JP4428153B2 - 自家発電プラントの制御方法および装置 - Google Patents

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本発明は、自家発電プラントの制御方法および装置に関するものである。
化学プラントや製紙製造プラント等、大規模な製造設備を有する工場では、所内電力や蒸気など製造工程で必要なユーティリティを供給する目的で、自家発電プラントを備えている。一般に自家発電プラントは複数のボイラ,タービン,発電機から成り、BTGプラントという場合もある。
自家発電プラントは、蒸気バランスをとることで蒸気負荷変動を一定に保つことと、製造工程からの負荷要求変化に迅速に対応することが求められている。蒸気バランスをとる場合、運転コストを考慮したうえで、各タービンに蒸気負荷を配分する必要がある。これを「最適負荷配分制御」という。最適負荷配分制御では、前述の運転コストを考慮した最適な運転点、すなわち各蒸気流量,燃料流量の配分値を算出する。この算出では、数値最適化手法を用いる場合が多い(例えば、特許文献1参照)。
自家発電プラントは、前述した最適運転点に従うように対応した弁の開度調整などを行う。しかし最適運転点とプラントの実測値が大きくことなる場合や、製造工程側の負荷要求が急変した場合には、前述の最適運転点を再計算し、プラント状態に即した運転点に修正する。これを「負荷再配分制御」という場合がある。負荷再配分制御では、プラント状態を考慮した制御を優先する。例えば、製紙工場における紙切発生時の蒸気負荷変動の抑制がある(例えば、特許文献2,3参照)。
自家発電プラントでは、蒸気負荷配分の操作を、ボイラが行う場合と、タービンの各加減弁により行う場合が考えられるが、一般にボイラの応答は遅いため、即応性を求められる場合は、タービンの各蒸気加減弁の協調制御による場合が多い(例えば、非特許文献1参照)。このうち製造工程に送出する蒸気の一部を大気に放出することで、タービンの負荷バランスをとる方法が、前述した特許文献2や特許文献3にも示されている。
特開10−301603号公報 特開11−281001号公報 特開11−294112号公報 入門講座 [火力発電所の運転] IV.自家用火力発電設備 他 火力原子力発電、Vol.54 No.12 pp.63〜75、2003年12月15日発行
タービンの負荷バランスをとる目的で、製造工程に送出する蒸気の一部を大気に放出する弁を、「大気放出弁」という。大気放出弁は、タービン排気を用いる低圧蒸気の他、タービン抽気を用いる中圧蒸気にも備わる場合がある。
運転コストの点でいうと、大気放出量は少ない方が望ましい。これは、大気放出自体は、ボイラで発生した蒸気を捨てるだけでなく、外部に放出するにあたり、環境への影響を抑えるためのコストを要する為である。これらを反映し、前述した最適負荷配分制御により、大気放出弁の最適運転点すなわち弁開度を決定し、前述した負荷再配分制御により、プラント状態に応じた弁開度に補正する。しかし、負荷再配分制御では、運転コストを考慮した弁開度補正は行われないため、制御によっては、運転コストを上げてしまう可能性がある。
そのための対策として、前述の紙切れによる負荷急変ではなく、通常のタービン蒸気負荷バランスをとる目的の場合は、大気放出弁の閉操作のみとし、大気放出量増大による運転コストの上昇を防ぐことが考えられる。
しかし、例えば製造工程に送出される蒸気圧が高い状態にある場合は、ボイラによる負荷調整では応答が遅いため、むしろ大気放出弁の開操作により速やかに圧力を下げるのが望ましいが、運転コストの上昇を伴う可能性が残る。
従って、本発明の目的は、ボイラによる負荷調整よりも応答の速い大気放出弁の操作により、蒸気負荷バランスをとるにあたり、運転コストの上昇を抑制することのできる自家発電プラントの制御方法および装置を提供することである。
本発明の実施例で開示された一手段では、プラント状態に応じて大気放出弁の操作量を算出し、算出した結果による運転コスト変動を評価した後、大気放出弁の制御実施を判断し、可能の場合前述の大気放出弁操作量に基づき制御を行うことを特徴とする。
自家発電プラントの状態を考慮し、かつ運転コストを考慮した操作量を決定するので、大気放出弁開操作を実行しても、運転コストの上昇は許容範囲内に抑えられる。その結果、例えば製造工程送出側の蒸気圧が高い場合でも、速やかにタービン蒸気バランスを安定化させ、かつ最適な運転コストでの運転を満足することができる。
以下に、より具体的に、本発明の一実施例を、図面に基づいて説明する。図2は、本発明の一実施例における、自家発電プラントの構成図の一例である。本実施例の自家発電プラントはボイラ201、ボイラ201の蒸気出口から配管で接続された高圧ヘッダ202、高圧ヘッダ202からタービンの蒸気入口の間の蒸気流路となる配管に設けた主蒸気加減弁203、ボイラ201で発生した蒸気によって駆動されるタービン204,205、タービン204,205によって駆動される発電機206、タービン204の中圧蒸気の出口に配管で接続された中圧蒸気ライン208、中圧蒸気ライン208からプロセス側へ接続される配管に設けた中圧蒸気弁209、タービン205の低圧蒸気の出口に配管で接続された低圧蒸気ライン210、低圧蒸気ライン210からプロセス側へ接続される配管に設けた低圧蒸気弁211、および低圧蒸気ライン210と中圧蒸気ライン208に接続されて大気に蒸気を逃す流路となる配管に設けた大気放出弁212,213を備える。
ボイラ201は、石炭焚あるいは回収ボイラ、いずれの場合もあり、高圧蒸気を発生する。ボイラ201が発生した高圧蒸気は配管を通じて高圧ヘッダ202に送られ、蒸気負荷バランスに応じて、主蒸気加減弁203を通り、各タービン204,205に配分される。
本実施例におけるタービン204,205は、抽気背圧タービンであるが、復水器を備える復水型のタービンでも構わない。ただし、その場合は、他のタービンにおいて、中圧または低圧蒸気をプロセスすなわち製造工程側に送出することが必要である。
前段のタービン204からは、中圧蒸気を抽気する。後段のタービン205からは、低圧蒸気を排気する。タービン204から抽気された中圧蒸気は中圧蒸気ライン208に、タービン205から排気された低圧蒸気は低圧蒸気ライン210に集められ、中圧蒸気弁209,低圧蒸気弁211をとおりプロセス側すなわち製造工程側に送出される。
一方、製造工程の負荷要求以上の蒸気は、大気放出弁212,213をとおり、外部に放出される。
図3に、本発明の一実施例における、前述の大気放出弁操作に関わる制御システム構成の一例を示す。プラント状態量S301は、前記自家発電プラントにおける各蒸気流量,燃料流量など、自家発電プラントの各所で各種の状態量を計測器で計測して得た計測値情報の他、モデルを用いた状態量推定値を含む。
受電量制御301は、電力会社から購入した電力量を監視し、自家発電プラントによる電力量との調整を行う。
最適負荷配分制御302は、プラント状態量S301と受電量制御301より発電機出力に関するデータを受け取り、ボイラ201,タービン204,205に対する蒸気負荷配分を最適化する条件を算出する。算出結果は、最適運転点として負荷再配分制御304に出力する。
圧力制御、他303は、前述の主蒸気加減弁203などでの圧力制御を監視し、また負荷急変などに対応したイベント制御を実行する。
負荷再配分制御304は、プラント状態量S301と、最適負荷配分制御302および圧力制御、他303の出力に基づき、自家発電プラントの状態に対応した蒸気負荷配分を補正する。具体的には、プラント状態量S301と、最適負荷配分制御302による前述の最適運転点とが大きく乖離している場合に、プラントの状態を考慮して、前述の最適運転点を補正するものである。最適負荷配分制御に比べて、負荷再配分制御は制御周期を短く設定し、高速で最適運転点を出力する。
次に、図1において、本発明の一実施例における、大気放出弁操作量算出方法について説明する。図1の算出方法は、前述の負荷再配分制御304にて動作するものとして説明するが、最適負荷配分制御302において動作しても問題ない。ただし、大気放出弁操作の高速化の観点から、負荷再配分制御304に演算装置を組み込んで図1のフローチャートが実施できる動作環境とすることが、制御周期が短く設定されている観点においても好ましい。
プラント状態量読み込みF101では、前述のプラント状態量S301として、各蒸気流量計測値を読み込む。続いて処理F102では、主蒸気流量変動量と、プロセス蒸気流量変動量との差を求める。主蒸気流量変動量とは、高圧蒸気の流量計測値と、前述の最適負荷配分制御302の算出した最適運転点との差に、高圧圧力制御装置からの補正値を考慮した結果である。すなわち運転コスト最適点からの乖離した流量に対応する。プロセス蒸気流量変動量は、タービン204,205の出口流量の計測値と前述の最適運転点との差に、大気放出量などで補正した結果であり、同様に運転コスト最適点からの乖離した流量に対応する。これら変動量から、間接的にタービン蒸気負荷バランスを推定する。
これらの受電量制御301や最適負荷配分制御302や負荷再配分制御304や圧力制御、他303は、それらの制御処理を演算装置が司っている。各制御ごとに制御基板を設けて制御に供しても良い。
演算装置でその制御を処理する場合には、図1のフローチャートに示す処理手順が演算装置に設定される。そのフローチャートに基づいて処理手順を説明すると次の通りである。即ち、処理F103において、前述した差が負値かどうか判定し、負値の場合は大気放出弁212,213の閉操作、そうでない場合は開操作の処理に条件分岐する。自家発電プラントの状態にもよるが、前述の主蒸気流量変動量とプロセス蒸気流量変動量との差が負値となる場合は、タービン出口側すなわち製造工程へ送出する蒸気圧が低い状態であるため、大気放出弁212,213の弁開度を絞り圧力上昇を図る。一方、前述の変動量の差が正となる場合は、タービン出口側圧力が高い状態であるため、大気放出弁212,
213の弁開度を開いて蒸気を逃がし、圧力降下を図るのが望ましい。
次に、大気放出弁閉操作を説明する。処理F104では、大気放出弁212,213の閉操作量を計算する。例えば、前述の主蒸気流量変動量とプロセス蒸気流量変動量との差に弁開度あるいは放出量を対応付けて大気放出弁212,213の閉操作量を算出すればよい。処理F105では、算出した大気放出弁操作量に応じて、他の最適運転点を補正し更新する。これは予め設定した制御規則に従い実行すればよい。求めた大気放出弁閉操作量は、処理F106において下位の制御システムまたは大気放出弁212,213の弁開閉駆動制御を司る制御装置に出力する。
次に、大気放出弁開操作を説明する。処理F107は、前述の主蒸気流量変動量とプロセス蒸気流量変動量との差が、正の閾値ε1以上かどうか判定する。閾値ε1以上の場合は、開操作量を処理F108にて計算する。これもF104での処理と同様に、前述の主蒸気流量変動量とプロセス蒸気流量変動量との差に弁開度あるいは放出量を対応付けて大気放出弁212,213の開操作量を算出すればよい。
処理F109では、算出した大気放出弁操作量に応じて、他の最適運転点を補正し仮に更新する。ここでの仮にとは、実際の蒸気流量目標値には反映しないものとするということである。この仮更新した最適運転点に対応する運転コストを求め、処理F110にて仮更新前の運転コストと比較する。この差が閾値ε2以下か処理F111で判定して閾値
ε2以下であれば、運転コストの上昇は許容範囲であると判定し、処理F112において仮更新の更新内容を最適運転点として実際の蒸気流量目標値に反映するように更新し、処理F113にて先に求めた大気放出弁の開操作量を下位の制御システムまたは大気放出弁212,213の弁開閉駆動制御を司る制御装置に出力する。
本発明の実施例に係わる自家発電プラントの負荷再配分制御304における大気放出弁の操作量を算出して出力する過程を司る演算装置が行う処理を装置に置き換えて再度解説すると、図4に示す制御装置400の構成となる。その制御装置400は図1のフロチャートでの処理を司る内容とされている。
即ち、制御装置400は、前述したプラント状態量S301と、最適負荷配分制御302からのコスト最適運転点S401、および圧力制御、他303からの圧力状態量S402との情報を入力として受ける。変動量算出手段401において、前述の主蒸気流量変動量とプロセス蒸気流量変動量との差を求める。大気放出弁開閉判定手段402では、主蒸気流量変動量とプロセス蒸気流量変動量との差が負であれば閉操作、正の閾値以上であれば開操作をとることを判定する。正の閾値はデータベース403より獲得する。
大気放出弁操作量算出手段404は、前述の蒸気流量変動量とプロセス蒸気流量変動量との差に基づき、大気放出弁212,213の弁開度あるいは放出蒸気量を対応付けて大気放出弁212,213の弁操作量を算出すればよい。ここで求めた大気放出弁操作量と、圧力状態量S402に基づき、プラント状態量仮更新手段405において、自家発電プラントの各状態量を仮に更新し、演算結果を内部保持する。
この仮更新結果を用いて、運転コスト算出手段406にて運転コストを求める。この結果と、更新前の運転コストとの比較を、大気放出弁操作判定手段407で行い、閾値以下であれば、大気放出弁操作量算出手段404で求めた操作量を採用する。その際の閾値はデータベース408より獲得する。
さらにプラント状態量更新手段409において、前述のとおり仮更新したプラント状態量を採用するとともに、表示装置410により、自家発電プラントの運転員に対し情報を表示する。
さらに大気放出弁操作量出力手段411において、単位変換やデータ変換などを行い、大気放出弁制御信号S303として出力する。
データベース403およびデータベース408とも、運転員側にて閾値設定変更可能なものとして提供される。
図5に、本発明の一実施例による大気放出弁開度と運転コストの時間変化の一例を示す。図5の上グラフが大気放出弁開度、下グラフが運転コストを示す。
制御周期については、大気放出弁操作の制御周期に対して、最適負荷配分制御による最適運転点の更新周期が6倍としている。
時間区間T501において、例えばタービン出口側の蒸気圧が高い状態となり、大気放出弁開操作が判断された場合を示している。本発明の制御方法によれば、運転コストの上昇を1ステップのみに抑えた上で、T501における大気放出弁開動作を実現している。
時間区間T502においても同様に大気放出弁開動作を実現している。T502終了後、最適負荷配分制御の最適運転点が与えられるが、運転コストの上昇を許容した最適運転点すなわち大気放出弁開操作信号が出力されている。
以上のように、自家発電プラントの特にタービン蒸気負荷配分の調整が必要な場合は、ボイラの負荷調整より応答が速い大気放出弁開操作が実行されている。
次に、前述の負荷再配分制御にて、大気放出弁212,213の開操作を行わない場合の算出方法について図6を用いて説明する。これは、大気放出弁212,213の開操作を実行すると、運転コストの上昇につながることから、負荷再配分制御のレベルでは大気放出弁の開操作を禁止し、前述の最適負荷配分制御によるものとした一例である。
処理F101〜F102については、図1と同じ処理である。処理F103において、主蒸気流量変動量とプロセス蒸気流量変動量との差が負値の場合にのみ、大気放出弁閉操作を実行する。処理F104〜F106については、図1と同じ処理である。
この方法によれば、例えばタービン出口側の蒸気圧が低い場合に、大気放出弁212,213を絞り蒸気圧の上昇を図ることができるが、一方、タービン出口側の蒸気圧が高い場合でも、大気放出弁212,213の開操作を行うことは無い。
図7において、図6のフローチャートに示した制御方法を実装した制御装置700の構成図の一例を示す。この図では、図4の制御装置と共通の手段をもつが、以下では図4の手段と異なる箇所を説明する。
大気放出弁閉手段701では、変動量算出手段401により求めた、主蒸気流量変動量とプロセス蒸気流量変動量との差が負値であるかどうかを判定する。前記差が負値である場合に、大気放出弁操作量算出手段404を実行し、大気放出弁操作量を算出の上、プラント状態量更新手段702において、自家発電プラントの最適運転点を更新し、表示装置703に最適運転点を運転員に対し表示する。
図8に、図6のフローチャートに示した制御方法による大気放出弁212,213の開度と運転コストの時間変化の一例を示す。図8の上グラフが大気放出弁開度、下グラフが運転コストを示す。制御周期については、前述の図5の場合と同じである。
時間区間T501において、例えばタービン出口側の蒸気圧が高い状態となっているとする。この場合、大気放出弁を開き、蒸気圧を降下させることが考えられるが、最適負荷配分制御の制御内容更新時刻以外では、大気放出弁の開操作を実行しない為、弁開度は一定となる。自家発電プラントの状態にもよるが、タービン出口側の蒸気圧が高い状態では、蒸気流量が少ない場合が考えられる。そのため次の最適負荷配分制御の制御内容更新周期では、運転コストの点で、大気放出量を増加させる余裕ができる。図8では、T501の終端において、最適負荷配分制御の制御内容の更新と同時に大気放出弁212,213のが開き、運転コストも上昇する結果となっている。時間区間T502においても、同様の状態をとる。
運転コストについて、前述の図5と異なる点は、運転コストの上昇に対する許容範囲が設定されていないことである。最適負荷配分制御では、各時刻ごとに運転コストの最適化を図るが、前回更新時刻との比較を行わないため、場合により運転コストの上昇がともない、その上昇分を見積る機能が無い。
本発明は、自家発電プラントに適用でき、特にそのプラントの大気放出弁開閉制御装置に適用できる。
本発明の一実施例に係わる自家発電プラントの制御方法のフローチャートを示す図である。 本発明の一実施例における、自家発電プラントの概略構成図を示す。 本発明の一実施例における、制御システムの構成図を示す。 本発明の一実施例に係わる自家発電プラントの制御装置の一例を示す。 本発明の一実施例における、大気放出弁開度と運転コストの時間変化の一例を示す。 本発明の別の実施例に係わる自家発電プラントの制御方法のフローチャートを示す図である。 本発明の別の実施例に係わる自家発電プラントの制御装置の一例を示す。 本発明の別の実施例における、大気放出弁開度と運転コストの時間変化の一例を示す。
符号の説明
201…ボイラ、202…高圧ヘッダ、203…主蒸気加減弁、204…タービン前段、205…タービン後段、206…発電機、208…中圧蒸気ライン、209…中圧蒸気弁、210…低圧蒸気ライン、211…低圧蒸気弁、212,213…大気放出弁。


Claims (8)

  1. ボイラと、前記ボイラで発生させた蒸気で駆動されるタービンと、前記タービンで駆動される発電機と、前記タービンから出された前記蒸気を大気側へ放出する流路の開閉を制御する大気放出弁とを備えた自家発電プラントで、前記自家発電プラントの蒸気負荷バランスを大気放出弁の操作により調整する自家発電プラントの制御方法において、
    自家発電プラントのプラント状態量に基づいて算出した大気放出弁操作量と、運転コストを算出し、
    前記算出した運転コストと前記算出前の運転コストとの間の変動量が許容範囲である場合に、前記大気放出弁操作量に基づき前記大気放出弁を制御することを特徴とした自家発電プラントの制御方法。
  2. 請求項1に記載の自家発電プラントの制御方法において、
    前記プラント状態量に基づいて算出した大気放出弁操作量が開操作である場合に、前記運転コストに係る変動量が許容範囲である場合に、前記大気放出弁操作量に基づき、大気放出弁を開制御することを特徴とした自家発電プラントの制御方法。
  3. 請求項1に記載の自家発電プラントの制御方法において、
    前記自家発電プラントの物理モデルを用いて求めたプラント状態量に基づき、運転コストを算出することを特徴とした自家発電プラントの制御方法。
  4. 請求項1に記載の自家発電プラントの制御方法において、
    前記プラント状態量に基づいて算出した大気放出弁操作量を適用した場合の運転コストと、大気放出弁を操作しない場合の運転コストを比較して運転コストの変動量とすることを特徴とした自家発電プラントの制御方法。
  5. ボイラと、前記ボイラで発生させた蒸気で駆動されるタービンと、前記タービンで駆動される発電機と、前記タービンから出された前記蒸気を大気側へ放出する流路の開閉を制御する大気放出弁と、前記大気放出弁の弁駆動装置の制御を司る制御手段とを備えた自家発電プラントにおいて、
    前記制御手段は、前記自家発電プラントのプラント状態量に基づいて前記プラント状態量の変動量を算出する変動量算出手段と、
    前記変動量に基づいて前記大気放出弁の開閉を判定する判定手段と、
    前記判定手段による判定に従って少なくとも大気放出弁閉操作量を算出する弁操作量算出手段と、
    前記弁操作量算出手段で算出した大気放出弁閉操作量に基づく制御信号を前記弁駆動装置に送出する弁操作量出力手段と、
    を備えていることを特徴とした自家発電プラントの制御装置。
  6. 請求項5に記載の自家発電プラントの制御装置において、
    前記判定手段による判定に従って大気放出弁開操作量を算出する他の弁操作量算出手段と、
    前記プラント状態量の内の少なくとも大気放出弁開操作量を前記弁操作量算出手段で算出した大気放出弁開操作量に仮更新するプラント状態量仮更新手段と、
    前記仮更新したプラント状態量による運転コストを算出する運転コスト算出手段と、
    前記運転コスト算出手段による算出された運転コストと前記仮更新前の運転コストとの差を算出し、その差に基づいて前記大気放出弁の開操作をするか否かを判定する他の判定手段と、
    前記判定手段による前記大気放出弁の開操作をするとの判定に従って、前記弁操作量算出手段で算出した大気放出弁開操作量に基づく制御信号を前記弁駆動装置に送出する弁操作量出力手段と、
    を備えていることを特徴とした自家発電プラントの制御装置。
  7. 請求項5又は請求項6に記載の自家発電プラントの制御装置において、
    前記プラント状態量の変動量の算出値に対しての前記大気放出弁開閉を判定するための閾値を前記大気放出弁の開閉を判定する判定手段に設定する手段を備えたことを特徴とする自家発電プラントの制御装置。
  8. 請求項6に記載の自家発電プラントの制御装置において、
    前記運転コストの算出値に対しての前記大気放出弁開閉を判定するための閾値を前記他の判定手段に設定する手段を備えたことを特徴とする自家発電プラントの制御装置。

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