JP3971419B2 - 掘削刃 - Google Patents

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Description

本発明は、掘削のために地中に入れられて回転される管の先端部分に形成される掘削刃に関する。
ケーシングチューブの掘削構造部としては、超硬合金製でバイト形状をした1つの掘削刃であるチップを鋼製の1つの柱状台座に鑞付け又は特殊なものでは鑞付けに加えてピン止め等によって取り付け、相当数の柱状台座をケーシングチューブの先端部分に溶接やねじ込み、ボルト締め等によって固定した構造のものが一般的に採用されている(例えば特許文献1〜3参照)。又、ケーシングチューブに取り付ける掘削環として、先端に通常の掘削刃を取り付けると共にその外面に50mm角で10mmの厚みを持ち硬度の高い材料からなる圧肉片をアーク溶接によって固着し、掘削刃による掘削跡に波状軌跡を残さず、ケーシングチューブを引き抜き易くした構造のものが提案されている(特許文献4参照)。
一方、頂面が幅40mm×長さ70mmの台金を幅の一部分を残して斜めに切断し、頂面と斜面と底面に鑞付けや圧入により、対辺寸法が8〜20mmの頂面を持つタングステンカーバイト等からなる高硬度の角形又は円柱形の柱状チップを植えつけて、台金をねじ等によってケーシングチューブの先端に取り付け、硬い岩石であっても大きなダメージを受けず掘削できるようにした土木掘削機用掘削刃が提案されている(特許文献5参照)。
特開平5−149075(明細書の段落2、9、図1等) 特開平9−032455(明細書の段落7、図1、2等) 特開平2000−179280(明細書の段落2、13、図1、3等) 特開平2002−115481(明細書の段落7、図1等) 特開平3−290587号公報(3頁右上欄右下欄、図1〜3等)
従来からケーシングチューブの掘削刃に超硬合金製のチップを採用しているのは、シールド工法等でエンドレスに再使用するトンネル掘削機等に同様の超硬合金製のチップが使用されていることに基づくものである。従って、このような掘削刃を備えたケーシングチューブによれば,掘削刃の耐磨耗性、耐久性が極めて大きいため、オールケーシング工法(特許文献1、4、5参照)のように1回の掘削工事終了後ケーシングチューブを引き抜いて再使用する工法では好都合に使用される。
しかしながら、超硬合金製のチップを持つ掘削刃の耐久性が如何に高くても、これを装備かた母材である大径のケーシングチューブが軟鋼等の材料でできているので、その繰り返し使用には限界があり、刃の材質で特に耐久性のある超硬合金が過大な品質になっている。又、立杭構築工法では、ケーシングチューブに取り付けられた掘削刃を一度だけの掘削に使用し、掘削後には掘削刃付きケーシングチューブをそのまま地中に残して立杭を構成させる工法もあり、このような工法では、超硬合金チップが特に過大品質のものになっている。
一方、超硬合金は一般に、タングステンカーバイト等を主原料として結合剤を混合して成形、プレス後高温で焼結した焼結金属であるため溶接することができず、前記の如く掘削刃を1個だけ1つの台座に鑞付けによって取り付け、この台座を溶接等でケーシングチューブの円周に相当数取り付けるので、その製造コストが高いという問題がある。
即ち、この製法によれば,相当数の台座の機械加工による製作、台座に掘削刃を鑞付けするための高精度の穴明け加工、鑞付け、台座をケーシングチューブに取り付けるためのケーシングチューブの型取り、ケーシングチューブの全円周で相当数になる台座取付部の切欠加工、台座のケーシングチューブへの2面溶接、等の多くの製造工程があると共に鑞付け等の手間と時間のかかる工程があるため、製造時間が長くなって製造コストが高くなる。又、材料自体も超硬合金を使用するので高価である。更に、鑞付けでは、台座及び掘削刃の両方を組み合わせて全体的に高温に加熱することになるため、加熱昇温範囲が大きくなり消費電力も多くなる。
又、特許文献4のようにケーシングチューブとは別個の掘削環の外面の全円周に相当数の圧肉片をアーク溶接によって固着する場合には、時間のかかる溶接作業が更に追加されることになる。
一方、特許文献5のように台金にタングステンカーバイト等からなる超硬合金の柱状チップを相当数鑞付けや圧入によって植えつけた掘削刃によれば,掘削力が分散するため刃の損耗が少なく硬い岩石であっても掘削可能になるとされているが、1つのケーシングチューブの掘削刃としては鑞付けや圧入されるチップが多数個になるため、製造時間が一層長くなって製造コストが高くなる。
又、上記の蝋付けや圧入によるチップでは,柱状チップを精度良く加工された穴に入れてチップと穴との間を固定した取付状態にしているので、チップの付け根部分に集中的に曲げや剪断応力が発生することになるため、台金に柱状チップを多数個植えつけてそれぞれのチップを小径にすると共に、刃の穴からの突出長さを十分短くし、チップに過大な外力がかからないようにする必要がある。そのため2.5mm程度の突出量の掘削刃が実際の製品として製造されている。しかしこのような掘削刃では、掘削力が小さくなったり刃の磨耗しろも少なくなる。
そこで本発明は、従来の技術における上記諸問題を解決し、容易に迅速に低コストで製造でき十分な掘削力が得られる掘削刃を提供することを課題とする。
本発明は上記課題を解決するために、請求項1の発明は、 掘削のために地中に入れられて回転される管の先端部分に形成される掘削刃において、
スタッド溶接によって溶着可能なように底面が円錐状になっている刃元部と該刃元部から連続した円柱状になっている刃先部とを備えた柱状体の前記底面が前記スタッド溶接によって前記先端部分の端面と内面と外面とそれぞれ前記先端部分の円周方向に均一状に直接溶着されて形成された多数の刃であって、前記先端部分の上に余盛り部が形成されていて該余盛り部を含み前記底面の全面が前記先端部分の材料と前記刃元部の材料とから成る一体溶解部になっている多数の刃を有する、ことを特徴とする。
請求項2の発明は、上記に加えて、前記先端部分は前記管とは別の環状体になっていて前記管の外面に取り付けられることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明に加えて、前記先端部分は鋸刃状に凹凸形状にされていて、少なくとも前記凹凸形状のうちの凸部の端面に前記刃が形成されていることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項2の発明に加えて、前記環状体は前記管の外面に取り付けられていて、前記管の内面の前記刃に近い位置に追加の刃が形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、請求項1の発明においては、掘削のために地中に入れられて回転される管の先端部分に形成される掘削刃が多数の刃を有し、この多数の刃を、刃先部とスタッド溶接によって溶着可能にされた刃元部とを備えた多数の柱状体がスタッド溶接によって先端部分にその円周方向に均一状に直接溶着されて形成されているように構成するので、強度が高く相当の耐久性のある掘削刃を高能率で製造してその製造コストを大幅に低減させることができる。
即ち、まず、掘削刃が多数の刃を有し、これらの刃が管の先端部分の円周方向に均一状に形成されているので、掘削のために地中で回転される管の掘削仕事が多数の刃に均一的に分散される。その結果、1本の刃にかかる荷重及び1本の刃で土砂や岩石を削り取る量が少なくなるので、刃をスタッド溶接の可能な寸法まで十分小形化することができる。
そして、この刃を形成するための刃先部と刃元部とを備えた柱状体の刃元部が、スタッド溶接によって管の先端部分に溶着可能にされているで、掘削刃を管の先端部分にスタッド溶接によって形成することができる。ここで、刃元部を管の先端部分に溶着可能にするためには、スタッド溶接によって両方の部分が瞬時的に溶解して刃元部と先端部分との対向面の全体が刃にかかる力に耐えられるように溶着して両方が密に一体結合するように、刃元部の形状や材質やスタッド溶接の溶接条件等を適当に選定することになる。
このようにスタッド溶接可能にされた刃元部を母材となる管の先端部分に形成させるスタッド溶接では、一般に、溶接ガンのスタッド保持部にスタッド材になる柱状体を取り付け、これを先端部分の溶接位置に当てて溶接ガンを作動させることにより、1秒以下のごく短時間に大きな溶接電流が流れてアークが発生し、その瞬時の大発熱量によって柱状体のうちのスタッド溶接によって溶着可能にされた刃元部及び管の先端部分の表面の一部分が溶解し、前記スタッド保持部が自動的に先端部分の側に近づけられ、両方の溶解部分が一体化して柱状体と先端部分とが溶着し、先端部分に1本の刃が形成される。従って、ごく短時間に簡単な操作によって1本の刃を取り付けることができる。
そして、このように柱状体を先端部分にスタッド溶接で直接形成させて掘削刃にすることにより、従来の掘削刃の製造において必要であった刃を取り付けるための台金の機械加工、刃を入れるための台金の穴加工、刃の台金への鑞付け、管の先端部分における台金取付のための型取り、その部分の切断、その部分への台金の溶接取付等、時間のかかる多工程が不要になる。
一方、本発明では多数の柱状体をスタッド溶接することになるが、1個の溶接時間が極めて短い。又、スタッド溶接では、管製造のために通常工場設備として設けられている回転定盤を使用することができ、そのときに管を回転させつつ溶接位置を移動させる時間も短いので、溶接位置の移動や溶接ガンの溶接位置への着脱等にも多くの時間を必要としない。その結果、多数の柱状体をスタッド溶接して掘削刃を製造する全体の時間を従来の掘削刃の製造時間よりも大幅に短縮し、それに伴う掘削刃の製造コストの低減を図ることができる。
一方、スタッド溶接では、刃元部が溶解するためにこの部分が高温になると共に、その熱影響が刃先部にも及んでこの部分もある程度高い温度になる。しかし、入熱時間が1秒以下という極めて短時間であり、又、常温状態になっていて熱容量の大きい管の先端部分からなる母材側は、スタッド材である柱状体に対向した位置の近傍の一部分だけが高温化して溶解状態になるので、入熱後には迅速にその熱量が母材側である先端部分に逃げるため、柱状体は入熱後数秒以内というごく短時間内で全体的に温度降下する。その結果、柱状体の材料には大きな組織変化が生じず、焼戻しによる硬度低下は僅かな範囲に止まる。特にタングステンやモリブデンやクロム等が添加された各種合金鋼では、ごく短時間の入熱に対しては殆ど材料の組織変化がなく、焼入時の硬度が相当程度維持される。その結果、掘削刃としては掘削施工場所の地質、工法、掘削刃の繰り返し使用の回数等に対応した硬度と耐磨耗性を備える必要があるが、このようにスタッド溶接によって形成された掘削刃では、焼戻しによる硬度低下が少ないので、その材料を広い範囲の中から選択することができる。
これに対して、従来のようにろう付で掘削刃を製造する場合には、ろう付温度が低い銀ろうによるろう付では、その温度が620℃〜900℃に止まる。しかし、ろう付では、刃がこのような相当程度の高温状態になっている時間が長いと共に、母材である台金もろう付温度まで昇温されているので、その熱容量によってろう付後の刃の降温速度が遅いため、刃に対する焼戻し作用が大きくなる。その結果、刃として硬度を維持して使用可能な材料が大幅に制限されることになる。なお、従来の掘削刃では、刃の材料として超硬合金が使用されているので、ろう付であっても十分な硬度が得られている。
又、ロウ付けでは、母材及び刃を全体的に且つ長い時間加熱状態にするので、電力消費量が多くなる。一方スタッド溶接では、大電流が流れてそのときには大電力を消費するが、その時間が瞬時的であり、それによる加熱が母材表面の狭い範囲及びスタッド材の表面だけに止まるので、十分少ない電力消費量になる。従って、請求項1の発明によれば省エネ効果も生ずる。
更に、スタッド溶接では、前記の如く柱状体の刃元部を溶解させて同様に溶解した管の先端部分の一部分に近づけてこれらの対向面の全体を一体結合させることになるので、柱状体の刃元部分では刃先部分から溶着側に広がった余盛り部分が形成される。それにより、先端部分から片持ち梁状に突出した刃は、その根元側で漸次断面積が拡大した形状になる。これに対して従来のろう付や圧入した刃では、精度良く機械加工した穴に円柱体を入れることになるので、刃は穴の先端の角部から穴を形成している台金とは別体としてそのまま円柱状に突出した形状になっている。
その結果、従来のろう付の刃では、掘削時に刃に外力がかかったときに、これを穴の先端角部で集中的に受けることになると共に、曲げや剪断の外力を受ける断面積が刃自体の断面積であるため、刃にかかる応力が大きくなるが、本発明を適用したスタッド溶接の刃では、刃が柱状体の余盛り部分によって大きな変曲点を作らず母材である管の先端部分につながるので、刃に外力がかかったときに集中的な応力が発生しないと共に、応力の生ずる断面積が拡大された効果によって平均的な応力も小さくなる。
従って、本発明によれば,従来の刃よりも先端部分からの突出量である刃の高さを大幅に高くすることができる。その結果、地盤の掘削性を良くして、掘削能率を上げることができる。又、刃の磨耗しろを多くすることができる。
請求項2の発明においては、先端部分が、管とは別の環状体になっていて管に取り付けられるので、環状体を柱状体の取付に必要なだけの短い長さにして、特に先端部分の端面に柱状体をスタッド溶接するときに、足場等を設けることなく下向き溶接を可能にし、作業性を良くすることができる。又、環状体に柱状体を取り付けた掘削刃と管とを別々にそれぞれの工程で製造し、必要なときに環状体を管に取り付けるようにして、管付き掘削刃の製造工程を合理化して製造能率を上げることができる。
請求項3の発明においては、先端部分が鋸刃状に凹凸形状にされていて、少なくとも凹凸形状のうちの凸部の端面に刃が形成されているので、管の先端部分の掘削刃が凸部の端面で土砂や岩石を掘削して進行して行った後から、掘削部を鋸刃状部分で更に砕いて行くので、管内で掘削分離された掘削物の排出性を良くすることができる。
請求項4の発明においては、先端部分が環状体になっている場合に、環状体を管の外面に取り付けて、管の内面の刃に近い位置に追加の刃を形成させているので、環状体の刃で切って地盤と分離させた環状体の中の掘削物の縁を更に追加の刃で切り裂くことができる。その結果、管内の掘削物を管から離れ易い状態にして、掘削物の排出性を良くして掘削能率を向上させることができる。
図1は本発明を適用した掘削刃の構成例を示す。
本例の掘削刃は、掘削のために地中に入れられて回転される管1の先端部分2に形成されていて、多数の刃3を有する。この多数の刃3は、刃先部41と刃元部42とを備えた多数の柱状体としての柱状の刃材4がスタッド溶接によって先端部分2にその円周方向に均一状に直接溶着されることによって形成されている。このような先端部分2は、刃材4がスタッド溶接によって取り付けられる母材になるので、以下では「母材2」ということがある。
管1は、エル・モール工法と称される施工方法で立杭を構築するときの先頭ケーシングチューブ等として特に好都合に使用されるものであり、図1(a)に示す直径D、長さL及び厚みtがそれぞれ、D=1.5〜3m、L=1〜4m、t=12〜16mm程度の寸法にされるJIS規格のSS400の鋼管である。母材2は、本例では管1の先端部分自体で構成されている。
多数の刃3は、図1(c)及び(d)に先端部分2の円周方向の一部分を示す如く、先端部分2において、端面2a、内面2b及び外面2cにそれぞれ刃31、32及び33として取り付けられている。それぞれの刃31〜33の形状、寸法、取付ピッチ等は、掘削施工場所の地質、掘削直径や深さ等の諸条件から掘削に最適なように定められる。例えば管1の直径Dが2mのときには、合計約150本の刃が取り付けられる。なお、掘削場所の地質等によっては、端面2aの刃31を細かいピッチで取り付け、刃32、33を省略することも可能である。
刃3が形成される刃材4の刃先部41は円柱状になっていて、その上端面41aは円柱の軸41bに直角な平面になっていて刃3の上端を形成する。なお、地質等の条件によっては、円柱の上部を多角柱の刃先部にしたり、円柱に代えて多角柱にするなど、他の適当な形状にすることも可能である。又、上端面41aを上記平面から傾斜させ、掘削物への食い込み又逃げ角度がより適切になるようにしてもよい。
刃材4の刃元部42は、スタッド溶接によって溶着可能にされる。即ち、スタッド溶接により、刃元部42の底面が先端部分2からなる母材2の表面に全面で溶着するように、刃元部42の形状、寸法、スタッド材としての材質等が定められる。形状としては、本例では刃元部42の大部分を円錐状に形成している。円柱の直径d、高さh1 、円錐の高さh2 及び円錐の頂角θは、刃材4の材質、溶接電流の大きさ、掘削土質、管1の厚みt等を考慮し、例えばそれぞれd=12mm、h1 =8mm、h2 =6mm、θ=90°程度の適当な値にされる。なお、円錐状に代えて、円錐台状、又は刃材4の材料等によっては刃先部41と同じ円柱状であってもよいこともある。又この部分には、アークの発生を容易にするような溶剤処理がされていてもよい。
このような刃材4の材料としては、硬度が高く従って耐磨耗性が大で、曲げや剪断に対する強度が高く強靱であり、溶接性が良いと共に管1にスタッド溶接された後にも前記の諸性状を少なくとも相当程度維持できるものが望ましい。この点については後述するが、例えば工具鋼のうちの高速度工具鋼鋼材や熱間金型用鋼材は、刃材4の材料として最も適当である。又、掘削条件等によっては、JIS S45C以上の炭素鋼や他の工具鋼等も使用可能である。
刃材4を母材2に溶着させるスタッド溶接は、通常アークスタッド溶接法によって行われる。この溶接法によれば,直流電源を含む溶接機に結合された溶接ガンを溶接位置に設定することにより、簡単に短時間にスタッドと母材とを溶着させることができる。
図2は、刃材4を母材2にスタッド溶接するために準備した特製の治具を示す。
この治具には、同図(a)〜(c)に示す端面用の治具5と(d)及び(e)に示す内外面用の治具6とがある。端面用の治具5は、図示しないネジ等で相互間が一体に結合されている円筒51、割れリング52、結合用半円筒53、磁石ケース54、磁石55等で構成されている。円筒51には溶接ガンの先端部分の溶接ホルダ101及びスタッドホルダ102が出し入れされる。
(a)及び(b)に示す端面用治具5は、下向きに溶接する構造になっていて、円筒51の下端面が管1の先端部分2の端面2a上に乗り、割れリング52が割れ部分で先端部分2の内外面2b、2cを挟持し、磁石55が図では外面2cに吸着し、先端部分2を跨ぐようにしてこれに位置決め支持されるように形成されている。(c)に示す端面用治具5は、横向きに溶接する構造になっていて、円筒51の図では左端面が管1の先端部分2の端面2aに当たって端面位置が固定され、リング52が割れ部分で先端部分2の内外面2b、2cを挟持し、磁石55が図では内面2bに吸着し、内面2bの上に乗って先端部分2に位置決め支持されるように形成されている。
側面用の治具6も類似の構造になっていて、前記円筒51、位置決め板66、結合板67、前記磁石ケース54、前記磁石55等で構成されていて、位置決め板66が管の端面2aに当たり、結合板67の表面が管1の先端部分2の図では外面2cに乗り、磁石55が外面2cに吸着し、端面2aを基準にして外面2cに乗って先端部分2に位置決めされるように形成されている。
図3は本発明が適用される掘削刃の他の例を示す。
図3(a)及び(b)では、管1の先端部分2が管1とは別の環状体であるリング7になっていて、リング7が管1に取り付けられて先端部分2を形成している。リング7の幅B1 は、刃材4の溶接時の作業性等を考慮して例えば100mm程度の寸法にされる。このリング7は、後述するスタッド溶接の例では、刃材4がスタッド溶接によって溶着される前に、最初に管1に図示のような溶接等によって取り付けられる。この掘削刃では、リング7が管1の外面1cに取り付けられていて、同図(a)に二点鎖線で示す如く、管1の内面1bの刃31〜33に近い位置に追加の刃34が同様にスタッド溶接によって形成された構造であってもよい。追加の刃34も同様に多数個設けられるが、内面2bの刃32と同程度のピッチで形成されればよい。
図3(c)及び(d)の掘削刃では、先端部分2が鋸刃状に凹凸形状にされた凹凸状リング8になっていて、凹凸形状のうちの凸部の端面8aに刃31が形成されていると共に、凸部の内外面8b、8cに刃32、33が形成されている。リング8の幅B2 及び凹凸部のピッチpは、本例では200mm及び410mmである。従って、管1の直径が2mであれば、図示の刃31〜33からなる刃3は約210本形成される。
このようにに先端部分2を管1とは別の環状体であるリング7又は8にすれば、管1と掘削刃の形成されたリング7又は8とを別々にそれぞれの工程で製造し、必要なときにリングを管に取り付けることができるので、管付き掘削刃の製造工程を合理化して製造能率を上げることができる。
以上のような掘削刃は、前記の如く例えば立杭構築工法の1つであるエル・モール工法に使用される。この工法は、水道管等の直径300mm程度の管を横方向に長く敷設するための工事や点検補修用の縦穴を構築する工法であり、最初に図1に示す掘削刃を備えた先頭ケーシングを正逆方向に揺動回転させながら圧入して地盤を掘削しつつ、内部の土石等をグラブバケット機械で排出し、次に先頭ケーシングに中間ケーシング及び最終ケーシングを溶接等で継ぎ足し、同様に先頭ケーシングで地盤を掘削し土石等を排出し、更に仮設ケーシングを継ぎ足して同様に掘削等を行い、目標掘削深さに到達すると、仮設ケーシング分だけ他のケーシングを引き上げて仮設ケーシングを撤去し、底部分にコンクリートを打設すると共に、上端部分を作業者の出入りや機材の出し入れを可能にする開閉構造にする工法である。
このようなケーシング付き掘削刃を用いた工法では、ケーシングを回転させつつ地中に圧入して地盤を円筒状に切開して行くことになるので、図3(c)及び(d)のように、先端部分2を鋸刃状の凹凸状リング8にすれば切削性がより良くなる。即ち、ケーシングを回転させながら凸部に形成された刃31〜33で地盤を円筒状に切開して行った後に、リング8の鋸刃状部分で更に切開された部分を裁断し、内部の土石等を排出するときに これらを砕けやすくして、その排出性を良くすることができる。
又、図3のリング7又は8に追加の刃34を設ければ、刃31〜33で地盤を円筒状に切開して行った後に、管1の内側の縁部分を更に追加の刃34で切り裂くことができるので、管内の土石等を管1の縁から離れ易い状態にして、掘削物の排出性を良くして掘削能率を向上させることができる。
以上のような掘削刃は次のようにして製造される。
刃材4は棒状の材料から機械加工によって容易に製造される。この場合、材料を前記の高速度工具鋼鋼材や熱間金型用鋼材にすれば、従来の材料である超硬合金よりも大幅に材料費が安価になる。他の工具鋼や炭素鋼にすれば更に材料費が低減する。
先端部分2を管1とは別の環状体として図3に示すリング7又は凹凸状リング8にする場合には、所定の形状及び寸法に加工したリング7又は8を管1に取り付ける。この取付では、管1とリング7又は8との接合部の両端を溶接する。なお、リング7又は8に刃材4をスタッド溶接した後にこれらを管1に取り付けるようにしてもよい。リング7又は8は1個だけであるから、溶接等によるこのようなリングの取付は簡単で短時間にできる作業である。
図4は管1の先端部分2に刃材4をスタッド溶接する方法及び装置の一例を示す。
この例では、管1の製造工程で使用される定盤200の一対のローラ201に先端部分2を含む管1を横向きに矢印のように円周方向に回転可能なように乗せ、管1の端面2a、7a、8a及び内面2b、7b、8bに対しては、円周の下端位置SL を溶接位置とし、外面2c、7c、8cに対しては、上端位置SH を溶接位置にする。この溶接では、内外面に対しては下向き溶接になり、端面に対しては横向き溶接になる。
端面に対して、刃材4の材質や大きさ等により、下向き溶接をする方が溶接結果が良くなる場合には、管1を水平台や水平回転式定盤等に端面2aが上向きになるように立てて設置し、管1の長さ方向の上端位置を溶接位置にして下向きに溶接する。この場合に溶接治具を使用するときには、図2(a)のものを使用する。水平台等が回転しない場合には、溶接作業者が円周方向に少しづつ位置を変えて溶接することになる。従って、作業者の作業量は少し多くなるが、全体の溶接作業の時間がそれ程長くなるということはない。
先端部分2がリング7又は8である場合に端面に対して下向き溶接をするときには、これらを管1に溶接取付する前に、刃材4を端面7a又は8aに溶接することができる。そのようにすれば、リング7又は8が必要なだけの幅として100mm又は200mm程度の幅にされるので、これらを定盤等の上に端面7a又は8aが上向きになるように置いて下向き溶接する場合に、足場等を設ける必要がなくなって作業性が良くなる。
この溶接では、最初に、例えば図1(c)及び(d)に示す管1の先端部分2の端面2a、内外面2b、2cに、刃材4をスタッド溶接で取り付けて刃31〜33にする位置を全円周上に図ではP1 〜P3 、Q1 〜Q3 、R1 〜R3 として3個所だけ示しているようにマークする。そして、ローラ201を回転させて管1を回転させ、Q1 以下の内面刃の位置が順次ほぼ溶接位置である下端位置SL になるように位置決めし、その位置でQ1 以下及びP1 以下の刃位置での溶接を順次実施する。次にR1 以下の刃位置が順次溶接位置である上端位置SH になるように位置決めし、その溶接位置でR1 以下の刃位置での溶接をする。この場合、スタッドガンを直接刃位置に持って行って溶接することも可能であるが、図2に示す溶接治具を用いることにより、特別に熟練することなく、簡単に溶着状態の良い溶接をすることができる。
定盤200と端面用及び内外面用の治具5及び6を使用する場合には、端面及び内外面のマークされた刃位置に対して、図2(c)及び(d)のように治具5を設置する。端面2aに対しても下向き溶接をする場合には、同図(a)のように治具5を設置する。これらの操作は、治具5又は6を管1の先端部分2に嵌め込んで位置決めするだけの操作であるから、簡単でごく短時間にされる。
治具を使用して端面2a及び内面2bに溶接するときには、刃位置Q1 を下端位置SL にして、刃位置Q1 に図2(d)のように治具6を設置すると共に刃位置P1 に同図(c)のように治具5を設置し、スタッドガンのスタッドホルダ102に刃材4を取り付け、溶接ホルダ101を最初に内面用の治具6の円筒51に挿入してその先端が位置決め板66及び先端部分2の内面2bに当たるように設定し、スタッドガンの引き金を引いて溶接機を作動させる。これにより、炭酸ガス等の外気シール用の不活性ガスが導入され、溶接ホルダ101によって溶接部が外気から遮断された不活性ガス雰囲気下において刃材4が内面2bに溶着される。
図5は、刃材4が内面2a等からなる母材2にスタッド溶接される状態を示す。
前記の溶接機を作動させた以後の動作は、1秒以下のごく短時間の間に溶接機によって自動的に行われる。即ち、図5(a)に示すように、刃材4の刃元部42の下端42aが例えば端面2aと小距離sだけ離され、数百アンペアの大きな溶接電流が1秒以下の短時間だけ流され、アークAが発生し、その瞬時の大発熱量により、同図(b)のように刃材4及び母材2の表面の一部分が溶解した溶解部42w及び2wが生成し、溶解部42wを持つ刃材4が矢印のように下向きに動かされて溶解部2wに押し付けられ、(c)及び(d)の如く一体溶解部Wを形成すると共に溶解部の余ったボリュームが一体溶解部Wのうちの余盛り部wを形成し、直ちにその部分が放熱してその状態で固体化して定形を維持できる状態になり、溶接治具6から溶接ガンを取り外すことによって溶接作業が完了する。これにより、刃3のうち刃位置Q1 の刃になる刃31の1本目が形成される。従って、ごく短時間に簡単な操作で1本の刃を取り付けることができる。上記において、図1で例示したd=12mm、h1 =8mm、h2 =6mm、θ=90°の刃材4を用いて実際にスタッド溶接した結果によれば、(d)に示す刃4の高さhは約7mmになった。
下端位置SL で内面2bの刃位置Q1 のスタッド溶接が終了すると、同じ管1の位置で端面2aの刃位置P1 で溶接する。この溶接では、図2(c)に示すように溶接ホルダ101を端面用の治具5の円筒51に横から挿入してその先端が割れリング52及び端面2aに当たるように設定する。それ以後の操作及び溶接状況は刃位置Q1 での溶接のときと同様である。刃位置Q1 、P1 での溶接が終了すると、図1(c)の矢印のように管1を少し回転させて刃位置Q2 を下端位置SL まで移動させ、治具5、6もそれぞれ刃位置Q2 及びP2 にスライド移動させ、内面2bの刃位置Q2 及び端面2aの刃位置P2 に上記と同じ操作によって刃材4をスタッド溶接する。刃位置Q3 、P3 以下についても、順次同様に溶接して行き、管1が1回転すると内面2b及び端面2aの溶接が完了する。
下端位置SL で内面2b及び端面2aの溶接が終了すると、溶接位置が上端位置SH になるように図示しない溶接台座を設置し、管1を回転させて図4及び図1(c)のように刃位置R1 を上端位置SH に移動させ、外面2cの刃位置R1 に上記と同じ操作によって刃材4をスタッド溶接し、刃位置R2 以下にも順次同様に溶接して行き、管1を一周すると外面2cの溶接が完了する。
以上のようなスタッド溶接による管1に直接又は環状体7、8を介した刃材4の取り付け方法によれば、スタッドガンの治具への着脱を含めて、溶接時間が極めて短時間であるため、管の回転及び治具の移動時間を加えても、全体の溶接時間を十分短時間にすることができる。実際に掘削刃を製造した例によれば、本発明を適用した製造方法では、従来の製造方法である台金の機械加工、穴加工、鑞付け、ケーシングチューブの型取り、切断、及び溶接取付からなる製造方法に較べて、製造時間が約1/4になり製造コストが約1/2.5になるという結果が得られた。この場合、スタッド溶接時の操作は、治具のスライド移動による位置決め、治具への刃材の取り付け、スタッドガンの着脱及びガンの発射操作だけであるから、極めて簡単である。従って、特別の熟練者でなくてもすることができる。
又、以上のように本発明を適用したスタッド溶接の掘削刃では、リング7、8を含む母材2とスタッド材料である刃材4との溶接状態を、図5(d)のように余盛部wを含む一体溶解部Wが生成した状態にすることができるので、従来の鑞付けや圧入による刃の取り付けよりも刃の強度を大きくすることができる。即ち、スタッド溶接は大きな強度を必要としない取付部に適用されるのが一般的であるが、本発明のように管1に直接取り付ける刃の数を多数にして1本の刃のサイズを直径10数ミリ程度までの小サイズのものにすることにより、スタッド材の材料や溶接条件等を適切に定めれば、余盛部wを含む刃材と母材との一体溶解部を生成させることによって溶接部が極めて強固になる良好な溶着状態を得ることができる。
以上のようにして製造された掘削刃は前記の如くエル・モール工法に適用される。この工法では、先頭ケーシングを含む他のケーシングは、工事及びその後の点検や補修等の穴としてその状態を確実に維持するために、圧入された状態で地中に残される。従って、先頭ケーシングの掘削刃は一度だけの掘削に使用されるので、この用途の掘削刃では、従来の超硬合金製の掘削刃が備えている硬度であるロックウエル硬度HRA82程度のような高硬度及びそれに対応した耐磨耗性ほどの大きな硬度及び耐磨耗性は要求されない。例えば、相当の耐用期間を維持することが要求されるブルドーザーのチップの硬度がロックウエル硬度HRC52程度にされているので、エル・モール工法のような一度だけの掘削に使用される掘削刃であれば、HRC50程度の硬度を備えたものであれば十分である。
エル・モール工法で立杭を構築した例によれば、S45Cを刃材にしてスタッド溶接によって製造したHRC約32の硬度の掘削刃を使用することができた。なお、この工法では、完工後に長距離の横穴を掘削するので、立杭構築の際には、事前のボーリング調査等により、特別に岩盤の多いような地盤は回避されるので、上記のHRC30程度の硬度の掘削刃でも掘削可能な場合が多いが、種々の掘削場所で確実に掘削できるためにはもう少し高硬度の掘削刃を使用することが望ましい。
表1は、本発明を適用したスタッド溶接によって製作した刃3の硬度試験結果を示す。又図6は、刃3の中心軸を含む断面図で硬度測定位置を示している。
Figure 0003971419
この試験に使用した刃3のサンプルは、図1(b)に示すd=12mm、h1 =8mm、h2 =6mm、θ=90°の刃材4を用いて、母材として厚みt=12mmのSS400の鋼板の図1(c)の内外面2b、2cに相当する側面に、800Aの電流を供給してスタッド溶接し、図5(d)に示すhが約7mmの高さに製作されたものである。サンプル用の刃材4の材料としては、本発明の掘削刃の材料として特に適した材料であるJIS規格の高速度工具鋼鋼材のうちのSKH51と熱間金型用鋼材のうちのSKD61、及び炭素鋼S45Cを用いた。
スタッド溶接では、図5に示す如く、アークAを発生させることにより、刃材4の刃元部42の表面が溶解するようにこの部分を材料によって異なるが例えば1500℃〜1650℃程度の高温にするので、溶解部42wが生ずると共にその温度の影響が掘削するための刃先部41の方にも及ぶことになる。表1及び図6に示す硬度測定位置p1 〜p4 はそれぞれ、大熱量が瞬時的に加わるだけであるため高温溶解部から刃先側への熱伝達時の熱抵抗や放熱作用によって大幅に温度上昇することなく温度が500℃程度又はそれより多少高い程度の温度であったと推定される熱影響の比較的小さい刃の表面位置(p1 )、同様に余り熱影響の及んでいない刃の断面になる内部の上部位置(p2 )、相当の熱影響を受けて温度が500℃程度より相当高く上がっていたと推定される内部の熱影響部(p3 )、及び刃材4の溶解温度である高温になっていた内部の溶解部(p4 )である。
この硬度試験結果によれば,刃材の溶解温度まで高温になったり熱影響を大きく受けて高温になったp4 、p3 位置でも、測定された硬度はHRC62〜64の範囲の値となり余り低下していなく、十分高い状態に維持されていた。又、SKD61では、上記硬度測定位置のうち表面p1 及び内部p2 の硬度がHRC52〜53.2の範囲の値になり、同様に十分高い硬度が維持されていた。従って、刃材4をSKH51又はSKD61にした掘削刃は、前記エル・モール工法に対しては勿論、掘削刃が繰り返し使用される他の工法に対しても使用可能である。S45Cの刃材では、スタッド溶接前の硬度HRC44.0が溶接取付後にはHRC38.2まで低下した。しかしこの程度の硬度であれば、エル・モール工法の掘削刃としては十分使用可能である。
なお、従来技術のようにロウ付けで刃を取り付ける場合には、後に説明する図10に示すように、母材400を嵌め合い精度のレベルまで機械加工した穴401に刃になる円柱体402を入れてその隙間部分403の図では右側になる上部にろう材を配備し、これらの全体を図示しない加熱容器の中に入れて、容器内をろう材の溶解温度として融点の低い銀ろうの場合でも620〜900℃という高い温度にして母材や円柱体やろう材をその温度まで加熱し、ろう材を溶解させて前記隙間部分に侵入させて円柱体402を母材400に固定させるという製法になるので、刃材がかなり長い時間上記の高い温度にされるため、焼入れされた刃材の焼戻しによる硬度低下量が大きくなる。但し、従来の掘削刃のように超硬合金を刃材にする場合には、その硬度がHRA90程度であるのに対して、実際にろう付で製造にされた刃の硬度は、前記の如くHRA82程度の高硬度になっている。
又、スタッド溶接では、大電流が流れてそのときには大電力を消費するが、その時間が瞬時的であり、それによる加熱は母材及びスタッド材の表面だけに止まるので、十分少ない電力消費量になる。一方、ろう付では、母材及び刃を全体的に長い時間加熱した状態にするので、その電力消費はスタッド溶接の場合よりも相当多くなる。
図7(a)及び(b)は、前記刃材の材料のうちのSKH51及びSKD61について材料の製造所でされた焼入焼戻し試験の結果を示す。
この試験によれば、SKH51では、同図(a)に示す如く、JIS規格で規定の温度で焼入焼戻しの熱処理をした後の硬度として定められているHRC63以上という規格値に対して、焼入れ温度によって異なるが焼戻し温度が560℃〜620℃の範囲で上記規格値を超えている。本発明を適用したスタッド溶接の刃材の材料としては、このようにある程度高い温度で焼き戻したときに焼入れ時よりも硬度が高くなる材料が特に好ましい材料である。
前記の硬度試験の結果によれば、熱影響の少ないp1 、p2 位置の硬度は、HRC62及び63.6になったので、測定値のばらつき等を考慮すれば本図の焼戻し硬度特性とほぼ一致する。しかし、大きく熱影響を受けたり溶解して温度が上記の620℃より相当高くなったり刃材の溶解温度になっていたp3 及びp4 位置の硬度がHRC63.7及び62.9であったことは、本図の結果と一致しない。これは、スタッド溶接では、溶接電流の供給時間が0.45秒で、刃材4への入熱が極めて瞬時的であったため、材料に硬度を低下させるような組織変化が起こらず、前記図に示す3〜4時間の焼戻し温度特性とは全く異なる結果になったものと推定される。
SKD61では、同図(b)に示す如く、上記熱処理後の硬度がHRC53以上という規格値に対して、焼入れ温度が1000℃〜1100℃では、焼戻し温度が500℃でHRC53以上、600℃でHRC50以上になっている。従って、この材料でも焼入れ後の焼戻しによって硬度が上昇している。そして、前記の熱影響の少ないp1 、p2 位置の硬度がHRC52〜53.2という値は、本図の焼戻し硬度特性とほぼ一致する。なお、SKD61では、実際の使用では硬度が特に問題にならない前記p3 、p4 の高温になっていた位置の硬度測定をしていないが、SKH51と同様に、入熱時間が極めて短いためこの部分の硬度もp1 、p2 位置の硬度と同程度の値であったものと推定される。
図7(c)は、冷間金型用鋼材のうちのSKD11の焼入焼戻し試験結果を示す。この材料では、スタッド溶接による掘削刃の製作試験をしていないが、500℃での硬度がHRC56程度以上であり、この位の温度で焼戻しによって硬度が上がっているので、本発明を適用した掘削刃に対して適当な材料の1つである。
以上のような硬度試験や焼入れ焼戻し試験等から、本発明を適用してスタッド溶接によって掘削刃に製造するときの材料としては、例えば前記S45Cのように少なくとも炭素等をある程度含有した合金鋼で焼入れの可能な材料、例えば前記SKD11のようにクロムやモリブデンを含有した合金鋼で焼入れ硬度が高くある程度高い温度で焼き戻してもそれ程硬度低下しない材料、SKD61のように同じ合金鋼である程度高い温度で焼き戻したときに焼入れ硬度以上に硬度が上がる材料、SKH51のように更にタングステンを含み高温焼戻しで焼入れ硬度より相当に硬度が高くなる材料、そして総括的には、スタッド溶接するときのごく短時間の入熱によって相当な高温になっても金属組織がそれ程変化せず焼入れ硬度が相当程度維持される材料、等が使用可能又は使用に適当もしくは最適な材料とし挙げられる。
図8は、上記材料のうちのSKH51及びSKD61並びに母材2の材料であるSS400の磨耗試験の結果を示す。
この磨耗試験は、掘削刃が実際に使用されたときの主たる磨耗作用をする砂に対する掘削刃の耐磨耗性を確認するための試験であり、JIS規格のスガ磨耗試験法により、磨耗を加速させるセラミック材として炭化珪素を研磨材にした耐水研磨紙CC♯320をループ状にして、上記材料のテストピースに20Nの荷重をかけて擦らせて往復動させ、その回数に対する磨耗量であるテストピースの減量を測定する試験である。
この試験で使用したテストピースは、上記試験法に規定された薄板状のものである。SKH51、SKD61及びSS400のテストピースのそれぞれの実測質量は146.2295g、133.5162g及び131.4618gであった。そして、荷重をかけた研磨紙の往復動回数が2000回のときの上記のそれぞれの材料に対する磨耗量は、0.0591g(0.04041 %)、0.0751g(0.05624 %)及び0.1472g(0.11197 %)になった。
この試験結果によれば、SKH51及びSKD61の磨耗量は十分小さい値であり、それぞれの耐磨耗性は、材料に粘りがあって硬度の割に耐磨耗性のあるSS400の約2倍及び2.5倍という高い値であったので、これらの材料は、エル・モール工法や他の掘削刃を繰り返し使用する工法等の掘削刃として極めて好都合に使用可能な材料であることが確認された。
図9はスタッド溶接によって製作した掘削刃の強度試験の概略状態を示し、表2はその試験結果を示す。
Figure 0003971419
この試験では、上表に示す6種類の材料の刃材を硬度試験のときと同様にSS400の母材にスタッド溶接して製作したサンプルと、剪断力を付加するために製作した特殊治具とを使用した。即ち、加圧部材300に垂直力Fをかけると共に水平力fをかけてその水平姿勢を保持させつつ、母材2に上下方向の支持力F1 及びf1 を作用させて母材2を取付座301上で直立姿勢に保持し、溶接取付した刃3の余盛り部wの刃側付け根の近傍の位置として母材2から距離xの位置w1 に垂直力Fをかけ、刃3が破断するまで力Fを大きくして行った。
この試験結果によれば、スタッド溶接の溶着状態によって破断荷重がかなりばらついたが、6種類の何れの材料においても、ほぼ30KN以上という十分大きい破断荷重が得られ、特にSKH51では70KN以上という極めて大きな値を得ることができた。この試験で破断は、図において鎖線で示すように、刃材と母材との図5(c)及び(d)に示す一体溶解部Wから母材2の側に入った母材2の曲面21で生じていた。
この試験の荷重状態によれば,刃3では、w1 位置に加わった力Fによる剪断力とモーメントFxによる曲げ力とが余盛り部wの母材側端w2 位置に作用し、上下のw2 −w2 断面の断面積に対して剪断応力及び曲げ応力が生じ、刃3はこれらの合成応力によって破断したことになる。この場合、前記距離xが約2mmであったので、刃3には相当大きい曲げモーメントFxによる曲げ応力が生じている。従って、余盛り部wの効果により、応力集中が生じないと共に刃の断面積より拡大された余盛り部wの断面積に対する平均応力が大幅に低減されているため、剪断力と共に相当大きな曲げモーメントがかかったにもかかわらず、刃3は破断するまでに極めて大きな荷重に耐えられたという結果になった。
図10は従来の掘削刃の強度試験の概略状態を示し、表3はその試験結果を示す。
Figure 0003971419
この試験では、従来の掘削刃の一例として、材料がJIS規格のM3916E5の鉱山工具用超硬合金で直径d=11.2mmの刃材402を合金鋼SCM440からなる母材400に銀ろう付をして製作した刃404と前記特殊治具とを使用し、図9と同様な状態に試験荷重を加えた。なお、この刃404では、余盛り部wがないと共に、母材400から突出した高さh´が2.5mmという低い値になっていたので、刃404のできるだけ母材400に近い位置404aに剪断力Fを加えた。この位置404aの母材403からの距離x1 は0.5mm程度以下になっていた。この試験によれば、32.2KN〜42.0KNの力Fを加えたときに鎖線で示すような曲面405で破断した。
この試験の荷重状態によれば,刃404には、404aの位置に加わった力Fによる剪断力と僅かな距離x1 によるモーメントFx1 による曲げ力とが、母材400の上下の支持端400a−400a断面の断面積に対して剪断応力及び曲げ応力を発生させ、刃404はこれらの合成応力によって曲面405で破断したことになる。従って、力Fに対して、余盛り部がないため刃自体の断面積に対して応力が発生するので、剪断力に加えて僅かな曲げモーメントがかかっただけで刃が破断するという結果になった。
ところで、ケーシング付き掘削刃を用いた工法では、ケーシングを回転させつつ地中に圧入して地盤を円筒状に切開して行くことになるので、例えば直径200mmというような大きな礫質物があったときに、刃がこれに当たると、刃には大きな衝撃力が加わる。この場合、従来の掘削刃のように、円周方向にそれ程多くない数の台座を取り付け、台座に複数個の刃をろう付や圧入した掘削刃では、ケーシングの円周方向に存在する刃のピッチ間距離が長いので、刃が圧入されつつ礫質物に当たるときの刃の食い込み量が大きくなり、刃にかかる衝撃力が大きくなる。そのため、又前記の如く刃の曲げ強度が低いこともあり、従来の刃404では前記の如くその高さh´を2.5mmという低い高さにしている。
これに対して本願発明を適用した掘削刃では、刃3を直接ケーシングの先端部分2に取り付けることにより、刃3の数を多数にしてそのピッチを小距離にすることができるので、それぞれの刃3が前記礫質物に当たるときにその食い込み量が過大にならず、刃3に当たる衝撃力を適当に逃がして小さい値にすることができる。なお、食い込み量が少なくなれば、1本の刃による掘削量は少なくなるが、刃が多数あるため全体としての掘削量は多くなっている。又、刃3を多数にして刃の寸法を小さくしていることによっても、刃にかかる衝撃力を小さくすることができている。そして、このように刃3にかかる衝撃力が小さいと共に、前記強度試験の如く、刃3に相当の曲げモーメントがかかっても、刃3が大きな荷重に耐えられたことにより、図5(d)に示す刃の高さhを7mm程度から最大8〜9mm程度まで高くすることが可能になった。
その結果、本発明を適用した掘削刃では、礫質物等があったときの刃3の強度上の安全性を確保しつつ、通常の土砂や粘性土の掘削性を大幅に上げることができる。この場合、刃3の材質にもよるが、従来の超硬合金製の刃よりも磨耗量が相当多くなる場合もあるが、刃の高さが高いことによって磨耗しろが多くなっているので、耐用時間が大幅に低下するということはない。従って、エル・モール工法のように1回の掘削だけに使用される掘削刃では、刃材の材料を例えばS45Cを含めて特に広い範囲から選択することができる。
即ち、本発明によれば、刃の数を多数にして刃を小形化すると共にケーシングチューブの先端部分における刃のピッチを細かくし、刃にかかる力を小さくすると共にスタッド溶接による刃の取付を可能にし、溶着状態の良いスタッド溶接をすることによって強固な刃を製造能率良く製造してコストも低減させ、更に刃の安全性を確保しつつ刃の高さを格段に高くし、刃の耐用期間を長くすると共に刃の切削性を良くするという、従来の掘削刃では得られない総合的な顕著な作用効果を得ることができる。
本発明は、地盤を円筒状に掘削する工事に使用され、立杭の構築のための地盤掘削や、その中でも掘削刃の付いた管を地中に残してそのまま立て杭を形成させるエル・モール工法に特に好都合に利用される。
本発明を適用した掘削刃の全体的構成の一例を示し、(a)は管の斜視図、(b)は刃材の正面図、(c)は刃部分の底面図、(d)は刃部分の正面図である。 スタッド溶接に使用可能な治具の一例を示し、(a)は管の端面に下向きに溶接するときの治具の断面図、(b)はその平面図、(c)は管の端面に横向きに溶接するときの治具の断面図、(d)は管の内外面に下向きに溶接するときの治具の断面図、(e)はその平面図である。 (a)及び(b)は管の先端部分の構造の他の例を示す断面図及び正面図、(c)及び(d)は管の先端部分の構造の更に他の例を示す断面図及び正面図である。 スタッド溶接するときの状態の一例を示す説明図である。 (a)乃至(d)は刃材が母材にスタッド溶接されるときの状態を示す説明図である。 スタッド溶接された刃の断面に硬度測定位置を示した説明図である。 (a)乃至(c)は刃材となるSKH51、SKD61及びSKD11の焼入れ焼戻し試験結果を示す曲線図である。 母材になるSS400及び刃材になるSKH51及びSKD61の磨耗試験結果を示す曲線図である。 スタッド溶接で製作した刃のサンプルを荷重試験したときの状態を示す説明図である。 従来のろう付で製造された刃のサンプルを荷重試験したときの状態を示す説明図である。
符号の説明
1 管
1b 内面(管の内面)
1c 外面(管の外面)
2 先端部分
3 刃
34 追加の刃
4 刃材(柱状体)
7 リング(環状体、先端部分)
8 凹凸状リング(環状体、先端部分)
8a 端面(凸部の端面)
41 刃先部
42 刃元部

Claims (4)

  1. 掘削のために地中に入れられて回転される管の先端部分に形成される掘削刃において、
    スタッド溶接によって溶着可能なように底面が円錐状になっている刃元部と該刃元部から連続した円柱状になっている刃先部とを備えた柱状体の前記底面が前記スタッド溶接によって前記先端部分の端面と内面と外面とそれぞれ前記先端部分の円周方向に均一状に直接溶着されて形成された多数の刃であって、前記先端部分の上に余盛り部が形成されていて該余盛り部を含み前記底面の全面が前記先端部分の材料と前記刃元部の材料とから成る一体溶解部になっている多数の刃を有する、ことを特徴とする掘削刃。
  2. 前記先端部分は前記管とは別の環状体になっていて前記管の外面に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の掘削刃。
  3. 前記先端部分は鋸刃状に凹凸形状にされていて、少なくとも前記凹凸形状のうちの凸部の端面に前記刃が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の掘削刃。
  4. 前記環状体は前記管の外面に取り付けられていて、前記管の内面の前記刃に近い位置に追加の刃が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の掘削刃。
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