JP4428837B2 - 毛髪矯正用器具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半固体状の毛髪矯正剤を用いた毛髪矯正用器具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、毛髪をストレートに矯正するには、美容室で専門員に施してもらわなければならず、費用の面で消費者に負担が非常に大きくて、気軽にできるものではなかった。そのため、家庭でできて、安価で気軽にできる毛髪矯正方法が社会的に要請されてきており、現在のところ、家庭でできる毛髪矯正方法として、熱処理により毛髪を矯正する方法や、毛髪矯正剤(以下、薬剤ともいう)を毛髪に塗布する事により矯正する方法が普及している。
【0003】
ここで、熱処理による毛髪矯正は、毛髪を加熱することにより、毛髪の組織の結合を切断し、毛髪を軟化させて、その加熱とともに、毛髪を引っ張ることにより隣接する組織の結合のずれを矯正し、その後に、毛髪の組織を再結合させることで、毛髪を矯正する方法である。一般に、熱処理による毛髪矯正は、その加熱操作と毛髪を引っ張る操作を、ヘアーアイロンを用いて実現するものである。
【0004】
一方、薬剤を使用した毛髪矯正は、薬剤塗布の操作を伴うもので、1つ又は2つの薬剤を毛髪に塗布することにより、毛髪を矯正する方法である。
主に薬剤は半固体状に形成され、毛髪の組織の結合を切断したり再結合させる働きを持つ。そのため、薬剤を毛髪に塗布し、張力をかけて毛髪を伸ばす操作(以下、毛髪に張力をかけて、毛髪を伸ばす操作を延伸操作とも表現する。)を行うと、毛髪の組織の結合のずれを矯正することができ、見た目にもストレートな毛髪へと矯正される。通常、この薬剤塗布の操作と、延伸操作は、素手又は手袋をはめて塗布するか、あるいは櫛やヘアブラシ(以下、櫛やヘアブラシの総称として、コームとも表現する)を用いて行う。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術には、以下のような問題が挙げられる。
まず、熱処理による毛髪矯正で必要とされるヘアーアイロンは、一般に高価で、消費者への負担が小さいとは言い難いものである。また、ヘアーアイロンは電化製品であるため、電源を確保しなければならないし、重量がある点で腕に負担がかかり、使用し辛い。
【0006】
薬剤を使用した毛髪矯正では、熱処理による毛髪矯正と比較して費用の面で負担が少なくて済み、また、重いヘアーアイロンを使用する必要もないし、電源の確保も必要ない。しかし、一方で、従来の薬剤を使用した毛髪矯正では、以下のような問題があった。
【0007】
まず、手で直接、薬剤を塗布する場合には、薬剤で手が汚れるのみならず、直接薬剤が手に触れることで手荒れを引き起こしてしまうし、手袋を手にはめて塗布する場合には、薬剤が手に直接触れるのを防ぐことができるが、手の操作感が鈍ることで薬剤が毛髪の一部に偏って塗布され、毛髪全体に均一に薬剤を塗布することが困難になってしまうことである。これは結果として、薬剤が必要以上に塗布されている部位では、薬剤により毛髪が傷つき、少ない部位では、薬剤の作用が有効に働かず、毛髪の矯正の効果が毛髪全体に均一に発揮できないことになる。
【0008】
コームを用いる場合には、薬剤を載せたコームで所望の毛髪を梳くことにより、薬剤の塗布を行うことになるので、直接手に薬剤が触れて手が荒れる心配もないし、手による塗布に比べれば均一に薬剤を塗布することが可能であるが、一方で、次のような欠点がある。
【0009】
従来のコームによる延伸操作はコームで毛髪を梳くことにより行われるのであるから、十分な延伸操作を施すためには、コームの歯の間隔を狭く、密にすることで梳く際の毛髪にかかる抵抗を増して、毛髪に十分な張力がかかるようにして延伸操作をしなければならない。しかし、櫛歯が密なコームで毛髪を梳く場合、特に重度の癖毛の場合には、櫛歯に毛髪が引っ掛かり毛髪を傷めてしまうし、櫛歯を疎にすると、毛髪に十分な張力がかからないから、特に毛先まで十分に伸ばすことができなってしまうのである。
【0010】
尚、このような欠点を補ったものとして、毛髪に張力を掛けやすくするために、櫛歯を立設した面と対向する凹凸状の面を有する板を設け、櫛歯を立設した面と凹凸状の面の間に毛髪を挟んで、引っ張ることができるようにしたコームが存在する。このコームは、十分な張力を毛髪にかけることができ、また、毛先まで延伸操作を行うことができる点で、従来のコームに比べ優れている。しかし、このコームでは、薬剤の塗布操作と毛髪の延伸操作が同時にしかできないため、薬剤がコームから垂れ落ちやすく、塗布しづらいし、薬剤を毛髪全体に均一に塗布することが困難となる。また、その結果、薬剤が必要以上に塗布されている部位で延伸操作をした時に、毛髪が切れてしまうこともあるし、薬剤の塗布が不十分な部位で毛髪を延伸しても、毛髪に無意味な負担をかけることになってしまう。
【0011】
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、毛髪矯正剤による毛髪の損傷を軽減でき、かつ十分に毛髪を延伸して毛髪矯正することのできる毛髪矯正用器具を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するため、請求項1に記載の毛髪矯正用器具は、片面に櫛歯が分散立設された櫛台座部と、前記櫛台座部から一方向に延設された櫛柄部と、により構成される櫛本体を有し、前記櫛歯に毛髪矯正剤を付着させ、所望の毛髪を梳くことにより、毛髪矯正剤を塗布し、毛髪矯正を行う毛髪矯正用器具において、毛髪を挟んで延伸するための挟持部を備えると共に、前記櫛柄部の前記櫛本体とは反対の端に設けられた連結部に、前記挟持部を、前記櫛本体の櫛歯が分散立設した面とは反対の面に対向するように接続して、前記櫛本体に対して前記挟持部を開閉可能とし、更に、前記挟持部に対向する前記櫛本体の面及び前記櫛本体に対向する前記挟持部の面の内、一方の面に複数の凸条を形成すると共に、他方の面を、前記一方の面に対して噛合可能な位置に複数の凸条を有した形状とすることで、前記挟持部に対向する前記櫛本体の面と前記櫛本体に対向する前記挟持部の面の各々を、前記連結部から前記櫛柄部方向に延びた軸方向に対して垂直な方向に、凹凸状に形成すると共に、前記櫛本体と前記挟持部とを、互いに噛合可能に構成してなることを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載の毛髪矯正用器具は、請求項1記載の毛髪矯正用器具において、前記櫛歯は、前記櫛台座部の縁端から中央方向に従って、短くなるように立設されていることを特徴とする。
請求項3に記載の毛髪矯正用器具は、請求項1又は請求項2に記載の毛髪矯正用器具において、前記挟持部の前記櫛本体と対向する面とは反対の面に、櫛歯を分散立設したことを特徴とする。
【0017】
請求項4に記載の毛髪矯正用器具は、請求項1〜請求項3に記載の毛髪矯正用器具において、前記櫛本体及び前記挟持部の少なくとも一方の前記連結部とは反対側の端部には、毛髪を掬って該櫛本体と該挟持部との間へ導くための案内棒が設けられていることを特徴とする。
【0018】
請求項5に記載の毛髪矯正用器具は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の毛髪矯正用器具において、前記連結部は、ヒンジで構成されていることを特徴とする。
請求項6に記載の毛髪矯正用器具は、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の毛髪矯正用器具において、前記櫛本体と前記挟持部と前記連結部とを、合成樹脂で一体成形したことを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
上記構造を有する本発明の毛髪矯正用器具について、その使用方法とともに各部の作用、効果について以下に説明する。
請求項1に記載の毛髪矯正用器具は、櫛台座部の櫛歯が立設された部位を、主に薬剤を毛髪に塗布するためのコームとして用いることにして、新たに挟持部を設け、櫛本体と挟持部で毛髪を挟持して、毛髪の延伸操作を行えるようにしたことを特徴とする毛髪矯正用器具である。このような構造の毛髪矯正用器具は、毛髪を挟持して延伸操作をできるから、毛髪に十分な張力をかけて延伸することができ、毛髪をしっかり矯正することが可能である。さらに、この毛髪矯正用器具は、薬剤を塗布する機能と毛髪を延伸する機能を、櫛部と挟持部で別々に備えているから、従来の毛髪矯正用器具に比べて、薬剤の垂れ落ちや塗布のムラ等、塗布の際の欠点を抑えることができる。
【0020】
ここで、本発明の毛髪矯正用器具は、薬剤を用いて毛髪を矯正する際に使用されるものであるので、薬剤を用いた毛髪矯正方法について説明する。
この矯正方法には、一般に、2つの薬剤を使用し、それらを2回に分けて毛髪に塗布する2浴式による矯正方法と、1つの薬剤だけを使用し毛髪に塗布する1浴式による矯正方法がある。上記2浴式による毛髪矯正の場合では、使用者は、最初に毛髪を軟化する作用を有する第1剤を毛髪に塗布し、次に毛髪を矯正した状態で定着させる第2剤を塗布することで毛髪矯正を施す必要がある。また、上記1浴式による毛髪矯正の場合には、使用者は、毛髪を軟化する作用を有する第1剤を毛髪に塗布した後に、薬剤を洗い落として、薬剤で軟化した毛髪を空気酸化で定着させることにより毛髪矯正を行う。
【0021】
このような矯正方法による本発明の毛髪矯正用器具を用いた毛髪矯正は、以下に記載する第1操作から第10操作までの手順により行われる。
まず、本発明の毛髪矯正用器具を使用した毛髪矯正の第1操作は、薬剤による毛髪組織の軟化を促進させるために毛髪を霧吹き等で濡らす操作である。
【0022】
次に、第2操作は、半固体状の第1剤を櫛歯の上に載せた後に、毛髪矯正用器具を用いて、濡らした毛髪を梳き、毛髪に第1剤を塗布する操作である。第1剤を塗布された毛髪は、第1剤の作用により軟化し、組織の結合が切断される。しかし、第1剤は、毛髪を軟化するのみであるので、このままでは毛髪を矯正できない。毛髪をストレートに矯正するには、使用者は軟化した毛髪に物理操作を施し、毛髪組織のズレを矯正しなければならないのである。
【0023】
そのため、第3操作は、本発明の毛髪矯正用器具の特徴である挟持部を用いて、その挟持部と櫛本体との間に、毛髪を挟持し、毛髪の毛先方向に向けて、毛髪をしごく感覚で、延伸する操作である。尚、毛髪を挟む方向は、連結部から櫛柄部方向に延びた軸に垂直な方向、つまり、長手方向に対して垂直な方向である。
【0024】
このように挟持部と櫛本体との間に挟持され延伸された毛髪は、第4操作として、その状態で数分〜十数分ほど放置される。さらにその後は、第5操作として、使用者は、毛髪全体を水洗いし、第1剤を毛髪から洗い落とす操作を毛髪に施す。
【0025】
ここで、2浴式の場合には、第1操作から第5操作までの操作が毛髪に施された後に、使用者は、薬剤を第1剤から第2剤に改めて、第2操作から第5操作と同様の操作である第6操作から第9操作までの操作を同じ手順で毛髪に施す必要がある。第2剤を用いてこのような操作が毛髪に施されると、第2剤により切断された毛髪の組織の結合は再結合され、結果として矯正された状態で毛髪は定着する。この第9操作までを毛髪に施した後、使用者は、第10操作として、通常のリンスなどを用いて毛髪をすすぐ。このようにすると毛髪の損傷が最小限に抑えられる。
【0026】
一方、1浴式の場合には、薬剤は1剤のみであるので、第1操作から第5操作までを施された毛髪の組織は、空気酸化により再結合し、毛髪は矯正された状態で定着する。この後に、第10操作として、使用者は、リンスなどを用いて毛髪をすすぐ。このようにすると、2浴式の場合と同様に、毛髪の損傷は最小限に抑えられる。尚、当然であるが、1浴式の場合には、第6操作から第9操作までは行わない。
【0027】
以上が本発明の毛髪矯正用器具を用いた毛髪矯正の手順である。このように本発明の毛髪矯正用器具は使用されるから、請求項2に記載の毛髪矯正用器具のように、櫛台座部の縁端に立設した櫛歯の長さに比べ、櫛台座部の中央側の櫛歯の長さを短くして立設すると、上記第2操作、上記第6操作の際に、使用者が、櫛歯が立設した面の中央側に薬剤を沢山載せても、縁端の櫛歯は、薬剤を囲い込むように配置されているから、薬剤の垂れ落ちを防ぐことができる。また、中央側に載せた薬剤が縁端の櫛歯の頂点より上に盛り上がらない程度であれば、毛髪矯正用器具は、毛髪の根元や、頭皮に薬剤が付着するのを抑えて、頭皮が荒れたり、根元から毛髪が切れるのを防ぐことができる。
【0028】
尚、櫛歯は、櫛台座部の長手方向に平行な両端から、中央側に向けて短くなるように立設されていてもいいし、櫛台座部の四方の端から中央側に向けて短くなるように立設されていてもよい。
また、請求項3に記載の毛髪矯正用器具のように、挟持部の面のうち、櫛本体と対向する面とは反対の面に、櫛歯が櫛台座部のそれと異なるように立設されていれば、毛髪矯正用器具は、2種類のコームとしての機能を持つことができる。
【0029】
例えば、片方の櫛歯が、薬剤が垂れにくいような構造となるように立設され、他方の櫛歯が、通常のコームのように立設されていれば、使用者は、片方の櫛歯が立設された部位を、毛髪全体に大雑把に薬剤を塗布するためのコームとして使用することができ、他方の櫛歯が立設された部位を、塗布した薬剤をさらに毛髪全体に均一に伸ばすためのコームとして使用することができるのである。これにより、第2操作、第6操作の際に、薬剤はより均一に毛髪に塗布され、毛髪の損傷が抑えられる。また、片方の櫛歯が疎に立設され、他方の櫛歯が密に立設されていれば、使用者は、片方の櫛歯で毛髪を梳いた後、他方の櫛歯で毛髪を梳くことができるので、梳く際に毛髪が櫛歯に引っかかるのを抑えることができる。
【0030】
次に、本発明の挟持部と櫛本体の面は、第3操作、第7操作で毛髪を挟持する際に、毛髪矯正の効果が十分に発揮され、且つ毛髪の損傷を最小限に抑えることができるように、加工されている。つまり、本発明では、挟持部に対向する櫛本体の面と櫛本体に対向する挟持部の面の各々を加工して、快適かつ有効な毛髪矯正が施せるようにしている。以下では、櫛本体において加工された面を延伸面、挟持部において加工された面を副延伸面とする。
【0031】
具体的に、本発明(請求項1記載)の毛髪矯正用器具は、延伸面と副延伸面の各々に凸条が形成されて、延伸面と副延伸面がそれぞれ凹凸状となるように構成されると共に、櫛本体の延伸面と挟持部の副延伸面が互いに噛合するように形成されている。このように面を凹凸状とすると、平面である時に比べ、一度に挟める毛髪の長さを長くできるし、毛髪を挟持する際の圧力が、毛髪を延伸する力として働くので、延伸操作がより効率的に行える。また、使用者は、毛髪矯正用器具の2つの面の間に毛髪を挟持して、しごく感覚で毛髪を延伸することができるから、櫛歯によって塗布された薬剤を毛髪表面にしっかり伸ばすことができる。このようにすると、薬剤は毛髪になじむので、毛髪に薬剤の効果が十分に働き、しかも、過度に薬剤が付着した部分がないので、毛髪の損傷が少ない。
【0034】
以上は、挟持部の説明であるが、さらに、請求項4に記載の毛髪矯正用器具のように、櫛本体及び挟持部の少なくとも一方の連結部とは反対側の端部に案内棒を設けると、毛髪を挟持する際に、毛髪を案内棒で掬って櫛本体と挟持部との間へ導けるから、手で毛髪をその間へ運ぶ必要がなく、手を汚さないで簡単に延伸操作が可能となる。
【0035】
また、請求項5に記載の毛髪矯正用器具のように、連結部をヒンジで形成すれば、これを介して櫛本体と挟持部とは連結されるので、使用者は、容易に毛髪を挟持することができる。
尚、請求項6に記載のように櫛本体と挟持部は一体成形されていてもよい。この場合には、毛髪矯正用器具を合成樹脂で安価に生産することが可能となる。
【0036】
【実施例】
以上に説明した本発明の毛髪矯正用器具の構成、作用を一層明らかにするために、以下に本発明の毛髪矯正用器具の実施例について、図面と共に説明する。
まず、本発明の毛髪矯正用器具の第1実施例について以下に説明する。
【0037】
図1、図2は第1実施例の毛髪矯正用器具1の構成を表す説明図であり、図1(a)は、毛髪矯正用器具1の正面図を、図1(b)は毛髪矯正用器具1のA−A’断面図を、図1(c)は毛髪矯正用器具1のB−B’断面である斜視図を、図2は毛髪矯正用器具1の斜視図をそれぞれ示している。
【0038】
この図1、図2からわかるように、毛髪矯正用器具1は櫛本体3と挟持部5と連結部7とから構成され、櫛本体3は櫛台座部9と櫛柄部11とから構成されている。
ここで、櫛本体3の櫛台座部9の片面には、櫛歯13、15、15’が立設されており、その配置は図1、図2に示すようになっている。つまり、長手方向に平行な櫛台座部9の両端には、各々の端に沿って一列に櫛歯13が列立しており、その櫛歯13は、櫛台座部9の中央から外側に向けて斜めに傾いている。さらに、櫛台座部9の中央側では、両端に立設した櫛歯13と平行に、それより十分短い櫛歯15が一列に列立し、その他、櫛台座部9の長手方向に延びた一点鎖線B−B’上の両端には、長手方向の櫛台座部9の両端の櫛歯13に比べて短い櫛歯15’が、立設されている。
【0039】
また、櫛本体3の櫛歯13が立設している面とは反対の面の一部には、延伸面17aとして、長手方向に沿って、角のない曲面状の凸条19が形成されている。尚、この毛髪矯正用器具1では、ちょうど櫛台座部9の櫛歯13が立設されている面の反対側の面が延伸面17aとなっているが、櫛台座部9の面だけが延伸面17aとなっていなければならないということはなく、櫛柄部11の面まで延伸面17aとして加工しても構わない。
【0040】
挟持部5は、連結部7から延伸面17aと対向するように連結されており、櫛本体3に対して挟持部5が開閉自在となっている。この挟持部5の面のうち、延伸面17aと対向する面には、副延伸面17bとして、延伸面17aに噛合するように、曲面状の凸条19が二つ形成されており、櫛本体3の凸状の延伸面17aと挟持部5の凹凸状の副延伸面17bとの間に毛髪を挟んで延伸操作ができるようになっている。尚、噛合する様子は、図1(b)に示す断面図のとおりである。その他、連結部7には、ヒンジが使用され、櫛本体3と挟持部5と連結部7は、一体成形されている。
【0041】
このような構造をした毛髪矯正用器具1を用いて毛髪矯正を行う場合、櫛台座部9の中央、つまり、短い櫛歯15の上や櫛歯15、15’に囲まれた櫛台座部9の上に半固体状の薬剤を載せて毛髪を梳くと、薬剤による頭皮の荒れや毛髪の損傷を抑えることができる。
【0042】
これは、例えば、長い櫛歯13と短い櫛歯15の差が1cm程度となるように各櫛歯13、15が形成されているとすると、薬剤が頭皮に直接付かない程度の空間が、櫛台座部9の中央と頭皮との間に形成されるからである。このような空間を有する毛髪矯正用器具1を用いれば、毛髪矯正の際に、薬剤が頭皮に付くことはないし、薬剤が根元に付着して毛髪を切断してしまうような事態を防ぐ事ができるので、使用者は、頭皮の荒れや、毛髪の損傷をあまり気にせずに毛髪を矯正することができる。
【0043】
尚、この効果は、中央の短い櫛歯15、15’が櫛台座部9に立設されていなくても、同様に発揮されるから、櫛台座部9の長手方向に平行に位置する両端に、長い櫛歯13が列立した毛髪矯正用器具1としてもよい。ただし、櫛歯15、15’には、薬剤の垂れ落ちを抑える効果もあるから、そのような効果が弱くなってしまうこともある。したがって、逆に、薬剤の垂れ落ちを抑えるには、例えば、毛髪矯正用器具1の櫛歯15’に隣接して、長手方向とは垂直な方向に、複数の櫛歯15’を列立すればよい。このような毛髪矯正用器具1であれば、櫛歯15’は、薬剤に対して壁のような作用をして、さらに薬剤の垂れ落ちを抑えることができる。
【0044】
次に、毛髪矯正用器具1を用いれば、毛髪に延伸操作を施す際に、使用者は、櫛本体3と挟持部5との間に毛髪を挟んで、しごくように、毛髪を引っ張っることができるので、毛先まで毛髪を延伸することができて、毛髪全体に十分な延伸操作を施すことができる。これは、延伸面17aと副延伸面17bとの間に、長手方向とは垂直な方向に毛髪を挟持すると、毛髪にかかる圧力が、その方向に毛髪を引っ張る力として毛髪に働くためである。
【0045】
このように、毛髪矯正用器具1は、毛髪に力を加えて、毛髪を延伸し、組織のずれを直すことができるので、使用者は、櫛本体3と挟持部5を挟持して力いっぱいに延伸操作をしなくても、十分に毛髪をストレートとすることができる。また、毛髪矯正用器具1は、毛髪を、櫛本体3と挟持部5の面で挟持するから、櫛歯13、15、15’で毛髪に塗布された薬剤を、毛髪表面に広げて伸ばすことができて、薬剤を毛髪の細部まで均等になじませ、毛髪損傷を抑えることができる。
【0046】
以上は、この第1実施例の毛髪矯正用器具1についての説明であるが、ここで、この第1実施例の毛髪矯正用器具1の変形例について説明する。
図3は、第1実施例の毛髪矯正用器具1の変形例の構成を示す説明図であり、挟持部5の他面に櫛歯23を設けた毛髪矯正用器具21の構成を表す斜視図である。
【0047】
この毛髪矯正用器具21は、第1実施例の毛髪矯正用器具1において、挟持部5の面のうち、櫛本体3に対向する面とは反対の面の一部に、櫛歯23を立設し、さらに、櫛本体3と挟持部5の連結部7とは反対側の端部の外縁に、毛髪を掬って櫛本体3と挟持部5との間へ導くための案内棒25を立設したものである。つまり、この挟持部5の副延伸面17bとは反対の面には、通常のヘアブラシのように、ほぼ同じ形状、長さの櫛歯23が等間隔に分散して立設され、そして、案内棒25は、棒状で、その先端が細くなるように形成され、それぞれ櫛本体3と挟持部5の長手方向に平行となるように立設されている。
【0048】
このような毛髪矯正用器具21を用いれば、使用者は、薬剤を毛髪に塗布する段階で、櫛台座部9の櫛歯13、15、15’と挟持部5の櫛歯23とを、それぞれ塗布の第1段階と第2段階に分けて使い分けることができるので、より塗布を良好に行うことができる。つまり、使用者は、塗布の第1段階として、薬剤を多く載せることのできる櫛台座部9の上に薬剤を載せて、毛髪を梳くことにより、薬剤を大雑把に毛髪全体に塗布することができて、さらに、塗布の第2段階として、挟持部5の櫛歯23で毛髪を梳くことにより、薬剤をムラなく均一に塗布することができるのである。
【0049】
また、使用者は毛髪を櫛本体3と挟持部5で挟持する際に、案内棒25を使用して毛髪を掬うことができるので、毛髪を簡単に櫛本体3と挟持部5との間へ導くことができるし、両側に案内棒25があるから、延伸操作の際に、それらを手で挟持することによって、毛髪を櫛本体3と挟持部5で強く挟持することができる。したがって、延伸操作が簡単にできて操作にかかる時間を短縮することができるし、さらに、毛髪矯正の効果も一層向上する。尚、毛髪矯正用器具21では、案内棒25を櫛本体3と挟持部5とに設けたが、必ずしも両方に設ける必要はなく、どちらか一方だけに設けてもよい。
【0050】
また更に、第1実施例とその変形例の毛髪矯正用器具1、21の延伸面17aと副延伸面17bの形状は、必要に応じて、例えば、図4(a)のように変形することもできる。図4(a)は、櫛本体3の櫛歯13が立設した面とは反対の面の全域が、延伸面33aとして、平面状に形成され、その面と対向する挟持部5の面の全域が、副延伸面33bとして、平面状に形成された毛髪矯正用器具31に関する説明図であり、その構成を示す斜視図である。このような構成の毛髪矯正用器具31は、図4(b)に示す図1(a)のA−A’に相当する方向の毛髪矯正用器具31の断面図からも認識できるように、平面で毛髪を挟持することができるから、延伸操作を行う際に、延伸面33a、副延伸面33b上での毛髪の滑りがよく、薬剤を毛髪の表面にしっかり伸ばしてなじませることができて、毛髪の損傷を抑えることができる。
【0051】
その他、同様にして、毛髪矯正用器具1、21の延伸面17aと副延伸面17bを、図1のA−A’断面が図4(c)となるような形状に変形することもできる。つまり、延伸面35aと副延伸面35bのそれぞれに、櫛本体3の長手方向に平行に、角のない曲面状の凸条19を複数形成して、その表面が櫛本体3の長手方向に垂直な方向(A−A’一点鎖線軸方向)に凹凸状となるようにし、櫛本体3と挟持部5が互いに噛合するように毛髪矯正用器具1、21を変形してもよい。
【0052】
このような形状の延伸面35aと副延伸面35bに加工された毛髪矯正用器具1、21は、図1、図2に示す毛髪矯正用器具1、21に比べて多くの凸条19が、延伸面35aと副延伸面35bに形成できるから、さらに毛髪を矯正する効果が高まり、効率的に毛髪を挟持して延伸操作をすることができるので便利である。
【0053】
同様にして、毛髪矯正用器具1、21の延伸面17aと副延伸面17bを、図1のA−A’断面が図4(d)となるような形状に変形することもできる。つまり、延伸面37aと副延伸面37bの各々に、櫛本体3の長手方向に平行に、角のない曲面状の凸条19を一つだけ形成して、延伸面37aと副延伸面37bの凸条19の頂点で毛髪を挟持できるように毛髪矯正用器具1、21を変形してもよい。この場合には、毛髪を挟持する面積が小さくなるから、使用者が、毛髪を挟持したときに、力をあまり加えて挟持しなくても、毛髪に大きな圧力をかけて、毛髪の組織のずれを直すことができるので、容易にストレートな毛髪へと矯正することができる。また、このように変形された毛髪矯正用器具1、21は、毛髪を大きな圧力で挟持しているから、毛髪の表面に塗布された薬剤のうち余分な量の薬剤をそぎ落とせて、毛髪の損傷を軽減することもできる。
【0054】
次に、第2実施例について説明する。
第2実施例の毛髪矯正用器具41は、第1実施例の毛髪矯正用器具1に比べて、櫛歯43、45が多く立設され、長い櫛歯43が櫛台座部9の中央側に対して四方を取り囲むように立設されていることを特徴としており、図5にその構成図を示す毛髪矯正用器具41である。図5(a)は、毛髪矯正用器具41の正面図を、図5(b)は毛髪矯正用器具41のX−X’端面図を、図5(c)は毛髪矯正用器具41のY−Y’断面を示す斜視図をそれぞれ示している。
【0055】
櫛本体3の櫛台座部9の片面には、櫛歯43が立設されており、その配置は図5に示すようになっている。つまり、櫛台座部9の四方の端を結んだ周上に、長さの等しい櫛歯43が櫛台座部9に対して垂直に立設され、それより短い櫛歯43は、長い櫛歯43の内側の周上に立設されている。さらに、櫛台座部9の中央側では、長手方向に平行に、櫛歯43より十分短い櫛歯45が3列にわたって、立設されている。
【0056】
尚、その他の構成要素、つまり、櫛柄部11、挟持部5、連結部7はすべて図1、図2に示した第1実施例の毛髪矯正用器具1と同様となっており、櫛本体3の櫛歯43が立設している面とは反対の面の形状も図1、図2に示した毛髪矯正用器具1と同様となっている。
【0057】
このような構造の毛髪矯正用器具41は、中央側の櫛歯45に薬剤を載せると、その周りの長い櫛歯43が、薬剤を囲い込むから、薬剤が櫛台座部9の縁からはみ出して垂れ落ちるのを抑えることができる。また、薬剤の垂れ落ちの心配が少ないから一度に多くの薬剤を載せて毛髪を梳くことができる。その他、薬剤の垂れ落ちが少なければ、薬剤が落ちて床を汚す心配もなくなるし、さらに、垂れ落ちによる頭皮の荒れや垂れ落ちにより引き起こされる毛髪の損傷の心配もあまりなくなる。また、垂れ落ちが少なくなれば、結果的に、毛髪全体に均一に薬剤を塗布しやすくなって、毛髪矯正を簡単かつ、良好に行うことができる。
【0058】
尚、櫛歯45のうち、Y−Y’上の櫛歯45’を隣接する櫛歯45に比べて長くしたのは、櫛歯45’に薬剤を絡まりやすくすることで、薬剤の垂れ落ちをより抑えて、毛髪に薬剤を均一に塗布できるようにするためである。
また、第2実施例の毛髪矯正用器具41は、櫛台座部9に立設した櫛歯43、45の形状、配置を特徴とするものであるから、その変形例として、第1実施例の毛髪矯正用器具1の変形例と同様のものを挙げることができる。たとえば、挟持部5の副延伸面17bとは反対の面に櫛歯23を立設したり、延伸面17aと副延伸面17bの形状を、図4(b)に記載したように、延伸面17a、副延伸面17bの表面が平面状となるように変形してもよいし、図4(c)(d)に記載したように、延伸面17a、副延伸面17bの凸条19の数を変更することもできる。また、延伸面17aと副延伸面17bとして、櫛本体3、挟持部5の一面を加工する場合には、面の一部であってもよいし、面全体を加工してもよい。
【0059】
以上は、第1実施例と第2実施例の毛髪矯正用器具1、21、31、41についての説明であるが、ここで、本発明の毛髪矯正用器具1、21、31、41に用いられる毛髪矯正剤の処方について説明する。尚、毛髪矯正剤は、その薬剤を使用することによる毛髪の影響の程度により、主に、医薬部外品としての毛髪矯正剤と、化粧品としての毛髪矯正剤とに分類することができるので、以下では、本発明の毛髪矯正用器具1、21、31、41に使用される毛髪矯正剤のうち、医薬部外品として分類されるものを、縮毛矯正剤と呼ぶことにし、化粧品として分類されるもののうち、比較的毛髪矯正効果の強いものをセット剤、効果の弱いものをトリートメント剤と呼ぶことにする。
【0060】
まず、縮毛矯正剤について以下に説明する。
縮毛矯正剤は、前述の通り、毛髪矯正効果の非常に高い医薬部外品であり、2浴式の縮毛矯正剤と、1浴式の縮毛矯正剤がある。2浴式の縮毛矯正剤は、第1剤に還元剤、アルカリ剤等が配合され、第2剤に酸化剤、安定剤、pH調整剤等が配合されている。一方、1浴式の縮毛矯正剤は、その配合量に若干の相違があるものの、2浴式の場合の第1剤の配合成分と概ね同じ配合成分で処方されている。前述のように、1浴式は薬剤を1剤しか使用しない毛髪矯正方法であるので、2浴式の場合の第2剤の効果に相当する効果は、空気酸化により得られて、これにより毛髪を定着させることができるようになっている。
【0061】
この第1剤に配合されるもののうち、還元剤には、主に毛髪のケラチンのジスルフィド結合(S−S結合)を切断する作用があり、チオグリコール酸、チオグリコール酸アンモニウム、チオグリコール酸ナトリウム、チオグリコール酸モノエタノールアミンなどのチオグリコール酸塩、グリセリンチオグリコレートなどのチオグリコール酸のエステル、システイン、及びその塩酸塩、N−アセチル−L−システインなどのシステイン塩、チオグリセロール、チオ乳酸、チオリンゴ酸、システアミン等のメルカプト化合物、亜硫酸、亜硫酸アンモニウム、亜硫酸ナトリウムなどの亜硫酸塩、亜硫酸水素アンモニウム、亜硫酸水素ナトリウムなどの亜硫酸水素塩、チオ硫酸、チオ硫酸ナトリウムなどのチオ硫酸塩等から選ばれた少なくとも一種が使用される。
【0062】
還元剤の配合量は、第1剤の全重量に対して0.01〜15重量%の配合量とするのがが好ましく、0.01重量%よりも少ないと毛髪を十分に矯正できない恐れがあり、15重量%を超えると毛髪を還元しすぎて毛髪の損傷がひどくなる恐れがある。尚、特に好ましいのは、還元剤の配合量を、第1剤に対して1〜10重量%の配合量とすることである。
【0063】
次に、第1剤に配合されるアルカリ剤には、アンモニア、アルカノールアミン類(モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等)、有機アミン類(2−アミノ−2−メチル−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−プロパンジオール、イソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、炭酸グアニジン、塩酸グアニジン、硫酸グアニジン等)、塩基性アミノ酸(アルギニン、リジン等)、無機アルカリ(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等)およびそれらの塩等から選ばれた少なくとも一種が使用される。また、アルカリ剤には、これらを組み合わせた緩衝溶液を使用しても良い。
【0064】
このアルカリ剤の配合量は、第1剤の全重量に対して0.01〜15重量%が好ましく、15重量%を超えると毛髪損傷がひどくなるので、良くない。尚、アルカリ剤によって、第1剤のpHはpH7.5〜9.5に調整される。
次に、毛髪のS−S結合を再形成するための第2剤の配合成分として、以下のものを挙げる。
【0065】
第2剤に配合されるもののうち、酸化剤には、臭素酸ナトリウム、臭素酸カリウムなどの臭素酸塩、過酸化水素、過ほう酸塩、過炭酸ナトリウム等から選ばれた少なくとも一種が使用される。酸化剤の配合量は、第2剤の全重量に対して0.1〜15重量%の配合量とするのが好ましく、0.1重量%よりも少ないと十分な酸化効果が得られず毛髪を固着できなくなるし、15重量%を超えると毛髪の損傷がひどくなる。また、酸化剤の配合量として、特に好ましいのは、第2剤に対して、1〜10重量%の配合量とすることである。
【0066】
その他、第2剤に配合されるpH調整剤には、例えば、リン酸、クエン酸、硫酸、酢酸、乳酸、酒石酸及びそれらの塩等が使用される。また、縮毛矯正剤には、これらの成分以外にも以下の添加成分のうちの少なくとも一種を使用し、配合することができる。
【0067】
例えば、セタノール、ベへニルアルコール等の高級アルコール、バチルアルコール、キミルアルコール等のアルキルグリセリルエーテル、アラビアガム、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、セルロース誘導体、架橋ポリアクリル酸等の天然又は合成の高分子、脂肪酸等の粘度調整剤、アボカド油、ホホバ油、マカデミアンナッツ油、オリーブ油のグリセライド等の油脂類、ミツロウ、ラノリン等のロウ類、流動パラフィン、固形パラフィン、イソパラフィン、スクワラン等の炭化水素類、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル等のエステル類、オレイン酸ジエタノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミド等のアミド類、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン等のシリコーン誘導体、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、ジステアリルジメチルアンモニウム等のカチオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンラウリルエーテルサルフェート、ポリオキシエチレンラウリルスルホコハク酸塩などのアニオン性界面活性剤、ラウリルヒドロキシスルホベタイン、ラウリルジメチルカルボベタイン等の両性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等の非イオン界面活性剤、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドンと酢酸ビニルとの共重合体等の非イオン性高分子、アクリル酸及び/又はメタクリル酸と(メタ)アクリル酸アルキルエステルとの共重合体等のアニオン性高分子、N−メタクリロイルエチル−N,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタインとメタクリル酸ブチルとの共重合体等の両性高分子、パラベン等の防腐剤、EDTA−Na等のキレート剤、フェナセチン等の安定化剤、タンパク加水分解物、アミノ酸、その他、植物抽出物、生薬抽出物、ビタミン類、天然色素、香料、顔料、紫外線吸収剤等である。
【0068】
ここで、本発明の毛髪矯正用器具1、21、31、41で使用される縮毛矯正剤の処方例を以下に記載する。
2浴式の縮毛矯正剤の場合、第1剤は、チオグリコール酸アンモニウム(50%)を14.0重量%、モノエタノールアミンを1.5重量%、アンモニア水(28%)を0.8重量%、ヒドロキシエチルセルロースを0.2重量%、カルボキシビニルポリマーを0.7重量%、塩化セチルトリメチルアンモニウムを0.4重量%、アミノ変性シリコーンエマルジョンを0.4重量%とし、残部を精製水で配合したものである。
【0069】
第2剤は、臭素酸ナトリウムを8.0重量%、キサンタンガムを0.05重量%、カルボキシビニルポリマーを2.5重量%、クエン酸を第2剤のpHが6.0となる量とし、残部を精製水で配合したものである。
1浴式の縮毛矯正剤は、チオグリコール酸アンモニウム(50%)を6.0重量%、モノエタノールアミンを1.5重量%、アンモニア水(28%)を0.8重量%、ヒドロキシエチルセルロースを0.2重量%、カルボキシビニルポリマーを0.7重量%、塩化セチルトリメチルアンモニウムを0.4重量%、アミノ変性シリコーンエマルジョンを0.4重量%とし、残部を精製水で配合したものである。
【0070】
次に、本発明の毛髪矯正用器具1、21、31、41で使用されるセット剤とトリートメント剤について以下に説明する。
セット剤には、縮毛矯正剤と同様に2浴式のものと、1浴式のものがあり、2浴式の第1剤には亜硫酸等の還元剤とアンモニア、モノエタノールアミン等のアルカリ剤などを配合し、第2剤には臭素酸ナトリウム等の酸化剤、安定剤、pH調整剤等が配合される。また、1浴式のセット剤は第1剤と概ね同様に配合されており、第2剤に相当する毛髪の定着効果は、毛髪の空気酸化により得られる。このようなセット剤は、縮毛矯正剤と比較して毛髪矯正の効果が弱くなるものの、縮毛矯正剤よりも毛髪の損傷が少なく、また、化粧品として扱うことができるので、商品とする場合、気軽に購入、使用できて便利である。
【0071】
ここで、一の処方例として挙げるセット剤の第1剤は、亜硫酸ナトリウムを2.0重量%、モノエタノールアミンを1.5重量%、アンモニア水(28%)を0.8重量%、ヒドロキシエチルセルロースを0.2重量%、カルボキシビニルポリマーを0.7重量%、塩化セチルトリメチルアンモニウムを0.4重量%、アミノ変性シリコーンエマルジョンを0.4重量%とし、残部を精製水で配合したものである。第2剤は、臭素酸ナトリウムを1.0重量%、キサンタンガムを0.05重量%、カルボキシビニルポリマーを2.5重量%、クエン酸をセット剤のpHが6.0となる量とし、残部を精製水で配合したものである。
【0072】
次に、トリートメント剤は、毛髪の損傷の恐れがなく、気軽に使用できて便利である。このトリートメント剤には、水酸化ナトリウム等のアルカリ剤が配合されている。
一の処方例を挙げると、トリートメント剤は、セタノールを4.0重量%、パルミチン酸イソプロピルを2.0重量%、グリセリンを3.0重量%、水酸化ナトリウムを適量、塩化ステアリルトリメチルアンモニウムを0.8重量%、リン酸ナトリウムをトリートメント剤のpHが11.0となる量とし、残部を精製水で配合したものである。
【0073】
尚、毛髪矯正で使用される薬剤については、剤型がクリーム状、ジェル状等の半固形状もしくは、フォーム状、粘稠液状のものが使用可能であるが、中でも粘度500〜50000mPs・sの半固形状のものが好ましい。
以上が、本発明の毛髪矯正用器具1、21、31、41を用いた毛髪矯正で使用される薬剤についての説明であるが、毛髪矯正用器具1、21、31、41がこのような薬剤により溶解するのを防止するため、合成樹脂で毛髪矯正用器具1、21、31、41を形成する際には、特に、ポリエチレンやポリプロピレン等を用いて形成する必要がある。
【0074】
ただし、本発明の毛髪矯正用器具1、21、31、41は、使用する薬剤を上記処方例に示した薬剤に限定しているものではないので、上記処方例以外の薬剤であった場合には、薬剤に合わせて、材質を決定し毛髪矯正用器具1、21、31、41を形成すればよい。
【0075】
また、材質以外の態様に関しても、本発明の毛髪矯正用器具は、上記実施例に限定されるものではなく、種々の態様を採ることができる。
例えば、本発明の毛髪矯正用器具1の連結部7には、ヒンジを使用し、櫛本体3と挟持部5と連結部7を合成樹脂で一体成形したが、特に一体成形である必要はなく、櫛本体3と挟持部5と連結部7を分解可能として、それらを組み合わせた毛髪矯正用器具1であってもよい。
【0076】
また、連結部7は、挟持部5が櫛本体3に対して開閉可能となれば、特にその態様は限定されないので、例えば、連結部7にヒンジを用いず、紐等を用いても良い。ただし、その場合には、毛髪を挟持する際に、櫛本体3と挟持部5が簡単にずれるので、良好に毛髪を挟持できないし、操作性も悪化する可能性がある。
【0077】
その他、本発明の毛髪矯正用器具1、21、31、41の櫛歯は、毛髪に薬剤を塗布することができれば足りるので、櫛歯の形状、配置は、通常のコームと同様の櫛歯の形状であってもよいし、特にその形状を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施例の毛髪矯正用器具1の構成を表す説明図である。
【図2】 第1実施例の毛髪矯正用器具1の構成を表す斜視図である。
【図3】 第1実施例の変形例の毛髪矯正用器具21の構成を表す斜視図である。
【図4】 第1実施例の毛髪矯正用器具1の挟持部5の変形例の構成を表す説明図である。
【図5】 第2実施例の毛髪矯正用器具41の構成を表す説明図である。
【符号の説明】
1、21、31、41…毛髪矯正用器具 3…櫛本体 5…挟持部
7…連結部 9…櫛台座部 11…櫛柄部
13、15、15’、23、43、45、45’…櫛歯
17a、33a、35a、37a…延伸面
17b、33b、35b、37b…副延伸面 19…凸条
25…案内棒

Claims (6)

  1. 片面に櫛歯が分散立設された櫛台座部と、前記櫛台座部から一方向に延設された櫛柄部と、により構成される櫛本体を有し、前記櫛歯に毛髪矯正剤を付着させ、所望の毛髪を梳くことにより、毛髪矯正剤を塗布し、毛髪矯正を行う毛髪矯正用器具において、
    毛髪を挟んで延伸するための挟持部を備えると共に、
    前記櫛柄部の前記櫛本体とは反対の端に設けられた連結部に、
    前記挟持部を、前記櫛本体の櫛歯が分散立設した面とは反対の面に対向するように接続して、前記櫛本体に対して前記挟持部を開閉可能とし、
    更に、前記挟持部に対向する前記櫛本体の面及び前記櫛本体に対向する前記挟持部の面の内、一方の面に複数の凸条を形成すると共に、他方の面を、前記一方の面に対して噛合可能な位置に複数の凸条を有した形状とすることで、前記挟持部に対向する前記櫛本体の面と前記櫛本体に対向する前記挟持部の面の各々を、前記連結部から前記櫛柄部方向に延びた軸方向に対して垂直な方向に、凹凸状に形成すると共に、前記櫛本体と前記挟持部とを、互いに噛合可能に構成してなること
    を特徴とする毛髪矯正用器具。
  2. 前記櫛歯は、前記櫛台座部の縁端から中央方向に従って、短くなるように立設されていることを特徴とする請求項1に記載の毛髪矯正用器具。
  3. 前記挟持部の前記櫛本体と対向する面とは反対の面に、櫛歯を分散立設したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の毛髪矯正用器具。
  4. 前記櫛本体及び前記挟持部の少なくとも一方の前記連結部とは反対側の端部には、毛髪を掬って該櫛本体と該挟持部との間へ導くための案内棒が設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の毛髪矯正用器具。
  5. 前記連結部は、ヒンジで構成されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の毛髪矯正用器具。
  6. 前記櫛本体と前記挟持部と前記連結部とを、合成樹脂で一体成形したことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の毛髪矯正用器具。
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