JP4428544B2 - 魚介類採取具 - Google Patents
魚介類採取具 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4428544B2 JP4428544B2 JP2000228377A JP2000228377A JP4428544B2 JP 4428544 B2 JP4428544 B2 JP 4428544B2 JP 2000228377 A JP2000228377 A JP 2000228377A JP 2000228377 A JP2000228377 A JP 2000228377A JP 4428544 B2 JP4428544 B2 JP 4428544B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- pedestal
- toe
- hardness
- wear
- collection tool
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Landscapes
- Mechanical Means For Catching Fish (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、海底の魚介類を掘り起こすために用いる魚介類採取具の特に爪先部材の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
魚介類採取具には、図4に示すような俗称八尺と呼ばれるものがある。この八尺の爪先1が海底に埋もれる貝類を掘り起こす役目を果たしている。この爪先1は、海底の地盤に突き刺した状態で貝類を掻き起こすため、刃先部は地盤に良く刺さるように先端が細く鋭くしてある。そして、砂地、砂利、泥地、岩場等の海底地盤を引きずるため、刃先部の磨耗は激しい。図3には、従来の八尺における刃先部の一例を示すが、刃先部は支持部Aと爪先1とに分割され、それぞれに貫通穴2、3があり、両者は嵌合した後ピン4等の結合部材で保持する構造となっている。そして、爪先1に用いる鋼材は、焼入れ、焼戻しをして高硬度にし、耐磨耗性を有する材料を使っている。近年は、さらに耐磨耗性を向上させるため、爪先の先端側の一部に超硬合金をロー付けあるいは硬化肉盛材料を溶接して耐磨耗性を改善させた刃先も考えられている。
【0003】
耐磨耗性部材を刃先の一部に取付けるには、熱を加える必要があり、耐磨耗性部材を保持する台座は、その熱によって軟化されてしまう。台座の材料として一般的な焼入れ鋼を使用したのでは、その熱に曝された部分は硬度(強度)が落ちて、使用強度に耐えられなくなり、変形してしまうという問題があった。一方、その加熱は局部的加熱になるため、熱境界部には硬度差が生じて、使用中の発生応力に対して応力集中が生じ、この熱境界部から折損が生じてしまうという問題があった。さらには軟化された部分は硬度が低いため、磨耗が早く、図2に示す如く超硬質部材5を取付けている爪先1の台座6のまわりが先に局部的に磨耗7してしまい、超硬質部材5を保持する能力がなくなり、超硬質部材5が欠け落ちる問題も生じている。
【0004】
これらの対策として、台座をロー付けあるいは溶接取付け後に、焼入れをして硬くし、強度アップすることは超硬質部材がそのための加熱によって酸化(劣化)するのと、急冷によって割れる危険性があるため実行できない。
【0005】
一方、局部磨耗の防止策として、台座6の軟化した部分に、さらに溶接による硬化肉盛りをして、台座6の早期磨耗を防止している例もある。
【0006】
しかしこの方法においては、爪先の大きさが超硬質部材を取付ける刃先部をみると、数mmと小さいため、取付時の加熱によって台座6全体が加熱され、そして鈍されてしまう。そこでこの部分に、さらに硬化肉盛りをすることは、サイズが小さいため困難であり、不可能に近い。
【0007】
このように加熱によって耐磨耗性の超硬質部材を取付けるものは、取付時の加熱の熱影響部が台座に生じる。そのためその熱影響によって劣化した硬度(強度)をカバーできる台座にしないと使用に耐えられない。
【0008】
したがって、超硬質材料を取付ける形式のものでは、焼入れ、焼戻しして製作していたときのサイズよりも断面サイズを大きくして強度アップしないと、折損、曲がり変形が生じるなどの問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、加熱による台座の硬度劣化がなく、耐磨耗性と機械強度の向上した爪先を有する魚介類採取具を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、爪先および支持部に分割され、これらを結合部材をもって結合保持する構造を有する魚介類採取具において、爪先は耐磨耗性材料を台座に溶接したものであり、該台座は、化学成分が質量%で、C=0.30〜0.40%、Si=0.15〜0.35%、Mn=0.50〜0.70%、P=0.030%以下、S=0.020%以下、Ni=3.00〜3.40%、Cr=0.45〜0.70%、Mo=0.20〜0.40%、Cu=0.30%以下および残=Feと不可避不純物よりなる特殊鋼よりなり、台座全体をオーステナイト化温度領域まで加熱し、該温度領域でロー付け溶接を完了させ60分以内に室温まで空冷する処理をし、処理後台座の硬さが500〜600HVを有することを特徴とする魚介類採取具である。
【0011】
すなわち、本発明は、台座の材料として特定の特殊鋼(SNCM鋼)を用いて超硬質部材の溶接時の熱を利用して台座の硬度が500〜600HVになるようにして、加熱による台座の硬度劣化がなく、耐磨耗性と機械強度の向上した爪先を備えた魚介類採取具が得られる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1には爪先形状の違う2種の例を同時に示してある。(イ)はその一例で、(ロ)はその底面図、そして右側に(イ)のA−A断面図を示してある。(ハ)は他の例で、(ニ)はその底面図、そして右側に(ハ)のA’−A’断面図を示してある.この2例は形状が違うだけで基本的には同じであるので、同一名称部分は同一符号で示してある。
【0013】
爪先1の先端付近には、台座6に凹所が設けてあって、そこに超硬質部材5が溶接してある。台座6を含む爪先1は一般的にSNCM鋼と呼ばれる特殊鋼によって形成されている。この特殊鋼の化学成分は、質量%で、C=0.30〜0.40%、Si=0.15〜0.35%、Mn=0.50〜0.70%、P=0.030%以下、S=0.020%以下、Ni=3.00〜3.40%、Cr=0.45〜0.70%、Mo=0.20〜0.40%、Cu=0.30%以下、残:Feおよび不可避不純物元素である。
【0014】
上記SNCM鋼の素材を鍛造、穴あけ加工等を施して、先端台座6の一面に凹所を形成するとともに、後端には貫通穴2を形成する。そして台座6の一面に形成した凹所には超硬質部材5を乗せ、溶接バーナーで800〜850℃に加熱されたことを確認後、銀ロー付けを開始し、終了後空冷し、常温になった後、熱歪を除去するため200℃で約2時間保持してから空冷する。
【0015】
表1に、従来の高炭素焼入れ鋼を用いたものと、上記本発明の実施例の特殊鋼を用いたものの台座溶接付近の最も局部磨耗され易い部分の硬さを比較して示す。
【0016】
【表1】
【0017】
表1の結果から明らかなように、本発明の台座は従来に比べて硬さは2〜3倍高くなっていることが判る。このことから、耐磨耗性が向上していることも判る。
【0018】
【発明の効果】
本発明では、魚介類採取具の台座に耐磨耗性の超硬質材料をロー付け溶接する際に台座の材質として特定の特殊鋼を用いたことにより、溶接による台座の硬度劣化がなく、耐磨耗性とともに機械的強度が向上し、魚介類採取具としての寿命を長くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の2例の正面図、底面の断面図を示す。
【図2】従来の磨耗例の説明図である。
【図3】従来の脱着式爪先の例の説明図である。
【図4】従来の八尺の斜視図である。
【符号の説明】
1 爪先
2、3 貫通穴
4 ピン
5 超硬質部材
6 台座
7 磨耗(部)
Claims (1)
- 爪先および支持部に分割され、これらを結合部材をもって結合保持する構造を有する魚介類採取具において、爪先は耐磨耗性材料を台座に溶接したものであり、該台座は、化学成分が質量%で、C=0.30〜0.40%、Si=0.15〜0.35%、Mn=0.50〜0.70%、P=0.030%以下、S=0.020%以下、Ni=3.00〜3.40%、Cr=0.45〜0.70%、Mo=0.20〜0.40%、Cu=0.30%以下および残=Feと不可避不純物よりなる特殊鋼よりなり、台座全体をオーステナイト化温度領域まで加熱し、該温度領域でロー付け溶接を完了させ60分以内に室温まで空冷する処理をし、処理後台座の硬さが500〜600HVを有することを特徴とする魚介類採取具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000228377A JP4428544B2 (ja) | 2000-07-28 | 2000-07-28 | 魚介類採取具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000228377A JP4428544B2 (ja) | 2000-07-28 | 2000-07-28 | 魚介類採取具 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002034389A JP2002034389A (ja) | 2002-02-05 |
JP4428544B2 true JP4428544B2 (ja) | 2010-03-10 |
Family
ID=18721670
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000228377A Expired - Lifetime JP4428544B2 (ja) | 2000-07-28 | 2000-07-28 | 魚介類採取具 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4428544B2 (ja) |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0737346B2 (ja) * | 1988-10-04 | 1995-04-26 | 日本特殊陶業株式会社 | セラミック体と金属体の接合体及びその接合方法 |
JP3381738B2 (ja) * | 1993-09-20 | 2003-03-04 | 日産自動車株式会社 | 機械的強度に優れた機械構造部品の製造方法 |
JPH08140529A (ja) * | 1994-11-16 | 1996-06-04 | Mitsubishi Steel Mfg Co Ltd | 貝採集用ツースおよびその製造方法 |
JPH09308410A (ja) * | 1996-05-23 | 1997-12-02 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 貝類捕獲具用掻爪 |
-
2000
- 2000-07-28 JP JP2000228377A patent/JP4428544B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2002034389A (ja) | 2002-02-05 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5011931B2 (ja) | 蒸気タービン溶接ロータ | |
KR102627470B1 (ko) | 건설 기계 버켓 부품 및 이의 제조 방법 | |
KR100783100B1 (ko) | 굴착기 바켓용 팁 및 그의 제조 방법 | |
KR20180095639A (ko) | 페라이트계 내열강용 용접 재료, 페라이트계 내열강용 용접 조인트 및 페라이트계 내열강용 용접 조인트의 제조 방법 | |
US20100275473A1 (en) | Wear resistant components | |
JP6180984B2 (ja) | チェーンソー部品用素材鋼板およびチェーンソー部品 | |
Ye et al. | Friction stir welding of Inconel alloy 600 | |
KR20100101066A (ko) | 셀프 샤프닝, 자동 신호표시 마모 부품 | |
US20220250273A1 (en) | Cutting element for a saw chain and method for the production thereof | |
SE528454C3 (sv) | Utskiljningshärdbart martensitiskt rostfritt stål innefattande titansulfid | |
JP4428544B2 (ja) | 魚介類採取具 | |
JP3535112B2 (ja) | 耐溶損性・高温強度に優れた熱間工具鋼および該熱間工具鋼からなる高温用部材 | |
CN108130478A (zh) | 一种含微量Nb的Cr-W-Mo-V高合金工具钢镶钢机械刀片 | |
JP3458971B2 (ja) | 高温強度および被削性の優れたオーステナイト系耐熱鋳鋼およびそれからなる排気系部品 | |
JP2022527252A (ja) | 掘削バケット用リップ | |
JP6189737B2 (ja) | 蒸気タービン低圧ロータ及びその製造方法 | |
RU2309830C2 (ru) | Способ изготовления рабочего органа почвообрабатывающего орудия | |
JP3055094B2 (ja) | ビット及びその製造方法 | |
JP4230025B2 (ja) | 熱間プレス用クラッド金型およびその製造方法 | |
CN208162762U (zh) | 一种切割部件 | |
CN205557206U (zh) | 耐磨板及清筛机 | |
JP3241871B2 (ja) | 疲労寿命特性の優れたメタルバンドソー胴材およびメタルバンドソー | |
JP3452746B2 (ja) | ロウ付けビットの製造方法 | |
JP2007098532A (ja) | 手持ち工具及びその製造方法 | |
CN110026611A (zh) | 一种切割部件及其制造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20070529 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20091119 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20091209 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20091210 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121225 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Ref document number: 4428544 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121225 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131225 Year of fee payment: 4 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |