JP4428142B2 - フッ素樹脂含有積層体 - Google Patents

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Description

本発明は、フッ素樹脂含有積層体に関する。
フッ素樹脂は、塗料組成物に調製し、パン金型、炊飯釜等の耐蝕性、非粘着性、耐熱性等が要求されるものの基材に塗装してフッ素樹脂層を形成させることに幅広い用途がある。しかしながら、フッ素樹脂は、その非粘着性ゆえに、金属、セラミック等からなる基材との接着性に乏しいので、フッ素樹脂とも基材とも親和性を有するプライマーを予め基材に塗装することが行われてきた。
フッ素樹脂層は、一般に耐蝕用途においては厚くする必要があり、厚くするためには、フッ素樹脂からなる塗料組成物を塗布してフッ素樹脂の融点以上の温度で焼成することよりなる塗装を繰り返して重ね塗りをする必要がある。プライマーは、この長時間の高温での焼成に耐えて基材等との密着性を維持し得る耐熱密着性を有することが求められる。
耐熱密着性に優れたプライマーとして、今日まで、長時間の高温焼成に優れた耐性を有するリン酸クロム系プライマーが幅広く用いられてきた。しかしながら、環境問題への意識が高まり、バインダー成分の役割を果たす6価クロムを含まず、リン酸クロム系プライマーに匹敵する強い耐熱密着性を有するクロムフリープライマーの開発が長年強く要望されていた。
クロムフリープライマーとして、従来、フッ素樹脂と各種バインダー樹脂との組み合わせが検討されてきた。バインダー樹脂としては、耐熱性の点からポリフェニレンサルファイド〔PPS〕の使用が提案された。PPSは、しかしながら、フッ素樹脂との相溶性に劣り、フッ素樹脂層との密着性が不充分であるという問題があった。
フッ素樹脂層との密着性を良好にするため、クロムフリープライマーにおけるバインダー樹脂として、PPSにポリアミドイミド〔PAI〕及び/又はポリイミド〔PI〕を添加することが提案され(例えば、特許文献1参照。)、実施例において、PAI:PPS=1:15〜1:20の量比で用いられている。
PPS及びPAIをバインダー樹脂とするクロムフリープライマーとしては、また、PAI:PPS=3:1〜1:3の量比で用いるものが提案された(例えば、特許文献2参照。)。しかしながら、このクロムフリープライマーは、平滑面に塗布し得る水性プライマーを提供するために溶融粘度が異なる2種のフッ素樹脂を特定の量比で配合することを特徴とするものであり、長時間焼成すると耐熱密着性が悪化する問題があった。
クロムフリープライマーのバインダー樹脂としては、また、PAI:PPS=1:1のものも知られているが(例えば、特許文献3参照。)、熱水に対する耐久性に問題があった。
このように、従来、PAI及びPPSからなるバインダー樹脂は、多量のPPSに少量のPAI等を添加する方向で開発が進められてきた。
PAIと酸化防止剤とを含む組成物としては、エステル結合、アミド結合及びイミド結合の少なくとも1種を有する樹脂(I)としてPAIを例示し、樹脂(I)と、樹脂(I)に対して0.1〜5.0重量%の酸化防止剤(III)とを含むものが開示されている(例えば、特許文献4参照。)。しかしながら、この組成物は銅線等の銅被覆用に限定したものであり、プライマーとしての用途に関する記載も示唆もない。また、酸化防止剤(III)としてPPS等のポリアリレンサルファイドを用いることについても記載はない。
PAIは、混練、成形加工等を経て様々な耐熱性が要求される部位に用いられているが、PAIのアミド基の耐熱性が低く、高温下の使用において劣化しやすい場合があるという問題があった。
PAIと酸化防止剤と1:1の割合で含む組成物を表面脱脂したアルミ板にスプレーしてプライマー層を形成したのち、フッ素樹脂フィルムを載置し、熱溶融接着を行うことによりフッ素樹脂フィルム被覆物を得ることが開示されている(例えば、特許文献5参照。)。しかしながら、プライマー層とフッ素樹脂フィルムとの密着性が不充分であるという問題があった。
特開昭53−74532号公報 米国特許第5789083号明細書 特開平8−322732号公報 特開平2−4880号公報 特開平11−290215号公報(実施例)
本発明の目的は、上記現状に鑑み、バインダー成分の役割を果たす6価クロムを含まず、高温で長時間焼成を行ってもプライマー層とフッ素樹脂層との密着性に優れたフッ素樹脂含有積層体を提供することにある。
本発明は、プライマー組成物を塗装することにより得られるプライマー層(1)、及び、上記プライマー層(1)上に形成したフッ素樹脂層(2)を含むフッ素樹脂含有積層体であって、上記プライマー組成物は、アミド基を有しているか又はアミド基を有することとなるアミド基含有性高分子化合物(A)、上記アミド基の酸化を抑制することができる抗酸化性物質(B)、及び、フッ素樹脂(C)からなる塗料組成物であり、上記アミド基含有性高分子化合物(A)は、アミド基と芳香環とを有しているアミド基含有ポリマー(a1)、及び/又は、上記プライマー組成物を塗装する際の焼成により上記アミド基含有ポリマー(a1)に変化するアミド基含有ポリマー前駆体(a2)であり、上記抗酸化性物質(B)は、上記アミド基含有性高分子化合物(A)と上記抗酸化性物質(B)との合計の0.1〜20質量%であり、上記フッ素樹脂層(2)は、フッ素化されたパーフルオロポリマー(D)からなることを特徴とするフッ素樹脂含有積層体である。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明のフッ素樹脂含有積層体は、プライマー層(1)、及び、上記プライマー層(1)上に形成したフッ素樹脂層(2)を含むものである。
上記プライマー層(1)は、プライマー組成物を塗装することにより得られるものである。
上記プライマー組成物は、アミド基を有しているか又はアミド基を有することとなるアミド基含有性高分子化合物(A)、上記アミド基の酸化を抑制することができる抗酸化性物質(B)、及び、フッ素樹脂(C)からなる塗料組成物である。
上記アミド基含有性高分子化合物(A)は、アミド基と芳香環とを有しているアミド基含有ポリマー(a1)、及び/又は、上記プライマー組成物を塗装する際の焼成により上記アミド基含有ポリマー(a1)に変化するアミド基含有ポリマー前駆体(a2)である。
上記アミド基含有ポリマー(a1)は、通常、アミド基(−NH−C(=O)−)を主鎖又は側鎖に有し、芳香環を主鎖に有するポリマーである。
上記アミド基含有ポリマー(a1)は、ポリアミドイミド〔PAI〕、ポリアミド、及び/又は、ポリアミド酸(ポリアミック酸)であることが好ましい。
上記PAIは、アミド基と芳香環とイミド基とを有する重縮合体である。上記PAIとしては特に限定されず、例えば、従来公知のPAIの他にも、ポリイミド〔PI〕を酸化することによりアミド基を導入したもの等を用いることができる。
上記ポリアミドは、主鎖中にアミド結合(−NH−C(=O)−)を有する重縮合体である。上記ポリアミドとしては特に限定されず、例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12等の脂肪族ポリアミド;ポリパラフェニレンテレフタラミド、ポリメタフェニレンイソフタラミド等の芳香族ポリアミド等が挙げられる。
上記ポリアミド酸は、アミド基と、カルボキシル基又はカルボキシル基の誘導体とを有する重縮合体である。上記ポリアミド酸としては特に限定されず、分子量が数千〜数万であるポリアミド酸等が挙げられる。
上記アミド基含有ポリマー前駆体(a2)は、塗料組成物を塗装する際の焼成により上記アミド基含有ポリマー(a1)に変化するものである。
上記「塗料組成物を塗装する際の焼成」は、プライマー組成物を塗装し、次いで上塗り塗料を塗装する場合、(1)このプライマー組成物を塗布した後、上記上塗り塗料を塗装する前に通常行う「焼成」、(2)上記(1)の焼成の後、上記上塗り塗料を塗装する際の「焼成」、又は、(3)上記(1)の焼成を行わずに上記上塗り塗料を塗装する際の「焼成」に該当するが、(1)〜(3)の何れかの焼成をも含み得る概念である。
本発明において、上記上塗り塗料は、例えば、フッ素樹脂層(2)を形成するための後述のフッ素化パーフルオロポリマー塗料組成物を含む概念である。
本明細書において、以下、「塗料組成物」という場合、上塗り塗料及びプライマー組成物の何れをも含む概念である。
上記アミド基含有ポリマー前駆体(a2)は、上述のように、上記塗料組成物を塗装する際の焼成により上記アミド基含有ポリマー(a1)に変化するものであり、この焼成において上記アミド基含有ポリマー(a1)が有する芳香環が通常変化しないので、芳香環を有しているものであるが、上記プライマー組成物を塗布し焼成を開始する前においては、アミド基は有していないものである。
本明細書において、上記プライマー組成物を塗布し焼成を開始する前においてアミド基を有しており、更に芳香環をも有している高分子化合物は、上述のアミド基含有性ポリマー(a1)に該当する。
上記アミド基含有ポリマー前駆体(a2)としては、上記塗料組成物を塗装する際の焼成により上記アミド基含有ポリマー(a1)に変化するものであれば特に限定されず、例えば、PI等であってもよい。上記PIは、上記プライマー組成物を塗布し長時間高温で焼成する際に酸化させて主鎖にアミド基を導入することができる。上記PIにアミド基を導入して得られたアミド基含有ポリマー(a1)は、PAI又はポリアミド酸であり、PAIであるためには、PIの主鎖におけるイミド基の全てをアミド基に変換したものでなければよく、ポリアミド酸は、PIの主鎖におけるイミド基の全てをアミド基と、カルボキシル基とに変換したものである。
上記PIにアミド基を導入する方法としては特に限定されず、例えば、PIのイミド基(イミド環)を酸化によって開環する方法、PIのイミド基(イミド環)にアルカリを作用させ加水分解する方法等が挙げられる。本明細書において、アミド基を導入することとなる分子構造上の部位、例えば、上述の酸化によりアミド基に変化するイミド基等を、アミド基導入部位ということがある。
上記アミド基含有性高分子化合物(A)は、アミド基を有しているか又はアミド基を有することとなるものである。
上記「アミド基を有することとなる」とは、上記プライマー組成物を調製するためにアミド基含有性高分子化合物(A)を配合する時点で上記アミド基含有性高分子化合物(A)が必ずしもアミド基を有していなくともよいが、上述の塗料組成物を塗装する際の焼成により化学変化を起こしてこの焼成が終了する前にアミド基が導入されることを意味する。
本明細書において、上記「アミド基を有しているか又はアミド基を有することとなる」は、上記プライマー組成物を調製するためにアミド基含有性高分子化合物(A)を配合する時点において、アミド基を有しアミド基導入部位を有しないもの、アミド基を有さずアミド基導入部位を有するもの、アミド基を有しかつアミド基導入部位を有するもの、の何れをも含み得る概念である。即ち、上記プライマー組成物は、上述のアミド基含有ポリマー(a1)とアミド基含有ポリマー前駆体(a2)との両方を含むものであってもよいし、何れか一方のみを含むものであってもよい。
上記抗酸化性物質(B)は、上記アミド基の酸化を抑制することができるものである。上記抗酸化性物質(B)は、酸化還元電位が、アミド基の酸化還元電位より低いものであって、イミド基の酸化還元電位と同程度であるか又はイミド基の酸化還元電位に比べて高いものが好ましく、イミド基の酸化還元電位に比べて高いものがより好ましい。
上記抗酸化性物質(B)は、上記アミド基の酸化に優先して自己酸化されることによって上記アミド基の酸化を遅らせることができるものと考えられる。上記抗酸化性物質(B)としては、上記アミド基の酸化を充分に抑制し得る点から、酸化状態が低い物質が好ましいと考えられる。上記抗酸化性物質(B)としては、上記アミド基の酸化を抑制することができるとともに、耐熱性物質であることがより好ましい。上記抗酸化性物質(B)が耐熱性物質であると、上記塗料組成物を塗装する際の焼成を長時間行っても、上記抗酸化性物質(B)が分解や劣化を起こしにくいので、上記アミド基の酸化を抑制し続け、上記アミド基含有性高分子化合物(A)による基材との密着性を維持することができる。
上記抗酸化性物質(B)は、上記アミド基の酸化に優先して自己酸化する自己酸化能のほかに、上記酸化されたアミド基を還元する還元能を有していてもよい。
上記抗酸化性物質(B)は、上述のアミド基の酸化を抑制する性質に加えて、基材の酸化を抑制する性質を有するものであってもよい。
上記抗酸化性物質(B)としては、例えば、ポリアリレンサルファイド〔PAS〕;窒素含有化合物;錫、亜鉛、燐等の金属;硫黄等が挙げられる。上記抗酸化性物質(B)としては、半導体製造工程等アミンの使用や金属イオンの溶出を嫌う場合、PASが好ましく用いられる。
上記PASとしては特に限定されず、例えば、ポリフェニレンスルフィドケトン、ポリフェニレンスルフィドスルフォン、ポリビフェニレンスルフィド、ポリフェニレンサルファイド〔PPS〕等が挙げられ、なかでも、PPSが好適に用いられる。
上記抗酸化性物質(B)としては、窒素含有化合物も好ましく用いられる。
本明細書において、上記「窒素含有化合物」は、分子中に窒素原子を有する化合物であって、上記アミド基の酸化及び基材の酸化をともに抑制し得るものである。
上記窒素含有化合物としては、アミン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、窒素硫黄含有化合物等が挙げられる。
上記アミン系化合物は、アミノ基を有する化合物であって、上記アミノ基が金属塩等の塩を形成していてもよいものである。上記アミン系化合物としては特に限定されないが、250℃以上での高温安定性が望まれる点で、芳香族アミン類であることが好ましい。芳香族アミン類としては、フェニル基及び/又はナフチル基を有するものが好ましく、フェニル基及び/又はナフチル基を有する芳香族アミン類としては特に限定されず、例えば、ジナフチルアミン、フェニル−α−ナフチルアミン、フェニル−β−ナフチルアミン、ジフェニル−p−フェニレンジアミン、フェニルシクロヘキシル−p−フェニレンジアミン等が挙げられる。
上記ベンゾトリアゾール系化合物は、ベンゾトリアゾールを基本骨格とする化学構造を有する化合物であって、金属塩等の塩を形成していてもよいものである。上記ベンゾトリアゾール系化合物としては特に限定されず、例えば、ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−テトラオクチルフェニル)ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
上記窒素硫黄含有化合物は、窒素原子と硫黄原子とを有する化合物であって、金属塩等の塩を形成していてもよいものである。上記窒素硫黄含有化合物としては特に限定されず、例えば、ベンゾチアゾール系化合物、スルフェンアミド系化合物、チオ尿素類等が挙げられる。上記ベンゾチアゾール系化合物としてはベンゾチアゾールを基本骨格とする化合物であれば特に限定されず、例えば、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジ−2−ベンゾチアゾールジスルフィド、2−(N,N′−ジエチルチオカルバモイルチオ)ベンゾチアゾール、ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド等が挙げられる。
上記スルフェンアミド系化合物としては、スルフェンアミド基を有する化合物であれば特に限定されず、例えば、N,N′−シクロヘキシル−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N′−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N′−ジイソプロピルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド等が挙げられる。
本明細書において、上記スルフェンアミド系化合物は、スルフェンアミド基を有するとともに、ベンゾチアゾールを基本骨格とする構造部分を有する化合物をも含む概念である。
上記チオ尿素類としては窒素原子に結合する水素原子の少なくとも1個が炭素数1〜6の飽和又は不飽和の炭化水素基に置換されていてもよいチオ尿素が好ましく、このようなチオ尿素類としては特に限定されず、例えば、N,N′−ジエチルチオ尿素、N,N′−ジブチルチオ尿素、チオ尿素、N,N′−ジフェニルチオ尿素等が挙げられる。
上記抗酸化性物質(B)としては、基材が酸化膜を形成しやすい酸化膜速形成性金属からなるものである場合、上記窒素含有化合物を用いることが好ましく、上記窒素含有化合物をPASと併用することが基材との接着性を向上させる点で好ましい。上記酸化膜速形成性金属は、少なくとも上記塗料組成物の塗装における焼成により、ステンレスと同程度に酸化膜を形成しやすいものであればよく、基材として上記プライマー組成物を塗布する時点で既に酸化膜を形成しているものであってもよい。上記酸化膜速形成性金属としては、ステンレス等が挙げられる。
上記窒素含有化合物としては、ベンゾチアゾール系化合物が好適に用いられ、ベンゾチアゾール系化合物のなかでも特に、亜鉛との塩である亜鉛系酸化防止剤が好適に用いられる。
上記抗酸化性物質(B)としては、基材が酸化膜遅形成性金属からなるものである場合、上記窒素含有化合物を用いてもよいが、用いなくとも上記塗料組成物の塗装における焼成により基材との接着性に著しい低下は見られない点で、上記窒素含有化合物を用いなくてもよく、基材の酸化を抑制する性質を必ずしも有しないが上述のアミド基の酸化を抑制する性質を有するものを用いることで充分であり、例えば、PASのみを用いてもよい。本明細書において、上記酸化膜遅形成性金属は、ステンレスよりも酸化膜を形成する速度が遅い金属である。上記酸化膜遅形成性金属は、酸化膜形成性の程度が相違する点で、上述の酸化膜速形成性金属とは異なる。上記酸化膜遅形成性金属としては、例えば、アルミニウム、鉄等が挙げられる。
上記抗酸化性物質(B)は、上記アミド基含有性高分子化合物(A)と上記抗酸化性物質(B)との合計の0.1〜20質量%である。20質量%を超えると、熱水処理後の密着力が低下しやすく、0.1質量%未満であると、熱処理後の密着力が低下しやすい。上記抗酸化性物質(B)としては、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。組み合わせて用いる場合、抗酸化性物質(B)の質量は、組み合わせた全ての抗酸化性物質(B)の合計質量である。
上記抗酸化性物質(B)としては、PAS及び/又は窒素含有化合物が好ましく用いられる。
上記抗酸化性物質(B)としてPASを単独で用いる場合、PASは、上記アミド基含有性高分子化合物(A)とPASとの合計の1〜20質量%であることが好ましい。1質量%未満であると、熱処理後の密着力が低下しやすい。20質量%を超えると、熱水処理後の密着力が低下しやすい。好ましい下限は、3質量%、好ましい上限は、18質量%であり、より好ましい下限は5質量%、より好ましい上限は、15質量%である。
上記抗酸化性物質(B)として窒素含有化合物を単独で用いる場合、上記窒素含有化合物は、上記アミド基含有性高分子化合物(A)と上記窒素含有化合物との合計の0.1〜5質量%であることが好ましい。0.1質量%未満であると、熱処理後の密着力が低下しやすい。5質量%を超えると、初期密着力及び熱水処理後の密着力が低下しやすい。より好ましい上限は、3質量%であり、更に好ましい上限は、1質量%である。
上記抗酸化性物質(B)としてPASとその他の抗酸化性物質とを組み合わせて用いる場合、上記PASと上記その他の抗酸化性物質とは、質量比で、PAS:その他の抗酸化性物質=50:50〜99:1となるように組み合わせることが好ましい。上記その他の抗酸化性物質としては、上述の抗酸化性物質(B)のうちPAS以外のものが挙げられ、なかでも、窒素含有化合物が好ましく用いられる。上記その他の抗酸化性物質としては、窒素含有化合物、錫、亜鉛、燐等の金属;硫黄等が挙げられる。
上記フッ素樹脂(C)は、フッ素を有する単量体を重合して得られる重合体からなるものである。
上記フッ素樹脂(C)としては、クロロトリフルオロエチレン〔CTFE〕、トリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン〔TFE〕、ヘキサフルオロプロピレン〔HFP〕、ビニリデンフルオライド〔VdF〕、及び、パーフルオロ(アルキルビニル)エーテル〔PAVE〕からなるフッ素含有単量体群のなかから選ばれる1種又は2種以上のフッ素含有単量体を重合することにより得られた含フッ素重合体からなるものであることが好ましく、この含フッ素重合体は、上記1種又は2種以上のフッ素含有単量体と、エチレン、プロピレン等のフッ素非含有単量体群から選ばれる1種若しくは2種以上のフッ素非含有単量体とを共重合することにより得られたものであってもよい。
上記フッ素樹脂(C)としては、耐蝕性の点でテトラフルオロエチレン系共重合体からなるものであることがより好ましい。
本明細書において、上記「テトラフルオロエチレン系共重合体」は、TFEと、上述のフッ素含有単量体群におけるTFE以外のフッ素含有単量体及び/又はフッ素非含有単量体とを重合し得られた重合体である。上記TFE以外のフッ素含有単量体、並びに、上記フッ素非含有単量体としてはそれぞれ1種又は2種以上用いてもよい。
上記フッ素樹脂(C)としては、融点が上述の塗料組成物の塗装時における焼成の温度未満であり、かつ、この焼成の温度において耐熱性を有するものが更に好ましい。
上記フッ素樹脂(C)としては、耐食性と耐熱性とを兼ね備えている点でパーフルオロ系樹脂が好ましく採用される。
上記パーフルオロ系樹脂は、通常、300℃以上の焼成温度が要求される樹脂であり、パーフルオロオレフィンと、パーフルオロビニルエーテル及び/又は微量共単量体とを重合して得られるパーフルオロ系重合体からなるものである。上記パーフルオロオレフィンとしては特に限定されず、例えば、TFE、HFP等が挙げられる。上記パーフルオロビニルエーテルとしては特に限定されず、例えば、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)等が挙げられる。
上記微量共単量体としては、上記パーフルオロオレフィンでもなくパーフルオロビニルエーテルでもないフッ素含有単量体、並びに/又は、フッ素非含有単量体を1種若しくは2種以上用いることができる。上記パーフルオロ系重合体の分子鎖における上記微量共単量体に由来する繰り返し単位は、上記パーフルオロ系重合体の全単量体単位の10モル%未満であることが好ましい。
上記フッ素樹脂(C)としては、乳化重合若しくは懸濁重合で得たディスパージョン又は粉末を用いることができるほか、更に、粉砕を行い微粉化した微粉末を用いることができる。
上記フッ素樹脂(C)を粉末で用いる場合の平均粒子径は、2〜500μmであることが好ましい。2μm未満であると、塗料貯蔵時にフッ素樹脂同士がブロッキングを起こすため、部分的に密着力の弱い塗膜になる恐れがあり、500μmを超えると、フッ素樹脂層(2)を薄膜とした場合に積層体の表面平滑性に劣る場合がある。フッ素樹脂(C)からなる粒子の平均粒子径の好ましい下限は、5μmであり、好ましい上限は、300μm、より好ましい上限は、200μmである。上記範囲内のように比較的大きい平均粒子径は、例えば、粗粉末、ペレット等を粉砕することより容易に調製することができる。
本明細書において、平均粒子径は、レーザー式測定法によって測定し得られる値である。
上記フッ素樹脂(C)は、塗装時の焼成の温度が300℃以上のものであることが好ましい。上記塗装時の焼成の温度は、一般的に、フッ素樹脂(C)の融点以上の温度である。上記塗装時の焼成は、上記アミド基含有ポリマー前駆体(a2)について上述した「塗料組成物を塗装する際の焼成」と同じものが該当し得る。
上記フッ素樹脂(C)は、上記アミド基含有性高分子化合物(A)と上記抗酸化性物質(B)と上記フッ素樹脂(C)との合計の50〜90質量%であることが好ましい。50質量%未満であると、上記プライマー組成物を塗装して得られたプライマー層(1)と、上記プライマー層(1)上に積層するフッ素樹脂層(2)等のフッ素樹脂からなる層との密着性が悪くなりやすく、90質量%を超えると、上記プライマー層(1)と基材との密着性が悪くなりやすい。より好ましい下限は、60質量%であり、より好ましい上限は、85質量%である。
上記数値範囲は、フッ素樹脂(C)の固形分質量についての値である。上記フッ素樹脂(C)の固形分質量は、上記プライマー組成物を調製するに際し、上記フッ素樹脂(C)を上述のようにディスパージョン等の液状物で配合する場合があるが、この場合、上記液状物中のフッ素樹脂(C)からなる粒子を取り出して得られる粉末の乾燥質量に該当する値である。
上記プライマー組成物は、塗装して得られるプライマー層(1)の造膜性、耐腐蝕性等を向上する目的で、必要に応じ、上記アミド基含有性高分子化合物(A)、抗酸化性物質(B)、又は、フッ素樹脂(C)の何れでもない200℃以上の耐熱性を有するその他の樹脂を配合したものであってもよい。
上記その他の樹脂としては特に限定されず、例えば、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂等が挙げられ、これらは、1種又は2種以上を用いることができる。
上記プライマー組成物は、必要に応じ、塗装作業性や上記プライマー組成物から得られるプライマー層(1)の性質を改善するために、添加剤類を含むものであってもよい。
上記添加剤類としては特に限定されず、例えば、レベリング剤、固体潤滑剤、顔料、光輝材、充填材、顔料分散剤、沈降防止剤、水分吸収剤、表面調整剤、チキソトロピー性付与剤、粘度調整剤、ゲル化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、可塑剤、色分かれ防止剤、皮張り防止剤、スリ傷防止剤、防カビ剤、抗菌剤、抗蝕剤、帯電防止剤、シランカップリング剤等が挙げられる。
本明細書において、上記抗蝕剤は、アミド基の酸化は抑制しないが基材の酸化を抑制する性質を有するものを意味する。
プライマー層(1)は、充填材を含むものであることが好ましい。上記充填材としては特に限定されず、例えば、カーボン繊維、顔料、マイカ、雲母、ガラス粉等が挙げられる。
本発明における上記充填材は、通常、塗膜の焼付け温度で非溶融であり、分解もしない。また、塗膜の樹脂成分と相溶しないものである。
プライマー層(1)は、雲母等の充填材を含むものであると、硬度をもたせることができる。従って、プライマー層(1)が充填材を含むものであると、例えば、フッ素樹脂層(2)を薄膜とする場合や、硬度又は耐磨耗性が求められる厨房用品等の用途において、好適に使用することができる。
上記プライマー組成物は、粉体塗料タイプ又は液状塗料タイプの何れであっても製造可能である。上記プライマー組成物において、上記アミド基含有性高分子化合物(A)及び上記抗酸化性物質(B)は、適当な溶媒に溶解して溶液として用いてもよい。厚みが100μmを超える塗膜を形成する場合、後述のように粉体塗料タイプであることが好ましいが、上記プライマー組成物は、基材に満遍なく塗装することができる点で、液状塗料タイプであることが好ましい。上記液状塗料タイプとしては、フッ素樹脂(C)からなる粒子を分散媒に分散している分散体中に、アミド基含有性高分子化合物(A)及び抗酸化性物質(B)を溶解又は分散しているものであることが好ましく、厚膜化のためには、アミド基含有性高分子化合物(A)からなる粒子と、抗酸化性物質(B)からなる粒子と、フッ素樹脂(C)からなる粒子とを分散媒に分散してなるものであることがより好ましい。上記プライマー組成物は、上述のその他の樹脂を配合した液状塗料タイプである場合、上記分散媒の種類と上記その他の樹脂の溶解性等にもよるが、通常上記その他の樹脂からなる粒子をも上記分散媒に分散してなるものである。
上記分散媒は、水又は有機媒体を用いることができる。上記分散媒として水を用いる場合、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、又は、ノニオン界面活性剤を分散剤として分散させることができるが、得られる塗膜中に残りにくい点で、ノニオン性界面活性剤が好ましく用いられる。上記分散媒として水を用いる場合、また、フッ素系界面活性剤を併用してもよい。
上記有機媒体としては特に限定されず、例えば、1−ブタノール、ジアセトンアルコール等の低級アルコール類;メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸ブチル等のエステル類;N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、メチルエチルベンゼン、プロピルベンゼン、ブチルベンゼン等の芳香族炭化水素類等が挙げられ、1種又は2種以上用いることができる。
上記分散媒としては、更に、水と上記有機媒体との混合溶剤も使用可能である。
上記プライマー組成物は、上述のアミド基含有性高分子化合物(A)及び抗酸化性物質(B)並びに所望により用いる上述のその他の樹脂を上記有機媒体及び/又は水に溶解若しくは分散してなるバインダー樹脂液状物と、フッ素樹脂(C)分散体とを攪拌混合する方法等により調製することができる。上記フッ素樹脂(C)分散体は、上記フッ素樹脂(C)からなる粒子を上述の分散媒で濡らしたのち、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤等の分散剤で分散させて得る方法、上述の分散媒の表面張力をフッ素系界面活性剤等で下げフッ素樹脂(C)からなる粒子を分散させて得る方法等により得ることができる。
上記攪拌混合は、バスケットミル、ダイナモミル、ボールミル等の粉砕分散機を用いて行うことが好ましい。上記プライマー組成物は、上記攪拌混合後、所望により貧溶媒で希釈し粘度調整を行ってもよい。
上記プライマー組成物において、アミド基含有性高分子化合物(A)を粒子の状態として使用する場合、上記アミド基含有性高分子化合物(A)からなる粒子及び上記抗酸化性物質(B)からなる粒子の平均粒子径は、フッ素樹脂(C)からなる粒子の平均粒子径に比べて相対的に小さいことが好ましく、20μm以下であることが好ましい。上記アミド基含有性高分子化合物(A)からなる粒子及び上記抗酸化性物質(B)からなる粒子の平均粒子径は上記範囲内であれば、好ましい下限を0.01μm、より好ましい下限を0.1μmとすることができる。
上記アミド基含有性高分子化合物(A)からなる粒子、上記抗酸化性物質(B)からなる粒子及び上記フッ素樹脂(C)からなる粒子は、上述の粉体塗料タイプにおけるものであってもよいが、特に、これらの各粒子が分散媒に分散している分散体におけるものである場合、上記平均粒子径の条件を満たすことが好ましい。上記プライマー組成物を上述の粉体塗料として用いる場合、上記アミド基含有性高分子化合物(A)からなる粒子及び上記抗酸化性物質(B)からなる粒子の平均粒子径のより好ましい上限は、200μm、更に好ましい上限は、150μmである。上記フッ素樹脂(C)からなる粒子の平均粒子径は、上述のように0.1〜50μmであることが好ましい。
上記プライマー層(1)は、上記プライマー組成物を塗布し、所望により80〜150℃で10〜60分間乾燥を行った後、焼成を行うことにより基材上に形成することができる。
上記プライマー層(1)の塗布の方法としては、上記プライマー組成物が液状塗料タイプである場合、スプレー塗布、ローラーによる塗布等を用いることが好ましく、上記プライマー組成物が粉体塗料タイプである場合、静電塗布、流動浸漬塗布又はロトライニング塗布を用いることが好ましい。
上記プライマー層(1)は、300℃以上の温度における数10時間という長時間の焼成を行った後でも基材との密着力低下が起こりにくいものである。このような優れた耐熱密着性は、従来、クロム系プライマーを用いることによってのみ達成することができたものであるが、上記プライマー層(1)は、バインダー成分の役割を果たす6価クロムや6価クロム化合物を含まなくても優れた耐熱密着性を奏することができる。
上記プライマー層(1)の厚みは、10〜300μmであることが好ましい。上述の液状塗料タイプのプライマー組成物を用いる場合、プライマー層(1)の厚みは10〜100μmであることが好ましく、厚みが100μmを超える塗膜は、粉体塗料タイプのプライマー組成物を用いて得ることが好ましい。
上記プライマー層(1)は、フッ素樹脂(C)を主成分とする第1層、並びに、上記アミド基含有性高分子化合物(A)及び上記抗酸化性物質(B)を主成分とする第2層の2層構造を有する塗膜である。
上記2層構造を有する塗膜は、本明細書において、便宜上「2層構造を有する」というが、実際には、基材近傍ほどアミド基含有性高分子化合物(A)及び抗酸化性物質(B)の濃度が高く、基材から離れるにつれ抗酸化性物質(B)に代わってフッ素樹脂(C)の濃度が高くなり、塗膜の最表面にはフッ素樹脂(C)が高濃度で存在していると考えられる。従って、上記塗膜は、各成分の配合量によっては、フッ素樹脂(C)からなる層と、アミド基含有性高分子化合物(A)及び抗酸化性物質(B)からなる層との間にアミド基含有性高分子化合物(A)及びフッ素樹脂(C)からなるいわば中間層ともいうべき層が存在する場合がある。
本発明のフッ素樹脂含有積層体は、上記プライマー層(1)の第1層上に後述するフッ素化されたパーフルオロポリマー(D)からなるフッ素樹脂層(2)を形成したものであるので、上記第1層中のフッ素樹脂(C)と上記フッ素化されたパーフルオロポリマー(D)との相溶性により、上記プライマー層(1)とフッ素樹脂層(2)との接着性に優れたものとすることができる。
上記プライマー組成物は、上塗り塗料を塗装することに先立ち、基材上に塗装する下塗り用塗料組成物である。本明細書において、プライマー組成物は、プライマーということがある。
上記基材の材質としては特に限定されないが、例えば、金属;鉄、アルミニウム等からなる合金類;耐熱性樹脂;アルミナ、アルミナ/酸化チタン等のセラミックス;ガラス;ほうろう等が挙げられる。
上記金属としては、アルミニウム、鉄、銅等が挙げられる。
上記合金類としては、例えば、ステンレス、アルミニウム/亜鉛合金、アルミニウム/珪素合金、アルミニウム/ニッケル合金、アルミニウム/マグネシウム合金等が挙げられる。
上記上塗り塗料は、塗装して得られる塗装物の用途にもよるが、耐蝕性、非粘着性等のフッ素樹脂の一般的な特性を付与し得る点で、フッ素化されたパーフルオロポリマー(D)からなる塗料であることが好ましい。本明細書において、上記上塗り塗料として上記フッ素化されたパーフルオロポリマー(D)からなる塗料組成物を塗装して得られる塗膜は、フッ素樹脂層(2)である。上記フッ素化されたパーフルオロポリマー(D)については、後述する。
本発明のフッ素樹脂含有積層体は、上記プライマー層(1)上に形成したフッ素化されたパーフルオロポリマー(D)からなるフッ素樹脂層(2)を含むものである。
上記フッ素樹脂層(2)は、プライマー層(1)上に形成した層であるので、プライマー層(1)に接している層である。
パーフルオロポリマーは、一般に、乳化重合等による重合時に重合開始剤、連鎖移動剤等に起因する官能基を主鎖末端及び/又は側鎖末端に有する場合があるが、本発明における上記「フッ素化されたパーフルオロポリマー(D)」は、少しでもフッ素化されたものであればよく、末端官能基が完全に−CFに変化したものであってもよいし、末端官能基の一部が−CFに変化し−COF等の末端官能基が残存しているものであってもよい。
本明細書において、「末端官能基」としては特に限定されず、例えば、−COOR(Rは、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、又は、炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基を表す。)、−COF、−CONH、−CHOH、−COOM、−SO、−SO(M、M及びMは、同一又は異なり、I族原子若しくは1価の陽イオンとなることができる原子団を表す。)、−SO 1/2、−SO 1/2(M及びMは、同一又は異なり、II族原子、鉄等の遷移金属、若しくは、2価の陽イオンとなることができる原子団を表す。)が挙げられる。上記I族原子としては、例えば、水素原子、ナトリウム原子、カリウム原子等が挙げられ、上記1価の陽イオンとなることができる原子団としては、例えば、アンモニウム基等が挙げられる。上記II族原子としては、例えば、カルシウム、マグネシウム等が挙げられる。遷移金属としては、例えば、鉄等が挙げられる。
上記「フッ素化」の方法としては特に限定されず、常法により、フッ素ガスを作用することにより行うことができる。上記フッ素ガスは、通常、窒素ガス等の不活性ガスにより希釈して用いる。上記「フッ素化」の程度は、目的とする層間密着性、工業性等を考慮して、常法により調節することができる。
上記パーフルオロポリマー(D)における末端官能基の量は、炭素数10個あたり80個未満であることが好ましい。より好ましい上限は、40個、更に好ましい上限は、20個、特に好ましい上限は、12個である。
本明細書において、「末端官能基」の量は、赤外分光光度計を用いて測定し、特開昭62−104822号公報記載の方法により得られる値である。
本発明のフッ素樹脂含有積層体は、上記フッ素化されたパーフルオロポリマー(D)を有するフッ素樹脂層(2)を表層とすることにより、表面非粘着性を付与することができる。
上記フッ素化されたパーフルオロポリマー(D)における単量体組成としては、フッ素樹脂(C)を構成するポリマーと同じものを用いてもよいが、テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体〔PFA〕であることが好ましい。
上記プライマー組成物を基材上に塗装し形成されるプライマー層(1)の表面には、フッ素樹脂(C)が多く含まれており、上記プライマー層(1)の表面との相溶性及び接着性を高める意味で、上記プライマー層(1)上に形成するフッ素樹脂層(2)におけるフッ素化されたパーフルオロポリマー(D)としては、フッ素樹脂(C)と同一又は類似の組成を有するフッ素化されたパーフルオロポリマー(D)を用いることが好ましい。
上記フッ素樹脂(C)を構成するポリマーと、パーフルオロポリマー(D)との組み合わせとしては、例えば、フッ素樹脂(C)を構成するポリマーとしてテトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、パーフルオロポリマー(D)としてPFAを用いる組み合わせ、フッ素樹脂(C)を構成するポリマーとしてポリテトラフルオロエチレン、パーフルオロポリマー(D)としてPFAを用いる組み合わせ等が挙げられる。
上記フッ素樹脂層(2)は、上記プライマー組成物の塗装により得られるプライマー層(1)との密着性を高め得る点で、フッ素化されたパーフルオロポリマー(D)とともにフッ素樹脂(C)を含むものであってもよい。
上記プライマー組成物から得られるプライマー層(1)とフッ素樹脂層(2)との密着性は、フッ素樹脂(C)として末端官能基を有するポリマーからなる樹脂を利用することにより向上させることができる。
上記フッ素樹脂(C)を構成するポリマーの末端官能基の量は、フッ素樹脂(C)のポリマー分子鎖中の炭素数100万個あたり50〜100000個の範囲であることが好ましい。50個未満であると、密着力が低下しやすく、100000個を超えると、焼成時の発泡が激しくなり、塗膜欠陥を生じやすい。フッ素樹脂(C)のポリマー分子鎖中の炭素数100万個あたりより好ましい下限は、100個、更に好ましい下限は、500個であり、より好ましい上限は、50000個、更に好ましい上限は、10000個である。
上記フッ素樹脂(C)を構成するポリマー及びフッ素化されたパーフルオロポリマー(D)における末端官能基の量は、通常、適切な触媒、連鎖移動剤及び重合条件を選んで重合することにより調整することができる。
上記フッ素樹脂(C)を構成するポリマーにおける末端官能基の量は、上記末端官能基を有するモノマーを重合することによって増やすことができる。
上記末端官能基を有するモノマーを単量体として重合し得られたフッ素樹脂(C)を構成するポリマーを適宜酸、アルカリ等の反応試剤と反応させること及び熱により処理することにより、上記(末端)官能基は反応試剤及び熱の作用により、化学構造の一部が変化する。
本発明のフッ素樹脂含有積層体は、例えば、上記プライマー組成物を塗装して得られたプライマー層(1)上に、フッ素化されたパーフルオロポリマー(D)からなるフッ素化パーフルオロポリマー塗料組成物を塗装し、フッ素化されたパーフルオロポリマー(D)の融点以上の温度で30〜120分間焼成することにより得られたものであってもよい。
上記フッ素化パーフルオロポリマー塗料組成物は、上記プライマー組成物と同様に、所望の膜厚によって粉体塗料タイプと液状塗料タイプとが使い分けられ、耐食性、厚膜化の観点では、粉体塗料を用いることが好ましい。
上記フッ素化パーフルオロポリマー塗料組成物には、上記プライマー組成物と同様の分散媒、分散剤、添加剤、その他の樹脂等を用いることができる。
フッ素樹脂層(2)は、フッ素化されたパーフルオロポリマー(D)からなる粉体塗料を塗装することにより形成したものであることが好ましい。
フッ素樹脂層(2)は、膜厚が200μm以上であるものであることが好ましい。
上記プライマー組成物は、フッ素樹脂層(2)の膜厚が200μm以上であっても、充分な密着性を保持することができ、高温で長時間の焼成が必要なライニング加工に特に有用である。
本発明のフッ素樹脂含有積層体の用途としては、例えば、各種物品におけるコーティングに好適である。上記各種物品としては特に限定されず、例えば、攪拌翼、タンク内面、ベッセル、塔、遠心分離器、ポンプ、バルブ、配管、熱交換器、メッキ冶具、タンクローリー内面、スクリューコンベア等の耐蝕用途;半導体工場ダクト等の半導体関連用途;OAロール、OAベルト、製紙ロール、フィルム製造用カレンダーロール、インジェクション金型等の工業用離型用途;厨房用品;各種ギアを含む精密機構摺動部材、製紙ロール、カレンダーロール、金型離型部品、ケーシング、バルブ、弁、パッキン、コイルボビン、オイルシール、継ぎ手、アンテナキャップ、コネクター、ガスケット、バルブシール、埋設ボルト、埋設ナット等の工業部品関連用途等が挙げられ、なかでも、厨房用品におけるコーティングに好適である。上記厨房用品としては、例えば、炊飯釜、ポット、ホットプレート、アイロン、フライパン、ホームベーカリー、パントレー、ガステーブル天板、パン天板、鍋、釜の調理器具、厨房内壁、床、換気扇、冷蔵庫、油等の貯蔵容器が挙げられ、なかでも、IH(Induction Heating)用の厨房用品に好適である。
本発明のフッ素樹脂含有積層体の用途としては、例えば、
従来のPAIエナメル線と比較し耐加工劣化性に優れる点で、耐熱エナメル線等の各種電線の被覆材用途;
情報機器部品(紙分離爪、プリンタガイド、ギア、ベアリング)、コネクタ、バーニインソケット、ICソケット、油田用電気部品、リレー、電磁波シールド、リレーケース、スイッチ、カバー、端子板母線等の電気・電子産業関連用途;
バルブシート、油圧用シール、バックアップリング、ピストンリング、ウェアバンド、ベーン、ボールベアリングリテーナー、ローラー、カム、ギア、ベアリング、ラビリンスシール、ポンプ部品、機械的リンク機構、ブッシング、ファスナ、スプラインライナー、ブラケット、油圧ピストン、ケミカルポンプケーシング、バルブ、弁、タワーパッキン、コイルボビン、パッキン、コネクター、ガスケット、バルブシール等の機械工業関連用途;
スラストワッシャ、シールリング、ギア、ベアリング、タペット、エンジン部品(ピストン、ピストンリング、バルブステア)、トランスミッション部品(スプール弁、ボール逆止弁、シーリング)、ロッカーアーム等の車両工業関連用途;
ジェットエンジン部品(ブッシング、ワッシャ、スペーサー、ナット)、パワーコントロールクラッチ、ドアヒンジ用ベアリング、コネクター、チューブクランプ、ブラケット、油圧部品、アンテナ、レドーム、フレーム、燃料系統部品、コンプレッサ部品、ロケットエンジン部品、ウェアストリップ、コネクタシェルフ、宇宙構造体等の航空、宇宙産業関連用途等が挙げられる。
本発明のフッ素樹脂含有積層体の用途としては、ほかにも、製罐機ピンカバー、メッキ装置用部品、原子力関連部品、超音波トランデューサ、ポテンショメータシャフト、給水栓部品等の用途等が挙げられる。
本発明のフッ素樹脂含有積層体は、上述の構成よりなるので、バインダー成分の役割を果たす6価クロムを含まず、高温で長時間焼成を行ってもプライマー層とフッ素樹脂層との密着性に優れ、耐久性を有するものとすることができる。
以下に実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1
ポリアミドイミド樹脂〔PAI〕(商品名:HI−680、日立化成工業社製、30%N−メチル−2−ピロリドン溶液)10.00g、テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニル)エーテル共重合体〔PFA〕(融点:305℃、平均粒子径:25μm)6.66g、ポリフェニレンサルファイド樹脂〔PPS〕(商品名:ライトンV−1、フィリップス社製、平均粒子径:80μm)0.33gをN−メチル−2−ピロリドン 13.80g、メチルイソブチルケトン9.20gの混合溶剤に加え、ディスパー(商品名:スリーワンモーター、新東科学社製)を用いて溶解分散してプライマ−組成物(A)を得た。
アルミナ粉(商品名:トサエメリー#40、宇治電化学工業社製)を用いて吹き付け圧力1.0MPaでブラスト処理したIH炊飯釜(5合用、平均粗さ〔Ra〕=2〜3μm、東芝社製)上に、上記プライマ−組成物(A)を乾燥膜厚が25μmになるようにスプレー塗装し、120℃で30分間乾燥した。
得られた上記プライマ−組成物(A)の乾燥皮膜上に、末端官能基が炭素数10個あたり10個であるフッ素化されたテトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体〔PFA〕からなる粉体塗料(B)(平均粒子径=25μm、メルトフローレート=25g/10分)を、焼成後の膜厚合計が60μmになるように、炊飯釜の表面積を1005cmとして計算し13gを粉体静電塗装機(商品名:GX3300型、オノダ社製)を用いて印加電圧40kVで静電塗装し、380℃で40分間焼成して本発明のフッ素樹脂含有積層体を得た。
得られたフッ素樹脂含有積層体の表面に対し、以下のような評価を行った。
非粘着性評価
コメ1合炊飯直後、釜を上下逆さにして高さ5cmから落下させ、ご飯の落ち方と釜内壁への付着状態を目視により観察し、下記基準に従って評価した。
○:ご飯の付着がほとんどない
△:ご飯の付着が少し残る
×:ご飯の付着がかなり残る
おでんの素耐食性
IH炊飯釜(5合用、平均粗さ〔Ra〕=2〜3μm、東芝社製)の塗膜表面にカッターナイフでクロスカットによって基材に達する切れ目を入れた。このIH炊飯釜におでんの素(エスビー食品社製)20%水溶液を入れ70℃に保温して、ブリスタの発生等異常の有無を100時間毎に目視により観察した。ブリスタの発生等異常がない塗膜を維持した時間を表1に示す。
比較例1
プライマ−組成物(A)をポリアミドイミド樹脂プライマ−(C)(商品名:PR914AR、デュポン社製)に代えた以外は、実施例1と同様の操作を行った。
比較例2
末端官能基数が炭素数10個あたり180個であるフッ素化されていないPFA粉体塗料(D)を用いた以外は実施例1と同様にして積層体を作製した。
Figure 0004428142
表1から、プライマー組成物(A)と、上塗り塗料としてフッ素化されたPFA粉体塗料とを用いた実施例1は、非粘着性、おでんの素耐蝕性ともに優れているが、プライマー組成物としてポリアミドイミド樹脂プライマー(C)を用いた比較例1は、耐蝕性に劣り、また、上塗り塗料に末端官能基が上記範囲内であるフッ素化されていないPFAを用いた比較例2は、非粘着性に劣っていることがわかった。
実施例2
基材として、炊飯釜の代わりにアルミニウム合金板(縦100mm×横50mm×厚さ1.5mm)を用いて、実施例1と同様にプライマ−組成物の塗装を行った。次に、実施例1で用いたPFA粉体塗料(B)の静電塗装(40kV)と焼成(380℃で40分)とを繰り返し、300μmの粉体塗膜を形成することによりフッ素樹脂含有積層体を作製した。
実施例3
実施例2と同じプライマー塗装を行った後、PFA粉体塗料(B)の代わりに、フッ素化されたPFAフィルム(E)(厚み300μm、末端官能基数=炭素数10個あたり15個)を載置して350℃で10kgf/cm加圧し、次に380℃で40分間焼成してフッ素樹脂含有積層体を作製した。
比較例3
ポリエーテルスルホン(商品名:VICTREX5003P、ICI社製)25質量%、ポリアミドイミド(商品名:トライトン、AMOCO社製)25質量%、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体〔FEP〕45質量%及びアルミニウム粉末5質量%をN−メチル−2−ピロリドンとジアセトンアルコールとの混合溶剤(2:1)中に分散させて、プライマ−組成物(F)を得た。プライマ−組成物(F)を用いたこと以外は、実施例2と同様の操作を行った。
比較例4
PFA粉体塗料(B)の代わりに、末端官能基数が炭素数10個あたり180個であるPFA粉体塗料(D)を用いた以外は実施例2と同様にして積層体を作製した。
拭き取り試験
砂糖と醤油を1:1の質量比で混合し、作成した積層体上に1ml載置し、280℃で30分間加熱し、焦げ付かせた。次に、濡れタオルを用いて焦げ付きを10往復拭いたあと、積層体の表面を目視観察し、下記基準に従って評価した。
○ 完全に焦げ付きがとれた
△ わずかに焦げ付きが残った
× かなり焦げ付きが残った
張り合わせ密着性
縦100mm×横10mmのアルミ板の半分に、実施例2と同様の方法でプライマ−塗装を行った上に、実施例2、3及び比較例3、4で得られたフッ素樹脂含有積層体を張り合わせた後、350℃で1時間焼成して試験片を作製した。その後、試験片に対して、JIS K 6850(1999年)に準拠して引張剪断接着強さを測定した。
Figure 0004428142
表2から、プライマー組成物(A)と、上塗り塗料としてフッ素化されたPFA粉体塗料又はフッ素化されたPFAフィルムを用いた実施例2〜3は、非粘着性、引張剪断接着強さともに優れているが、抗酸化性物質を含まないプライマー組成物を用いた比較例3は、引張剪断接着強さが著しく劣り、また、上塗り塗料に末端官能基が上記範囲内であるフッ素化されていないPFAを用いた比較例2は、非粘着性に劣っていることがわかった。
本発明のフッ素樹脂含有積層体は、例えば、厨房用品として好適に用いることができる。

Claims (6)

  1. プライマー組成物を塗装することにより得られるプライマー層(1)、及び、前記プライマー層(1)上に形成したフッ素樹脂層(2)を含むフッ素樹脂含有積層体であって、
    前記プライマー組成物は、アミド基を有しているか又はアミド基を有することとなるアミド基含有性高分子化合物(A)、前記アミド基の酸化を抑制することができる抗酸化性物質(B)、及び、フッ素樹脂(C)からなる塗料組成物であり、
    前記アミド基含有性高分子化合物(A)は、アミド基と芳香環とを有しているアミド基含有ポリマー(a1)、及び/又は、前記プライマー組成物を塗装する際の焼成により前記アミド基含有ポリマー(a1)に変化するアミド基含有ポリマー前駆体(a2)であり、
    前記抗酸化性物質(B)は、前記アミド基含有性高分子化合物(A)と前記抗酸化性物質(B)との合計の0.1〜20質量%であり、
    前記抗酸化性物質(B)は、ポリアリレンサルファイドであり、
    前記フッ素樹脂層(2)は、フッ素化されたパーフルオロポリマー(D)からなる
    ことを特徴とするフッ素樹脂含有積層体。
  2. パーフルオロポリマー(D)は、テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体である請求項1記載のフッ素樹脂含有積層体。
  3. パーフルオロポリマー(D)は、末端官能基が炭素数10個あたり80個未満である請求項1又は2記載のフッ素樹脂含有積層体。
  4. フッ素樹脂(C)からなる粒子は、平均粒子径が2〜500μmである請求項1、2又は3記載のフッ素樹脂含有積層体。
  5. プライマー層(1)は、充填材を含む請求項1、2、3又は4記載のフッ素樹脂含有積層体。
  6. 厨房用品におけるコーティングである請求項1、2、3、4又は5記載のフッ素樹脂含有積層体。
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