電気化学的酸化の場であり、電子を発生する場でもある。高温(800〜1000℃)、低酸素分圧下において長期にわたり作動する必要があるため、燃料極には、一般に、次の性質が要求される。
【0005】
すなわち、(1)還元雰囲気において化学的に、熱力学的に安定であること、(2)電極触媒活性が高いこと、(3)電子導電性が高いこと、(4)焼結し難く、多孔質が維持できること、(5)固体電解質と熱膨張係数が等しいか、あるいはきわめて近いことなどの性質が要求される。
【0006】
従来、燃料極材料としては、還元性雰囲気中で化学的に安定な触媒金属としてニッケル(Ni)が多用されてきたが、ニッケルのみでは、ニッケル同士が凝集して多孔組織が維持し難いことから、近年では、ニッケルの凝集を抑制する目的で、ニッケルとイットリア安定化ジルコニア(YSZ)との混合物(焼結体をサーメットと呼ぶ)が多用されている。
【0007】
例えば、特許文献1には、YSZとニッケルないし酸化ニッケルの粒径を特定の範囲内のものとすることにより、ニッケルの凝集を長期にわたって抑制し、SOFCの定常運転時の発電性能を長時間安定して維持することが可能な燃料極材料が開示されている。
【0008】
【特許文献1】
特開平8−306361号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述の通り、SOFCの燃料極は、発電状態において供給される燃料ガスにより還元雰囲気下で使用される。そのため、サーメット燃料極中のニッケルは、金属ニッケルとして存在し、この状態においては、ニッケル粒子同士が互いに接続されたネットワーク構造を形成している。そしてこのネットワーク構造は、燃料極で生成した電子の導電経路としての役割を担っている。
【0010】
ところが、SOFCの急激なシャットダウンや、燃料系統の故障などにより、燃料極中に空気が流入した場合には、サーメット中のニッケルが酸化されて酸化ニッケルとなり、体積膨張が生じる。このような場合、再び燃料ガスを供給し、酸化ニッケルを還元させてニッケルとすると、還元雰囲気下で構築されていたネットワーク構造が分断され、燃料極の性能が劣化するという問題が生じる。
【0011】
また、通常、SOFCの起動停止時には、燃料極の還元状態を保持するため、窒素ガスなどの不活性ガスでパージするなどの操作が必要となるが、それには高圧の窒素ボンベなどをSOFCに常備する必要がある。
【0012】
しかしながら、高圧の窒素ボンベなどをSOFCに常備することは、保安上の問題や、SOFCのメンテナンスが煩雑になるなどの問題がある。特に、将来、SOFCが家庭用分散形電源として普及した場合などを想定すると、どの家庭にも窒素ボンベを常備するということは現実的ではない。
【0013】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、酸化・還元サイクルにさらした場合であっても、安定して発電を維持可能な固体酸化物形燃料電池用燃料極を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明に係る固体酸化物形燃料電池用燃料極は、その50%径が0.4〜0.8μmの範囲内にあるジルコニア微粉体と、その50%径が25〜50μmの範囲内にあるジルコニア粗粉体と、その50%径が2μmより大きく5μmより小さい範囲内にある酸化ニッケル粉体とを含む混合粉体であって、上記混合粉体における酸化ニッケル粉体とジルコニア粉体(ジルコニア微粉体とジルコニア粗粉体とを混合したもの)との混合比は、酸化ニッケルをニッケルに換算した値で、ニッケル:ジルコニアが35:65重量%〜60:40重量%の範囲内にあり、上記ジルコニア粉体におけるジルコニア微粉体とジルコニア粗粉体との混合比は、ジルコニア微粉体:ジルコニア粗粉体が40:60重量%〜60:40重量%の範囲内にある混合粉体を焼結させてなる焼結体である。
【0015】
そして、上記焼結体は、還元雰囲気下において金属ニッケル同士が互いに接続されたネットワーク構造を形成する。
【0016】
上記固体酸化物形燃料電池用燃料極は、酸化・還元サイクルにさらされた場合であっても、安定して発電を維持することができ、それゆえ、電池の信頼性も向上する。
【0017】
この際、前記ジルコニアは、スカンジア(Sc2O3)、イットリア(Y2O3)およびセリア(CeO2)から選択される少なくとも1種の酸化物を含む安定化ジルコニアであることが好ましい。
【0018】
特には、前記ジルコニアは、8〜15mol%のスカンジア(Sc2O3)を含むスカンジア安定化ジルコニアまたはこのスカンジア安定化ジルコニアに対してさらにイットリア(Y2O3)およびセリア(CeO2)から選択される少なくとも1種の酸化物を2mol%以下の範囲で含むものであることが好ましい。
【0019】
これらは、従来知られる8YSZに比較して、酸素イオン導電率が高い。そのため、これらを燃料極材料に用いた場合には、燃料極の触媒活性が一層高まり、電池性能が向上するからである。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る固体酸化物形燃料電池用燃料極(以下「本燃料極」ということがある。)およびこれに用いられる原料の燃料極材料(以下「本燃料極材料」ということがある。)について詳細に説明する。
【0021】
先ず、本燃料極材料の構成について説明する。本燃料極材料は、ジルコニア微粉体と、ジルコニア粗粉体と、酸化ニッケル粉体とを含む混合粉体からなり、この混合粉体を構成する前記各粉体は、その50%径がある特定の範囲内にあることを特徴としている。
【0022】
ここで、ジルコニア微粉体とは、その50%径が0.4〜0.8μmの範囲内にあるジルコニア粒子の集合体をいい、ジルコニア粗粉体とは、その50%径が25〜50μmの範囲内にあるジルコニア粒子の集合体をいい、酸化ニッケル粉体とは、その50%径が2μmより大きく5μmより小さい範囲内にある酸化ニッケル粒子の集合体をいう。
【0023】
各粉体の50%径が上記範囲を越えると、その燃料極材料より得られた燃料極をSOFCに用いた場合、SOFCの定常運転時の発電性能が長時間安定して維持可能であっても、その燃料極が酸化・還元サイクルにさらされた際に、安定して発電を維持することができず、好ましくない。
【0024】
本燃料極材料においては、得られる燃料極に対して酸化・還元サイクルを繰り返しても性能の劣化がきわめて生じにくい観点から、ジルコニア微粉体の50%径は、好ましくは、0.5〜0.7μmの範囲内、ジルコニア粗粉体の50%径は、好ましくは、25〜30μmの範囲内、酸化ニッケル粉体の50%径は、好ましくは、2.5〜3.5μmの範囲内にあることが好ましい。なお、これら範囲は適宜組み合わせることができるものである。
【0025】
また、本燃料極材料にいう、50%径とは、JIS R1629に準拠して測定される、体積基準の積算分率における50%径の値をいう。JIS R1629は、ファインセラミックス原料のレーザ回折・散乱法による粒子径分布測定方法についての規格であり、具体的には、液相に分散させたファインセラミックス原料粒子にレーザ光を照射することによって検出される散乱強度分布を利用した粒子径分布の測定方法について規定したものである。なお、各粉体の50%径を測定するにあたり、試料の採取方法および試料調整方法については、それぞれJIS M8100、JIS R1622に準拠して行われる。
【0026】
レーザ回折・散乱法による粒子径分布測定装置としては、例えば、日機装(株)社製「マイクロトラック粒度分布測定装置」などを用いることができるが、上記測定方法に準拠して測定されるのであれば、特に限定されるものではない。
【0027】
また、上記各粉体の粒度分布としては、体積基準による存在比率の分布が、シャープなもの(個々の粒子径が揃っているもの)ほど好ましく、ブロードなもの(個々の粒子径が揃っていないもの)はあまり好ましくない。また、分布のピークが複数あるものなどは好ましくない。
【0028】
本燃料極材料において、用いられるジルコニアとしては、スカンジア(Sc2O3)、イットリア(Y2O3)およびセリア(CeO2)から選択される少なくとも1種の酸化物を含む安定化ジルコニアであることが好ましい。
【0029】
特には、用いられるジルコニアとしては、8〜15mol%のスカンジア(Sc2O3)、より好適には、9〜12mol%のスカンジア(Sc2O3)を含むスカンジア安定化ジルコニア(ScSZ)またはこのスカンジア安定化ジルコニア(ScSZ)に対してさらにイットリア(Y2O3)およびセリア(CeO2)から選択される少なくとも1種の酸化物を2mol%以下の範囲で含むものが好ましい。
【0030】
これらは、従来知られる8YSZに比較して、酸素イオン導電率が高い。そのため、これらを燃料極材料に用いた場合には、燃料極の触媒活性が一層高まり、電池性能が向上するからである。
【0031】
また、本燃料極材料において、上記混合粉体における酸化ニッケル粉体とジルコニア粉体(ジルコニア微粉体とジルコニア粗粉体とを混合したものをいう)との混合比は、酸化ニッケルをニッケルに換算した値で、ニッケル:ジルコニア=35:65重量%〜60:40重量%の範囲内にある。
【0032】
上記混合比の範囲が好適な理由は、ニッケル含有率が低くなると、ニッケル粒子による導電経路が遮断されて抵抗が大きくなり、かつ、触媒量が少なくなるため、電極活性が低下する傾向が見られ、ジルコニア含有率が高くなると、その導電率の低さにより燃料極全体としての導電率が下がり、電流を流しているときの分極が大きくなってSOFCの発電性能が低下する傾向が見られるからである。
【0033】
一方、ニッケル含有率が高くなると、熱膨張係数が大きくなり、固体電解質との熱膨張差が大きくなって熱応力が発生し、セルが破壊し易くなる傾向が見られ、また、ジルコニア含有率が低くなると、SOFCの使用過程においてニッケルの凝集による燃料極の経時劣化が見られるからである。
【0034】
上記混合比は、SOFCの初期特性などに優れる観点から、ニッケル:ジルコニア=40:60重量%前後の混合比が特に好ましい。
【0035】
また、ジルコニア粉体におけるジルコニア微粉体とジルコニア粗粉体との混合比は、ジルコニア微粉体:ジルコニア粗粉体=40:60重量%〜60:40重量%の範囲内にある。
【0036】
上記混合比の範囲が好適な理由は、ジルコニア微粉体の含有率が低くなると、ニッケルとジルコニア微粉体により構成される三相界面が減少し、電極触媒活性が低下する傾向が見られ、ジルコニア粗粉体の含有率が高くなると、ニッケルのネットワーク構造が形成されにくくなり、電子導電性が減少する傾向が見られるからである。
【0037】
一方、ジルコニア微粉体の含有率が高くなると、ジルコニア微粉体により細孔が塞がり、多孔度が減少する傾向が見られ、ジルコニア粗粉体の含有率が低くなると、酸化・還元サイクル時におけるニッケルの膨張収縮による体積変化が吸収できなくなる傾向が見られるからである。
【0038】
上記混合比は、電極触媒活性、電子導電性、形態安定性のバランスなどに優れる観点から、ジルコニア微粉体:ジルコニア粗粉体=50:50重量%前後の混合比が特に好ましい。
【0039】
なお、本燃料極材料においては、得られる燃料極の構造安定性を向上させる観点から、上記混合粉体中に、アルミナ(Al2O3)粉体が含まれていても良い。この場合、アルミナ(Al2O3)粉体は、その50%径が0.1〜0.4μmの範囲内にあることが好ましく、また、ジルコニア粉体に対して2重量%以下の範囲内で混合されていることが好ましい。
【0040】
また、本燃料極材料においては、酸化ニッケル粉体に代えて、酸化コバルト粉体、酸化鉄粉体、酸化タングステン粉体、酸化銅粉体などの他の触媒金属の酸化物粉体や、白金、パラジウム、ルテニウムなどの貴金属粉体を用いることもできるものであるが、酸化ニッケル(発電時はニッケルになる)は他の触媒金属に比べて安価であり、水素等の燃料ガスとの反応が十分に大きいため、特に好適に用いられる。
【0041】
次に、本燃料極材料の製造方法について説明する。本燃料極材料の製造方法としては、特に限定されるものではないが、各粉体の50%径が上記範囲内のまま維持されるように、均一に安定して混合・分散できる方法によるのが望ましい。例えば、上述したジルコニア微粉体および酸化ニッケル粉体を所定量秤量し、混合媒体、溶媒などとともにボールミルなどに入れ、12〜24時間程度混合した後、所定量のジルコニア粗粉体を加え、さらに、0.5〜2時間程度混合した後、ボールミルなどから取り出し、乾燥させる方法などが挙げられる。
【0042】
他にも、ジルコニア微粉体、ジルコニア粗粉体および酸化ニッケル粉体を一度に混合したり、ジルコニア粗粉体と酸化ニッケルとを先に混合した後に、ジルコニア微粉体を加え、さらに混合しても良く、特に限定されるものではないが、混合の際に、特にジルコニア粗粉体の粉砕が起こり難い観点から、ジルコニア微粉体および酸化ニッケル粉体を先に混合した後、ジルコニア粗粉体を加え、更に混合する方法が最も好適である。なお、溶媒を用いず、乾式混合としても良く、必要に応じて適宜選択することができる。
【0043】
本燃料極材料の製造に用いる混合手段としては、ボールミル、サンドミル、振動ミル、ビーズミルなどの公知の混合手段を用いることができる。この際、各粉体の50%径が上記範囲内のまま維持されるように、例えば、ボールミルなどの内側には、ナイロン、ゴムライニングなどの軟質の内張りが施されたものなどを用いるのが好ましい。また、混合媒体としては、ジルコニアボール、ナイロン製ボールなどの各種樹脂製ボールなどを用いることができ、また、溶媒としては、エタノール、水、グリコールなどを用いることができる。
【0044】
次に、本燃料極材料を原料に用いた燃料極について説明する。本燃料極は、SOFCに適用されるため、以下それを想定して説明する。
【0045】
一般に、SOFCの方式は、円筒方式、平板方式および一体積層方式に大別されるが、本燃料極は、いずれの方式のSOFCにも適用可能である。すなわち、SOFCの固体電解質の形状は特に限定されるものではなく、円筒状、平板状、あるいは、ハニカム状のいずれの形状であっても良い。
【0046】
SOFCの燃料極として、本燃料極を適用するには、先ず、酸素イオン導電性を示す固体電解質材料を、所定の形状に成形し、所定温度で焼結させる。なお、固体電解質材料の成形方法は、SOFCの形状に応じて最適な方法を用いれば良い。例えば、平板状に成形するには、プレス成形法、テープ成形法等を用いると良い。また、円筒状あるいはハニカム状に成形するには、押出成形法、射出成形法等を用いると良い。また、固体電解質の焼成条件は、その組成に応じて最適な温度を選択すれば良い。
【0047】
次に、この固体電解質の一方の面に、本燃料極材料を含むスラリーを塗布して焼結させ、本燃料極とする。燃料極の塗布方法としては、具体的には、スクリーン印刷法、ドクターブレード法、ハケ塗り法、スプレー法、ディッピング法などが好適な一例として挙げられるが、本発明においてはいずれの方法を用いても良く、特に限定されるものではない。なお、燃料極の厚さなどは、固体電解質の形状などを考慮して適宜調整すれば良く、また、燃料極の焼成温度についても、その組成に応じて最適な温度を選択すれば良い。
【0048】
同様にして、固体電解質の他方の面に、LaSrMnO3、LaCaMnO3、LaMgMnO3、LaSrCoO3、LaCaCoO3などの空気極材料を含むスラリーを塗布して焼結させ、空気極とし、さらに、得られた電解質電極接合体に、燃料ガス導入手段および酸化剤ガス導入手段を取り付ければ、本燃料極を備えたSOFCが得られる。
【0049】
次に、本燃料極材料および本燃料極の作用について説明する。
【0050】
本燃料極材料は、その50%径が0.4〜0.8μmの範囲内にあるジルコニア微粉体と、その50%径が25〜50μmの範囲内にあるジルコニア粗粉体と、その50%径が2μmより大きく5μmより小さい範囲内にある酸化ニッケル粉体とを含む混合粉体からなるので、この混合粉体を焼結させて本燃料極とし、この本燃料極をSOFCに用いた場合、本燃料極が酸化・還元サイクルにさらされた場合であっても、安定して発電を維持することができ、それゆえ、電池の信頼性も向上する。
【0051】
すなわち、通常、SOFCの燃料極は、発電状態において供給される燃料ガスにより還元雰囲気下で使用されるため、サーメット燃料極中のニッケルは、金属ニッケルとして存在する。この状態においては、ニッケル粒子同士が互いに接続されたネットワーク構造を形成しており、このネットワーク構造が電子の導電経路となっている。
【0052】
ところが、この金属ニッケルが酸化されて酸化ニッケルとなって体積膨張した後、再び酸化ニッケルが還元されて金属ニッケルとなって収縮し、これが繰り返されると、当初還元雰囲気下で構築されていたネットワーク構造(電子の導電経路)が分断され、燃料極が劣化する。
【0053】
しかし、50%径が特定の範囲内にある各粉体を用いた本燃料極材料より形成された本燃料極は、酸化・還元サイクルにされされても、内部のネットワーク構造が分断され難く、電子伝導が保たれる。つまり、酸化・還元サイクルによって内部の微構造が破壊され難く、劣化が生じるのを回避することができる。そのため、酸化・還元サイクルが繰り返される状況下にあっても安定して発電を維持することができ、それゆえ、電池の信頼性も向上する。
【0054】
また、高圧の窒素ボンベなどをSOFCに常備する必要もなくなるので、保安上の問題や、SOFCのメンテナンスが煩雑になるなどの問題も回避できるという利点がある。
【0055】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本燃料極材料および本燃料極ついてより具体的に説明する。
【0056】
(安定化ジルコニアの酸素イオン導電率)
初めに、通常のセラミックスプロセスを用いて、種々の酸化物を含む安定化ジルコニア粉体より焼結体を作製し、1000℃における酸素イオン導電率を測定した。
【0057】
すなわち、11mol%のSc2O3を含むScSZ(以下、「11ScSZ」という。)粉体、10mol%のSc2O3および1mol%のY2O3を含むScSZ(以下、「10Sc1YSZ」という。)粉体、10mol%のSc2O3および1mol%のCeO2を含むScSZ(以下、「10Sc1CeSZ」という。)粉体、11mol%のSc2O3を含むScSZに対してAl2O3を1重量%複合したもの(以下、「11ScSZ1A」という)、8YSZ粉体を用いて、11ScSZ焼結体、10Sc1YSZ焼結体、10Sc1CeSZ焼結体、11ScSZ1A、8YSZ焼結体を作製し、1000℃における酸素イオン導電率を測定した。その結果を表1に示す。
【0058】
なお、11ScSZ粉体、10Sc1YSZ粉体、10Sc1CeSZ粉体は、第一稀元素化学工業(株)製、8YSZ粉体は、東ソー(株)製のものを使用した。
【0059】
【表1】
【0060】
8YSZ焼結体の場合、1000℃における酸素イオン導電率は、0.160S/cmであった。
【0061】
これに対し、11ScSZ焼結体、10Sc1YSZ焼結体、10Sc1CeSZ焼結体、11ScSZ1A焼結体の場合、1000℃における酸素イオン導電率は、0.310S/cm、0.304S/cm、0.343S/cm、0.290S/cmであり、8YSZ焼結体より高い酸素イオン導電率を示した。
【0062】
(本燃料極材料の調製)
(実施例1)
次に、上記酸素イオン導電率の測定結果を考慮して、10Sc1CeSZを本燃料極材料における安定化ジルコニアとして選択した。そして、出発原料として、10Sc1CeSZ微粉体(50%径:0.6μm、第一稀元素化学工業(株)製)、10Sc1CeSZ粗粉体(50%径:30μm)、NiO粉体(50%径:3.0μm、ナカライテスク(株)製)を準備した。なお、10Sc1CeSZ粗粉体については、10Sc1CeSZ微粉体を仮焼(仮焼温度1200℃、仮焼時間3時間)して、10Sc1CeSZ微粉子を粒成長させた後、ふるいによって分級することにより得たものである。
【0063】
次いで、NiO粉体と10Sc1CeSZ粉体(10Sc1CeSZ微粉体と10Sc1CeSZ粗粉体とを混合したもの)との混合比が、NiOをNiに換算した値で、Ni:10Sc1CeSZ=40:60重量%の混合比となるように、各粉体を所定量秤量した。なお、10Sc1CeSZ粉体における10Sc1CeSZ微粉体と10Sc1CeSZ粗粉体との混合比は、10Sc1CeSZ微粉体:10Sc1CeSZ粗粉体=50:50重量%とした。
【0064】
次いで、上記NiO粉体と10Sc1CeSZ微粉体とを、ジルコニアボール、エタノールとともにポリエチレン製ポットに入れ、23時間混合した後、上記10Sc1CeSZ粗粉体を加え、さらに1時間混合した。
【0065】
次いで、得られた泥しょうをポットから取り出し、乾燥させることにより、実施例1に係る燃料極材料を得た。
【0066】
(比較例1)
実施例1において、NiO粉体(50%径:1.0μm、ナカライテスク(株)製)を用いた以外は、同様にして、比較例1に係る燃料極材料を得た。
【0067】
(比較例2)
実施例1において、NiO粉体(50%径:2.0μm、フルウチ化学(株)製)を用いた以外は、同様にして、比較例2に係る燃料極材料を得た。
【0068】
(比較例3)
実施例1において、NiO粉体(50%径:5.0μm、(株)高純度化学研究所製)を用いた以外は、同様にして、比較例3に係る燃料極材料を得た。
【0069】
(比較例4)
実施例1において、NiO粉体(50%径:7.0μm、(株)高純度化学研究所製)を用いた以外は、同様にして、比較例4に係る燃料極材料を得た。
【0070】
(SOFC単セルの作製)
次に、上記実施例1に係る燃料極材料より形成した燃料極を備えたSOFC単セルを作製した。すなわち、固体電解質材料として、4mol%のSc2O3を含む4ScSZ(第一稀元素化学工業(株)製)を用い、これにバインダーを加えてスラリーとし、ドクターブレード法を用いて厚さ約150μmのグリーンシートを作製した。次いで、このグリーンシートを、1350℃で2時間焼成し、固体電解質板を作製した。
【0071】
次いで、上記作製した実施例1に係る燃料極材料にバインダー(ポリエチレングリコール)を加えてスラリーとし、スクリーン印刷法を用いて固体電解質板の一方の面に塗布(厚さ約40μm)した。次いで、これを1350℃にて2時間焼成し、燃料極とした。
【0072】
次いで、空気極材料として、La0.8Sr0.2MnO3(セイミケミカル(株)製)を用い、これにバインダー(ポリエチレングリコール)を加えてスラリーとし、スクリーン印刷法を用いて固体電解質板の他方の面に塗布(厚さ約50μm)した。次いで、これを1150℃にて2時間焼成し、空気極とした。以上により、本実施例1に係る燃料極材料より形成した燃料極を備えたSOFC単セルAを得た。
【0073】
また、比較として、上記SOFC単セルの作製において、比較例1〜4に係る燃料極材料を用いた以外は同様の手順によりSOFC単セルB〜Eを作製した。
【0074】
(発電試験)
次に、上記にて得られた各SOFC単セルA〜Eを用いて、発電試験を行った。すなわち、図1に示すように、SOFC単セルの燃料極および空気極の両側をPtメッシュにより挟持し、更にこのPtメッシュの両側にガスマニホルド(アルミナ製)を設け、燃料ガス(加湿水素:3%加湿)および酸化剤ガス(模擬空気:21%O2、79%N2)を供給した。なお、本発電試験での発電温度は950℃とした。また、燃料ガスは、オイルバスで加湿したバブラを通して3%の湿度に加湿したものである。また、電流密度(A/cm2)−出力電圧(V)測定時におけるガス流量は、加湿水素1.0L/min、模擬空気1.0L/minとした。
【0075】
(燃料極の酸化・還元試験)
次に、燃料ガスとして、窒素希釈20%加湿水素(3%加湿)、酸化剤ガスとして、模擬空気を用い、電流密度0.25A/cm2の定負荷条件で発電試験を行い、その途中で燃料極の酸化・還元試験を行った。具体的には、一旦発電を中断し、発電温度950℃を保ったままの状態で、SOFC単セルにおいて、燃料ガスラインを大気開放することにより、燃料極を強制酸化し、一定時間経過後、燃料ガスラインを復旧し、再度発電させる操作を複数回繰り返し、燃料極の劣化について検討を行った。この際、燃料極が酸化されたか否かは、起電力が0Vになることにより確認した。なお、定負荷発電時におけるガス流量は、窒素希釈20%加湿水素1.0L/min、模擬空気1.0L/minとした。
【0076】
図2〜図6に、SOFC単セルA〜Eの発電時間(h)−出力電圧(V)の関係を示す。また、図7〜図11に、SOFC単セルA〜Eの電流密度(A/cm2)−出力電圧(V)の関係を示す。なお、図2〜図6において、起電力が0Vに落ち込んでいる箇所が酸化状態に相当する。また、図2〜図6では、起電力の落ち込み箇所が複数あるが、これらは、時間軸の左から右に向かって、酸化・還元試験1回目、2回目、3回目・・・に対応している。
【0077】
図3〜図6(図8〜図11)の比較例1〜4に係るSOFC単セルB〜Eは、酸化・還元の繰り返しにより出力電圧(V)が顕著に低下しているのに対し、図2(図7)の実施例1に係るSOFC単セルAは、酸化・還元を繰り返しても出力電圧(V)が顕著に低下することなく、安定して発電を維持可能であることが確認された。
【0078】
これは、比較例1〜4に係るSOFC単セルB〜Eでは、発電当初に還元雰囲気下で構築されていた燃料極中のネットワーク構造(電子の導電経路)が酸化・還元サイクルにより分断され、燃料極の劣化が生じたのに対し、実施例1に係るSOFC単セルAでは、酸化・還元サイクルによって燃料極内部の微構造がほとんど破壊されず、燃料極の劣化が生じるのを有効に回避できたことによる。
【0079】
本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。例えば、上記実施例では、10Sc1CeSZ粉体を用いたが、それ以外にも、上述した他のジルコニア粉体を適用可能なものである。また、上記実施例では、本発明に係る燃料極を平板型SOFCに対して適用したが、それ以外にも、円筒型SOFC、一体型SOFCの何れの構造のSOFCに対しても適用可能なものである。
【0080】
【発明の効果】
特定の燃料極材料を焼結させ、得られた本発明に係る燃料極をSOFCに用いれば、燃料極が酸化・還元サイクルにさらされた場合であっても、安定して発電を維持することができ、それゆえ、電池の信頼性も向上する。また、高圧の窒素ボンベなどをSOFCに常備する必要もなくなるので、保安上の問題や、SOFCのメンテナンスが煩雑になるなどの問題も回避できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 発電試験装置を模式的に示した図である。
【図2】 実施例1に係る本燃料極材料より形成した燃料極を備えたSOFC単セルAの発電時間(h)−出力電圧(V)の関係を示した図である。
【図3】 比較例1に係る燃料極材料より形成した燃料極を備えたSOFC単セルBの発電時間(h)−出力電圧(V)の関係を示した図である。
【図4】 比較例2に係る燃料極材料より形成した燃料極を備えたSOFC単セルCの発電時間(h)−出力電圧(V)の関係を示した図である。
【図5】 比較例3に係る燃料極材料より形成した燃料極を備えたSOFC単セルDの発電時間(h)−出力電圧(V)の関係を示した図である。
【図6】 比較例4に係る燃料極材料より形成した燃料極を備えたSOFC単セルEの発電時間(h)−出力電圧(V)の関係を示した図である。
【図7】 実施例1に係る本燃料極材料より形成した燃料極を備えたSOFC単セルAの電流密度(A/cm2)−出力電圧(V)の関係を示した図である。
【図8】 比較例1に係る燃料極材料より形成した燃料極を備えたSOFC単セルBの電流密度(A/cm2)−出力電圧(V)の関係を示した図である。
【図9】 比較例2に係る燃料極材料より形成した燃料極を備えたSOFC単セルCの電流密度(A/cm2)−出力電圧(V)の関係を示した図である。
【図10】 比較例3に係る燃料極材料より形成した燃料極を備えたSOFC単セルDの電流密度(A/cm2)−出力電圧(V)の関係を示した図である。
【図11】 比較例4に係る燃料極材料より形成した燃料極を備えたSOFC単セルEの電流密度(A/cm2)−出力電圧(V)の関係を示した図である。[0001]
[Industrial application fields]
The present invention relates to a fuel electrode for a solid oxide fuel cell.
[0002]
[Prior art]
A solid oxide fuel cell (hereinafter referred to as “SOFC”) is a fuel cell using a solid electrolyte having oxygen ion conductivity as an electrolyte. The basic elements of the SOFC are a fuel electrode, a solid electrolyte, and an air electrode, and a joined body in which these three elements are laminated and joined in order becomes a single cell. Usually, a plurality of single cells are used to form an aggregate, and the aggregate is used as a power generation device.
[0003]
In an SOFC having such a structure, when fuel gas (hydrogen, carbon monoxide, methane, etc.) is supplied to the fuel electrode and oxidant gas (air, oxygen, etc.) is supplied to the air electrode, the oxygen content on the air electrode side is reduced. Since the difference occurs between the pressure and the oxygen partial pressure on the fuel electrode side, oxygen becomes ions in the air electrode, moves to the fuel electrode side through the solid electrolyte, and the oxygen ions that reach the fuel electrode It reacts with the fuel gas and emits electrons. Therefore, if a load is connected to the fuel electrode and the air electrode, the change in the free energy of the cell reaction can be directly taken out as electric energy and generated.
[0004]
Of the elements constituting a part of the SOFC, the fuel electrode is a field for electrochemical oxidation of the fuel gas and also a field for generating electrons. Since it is necessary to operate for a long period of time at a high temperature (800 to 1000 ° C.) and under a low oxygen partial pressure, the fuel electrode generally requires the following properties.
[0005]
That is, (1) chemically and thermodynamically stable in a reducing atmosphere, (2) high electrocatalytic activity, (3) high electronic conductivity, (4) difficult to sinter, porous The quality is required to be maintained, and (5) the thermal expansion coefficient is equal to or very close to that of the solid electrolyte.
[0006]
Conventionally, as a fuel electrode material, nickel (Ni) has been frequently used as a catalytic metal that is chemically stable in a reducing atmosphere. However, with nickel alone, nickel is agglomerated and it is difficult to maintain a porous structure. In recent years, a mixture of nickel and yttria-stabilized zirconia (YSZ) (sintered body is called cermet) is frequently used for the purpose of suppressing aggregation of nickel.
[0007]
For example, in Patent Document 1, by setting the particle size of YSZ and nickel or nickel oxide within a specific range, the aggregation of nickel is suppressed over a long period of time, and the power generation performance during the steady operation of SOFC is stable for a long time. An anode material that can be maintained is disclosed.
[0008]
[Patent Document 1]
JP-A-8-306361
[0009]
[Problems to be solved by the invention]
As described above, the SOFC fuel electrode is used in a reducing atmosphere by the fuel gas supplied in the power generation state. Therefore, nickel in the cermet fuel electrode exists as metallic nickel, and in this state, a network structure is formed in which nickel particles are connected to each other. This network structure serves as a conductive path for electrons generated at the fuel electrode.
[0010]
However, when air flows into the fuel electrode due to a sudden shutdown of the SOFC or a failure of the fuel system, nickel in the cermet is oxidized to nickel oxide and volume expansion occurs. In such a case, if the fuel gas is supplied again and nickel oxide is reduced to nickel, the network structure built in the reducing atmosphere is divided, resulting in a problem that the performance of the fuel electrode deteriorates.
[0011]
Normally, when the SOFC starts and stops, an operation such as purging with an inert gas such as nitrogen gas is required to maintain the reduced state of the fuel electrode. For this purpose, a high-pressure nitrogen cylinder or the like is always provided in the SOFC. There is a need to.
[0012]
However, permanently installing a high-pressure nitrogen cylinder or the like in the SOFC has problems such as security problems and complicated SOFC maintenance. In particular, assuming that SOFC will be widely used as a home-use distributed power source in the future, it is not realistic to always have a nitrogen cylinder in every home.
[0013]
Accordingly, an object of the present invention is to provide a fuel electrode for a solid oxide fuel cell that can stably maintain power generation even when exposed to an oxidation / reduction cycle.
[0014]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above problems, a fuel electrode for a solid oxide fuel cell according to the present invention has a 50% diameter of zirconia fine powder in the range of 0.4 to 0.8 μm and a 50% diameter of 25. Mixed powder comprising zirconia coarse powder in a range of ˜50 μm and nickel oxide powder having a 50% diameter in a range of more than 2 μm and less than 5 μmThe mixing ratio of the nickel oxide powder and the zirconia powder (mixed zirconia fine powder and zirconia coarse powder) in the mixed powder is a value obtained by converting nickel oxide into nickel, Zirconia is in the range of 35:65 wt% to 60:40 wt%, and the mixing ratio of zirconia fine powder to zirconia coarse powder in the zirconia powder is 40:60 for zirconia fine powder: zirconia coarse powder. Mixed powder in the range of wt% to 60:40 wt%SinterThis is a sintered body.
[0015]
The sintered body forms a network structure in which metallic nickels are connected to each other in a reducing atmosphere.
[0016]
The fuel electrode for a solid oxide fuel cell can maintain power generation stably even when it is exposed to an oxidation / reduction cycle, and therefore the reliability of the battery is improved.
[0017]
At this time, the zirconia is scandia (Sc).2O3), Yttria (Y2O3) And ceria (CeO)2It is preferably a stabilized zirconia containing at least one oxide selected from
[0018]
In particular, the zirconia contains 8 to 15 mol% of scandia (Sc2O3) Containing scandia-stabilized zirconia or yttria (Y2O3) And ceria (CeO)2It is preferable that it contains at least one oxide selected from 2) in a range of 2 mol% or less.
[0019]
These have higher oxygen ion conductivity than the conventionally known 8YSZ. Therefore, when these are used as the fuel electrode material, the catalytic activity of the fuel electrode is further increased, and the cell performance is improved.
[0020]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, a fuel electrode for a solid oxide fuel cell according to the present invention (hereinafter sometimes referred to as “the present fuel electrode”) and a raw material fuel electrode material used therefor (hereinafter referred to as “the present fuel electrode material”). Will be described in detail.
[0021]
First, the configuration of the present fuel electrode material will be described. This fuel electrode material is composed of a mixed powder containing zirconia fine powder, zirconia coarse powder, and nickel oxide powder, and each powder constituting the mixed powder has a 50% diameter. It is characterized by being in the range of.
[0022]
Here, the zirconia fine powder means an aggregate of zirconia particles having a 50% diameter in the range of 0.4 to 0.8 μm, and the zirconia coarse powder has a 50% diameter of 25 to 50 μm. An aggregate of zirconia particles within a range is referred to. Nickel oxide powder refers to an aggregate of nickel oxide particles whose 50% diameter is within a range greater than 2 μm and less than 5 μm.
[0023]
When the 50% diameter of each powder exceeds the above range, when the fuel electrode obtained from the fuel electrode material is used for SOFC, the power generation performance during steady operation of SOFC can be stably maintained for a long time. However, when the fuel electrode is exposed to the oxidation / reduction cycle, power generation cannot be stably maintained, which is not preferable.
[0024]
In the present fuel electrode material, the 50% diameter of the fine zirconia powder is preferably 0.5 to 0.00 mm from the viewpoint that performance deterioration is hardly caused even if the oxidation / reduction cycle is repeated for the obtained fuel electrode. Within the range of 7 μm, the 50% diameter of the zirconia coarse powder is preferably within the range of 25-30 μm, and the 50% diameter of the nickel oxide powder is preferably within the range of 2.5-3.5 μm. It is preferable. These ranges can be combined as appropriate.
[0025]
Further, the 50% diameter referred to in the present fuel electrode material means a value of 50% diameter in a volume-based integrated fraction measured in accordance with JIS R1629. JIS R1629 is a standard for particle size distribution measurement method of fine ceramic raw material by laser diffraction / scattering method. Specifically, it is detected by irradiating fine ceramic raw material particles dispersed in liquid phase with laser light. This defines the method for measuring the particle size distribution using the scattered intensity distribution. In measuring the 50% diameter of each powder, the sample collection method and sample preparation method are performed in accordance with JIS M8100 and JIS R1622, respectively.
[0026]
As the particle size distribution measuring device by the laser diffraction / scattering method, for example, “Microtrack particle size distribution measuring device” manufactured by Nikkiso Co., Ltd. can be used, but it is measured in accordance with the above measuring method. For example, there is no particular limitation.
[0027]
In addition, as the particle size distribution of each of the powders, the distribution of the abundance ratio on a volume basis is preferably as sharp as possible (individual particle diameters are uniform) and broad (individual particle diameters are not uniform). Is not very preferred. Also, those having a plurality of distribution peaks are not preferred.
[0028]
As the zirconia used in this fuel electrode material, scandia (Sc2O3), Yttria (Y2O3) And ceria (CeO)2It is preferably a stabilized zirconia containing at least one oxide selected from
[0029]
In particular, the zirconia used is 8 to 15 mol% of scandia (Sc2O3), More preferably 9-12 mol% scandia (Sc2O3) Containing scandia-stabilized zirconia (ScSZ) or further against this scandia-stabilized zirconia (ScSZ)2O3) And ceria (CeO)2And at least one oxide selected from the group consisting of 2 mol% or less is preferable.
[0030]
These have higher oxygen ion conductivity than the conventionally known 8YSZ. Therefore, when these are used as the fuel electrode material, the catalytic activity of the fuel electrode is further increased, and the cell performance is improved.
[0031]
In this fuel electrode material, the mixing ratio of nickel oxide powder and zirconia powder (which is a mixture of zirconia fine powder and zirconia coarse powder) in the above mixed powder is converted from nickel oxide to nickel. Value of nickel: zirconia = 35: 65 wt% to 60:40 wt%Is in.
[0032]
The reason why the range of the mixing ratio is suitable is that when the nickel content is low, the conductive path by the nickel particles is blocked, the resistance is increased, and the amount of the catalyst is reduced, so that the electrode activity tends to decrease. As the zirconia content increases, the conductivity of the fuel electrode as a whole decreases due to the low conductivity, and the polarization when the current flows is increased, and the power generation performance of the SOFC tends to decrease. is there.
[0033]
On the other hand, when the nickel content increases, the thermal expansion coefficient increases, the thermal expansion difference from the solid electrolyte increases, thermal stress is generated, and the cell tends to break down, and the zirconia content is increased. This is because when the temperature is lowered, deterioration of the fuel electrode with time due to agglomeration of nickel is observed in the process of using the SOFC.
[0034]
The mixing ratio is particularly preferably about nickel: zirconia = 40: 60% by weight from the viewpoint of excellent initial characteristics of SOFC.
[0035]
The mixing ratio of the zirconia fine powder to the zirconia coarse powder in the zirconia powder is in the range of zirconia fine powder: zirconia coarse powder = 40: 60 wt% to 60:40 wt%.Is in.
[0036]
The reason why the range of the mixing ratio is suitable is that when the content of the zirconia fine powder decreases, the three-phase interface composed of nickel and zirconia fine powder decreases, and the electrocatalytic activity tends to decrease. This is because when the content of the powder becomes high, a network structure of nickel becomes difficult to form, and the electronic conductivity tends to decrease.
[0037]
On the other hand, when the content of the fine zirconia powder increases, the pores are blocked by the fine zirconia powder, and the porosity tends to decrease. When the content of the coarse zirconia powder decreases, the nickel content during the oxidation / reduction cycle decreases. This is because there is a tendency that volume changes due to expansion and contraction cannot be absorbed.
[0038]
The mixing ratio is particularly preferably a mixing ratio of around 50: 50% by weight of zirconia fine powder: zirconia coarse powder from the viewpoint of excellent balance of electrode catalyst activity, electronic conductivity, and shape stability.
[0039]
In this fuel electrode material, from the viewpoint of improving the structural stability of the obtained fuel electrode, alumina (Al2O3) Powder may be included. In this case, alumina (Al2O3) The powder preferably has a 50% diameter in the range of 0.1 to 0.4 μm, and is preferably mixed in the range of 2% by weight or less with respect to the zirconia powder.
[0040]
In this fuel electrode material, instead of nickel oxide powder, other catalyst metal oxide powders such as cobalt oxide powder, iron oxide powder, tungsten oxide powder, copper oxide powder, platinum Although noble metal powders such as palladium and ruthenium can be used, nickel oxide (which becomes nickel during power generation) is cheaper than other catalytic metals and can react with fuel gases such as hydrogen. Since it is sufficiently large, it is particularly preferably used.
[0041]
Next, the manufacturing method of this fuel electrode material is demonstrated. The method for producing the present fuel electrode material is not particularly limited, but it is based on a method that enables uniform and stable mixing and dispersion so that the 50% diameter of each powder is maintained within the above range. Is desirable. For example, a predetermined amount of the above-mentioned zirconia fine powder and nickel oxide powder are weighed, put into a ball mill or the like together with a mixing medium, a solvent, etc., mixed for about 12 to 24 hours, and then added with a predetermined amount of zirconia coarse powder, Examples include a method of mixing for about 0.5 to 2 hours, and taking out from a ball mill and drying.
[0042]
In addition, zirconia fine powder, zirconia coarse powder and nickel oxide powder can be mixed at once, or after zirconia coarse powder and nickel oxide are mixed first, zirconia fine powder is added and further mixed. Although it is not particularly limited, especially during mixing, from the viewpoint that pulverization of the zirconia coarse powder is difficult to occur, after mixing the zirconia fine powder and the nickel oxide powder first, add the zirconia coarse powder. Further, a method of further mixing is most preferable. In addition, it is good also as dry mixing, without using a solvent, and it can select suitably as needed.
[0043]
As the mixing means used for producing the present fuel electrode material, known mixing means such as a ball mill, a sand mill, a vibration mill, a bead mill and the like can be used. At this time, in order to maintain the 50% diameter of each powder within the above range, for example, the inside of a ball mill or the like with a soft lining such as nylon or rubber lining is used. preferable. Moreover, various resin balls such as zirconia balls and nylon balls can be used as the mixing medium, and ethanol, water, glycol and the like can be used as the solvent.
[0044]
Next, a fuel electrode using the present fuel electrode material as a raw material will be described. Since this fuel electrode is applied to SOFC, the following description will be made assuming it.
[0045]
In general, the SOFC method is roughly classified into a cylindrical method, a flat plate method, and an integral lamination method, but the present fuel electrode can be applied to any type of SOFC. That is, the shape of the SOFC solid electrolyte is not particularly limited, and may be any of a cylindrical shape, a flat plate shape, or a honeycomb shape.
[0046]
In order to apply this fuel electrode as a fuel electrode of SOFC, first, a solid electrolyte material showing oxygen ion conductivity is formed into a predetermined shape and sintered at a predetermined temperature. Note that the method for forming the solid electrolyte material may be an optimum method according to the shape of the SOFC. For example, in order to form a flat plate, a press molding method, a tape molding method, or the like may be used. Further, for forming into a cylindrical shape or a honeycomb shape, an extrusion molding method, an injection molding method, or the like may be used. Moreover, what is necessary is just to select optimal temperature according to the composition as the baking conditions of a solid electrolyte.
[0047]
Next, a slurry containing the fuel electrode material is applied to one surface of the solid electrolyte and sintered to obtain the fuel electrode. Specific examples of the method for applying the fuel electrode include a screen printing method, a doctor blade method, a brush coating method, a spray method, a dipping method, and the like. In the present invention, any method is used. There is no particular limitation. The thickness of the fuel electrode and the like may be appropriately adjusted in consideration of the shape of the solid electrolyte and the like, and the firing temperature of the fuel electrode may be selected according to the composition.
[0048]
Similarly, on the other side of the solid electrolyte, LaSrMnO3, LaCaMnO3LaMgMnO3LaSrCoO3LaCaCoO3If a slurry containing an air electrode material such as is applied and sintered to form an air electrode, and a fuel gas introduction means and an oxidant gas introduction means are attached to the obtained electrolyte electrode assembly, this fuel electrode is provided. SOFC is obtained.
[0049]
Next, the operation of the fuel electrode material and the fuel electrode will be described.
[0050]
The present fuel electrode material comprises a zirconia fine powder having a 50% diameter in the range of 0.4 to 0.8 μm, a zirconia coarse powder having a 50% diameter in the range of 25 to 50 μm, and 50% thereof. When the mixed powder is sintered to form the main fuel electrode, and the main fuel electrode is used for SOFC, since the mixed powder includes nickel oxide powder having a diameter larger than 2 μm and smaller than 5 μm. Even when the fuel electrode is exposed to the oxidation / reduction cycle, power generation can be stably maintained, and the reliability of the battery is also improved.
[0051]
That is, since the fuel electrode of SOFC is normally used in a reducing atmosphere by the fuel gas supplied in the power generation state, nickel in the cermet fuel electrode exists as metallic nickel. In this state, nickel particles are connected to each other to form a network structure, and this network structure serves as an electron conduction path.
[0052]
However, after the metal nickel is oxidized to expand into nickel oxide, the nickel oxide is reduced again to shrink into metal nickel, and when this is repeated, the network structure originally constructed in a reducing atmosphere The (electron conduction path) is divided, and the fuel electrode deteriorates.
[0053]
However, even if this fuel electrode formed from this fuel electrode material using each powder having a 50% diameter within a specific range is subjected to an oxidation / reduction cycle, the internal network structure is not easily divided. Electron conduction is maintained. That is, it is difficult to destroy the internal microstructure by the oxidation / reduction cycle, and deterioration can be avoided. Therefore, power generation can be stably maintained even under a situation where the oxidation / reduction cycle is repeated, and thus the reliability of the battery is improved.
[0054]
Further, since there is no need to always provide a high-pressure nitrogen cylinder or the like in the SOFC, there is an advantage that problems such as security problems and complicated SOFC maintenance can be avoided.
[0055]
【Example】
Hereinafter, the present fuel electrode material and the present fuel electrode will be described more specifically with reference to examples.
[0056]
(Oxygen ion conductivity of stabilized zirconia)
First, a sintered body was prepared from stabilized zirconia powder containing various oxides using a normal ceramic process, and the oxygen ion conductivity at 1000 ° C. was measured.
[0057]
That is, 11 mol% Sc2O3ScSZ (hereinafter referred to as “11ScSZ”) powder containing 10 mol% of Sc2O3And 1 mol% Y2O3ScSZ (hereinafter referred to as “10Sc1YSZ”) powder containing 10 mol% of Sc2O3And 1 mol% CeO2ScSZ (hereinafter referred to as “10Sc1CeSZ”) powder containing 11 mol% of Sc2O3Al for ScSZ containing2O31Sc% composite (hereinafter referred to as "11ScSZ1A"), 8YSZ powder, 11ScSZ sintered body, 10Sc1YSZ sintered body, 10Sc1CeSZ sintered body, 11ScSZ1A, 8YSZ sintered body were produced at 1000 ° C. The oxygen ion conductivity in was measured. The results are shown in Table 1.
[0058]
The 11ScSZ powder, 10Sc1YSZ powder, and 10Sc1CeSZ powder were manufactured by Daiichi Rare Element Chemical Co., Ltd., and the 8YSZ powder was manufactured by Tosoh Corporation.
[0059]
[Table 1]
[0060]
In the case of the 8YSZ sintered body, the oxygen ion conductivity at 1000 ° C. was 0.160 S / cm.
[0061]
In contrast, in the case of the 11ScSZ sintered body, the 10Sc1YSZ sintered body, the 10Sc1CeSZ sintered body, and the 11ScSZ1A sintered body, the oxygen ion conductivity at 1000 ° C. is 0.310 S / cm, 0.304 S / cm, and 0.343 S. The oxygen ion conductivity was higher than that of the 8YSZ sintered body.
[0062]
(Preparation of this anode material)
Example 1
Next, in consideration of the measurement result of the oxygen ion conductivity, 10Sc1CeSZ was selected as a stabilized zirconia in the fuel electrode material. As starting materials, 10Sc1CeSZ fine powder (50% diameter: 0.6 μm, manufactured by Daiichi Rare Element Chemical Co., Ltd.), 10Sc1CeSZ coarse powder (50% diameter: 30 μm), NiO powder (50% diameter: 3.0 μm, manufactured by Nacalai Tesque Co., Ltd.) was prepared. The 10Sc1CeSZ coarse powder was obtained by calcining 10Sc1CeSZ fine powder (calcining temperature 1200 ° C., calcining time 3 hours), growing 10Sc1CeSZ fine particles, and then classifying with a sieve. It is.
[0063]
Next, the mixing ratio of NiO powder and 10Sc1CeSZ powder (a mixture of 10Sc1CeSZ fine powder and 10Sc1CeSZ coarse powder) is a value obtained by converting NiO to Ni, and Ni: 10Sc1CeSZ = 40: 60 wt% A predetermined amount of each powder was weighed so as to obtain a ratio. The mixing ratio of the 10Sc1CeSZ fine powder to the 10Sc1CeSZ coarse powder in the 10Sc1CeSZ powder was 10Sc1CeSZ fine powder: 10Sc1CeSZ coarse powder = 50: 50% by weight.
[0064]
Next, the NiO powder and the 10Sc1CeSZ fine powder were placed in a polyethylene pot together with zirconia balls and ethanol and mixed for 23 hours, and then the 10Sc1CeSZ coarse powder was added and further mixed for 1 hour.
[0065]
Subsequently, the obtained slurry was taken out from the pot and dried to obtain the fuel electrode material according to Example 1.
[0066]
(Comparative Example 1)
A fuel electrode material according to Comparative Example 1 was obtained in the same manner as in Example 1 except that NiO powder (50% diameter: 1.0 μm, manufactured by Nacalai Tesque) was used.
[0067]
(Comparative Example 2)
A fuel electrode material according to Comparative Example 2 was obtained in the same manner as in Example 1 except that NiO powder (50% diameter: 2.0 μm, manufactured by Furuuchi Chemical Co., Ltd.) was used.
[0068]
(Comparative Example 3)
A fuel electrode material according to Comparative Example 3 was obtained in the same manner as in Example 1 except that NiO powder (50% diameter: 5.0 μm, manufactured by Kojundo Chemical Laboratory Co., Ltd.) was used.
[0069]
(Comparative Example 4)
A fuel electrode material according to Comparative Example 4 was obtained in the same manner except that NiO powder (50% diameter: 7.0 μm, manufactured by Kojundo Chemical Laboratory Co., Ltd.) was used in Example 1.
[0070]
(Production of SOFC single cell)
Next, an SOFC single cell including a fuel electrode formed from the fuel electrode material according to Example 1 was manufactured. That is, as a solid electrolyte material, 4 mol% of Sc2O34ScSZ (manufactured by Daiichi Rare Elemental Chemical Co., Ltd.) was used, and a binder was added thereto to form a slurry, and a green sheet having a thickness of about 150 μm was prepared using a doctor blade method. Next, this green sheet was fired at 1350 ° C. for 2 hours to produce a solid electrolyte plate.
[0071]
Next, a binder (polyethylene glycol) was added to the fuel electrode material according to Example 1 prepared above to form a slurry, which was applied to one surface of the solid electrolyte plate (thickness: about 40 μm) using a screen printing method. Subsequently, this was baked at 1350 degreeC for 2 hours, and it was set as the fuel electrode.
[0072]
Next, as an air electrode material, La0.8Sr0.2MnO3(Seimi Chemical Co., Ltd.) was used, and a binder (polyethylene glycol) was added thereto to form a slurry, which was applied to the other surface of the solid electrolyte plate (thickness: about 50 μm) using a screen printing method. Subsequently, this was baked at 1150 degreeC for 2 hours, and it was set as the air electrode. As described above, an SOFC single cell A provided with a fuel electrode formed from the fuel electrode material according to Example 1 was obtained.
[0073]
For comparison, SOFC single cells B to E were manufactured in the same procedure except that the fuel electrode material according to Comparative Examples 1 to 4 was used in the manufacture of the SOFC single cell.
[0074]
(Power generation test)
Next, a power generation test was performed using each of the SOFC single cells A to E obtained above. That is, as shown in FIG. 1, both sides of the fuel electrode and air electrode of the SOFC single cell are sandwiched by Pt meshes, and gas manifolds (made of alumina) are provided on both sides of the Pt mesh, and fuel gas (humidified hydrogen: 3 % Humidification) and oxidant gas (simulated air: 21% O)279% N2). The power generation temperature in this power generation test was 950 ° C. The fuel gas is humidified to 3% through a bubbler humidified in an oil bath. Also, current density (A / cm2The gas flow rate during measurement of the output voltage (V) was humidified hydrogen of 1.0 L / min and simulated air of 1.0 L / min.
[0075]
(Fuel electrode oxidation / reduction test)
Next, nitrogen diluted 20% humidified hydrogen (3% humidified) is used as the fuel gas, simulated air is used as the oxidant gas, and the current density is 0.25 A / cm.2A power generation test was performed under the constant load conditions of the above, and an oxidation / reduction test of the fuel electrode was performed in the middle. Specifically, once the power generation is interrupted and the power generation temperature is maintained at 950 ° C., the fuel gas line is opened to the atmosphere in the SOFC single cell to forcibly oxidize the fuel electrode. The operation of restoring the fuel gas line and generating power again was repeated several times to investigate the deterioration of the fuel electrode. At this time, whether or not the fuel electrode was oxidized was confirmed by the electromotive force being 0V. In addition, the gas flow rate at the time of constant load power generation was set to nitrogen diluted 20% humidified hydrogen 1.0 L / min and simulated air 1.0 L / min.
[0076]
2 to 6 show the relationship of power generation time (h) -output voltage (V) of the SOFC single cells A to E. FIG. 7 to 11 show the current density (A / cm of SOFC single cells A to E).2) -Output voltage (V) relationship. In FIG. 2 to FIG. 6, the portion where the electromotive force falls to 0 V corresponds to the oxidized state. 2 to 6, there are a plurality of places where the electromotive force falls, and these correspond to the first, second, third, and so on from the left to the right of the time axis. ing.
[0077]
In the SOFC single cells B to E according to Comparative Examples 1 to 4 in FIGS. 3 to 6 (FIGS. 8 to 11), the output voltage (V) is remarkably reduced by repeated oxidation and reduction. It is confirmed that the SOFC single cell A according to Example 1 in FIG. 2 (FIG. 7) can maintain power generation stably without a significant decrease in output voltage (V) even after repeated oxidation and reduction. It was done.
[0078]
This is because in SOFC single cells B to E according to Comparative Examples 1 to 4, the network structure (electron conductive path) in the fuel electrode that was built in the reducing atmosphere at the beginning of power generation was divided by the oxidation / reduction cycle, In contrast to the deterioration of the fuel electrode, in the SOFC single cell A according to Example 1, the microstructure inside the fuel electrode is hardly destroyed by the oxidation / reduction cycle, and the deterioration of the fuel electrode is effectively avoided. It depends on what was done.
[0079]
The present invention is not limited to the above embodiments, and various modifications can be made without departing from the spirit of the present invention. For example, although the 10Sc1CeSZ powder is used in the above embodiment, other zirconia powders described above can be applied. In the above embodiment, the fuel electrode according to the present invention is applied to the flat plate type SOFC. However, the present invention can be applied to any other type of SOFCs such as a cylindrical SOFC and an integrated SOFC. It is.
[0080]
【The invention's effect】
By sintering a specific fuel electrode material and using the obtained fuel electrode according to the present invention for SOFC, power generation can be stably maintained even when the fuel electrode is exposed to an oxidation / reduction cycle. Therefore, the reliability of the battery is also improved. Further, since there is no need to always provide a high-pressure nitrogen cylinder or the like in the SOFC, there is an advantage that problems such as security problems and complicated SOFC maintenance can be avoided.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram schematically showing a power generation test apparatus.
2 is a graph showing the relationship between power generation time (h) and output voltage (V) of a SOFC single cell A equipped with a fuel electrode formed from the present fuel electrode material according to Example 1. FIG.
3 is a graph showing a relationship between power generation time (h) and output voltage (V) of a SOFC single cell B including a fuel electrode formed from a fuel electrode material according to Comparative Example 1. FIG.
4 is a graph showing a relationship between power generation time (h) and output voltage (V) of a SOFC single cell C including a fuel electrode formed of a fuel electrode material according to Comparative Example 2. FIG.
5 is a graph showing a relationship between power generation time (h) and output voltage (V) of a SOFC single cell D provided with a fuel electrode formed of a fuel electrode material according to Comparative Example 3. FIG.
6 is a graph showing a relationship of power generation time (h) -output voltage (V) of a SOFC single cell E equipped with a fuel electrode formed of a fuel electrode material according to Comparative Example 4. FIG.
7 shows the current density (A / cm) of a SOFC single cell A equipped with a fuel electrode formed from the present fuel electrode material according to Example 1. FIG.2It is the figure which showed the relationship of-output voltage (V).
FIG. 8 shows the current density (A / cm) of a SOFC single cell B equipped with a fuel electrode formed from the fuel electrode material according to Comparative Example 1.2It is the figure which showed the relationship of-output voltage (V).
9 shows the current density (A / cm) of a SOFC single cell C including a fuel electrode formed from a fuel electrode material according to Comparative Example 2. FIG.2It is the figure which showed the relationship of-output voltage (V).
FIG. 10 shows the current density (A / cm) of a SOFC single cell D provided with a fuel electrode formed of a fuel electrode material according to Comparative Example 3.2It is the figure which showed the relationship of-output voltage (V).
FIG. 11 shows the current density (A / cm) of a SOFC single cell E equipped with a fuel electrode formed of a fuel electrode material according to Comparative Example 4.2It is the figure which showed the relationship of-output voltage (V).
Claims (3)
前記混合粉体における酸化ニッケル粉体とジルコニア粉体(ジルコニア微粉体とジルコニア粗粉体とを混合したもの)との混合比は、酸化ニッケルをニッケルに換算した値で、ニッケル:ジルコニアが35:65重量%〜60:40重量%の範囲内にあり、
前記ジルコニア粉体におけるジルコニア微粉体とジルコニア粗粉体との混合比は、ジルコニア微粉体:ジルコニア粗粉体が40:60重量%〜60:40重量%の範囲内にある混合粉体を焼結させてなり、還元雰囲気下において金属ニッケル同士が互いに接続されたネットワーク構造を形成することを特徴とする固体酸化物形燃料電池用燃料極。A zirconia fine powder having a 50% diameter in the range of 0.4 to 0.8 μm, a zirconia coarse powder having a 50% diameter in the range of 25 to 50 μm, and a 50% diameter larger than 2 μm and 5 μm. A mixed powder comprising nickel oxide powder within a smaller range ,
The mixing ratio of the nickel oxide powder and the zirconia powder (a mixture of the zirconia fine powder and the zirconia coarse powder) in the mixed powder is a value obtained by converting nickel oxide into nickel, and nickel: zirconia is 35: In the range of 65% to 60: 40% by weight,
The mixing ratio of the zirconia fine powder to the zirconia coarse powder in the zirconia powder is such that the zirconia fine powder: zirconia coarse powder is in the range of 40:60 wt% to 60:40 wt%. And forming a network structure in which metallic nickels are connected to each other in a reducing atmosphere.
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