JP5535772B2 - 燃料供給システム - Google Patents
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図において、図中の符号1はガス燃料の母管、2A,2B,2Cは母管1から分岐して各々ガスタービンGT1,GT2,GT3にガス燃料を供給する燃料供給系統、3A,3B、3Cは圧力調節弁、4A,4B,4Cは流量調節弁、5A,5B,5Cは圧力検出部である。図示の例では母管1から3本の燃料供給系統2A,2B,2Cが分岐しているが、これに限定されることはない。なお、図中の符号6は、母管1から燃料供給系統が分岐する取合点である。
また、以下の説明では、系統毎の区別が必要な場合を除き、燃料供給系統2、圧力調節弁3、流量調節弁4、圧力検出部5及びガスタービンGTと呼ぶ。
また、この場合の圧力制御は、圧力調節弁3の下流側に圧力検出部5を設置し、この圧力検出部5で圧力変動を検出して行うことが普通である。
しかし、このような圧力変動は、各圧力調節弁3の上流側(母管1に対する燃料供給系2の取合点6付近)から生じる圧力変動であるため、圧力調節弁3による圧力制御は間に合わず、この結果、各ガスタービンGTにガス燃料を供給する燃料供給系統2には、過渡的に大きな圧力変動が生じることにより、燃料供給量の過大や燃焼振動の発生といった事象を招くことが懸念される。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、母管から複数に分岐するガス燃料の燃料供給系統において、大きな負荷変動が生じた燃料供給系統から受ける影響を最小限に抑え、母管から分岐した各燃料供給系統の流量調節弁入口圧力を一定に維持するように圧力制御した燃料供給システムを提供することにある。
本発明に係る燃料供給システムは、ガス燃料の母管から分岐してそれぞれの燃料供給先に供給する複数の燃料供給系統に、前記母管側から直列に圧力調節弁及び流量調節弁を配設し、前記圧力調節弁の出口圧力を一定にするような圧力制御を行う燃料供給システムにおいて、前記圧力調節弁毎の出口圧力を規定する圧力調節弁設定圧力と、前記燃料供給先毎の負荷状況を検出した負荷信号との入力を受けて、前記燃料供給系統毎に前記圧力調節弁の出口圧力を一定にする圧力制御を行う制御システム部を設け、前記制御システム部が、他の前記燃料供給先から入力される前記負荷信号に応じて圧力変動を低減する方向に前記圧力調節弁設定圧力を補正した開度指令信号を出力することを特徴とするものである。
なお、この場合の燃料供給システムは、圧力調節弁の開度指令信号が、圧力調節弁の出口圧力に代えて、流量調節弁の入口圧力及び出口圧力の差圧を一定にする圧力制御を行う点で異なっている。
図1に示す実施形態の燃料供給システムは、上述した従来例と同様に、ガス燃料の母管から並列に分岐する複数の燃料供給系統2A,2Bを備え、各燃料供給系統2A、2Bには、母管1側から直列に配列した圧力調節弁3A,3B及び流量調節弁4A,4Bが設置されている。なお、図中の符号6は、母管1から燃料供給系統2A,2Bが分岐する取合点である。
なお、以下の説明では、系統毎の区別が必要な場合を除き、燃料供給系統2、圧力調節弁3、流量調節弁4、圧力検出部5及びガスタービンGTと呼ぶこととし、さらに、図示の構成例では並列に配置した2台のガスタービンGT1,GT2のみを示しているが、母管1から並列に3本以上の燃料供給系統2が分岐しているものでもよい。
このような燃料供給システムには、圧力調節弁3毎の出口圧力を規定する圧力調節弁設定圧力15と、燃料供給先であるガスタービンGT毎の負荷状況を検出した負荷信号16との入力を受ける制御システム部10が設けられている。なお、上述した圧力検出部5が検出した圧力調節弁3の出口圧力は、制御システム部10に入力されている。
すなわち、ガスタービンGTの燃料供給系において、圧力調節弁3の開度指令信号を出力してガスタービンGTに対する燃料供給量を制御する燃料供給システムでは、他の燃料供給系統2に接続されているガスタービンGTに負荷変動が生じた場合、制御システム部10が圧力調節弁3の開度を先行的に動作させ、圧力変動の影響を低減させる。ガスタービンGTの負荷変動は、たとえばトリップや負荷遮断のような運転状況の変化であり、これを検出した負荷信号16が制御システム部10に入力される。
ガスタービンGT1にガス燃料を供給する燃料供給系統2Aは、制御システム10Aを備えている。この制御システム10Aには、圧力調節弁3Aの圧力調節弁設定圧力15Aと、母管1からガス燃料の供給を受けるガスタービンGT1,GT2の負荷信号16A,16Bと、圧力検出部5Aで検出した圧力調節弁3Aの出口圧力とが入力される。なお、圧力調節弁3Aの出口圧力は、流量調節弁4Aの入口圧力と実質的に同じである。
さらに、制御システム10Bは、燃料供給系統2AのガスタービンGT1に負荷変動を生じた負荷信号16Aの入力を検出すると、燃料供給系統2Aの負荷変動に起因して母管1内を流れるガス燃料に圧力変動が生じるので、この影響を低減するように、圧力調節弁3Bの開度を先行的に動作させて圧力変動の影響を低減する。
この結果、燃料供給系統2A,2Bにおいては、それぞれ他の燃料供給系統に設置されたガスタービンGTの負荷変動に起因して母管1に生じる圧力変動の影響を低減できるようになり、過大な燃料投入や燃焼振動によるガスタービンGT1,GT2の破損や劣化を防ぐことができる。
この場合の制御システム部20は、燃料供給先であるガスタービンGTの負荷急変時に供給する燃料流量を推定する燃料流量整定値のデータベース21を有し、圧力調節弁3の開度指令信号がデータベース21を用いた推定値により定められる。なお、制御システム部20Aのデータベース21Aと、制御システム部20Bのデータベース21Bとは、諸条件に応じて同一または異なるものが採用される。
また、この場合のデータベース21は、ガスタービンGTが3台以上ある場合、すなわち燃料供給系統2が3系統以上ある場合には、トリップ等の負荷変動を生じるガスタービンGTが1台である場合は勿論のこと、2台またはそれ以上となる場合についても用意しておくことが望ましい。
こうして推定した燃料流量は、状況に応じた燃料流量を正確に推定した値であり、従って、この燃料流量の推定値を用いて圧力調節弁3を先行動作させる開度指令を定めると、ガスタービンGTへの燃料供給量を正確に制御することができる。すなわち、制御システム20から圧力調節弁3に出力される開度指令は、母管1に生じるガス燃料の圧力変動を反映した値であるから、この開度指令に基づいて圧力調節弁3を先行動作させれば、過大な燃料投入や燃焼振動によるガスタービンGTの破損や劣化を防ぐことができる。
この場合の制御システム部30は、ガスタービンGTの負荷急変後における燃料供給系2の物理状態(圧力や流量)を推定する物理モデル31を有し、圧力調節弁3の開度指令信号が物理モデル31を用いた推定値により定められる。この場合の物理モデルは、圧力や流量等の数式によって表され、物理モデル31から出力された推定値は、圧力調整弁開度指令演算部32に入力されることにより、最終的な圧力調節弁3の開度指令として出力される。
従って、負荷急変後の過渡状態を物理モデル31から正確に推定し、動的に圧力変動を抑制するよう圧力調節弁3を先行動作させることができる。
続いて、上述した燃料供給システムについて、第2の実施形態を図5に基づいて説明する。なお、上述した実施形態及びその変形例と同様の部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図5に示す実施形態の燃料供給システムは、圧力調節弁3の出口圧力に代えて、流量調節弁4の入口圧力及び出口圧力から得られる差圧ΔPを一定にする圧力制御を行うものである。従って、流量調節弁4の入口圧力及び出口圧力から差圧ΔPを得る差圧検出部7を備え、この差圧検出部7で検出した差圧ΔPが制御システム部40に入力されるようになっている。
ガスタービンGT1にガス燃料を供給する燃料供給系統2Aには制御システム40Aが設けられ、ガスタービンGT2にガス燃料を供給する燃料供給系統2Bには制御システム40Bが設けられている。
この結果、燃料供給系統2A,2Bにおいては、それぞれ他の燃料供給系統に設置されたガスタービンGTの負荷変動に起因して母管1に生じる圧力変動の影響を低減できるようになり、過大な燃料投入や燃焼振動によるガスタービンGT1,GT2の破損や劣化を防ぐことができる。
なお、本実施形態についても、上述した実施形態の第1変形例及び第2変形例を適用することが可能である。
最後に、上述した燃料供給システムについて、第3の実施形態を図6に基づいて説明する。なお、上述した実施形態及びその変形例と同様の部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図6に示す実施形態の燃料供給システムは、制御システム部50が圧力調節弁3の全てを統括した協調制御を行うものである。すなわち、各燃料供給系2A〜2Nの圧力調節弁3A〜3Nを、一つの制御システム50によって統括的に制御している。図示の制御システム50は、各ガスタービンGT1〜GTNの負荷信号16A〜16Nに基づき、母管1に生じた圧力変動を低減するように各圧力調節弁3A〜3Nの開度を協調制御する。なお、この場合に制御システム50には、上述した実施形態と同様に、図示しない圧力調節弁設定圧力15A〜15Nが入力されている。
このような協調制御は、上述した各実施形態及びその変形例にも適用可能である。
2 燃料供給系統
3 圧力調節弁
4 流量調節弁
5 圧力検出部
7 差圧検出部
10、20,30,40,50 制御システム部
15 圧力調節弁設定圧力
16 負荷信号
21 データベース
31 物理モデル
Claims (5)
- ガス燃料の母管から分岐してそれぞれの燃料供給先に供給する複数の燃料供給系統に、前記母管側から直列に圧力調節弁及び流量調節弁を配設し、前記圧力調節弁の出口圧力を一定にするような圧力制御を行う燃料供給システムにおいて、
前記圧力調節弁毎の出口圧力を規定する圧力調節弁設定圧力と、前記燃料供給先毎の負荷状況を検出した負荷信号との入力を受けて、前記燃料供給系統毎に前記圧力調節弁の出口圧力を一定にする圧力制御を行う制御システム部を設け、
前記制御システム部が、他の前記燃料供給先から入力される前記負荷信号に応じて圧力変動を低減する方向に前記圧力調節弁設定圧力を補正した開度指令信号を出力することを特徴とする燃料供給システム。 - ガス燃料の母管から分岐してそれぞれの燃料供給先に供給する複数の燃料供給系統に、前記母管側から直列に圧力調節弁及び流量調節弁を配設し、前記圧力調節弁が前記流量調節弁の入口圧力及び出口圧力の差圧を一定にするような圧力制御を行う燃料供給システムにおいて、
前記圧力調節弁毎の出口圧力を規定する圧力調節弁設定圧力と、前記燃料供給先毎の負荷状況を検出した負荷信号との入力を受けて、前記燃料供給系統毎に前記圧力調節弁が前記流量調節弁の入口圧力及び出口圧力の差圧を一定にする圧力制御を行う制御システム部を設け、
前記制御システム部が、他の前記燃料供給先から入力される前記負荷信号に応じて圧力変動を低減する方向に前記圧力調節弁設定圧力を補正した開度指令信号を出力することを特徴とする燃料供給システム。 - 前記制御システム部は、前記燃料供給先の負荷急変時に供給する燃料流量を推定する燃料流量整定値のデータベースを有し、前記開度指令信号が前記データベースを用いた推定値により定められることを特徴とする請求項1または2に記載の燃料供給システム。
- 前記燃料供給システムは、前記燃料供給先の負荷急変後の物理状態を推定する物理モデルを有し、前記開度指令信号が前記物理モデルを用いた推定値により定められることを特徴とする請求項1または2に記載の燃料供給システム。
- 前記制御システム部は、前記圧力調節弁の全てを統括した協調制御を行うことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の燃料供給システム。
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