JP3055094B2 - ビット及びその製造方法 - Google Patents

ビット及びその製造方法

Info

Publication number
JP3055094B2
JP3055094B2 JP5542097A JP5542097A JP3055094B2 JP 3055094 B2 JP3055094 B2 JP 3055094B2 JP 5542097 A JP5542097 A JP 5542097A JP 5542097 A JP5542097 A JP 5542097A JP 3055094 B2 JP3055094 B2 JP 3055094B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
annular wall
chip
sleeve
heat treatment
steel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP5542097A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10238265A (ja
Inventor
秀一 鴨田
保 明石
紘明 高山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Eagle Industry Co Ltd
Hokkaido Prefecture
Original Assignee
Eagle Industry Co Ltd
Hokkaido Prefecture
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Eagle Industry Co Ltd, Hokkaido Prefecture filed Critical Eagle Industry Co Ltd
Priority to JP5542097A priority Critical patent/JP3055094B2/ja
Publication of JPH10238265A publication Critical patent/JPH10238265A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3055094B2 publication Critical patent/JP3055094B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Excavating Of Shafts Or Tunnels (AREA)
  • Earth Drilling (AREA)
  • Heat Treatment Of Articles (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばシールド掘
進機やボーリングマシン等のような掘削装置の先端に設
けられて、地盤又は岩盤又等の掘削に用いられるビット
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】この種のビットは、刃先としてのチップ
と、これを保持する基材とからなる。チップは地盤や岩
盤等の結合組織の破壊を行う主体であって、硬度及び靭
性が非常に高いものである必要があるため超硬合金が使
用され、基材には炭素鋼あるいはクロム・モリブデン鋼
などの合金鋼が使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ビットの破損及び摩耗
の形態としては、 (1) 岩盤に衝突する際の衝撃でチップに欠け,割れが起
きる (2) 掘削に伴ってチップがほぼ均等に摩耗して行く (3) チップを保持する基材の先端部に摩耗又は欠け,割
れを生じる といった3つの形態があり、(2) が先行し、(3) が若干
遅れて進行することが望ましい。しかし、基材先端部の
靭性が低かったり、耐摩耗性や靭性の不足によって(2)
よりも(3) が先行すると、チップ自体の切削能力は十分
であるにも拘らず基材による保持力が失われてチップの
脱落等が起きる。また一般に、掘削対象が硬い岩盤等の
場合にはチップが先行して摩耗あるいは損傷を受ける
が、砂礫質の土層等の場合には主に基材がアブレーシブ
摩耗を受けるといった傾向があり、また、岩盤を掘削対
象とした場合でも、この岩盤の掘削によって発生した砂
や破砕片によって基材の摩耗が先行し、チップが脱落す
るといった破損パターンが多い。
【0004】本発明は、上記のような事情のもとになさ
れたもので、その技術的課題とするところは、掘削時の
耐摩耗性及び機械的強度に優れたビットを提供すること
にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述した技術的課題を有
効に解決するための手段として、本発明に係るビット
は、引張強度を増強する熱処理がなされた鋼材からなる
基材と、この基材に形成された環状壁部の内周に一体的
に嵌合保持され先端が前記環状壁部から突出した超硬合
金からなるチップと、前記環状壁部外周面を包囲するよ
うに嵌合一体化されオーステナイト組織又は焼戻し組織
とオーステナイト組織との混合組織を有する鋼材からな
るスリーブとを備えるものである。すなわち従来、チッ
プを保持する基材には地盤や岩盤層に対する切削破壊応
力に耐え得る機械的強度と、砂礫等によるアブレーシブ
摩耗に対する耐摩耗性の双方が要求されていたが、本発
明は、基材には主に機械的強度を与え、この基材のチッ
プ保持部である環状壁部を包囲したスリーブには表面の
硬度と内部の強靭性を与えるものである。
【0006】一般に、アブレーシブ摩耗の形態は、摩耗
部分に及ぼす荷重や衝撃の大きさによって、ガウジング
摩耗、高応力グラインディング摩耗及び低応力スクラッ
チング摩耗に三分類されるが、地盤あるいは岩盤の掘削
においてビットが受ける摩耗形態は、このうちのガウジ
ング摩耗に相当する。ガウジング摩耗とは、岩石等に対
する金属表面の作業応力が非常に高く、激しい衝撃を伴
っているために、金属表面から比較的大きな金属組織が
むしり取られることによって生じる摩耗である。したが
ってこのような摩耗に耐え得るスリーブとしては、硬度
だけでなく、前記むしり取りに打ち勝つために強度(靭
性)の高いものでなければならない。
【0007】上述のようにチップを保持する基材の環状
壁部の外周をアブレーシブ摩耗(ガウジング摩耗)から
保護するといった役割を担うべきスリーブの材料組織と
しては、基本的にはオーステナイト組織あるいは焼戻し
組織とオーステナイト組織の混合組織であることが望ま
しく、最も硬いマルテンサイト組織が主体の材料であっ
ても、その中に残留オーステナイト組織が10%以上含ま
れるものが使用される。オーステナイトは、よく知られ
ているように、鋼材を約 726℃以上に加熱することによ
って得られる組織で、マルテンサイトよりも軟らかいが
靭性が大きく、外部から加圧(オーステナイト加圧)す
ることによってマルテンサイト化するといった性質を持
つ。
【0008】メカニカルシールの摺動材料のように、平
面同士で摺動する材料においては、材料中の残留オース
テナイト組織は摺動部の凝着摩耗といった悪影響を及ぼ
すと言われており、しかも残留オーステナイト組織が何
らかの要因でマルテンサイト変態するとこれに伴って体
積が膨張し、寸法変化を来すため、機械部品の場合、一
般的には残留オーステナイト組織の含有率が極小となる
ように熱処理が行われる。これに対し、本発明において
は、スリーブを構成する鋼中のオーステナイト組織は、
表面に重衝撃を受けることによって表層部がオーステナ
イト加圧されてマルテンサイト変態を起こすので、その
硬度が著しく増加する一方、内部は初期のオーステナイ
ト組織のままであって強靭性を保つため、硬度及び靭性
の双方が有効に作用し、ガウジング摩耗に対する耐性が
著しく高められる。
【0009】また、焼戻し組織としては、トルースタイ
ト又はソルバイトがある。このうちトルースタイトはα
鉄と微細なセメンタイトとの混合組織で、マルテンサイ
トに次ぐ硬さを持つと共にマルテンサイトよりも靭性が
大きいといった性質を持ち、ソルバイトもα鉄と微細な
セメンタイトとの混合組織で、トルースタイトより軟ら
かいがパーライトよりも硬くて強靭であり、衝撃抵抗が
大きいといった性質を持ち、すなわちスリーブに強靭性
を与えるものである。
【0010】本発明のビットは、鋼材からなる基材の先
端に形成された環状壁部内周に超硬合金からなるチップ
を嵌合する工程と、前記チップの嵌合後に前記基材を熱
処理する工程と、前記基材の環状壁部外周面に熱処理に
よってオーステナイト組織あるいは焼戻し組織とオース
テナイト組織との混合組織を形成した鋼材からなるスリ
ーブを圧入又は焼き嵌めして一体に接合する工程とを経
て製造される。
【0011】スリーブの材料としては、具体的には次に
挙げるような成分及び物性を有する鋼材から選択され
る。 (1) 軸受鋼 C :0.95〜1.10、Mn: 0.5以下、Si:0.15〜0.35、Cr:
1.3 〜 1.6(各wt%) HB硬さ: 500以上 (2) 高マンガン鋳鋼 C : 0.9〜 1.3、Mn:11〜14、Si: 0.8以下、Cr: 1.5
〜2.5 (各wt%) HB硬さ: 180以上 (3) マンガン・モリブデン鋳鋼 C : 1.1〜1.3 、Mn: 5.5〜6.7 、Si: 0.3〜0.7 、C
r:0.5 以下、Mo: 0.9〜1.1 (各wt%) HB硬さ: 19
0以上 (4) クロム・モリブデン鋳鋼 C : 0.3〜1.0 、Mn: 0.6〜0.9 、Si: 0.3〜0.8 、C
r:1.5 〜2.5 、Mo:0.3 〜0.5 、Ni:1.0 以下、(各w
t%) HB硬さ: 250以上 (5) 高炭素鋼 C : 0.6〜1.0 、Mn: 0.3〜1.0 、Si: 0.2〜0.4 (各
wt%) HB硬さ: 250以上
【0012】これらの鋼材のうち、高マンガン鋳鋼は、
1000℃以上の高温加熱状態から水中急冷による水靭処理
を行うといった熱処理によって多量のオーステナイト組
織が形成される。また、軸受鋼等、他の鋼材は、800 〜
900℃の高温加熱状態から急冷した後で焼戻しを行うと
いった熱処理によって、焼戻し組織とオーステナイト組
織の混合組織となる。
【0013】基材の熱処理は、チップの嵌合後に行うこ
とによって、前記熱処理時の熱を、チップと基材の環状
壁部の内周面とを互いにろう付けするための熱源として
利用することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係るビットの好
適な一実施形態を示すものである。すなわち参照符号1
0で総括して示すこのビットは、コニカルビットと呼ば
れるものであって、クロム・モリブデン鋼 SCM440 、炭
素鋼 S45C 等からなる棒状の基材11と、この基材11
の先端部に形成された環状壁部11aの内周に一体的に
保持された鉱山工具用超硬合金からなる砲弾状のチップ
12と、前記環状壁部11aの外周面を包囲するように
嵌合され高マンガン鋳鋼 SCMn H11 又は高炭素クロム軸
受鋼 SUJ2 からなるスリーブ13とを備える。基材11
は、スリーブ13が装着された先端部以外の部分が例え
ばトンネル掘削のための掘進機のカッタフェイス等に挿
入状態に固定されるものであり、チップ12は、円錐状
の先端部12aのみが環状壁部11aから突出してい
る。
【0015】基材11の環状壁部11aの内周面とチッ
プ12とは銀ろう、銅ろう、ニッケルろう等のろう材層
14を介してろう付け接合されている。スリーブ13
は、その先端部13a全周が環状壁部11aの先端部に
高マンガン鋼、ステライト系硬質材あるいは自溶合金
(WC-Co-Ni)等の硬質の溶接材で溶接15されており、
また、基端部13b全周が低炭素鋼材(軟鋼)等からな
る軟質の溶接材で溶接16されている。スリーブ13の
先端部13aの溶接15に硬質溶接材を用いたのは、こ
の部分は掘削対象の地盤と接触するので耐摩耗性を与え
る必要があるからであり、基端部13bの溶接16に軟
質溶接材を用いたのはこの部分では耐摩耗性よりも靭性
が要求されるからである。前記環状壁部11aの外周面
は先端側が小径となるテーパ状を呈し、スリーブ13の
内周面もこれと対応するテーパ状を呈し、両者は互いに
圧着している。
【0016】図2は、本発明の他の実施形態を示すもの
である。この実施形態において、図1に示す実施形態と
異なる点は、スリーブ13の先端部13aが内径側へ延
びる内向きフランジ形状に形成され、この先端部13a
によって基材11の環状壁部11aの先端が完全に覆わ
れるようにしたことにある。したがって、基材11は基
端部13bのみが上述の軟鋼等の軟質溶接材で溶接16
されている。
【0017】スリーブ13を図1の形状とするか、図2
の形状とするかは、基材11の形状や大きさ、使用条件
等によるスリーブ13の接合適性、要求される強度、あ
るいは掘削対象の地山の性状等によって、適宜に決定さ
れる。
【0018】図3は、上述の図1及び図2のビット10
を製造するための工程の流れを示すものである。
【0019】まず、クロム・モリブデン鋼 SCM440 ある
いは炭素鋼 S45C 等からなる素材丸棒の切削加工によっ
て基材11を切り出す(ステップS1)。一方、これと
は別に、超硬合金粉末の成形、焼結といった工程によっ
て、超硬合金からなるチップ12を成形する(ステップ
S2)。
【0020】基材11は、強度を高めるための熱処理を
行うが、この基材11の材料としてクロム・モリブデン
鋼 SCM440 を選定した場合は、先に基材11の環状壁部
11aの内周にチップ12を嵌合(ステップS3)した
後で、基材11の熱処理を行う(ステップS4)といっ
た方法が採用される。すなわち、超硬合金からなるチッ
プ12は1000℃以上の高温加熱状態からの急冷によって
脆化するが、クロム・モリブデン鋼 SCM440 の焼入れ温
度は 830〜 880℃であり、チップ12の脆化といった物
性変化を招来する恐れがないからである。また、この場
合、チップ12を環状壁部11a内に嵌合する際に、予
めチップ12の表面に銀ろう、銅ろうあるいはニッケル
ろうを塗布あるいは挿入しておけば、その後の熱処理の
焼入れ温度によって前記ろう材が溶融し、環状壁部11
aの内周面とチップ12との間の隙間を埋めて良好な接
合状態が得られるので、ろう付けを基材11の熱処理と
別工程として行う必要がない。前記銀ろう、銅ろう等の
ろう材は、いずれも焼入れ温度に耐える比較的高融点で
高い接合強度を発揮する。
【0021】なお、基材11は、チップ保持部である環
状壁部11aがスリーブ13によって摩耗から保護され
るため、耐摩耗性よりも機械的強度の増大を優先した熱
処理が行われる。例えば基材11がクロム・モリブデン
鋼 SCM440 からなる場合の熱処理は、上述のように 830
〜 880℃に加熱してから油冷し、その後 200〜 400℃で
焼戻してから急冷するといった方法で行われ、これによ
って引張強さが 950〜980N/mm2 、HB硬さが 450〜 550
となる。
【0022】一方、上述の工程と並行して、スリーブ1
3を鋳造し(ステップS5)、これに拡散焼なまし→水
靭処理といった過程で熱処理を加え(ステップS6)、
これによって所要の硬度及び靭性(強度)を有するスリ
ーブ13を得る。スリーブ13を高マンガン鋳鋼 SCMn
H11 で製造した場合を例として、前記熱処理による物性
変化について説明すると、この材料は鋳造後の鋳放し空
冷状態では引張強さが350〜500N/mm2 、HB硬さが 400
〜420 であるのに対し、これを1050〜1100℃の温度に加
熱してから水中での急冷による水靭処理を行った場合
は、内部に多量の残留オーステナイト組織が形成される
ことによって引張強さは 550〜700N/mm2に上昇する反
面、HB硬さは 200〜220 に低下する。しかし、更にこれ
を 260℃に焼戻しした場合は、引張強さは1000〜1200 N
/mm2 に、HB硬さは 310〜330 に上昇し、 327℃に焼戻
しした場合は、引張強さは 800〜900N/mm2 に、HB硬さ
は 385〜405 に上昇する。
【0023】熱処理されたスリーブ13は、チップ12
が嵌合一体化された基材11の環状壁部11aの外周に
圧入又は焼き嵌めする(ステップS7)。スリーブ13
と基材11の嵌合面は互いに対応するテーパ面をなすこ
とから、加工誤差や熱処理過程での膨張・収縮等による
ある程度の体積変化があっても良好に嵌合可能である。
そしてこの圧入又は焼き嵌めによって、スリーブ13の
テーパ状の内周面は、前記環状壁部11aのテーパ状の
外周面に圧接して適当に締め付けるため、チップ12に
対する保持力が向上される。このスリーブ13は、両端
部13a,13bを溶接することによって基材11に一
体化(ステップS8)し、必要に応じて仕上げ加工を施
し、ビット10が完成する。
【0024】このようにして製造されたビット10を地
盤掘削装置等に装着して地盤あるいは岩盤の掘削に使用
すると、上述のような熱処理をした高マンガン鋳鋼ある
いは合金鋼からなるスリーブ13は、掘削に伴って岩石
や地盤組織からの重衝撃を受けることによって、表層部
に、HB硬さが460 〜600 の著しく硬いマルテンサイト組
織からなる硬化層が数mmの厚さで形成され、その内層は
豊富な残留オーステナイト組織によって引張強さが800N
/mm2 以上といった大きな靭性を維持しているため、金
属組織が岩石によってむしり取られるといったガウジン
グ摩耗に対する対抗力が著しく増大する。したがって、
掘削主体であるチップ12を保持する基材11の環状壁
部11aがこのスリーブ13によって摩耗から保護さ
れ、しかも基材11は引張強度の増大を優先した熱処理
が行われることによってチップ12に対する保持力が大
きいので、チップ12の摩滅よりも先行してこのチップ
12に対する保持力が損なわれるのを有効に防止するこ
とができる。
【0025】なお、本発明は、上述の実施形態に限定さ
れるものではない。例えば、チップ12は必ずしも基材
11の環状壁部11aとろう付けを行う必要はなく、圧
入や焼き嵌めによっても所要の保持力が得られる。ま
た、基材11へのスリーブ13の接合一体化は、溶接に
限らず、ろう付けによって行うこともできる。
【0026】また、図1及び図2に示すビット10はコ
ニカルビットと呼ばれる形態のものであるが、本発明
は、地中を掘削する部分で岩石の破砕片や砂礫等による
耐アブレーシブ摩耗特性を要求されるビット全般に適用
することができる。
【0027】
【発明の効果】本発明によると、次のような効果が実現
される。 (1) チップを保持する基材の環状壁部が、表層の硬度が
高く内部の引張強度(靭性)が大きいスリーブで保護さ
れるので、チップの摩耗よりも砂礫等による環状壁部の
アブレーシブ摩耗(ガウジング摩耗)が先行してチップ
が脱落するといった破損形態を防止し、長寿命化を図る
ことができる。 (2) チップを保持する基材の環状壁部が、引張強度の大
きいスリーブで外周から押さえられるので、チップに対
する保持力が向上される。 (3) チップ嵌合後に基材を熱処理する場合、熱処理の熱
を利用してチップのろう付けを行うことができるので、
工程を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るビットの好適な第一の実施形態を
一部切断した断面と共に示す側面図である。
【図2】本発明に係るビットの好適な第二の実施形態を
一部切断した断面と共に示す側面図である。
【図3】上記ビットの製造方法を示す工程の流れを示す
説明図である。
【符号の説明】
10 ビット 11 基材 11a 環状壁部 12 チップ 13 スリーブ 14 ろう材層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鴨田 秀一 北海道札幌市北区北19条西11丁目1番地 北海道立工業試験場内 (72)発明者 明石 保 北海道赤平市字赤平485番地 住友石炭 鉱業株式会社内 (72)発明者 高山 紘明 岡山県高梁市落合町阿部1212番地 イー グル工業株式会社岡山工場内 (56)参考文献 特開 昭52−127430(JP,A) 実開 平3−72992(JP,U) 特公 昭54−35168(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E21B 10/00 E21B 10/46

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 引張強度を増強する熱処理がなされた鋼
    からなる基材と、 この基材に形成された環状壁部の内周に一体的に嵌合保
    持され先端が前記環状壁部から突出した超硬合金からな
    るチップと、 前記環状壁部外周面を包囲するように嵌合一体化されオ
    ーステナイト組織又は焼戻し組織とオーステナイト組織
    との混合組織を有する鋼材からなるスリーブと、 を備えることを特徴とするビット。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の掘削用ビットの製造に
    おいて、 鋼材からなる基材の環状壁部の内周に超硬合金からなる
    チップを嵌合する工程と、前記チップの嵌合後に前記基材 を熱処理する工程と、 前記基材の環状壁部の外周面に熱処理によってオーステ
    ナイト組織又は焼戻し組織とオーステナイト組織との混
    合組織を有する材質とした鋼材からなるスリーブを圧入
    又は焼き嵌めして一体に接合する工程と、 を備えることを特徴とするビットの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項2の記載において、 基材の熱処理工程を、その環状壁部内周へのチップの嵌
    合後に行い、前記環状壁部とチップとを、前記熱処理時
    の熱をろう熱源としてろう付けすることを特徴とするビ
    ットの製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3の記載において、 スリーブは高マンガン鋳鋼からなり、その熱処理は、10
    00℃以上の高温加熱状態から水靭処理することを特徴と
    するビットの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項2又は3の記載において、 スリーブの熱処理は、800 〜 900℃の高温加熱状態から
    急冷した後で焼戻しを行うことを特徴とするビットの製
    造方法。
JP5542097A 1997-02-25 1997-02-25 ビット及びその製造方法 Expired - Fee Related JP3055094B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5542097A JP3055094B2 (ja) 1997-02-25 1997-02-25 ビット及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5542097A JP3055094B2 (ja) 1997-02-25 1997-02-25 ビット及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10238265A JPH10238265A (ja) 1998-09-08
JP3055094B2 true JP3055094B2 (ja) 2000-06-19

Family

ID=12998094

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5542097A Expired - Fee Related JP3055094B2 (ja) 1997-02-25 1997-02-25 ビット及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3055094B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5360532B2 (ja) * 2008-07-16 2013-12-04 株式会社スターロイ 超硬工具及びその製造方法
JP4856689B2 (ja) * 2008-11-10 2012-01-18 株式会社丸和技研 掘削ビット
KR200484982Y1 (ko) * 2016-03-21 2017-11-15 동림산업 주식회사 채굴용 비트
KR102151762B1 (ko) * 2018-10-10 2020-09-03 한국철도기술연구원 응력 집중을 위한 노치 형성용 노치비트 및 이를 구비한 굴착장비
CN109623287A (zh) * 2019-01-15 2019-04-16 常德市中天精密工具有限公司 一种刀轮刀圈的热熔处理方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH10238265A (ja) 1998-09-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4812220B2 (ja) 高硬度高靭性鋼
US6357832B1 (en) Tool mounting assembly with tungsten carbide insert
KR20000062976A (ko) 무한궤도차량의 바퀴장치 및 그 패딩강화방법
CN102900012A (zh) 带有保护性构件的切削刀具组件
CN101182719A (zh) 挖掘机铲斗的齿尖及其制造方法
JP2009001910A (ja) 高硬度高靭性鋼
JP3055094B2 (ja) ビット及びその製造方法
US20100159235A1 (en) Wear component with a carburized case
CA2254760A1 (en) Friction welded drill rod and method for manufacturing the rod
KR102007137B1 (ko) 터널굴착기용 커터링 합금강 및 그 제조방법
CN104271884A (zh) 用于隧道钻掘机的切削头工具
AU716765B2 (en) Friction welded drill rod and method for manufacturing the rod
CN204898448U (zh) 一种道砟挖掘耙齿
US5988301A (en) Drill rod and method for its manufacture
JP2008280618A (ja) 高硬度高靭性鋼
US2043142A (en) Method of improving the weak re
JPS6299527A (ja) 建設機械用鋼製切刃及びその製造法
JPH08100589A (ja) 掘削用ビット及びその製造方法
CN112029964B (zh) 耐磨滚刀刀体制作方法
JP2000045020A (ja) 土砂摩耗特性に優れた工具鋼の製造方法
KR101211798B1 (ko) 내마모 기계부품의 제조방법
KR100606356B1 (ko) 건축물 분쇄기의 내마모 투스의 제조방법
JP3452746B2 (ja) ロウ付けビットの製造方法
JPS5925027B2 (ja) 耐摩耐衝撃強靭工具綱
JP3971419B2 (ja) 掘削刃

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20000222

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees