JP4427270B2 - 慢性肺疾患治療剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、慢性肺疾患に対して強力に炎症抑制、細胞死抑制をもたらし、生体内において長時間に渡ってその効果を示すことが可能である PACAP/VIP 誘導体及びこれを含有する医薬組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、高齢者の慢性肺疾患、特に慢性閉塞性肺疾患(Chronic Obstructive Pulmonary Disease: COPD)の罹患率は急上昇し、1999 年の死因順位表(厚生労働省発表)では第 10 位に位置している(非特許文献1)。国内での患者数は約 22 万人と報告されているが、米国では約 1600 万人とその数は非常に多く、我が国では診断されていない潜在的な高齢の COPD 患者は非常に多いものと推測される。COPD は「傷害性物質に対する異常な炎症反応によってもたらされた非可逆性の気流閉塞が進行性にみられる」として病態生理学的に定義づけられており、これらの病態形成に関与する病変としては、気道の過分泌をもたらす中枢気道病変、固定性気道閉塞をもたらす末梢気道病変、そして肺胞系の気腫病変がある(非特許文献2)。特に、末梢気道や肺実質では、重度な症状になると細胞死による組織断裂あるいは繊維化がみられ、気管支喘息の症状とは大きく異なっている。この組織破壊に寄与しているのはアポトーシスであり、特に好中球浸潤とそれに伴うエラスターゼの過剰化が大きな役割を担っているものと考えられている。この COPD について、その発症要因として最も重要な因子として喫煙があげられており、実効のある予防方法としての禁煙指導が日常臨床上重視されつつある。また、その他の因子としては遺伝的素因、気道の反応性亢進、肺の成長、職場での傷害物質暴露、室内外での汚染物質吸入、感染などが挙げられる(非特許文献3)。COPD に対する薬剤投与療法として、ベータ作動薬、抗コリン剤、キサンチン製剤、そしてステロイド剤と、一般的な喘息治療薬がそのまま適用されているのが現状であるが、これらは COPD 等によって誘起される症状の緩和であって、病変進行抑制あるいは病変改善にはなりえない(非特許文献4)。それ故、COPD 罹患に伴う肺組織の異常化を抑制しうる薬剤の開発が強く望まれているところである。
【0003】
一方、VIP(血管作動性腸管ペプチド;Vosoactive Intestinal Peptide)は、脳−腸管ペプチドと呼ばれ、血流促進、血圧低下作用をもつ生理活性ペプチドの一種である。このVIPは、ブタ腸管から抽出されており、28個のアミノ酸残基からなる(非特許文献5)。また、PACAP(下垂体アデニレートシクラーゼ活性化ペプチド; Pituitary Adenylate Cyclase Activating Polypeptide) は、羊の視床下部から下垂体培養細胞のアデニル酸シクラーゼを活性化させるバイオアッセイ系を指標にして単離され構造決定された38個のアミノ酸残基よりなるペプチドであり、PACAP38と、PACAP27の2種類がある(非特許文献6)。このPACAPのN末端側から27個のアミノ酸配列はVIPと極めて類似した構造を有している。また、VIPとPACAPのアミノ酸配列は、セクレチン、グルカゴン等に類似していることから、グルカゴン−セクレチンスーパーファミリーに属するペプチドとされている。これら PACAP および VIP は PACAP/VIP レセプターを介してその生理作用を示すが、この PACAP/VIP レセプターは生体内において広い分布を示し、それ故 PACAP/VIP は多くの生理活性を有することが報告されている。
【0004】
これらの薬理活性を高める目的で、本発明者らは先に、酵素耐性を新規機能として保持させた PACAP/VIP 誘導体を創製し(特許文献1)、実際にこれらがトリプシン等生体内ペプチダーゼによる代謝に対して優れていること(非特許文献7)、さらには気管支拡張作用を指標としてこれらの誘導体が著しい薬効持続作用を有することを明らかにした(非特許文献8)。
【0005】
【特許文献1】
特開平8-333276号公報
【非特許文献1】
石井 健男ら、「日本老年医学会雑誌」2002 年 39 巻 p. 308
【非特許文献2】
青柴 和徹ら、「日本臨床」1999 年 57 巻 p. 42
【非特許文献3】
永井 厚志ら、「日本内科学会雑誌」2002 年 91 巻 p. 137
【非特許文献4】
木田 厚瑞ら、「呼吸ケアのデザイン」(日本医事新報社発行)2001 年
【非特許文献5】
サイド (Said, S.I) ら、「サイエンス (Science)」(米国)1970 年 169 巻 p.1217
【非特許文献6】
宮田 篤郎ら、「バイオケミカル アンド バイオフィジカル リサーチ コミュニケーションズ (Biochemical and biophysical research communications)」(米国)1989 年 164 巻 p.567
【非特許文献7】
樫本 和久ら、「ペプチド ケミストリー(Peptide Chemistry)」 1996年 p.249
【非特許文献8】
吉原 重美ら、「ペプチド(Peptides)」 (米国) 1998年 19巻 p.593;吉原 重美ら、「ブリティッシュ ジャーナル オブ ファーマコロジー(British Journal of Pharmacology)」 1997年 121巻 p.1730
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、慢性肺疾患、特に COPD に対して肺組織保護・進行防止等治療を目的として臨床使用できる PACAP/VIP 誘導体を含有する医薬組成物を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らはCOPD の原因物質とされるタバコの煙毒性に着目し、この毒性を評価するための実験系の構築を行った。その結果、タバコ煙抽出液をラット肺胞由来細胞に添加することにより、著しい炎症反応と、それに伴うアポトーシスの発現およびアポトーシス時の DNA 断片化を実行する Caspase-3 の活性化を確認し、この実験系が COPD の病態と高い関連性を有することを明らかにした。
【0008】
さらに、タバコ煙抽出液と共に種々のペプチド性ならびに非ペプチド性薬剤を共存させ、その効果を観察し、ついにはタバコ煙毒性に対して VIP および PACAP が有効であることを確認するに至った。
【0009】
この薬理効果については、特に VIP が有効であり、このことは肺胞上皮細胞に、VIP に特異的な受容体が発現している事実に起因するものと考えられる。さらに本研究者らは、鋭意研究の結果、VIP および PACAP 誘導体が天然型両ペプチドよりも有意に COPD 様症状改善効果が強く、継続的に薬効を発揮しうる事実を見出すに至った。本発明者らは、先に溶液中での安定性を飛躍的に向上させたPACAP/VIP誘導体を開発し、薬理効果の延長を可能とすることに成功した(特願2002-344523)。従って、この長時間作動型 PACAP/VIP 誘導体は医薬応用において極めて有用なものであり、特にCOPDに対する薬理作用を目的とした薬剤として特に有効である。また、PACAP と VIP の最小活性単位は共に N 末端より 23 残基であることが公知の事実となっており(Kitada, C. et al., Peptide Chemistry 1990, 1991, 239-244, Onoue, S. et al., Peptide Chemistry 2002, 2003, 225-228)、上記 PACAP および VIP 誘導体群についても N 末端より 23 残基以上あれば PACAP/VIP の生理・薬理効果が期待できる。
【0010】
さらに本発明者らは上記ペプチドが、天然型VIP及びPACAPと同様、またはそれ以上の高い生理活性を有すると共に、高い安定性を有することを見出すに到った。
【0011】
すなわち、本発明は以下の(1)〜(17)の発明を提供する。
(1) 下記式(I):
His-Ser-Asp-A-B-Phe-Thr-C-D-Tyr-
E-Arg-F-Arg-G-Gln-H-Ala-Val-I- (I)
J-Tyr-Leu-K-L-M-N (配列番号1)
(式中、A は、Ala または Gly;B はVal または Ile;C は、Asp、 Glu または Ala;D は、Asn または Ser;E は、Thr または Ser;F は、Leu または Tyr;G,I,J は Lys または Arg;H は、Met、Leu または nLeu;K は、Asn、Ala または化学結合;L は Ser、Ala または化学結合;M は、Ile、Valまたは化学結合;N は、化学結合、Leu,Leu-Asn,Leu-Asn-Gly, Leu-Asn-Gly-Lys, Leu-Asn-Gly-Arg, Leu-Asn-Gly-Lys-Lys, Leu-Asn-Gly-Lys-Arg, Leu-Asn-Gly-Arg-Arg, Leu-Gly,Leu-Gly-Lys,Leu-Gly-Arg,Leu-Gly-Lys-Lys,Leu-Gly-Lys-Arg,Leu-Gly-Arg-Arg,Leu-Gly-Lys-Arg-Tyr-Lys-Gln-Arg-Val-Lys-Asn-Lys,Leu-Gly-Arg-Arg-Tyr-Arg-Gln-Arg-Val-Arg-Asn-Arg、またはLeu-Gly-Lys-Arg-Tyr-Lys-Pro-Lys-Arg-Arg-Asn-Ser-Gly-Arg-Arg-Val-Phe-Tyrを表す。)
で示されるアミノ酸配列のN末端より少なくとも23残基からなるアミノ酸配列で示され、C 末端アミノ酸のα位カルボキシル基がNH2で修飾されているかまたはされていないペプチド、または薬学的に許容されるその塩を含有する慢性肺疾患治療剤。
(2) 前記ペプチドが、一般式 (I) においてA が Ala、B が Val、C が Asp、D が Asn、E が Thr、F がLeu、G, I, J が Lys、H が Met、K が Asn、L が Ser、M が Ile、N が Leu-Asnであるアミノ酸配列のN 末端より少なくとも 23 残基のアミノ酸配列で示され、C末端が-NH2で修飾されたペプチドである、請求項1に記載の慢性肺疾患治療剤。(ペプチド 1等が相当)
(3) 前記ペプチドが、一般式 (I) においてA が Ala、B が Val、C が Asp、D が Asn、E が Thr、F がLeu、G, I, J が Arg、H が Leu、K が Asn、L が Ser、M が Ile、N が Leu-Asnであるアミノ酸配列のN 末端より少なくとも 23 残基のアミノ酸配列で示され、C末端が-NH2で修飾されたペプチドである、請求項1に記載の慢性肺疾患治療剤。(ペプチド 2等)
(4) 前記ペプチドが、一般式 (I) においてA が Ala、B が Val、C が Asp、D が Asn、E が Thr、F がLeu、G, I, J が Arg、H が Leu、K が Asn、L が Ser、M が Ile、N が Leu-Asn-Gly-Arg-Argであるアミノ酸配列のN 末端より少なくとも 23 残基のアミノ酸配列で示され、C末端が-NH2で修飾されたペプチドである、請求項1に記載の慢性肺疾患治療剤。(ペプチド 4等)
(5) 前記ペプチドが、一般式 (I) においてA が Ala、B が Val、C が Asp、D が Asn、E が Thr、F がLeu、G, I, J が Arg、H が Leu、K、L、M、N が化学結合であるアミノ酸配列で示され、C末端が-NH2で修飾されたペプチドである、請求項1に記載の慢性肺疾患治療剤。(ペプチド 6等)
(6) 前記ペプチドが、一般式 (I) においてA が Ala、B が Val、C が Asp、D が Asn、E が Thr、F がLeu、G, I, J が Arg、H が Leu、K が Ala、L が Ala、M が Ile、N が Leu-Gly-Arg-Argであるアミノ酸配列のN 末端より少なくとも 23 残基のアミノ酸配列で示され、C末端が-NH2で修飾されたペプチドである、請求項1に記載の慢性肺疾患治療剤。(ペプチド 8等)
(7) 前記ペプチドが、一般式 (I) においてA が Ala、B が Val、C が Glu、D が Asn、E が Thr、F がLeu、G, I, J が Arg、H が Leu、K が Ala、L が Ala、M が Ile、N が Leu-Gly-Arg-Argであるアミノ酸配列のN 末端より少なくとも 23 残基のアミノ酸配列で示され、C末端が-NH2で修飾されたペプチドである、請求項1に記載の慢性肺疾患治療剤。(ペプチド 17等)
(8) 前記ペプチドが、一般式 (I) においてA が Ala、B が Val、C が Ala、D が Asn、E が Thr、F がLeu、G, I, J が Arg、H が Leu、K が Ala、L が Ala、M が Ile、N が Leu-Gly-Arg-Argであるアミノ酸配列のN 末端より少なくとも 23 残基のアミノ酸配列で示され、C末端が-NH2で修飾されたペプチドである、請求項1に記載の慢性肺疾患治療剤。(ペプチド 19等)
(9) 前記ペプチドが、一般式 (I) においてA が Gly、B が Ile、C が Asp、D が Ser、E が Ser、F がTyr、G, I, J が Lys、H が Met、K が Ala、L が Ala、M が Val、N が Leu であるアミノ酸配列のN 末端より少なくとも 23 残基のアミノ酸配列で示され、C末端が-NH2で修飾されたペプチドである、請求項1に記載の慢性肺疾患治療剤。(ペプチド 22等)
(10) 前記ペプチドが、一般式 (I) においてA が Gly、B が Ile、C が Asp、D が Ser、E が Ser、F がTyr、G, I, J が Lys、H が Met、K が Ala、L が Ala、M が Val、N が Leu-Gly-Lys-Arg-Tyr-Lys-Gln-Arg-Val-Lys-Asn-Lys であるアミノ酸配列のN 末端より少なくとも 23 残基のアミノ酸配列で示され、C末端が-NH2で修飾されたペプチドである、請求項1に記載の慢性肺疾患治療剤。(ペプチド 23等)
(11) 前記ペプチドが、一般式 (I) においてA が Gly、B が Ile、C が Asp、D が Ser、E が Ser、F がTyr、G, I, J が Arg、H が Leu、K が Ala、L が Ala、M が Val、N が Leu であるアミノ酸配列のN 末端より少なくとも 23 残基のアミノ酸配列で示され、C末端が-NH2で修飾されたペプチドである、請求項1に記載の慢性肺疾患治療剤。(ペプチド 24等)
(12) 前記ペプチドが、一般式 (I) においてA が Gly、B が Ile、C が Asp、D が Ser、E が Ser、F がTyr、G, I, J が Arg、H が Leu、K が Ala、L が Ala、M が Val、N が Leu-Gly-Lys-Arg であるアミノ酸配列のN 末端より少なくとも 23 残基のアミノ酸配列で示され、C末端が-NH2で修飾されたペプチドである、請求項1に記載の慢性肺疾患治療剤。(ペプチド 25等)
(13) 前記ペプチドが、一般式 (I) においてA が Ala、B が Ile、C が Asp、D が Ser、E が Ser、F がTyr、G, I, J が Arg、H が Leu、K が Ala、L が Ala、M が Val、N が Leu-Gly-Arg-Arg であるアミノ酸配列のN 末端より少なくとも 23 残基のアミノ酸配列で示され、C末端が-NH2で修飾されたペプチドである、請求項1に記載の慢性肺疾患治療剤。(ペプチド 27等)
(14) 前記ペプチドが、一般式 (I) においてA が Ala、B が Ile、C が Asp、D が Ser、E が Ser、F がTyr、G, I, J が Arg、H が Leu、K が Ala、L が Ala、M が Val、N が Leu-Gly-Arg-Arg-Tyr-Arg-Gln-Arg-Val-Arg-Asn-Arg であるアミノ酸配列のN 末端より少なくとも 23 残基のアミノ酸配列で示され、C末端が-NH2で修飾されたペプチドである、請求項1に記載の慢性肺疾患治療剤。(ペプチド 31等)
(15) 前記ペプチドが、一般式 (I) においてA が Ala、B が Ile、C が Asp、D が Ser、E が Ser、F がTyr、G, I, J が Arg、H が Leu、K、L、M、N が化学結合であるアミノ酸配列で示され、C末端が-NH2で修飾されたペプチドである、請求項1に記載の慢性肺疾患治療剤。(ペプチド 35等)
(16) 慢性肺疾患が慢性閉塞性肺疾患または肺気腫である、(1)〜(15)に記載の医薬組成物。
(17) 経口製剤、粉末吸入製剤、粉末点鼻製剤、眼局所投与剤、または塗布剤である、(16)に記載の医薬組成物。
以下、本発明を具体的に説明する。
【0012】
【発明を実施するための形態】
本発明の高安定性ペプチド誘導体は、具体的には一般式(I)に記載のアミノ酸配列のN末端より少なくとも23残基からなるアミノ酸配列で示され、C 末端アミノ酸のα位カルボキシル基がNH2で修飾されているかまたはされていないペプチドであり、N末端のアミノ基はアセチル基、ステアリル基等の各種アシル基、ポリエチレングリコール、ヒアルロン酸等の高分子、さらにはデンドリマー等が結合していても良い。C 末端については、-OH、-NH2、あるいは N-メチルアミドや N-エチルアミド等で修飾されていても良いが望ましくは-NH2 である。
【0013】
本発明に用いられるペプチドの代表例を表1に示した。ここに示したペプチド 1〜36 は、後記配列表の配列番号2〜37に対応するペプチドである。ただし、ペプチド 5,6,18,20,34,35,36は 23 残基のアミノ酸配列からなるペプチドであり、ペプチド 9, 29, 36 は N 末端アミノ基にアセチル基が、そしてペプチド 10 の N 末端アミノ基にはステアリル基が結合している。尚、表中の空欄は化学結合であることを示す。
【0014】
【表1】
【0015】
上記ペプチドは、使用の際にはその N 末端に極性物質または非極性物質(脂肪酸、アシル基等)を結合させて分子の極性を変化させたり、ポリエチレングリコール、グルコサミノグリカン(ヒアルロン酸等)の高分子を結合させて酵素耐性を増強したり、リポソーム基質に結合させてリポソームに封入したり、あるいは脂質膜表面に固定することもできる。アシル基の導入は、その活性の向上のみならず、自己凝集を抑制することが当業者間で知られている。
【0016】
本発明に使用するペプチドは、特に限定するものではないが、公知のペプチド合成の常法に従って合成できる。例えば「ザ.ペプチド(The Peptides)」第1巻(1966年) [Schreder and Luhke 著、Academic Press, New York, U.S.A.] 、あるいは「ペプチド合成」[泉屋ら著、丸善株式会社(1975年)]の記載に従い、具体的には、アジド法、酸クロライド法、酸無水物法、混合酸無水物法、DCC法、活性エステル法(P-ニトロフエニルエステル法、N−ヒドロキシコハク酸イミドエステル法、シアノメチルエステル法など)、ウッドワード試薬Kを用いる方法、カルボイミダゾール法、酸化還元法、DCC−アディティブ(HONB、HOBt、HOSu)法など、各種の方法により合成することができる。これらの方法は、固相合成及び液相合成のいずれにも適用できる。
【0017】
本発明においてペプチド合成は、上記のような一般的なポリペプチドの合成法に従って、例えば末端アミノ酸に順次1個ずつアミノ酸を縮合させるいわゆるステップワイズ法によって、または数個のフラグメントに分けてカップリングさせていく方法により行われる。
【0018】
例えばステップワイズ法による固相合成は、具体的には、メリフィールド(Merrifield.R.B.)の方法 [Solid phase peptide synthesis, J.Amer.Chem.Soc., 85, 2149-2159 (1963)]に従い、以下のようにして行うことができる。まず、C末端アミノ酸(アミノ基を保護したもの)をそのカルボキシル基によって不溶性樹脂に結合させ、その後、該C末端アミノ酸のアミノ基の保護基を除去する。次いで、得られたこの遊離の反応性アミノ基に、目的とするペプチドのアミノ酸配列に従って、アミノ基を保護したアミノ酸の反応性カルボキシル基を縮合反応により順次結合させる。このようにして一段階ずつ全配列を合成した後、ペプチドを不溶性樹脂からはずす。
【0019】
上記の固相合成において用いられる不溶性樹脂は、反応性カルボキシル基との結合性を有するものであればいずれをも使用でき、例えばベンズヒドリルアミン樹脂(BHA樹脂)、クロルメチル樹脂、オキシメチル樹脂、アミノメチル樹脂、メチルベンズヒドリル樹脂(MBHA樹脂)、4−アミノメチルフェノキシメチル樹脂、4−ヒドロキシメチルフェノキシメチル樹脂、4−オキシメチルフェニルアセタミドメチル樹脂などが挙げられる。
【0020】
また、α−アミノ基の保護基として9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基(Fmoc)を使用する場合は4−ヒドロキシメチルフェノキシメチル樹脂など、トリフルオロ酢酸(TFA)によって樹脂から脱離できるものがよく、t−ブトキシカルボニル基(Boc)を使用する場合は4−オキシメチルフェニルアセタミドメチル樹脂(PAM樹脂)など、フッ化水素などによって樹脂から脱離できるものがよい。樹脂1g当りペプチド濃度は0.5mmole以下とすることが好ましい。
【0021】
上記の方法においては、アミノ酸のペプチド結合に関与するアミノ基への保護基の結合及び該保護基の脱離、ならびにアミノ酸のペプチド結合に関与するカルボキシル基の活性化が必要である。
【0022】
アミノ基の保護基として、例えば、ベンジルオキシカルボニル(Z)、t−ブトキシカルボニル(Boc)、t−アミノオキシカルボニル(Aoc)、イソボニルオキシカルボニル、p-メトキシベンジルオキシカルボニル、2−クロル−ベンジルオキシカルボニル、アダマンチルオキシカルボニル、トリフルオロアセチル、フタロイル、ホルミル、o-ニトロフェニルスルフェニル、ジフェニルホスフイノチオイルなどの基が挙げられる。
【0023】
また、アミノ酸の中で、側鎖に官能基を有するもの、例えばHis、Tyr、Thr、Lys、Asp、Arg及びSerは、その側鎖の官能基を保護しておくのが好ましい。官能基の保護は、通常用いられている方法で、下記のような通常の保護基を結合させることにより行われ、反応終了後、該保護基は脱離される。
【0024】
Hisのイミノ基の保護基としては、例えばベンジルオキシメチル(Bom)、p-トルエンスルホニル(Tos)、ベンジル(Bzl)、ベンジルオキシカルボニル(Z)、トリチル基などが挙げられる。
【0025】
Ser及びThrの水酸基は、例えばエステル化またはエーテル化によって保護することができるが、この保護は必須ではない。エステル化に適する基としては、アセチルなどの低級アルカノイル基、ベンゾイルなどのアロイル基、ベンゾイルオキシカルボニル、エチルオキシカルボニルなどの炭酸から誘導される基などが挙げられる。またエーテル化に適する基としては、ベンジル(Bzl)、テトラヒドロピラニル、tert−ブチル基などが挙げられる。
【0026】
Tyrの水酸基の保護基としては、例えばベンジル(Bzl)、ブロモベンジルオキシカルボニル(Br-Z) 、ジクロロベンジル(Cl2-Bzl) 、ベンジルオキシカルボニル(Z)、アセチル、p-トルエンスルホニル(Tos)基などが挙げられる。
【0027】
Lysのアミノ基の保護基としては、例えばベンジルオキシカルボニル(Z)、クロロベンジルオキシカルボニル(Cl-Z) 、ジクロロベンジル(Cl2-Bzl)、t−ブトキシカルボニル基(Boc)、p-トルエンスルホニル(Tos)基などが挙げられる。
【0028】
Argのグアニジノ基の保護基としては、例えばp-トルエンスルホニル(Tos)、ニトロ、ベンジルオキシカルボニル(Z)、t−アミルオキシカルボニル(Aoc)基などが挙げられる。
【0029】
Aspのカルボキシル基の保護は、例えばベンジルアルコール、メタノール、エタノール、tert−ブタノール、シクロヘキシル(cHex)などによるエステル化により行われる。
【0030】
その他のアミノ酸の保護基として、Trpのインドリル基の保護基としては、例えばホルミル、カルボベンゾキシル、4-メトキシ-2,3,6-トリメチルベンゼンスルホニル、2,2,2-トリクロロエチルオキシカルボニルなどが挙げられるが、この保護は必須ではない。
【0031】
Metのチオメチル基の保護基としては予めメチルスルホキシドにしておき、後に還元する方法があるが、この保護は必須ではない。
【0032】
一方、カルボキシル基の活性化は、従来公知の方法にて行うことができ、用いられる試薬なども公知のものから適宜選択しえる。例えば、カルボキル基の活性化は、該カルボキシル基と種々の試薬とを反応させ、対応する酸クロライド、酸無水物または混合酸無水物、アジド、活性エステル(ペンタクロロフェノール、p-ニトロフェノール、N−ヒドロキシコハク酸イミド、N−ヒドロキシベンズトリアゾール、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2、3−ジカルボキシイミド等とのエステル)などを形成させることにより行う。
【0033】
上記の固相における反応性アミノ基と反応性カルボキシル基との縮合反応(ペプチド結合形成反応)に用いる溶媒としては、ペプチド結合形成に使用できるものであればいずれでもよい。例えば無水または含水のジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ピリジン、クロロホルム、ジオキサン、ジクロロメタン(DCM)、テトラヒドロフラン(THF)、酢酸エチル、N−メチルピロリドン、ヘキサメチルリン酸トリアミド(HMPA)などを単独で、あるいは2種以上の混合溶媒として使用することができる。
【0034】
また、上記縮合反応は、縮合剤、例えばジシクロヘキシルカルボキシイミド(DCC)、カルボジイミダゾールなどのカルボジイミド試薬やテトラエチルピロホスフェイト、ベンゾトリアゾール−N−ヒドロキシトリスジメチルアミノホスホニウムヘキサフルオロリン化物塩(Bop試薬)などの存在下に行うこともできる。
【0035】
合成されたペプチドは、通常の方法に従い脱塩、精製することができる。例えば、DEAE−セルロースなどのイオン交換クロマトグラフィー、セファデックスLH-20 、セファデックスG-25 などの分配クロマトグラフィー、シリカゲルなどの順相クロマトグラフィー、ODS−シリカゲルなどの逆相クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィーなどが挙げられる。
【0036】
上記のようにして精製したペプチドは、各種の酸を用いて、所望により薬学的に許容される塩、例えば、酢酸塩、塩酸塩、リン酸塩等にすることができる。
【0037】
上記ペプチドまたはその塩は、医薬的に許容できる溶剤、賦形剤、担体、補助剤などを使用し、製剤製造の常法に従って液剤、錠剤、散剤、顆粒剤、坐剤、腸溶剤およびカプセル剤などの医薬組成物として調製し、経口製剤、粉末吸入製剤、粉末点鼻製剤、眼局所投与剤、注射剤、または塗布剤として用いることができるが、特に限定するものではない。
【0038】
本発明の医薬組成物は、例えばヒト、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ等の哺乳動物に対して非経口的にまたは経口的に、さらにはドラッグデリバリーシステムを必要に応じて用いて、安全に投与することができる。当該医薬組成物の投与量は、剤形、投与ルート、症状等により適宜変更しうるが、例えばヒトを含む哺乳動物に投与する場合、ペプチド量として1人1日当たり約1pg 〜1 mg/kg 程度を適用することが例示される。
【0039】
【実施例】
以下に本発明を参考例、実施例を挙げてより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0040】
〔実施例1〕 ペプチドの合成
配列番号20に示すアミノ酸配列を有するペプチド 19 をペプチド固相合成の常法に従い製造した。
MBHA 樹脂 HCl 塩 (polystyrene-1% divinylbenzene 共重合体、100〜200 mesh) をマニュアル合成用反応槽(ガラス製、φ6.0 x 29.5 cm)に加え、樹脂容量の 2〜3 倍量のメタノールで攪拌洗浄し、次いでジクロロメタン(樹脂容量の 2〜3 倍量)で攪拌洗浄して樹脂を膨潤させた。10% トリエチルアミン/ジクロロメタンにて中和反応を行い、C 末端アミノ酸に相当する Boc-Arg (Tos)-OH を樹脂の約 2 倍当量用い、ジシクロヘキシルカルボジイミドおよび N-ハイドロキシベンゾトリアゾールを加えて縮合反応を行った。約 2 時間の反応(攪拌下)後、メタノールおよびジクロロメタンにて洗浄し、カイザー試験にてα-アミノ基の消失を確認後、50% トリフルオロ酢酸/ジクロロメタンにて 30 分間処理して脱保護を行った。次いで、10% トリエチルアミン/ジクロロメタンにて中和し、メタノールおよびジクロロメタンにて再洗浄後、再びカイザー試験を実施して脱保護反応の確認を行った。確認後は C 末より 2 番目の Boc-Arg (Tos)-OH のカップリングを行うため、同様の工程を繰り返した。その後、Boc-Gly-OH, Boc-Leu-OH, Boc-Ile-OH, Boc-Ala-OH, Boc-Ala-OH, Boc-Leu-OH, Boc-Tyr (Cl2-Bzl)-OH, Boc-Arg (Tos)-OH, Boc-Arg (Tos)-OH, Boc-Val-OH, Boc-Ala-OH, Boc-Leu-OH, Boc-Gln (Xan)-OH, Boc-Arg (Tos)-OH, Boc-Arg (Tos)-OH, Boc-Leu-OH, Boc-Arg (Tos)-OH, Boc-Thr (Bzl)-OH, Boc-Tyr (Cl2-Bzl)-OH, Boc-Asn (Xan)-OH, Boc-Ala-OH, Boc-Thr (Bzl)-OH, Boc-Phe-OH, Boc-Val-OH, Boc-Ala-OH, Boc-Asp (OcHex)-OH, Boc-Ser (Bzl)-OH, Boc-His (Bom)-OH の順に順次カップリング/脱保護を行い、ペプチド 19 に相当する保護ペプチド; His (Bom)-Ser (Bzl)-Asp (OcHex)-Ala-Val-Phe-Thr (Bzl)-Ala-Asn-Tyr (Cl2-Bzl)-Thr (Bzl)-Arg (Tos)-Leu-Arg (Tos)-Arg (Tos)-Gln-Leu-Ala-Val-Arg (Tos)- Arg (Tos)-Tyr (Cl2-Bzl)-Leu-Ala-Ala-Ile-Leu-Gly-Arg-Arg-MBHA を得た。ここで得られた保護ペプチド-MBHA 樹脂にエタンジチオールおよびアニソール存在下無水フッ化水素を加えて反応させた。反応後、無水フッ化水素を減圧下留去後、残渣をエーテルで洗浄し、これに 10%酢酸を加えてペプチドを抽出した。抽出液を逆相カラムクロマトグラフィーにより精製し、凍結乾燥を行いペプチド 19 を得た。
【0041】
上記方法と同様にして、下記のペプチド1〜36 を化学合成した。
ペプチド1(配列番号2、VIP):
His-Ser-Asp-Ala-Val-Phe-Thr-Asp-Asn-Tyr-
Thr-Arg-Leu-Arg-Lys-Gln-Met-Ala-Val-Lys-Lys-Tyr-Leu-Asn-Ser-Ile-Leu-Asn-NH2
ペプチド2(配列番号3):
His-Ser-Asp-Ala-Val-Phe-Thr-Asp-Asn-Tyr-
Thr-Arg-Leu-Arg-Arg-Gln-Leu-Ala-Val-Arg-
Arg-Tyr-Leu-Asn-Ser-Ile-Leu-Asn-NH2
ペプチド3(配列番号4):
His-Ser-Asp-Ala-Val-Phe-Thr-Asp-Asn-Tyr-
Thr-Arg-Leu-Arg-Arg-Gln-Leu-Ala-Val-Arg-
Arg-Tyr-Leu-Asn-Ser-Ile-Leu-Asn-Gly-Lys-
Arg-NH2
ペプチド4(配列番号5):
His-Ser-Asp-Ala-Val-Phe-Thr-Asp-Asn-Tyr-
Thr-Arg-Leu-Arg-Arg-Gln-Leu-Ala-Val-Arg-
Arg-Tyr-Leu-Asn-Ser-Ile-Leu-Asn-Gly-Arg-
Arg-NH2
ペプチド5(配列番号6):
His-Ser-Asp-Ala-Val-Phe-Thr-Asp-Asn-Tyr-
Thr-Arg-Leu-Arg-Lys-Gln-Leu-Ala-Val-Lys-
Lys-Tyr-Leu-NH2
ペプチド6(配列番号7):
His-Ser-Asp-Ala-Val-Phe-Thr-Asp-Asn-Tyr-
Thr-Arg-Leu-Arg-Arg-Gln-Leu-Ala-Val-Arg-
Arg-Tyr-Leu-NH2
ペプチド7(配列番号8):
His-Ser-Asp-Ala-Val-Phe-Thr-Asp-Asn-Tyr-
Thr-Arg-Leu-Arg-Lys-Gln-Leu-Ala-Val-Lys-
Lys-Tyr-Leu-Ala-Ala-Ile-Leu-Asn-NH2
ペプチド8(配列番号9):
His-Ser-Asp-Ala-Val-Phe-Thr-Asp-Asn-Tyr-
Thr-Arg-Leu-Arg-Arg-Gln-Leu-Ala-Val-Arg-
Arg-Tyr-Leu-Ala-Ala-Ile-Leu-Gly-Arg-Arg-NH2
ペプチド9(配列番号10):
Acetyl-His-Ser-Asp-Ala-Val-Phe-Thr-Asp-Asn-Tyr-
Thr-Arg-Leu-Arg-Arg-Gln-Leu-Ala-Val-Arg-
Arg-Tyr-Leu-Ala-Ala-Ile-Leu-Gly-Arg-Arg-NH2
ペプチド10(配列番号11):
Stearyl-His-Ser-Asp-Ala-Val-Phe-Thr-Asp-Asn-Tyr-
Thr-Arg-Leu-Arg-Arg-Gln-Leu-Ala-Val-Arg-
Arg-Tyr-Leu-Ala-Ala-Ile-Leu-Gly-Arg-Arg-NH2
ペプチド11(配列番号12):
His-Ser-Asp-Ala-Val-Phe-Thr-Asp-Asn-Tyr-
Thr-Arg-Leu-Arg-Arg-Gln-Leu-Ala-Val-Arg-
Arg-Tyr-Leu-Ala-Ala-Ile-Leu-Gly-Arg-Arg-OH
ペプチド12(配列番号13):
His-Ser-Asp-Ala-Val-Phe-Thr-Asp-Asn-Tyr-
Thr-Arg-Leu-Arg-Arg-Gln-Nle-Ala-Val-Arg-
Arg-Tyr-Leu-Ala-Ala-Ile-Leu-Gly-Arg-Arg-NH2
ペプチド13(配列番号14):
His-Ser-Asp-Ala-Val-Phe-Thr-Asp-Asn-Tyr-
Thr-Arg-Leu-Arg-Arg-Gln-Leu-Ala-Val-Arg-
Arg-Tyr-Leu-Ala-Ala-Ile-Leu-Gly-NH2
ペプチド14(配列番号15):
His-Ser-Asp-Ala-Val-Phe-Thr-Asp-Asn-Tyr-
Thr-Arg-Leu-Arg-Arg-Gln-Leu-Ala-Val-Arg-
Arg-Tyr-Leu-Ala-Ala-Ile-Leu-Gly-Lys-NH2
ペプチド15(配列番号16):
His-Ser-Asp-Ala-Val-Phe-Thr-Asp-Asn-Tyr-
Thr-Arg-Leu-Arg-Arg-Gln-Leu-Ala-Val-Arg-
Arg-Tyr-Leu-Ala-Ala-Ile-Leu-Gly-Arg-NH2
ペプチド16(配列番号17):
His-Ser-Asp-Ala-Val-Phe-Thr-Asp-Asn-Tyr-
Thr-Arg-Leu-Arg-Arg-Gln-Leu-Ala-Val-Arg-
Arg-Tyr-Leu-Ala-Ala-Ile-Leu-Gly-Lys-Arg-NH2
ペプチド17(配列番号18):
His-Ser-Asp-Ala-Val-Phe-Thr-Glu-Asn-Tyr-
Thr-Arg-Leu-Arg-Arg-Gln-Leu-Ala-Val-Arg-
Arg-Tyr-Leu-Ala-Ala-Ile-Leu-Gly-Arg-Arg-NH2
ペプチド18(配列番号19):
His-Ser-Asp-Ala-Val-Phe-Thr-Glu-Asn-Tyr-
Thr-Arg-Leu-Arg-Arg-Gln-Leu-Ala-Val-Arg-
Arg-Tyr-Leu-NH2
ペプチド19(配列番号20):
His-Ser-Asp-Ala-Val-Phe-Thr-Ala-Asn-Tyr-
Thr-Arg-Leu-Arg-Arg-Gln-Leu-Ala-Val-Arg-
Arg-Tyr-Leu-Ala-Ala-Ile-Leu-Gly-Arg-Arg-NH2
ペプチド20(配列番号21):
His-Ser-Asp-Ala-Val-Phe-Thr-Ala-Asn-Tyr-
Thr-Arg-Leu-Arg-Arg-Gln-Leu-Ala-Val-Arg-
Arg-Tyr-Leu-NH2
ペプチド21(配列番号22):
His-Ser-Asp-Ala-Val-Phe-Thr-Asp-Asn-Tyr-
Thr-Arg-Leu-Arg-Arg-Gln-Leu-Ala-Val-Arg-
Arg-Tyr-Leu-Ala-Ala-Val-Leu-Gly-Arg-Arg-NH2
ペプチド22(配列番号23、PACAP27):
His-Ser-Asp-Gly-Ile-Phe-Thr-Asp-Ser-Tyr-
Ser-Arg-Tyr-Arg-Lys-Gln-Met-Ala-Val-Lys-
Lys-Tyr-Leu-Ala-Ala-Val-Leu-NH2
ペプチド23(配列番号24、PACAP38):
His-Ser-Asp-Gly-Ile-Phe-Thr-Asp-Ser-Tyr-
Ser-Arg-Tyr-Arg-Lys-Gln-Met-Ala-Val-Lys-
Lys-Tyr-Leu-Ala-Ala-Val-Leu-Gly-Lys-Arg-
Tyr-Lys-Gln-Arg-Val-Lys-Asn-Lys-NH2
ペプチド24(配列番号25):
His-Ser-Asp-Gly-Ile-Phe-Thr-Asp-Ser-Tyr-
Ser-Arg-Tyr-Arg-Arg-Gln-Leu-Ala-Val-Arg-
Arg-Tyr-Leu-Ala-Ala-Val-Leu-NH2
ペプチド25(配列番号26):
His-Ser-Asp-Gly-Ile-Phe-Thr-Asp-Ser-Tyr-
Ser-Arg-Tyr-Arg-Arg-Gln-Leu-Ala-Val-Arg-
Arg-Tyr-Leu-Ala-Ala-Val-Leu-Gly-Lys-Arg-NH2
ペプチド26(配列番号27):
His-Ser-Asp-Gly-Ile-Phe-Thr-Asp-Ser-Tyr-
Ser-Arg-Tyr-Arg-Arg-Gln-Leu-Ala-Val-Arg-
Arg-Tyr-Leu-Ala-Ala-Val-Leu-Gly-Arg-Arg-NH2
ペプチド27(配列番号28):
His-Ser-Asp-Ala-Ile-Phe-Thr-Asp-Ser-Tyr-
Ser-Arg-Tyr-Arg-Arg-Gln-Leu-Ala-Val-Arg-
Arg-Tyr-Leu-Ala-Ala-Val-Leu-Gly-Arg-Arg-NH2
ペプチド28(配列番号29):
His-Ser-Asp-Ala-Ile-Phe-Thr-Asp-Ser-Tyr-
Ser-Arg-Tyr-Arg-Arg-Gln-Leu-Ala-Val-Arg-
Arg-Tyr-Leu-Ala-Ala-Ile-Leu-Gly-Arg-Arg-NH2
ペプチド29(配列番号30):
Acetyl-His-Ser-Asp-Ala-Ile-Phe-Thr-Asp-Ser-Tyr-
Ser-Arg-Tyr-Arg-Arg-Gln-Leu-Ala-Val-Arg-
Arg-Tyr-Leu-Ala-Ala-Val-Leu-Gly-Arg-Arg-NH2
ペプチド30(配列番号31):
His-Ser-Asp-Gly-Ile-Phe-Thr-Asp-Ser-Tyr-
Ser-Arg-Tyr-Arg-Arg-Gln-Leu-Ala-Val-Arg-
Arg-Tyr-Leu-Ala-Ala-Val-Leu-Gly-Arg-Arg-
Tyr-Arg-Gln-Arg-Val-Arg-Asn-Arg-NH2
ペプチド31(配列番号32):
His-Ser-Asp-Ala-Ile-Phe-Thr-Asp-Ser-Tyr-
Ser-Arg-Tyr-Arg-Arg-Gln-Leu-Ala-Val-Arg-
Arg-Tyr-Leu-Ala-Ala-Val-Leu-Gly-Arg-Arg-
Tyr-Arg-Gln-Arg-Val-Arg-Asn-Arg-NH2
ペプチド32(配列番号33):
His-Ser-Asp-Ala-Ile-Phe-Thr-Asp-Ser-Tyr-
Ser-Arg-Tyr-Arg-Arg-Gln-Leu-Ala-Val-Arg-
Arg-Tyr-Leu-Ala-Ala-Ile-Leu-Gly-Arg-Arg-
Tyr-Arg-Gln-Arg-Val-Arg-Asn-Arg-NH2
ペプチド33(配列番号34):
His-Ser-Asp-Gly-Ile-Phe-Thr-Asp-Ser-Tyr-
Ser-Arg-Tyr-Arg-Lys-Gln-Met-Ala-Val-Lys-
Lys-Tyr-Leu-Ala-Ala-Val-Leu-Gly-Lys-Arg-
Tyr-Lys-Pro-Lys-Arg-Arg-Asn-Ser-Gly-Arg-
Arg-Val-Phe-Tyr-NH2
ペプチド34(配列番号35):
His-Ser-Asp-Gly-Ile-Phe-Thr-Asp-Ser-Tyr-
Ser-Arg-Tyr-Arg-Arg-Gln-Leu-Ala-Val-Arg-
Arg-Tyr-Leu-NH2
ペプチド35(配列番号36):
His-Ser-Asp-Ala-Ile-Phe-Thr-Asp-Ser-Tyr-
Ser-Arg-Tyr-Arg-Arg-Gln-Leu-Ala-Val-Arg-
Arg-Tyr-Leu-NH2
ペプチド36(配列番号37):
Acetyl-His-Ser-Asp-Ala-Ile-Phe-Thr-Asp-Ser-Tyr-
Ser-Arg-Tyr-Arg-Arg-Gln-Leu-Ala-Val-Arg-
Arg-Tyr-Leu-NH2
【0042】
〔実施例2〕 (肺胞由来 L2 細胞における PACAP/VIP レセプターの所在)
American Type Culture Collection からラット胚胞由来 L2 細胞を入手し、10% ウシ血清添加ダルベッコ改変イーグル培地中にて培養した(37℃,5% CO2/95% Air)。約 105 個の L2 細胞から、塩酸・フェノール法によって Total RNA を抽出し、逆転写酵素処理を行い cDNA を調製した。これらの cDNA を鋳型として、下記の3種のプライマー対を用い、ポリメラーゼチェインリアクション (PCR) を行った。反応液は鋳型 DNA (1 μl)、1×Taq 緩衝液(50 mM KCl, 1.5 mM MgCl2 含有 10 mM Tris-HCl 緩衝液, pH 9.0)、200 μM dNTPs、200 μM BSA、0.4 μM プライマー、1.5 units Taq ポリメラーゼの混合液で、反応容量は 25 μl とした。反応条件は最初に 94℃で 3 分間熱変性を行い、40 サイクルの PCR 反応を検討した。各サイクルは、94℃、30 秒間の熱変性、各指定温度下、30 秒間のアニーリング、72℃、1 分間の伸長反応からなり、アニーリング温度はプライマーによって変化させた。すなわち、PAC1 レセプター、VPAC1 レセプターの場合は 66℃、VPAC2 レセプターは 63℃ とした。PCR 終了後、2% アガロースゲル(LO3「TAKARA」,宝酒造)、Tris-酢酸-EDTA 緩衝液中にて電気泳動を行い、エチジウムブロマイド水溶液(0.5 μg/ml)に約 30 分間浸して染色を行った。PCR に使用したプライマーは下記の通りである。
【0043】
PAC1: 5'- TTTCA TCGGC ATCAT CATCA TCATC CTT-3' (sense、配列番号38)
5'- CCTTC CAGCT CCTCC ATTTC CTCTT-3' (antisense、配列番号39)
VPAC1:5'- GCCCC CATCC TCCTC TCCAT C-3' (sense、配列番号40)
5'- TCCGC CTGCA CCTCA CCATT G-3' (antisense、配列番号41)
VPAC2:5'- ATGGA TAGCA ACTCG CCTTT CTTTA G-3' (sense、配列番号42)
5'- GGAAG GAACC AACAC ATAAC TCAAA CAG-3' (antisense、配列番号43)
【0044】
その結果、VIP 特異的なレセプターである VPAC2 レセプター mRNA 由来の PCR 産物(326 bp)を認め、L2 細胞には VPAC2 レセプターが主に発現していることを確認した(図1)。この結果は、肺組織に VIP レセプターが多く存在することを示唆する既報の事実と矛盾せず、本細胞を用いたアッセイが肺における薬剤の挙動を模擬することが可能であることを強く示唆している。
【0045】
〔実施例3〕 (タバコ煙抽出液の肺胞細胞に対する毒性)
タバコ煙による COPD 病変を L2 細胞を用いて評価した。まず、タバコ煙を吸引用ポンプにて捕集し、その煙を DMEM 20 mL にトラップした、メンブランフィルター(0.22 μm)にて滅菌濾過後、25 mL にメスアップし、タバコ煙抽出液とした。この抽出液を DMEM にて目的とする濃度に希釈し、L2 細胞に添加して毒性実験を行った。すなわち、L2 細胞をトリプシン (0.25%) 処理にて遊離させ、6 well カルチャープレート、96 well コラーゲンコート済みプレートに 105 , 2.0 x 103 cells/well にそれぞれなるよう細胞を定着させた。6 well カルチャープレートに終濃度 5% になるようタバコ煙抽出液を添加し、24 時間後に 10% 中性緩衝ホルマリンにて固定後、Tunnel 法によって DNA 断片化の有無を検証した。その結果、図 2 に示すように、タバコ煙抽出液を添加していないコントロール群は陰性であるのに対して、タバコ煙抽出液存在下培養した細胞群は著しい DNA 断片化を起こしていることが明らかとなった。
【0046】
また、様々な濃度のタバコ煙抽出液を添加して培養した後に、生細胞数を LDH放出 およびWST-8 を用いて検討した結果を図 3 に示す。その結果、タバコ煙抽出液の濃度依存的および経時的に L2 細胞の生存率は低下し、タバコ煙抽出液 1% 未満存在下でほぼ定常状態となった。このことは、タバコ煙が著しい肺組織障害機能を有していることと、このアッセイ系が COPD を模擬しうることを強く示唆するものである。
【0047】
〔実施例4〕 (タバコ煙抽出液誘発細胞死に対する神経ペプチド類の効果)
タバコ煙抽出液 0.25% 添加 L2 細胞培養系に、RT-PCR によって存在が明らかとなった VPAC2 レセプターのアゴニストである VIP を添加し、細胞死抑制効果の有無を検討した。また、VPAC2 レセプターに対して VIP とほぼ同程度の結合活性を有する PACAP についても同様にその薬理効果を検証した。48 時間後の生細胞数を WST-8 法によって算出した結果を図 4 に示す。この結果が示すとおり、VIP および PACAP は極めて低い濃度において有効な細胞保護作用を有することが明らかとなった。また、同様に VIP および PACAP の誘導体であるペプチド 4,8,17,そして 19(10-7 M)を対象に、その L2 細胞保護作用を検討したところ、図 5 に示すように、VIP よりも有意に強力な神経保護活性を示した。また、これらのペプチドを含むペプチド 1〜36 すべての VIP/PACAP 関連ペプチドに同様の薬理効果(タバコ煙抽出液 0.25% による細胞死を 20〜80% の範囲で阻害)を確認した。
【0048】
〔実施例5〕 (タバコ煙抽出液による肺胞細胞のアポトーシス誘導酵素活性化とそれに対する神経ペプチド類の効果)
タバコ煙抽出液を用いたアッセイ系が COPD モデル実験となりうるか否かさらなる検討を行うために、タバコ煙によるアポトーシス誘導について精査した。本実験ではアポトーシス誘導を caspase-3 の活性化を指標に検討を行った。すなわち、L2 細胞をトリプシン (0.25%) 処理にて遊離させ、96 well コラーゲンコート済みプレートに 1.0 x 104 cells/well になるよう細胞を定着させた。次に終濃度 0.25% になるようタバコ煙抽出液を添加し、経時的に細胞を Passive lysis buffer(プロメガ社製)にて溶解させて、細胞溶解液中の酵素活性を蛍光基質を用いて評価した。Caspase-3 活性評価には Ac-DEVD-MCA を利用した。基質添加後、12〜14 時間経過してから蛍光測定し、タバコ煙抽出液非添加群との比較をおこなった。Caspase-3 活性測定の結果を図 6 に示す。この結果から、タバコ煙抽出液によって著しいアポトーシス関連酵素が誘導されることが明らかとなった。また、タバコ煙抽出液存在下、caspase 阻害剤 Z-VAD-FMK (caspase multiple 阻害剤)、Ac-DEVD-CHO (caspase-3) 阻害剤を添加した場合には、図 7 に示すように細胞死が有意に抑制された。この結果は、COPD による肺組織傷害がアポトーシス誘導に起因していることの更なる証明と考えられる。
【0049】
〔実施例6〕 (タバコ煙抽出液誘発 caspase 活性化に対する神経ペプチド類の効果)
神経ペプチド類のアポトーシス抑制効果に対して更なる検証を行うため、神経ペプチドによる caspase-3 活性への影響について検討した。すなわち、L2 細胞をトリプシン (0.25%) 処理にて遊離させ、96 well コラーゲンコート済みプレートに 1.0 x 104 cells/well になるよう細胞を定着させた。次に終濃度 025% になるようタバコ煙抽出液および各濃度の VIP を添加し、12 時間培養後に細胞を Passive lysis buffer にて溶解させて、細胞溶解液中の酵素活性を蛍光基質(Ac-DEVD-MC)を用いて評価した。基質添加後、12〜14 時間経過してから蛍光測定し、種々比較検討を行った。その結果を図 8 に示す。VIP は濃度依存的に caspase 活性を抑制することが明らかとなり、本知見は VIP の COPD 改善作用メカニズムの一つに抗アポトーシス機能があることを強く示唆している。
【0050】
〔実施例7〕 (タバコ煙抽出液による肺胞細胞の炎症関連酵素活性化とそれに対する神経ペプチド類の効果)
タバコ煙による炎症誘起について精査した。本実験では炎症誘起を MMP 活性を指標として検討を行った。すなわち、L2 細胞をトリプシン (0.25%) 処理にて遊離させ、96 well コラーゲンコート済みプレートに 1.0 x 104 cells/well になるよう細胞を定着させた。次に終濃度 0.25% になるようタバコ煙抽出液を添加し、経時的に細胞を Passive lysis buffer にて溶解させて、細胞溶解液中の酵素活性を蛍光基質を用いて評価した。MMP 活性評価には MOCAc-Pro-Leu-Gly-Leu-Dpa(DNP)-Ala-Arg-NH2 を用いた。基質添加後、12〜14 時間経過してから蛍光測定し、タバコ煙非添加群との比較をおこなった。MMP 活性測定の結果を図 9に示す。これらの結果から、タバコ煙抽出液によって著しい炎症反応とアポトーシスが誘導されることが明らかとなった。また、タバコ煙抽出液存在下、MMP 阻害剤 GM6004(シグマ社製)を添加した場合には、図 10 に示すように細胞死が有意に抑制された。この結果は、COPD によるアポトーシス誘導およびそれに伴う細胞死に MMP の活性化が起因していることの更なる証明と考えられる。また、VIP(10-7 M)を本実験系に添加したところ、有意に MMP 活性を抑制することが明らかとなり、本知見は VIP の COPD 改善作用メカニズムの一つに MMP 活性低下作用があることを強く示唆している。
【0051】
【発明の効果】
本発明によれば、慢性肺疾患特に COPD に対してその進行阻害ならびに改善機能を有するPACAP/VIP 誘導体を提供することが出来る。
【0052】
【配列表】
【0053】
【配列表フリーテキスト】
配列番号1〜37:合成ペプチド
配列番号38:PAC1センスプライマー
配列番号39:PAC1アンチセンスプライマー
配列番号40:VPAC1センスプライマー
配列番号41:VPAC1アンチセンスプライマー
配列番号42:VPAC2センスプライマー
配列番号43:VPAC2アンチセンスプライマー
【図面の簡単な説明】
【図1】ラット肺胞上皮由来 L2 細胞から抽出した mRNA をもとに、PACAP/VIP レセプターである PAC1, VPAC1 そして VPAC2 レセプター特異的プライマーを利用して行った RT-PCR 実験の結果を示す。これらのレセプターのうち VPAC2 レセプターに相当する PCR 産物のみが検出されており、L2 細胞には VPAC2 レセプターが主に発現していることが分かる。
【図2】タバコ煙抽出液による L2 細胞のアポトーシス誘導を示す。Tunnel 法によって、タバコ煙抽出液 0.5% 存在下 24 時間培養した L2 細胞中の DNA 断片化を検討した。タバコ煙非添加群 (A) と比して、添加群(B)は明瞭なアポトーシス誘導を起こしていることが分かる。
【図3】タバコ煙抽出液による細胞毒性評価の結果を示す。
タバコ煙抽出液による L2 細胞からの乳酸脱水素酵素放出。
●,非添加群;◆,0.1% タバコ煙抽出液;▲,0.25% タバコ煙抽出液;■,0.5% タバコ煙抽出液;1.0% タバコ煙抽出液
タバコ煙抽出液による細胞死。WST-8 法による。コントロール群に対する生細胞数を検出。
【図4】タバコ煙抽出液 0.25% に対する神経ペプチドの保護効果を示す。
●,VIP;▲,PACAP27
【図5】タバコ煙抽出液 0.25% に対する 本発明のVIP誘導体ペプチドの保護効果を示す。
【図6】タバコ煙抽出液 0.25% による L2 細胞中 caspase-3 活性化作用を示す。
【図7】タバコ煙抽出液 0.25% による 48 時間培養後の L2 細胞死と、caspase 阻害剤による細胞死抑制効果を示す。
●,Z-VAD-FMK;▲,Ac-DEVD-CHO
【図8】タバコ煙抽出液 0.25% による 12 時間培養後の L2 細胞中 caspase-3 活性化作用と VIP によるその抑制効果を示す。
【図9】タバコ煙抽出液 0.25% による L2 細胞中 MMP 活性化と VIP による抑制効果を示す。
■,タバコ煙抽出液 0.25%;●,タバコ煙抽出液 0.25% 存在下 VIP 添加群
【図10】タバコ煙抽出液 0.25% 存在下 48 時間培養による L2 細胞死の MMP 阻害剤 GM6001 による抑制を示す。
Claims (3)
- His-Ser-Asp-Ala-Val-Phe-Thr-Asp-Asn-Tyr-Thr-Arg-Leu-Arg-Arg-Gln-Leu-Ala-Val-Arg-Arg-Tyr-Leu-Asn-Ser-Ile-Leu-Asn-Gly-Arg-Arg-NH 2 (配列番号5)、
His-Ser-Asp-Ala-Val-Phe-Thr-Asp-Asn-Tyr-Thr-Arg-Leu-Arg-Arg-Gln-Leu-Ala-Val-Arg-Arg-Tyr-Leu-Ala-Ala-Ile-Leu-Gly-Arg-Arg-NH 2 (配列番号9)、
His-Ser-Asp-Ala-Val-Phe-Thr-Glu-Asn-Tyr-Thr-Arg-Leu-Arg-Arg-Gln-Leu-Ala-Val-Arg-Arg-Tyr-Leu-Ala-Ala-Ile-Leu-Gly-Arg-Arg-NH 2 (配列番号18)もしくは
His-Ser-Asp-Ala-Val-Phe-Thr-Ala-Asn-Tyr-Thr-Arg-Leu-Arg-Arg-Gln-Leu-Ala-Val-Arg-Arg-Tyr-Leu-Ala-Ala-Ile-Leu-Gly-Arg-Arg-NH 2 (配列番号20)
で示されるアミノ酸配列で示されるペプチド、または薬学的に許容されるその塩を含有する慢性肺疾患治療剤。 - 慢性肺疾患が慢性閉塞性肺疾患または肺気腫である、請求項1記載の医薬組成物。
- 経口製剤、粉末吸入製剤、粉末点鼻製剤、眼局所投与剤、または塗布剤である、請求項1または2に記載の医薬組成物。
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