JP5495938B2 - ガスタービン燃料の制御機構及びガスタービン - Google Patents

ガスタービン燃料の制御機構及びガスタービン Download PDF

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本発明は、ガスタービンのガス燃料供給系に係り、特に、燃焼器に所望の燃料を供給するガスタービン燃料の制御機構及びこの制御機構を備えたガスタービンに関する。
ガスタービンは、圧縮機と、燃焼器と、タービンとを主な構成要素とする装置である。
一般に、ガスタービンの燃焼器にガス燃料を供給するガス燃料供給系では、ガス燃料を一定の圧力に維持しつつ、ガスタービンの燃焼器に所望の燃料流量を与えるための制御機構が必要である。
このようなガスタービン燃料の制御機構としては、ガス燃料流量を制御する流量調節弁と、流量調節弁の上流でガス燃料の圧力制御を行う圧力調節弁とを用いた構成が知られている。
図19に示すガスタービン燃料の制御機構1は、不図示の燃料供給源(燃料タンク等)から天然ガス(LNG)等の燃料を導入する燃料配管2に設置された圧力調節弁3及び流量調節弁4を備えている。
圧力調節弁3は、一定の圧力P1で供給されてくるガス燃料を所望の圧力P2に調圧するための制御弁である。この圧力調節弁3は、下流側(二次側)で検出される調圧後の圧力が所望の圧力P2に維持されるよう常に開度調整を行っている。
流量調節弁4は、所望の圧力P2で供給されてくるガス燃料の流量を所望の値に調整する制御弁である。図示の構成例では、ガスタービンの燃焼器Fに設けられた複数の燃料ノズルN毎に流量調節弁4を備えている。すなわち、燃料配管2は、圧力調節弁3の下流側で燃料ノズルNの数(図示の例ではn個)に応じて並列に分岐した燃料枝配管2a〜2nとなり、各燃料枝配管2a〜2nには、流量調節弁4a〜4n及び燃料ノズルNa〜Nnが設けられている。
なお、ガスタービンの一構成例においては、1台のガスタービンが複数の燃焼器Fを備えており、各燃焼器Fに対して、複数のメイン燃料ノズルと、パイロット燃料ノズルとが設けられている。
また、ガスタービンの燃料システムに関する従来技術としては、たとえば下記の特許文献1において、圧力制御における圧力制御弁の応答改善が提案されている。この従来技術は、燃料圧の変化に対する応答時間が減少するように、正のフィードバック制御信号を提供するものであるが、燃料流量に関する条件は用いられていない。
特開2008−45552号公報
ところで、上述したガスタービン燃料の制御機構1は、燃料流量の制御を可能にするため、ガス燃料の流量を制御する流量調節弁4と、その上流設置して圧力制御を行う圧力調節弁3とを備えたものであるが、以下に説明するような問題が指摘されている。
すなわち、ガスタービンの急激な過渡現象(負荷遮断など)が生じた場合、圧力調節弁3の下流側では圧力(二次側調整圧力)P2が急激に増大し、燃料ノズルNに対して燃料を過投入してしまう可能性がある。
具体的に説明すると、たとえばn個ある燃料ノズルN毎に燃料を供給している流量調節弁4のひとつが急な負荷遮断により閉じられた場合、図20に示すように、圧力調節弁3による下流側圧力の調整が間に合わず、調圧後の圧力P2は急激な圧力変動をして一時的に上昇する。なお、図20は、急激な負荷遮断により生じる燃料の過投入を示す説明図であり、ガスタービン燃料流量指令値(所望の燃料流量)Qsを実線で、流量調節弁4の上流側圧力P2を破線で、実際の燃料投入量Qaを太い破線で示している。
上述した圧力P2の上昇は、流量調節弁4の上流側(一次側)において圧力が上昇したことを意味するので、同じ開度の流量調節弁4を通過して燃料ノズルNに供給される燃料流量である燃料投入量Qaは増加する。すなわち、燃料投入量Qaは、ガスタービン燃料流量指令値Qsより大(Qa>Qs)となるので、ガスタービンの運転がこのような燃料過投入の状態で継続されると、最悪の場合はガスタービン本体の損傷につながるため好ましくない。
このような背景から、ガスタービンに急激な過渡現象が生じた場合であっても、燃料の過投入を防止または抑制して、ガスタービン本体の損傷を防止するガスタービン燃料の制御機構が望まれる。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、ガスタービンに急激な過渡現象が生じた場合であっても燃料の過投入を防止または抑制できるガスタービン燃料の制御機構、及びこのガスタービン燃料の制御機構を備えたガスタービンを提供することにある。
本発明は、上記の課題を解決するため、下記の手段を採用した。
本発明に係るガスタービン燃料の制御機構は、燃焼器の燃料ノズルにガス燃料を供給するガスタービンのガス燃料供給系に用いられ、圧力調節弁により所定の圧力に調整された前記ガス燃料を流量調節弁が所望の燃料流量に制御して燃料ノズルに与えるガスタービン燃料の制御機構において、前記圧力調節弁の開度指令値を演算して出力する開度指令演算部を備え、該開度指令演算部は、前記圧力調節弁の上流側圧力(P1)と、前記流量調節弁の上流側圧力(P2)と、運転状況に応じて変化するガスタービン燃料流量指令値(Qs)及びガス燃料供給圧力設定値(P2set)との入力値に基づいて前記開度指令値を得るとともに、前記開度指令演算部には、前記上流側圧力(P1)、前記ガスタービン燃料流量指令値(Qs)及び前記ガス燃料供給圧力設定値(P2set)の入力値から前記圧力調節弁の必要開度を得て先行動作させるフィードフォワード制御部と、前記上流側圧力(P2)及び前記ガス燃料供給圧力設定値(P2set)の差分により前記必要開度を補正して前記開度指令値を得るフィードバック制御部とが設けられていることを特徴とするものである。
このようなガスタービン燃料の制御機構によれば、圧力調節弁の開度指令値を演算して出力する開度指令演算部を備え、該開度指令演算部は、圧力調節弁の上流側圧力(P1)と、流量調節弁の上流側圧力(P2)と、運転状況に応じて変化するガスタービン燃料流量指令値(Qs)及びガス燃料供給圧力設定値(P2set)との入力値に基づいて開度指令値を得るとともに、開度指令演算部には、上流側圧力(P1)、ガスタービン燃料流量指令値(Qs)及びガス燃料供給圧力設定値(P2set)の入力値から圧力調節弁の必要開度を得て先行動作させるフィードフォワード制御部と、上流側圧力(P2)及びガス燃料供給圧力設定値(P2set)の差分により必要開度を補正して開度指令値を得るフィードバック制御部とが設けられているので、実際のガスタービン運転に必要なガスタービン燃料流量指令値(Qs)が反映された開度指令値となる。従って、ガスタービンの急激な過渡事象が生じた場合においても、ガスタービン燃料流量指令値(Qs)を用いて圧力調節弁を先行動作させることにより、流量調節弁の上流側圧力(P2)に大きな圧力変動が生じることを防止または抑制できるようになり、燃料の過投入も防止または抑制できる。また、フィードフォワード制御部においては、実際のガスタービン運転に必要なガスタービン燃料流量指令値(Qs)を反映させた開度指令値を算出し、圧力調節弁を先行動作させることが可能になる。
本発明に係るガスタービン燃料の制御機構は、燃焼器の燃料ノズルにガス燃料を供給するガスタービンのガス燃料供給系に用いられ、圧力調節弁により所定の圧力に調整された前記ガス燃料を流量調節弁が所望の燃料流量に制御して燃料ノズルに与えるガスタービン燃料の制御機構において、前記圧力調節弁の開度指令値を演算して出力する開度指令演算部を備え、該開度指令演算部は、前記圧力調節弁の上流側圧力(P1)と、前記流量調節弁の上流側圧力(P2)と、運転状況に応じて変化するガスタービン燃料流量指令値(Qs)及びガス燃料供給圧力設定値(P2set)との入力値に基づいて前記開度指令値を得るとともに、前記開度指令演算部には、前記上流側圧力(P1)、前記ガスタービン燃料流量指令値(Qs)及び前記上流側圧力(P2)の入力値から前記圧力調節弁の必要開度を得て先行動作させるフィードフォワード制御部と、前記上流側圧力(P2)及び前記ガス燃料供給圧力設定値(P2set)の差分により前記必要開度を補正して前記開度指令値を得るフィードバック制御部とが設けられていることを特徴とするものである。
このようなガスタービン燃料の制御機構によれば、圧力調節弁の開度指令値を演算して出力する開度指令演算部を備え、該開度指令演算部は、圧力調節弁の上流側圧力(P1)と、流量調節弁の上流側圧力(P2)と、運転状況に応じて変化するガスタービン燃料流量指令値(Qs)及びガス燃料供給圧力設定値(P2set)との入力値に基づいて開度指令値を得るとともに、開度指令演算部には、上流側圧力(P1)、ガスタービン燃料流量指令値(Qs)及び上流側圧力(P2)の入力値から圧力調節弁の必要開度を得て先行動作させるフィードフォワード制御部と、上流側圧力(P2)及びガス燃料供給圧力設定値(P2set)の差分により必要開度を補正して開度指令値を得るフィードバック制御部とが設けられているので、実際のガスタービン運転に必要なガスタービン燃料流量指令値(Qs)が反映された開度指令値となる。従って、ガスタービンの急激な過渡事象が生じた場合においても、ガスタービン燃料流量指令値(Qs)を用いて圧力調節弁を先行動作させることにより、流量調節弁の上流側圧力(P2)に大きな圧力変動が生じることを防止または抑制できるようになり、燃料の過投入も防止または抑制できる。また、フィードフォワード制御部においては、実際のガスタービン運転に必要なガスタービン燃料流量指令値(Qs)を反映させた開度指令値を算出し、圧力調節弁を先行動作させることが可能になる。この場合のフィードフォワード制御部は、ガス燃料供給圧力設定値(P2set)に代えて実測値の上流側圧力(P2)から必要開度を得るようにしたので、上流側圧力(P2)の圧力変動に速やかに応答して圧力調節弁を先行動作させることができる。
上記の発明において、前記開度指令演算部は、前記上流側圧力(P1)と、前記上流側圧力(P2)または前記ガス燃料供給圧力設定値(P2set)のいずれか一方とにより、前記圧力調節弁がチョーク状態またはノンチョーク状態にあることを判断するチョーク状態判定部を備え、該チョーク状態判定部の判定結果を前記開度指令値の演算に反映させることが好ましく、これにより、運転状況に応じてより適切な開度指令値を得ることが可能になる。
上記の発明において、前記ガス燃料の温度を計測して燃料温度計測値を前記開度指令演算部に入力する温度計測部を設けることが好ましく、これにより、燃料温度により燃料密度が変動するという外乱要因を低減し、圧力調節弁の開度制御を高精度に行うことが可能になる。
本発明に係るガスタービンは、空気を導入して圧縮する圧縮機と、前記圧縮機から供給される空気で燃料を燃焼させて燃焼ガスを生成する燃焼器と、前記燃焼器から燃焼ガスの供給を受けるタービンとを具備し、前記燃焼器の燃料ノズルにガス燃料を供給するガスタービンのガス燃料供給系に請求項1から4のいずれか1項に記載の制御機構を設けたことを特徴とするものである。
このようなガスタービンによれば、前記燃焼器の燃料ノズルにガス燃料を供給するガスタービンのガス燃料供給系に請求項1から4のいずれかに記載のガスタービン燃料の制御機構を設けたので、ガスタービンに急激な過渡事象が生じた場合であっても、実際のガスタービン運転に必要なガスタービン燃料流量指令値(Qs)が反映された開度指令値により圧力調節弁を先行動作させ、流量調節弁の上流側圧力(P2)に大きな圧力変動が生じることを防止または抑制でき、燃料の過投入も防止または抑制できる。
本発明に係るガスタービン燃料の制御方法は、燃焼器の燃料ノズルにガス燃料を供給するガスタービンのガス燃料供給系に用いられ、圧力調節弁により所定の圧力に調整された前記ガス燃料を流量調節弁が所望の燃料流量に制御して燃料ノズルに与えるガスタービン燃料の制御方法であって、前記圧力調節弁の開度指令値を演算して出力する開度指令演算部を備え、該開度指令演算部は、前記圧力調節弁の上流側圧力(P1)と、前記流量調節弁の上流側圧力(P2)と、運転状況に応じて変化するガスタービン燃料流量指令値(Qs)及びガス燃料供給圧力設定値(P2set)との入力値に基づいて前記開度指令値を得るとともに、前記開度指令演算部が、前記上流側圧力(P1)、前記ガスタービン燃料流量指令値(Qs)及び前記ガス燃料供給圧力設定値(P2set)の入力値から前記圧力調節弁の必要開度を得て先行動作させるフィードフォワード制御部と、前記上流側圧力(P2)及び前記ガス燃料供給圧力設定値(P2set)の差分により前記必要開度を補正して前記開度指令値を得るフィードバック制御部とにより前記開度指令値を得ることを特徴とするものである。
このようなガスタービン燃料の制御方法によれば、実際のガスタービン運転に必要なガスタービン燃料流量指令値(Qs)を反映した開度指令値が用いられる。従って、ガスタービンの急激な過渡事象が生じた場合においても、ガスタービン燃料流量指令値(Qs)を用いて圧力調節弁を先行動作させることにより、流量調節弁の上流側圧力(P2)に大きな圧力変動が生じることを防止または抑制できるようになり、燃料の過投入も防止または抑制できる。また、フィードフォワード制御部においては、実際のガスタービン運転に必要なガスタービン燃料流量指令値(Qs)を反映させた開度指令値を算出し、圧力調節弁を先行動作させることが可能になる。
本発明に係るガスタービン燃料の制御方法は、燃焼器の燃料ノズルにガス燃料を供給するガスタービンのガス燃料供給系に用いられ、圧力調節弁により所定の圧力に調整された前記ガス燃料を流量調節弁が所望の燃料流量に制御して燃料ノズルに与えるガスタービン燃料の制御方法であって、前記圧力調節弁の開度指令値を演算して出力する開度指令演算部を備え、該開度指令演算部は、前記圧力調節弁の上流側圧力(P1)と、前記流量調節弁の上流側圧力(P2)と、運転状況に応じて変化するガスタービン燃料流量指令値(Qs)及びガス燃料供給圧力設定値(P2set)との入力値に基づいて前記開度指令値を得るとともに、前記開度指令演算部が、前記上流側圧力(P1)、前記ガスタービン燃料流量指令値(Qs)及び前記上流側圧力(P2)の入力値から前記圧力調節弁の必要開度を得て先行動作させるフィードフォワード制御部と、前記上流側圧力(P2)及び前記ガス燃料供給圧力設定値(P2set)の差分により前記必要開度を補正して前記開度指令値を得るフィードバック制御部とにより前記開度指令値を得ることを特徴とするものである。
このようなガスタービン燃料の制御方法によれば、実際のガスタービン運転に必要なガスタービン燃料流量指令値(Qs)を反映した開度指令値が用いられる。従って、ガスタービンの急激な過渡事象が生じた場合においても、ガスタービン燃料流量指令値(Qs)を用いて圧力調節弁を先行動作させることにより、流量調節弁の上流側圧力(P2)に大きな圧力変動が生じることを防止または抑制できるようになり、燃料の過投入も防止または抑制できる。また、フィードフォワード制御部においては、実際のガスタービン運転に必要なガスタービン燃料流量指令値(Qs)を反映させた開度指令値を算出し、圧力調節弁を先行動作させることが可能になる。
上述した本発明によれば、ガスタービンに急激な過渡現象が生じても燃料の過投入を防止または抑制できるようになり、ガスタービン本体の損傷を防止して信頼性や耐久性を向上させることができる。
本発明に係るガスタービン燃料の制御機構の一実施形態を示す系統図である。 図1に示した開度指令演算部の演算ロジック図である。 図2に示した演算ロジックの第1変形例を示す図である。 図2に示した演算ロジックの第2変形例を示す図である。 図2に示した演算ロジックの第3変形例を示す図である。 図1に示したガスタービン燃料の制御機構について、温度計測部を追加して設けた他の実施形態を示す系統図である。 本発明に係るガスタービン燃料の制御機構について、第1の参考例を示す系統図である。 図7に示した開度指令演算部の演算ロジック図である。 図8に示した演算ロジックの変形例を示す図である。 図7に示したガスタービン燃料の制御機構について、P2圧力推定値演算部を追加して設けた他の参考例を示す系統図である。 図7に示したガスタービン燃料の制御機構について、温度計測部を追加して設けた他の参考例を示す系統図である。 本発明に係るガスタービン燃料の制御機構について、親子弁を備えた圧力調節弁が採用されている従来例を示す系統図である。 図12に示したガスタービン燃料の制御機構について、第2の参考例として親子弁を備えた圧力調節弁が採用されている構成例を示す系統図である。 親子弁を備えた圧力調節弁が採用されている第2の参考例において、ガスタービンの出力と燃料系統における各部の圧力との関係を示す図である。 図13に示した制御システムの構成例を示す図である。 図13に示した制御システムの構成例について、第1変形例を示す図である。 図13に示した制御システムの構成例について、第2変形例を示す図である。 図13に示した制御システムの構成例について、第3変形例を示す図である。 ガスタービン燃料の制御機構に係る従来例を示す系統図である。 負荷遮断により燃料過投入が生じることを示す説明図である。
以下、本発明に係るガスタービン燃料の制御機構及びガスタービンの一実施形態を図面に基づいて説明する。
ガスタービンは、圧縮機と、燃焼器と、タービンとを主な構成要素とする装置であり、圧縮機は空気を取り込んで圧縮し、高圧の圧縮空気を吐出する。圧縮機から吐出された圧縮空気は、燃焼用空気として燃焼器に取り入れられ、燃焼器に供給されたガスタービン燃料を燃焼させて高温の燃焼ガスを生成する。この燃焼ガスはタービンに取り入れられ、動翼及び静翼間を燃焼ガスが流れることによりタービンを駆動して出力を得る。
ガスタービンに供給するガスタービン燃料は、たとえば図1に示すようなガス燃料供給系を備えている。
ガス燃料供給系は、燃料タンク等の燃料供給源からガス燃料を導入する燃料配管2を備えている。この燃料配管2は、燃焼器F内に設置されているノズルNの数(図示の例ではNaからNnまでn個)に応じて分岐され、すなわち、パイロットノズルや複数のメインノズル毎に分岐した燃料枝配管2a〜2nを並列に配置したものとなる。なお、燃焼器Fが複数設けられている場合には、燃焼器F毎に同様の燃料配管2及び燃料枝配管2a〜2nが配設されている。
上述した燃料配管2には、一定の圧力P1で供給されてくるガス燃料を所望の圧力P2に調圧する圧力調節弁3が設けられている。この圧力調節弁3は、下流側(二次側)で検出される調圧後の圧力が所望の圧力P2を維持するように、常に開度調整を行っている。
また、燃料枝配管2a〜2nには、所望の圧力P2で供給されてくるガス燃料の流量を所望の値に調整する流量調節弁4a〜4nが設置されている。
なお、以下の説明において、流量調節弁4a〜4nの区別が不要の場合には、流量調節弁4a〜4nを総称して流量調整弁4と呼ぶことにする。
上述したガスタービン燃料のガス燃料供給系は、ガスタービン燃料の制御機構(以下、「制御機構」と呼ぶ)1Aを備えている。この制御機構1Aは、燃焼器Fの燃料ノズルNにガス燃料を供給するガスタービンのガス燃料供給系に用いられ、圧力調節弁3により所定の圧力P1に調整されたガス燃料を流量調節弁4が所望の燃料流量に制御して燃料ノズルNに与えるための制御装置である。
この制御機構1Aは、圧力調節弁3の開度指令値を演算して出力する開度指令演算部10を備えている。
この開度指令演算部10は、圧力調節弁3の上流側で検出した圧力P1と、流量調節弁4の上流側(圧力調節弁3の下流側でもある)で検出した圧力P2と、運転状況に応じて変化するガスタービン燃料流量指令値Qs及びガス燃料供給圧力設定値P2setとの入力値に基づいて、圧力調節弁3の開度指令値Sを得るものである。従って、この開度指令値Sが開度指令演算部10から出力されることにより、圧力調節弁3の開度調整は、実際のガスタービン運転に必要なガスタービン燃料流量指令値Qsを反映した開度指令値Sにより行われる。
上述した開度指令演算部10は、たとえば図2に示した演算ロジック図のように、圧力P1、ガスタービン燃料流量指令値Qs及びガス燃料供給圧力設定値P2setの入力値から圧力調節弁3の必要開度を得るフィードフォワード制御部(以下、「FF制御部」と呼ぶ)20と、圧力P2及びガス燃料供給圧力設定値P2setの差分により必要開度を補正して開度指令値Sを得るフィードバック制御部(以下、「FB制御部」と呼ぶ)30とを備えている。
FF制御部20には、たとえばガスタービンの運転制御部21等から、ガスタービンの運転状況に応じて定まるガス燃料の必要流量指令値Gsetが入力される。この場合の必要流量指令値Gsetは、そのままガスタービン流量指令値QsとしてFF制御部20に入力される。FF制御部20は、流量指令値Qsに対して、圧力P1,P2の圧力条件下で必要な弁開度を演算するロジックを有している。
具体的に説明すると、ガスタービン流量指令値Qsの入力を受けたFF制御部20は、必要Cv値算出部22において、圧力調節弁3の必要Cv値計算値Scを算出する。この必要Cv値計算値Scは、圧力調節弁3の上流側で計測される圧力P1及びガス燃料供給圧力設定値P2setの条件に対応した値が所定の演算式により算出される。
こうして算出された必要Cv値計算値Scは、Cv値−開度変換部23に入力され、Cv値を開度に変換する演算処理をして開度指令値S1の信号を得る。
こうして得られた開度指令値S1は、ガスタービンの運転状況に応じて定まる圧力調整弁3の開度指令信号であり、後述するFB制御部30に出力される。
すなわち、FF制御部20においては、実際のガスタービン運転に必要なガスタービン燃料流量指令値Qsを反映させた開度指令値S1を算出する演算処理を行い、圧力調節弁3の開度を所望の開度に先行動作させることができる。
FB制御部30は、流量調節弁4の上流側(圧力調節弁3の下流側)で検出した圧力P2と、ガス燃料供給圧力設定値P2setとの圧力値を比較して差分をとり、この差分からPIコントローラ31によるフィードバック信号S2を算出する演算処理機能を有している。
こうして算出されたフィードバック信号S2は、FF制御部20から出力される開度指令値S1に加算処理される。この結果、最終的な圧力調節弁3の開度指令値Sとしては、実際の圧力P2を反映するように補正した値が出力される。
このような制御機構1Aによれば、圧力調節弁3の開度指令信号を演算して出力する開度指令演算部10が、圧力調節弁3の上流側の圧力P1と、流量調節弁4の上流側の圧力P2と、運転状況に応じて変化するガスタービン燃料流量指令値Qs及びガス燃料供給圧力設定値P2setとの入力値に基づいて開度指令値Sを得るので、実際のガスタービン運転に必要なガスタービン燃料流量指令値Qsが確実に反映された開度指令値Sとなる。
このため、ガスタービンの急激な過渡事象が生じた場合においても、ガスタービン燃料流量指令値Qsを用いて圧力調節弁3を先行動作させることにより、流量調節弁4の上流側の圧力P2に大きな圧力変動が生じることを防止または抑制できるようになる。この結果、流量調節弁4の上流側で圧力P2が急激に上昇し、この圧力上昇に伴って流量調節弁4を通過する燃料流量が増大することを防止または抑制できるので、燃料の正確な流量制御が可能になり、ガスタービン損傷の原因となる燃料の過投入を防止または抑制することができる。
また、上述した実施形態の演算ロジックについては、たとえば図3に示した第1変形例のように構成してもよい。なお、上述した実施形態と同様の部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図3の開度指令演算部10Aでは、ガス燃料供給圧力設定値P2setに代えて、流量調節弁4の上流側で検出した実測値の圧力P2から必要開度を得るFF制御部20Aが採用されている。
すなわち、この第1変形例では、圧力P1、P2及びガスタービン燃料流量指令値Qsの入力値から圧力調節弁3の必要開度を得るFF制御部20Aと、圧力P2及びガス燃料供給圧力設定値P2setの差分により必要開度を補正して開度指令値Sを得るFB制御部30とを備えた演算ロジックとなる。
ガスタービン流量指令値Qsの入力を受けたFF制御部20Aは、必要Cv値算出部22Aにおいて、圧力調節弁3の必要Cv値計算値Scを算出する。この必要Cv値計算値Scは、圧力調節弁3の上流側で計測される圧力P1及び流量調節弁4の上流側で計測される圧力P2の条件に対応した値が所定の演算式により算出される。
こうして算出された必要Cv値計算値Sc′は、Cv値−開度変換部23に入力され、Cv値を開度に変換する演算処理をして開度指令値S1′の信号を得る。この開度指令値S1′は、ガスタービンの運転状況に応じて定まる圧力調整弁3の開度指令信号としてFB制御部30に出力される。
すなわち、FF制御部20Aにおいては、実際のガスタービン運転に必要なガスタービン燃料流量指令値Qsと実際の圧力P2とを反映させた開度指令値S1′を算出する演算処理を行い、圧力調節弁3の開度を所望の開度に先行動作させることができる。
FB制御部30は、流量調節弁4の上流側で検出した圧力P2と、ガス燃料供給圧力設定値P2setとの圧力値を比較して差分をとり、この差分からPIコントローラ31によるフィードバック信号S2を算出する。このフィードバック信号S2は、FF制御部20Aから出力された開度指令値S1′に加算処理されるので、最終的な圧力調節弁3の開度指令値S′は、実際の圧力P2を反映するように補正した値が出力される。
このような第1変形例の演算ロジックを採用すれば、実際のガスタービン運転に必要なガスタービン燃料流量指令値Qsを反映させた開度指令値S′を算出し、圧力調節弁3を先行動作させることが可能になる。特に、この場合のFF制御部20Aは、ガス燃料供給圧力設定値P2setに代えて、実測値である流量調節弁4の上流側圧力P2から必要開度の開度指令値S′を得るようにしたので、圧力P2の圧力変動に速やかに応答して圧力調節弁3を先行動作させることができる。
このため、ガスタービンの急激な過渡事象が生じた場合においても、ガスタービン燃料流量指令値Qs及び実測値の圧力P2を用いて圧力調節弁3を先行動作させるため、流量調節弁4の上流側の圧力P2に大きな圧力変動が生じることを防止または抑制できるようになる。この結果、圧力P2の急上昇に伴って流量調節弁4を通過する燃料流量が増大することを防止または抑制できるので、燃料の正確な流量制御が可能になり、ガスタービン損傷の原因となる燃料の過投入を防止または抑制することができる。
ところで、上述した実施形態の演算ロジックについては、たとえば図4に示した第2変形例のように構成してもよい。
図4の開度指令演算部10Bにおいて、FF制御部20Bは、圧力調節弁3の上流側圧力P1と、ガス燃料供給圧力設定値P2setとにより、圧力調節弁3の現状がチョーク状態またはノンチョーク状態のいずれかにあることを判断するチョーク状態判定部24を備えている。なお、圧力調節弁3の現状がチョーク状態の場合には、ガス燃料供給圧力設定値P2setの入力はない。
そして、チョーク状態判定部24の判定結果は、必要Cv値算出部22Bに入力されることにより、圧力調節弁3の現状(チョーク状態またはノンチョーク状態)が演算に反映された開度指令値SAを得ることができる。
すなわち、必要Cv値算出部22Bは、圧力調節弁3の上流側で計測される圧力P1及びガス燃料供給圧力設定値P2setの条件に加えて、圧力調節弁3のチョーク状態/ノンチョーク状態に関する現状の判定結果の入力を受け、これらに対応した必要Cv値計算値SAを得る。この必要Cv値計算値SAは、Cv値−開度変換部23に入力され、Cv値を開度に変換する演算処理をして開度指令値SA1の信号を得る。
この開度信号SA1は、チョーク状態/ノンチョーク状態を反映したガスタービンの運転状況に応じて定まる圧力調整弁3の開度指令値であるから、運転状況がより正確に反映された適切な値となる。
このように、FF制御部20Bにおいては、実際のガスタービン運転に必要なガスタービン燃料流量指令値Qs及びチョーク状態/ノンチョーク状態を反映させた開度指令値SA1を算出する演算処理を行い、圧力調節弁3の開度を所望の開度に先行動作させることができる。
こうして得られた開度信号SA1はFB制御部30へ出力され、FB制御部30では、上述した実施形態と同様に、流量調節弁4の上流側で検出した圧力P2と、ガス燃料供給圧力設定値P2setとの圧力値を比較して差分をとり、この差分からPIコントローラ31によるフィードバック信号S2を算出する。
このフィードバック信号S2は、FF制御部20から出力される開度指令値SA1に加算処理され、最終的な圧力調節弁3の開度指令値Sfとしては、実際の圧力P2を反映するように補正した値が出力される。
このように、この第2変形例では、実際のガスタービン運転に必要なガスタービン燃料流量指令値Qsに加えて、チョーク状態判定部24の判定結果が最終的な開度指令信号の演算に反映されているので、運転状況に応じてより適切な開度指令値Sfを得ることが可能になる。
このため、ガスタービンの急激な過渡事象が生じた場合においても、ガスタービン燃料流量指令値Qsを用い、さらにチョーク状態/ノンチョーク状態を反映させて圧力調節弁3を先行動作させることにより、流量調節弁4の上流側の圧力P2に大きな圧力変動が生じることをより確実に防止または抑制できるようになる。この結果、流量調節弁4の上流側で圧力P2が急激に上昇し、この圧力上昇に伴って流量調節弁4を通過する燃料流量が増大することを防止または抑制できるので、燃料の正確な流量制御が可能になり、ガスタービン損傷の原因となる燃料の過投入を防止または抑制することができる。
また、第2変形例で説明したチョーク状態/ノンチョーク状態の判断は、図5に示す第3変形例のように、圧力調節弁3の上流側圧力P1と、流量調節弁4の上流側圧力P2とにより実施してもよい。すなわち、図5の開度指令演算部10Cにおいて、FF制御部20Cは、圧力P1,P2により圧力調節弁3の現状がチョーク状態またはノンチョーク状態のいずれかにあることを判断するチョーク状態判定部24Aを備えている。
そして、チョーク状態判定部24Aの判定結果は、必要Cv値算出部22Cに入力されることにより、圧力調節弁3の現状(チョーク状態またはノンチョーク状態)が演算に反映された開度指令値SA′を得ることができる。
すなわち、必要Cv値算出部22Cは、圧力調節弁3の上流側で計測される圧力P1及びガス燃料供給圧力設定値P2setの条件に加えて、圧力調節弁3のチョーク状態/ノンチョーク状態に関する現状の判定結果の入力を受け、これらに対応した必要Cv値計算値SA′を得る。この必要Cv値計算値SA′は、Cv値−開度変換部23に入力されることにより、開度指令値SA1′の信号が得られる。
この開度信号SA1′は、チョーク状態/ノンチョーク状態を反映したガスタービンの運転状況に応じて定まる圧力調整弁3の開度指令値であるから、運転状況がより正確に反映された適切な値となる。従って、FF制御部20Cは、実際のガスタービン運転に必要なガスタービン燃料流量指令値Qs及びチョーク状態/ノンチョーク状態を反映させた開度指令値SA1′を算出し、圧力調節弁3の開度を所望の開度に先行動作させることができる。
こうして得られた開度信号SA1′は、上述した第2変形例と同様に、FB制御部30へ出力されてフィードバック信号S2が加算処理され、最終的には実測値の圧力P2を反映するように補正された圧力調節弁3の開度指令値Sf′が出力される。
このように、この第3変形例では、実際のガスタービン運転に必要なガスタービン燃料流量指令値Qsに加えて、チョーク状態判定部24Aの判定結果が最終的な開度指令信号の演算に反映されているので、運転状況に応じてより適切な開度指令値Sf′を得ることが可能になる。
このため、ガスタービンの急激な過渡事象が生じた場合においても、ガスタービン燃料流量指令値Qsを用い、さらにチョーク状態/ノンチョーク状態を反映させて圧力調節弁3を先行動作させることにより、流量調節弁4の上流側の圧力P2に大きな圧力変動が生じることをより確実に防止または抑制できるようになる。この結果、流量調節弁4の上流側で圧力P2が急激に上昇し、この圧力上昇に伴って流量調節弁4を通過する燃料流量が増大することを防止または抑制できるので、燃料の正確な流量制御が可能になり、ガスタービン損傷の原因となる燃料の過投入を防止または抑制することができる。
次に、上述したガスタービン燃料の制御機構について、温度計測部を備えた第4変形例を図6に基づいて説明する。なお、上述した実施形態及び各変形例と同様の部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図6に示すガスタービン燃料の制御機構(以下、「制御機構」と呼ぶ)1Bは、圧力調節弁3の上流側でガス燃料の温度を計測して燃料温度計測値Tを開度指令演算部10Dに入力する温度計測部5を備えている。この温度計測部5は、燃料配管2において、圧力調節弁3の上流側適所に設けられている。
このようなガス燃料の温度情報を計測して開度指令演算部10Dに入力すると、燃料温度によりガス燃料の燃料密度が変動するという外乱要因を低減し、圧力調節弁3の開度制御を高精度に行うことが可能になる。すなわち、ガス燃料の温度に応じて補正された開度指令値Sを出力して圧力調整弁3の開度制御を実施するので、燃料流量の制御をより正確に実施して燃料の過投入を防止または抑制することができる。
なお、開度指令演算部10Dにおける他の演算ロジックは、上述した開度指令演算部10,10A〜10Cのいずれでもよく、その演算過程において温度の影響を受けるガス燃料の物理量を補正すればよい。
また、圧縮機、燃焼器F及びタービンを具備して構成されるガスタービンは、燃焼器Fの燃料ノズルNにガス燃料を供給するガスタービンのガス燃料供給系が上述した実施形態及びその変形例として説明した開度指令演算部10,10A〜10Dを有する制御機構1A,1Bを備えているので、ガスタービンに急激な過渡事象が生じた場合であっても、実際のガスタービン運転に必要なガスタービン燃料流量指令値Qsが反映された開度指令値S,S′,Sf,Sf′,SBにより圧力調節弁3を先行動作させ、流量調節弁4の上流側圧力P2に大きな圧力変動が生じることを防止または抑制するとともに、燃料の過投入も防止または抑制する。
従って、上述した本実施形態によれば、ガスタービンに急激な過渡現象が生じても燃料の過投入を防止または抑制でき、この結果、ガスタービン本体の損傷を防止して信頼性や耐久性を向上させることができる。
<第1の参考例>
続いて、上述したガスタービン燃料の制御機構について、第1の参考例を図7から図11に基づいて説明する。なお、上述した実施形態及びその変形例と同様の部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図7及び図8に示す参考例は、圧力調節弁3の開度制御をする上述した実施形態とは異なり、流量調節弁4の上流側圧力P2と、各燃料枝配管2a〜2nにおける流量調節弁4a〜4nの下流側圧力P3a〜P3nと、ガスタービン燃料流量指令値Qsとに基づいて開度指令演算部40が流量調節弁4の開度指令値を算出する。
なお、以下の参考例に関する説明では、燃料枝配管2aに設けた流量調節弁4aの下流側圧力をP3a、燃料岐配管2bに設けた流量調節弁4bの下流側圧力をP3b、燃料岐配管2nに設けた流量調節弁4nの下流側圧力をP3nとするが、区別の必要がない場合には流量調節弁4及び下流側圧力P3とする。
各流量調節弁4a〜4nの開度指令値Fa〜Fnは、開度指令演算部40内において、図8に示すような過程により算出される。
開度指令演算部40に入力されるガスタービン燃料流量指令値Qsは、たとえばガスタービンの運転制御部41等から流量比演算部42に入力されるガス燃料の必要流量指令値Gsetと、同じくパイロット比設定部43から流量比演算部42に入力されるパイロット比とに基づいて算出されたパイロット流量指令値Qp及びメイン流量指令値Qmである。なお、ガス燃料の必要流量指令値Gsetは、ガスタービンの運転状況に応じて定まる値である。
上述したパイロット流量指令値Qp及びメイン流量指令値Qmは、燃焼器F内に複数設けられたノズルN毎のガスタービン燃料指令値Qsに対応する。すなわち、ガス燃料を供給するノズルNがパイロットノズルであれば、ガスタービン燃料指令値Qsはパイロット流量指令値Qpとなるが、ガス燃料を供給するノズルNがメインノズルとなる場合のガスタービン燃料指令値Qsはメイン流量指令値Qpとなる。
こうして流量比演算部42で算出されたパイロット流量指令値Qp及びメイン流量指令値Qmは、それぞれがガスタービン燃料指令値Qsとして必要Cv値算出部44に入力される。
必要Cv値算出部44は、ガスタービン流量指令値Qsに対して、流量調節弁4の上流側圧力P2及び下流側圧力P3の圧力条件下で必要な弁開度を演算するロジックを有している。
従って、ガスタービン流量指令値Qsの入力を受けた必要Cv値算出部44では、流量調節弁4の必要Cv値計算値Fcを算出する。具体的な必要Cv値計算値Fcとしては、パイロット流量指令値Qpに対応する必要Cv値計算値Fcpと、メイン流量指令値Qmに対応する必要Cv値計算値Fcpとが算出され、それぞれが開度指令計算部45に入力される。
開度指令計算部45は、必要Cv値計算値Fcp及び必要Cv値計算値Fcpに対応するパイロットノズル用の開度指令値Fp及びメインノズル用の開度指令値Fmを算出し、開度指令演算部40から出力する。すなわち、開度指令演算部40は、流量調節弁4a〜4nに対して開度指令値Fa〜Fnを出力するが、これらの開度指令値Fa〜Fnを出力する流量調節弁4a〜4nがパイロットノズルである場合には、開度指令値Fa〜Fnが開度指令値Fpとなり、メインノズルである場合には、開度指令値Fa〜Fnが開度指令値Fmとなる。
このように、上述した開度指令演算部40による流量調整弁4の開度制御を行うと、圧力調節弁3の上流側圧力P1が変動して流量調節弁4の上流側圧力P2を一定にできない場合でも、圧力P2を考慮した流量調節弁4の開度調節を行って安定した燃料供給が可能になる。すなわち、圧力調節弁3は、一般的に下流側の圧力変動(圧力P2の変動)に対する追従性は十分であるが、上流側の圧力P1が変動した場合の設定圧力に対する追従性は不十分であるから、開度指令演算部40が流量調節弁4側で流量調整を行うことは、ガス燃料供給量の変動に伴うガスタービン出力への影響を低減する。
換言すれば、ガス燃料を供給する圧力調節弁3の上流側で圧力P1が変動した場合であっても、開度指令演算部40は流量調節弁4側で流量調整を行うため、ガス燃料供給量の変動及びガス燃料供給量の変動に伴うガスタービン出力への影響を低減し、安定した出力による運転の継続が可能になる。
また、流量調節弁4の上流側圧力P2及び下流側圧力P3は、既存のガスタービンにおいて通常計測されている物理量である。従って、上述した開度指令演算部40による流量調整弁4の開度制御を行うために、新たなセンサ類の追設は不要であるから、低コストで実施可能となる。
図9に示す演算ロジックは、上述した図8の変形例である。
この変形例では、チョーク・ノンチョーク判定部46を備えており、この判定結果が必要Cv値算出部44Aに入力される。
この結果、必要Cv値算出部44Aは、チョーク状態/ノンチョーク状態を反映したパイロット流量指令値Qpに対応する必要Cv値計算値Fcp′と、メイン流量指令値Qmに対応する必要Cv値計算値Fcp′とを算出し、それぞれ開度指令計算部45に入力される。
開度指令計算部45は、必要Cv値計算値Fcp′及び必要Cv値計算値Fcp′に対応するパイロットノズル用の開度指令値Fp′及びメインノズル用の開度指令値Fm′を算出し、開度指令演算部40から出力する。
このように、上述した変形例の演算ロジックを採用して開度指令演算部40による流量調整弁4の開度制御を行うと、チョーク状態/ノンチョーク状態が反映されたことで、より正確な弁開度指令演算処理が可能になる。
図10は、図7に示したガスタービン燃料の制御機構に関する他の参考例であり、P2圧力推定演算部47を設けた点が異なっている。なお、図7の制御機構と同じ部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
この場合のP2圧力推定値演算部47は、ガス燃料の燃料流量計測値、圧力調節弁3の上流側圧力P1及び圧力調節弁3の弁開度に基づいて、流量調節弁4の上流側圧力P2を推定する演算処理を行うものである。すなわち、この参考例は、上述した図7の参考例とは異なり、流量調節弁4の上流側圧力P2を使用しないで開度指令値を算出するものである。
この結果、流量調節弁4の上流側圧力P2を直接計測できい場合でも、推定により圧力値を得ることができる。このため、通常は新規にセンサを設置して検出することが必要な上流側圧力P2について、センサ等の追加が不要な既存の入力値によりP2圧力推定演算部47が推測するので、トータルでのコスト増はない。
なお、圧力P1の計測地点から圧力P2の計測地点までの配管、オリフィス及びフィルタ等による圧力抵抗特性は既知であるから、圧力P2を直接計測できなくても推定することが可能である。
また、図11に示す他の参考例は、図7に示したガスタービン燃料の制御機構に温度計測部5を追加して設けた点が異なっている。なお、図7の制御機構と同じ部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
この参考例では、圧力調節弁3の上流側でガス燃料の温度を計測して燃料温度計測値Tを開度指令演算部40に入力する温度計測部5を備えている。この温度計測部5は、燃料配管2において、圧力調節弁3の上流側適所に設けられている。
このようなガス燃料の温度情報を計測して開度指令演算部40に入力すると、燃料温度によりガス燃料の燃料密度が変動するという外乱要因を低減し、圧力調節弁3の開度制御を高精度に行うことが可能になる。すなわち、ガス燃料の温度に応じて補正された開度指令値Fa〜Fnを出力して圧力調整弁3の開度制御を実施するので、燃料流量の制御をより正確に実施して燃料の過投入を防止または抑制することができる。
なお、このようなガス燃料の温度に応じた補正は、図10に示した圧力P2の予想に適用することも可能である。
<第2の参考例>
最後に、上述したガスタービン燃料の制御機構について、第2の参考例を図12から図18に基づいて説明する。なお、上述した実施形態や参考例と同様の部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
この参考例は、たとえば図12に示すように、大小2つの圧力調節弁51,52により構成される親子弁方式の圧力調節弁50を採用した制御機構に適用するものであり、以下に従来の構成例を簡単に説明する。なお、以下の説明では、大口径の圧力調節弁を大型圧力調節弁51と呼び、小口径の圧力調節弁を小型圧力調節弁52と呼ぶ。
一般的に、ガスタービンに供給するガス燃料の圧力は固定値であるから、流量調節弁4の差圧ΔPsが一定になるよう圧力調節弁50によって圧力制御を行っている。
このため、圧力調節弁50は、ガスタービンの起動から定格負荷に達するまでの間、制御しなければならない圧力−流量範囲が非常に広い。すなわち、起動時には少流量で大きな圧力を、そして、定格負荷時には大流量で小さな圧力をガス燃料に与える必要があるため、大型圧力調節弁51及び小型圧力調節弁52を用意して並列に接続した親子弁方式の圧力制御弁50が採用されている。
このような親子弁方式の圧力調節弁50では、燃料流量が小さいガスタービンの起動時において、大型圧力調節弁51を全閉にして小型圧力調節弁52のみで圧力制御を行い、ガスタービンが一定負荷以上に達すれば、これまで閉じていた大型圧力調節弁51も使用して圧力制御を行っている。
このような親子弁方式は、大小2つの圧力調節弁51,52を使用するため、コスト面で不利になるという問題を有している。また、大型圧力調節弁51が途中から開くことにより、燃料系統の安定性にも問題がある。すなわち、大型圧力調節弁51について、ガスタービン出力が一定負荷以上になってから機能するように設定すると、弁開度の有効範囲(レンジアビリティ)の観点から、弁開度の小さい(開き始め)領域で意図せぬ動作を生じる可能性がある。
そこで、上述した問題を解決するため、たとえば図13に示すように、燃料配管2に対して、圧力調節弁3と流量調節弁4とを直列に配置する。このとき、流量調節弁4の差圧ΔPsについては固定せず、制御システム60においては、差圧ΔPsの差圧信号及びガスタービン出力要求値により定まるガス燃料の流量指令値により流量調節弁4のCv値を計算し、開度指令を出力する。すなわち、流量調節弁4の差圧ΔPsについては固定しないことにより、圧力調節弁3と協働して流量調節弁4側でも圧力調節が行われる。
この結果、圧力調節弁3が調節しなければならない圧力範囲は、以下に説明するようにして小さくなるので、親子弁方式に頼らなくても、1つの圧力調節弁3でガスタービンの起動から定格運転まで対応することが可能になり、従って、コスト面やガス燃料系統の安定性に関する問題は解消される。
図14は、横軸がガスタービン出力、縦軸が流量調節弁4の上流側圧力(圧力調節弁3の下流側圧力)であり、ガス燃料をノズルNから所望の圧力で供給するためには、車室圧力より高圧にして供給するためノズル差圧が必要となる。なお、破線で示す圧力P1は、ガス燃料供給圧力の設定値である。
図示のノズル差圧は、ノズルNの吐出圧力に流量調節弁4からノズルNに到達するまでの圧力損失を加えた圧力値から、車室圧力の圧力値を差し引いた値である。すなわち、車室圧力にノズル差圧を加えた圧力値は、流量調節弁4の出口圧力Poutとなる。
このような出口圧力Poutに制御するため、従来は圧力制御弁3で減圧制御の全てを行っていたため、すなわち、ガス燃料供給圧力P1から実質的に流量調節弁4の上流側圧力となる流調弁入口圧力Pinまで減圧しているため、その圧力制御範囲PRは広くなる。
なお、従来の親子弁方式は、圧力制御範囲PRを2つの圧力調節弁51,52で減圧制御するものである。
これに対し、本参考例では、流量調節弁4でも圧力調整を行うので、ガス燃料供給圧力P1から実質的に流量調節弁4の上流側圧力となる流調弁入口圧力Pin′まで減圧すればよく、従って、その圧力制御範囲PR′は圧力制御範囲PRより狭く(PR′<PR)なる。これは、圧力制御範囲PR/PR′の差圧分について、流量調節弁4側が減圧して圧力調節を行うためである。
この結果、圧力調節弁3を1つにすることができ、コスト面で有利になる。さらに、圧力調節弁3が1つであるため、弁開度の有効範囲において開き始めの領域で意図せぬ動作が生じることはなく、従って、ガス燃料系の安定性を向上させることができる。
図15に示す制御システム60Aは、上述した制御システム60に外気条件の入力を加えた場合の構成例を示している。この制御システム60Aは、ガス燃料供給圧力演算部61と、圧力分配比演算部62と、圧調弁開度演算部63と、流調弁開度演算部64とを備えている。
ガス燃料供給圧力演算部61は、外気条件及びガスタービン出力要求値に加えて、流量調節弁4から差圧ΔPsの入力を受け、これらの入力情報に基づいてガスタービンにガス燃料を供給するための必要圧力を計算する。
圧力分配比演算部62は、圧力調節弁3の弁開度有効範囲を確保するため、ガス燃料供給圧力演算部61から入力される必要圧力に基づいて、圧力調節弁3の差圧及び流量調節弁4でそれぞれ生じさせる差圧の分配比を演算する。この分配比に基づき、圧調弁開度演算部63及び流調弁開度演算部64にそれぞれの圧力指令値を出力する。
圧調弁開度演算部63及び流調弁開度演算部64では、それぞれに入力された圧力指令値から弁開度を演算し、圧力調節弁3及び流量調整弁4毎の弁開度指令値を出力する。
この結果、圧力調節弁3及び流量調整弁4は、ガスタービン出力要求値に応じて変動するガス燃料流量に最適な弁開度に設定され、両者が協働してガス燃料の圧力及び流量を調整する。このとき、圧力調節弁3及び流量調整弁4の開度指令値は、圧力調節弁3の弁開度有効範囲が反映されているので、弁開度有効範囲から外れた弁開度の小さい領域で意図せぬ動作が生じることを防止できる。
このように、図15の制御システム60Aを採用することにより、ガス燃料の供給設定圧力は、すなわち流量調節弁4の上流側圧力は、ガスタービンの出力要求値に基づいて算出されるため、固定値とした場合と比較してガスタービンの運転範囲を拡大することができる。
また、上述した制御システム60Aは、図16に示すような第1変形例の構成も可能である。この制御システム60Bは、ガスタービン出力要求値に代えて、車室圧力を入力する点が異なっている。
すなわち、ガス燃料供給圧力演算部61Aは、外気条件及び車室圧力に加えて、流量調節弁4から差圧ΔPsの入力を受け、これらの入力情報に基づいてガスタービンにガス燃料を供給するための必要圧力を計算する。
こうして算出された必要圧力は、圧力分配比演算部62に入力された後、上述した図15の制御システム60Aと同様にして、制御システム60Bから圧力調節弁3及び流量調整弁4毎の弁開度指令値が出力される。
また、上述した制御システム60Aは、図17に示すような第2変形例の構成も可能である。この制御システム60Cは、ガスタービン出力要求値に代えて、燃料流量を入力する点が異なっている。
すなわち、ガス燃料供給圧力演算部61Bは、外気条件及び燃料流量に加えて、流量調節弁4から差圧ΔPsの入力を受け、これらの入力情報に基づいてガスタービンにガス燃料を供給するための必要圧力を計算する。
こうして算出された必要圧力は、圧力分配比演算部62に入力された後、上述した図15の制御システム60Aと同様にして、制御システム60Cから圧力調節弁3及び流量調整弁4毎の弁開度指令値が出力される。
また、上述した制御システム60Aは、図18に示すような第3変形例の構成も可能である。この制御システム60Dは、ガスタービン出力要求値に代えて、ガスタービン回転数及び入口案内翼(IGV)開度指令値を入力する点が異なっている。
すなわち、ガス燃料供給圧力演算部61Dは、外気条件及びガスタービン回転数及び入口案内翼(IGV)開度指令値に加えて、流量調節弁4から差圧ΔPsの入力を受け、これらの入力情報に基づいてガスタービンGTにガス燃料を供給するための必要圧力を計算する。
こうして算出された必要圧力は、圧力分配比演算部62に入力された後、上述した図15の制御システム60Aと同様にして、制御システム60Dから圧力調節弁3及び流量調整弁4毎の弁開度指令値が出力される。
このように、図16〜図18に示した制御システム60B〜60Dを採用することによっても、ガス燃料の供給設定圧力は、すなわち流量調節弁4の上流側圧力は、ガスタービンの出力関連値に基づいて算出されるため、固定値とした場合と比較してガスタービンの運転範囲を拡大することができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、その要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
1,1A,1B ガスタービン燃料の制御機構
2 燃料配管
2a〜2n 燃料枝配管
3 圧力調節弁
4,4a〜4n 流量調節弁
5 温度計測部
10,10A,10B,10C,10D 開度指令演算部
20,20A,20B,20C フィードフォワード制御部(FF制御部)
22,22A,22B 必要Cv値算出部
23 Cv値−開度変換部
24,24A チョーク状態判定部
30 フィードバック制御部(FB制御部)
31 PIコントローラ
40 開度指令演算部
42 流量比演算部
43 パイロット比設定部
44,44A 必要Cv値算出部
45 開度指令計算部
46 チョーク・ノンチョーク判定部
47 P2圧力推定演算部
50 圧力調節弁(親子弁方式)
51 大型圧力調節弁
52 小型圧力調節弁
60,60A〜60D 制御システム
F 燃焼器
N,Na〜Nn 燃料ノズル

Claims (7)

  1. 燃焼器の燃料ノズルにガス燃料を供給するガスタービンのガス燃料供給系に用いられ、圧力調節弁により所定の圧力に調整された前記ガス燃料を流量調節弁が所望の燃料流量に制御して燃料ノズルに与えるガスタービン燃料の制御機構において、
    前記圧力調節弁の開度指令値を演算して出力する開度指令演算部を備え、該開度指令演算部は、前記圧力調節弁の上流側圧力(P1)と、前記流量調節弁の上流側圧力(P2)と、運転状況に応じて変化するガスタービン燃料流量指令値(Qs)及びガス燃料供給圧力設定値(P2set)との入力値に基づいて前記開度指令値を得るとともに、
    前記開度指令演算部には、前記上流側圧力(P1)、前記ガスタービン燃料流量指令値(Qs)及び前記ガス燃料供給圧力設定値(P2set)の入力値から前記圧力調節弁の必要開度を得て先行動作させるフィードフォワード制御部と、前記上流側圧力(P2)及び前記ガス燃料供給圧力設定値(P2set)の差分により前記必要開度を補正して前記開度指令値を得るフィードバック制御部とが設けられていることを特徴とするガスタービン燃料の制御機構。
  2. 燃焼器の燃料ノズルにガス燃料を供給するガスタービンのガス燃料供給系に用いられ、圧力調節弁により所定の圧力に調整された前記ガス燃料を流量調節弁が所望の燃料流量に制御して燃料ノズルに与えるガスタービン燃料の制御機構において、
    前記圧力調節弁の開度指令値を演算して出力する開度指令演算部を備え、該開度指令演算部は、前記圧力調節弁の上流側圧力(P1)と、前記流量調節弁の上流側圧力(P2)と、運転状況に応じて変化するガスタービン燃料流量指令値(Qs)及びガス燃料供給圧力設定値(P2set)との入力値に基づいて前記開度指令値を得るとともに、
    前記開度指令演算部には、前記上流側圧力(P1)、前記ガスタービン燃料流量指令値(Qs)及び前記上流側圧力(P2)の入力値から前記圧力調節弁の必要開度を得て先行動作させるフィードフォワード制御部と、前記上流側圧力(P2)及び前記ガス燃料供給圧力設定値(P2set)の差分により前記必要開度を補正して前記開度指令値を得るフィードバック制御部とが設けられていることを特徴とするガスタービン燃料の制御機構。
  3. 前記開度指令演算部は、前記上流側圧力(P1)と、前記上流側圧力(P2)または前記ガス燃料供給圧力設定値(P2set)のいずれか一方とにより、前記圧力調節弁がチョーク状態またはノンチョーク状態にあることを判断するチョーク状態判定部を備え、該チョーク状態判定部の判定結果を前記開度指令値の演算に反映させたことを特徴とする請求項1または2に記載のガスタービン燃料の制御機構。
  4. 前記ガス燃料の温度を計測して燃料温度計測値を前記開度指令演算部に入力する温度計測部を設けたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のガスタービン燃料の制御機構。
  5. 空気を導入して圧縮する圧縮機と、前記圧縮機から供給される空気で燃料を燃焼させて燃焼ガスを生成する燃焼器と、前記燃焼器から燃焼ガスの供給を受けるタービンとを具備し、前記燃焼器の燃料ノズルにガス燃料を供給するガスタービンのガス燃料供給系に請求項1から4のいずれか1項に記載の制御機構を設けたことを特徴とするガスタービン。
  6. 燃焼器の燃料ノズルにガス燃料を供給するガスタービンのガス燃料供給系に用いられ、圧力調節弁により所定の圧力に調整された前記ガス燃料を流量調節弁が所望の燃料流量に制御して燃料ノズルに与えるガスタービン燃料の制御方法であって、
    前記圧力調節弁の開度指令値を演算して出力する開度指令演算部を備え、該開度指令演算部は、前記圧力調節弁の上流側圧力(P1)と、前記流量調節弁の上流側圧力(P2)と、運転状況に応じて変化するガスタービン燃料流量指令値(Qs)及びガス燃料供給圧力設定値(P2set)との入力値に基づいて前記開度指令値を得るとともに、
    前記開度指令演算部が、前記上流側圧力(P1)、前記ガスタービン燃料流量指令値(Qs)及び前記ガス燃料供給圧力設定値(P2set)の入力値から前記圧力調節弁の必要開度を得て先行動作させるフィードフォワード制御部と、前記上流側圧力(P2)及び前記ガス燃料供給圧力設定値(P2set)の差分により前記必要開度を補正して前記開度指令値を得るフィードバック制御部とにより前記開度指令値を得ることを特徴とするガスタービン燃料の制御方法。
  7. 燃焼器の燃料ノズルにガス燃料を供給するガスタービンのガス燃料供給系に用いられ、圧力調節弁により所定の圧力に調整された前記ガス燃料を流量調節弁が所望の燃料流量に制御して燃料ノズルに与えるガスタービン燃料の制御方法であって、
    前記圧力調節弁の開度指令値を演算して出力する開度指令演算部を備え、該開度指令演算部は、前記圧力調節弁の上流側圧力(P1)と、前記流量調節弁の上流側圧力(P2)と、運転状況に応じて変化するガスタービン燃料流量指令値(Qs)及びガス燃料供給圧力設定値(P2set)との入力値に基づいて前記開度指令値を得るとともに、
    前記開度指令演算部が、前記上流側圧力(P1)、前記ガスタービン燃料流量指令値(Qs)及び前記上流側圧力(P2)の入力値から前記圧力調節弁の必要開度を得て先行動作させるフィードフォワード制御部と、前記上流側圧力(P2)及び前記ガス燃料供給圧力設定値(P2set)の差分により前記必要開度を補正して前記開度指令値を得るフィードバック制御部とにより前記開度指令値を得ることを特徴とするガスタービン燃料の制御方法。
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