JPH11100399A - 新規ペプチド誘導体およびそれを有効成分とする薬剤 - Google Patents
新規ペプチド誘導体およびそれを有効成分とする薬剤Info
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- JPH11100399A JPH11100399A JP9262539A JP26253997A JPH11100399A JP H11100399 A JPH11100399 A JP H11100399A JP 9262539 A JP9262539 A JP 9262539A JP 26253997 A JP26253997 A JP 26253997A JP H11100399 A JPH11100399 A JP H11100399A
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Abstract
(57)【要約】
【解決手段】 平滑筋弛緩作用に基づく気管支拡張作用
の持続性に優れた、新規ペプチド、その薬学的に許容さ
れる塩、これらを有効成分として含有する気管支拡張
剤、血流改善剤、育毛剤、およびインポテンツ治療剤を
提供する。 【効果】 本発明によれば、VIPやPACAPよりも
持続性のある気管支拡張作用を有する、種々の剤形の気
管支拡張剤、血流改善剤、育毛剤、およびインポテンツ
治療剤を製造することができる。
の持続性に優れた、新規ペプチド、その薬学的に許容さ
れる塩、これらを有効成分として含有する気管支拡張
剤、血流改善剤、育毛剤、およびインポテンツ治療剤を
提供する。 【効果】 本発明によれば、VIPやPACAPよりも
持続性のある気管支拡張作用を有する、種々の剤形の気
管支拡張剤、血流改善剤、育毛剤、およびインポテンツ
治療剤を製造することができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規ペプチド、その薬
学的に許容される塩、これらを有効成分として含有する
気管支拡張剤、血流改善剤、育毛剤およびインポテンツ
治療剤に関する。
学的に許容される塩、これらを有効成分として含有する
気管支拡張剤、血流改善剤、育毛剤およびインポテンツ
治療剤に関する。
【0002】
【従来の技術】VIP(血管作動性腸管ペプチド(Vaso
active Intestinal Peptide))は、脳−腸管ペプチドと
呼ばれる、血流促進、血圧低下作用をもつ生理活性ペプ
チドの一種である。このVIPは、1970年にブタ腸管か
ら抽出されており、28個のアミノ酸残基からなる(S.I.S
aid,V.Mutt, Science, 169:1217(1970))。また、PA
CAP(下垂体アデニレートサイクラーゼ活性化ペプチ
ド(Pituitary AdenylateCyclase Activating Polypepti
de))は、1989年、羊の視床下部から下垂体培養細胞の
アデニレートサイクラーゼを活性化させるバイオアッセ
イ系を指標にして単離され、構造決定された38個のアミ
ノ酸残基よりなるペプチドである(A.Miyata, A.Arimura
et al, Biochem. Biophys. Res. Commun., 164:567 (1
989)) 。
active Intestinal Peptide))は、脳−腸管ペプチドと
呼ばれる、血流促進、血圧低下作用をもつ生理活性ペプ
チドの一種である。このVIPは、1970年にブタ腸管か
ら抽出されており、28個のアミノ酸残基からなる(S.I.S
aid,V.Mutt, Science, 169:1217(1970))。また、PA
CAP(下垂体アデニレートサイクラーゼ活性化ペプチ
ド(Pituitary AdenylateCyclase Activating Polypepti
de))は、1989年、羊の視床下部から下垂体培養細胞の
アデニレートサイクラーゼを活性化させるバイオアッセ
イ系を指標にして単離され、構造決定された38個のアミ
ノ酸残基よりなるペプチドである(A.Miyata, A.Arimura
et al, Biochem. Biophys. Res. Commun., 164:567 (1
989)) 。
【0003】このPACAPのN末端側から27残基がP
ACAPの活性を有しており、この27個のアミノ酸配列
は、VIPと極めて類似した構造を有する。VIPおよ
びPACAPのアミノ酸配列はセクレチン、グルカゴン
等に類似していることから、グルカゴンファミリーに属
するペプチドとされている。また、VIPおよびPAC
APは、呼吸器系においては気管支平滑筋への弛緩作用
が非常に強く、アセチルコリン、ヒスタミン、セロトニ
ン等の刺激物質によって惹起された平滑筋収縮を緩解す
る作用がある。かかる弛緩作用は、アドレナリンβ2レ
セプターを介して作用する一般の気管支拡張による弛緩
作用とは異なり、β2レセプター刺激剤が有効に作用し
ない難治性の喘息発作に対しても効果が期待されてい
る。
ACAPの活性を有しており、この27個のアミノ酸配列
は、VIPと極めて類似した構造を有する。VIPおよ
びPACAPのアミノ酸配列はセクレチン、グルカゴン
等に類似していることから、グルカゴンファミリーに属
するペプチドとされている。また、VIPおよびPAC
APは、呼吸器系においては気管支平滑筋への弛緩作用
が非常に強く、アセチルコリン、ヒスタミン、セロトニ
ン等の刺激物質によって惹起された平滑筋収縮を緩解す
る作用がある。かかる弛緩作用は、アドレナリンβ2レ
セプターを介して作用する一般の気管支拡張による弛緩
作用とは異なり、β2レセプター刺激剤が有効に作用し
ない難治性の喘息発作に対しても効果が期待されてい
る。
【0004】また、気管支拡張作用・降圧作用、育毛作
用を有する27〜31個のアミノ酸残基からなるペプチドが
知られている(特開昭62-246595号公報、特開昭64-8301
2号公報、特開平4-297498公報および特開平8-333276号
公報参照。)。他にも、公知のVIPよりも強い血流増
加作用を有し、VIPよりも血圧降下作用の少ない、作
用の分離したVIP誘導体が知られている。
用を有する27〜31個のアミノ酸残基からなるペプチドが
知られている(特開昭62-246595号公報、特開昭64-8301
2号公報、特開平4-297498公報および特開平8-333276号
公報参照。)。他にも、公知のVIPよりも強い血流増
加作用を有し、VIPよりも血圧降下作用の少ない、作
用の分離したVIP誘導体が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、VI
P、PACAP、その他の上述した公知のペプチドより
も優れた気管支拡張作用を有するペプチドの開発が望ま
れており、また、これらのペプチドを含む血流増加作用
に優れた血流改善剤の開発が望まれている。 本発明の
課題は、優れた気管支拡張作用の持続性と、血流増加作
用とを有し、さらに、育毛作用および性行動活性化作用
を有するペプチド、およびこれらを有効成分とする気管
支拡張剤、血流改善剤、育毛剤またはインポテンツ治療
剤を提供することにある。
P、PACAP、その他の上述した公知のペプチドより
も優れた気管支拡張作用を有するペプチドの開発が望ま
れており、また、これらのペプチドを含む血流増加作用
に優れた血流改善剤の開発が望まれている。 本発明の
課題は、優れた気管支拡張作用の持続性と、血流増加作
用とを有し、さらに、育毛作用および性行動活性化作用
を有するペプチド、およびこれらを有効成分とする気管
支拡張剤、血流改善剤、育毛剤またはインポテンツ治療
剤を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すべく鋭
意研究を重ねた結果、本発明者らは、VIPやPACA
Pよりも持続性のある気管支拡張作用、血流増加作用、
育毛作用および性行動活性化作用を有する新規ペプチド
を合成することに成功し、本発明を完成したものであ
る。
意研究を重ねた結果、本発明者らは、VIPやPACA
Pよりも持続性のある気管支拡張作用、血流増加作用、
育毛作用および性行動活性化作用を有する新規ペプチド
を合成することに成功し、本発明を完成したものであ
る。
【0007】すなわち、本発明は、以下の(a)または(b)
の組換えペプチドである。 (a)下記一般式(1) : H-His-Ser-Asp-Gly-Ile-Phe-Thr-Asp-Ser-Tyr- Ser-Arg-Tyr-Arg-Arg-Gln-Xa1-Ala-Val-Arg- (1) Arg-Tyr-Leu-Ala-Ala-Val-Leu-Gly-Xa2-Xa3- Tyr-Xa4-Gln-Xa5-Val-Xa6-Asn-Xa7-OH
の組換えペプチドである。 (a)下記一般式(1) : H-His-Ser-Asp-Gly-Ile-Phe-Thr-Asp-Ser-Tyr- Ser-Arg-Tyr-Arg-Arg-Gln-Xa1-Ala-Val-Arg- (1) Arg-Tyr-Leu-Ala-Ala-Val-Leu-Gly-Xa2-Xa3- Tyr-Xa4-Gln-Xa5-Val-Xa6-Asn-Xa7-OH
【0008】(式中、 Xa2、 Xa3、 Xa4、 Xa5、Xa6お
よびXa7は、同一でも異なってもよく、それぞれLys ま
たはArgを示し; Xa1は、Met 、LeuおよびnLeuからなる
群から選ばれるアミノ酸を示す。)で表されるアミノ酸
からなり、かつ、気管支拡張作用の持続性に優れ血流増
加作用、育毛作用または性行動活性化作用を有するペプ
チド。 (b)アミノ酸配列(a)において、1もしくは数個のアミノ
酸が欠失、置換、もしくは付加されたアミノ酸配列から
なり、かつ、気管支拡張作用の持続性に優れ血流増加作
用、育毛作用または性行動活性化作用を有するペプチ
ド。
よびXa7は、同一でも異なってもよく、それぞれLys ま
たはArgを示し; Xa1は、Met 、LeuおよびnLeuからなる
群から選ばれるアミノ酸を示す。)で表されるアミノ酸
からなり、かつ、気管支拡張作用の持続性に優れ血流増
加作用、育毛作用または性行動活性化作用を有するペプ
チド。 (b)アミノ酸配列(a)において、1もしくは数個のアミノ
酸が欠失、置換、もしくは付加されたアミノ酸配列から
なり、かつ、気管支拡張作用の持続性に優れ血流増加作
用、育毛作用または性行動活性化作用を有するペプチ
ド。
【0009】また、本発明は、以下の(a)または(b)の組
換えペプチドである。 (a)下記一般式(2) : H-His-Ser-Asp-Gly-Ile-Phe-Thr-Asp-Ser-Tyr- Ser-Arg-Tyr-Arg-Arg-Gln-Xa1-Ala-Val-Arg- (2) Arg-Tyr-Leu-Ala-Ala-Val-Leu-Gly-Xa2-Xa3- Tyr-Xa4-Gln-Xa5-Val-Xa6-Asn-Xa7-NH2
換えペプチドである。 (a)下記一般式(2) : H-His-Ser-Asp-Gly-Ile-Phe-Thr-Asp-Ser-Tyr- Ser-Arg-Tyr-Arg-Arg-Gln-Xa1-Ala-Val-Arg- (2) Arg-Tyr-Leu-Ala-Ala-Val-Leu-Gly-Xa2-Xa3- Tyr-Xa4-Gln-Xa5-Val-Xa6-Asn-Xa7-NH2
【0010】(式中、 Xa2、 Xa3、 Xa4、 Xa5、Xa6お
よびXa7は、同一でも異なってもよく、それぞれLys ま
たはArgを示し;Xa1は、Met 、LeuおよびnLeuからなる
群から選ばれるアミノ酸を示す。ただし、Xa2、Xa4、Xa
6、およびXa7が同時にLysであり、かつXa3およびXa5が
同時にArgになることはない。また、28位のGly〜 Xa7ま
でのペプチドが同時に欠失することはない。)で表され
るアミノ酸からなり、かつ、気管支拡張作用の持続性に
優れ血流増加作用、育毛作用または性行動活性化作用を
有するペプチド。 (b)アミノ酸配列(a)において、1もしくは数個のアミノ
酸が欠失、置換、もしくは付加されたアミノ酸配列から
なり、かつ、気管支拡張作用の持続性に優れ血流増加作
用、育毛作用または性行動活性化作用を有するペプチ
ド。
よびXa7は、同一でも異なってもよく、それぞれLys ま
たはArgを示し;Xa1は、Met 、LeuおよびnLeuからなる
群から選ばれるアミノ酸を示す。ただし、Xa2、Xa4、Xa
6、およびXa7が同時にLysであり、かつXa3およびXa5が
同時にArgになることはない。また、28位のGly〜 Xa7ま
でのペプチドが同時に欠失することはない。)で表され
るアミノ酸からなり、かつ、気管支拡張作用の持続性に
優れ血流増加作用、育毛作用または性行動活性化作用を
有するペプチド。 (b)アミノ酸配列(a)において、1もしくは数個のアミノ
酸が欠失、置換、もしくは付加されたアミノ酸配列から
なり、かつ、気管支拡張作用の持続性に優れ血流増加作
用、育毛作用または性行動活性化作用を有するペプチ
ド。
【0011】本発明はまた、以下の(a)または(b)の組換
えペプチドである。 (a)下記一般式(3) : H-His-Ser-Asp-Ala-Val-Phe-Thr-Asp-Asn-Tyr- Thr-Arg-Leu-Arg-Arg-Gln-Xa1-Ala-Val-Arg- (3) Arg-Tyr-Leu-Asn-Ser-Ile-Leu-Asn-Gly-Xa2- Xa3-Tyr-Xa4-Gln-Xa5-Val-Xa6-Asn-Xa7-OH
えペプチドである。 (a)下記一般式(3) : H-His-Ser-Asp-Ala-Val-Phe-Thr-Asp-Asn-Tyr- Thr-Arg-Leu-Arg-Arg-Gln-Xa1-Ala-Val-Arg- (3) Arg-Tyr-Leu-Asn-Ser-Ile-Leu-Asn-Gly-Xa2- Xa3-Tyr-Xa4-Gln-Xa5-Val-Xa6-Asn-Xa7-OH
【0012】(式中、Xa2、Xa3、Xa4、Xa5、Xa6およびX
a7は、同一でも異なってもよく、それぞれLys またはAr
gを示し;Xa1は、Met 、LeuおよびnLeuからなる群から
選ばれるアミノ酸を示す。)で表されるペプチド。 (b)アミノ酸配列(a)において、1もしくは数個のアミノ
酸が欠失、置換、もしくは付加されたアミノ酸配列から
なり、かつ、気管支拡張作用の持続性に優れ血流増加作
用、育毛作用または性行動活性化作用を有するペプチ
ド。
a7は、同一でも異なってもよく、それぞれLys またはAr
gを示し;Xa1は、Met 、LeuおよびnLeuからなる群から
選ばれるアミノ酸を示す。)で表されるペプチド。 (b)アミノ酸配列(a)において、1もしくは数個のアミノ
酸が欠失、置換、もしくは付加されたアミノ酸配列から
なり、かつ、気管支拡張作用の持続性に優れ血流増加作
用、育毛作用または性行動活性化作用を有するペプチ
ド。
【0013】本発明はさらにまた、以下の(a)または(b)
の組換えペプチドである。 (a)下記一般式(4) : H-His-Ser-Asp-Ala-Val-Phe-Thr-Asp-Asn-Tyr- Thr-Arg-Leu-Arg-Arg-Gln-Xa1-Ala-Val-Arg- (4) Arg-Tyr-Leu-Asn-Ser-Ile-Leu-Asn-Gly-Xa2- Xa3-Tyr-Xa4-Gln-Xa5-Val-Xa6-Asn-Xa7-NH2
の組換えペプチドである。 (a)下記一般式(4) : H-His-Ser-Asp-Ala-Val-Phe-Thr-Asp-Asn-Tyr- Thr-Arg-Leu-Arg-Arg-Gln-Xa1-Ala-Val-Arg- (4) Arg-Tyr-Leu-Asn-Ser-Ile-Leu-Asn-Gly-Xa2- Xa3-Tyr-Xa4-Gln-Xa5-Val-Xa6-Asn-Xa7-NH2
【0014】(式中、Xa2、Xa3、Xa4、Xa5、Xa6およびX
a7は、同一でも異なってもよく、それぞれLys またはAr
gを示し;Xa1は、Met 、LeuおよびnLeuからなる群から
選ばれるアミノ酸を示す。)で表されるペプチド。 (b)アミノ酸配列(a)において、1もしくは数個のアミノ
酸が欠失、置換、もしくは付加されたアミノ酸配列から
なり、かつ、気管支拡張作用の持続性に優れ血流増加作
用、育毛作用または性行動活性化作用を有するペプチド
(28位のGly〜Xa7までのペプチドが同時に欠失すること
はない)。
a7は、同一でも異なってもよく、それぞれLys またはAr
gを示し;Xa1は、Met 、LeuおよびnLeuからなる群から
選ばれるアミノ酸を示す。)で表されるペプチド。 (b)アミノ酸配列(a)において、1もしくは数個のアミノ
酸が欠失、置換、もしくは付加されたアミノ酸配列から
なり、かつ、気管支拡張作用の持続性に優れ血流増加作
用、育毛作用または性行動活性化作用を有するペプチド
(28位のGly〜Xa7までのペプチドが同時に欠失すること
はない)。
【0015】上記のアミノ酸の付加、欠失または置換
は、出願前周知の技術である部位特定変異誘発[例え
ば、Nucleic Acids Research, Vol. 10, No. 20, p6487
-6500を参照のこと。]により実施することができ、ア
ミノ酸の付加、欠失または置換に関し、1もしくは数個
のアミノ酸とは、部位特定変異誘発により、付加、欠失
または置換できる程度のアミノ酸をいう。このような、
上記一般式(1)〜(4)において付加、欠失または置換によ
り変異を生じたペプチドを、以下、変異ペプチド(1)〜
(4)という。
は、出願前周知の技術である部位特定変異誘発[例え
ば、Nucleic Acids Research, Vol. 10, No. 20, p6487
-6500を参照のこと。]により実施することができ、ア
ミノ酸の付加、欠失または置換に関し、1もしくは数個
のアミノ酸とは、部位特定変異誘発により、付加、欠失
または置換できる程度のアミノ酸をいう。このような、
上記一般式(1)〜(4)において付加、欠失または置換によ
り変異を生じたペプチドを、以下、変異ペプチド(1)〜
(4)という。
【0016】さらに、本発明は、上記一般式(1)〜(4)で
表されるペプチドもしくは変異ペプチド(1)〜(4)または
それらの薬学的に許容される塩を有効成分として含有す
る、気管支拡張剤を提供する。本発明はまた、上記一般
式(1)〜(4)で表されるペプチドもしくは変異ペプチド
(1)〜(4)またはそれらの薬学的に許容される塩を有効成
分として含有する、血流改善剤を提供する。
表されるペプチドもしくは変異ペプチド(1)〜(4)または
それらの薬学的に許容される塩を有効成分として含有す
る、気管支拡張剤を提供する。本発明はまた、上記一般
式(1)〜(4)で表されるペプチドもしくは変異ペプチド
(1)〜(4)またはそれらの薬学的に許容される塩を有効成
分として含有する、血流改善剤を提供する。
【0017】さらにまた本発明は、上記一般式(1)〜(4)
で表されるペプチドもしくは変異ペプチド(1)〜(4)また
はそれらの薬学的に許容される塩を有効成分として含有
する、育毛剤を提供する。加えて本発明は、上記一般式
(1)〜(4)で表されるペプチドもしくは変異ペプチド(1)
〜(4)またはそれらの薬学的に許容される塩を有効成分
として含有する、インポテンツ治療剤を提供する。
で表されるペプチドもしくは変異ペプチド(1)〜(4)また
はそれらの薬学的に許容される塩を有効成分として含有
する、育毛剤を提供する。加えて本発明は、上記一般式
(1)〜(4)で表されるペプチドもしくは変異ペプチド(1)
〜(4)またはそれらの薬学的に許容される塩を有効成分
として含有する、インポテンツ治療剤を提供する。
【0018】本明細書において、アミノ酸、ペプチド、
保護基、溶媒その他に関して略号で表示する場合、国際
純正および応用化学連合(IUPAC)、国際生化学連
合(IBU)の規定あるいは該当分野における慣用記号
に従うものとする。ただしアミノ酸等に関し光学異性体
がありうる場合は、特に明示しなければL体を示すもの
とする。以下、その例を示す。
保護基、溶媒その他に関して略号で表示する場合、国際
純正および応用化学連合(IUPAC)、国際生化学連
合(IBU)の規定あるいは該当分野における慣用記号
に従うものとする。ただしアミノ酸等に関し光学異性体
がありうる場合は、特に明示しなければL体を示すもの
とする。以下、その例を示す。
【0019】 His;ヒスチジン残基 Ser;セリン残基 Asp;アスパラギン酸残基 Ala;アラニン残基 Val;バリン残基 Phe;フェニルアラニン残基 Thr;スレオニン残基 Tyr;チロシン残基 Asn;アスパラギン残基 Leu;ロイシン残基 Arg;アルギニン残基 Lys;リジン残基 Gln;グルタミン残基 Met;メチオニン残基 Ile;イソロイシン残基 Gly;グリシン残基 nLeu;ノルロイシン残基
【0020】 Boc;t-ブトキシカルボニル基 Aoc;t-アミルオキシカルボニル基 Bzl;ベンジル基 Z;ベンジルオキシカルボニル基 Tos;p-トルエンスルホニル基 OBut;t-ブチルエステル OMe;メチルエステル OBz;ベンジルエステル ONP;p-ニトロフェニルエステル Bom;ベンジルオキシメチル基 TFA;トリフルオロ酢酸 THF;テトラヒドロフラン DCM;ジクロロメタン DMF;ジメチルホルムアミド
【0021】 DCC;ジシクロヘキシルカルボジイミド WSC;N-エチル-N'-ジメチルアミノプロピル-カルボジイ
ミド OSu;N-ヒドロキシコハク酸イミドエステル HOSu;N-ヒドロキシコハク酸イミド HOBt;1-ヒドロキシベンゾトリアゾール DIEA;ジイソプロピルエチルアミン
ミド OSu;N-ヒドロキシコハク酸イミドエステル HOSu;N-ヒドロキシコハク酸イミド HOBt;1-ヒドロキシベンゾトリアゾール DIEA;ジイソプロピルエチルアミン
【0022】本発明のペプチド誘導体は、具体的には、
配列番号1のアミノ酸配列の1〜27番までの27アミノ酸
残基からなる配列に、さらに12残基までのアミノ酸が付
加された構造を有する。本発明のペプチド誘導体におい
ては、このペプチド誘導体が機能を発揮するためには、
上記の27アミノ酸残基からなる配列は必須であるが、こ
れに付加されるアミノ酸配列は配列番号3〜6に示す12
残基までの配列であればよく、具体的には、12アミノ酸
残基からなる場合には、配列番号7または8に示すアミ
ノ酸配列の28〜39であればよい。この付加されるアミノ
酸配列は、12アミノ酸残基までのアミノ酸配列からなる
ことが好ましいが、すべてが揃っている必要はない。例
えば、下記に示すアミノ酸配列のように、これらのうち
の数個が欠失している群から選ばれる配列であってもよ
い。
配列番号1のアミノ酸配列の1〜27番までの27アミノ酸
残基からなる配列に、さらに12残基までのアミノ酸が付
加された構造を有する。本発明のペプチド誘導体におい
ては、このペプチド誘導体が機能を発揮するためには、
上記の27アミノ酸残基からなる配列は必須であるが、こ
れに付加されるアミノ酸配列は配列番号3〜6に示す12
残基までの配列であればよく、具体的には、12アミノ酸
残基からなる場合には、配列番号7または8に示すアミ
ノ酸配列の28〜39であればよい。この付加されるアミノ
酸配列は、12アミノ酸残基までのアミノ酸配列からなる
ことが好ましいが、すべてが揃っている必要はない。例
えば、下記に示すアミノ酸配列のように、これらのうち
の数個が欠失している群から選ばれる配列であってもよ
い。
【0023】 Asn Gly Lys Lys Tyr Lys Gln Lys Val Lys Asn Lys (配列番号3) Gly Arg Arg Tyr Arg Gln Arg Val Arg Asn Arg (配列番号4) Asn Gly Arg Arg Arg Arg Arg Arg (配列番号5) Gly Lys Arg Lys Arg Arg Lys (配列番号6)
【0024】本発明のペプチド誘導体は、公知のペプチ
ド合成において常法として用いられる手段に従って合成
できる。例えば「ザ.ペプチド(The Peptides)」第1巻
(1966年) [SchrederとLuhke著、Academic Press, New Y
ork, U.S.A.]、あるいは「ペプチド合成」[泉屋ら著、
丸善株式会社(1975年)]に記載されている方法に従っ
て、アジド法、酸クロライド法、酸無水物法、混合酸無
水物法、DCC法、活性エステル法(p-ニトロフェニル
エステル法、N-ヒドロキシコハク酸イミドエステル法、
シアノメチルエステル法等)、ウッドワード試薬Kを用
いる方法、カルボイミダゾール法、酸化還元法、DCC-ア
ディティブ(HONB、HOBt、HOSu)法その他
の各種の方法により合成することができる。これらの方
法は、固相合成法および液相合成法のいずれにおいても
適用することができる。
ド合成において常法として用いられる手段に従って合成
できる。例えば「ザ.ペプチド(The Peptides)」第1巻
(1966年) [SchrederとLuhke著、Academic Press, New Y
ork, U.S.A.]、あるいは「ペプチド合成」[泉屋ら著、
丸善株式会社(1975年)]に記載されている方法に従っ
て、アジド法、酸クロライド法、酸無水物法、混合酸無
水物法、DCC法、活性エステル法(p-ニトロフェニル
エステル法、N-ヒドロキシコハク酸イミドエステル法、
シアノメチルエステル法等)、ウッドワード試薬Kを用
いる方法、カルボイミダゾール法、酸化還元法、DCC-ア
ディティブ(HONB、HOBt、HOSu)法その他
の各種の方法により合成することができる。これらの方
法は、固相合成法および液相合成法のいずれにおいても
適用することができる。
【0025】本発明のペプチドは、上記のような一般的
なポリペプチドの合成法により、例えば、目的とするペ
プチドのアミノ酸配列にしたがって、C末端アミノ酸に
1個ずつ、順次アミノ酸を縮合させるいわゆるステップ
ワイズ伸長法によって製造することもでき、また、目的
とするペプチドを数個のフラグメントに分けて各フラグ
メントを合成し、それらをカップリングさせるフラグメ
ント縮合法によって製造することもできる。
なポリペプチドの合成法により、例えば、目的とするペ
プチドのアミノ酸配列にしたがって、C末端アミノ酸に
1個ずつ、順次アミノ酸を縮合させるいわゆるステップ
ワイズ伸長法によって製造することもでき、また、目的
とするペプチドを数個のフラグメントに分けて各フラグ
メントを合成し、それらをカップリングさせるフラグメ
ント縮合法によって製造することもできる。
【0026】より詳細には、例えば、ステップワイズ伸
長法による固相合成は、メリフィールド(Merrifield.
R. B.)の方法[Solid phase peptide synthesis, J. Am
er. Chem. Soc., 85:2149-2159(1963)]に従って行うこ
とができる。すなわち、まず、カルボキシル基と結合可
能な官能基を有する不溶性樹脂に、目的とするペプチド
のアミノ酸配列のC末端のアミノ酸をアミノ基を保護し
た状態で結合させる。次いで、該C末端アミノ酸のアミ
ノ基の保護基を除去して得られた遊離のアミノ基に、目
的とするペプチドのアミノ酸配列(本発明においては上
記一般式(1) または一般式(2) のアミノ酸配列)に従っ
て、カルボキシル基を活性化させたアミノ基を保護した
アミノ酸を一つずつ順次ペプチド結合させ、アミノ基の
保護基を除去する。この操作を繰り返して、1位のヒス
チジン残基までアミノ酸残基を延長し、続いて得られた
ペプチドを前記樹脂から脱離させることにより製造する
ことができる。
長法による固相合成は、メリフィールド(Merrifield.
R. B.)の方法[Solid phase peptide synthesis, J. Am
er. Chem. Soc., 85:2149-2159(1963)]に従って行うこ
とができる。すなわち、まず、カルボキシル基と結合可
能な官能基を有する不溶性樹脂に、目的とするペプチド
のアミノ酸配列のC末端のアミノ酸をアミノ基を保護し
た状態で結合させる。次いで、該C末端アミノ酸のアミ
ノ基の保護基を除去して得られた遊離のアミノ基に、目
的とするペプチドのアミノ酸配列(本発明においては上
記一般式(1) または一般式(2) のアミノ酸配列)に従っ
て、カルボキシル基を活性化させたアミノ基を保護した
アミノ酸を一つずつ順次ペプチド結合させ、アミノ基の
保護基を除去する。この操作を繰り返して、1位のヒス
チジン残基までアミノ酸残基を延長し、続いて得られた
ペプチドを前記樹脂から脱離させることにより製造する
ことができる。
【0027】上記の方法においては、アミノ酸のペプチ
ド結合に関与するアミノ基への保護基の結合および該保
護基の脱離、並びにアミノ酸のペプチド結合に関与する
カルボキシル基の活性化が必要である。また、必要に応
じてアミノ酸の側鎖の官能基にも保護基を結合する。
ド結合に関与するアミノ基への保護基の結合および該保
護基の脱離、並びにアミノ酸のペプチド結合に関与する
カルボキシル基の活性化が必要である。また、必要に応
じてアミノ酸の側鎖の官能基にも保護基を結合する。
【0028】アミノ基を保護する場合に用いる保護基と
しては、通常用いられているものを挙げることができ、
例えば、ベンジルオキシカルボニル(Z)、t-ブトキシ
カルボニル(Boc)、t-アミルオキシカルボニル(Aoc)、イ
ソボルニルオキシカルボニル、p-メトキシベンジルオキ
シカルボニル、2-クロル-ベンジルオキシカルボニル、
アダマンチルオキシカルボニル、トリフルオロアセチ
ル、フタロイル、ホルミル、o-ニトロフェニルスルフェ
ニル、ジフェニルホスフィノチオイルなどの基が挙げら
れる。
しては、通常用いられているものを挙げることができ、
例えば、ベンジルオキシカルボニル(Z)、t-ブトキシ
カルボニル(Boc)、t-アミルオキシカルボニル(Aoc)、イ
ソボルニルオキシカルボニル、p-メトキシベンジルオキ
シカルボニル、2-クロル-ベンジルオキシカルボニル、
アダマンチルオキシカルボニル、トリフルオロアセチ
ル、フタロイル、ホルミル、o-ニトロフェニルスルフェ
ニル、ジフェニルホスフィノチオイルなどの基が挙げら
れる。
【0029】また、本発明の新規ペプチドの製造におい
て、カルボキシル基を保護する場合に用いる保護基とし
ては、通常用いられているものを挙げることができ、例
えば、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエス
テル、ブチルエステル、tert−ブチルエステル、シクロ
ヘキシルエステル等のアルキルエステル、ベンジルエス
テル、p-ニトロベンジルエステル、メチルベンジルエス
テル、p-クロロベンジルエステル、ベンズヒドリルエス
テル、ベンジルオキシカルボニルヒドラジド、tert-ブ
チルオキシカルボニルヒドラジド、トリチルヒドラジド
等が挙げられる。シクロヘキシルエステルを使用するこ
とが、最終脱保護が容易であり、かつ副反応が少ないと
いった理由から好ましい。
て、カルボキシル基を保護する場合に用いる保護基とし
ては、通常用いられているものを挙げることができ、例
えば、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエス
テル、ブチルエステル、tert−ブチルエステル、シクロ
ヘキシルエステル等のアルキルエステル、ベンジルエス
テル、p-ニトロベンジルエステル、メチルベンジルエス
テル、p-クロロベンジルエステル、ベンズヒドリルエス
テル、ベンジルオキシカルボニルヒドラジド、tert-ブ
チルオキシカルボニルヒドラジド、トリチルヒドラジド
等が挙げられる。シクロヘキシルエステルを使用するこ
とが、最終脱保護が容易であり、かつ副反応が少ないと
いった理由から好ましい。
【0030】ペプチド結合に関与するカルボキシル基の
活性化も、上記のような従来公知の方法にて行うことが
でき、用いられる試薬等も公知のものから適宜選択し得
る。例えば、カルボキシル基を活性化するために、該カ
ルボキシル基と種々の試薬とを反応させて、例えば、対
応する酸クロライド、酸無水物または混合酸無水物、ア
ジド、活性エステル(例えば、ペンタクロロフェノー
ル、p-ニトロフェノール、N-ヒドロキシコハク酸イミ
ド、N-ヒドロキシベンズトリアゾール、N-ヒドロキシ-5
-ノルボルネン-2,3-ジカルボキシイミド等とのエステ
ル)等を形成させればよい。
活性化も、上記のような従来公知の方法にて行うことが
でき、用いられる試薬等も公知のものから適宜選択し得
る。例えば、カルボキシル基を活性化するために、該カ
ルボキシル基と種々の試薬とを反応させて、例えば、対
応する酸クロライド、酸無水物または混合酸無水物、ア
ジド、活性エステル(例えば、ペンタクロロフェノー
ル、p-ニトロフェノール、N-ヒドロキシコハク酸イミ
ド、N-ヒドロキシベンズトリアゾール、N-ヒドロキシ-5
-ノルボルネン-2,3-ジカルボキシイミド等とのエステ
ル)等を形成させればよい。
【0031】また、アミノ酸の中で、側鎖に官能基を有
するものについては、ペプチド結合形成反応中はその官
能基は保護されているのが好ましく、特に、His、Tyr、
Thr、Lys、Asp、ArgおよびSerについては、その側鎖の
官能基を保護しておくのが好ましい。官能基の保護は、
通常用いられている方法で、下記のような保護基を結合
させることにより行われる。本発明の新規ペプチドの合
成終了後、これらの保護基は脱離される。
するものについては、ペプチド結合形成反応中はその官
能基は保護されているのが好ましく、特に、His、Tyr、
Thr、Lys、Asp、ArgおよびSerについては、その側鎖の
官能基を保護しておくのが好ましい。官能基の保護は、
通常用いられている方法で、下記のような保護基を結合
させることにより行われる。本発明の新規ペプチドの合
成終了後、これらの保護基は脱離される。
【0032】Hisのイミノ基の保護基としては、例え
ば、ベンジルオキシメチル(Bom)、トシル(Tos)、ベンジ
ル(Bzl)、ベンジルオキシカルボニル(Z)、トリチル
等の基が挙げられる。SerおよびThrの水酸基は、例え
ば、エステル化またはエーテル化によって保護すること
ができるが、必ずしも保護する必要はない。エステル化
によって導入される保護基としては、例えば、アセチル
等の低級アルカノイル基、ベンゾイル等のアロイル基、
ベンゾイルオキシカルボニル、エチルオキシカルボニル
等の炭酸から誘導される基等が好適に用いられる。また
エーテル化によって導入される保護基としては、例え
ば、ベンジル(Bzl)、テトラヒドロピラニル、tert-ブチ
ル等の基が好適に用いられる。
ば、ベンジルオキシメチル(Bom)、トシル(Tos)、ベンジ
ル(Bzl)、ベンジルオキシカルボニル(Z)、トリチル
等の基が挙げられる。SerおよびThrの水酸基は、例え
ば、エステル化またはエーテル化によって保護すること
ができるが、必ずしも保護する必要はない。エステル化
によって導入される保護基としては、例えば、アセチル
等の低級アルカノイル基、ベンゾイル等のアロイル基、
ベンゾイルオキシカルボニル、エチルオキシカルボニル
等の炭酸から誘導される基等が好適に用いられる。また
エーテル化によって導入される保護基としては、例え
ば、ベンジル(Bzl)、テトラヒドロピラニル、tert-ブチ
ル等の基が好適に用いられる。
【0033】Tyrの水酸基の保護基としては、例えばベ
ンジル(Bzl)、ブロモベンジルオキシカルボニル(BrZ)、
ジクロロベンジル(Cl2-Bzl) 、ベンジルオキシカルボニ
ル(Z)、アセチル、トシル(Tos)等の基が挙げられ
る。Lysのアミノ基の保護基としては、例えば、ベンジ
ルオキシカルボニル(Z)、クロロベンジルオキシカル
ボニル(Cl-Z)、ジクロロベンジル(Cl2-Bzl) 、t-ブトキ
シカルボニル(Boc)、トシル(Tos)等の基が挙げられる。
ンジル(Bzl)、ブロモベンジルオキシカルボニル(BrZ)、
ジクロロベンジル(Cl2-Bzl) 、ベンジルオキシカルボニ
ル(Z)、アセチル、トシル(Tos)等の基が挙げられ
る。Lysのアミノ基の保護基としては、例えば、ベンジ
ルオキシカルボニル(Z)、クロロベンジルオキシカル
ボニル(Cl-Z)、ジクロロベンジル(Cl2-Bzl) 、t-ブトキ
シカルボニル(Boc)、トシル(Tos)等の基が挙げられる。
【0034】Argのグアニジノ基の保護基としては、例
えば、トシル(Tos)、ニトロ、ベンジルオキシカルボニ
ル(Z)、t-アミルオキシカルボニル(Aoc)基等の基が
挙げられる。Aspのカルボキシル基の保護は、例えば、
ベンジルアルコール、メタノール、エタノール、tert-
ブタノール等によるエステル化により行われる。
えば、トシル(Tos)、ニトロ、ベンジルオキシカルボニ
ル(Z)、t-アミルオキシカルボニル(Aoc)基等の基が
挙げられる。Aspのカルボキシル基の保護は、例えば、
ベンジルアルコール、メタノール、エタノール、tert-
ブタノール等によるエステル化により行われる。
【0035】なお、ペプチド結合の形成反応は、例え
ば、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、カルボジ
イミダゾール等のカルボジイミド試薬やピロリン酸テト
ラエチル、ベンゾトリアゾール-N-ヒドロキシトリスジ
メチルアミノホスホニウムヘキサフルオロリン化物塩
(Bop試薬)等の縮合剤の存在下に実施し得る場合もあ
る。
ば、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、カルボジ
イミダゾール等のカルボジイミド試薬やピロリン酸テト
ラエチル、ベンゾトリアゾール-N-ヒドロキシトリスジ
メチルアミノホスホニウムヘキサフルオロリン化物塩
(Bop試薬)等の縮合剤の存在下に実施し得る場合もあ
る。
【0036】上記の固相合成において用いる不溶性樹脂
は、カルボキシル基と結合可能な官能基を有する樹脂で
あればいずれのものも使用でき、例えば、ベンズヒドリ
ルアミン樹脂(BHA樹脂)、クロルメチル樹脂、オキ
シメチル樹脂、アミノメチル樹脂、p-メチルベンズヒド
リルアミン樹脂(MBHA樹脂)、4-アミノメチルフェ
ノキシメチル樹脂、4-ヒドロキシメチルフェノキシメチ
ル樹脂、4-オキシメチルフェニルアセタミドメチル樹脂
(PAM樹脂)等が挙げられる。樹脂へのアミノ酸の結
合および合成されたペプチドの樹脂からの脱離は、公知
の方法で行うことができる。
は、カルボキシル基と結合可能な官能基を有する樹脂で
あればいずれのものも使用でき、例えば、ベンズヒドリ
ルアミン樹脂(BHA樹脂)、クロルメチル樹脂、オキ
シメチル樹脂、アミノメチル樹脂、p-メチルベンズヒド
リルアミン樹脂(MBHA樹脂)、4-アミノメチルフェ
ノキシメチル樹脂、4-ヒドロキシメチルフェノキシメチ
ル樹脂、4-オキシメチルフェニルアセタミドメチル樹脂
(PAM樹脂)等が挙げられる。樹脂へのアミノ酸の結
合および合成されたペプチドの樹脂からの脱離は、公知
の方法で行うことができる。
【0037】上記の固相合成に用いる溶媒としては、ペ
プチド結合形成に使用し得ることが知られている各種の
もの、例えば、無水または含水のジメチルホルムアミド
(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ピリジ
ン、クロロホルム、ジオキサン、ジクロロメタン(DC
M)、テトラヒドロフラン(THF)、酢酸エチル、N-メチ
ルピロリドン、ヘキサメチルリン酸トリアミド(HMPA)
等を、単独で、あるいは2種以上の混合溶媒として用い
ることができる。
プチド結合形成に使用し得ることが知られている各種の
もの、例えば、無水または含水のジメチルホルムアミド
(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ピリジ
ン、クロロホルム、ジオキサン、ジクロロメタン(DC
M)、テトラヒドロフラン(THF)、酢酸エチル、N-メチ
ルピロリドン、ヘキサメチルリン酸トリアミド(HMPA)
等を、単独で、あるいは2種以上の混合溶媒として用い
ることができる。
【0038】本発明のペプチドは、以下のようにして合
成することができる。固相合成の場合を例にとって説明
する。固相として、MBHA樹脂を固相合成用反応容器に入
れ、窒素ガスまたはアルゴンガスなどの非酸化性雰囲気
中で、ジクロロメタン(DCM)、トリフルオロ酢酸(TFA)含
有DCMで処理した後に、再びDCMで処理し、次いでジイソ
プロピルエチルアミン(DIEA)含有ジメチルホルムアミド
(DMF)およびDMFで処理する。
成することができる。固相合成の場合を例にとって説明
する。固相として、MBHA樹脂を固相合成用反応容器に入
れ、窒素ガスまたはアルゴンガスなどの非酸化性雰囲気
中で、ジクロロメタン(DCM)、トリフルオロ酢酸(TFA)含
有DCMで処理した後に、再びDCMで処理し、次いでジイソ
プロピルエチルアミン(DIEA)含有ジメチルホルムアミド
(DMF)およびDMFで処理する。
【0039】次に、目的のペプチドの38位のアミノ酸
を、例えば、BocやCl2Bzlなどの保護基で保護した後
に、アミノ酸活性化容器中で、ジシクロヘキシルカルボ
ジイミド(DCC)と1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOB
t)とを加えて反応させ、固相と結合させる。この場
合、ダブルカップリングを行ってもよい。
を、例えば、BocやCl2Bzlなどの保護基で保護した後
に、アミノ酸活性化容器中で、ジシクロヘキシルカルボ
ジイミド(DCC)と1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOB
t)とを加えて反応させ、固相と結合させる。この場
合、ダブルカップリングを行ってもよい。
【0040】ついで、固相に結合させたアミノ酸に、目
的のペプチドの37位のアミノ酸を上記と同様にして結合
させ、これを順次繰り返して1位のアミノ酸を結合させ
る。以上のようにして、各アミノ酸の側鎖が保護され、
MBHA樹脂と結合したペプチドが得られる。このペプチド
を、例えば、アニソールと無水フッ化水素とで処理し、
無水フッ化水素を留去した後に、残渣をエーテルなどの
適当な溶媒で処理した後に、酸で抽出する。ついで、抽
出液をイオン交換樹脂とともに攪拌した後に濾過して不
溶性樹脂を除き、凍結乾燥し、粗精製ペプチドを得るこ
とができる。
的のペプチドの37位のアミノ酸を上記と同様にして結合
させ、これを順次繰り返して1位のアミノ酸を結合させ
る。以上のようにして、各アミノ酸の側鎖が保護され、
MBHA樹脂と結合したペプチドが得られる。このペプチド
を、例えば、アニソールと無水フッ化水素とで処理し、
無水フッ化水素を留去した後に、残渣をエーテルなどの
適当な溶媒で処理した後に、酸で抽出する。ついで、抽
出液をイオン交換樹脂とともに攪拌した後に濾過して不
溶性樹脂を除き、凍結乾燥し、粗精製ペプチドを得るこ
とができる。
【0041】合成されたペプチドは、通常の方法に従い
脱塩、精製することができる。この粗精製ペプチドを、
DEAE−セファロースもしくはCM−セルロースなどのイオ
ン交換カラムクロマトグラフィー、またはセファデック
スLH-20もしくはセファデックスG-25等の分配クロマト
グラフィーなどによって部分精製することができる。
脱塩、精製することができる。この粗精製ペプチドを、
DEAE−セファロースもしくはCM−セルロースなどのイオ
ン交換カラムクロマトグラフィー、またはセファデック
スLH-20もしくはセファデックスG-25等の分配クロマト
グラフィーなどによって部分精製することができる。
【0042】このようにして得た部分精製ペプチドは、
シリカゲル等を固相とした順相クロマトグラフィーまた
はODS-シリカゲル等を固相とした逆相クロマトグラフィ
ーなどを用いて、さらにHPLCにより精製することができ
る。
シリカゲル等を固相とした順相クロマトグラフィーまた
はODS-シリカゲル等を固相とした逆相クロマトグラフィ
ーなどを用いて、さらにHPLCにより精製することができ
る。
【0043】上述のようにして精製した本発明のペプチ
ドは、各種の酸を用いて、所望により、薬学的に許容さ
れる塩、例えば、酢酸塩、塩酸塩、リン酸塩等にするこ
とができる。本発明のペプチドおよびその塩は、気管支
拡張作用、血流改善作用、育毛作用および性行動活性化
作用を有するため、気管支拡張剤、血流改善剤、育毛剤
およびインポテンツ治療剤などとして使用することがで
きる。本発明のペプチドまたはその塩は、単独で投与し
てもよく、また、これらを薬学的に許容され得る種々の
賦形剤その他の成分と混合して、液状、ゲル状、半固
体、または固体状などの様々な剤形とし、気管支拡張
剤、血流改善剤、育毛剤またはインポテンツ治療剤とし
て投与してもよい。賦形剤その他の成分は、剤形によっ
て適宜選択して使用する。
ドは、各種の酸を用いて、所望により、薬学的に許容さ
れる塩、例えば、酢酸塩、塩酸塩、リン酸塩等にするこ
とができる。本発明のペプチドおよびその塩は、気管支
拡張作用、血流改善作用、育毛作用および性行動活性化
作用を有するため、気管支拡張剤、血流改善剤、育毛剤
およびインポテンツ治療剤などとして使用することがで
きる。本発明のペプチドまたはその塩は、単独で投与し
てもよく、また、これらを薬学的に許容され得る種々の
賦形剤その他の成分と混合して、液状、ゲル状、半固
体、または固体状などの様々な剤形とし、気管支拡張
剤、血流改善剤、育毛剤またはインポテンツ治療剤とし
て投与してもよい。賦形剤その他の成分は、剤形によっ
て適宜選択して使用する。
【0044】気管支拡張剤とする場合には、点鼻剤、吸
入剤、経口剤、注射剤または経皮吸収剤とすることが
できる。吸入剤、経口剤、経皮吸収剤は在宅療法が可能
であることから好ましい。特に吸入剤は、局所投与であ
り、局所作用が期待できるといった理由から好ましい。
吸入剤とする場合には、安定化剤、緩衝剤、矯味剤、懸
濁化剤、乳化剤、芳香剤、保存剤、溶解補助剤、または
その他の適当な添加剤を添加することができる。吸入剤
による治療効果を上げるためには、上気道への沈着を可
能な限り減らし、肺胞や末梢気道に薬剤を到達させる必
要があることから、粒径1〜5μmの顆粒剤とすること
が好ましい。
入剤、経口剤、注射剤または経皮吸収剤とすることが
できる。吸入剤、経口剤、経皮吸収剤は在宅療法が可能
であることから好ましい。特に吸入剤は、局所投与であ
り、局所作用が期待できるといった理由から好ましい。
吸入剤とする場合には、安定化剤、緩衝剤、矯味剤、懸
濁化剤、乳化剤、芳香剤、保存剤、溶解補助剤、または
その他の適当な添加剤を添加することができる。吸入剤
による治療効果を上げるためには、上気道への沈着を可
能な限り減らし、肺胞や末梢気道に薬剤を到達させる必
要があることから、粒径1〜5μmの顆粒剤とすること
が好ましい。
【0045】また、錠剤などの経口剤とする場合には、
乳糖、乳糖とデンプンの混合物などの賦形剤、矯味・矯
臭剤、色素その他の成分を添加することができる。ま
た、本発明のペプチドまたはその塩を有効成分とする錠
剤に種々のコーティングを施し、糖衣錠、フィルムコー
ティング錠、腸溶錠などとしてもよい。さらに、注射用
水に溶かして注射剤とする非経口用錠剤としてもよい。
経口用錠剤は、吸入剤を使用できない幼児や夜間喘鳴を
有する喘息患者などに投与する上で好適である。
乳糖、乳糖とデンプンの混合物などの賦形剤、矯味・矯
臭剤、色素その他の成分を添加することができる。ま
た、本発明のペプチドまたはその塩を有効成分とする錠
剤に種々のコーティングを施し、糖衣錠、フィルムコー
ティング錠、腸溶錠などとしてもよい。さらに、注射用
水に溶かして注射剤とする非経口用錠剤としてもよい。
経口用錠剤は、吸入剤を使用できない幼児や夜間喘鳴を
有する喘息患者などに投与する上で好適である。
【0046】さらに、注射剤とする場合には、等張化
剤、pH調整剤、安定化剤、溶解補助剤、懸濁化剤、乳化
剤、緩衝剤、保存剤またはその他の適当な添加剤を加え
ることができる。等張化剤としては、例えば、ブドウ糖
もしくは塩化ナトリウムなど、pH調整剤としては、リン
酸塩、ホウ酸もしくはホウ砂などを挙げることができ
る。安定化剤としては、アルブミン、ゼラチン、ソルビ
トールもしくはマンニトール、保存剤としては、0.1%
フェノール、0.25%クレゾール、もしくは0.5%クロロ
ブタノールなどがある。その他の添加剤としては、無痛
化剤として使用する局所麻酔剤を挙げることができる。
このような局所麻酔剤としては、具体的には、ベンジル
アルコール、クロロブタノール、ブドウ糖、イノシッ
ト、グルコン酸カルシウム、アミノ酸、塩酸リドカイ
ン、塩酸ジブカイン、塩酸メピバカインなどを挙げるこ
とができる。本発明のペプチドもしくはその塩を注射剤
とする場合には、静脈注射用製剤とすることが、有効成
分の吸収と薬効発現の上から好適である。
剤、pH調整剤、安定化剤、溶解補助剤、懸濁化剤、乳化
剤、緩衝剤、保存剤またはその他の適当な添加剤を加え
ることができる。等張化剤としては、例えば、ブドウ糖
もしくは塩化ナトリウムなど、pH調整剤としては、リン
酸塩、ホウ酸もしくはホウ砂などを挙げることができ
る。安定化剤としては、アルブミン、ゼラチン、ソルビ
トールもしくはマンニトール、保存剤としては、0.1%
フェノール、0.25%クレゾール、もしくは0.5%クロロ
ブタノールなどがある。その他の添加剤としては、無痛
化剤として使用する局所麻酔剤を挙げることができる。
このような局所麻酔剤としては、具体的には、ベンジル
アルコール、クロロブタノール、ブドウ糖、イノシッ
ト、グルコン酸カルシウム、アミノ酸、塩酸リドカイ
ン、塩酸ジブカイン、塩酸メピバカインなどを挙げるこ
とができる。本発明のペプチドもしくはその塩を注射剤
とする場合には、静脈注射用製剤とすることが、有効成
分の吸収と薬効発現の上から好適である。
【0047】経皮吸収剤とする場合には、クリームやジ
ェルなどの軟膏、塗布剤、パップ剤などとすることがで
きる。軟膏とする場合には、ワセリン、パラフィン、プ
ラスチベース、シリコン、植物油、豚脂もしくはろう類
などの疎水性基剤、もしくはバニシングクリームなどの
親水性基剤(o/w型)、親水ワセリン、精製ラノリン、
吸水軟膏、加水ラノリン、親水プラスチベース、コール
ドクリームなどの吸水性基剤(w/o型)を含む乳化性基
剤、マクロゴール類(PEG)軟膏などの水溶性基剤など
を基剤として使用することができる。
ェルなどの軟膏、塗布剤、パップ剤などとすることがで
きる。軟膏とする場合には、ワセリン、パラフィン、プ
ラスチベース、シリコン、植物油、豚脂もしくはろう類
などの疎水性基剤、もしくはバニシングクリームなどの
親水性基剤(o/w型)、親水ワセリン、精製ラノリン、
吸水軟膏、加水ラノリン、親水プラスチベース、コール
ドクリームなどの吸水性基剤(w/o型)を含む乳化性基
剤、マクロゴール類(PEG)軟膏などの水溶性基剤など
を基剤として使用することができる。
【0048】また、乳化剤としては、ナトリウム石鹸な
どのアルカリ石鹸、オレイン酸カルシウムなどの金属石
鹸をはじめとする石鹸類、硫酸化ヒマシ油(ロート油)
などの硫酸化油、ラウリル硫酸ナトリウムなどのアルコ
ールの硫酸エステルをはじめとする硫酸化物を包含する
陰イオン型界面活性剤、塩化ベンザルコニウムなどの陽
性石鹸などの陽イオン型界面活性剤、TEGO-51などの両
性型界面活性剤、ポリオキシエチレングリコールアルキ
ルエーテル、ソルビタンモノ脂肪酸エステル(Span
類)、ポリソルベート80(Tween類)などの非イオン型
界面活性剤、またはアラビアゴム、トラガントゴム、ア
ルギン酸ナトリウムなどの植物成分を挙げることができ
る。また、保存剤としては、パラオキシ安息香酸メチ
ル、パラオキシ安息香酸エチルなどを挙げることができ
る。
どのアルカリ石鹸、オレイン酸カルシウムなどの金属石
鹸をはじめとする石鹸類、硫酸化ヒマシ油(ロート油)
などの硫酸化油、ラウリル硫酸ナトリウムなどのアルコ
ールの硫酸エステルをはじめとする硫酸化物を包含する
陰イオン型界面活性剤、塩化ベンザルコニウムなどの陽
性石鹸などの陽イオン型界面活性剤、TEGO-51などの両
性型界面活性剤、ポリオキシエチレングリコールアルキ
ルエーテル、ソルビタンモノ脂肪酸エステル(Span
類)、ポリソルベート80(Tween類)などの非イオン型
界面活性剤、またはアラビアゴム、トラガントゴム、ア
ルギン酸ナトリウムなどの植物成分を挙げることができ
る。また、保存剤としては、パラオキシ安息香酸メチ
ル、パラオキシ安息香酸エチルなどを挙げることができ
る。
【0049】塗布剤とするときには、水、エタノール、
エーテル、グリセリン、または植物油などを添加するこ
とができる。また、種々の布、フィルムなどに上記のよ
うな本発明のペプチドまたはその塩を含む軟膏またはク
リームを適宜塗布してパップ剤として使用してもよい。
エーテル、グリセリン、または植物油などを添加するこ
とができる。また、種々の布、フィルムなどに上記のよ
うな本発明のペプチドまたはその塩を含む軟膏またはク
リームを適宜塗布してパップ剤として使用してもよい。
【0050】血流改善剤とする場合にも、上記の気管支
拡張剤の場合と同様にして製剤化することができ、錠剤
をはじめとする経口剤、または注射剤その他の非経口剤
とすることができる。床ずれ(褥創)の場合は、経皮吸
収によって局所的な作用が可能であり、副作用が少ない
ことなどの点で好適である。しかし、速やかに薬効を発
揮させる上で注射剤とすることが好ましく、静脈注射用
の製剤とすることがより好ましい。
拡張剤の場合と同様にして製剤化することができ、錠剤
をはじめとする経口剤、または注射剤その他の非経口剤
とすることができる。床ずれ(褥創)の場合は、経皮吸
収によって局所的な作用が可能であり、副作用が少ない
ことなどの点で好適である。しかし、速やかに薬効を発
揮させる上で注射剤とすることが好ましく、静脈注射用
の製剤とすることがより好ましい。
【0051】注射剤とする場合には、液剤、凍結乾燥製
剤、注射用錠剤など、いかなる剤形とすることもでき
る。いずれの剤形であっても、使用する際には、血液と
等張な滅菌製剤とできることが好ましい。液剤とする場
合には、例えば、本発明のペプチドを生理食塩水に溶解
させ、このペプチドの投与量が、体重60kgのヒトに対し
て1nmol/回となるように、所望により、上述のような
保存剤その他の成分を適宜加えてもよい。また、凍結乾
燥製剤とする場合には、生理食塩水などに溶解した本発
明のペプチドまたはその塩に、ヒト血清アルブミンなど
の安定化剤、pH調節剤などを添加し、その後に凍結乾燥
してもよい。
剤、注射用錠剤など、いかなる剤形とすることもでき
る。いずれの剤形であっても、使用する際には、血液と
等張な滅菌製剤とできることが好ましい。液剤とする場
合には、例えば、本発明のペプチドを生理食塩水に溶解
させ、このペプチドの投与量が、体重60kgのヒトに対し
て1nmol/回となるように、所望により、上述のような
保存剤その他の成分を適宜加えてもよい。また、凍結乾
燥製剤とする場合には、生理食塩水などに溶解した本発
明のペプチドまたはその塩に、ヒト血清アルブミンなど
の安定化剤、pH調節剤などを添加し、その後に凍結乾燥
してもよい。
【0052】育毛剤とする場合には、上記のペプチドを
適当な溶媒に溶解または懸濁させて、液剤、懸濁剤、乳
剤、エアゾール剤またはローション剤などの液体状の製
剤としてもよく、または軟膏、ゲル、ペーストまたはク
リームなどの半固形状の製剤としてもよい。
適当な溶媒に溶解または懸濁させて、液剤、懸濁剤、乳
剤、エアゾール剤またはローション剤などの液体状の製
剤としてもよく、または軟膏、ゲル、ペーストまたはク
リームなどの半固形状の製剤としてもよい。
【0053】上記のような製剤とする場合には、一般に
揮散し得る希釈剤または溶剤を使用することが、局所的
な適用が可能で、適用部位に実質的に活性成分を残存さ
せることが可能となるために好ましい。このような希釈
剤または溶剤としては、エタノール、イソプロパノール
などのC1-C4のアルコールなどを挙げることができ
る。この他に、ろう類、乳化剤、pH調整剤、芳香剤、乳
化剤、保存剤、溶解補助剤、着色剤またはその他の適当
な添加剤を使用することができる。ろう類としては、ミ
ツロウ、木ロウ、各種の合成ワックスなどを例示するこ
とができ、乳化剤としては、各種の高級アルコール、多
価アルコール、脂肪酸、各種の脂質などを例示すること
ができる。また、保存剤としてはアジ化ナトリウムを、
着色剤としては、各種の色素などを挙げることができ
る。
揮散し得る希釈剤または溶剤を使用することが、局所的
な適用が可能で、適用部位に実質的に活性成分を残存さ
せることが可能となるために好ましい。このような希釈
剤または溶剤としては、エタノール、イソプロパノール
などのC1-C4のアルコールなどを挙げることができ
る。この他に、ろう類、乳化剤、pH調整剤、芳香剤、乳
化剤、保存剤、溶解補助剤、着色剤またはその他の適当
な添加剤を使用することができる。ろう類としては、ミ
ツロウ、木ロウ、各種の合成ワックスなどを例示するこ
とができ、乳化剤としては、各種の高級アルコール、多
価アルコール、脂肪酸、各種の脂質などを例示すること
ができる。また、保存剤としてはアジ化ナトリウムを、
着色剤としては、各種の色素などを挙げることができ
る。
【0054】このような液体製剤とする場合には、本発
明のペプチドを、例えば、約0.001〜約5.0w/v%、より
好ましくは、約0.01〜3.0w/v%の範囲で添加する。添加
するペプチドの量は、製剤基剤の組成などに応じて適宜
調節することができる。
明のペプチドを、例えば、約0.001〜約5.0w/v%、より
好ましくは、約0.01〜3.0w/v%の範囲で添加する。添加
するペプチドの量は、製剤基剤の組成などに応じて適宜
調節することができる。
【0055】半固形製剤とする場合には、各種のワック
スおよびろう類、高級アルコール、多価アルコール、無
機顔料などを配合することができる。ワックスおよびろ
う類としては、ミツロウ、合成ワックスなどを挙げるこ
とができ、高級アルコールとしてはセチルアルコールな
どを挙げることができる。また、多価アルコールとして
は、ワセリン、ラノリン、グリセリンなどを挙げること
ができ、無機顔料としては、無水ケイ酸、ベントナイト
などを挙げることができる。また、ビタミン、アセチル
コリン誘導体などの末梢神経拡張剤、サリチル酸などの
角質溶解剤、ヒアルロン酸などの保湿剤、芳香剤などを
添加してもよい。
スおよびろう類、高級アルコール、多価アルコール、無
機顔料などを配合することができる。ワックスおよびろ
う類としては、ミツロウ、合成ワックスなどを挙げるこ
とができ、高級アルコールとしてはセチルアルコールな
どを挙げることができる。また、多価アルコールとして
は、ワセリン、ラノリン、グリセリンなどを挙げること
ができ、無機顔料としては、無水ケイ酸、ベントナイト
などを挙げることができる。また、ビタミン、アセチル
コリン誘導体などの末梢神経拡張剤、サリチル酸などの
角質溶解剤、ヒアルロン酸などの保湿剤、芳香剤などを
添加してもよい。
【0056】半固形製剤とすると、適用部位全体に均一
に分散させることが可能であり、かつ、必要以上に適用
部位の範囲を超えて広がったり、流れたりすることがな
いという利点がある。このような半固形製剤とする場合
には、本発明のペプチドを、例えば、約0.001〜約5.0w/
v%、より好ましくは、約0.01〜3.0w/v%の範囲で添加
する。添加するペプチドの量は、製剤基剤の組成などに
応じて適宜調節することができる。
に分散させることが可能であり、かつ、必要以上に適用
部位の範囲を超えて広がったり、流れたりすることがな
いという利点がある。このような半固形製剤とする場合
には、本発明のペプチドを、例えば、約0.001〜約5.0w/
v%、より好ましくは、約0.01〜3.0w/v%の範囲で添加
する。添加するペプチドの量は、製剤基剤の組成などに
応じて適宜調節することができる。
【0057】インポテンツ治療剤とする場合には、経皮
吸収剤とすることができる。経皮吸収剤とする場合に
は、クリームやジェルなどの軟膏などとすることができ
る。軟膏とする場合には、血流改善剤として上述したと
同様に、各種の疎水性基剤、親水性基剤(o/w型)、吸
水性基剤(w/o型)を含む乳化性基剤、および水溶性基
剤などを基剤として使用することができる。
吸収剤とすることができる。経皮吸収剤とする場合に
は、クリームやジェルなどの軟膏などとすることができ
る。軟膏とする場合には、血流改善剤として上述したと
同様に、各種の疎水性基剤、親水性基剤(o/w型)、吸
水性基剤(w/o型)を含む乳化性基剤、および水溶性基
剤などを基剤として使用することができる。
【0058】乳化剤もまた、同様に、陰イオン型界面活
性剤、陽イオン型界面活性剤、両性型界面活性剤、非イ
オン型界面活性剤、および各種植物成分を挙げることが
できる。また、保存剤としては、パラオキシ安息香酸メ
チル、パラオキシ安息香酸エチルなどを挙げることがで
きる。
性剤、陽イオン型界面活性剤、両性型界面活性剤、非イ
オン型界面活性剤、および各種植物成分を挙げることが
できる。また、保存剤としては、パラオキシ安息香酸メ
チル、パラオキシ安息香酸エチルなどを挙げることがで
きる。
【0059】本発明のペプチドまたはその塩の投与方法
としては、例えば、上述のようして製造した経口剤によ
る全身投与、または非経口剤による局所投与がある。具
体的な局所投与法としては、吸入エアゾール剤などによ
る吸入、注射による投与、塗布による経皮吸収等を挙げ
ることができる。
としては、例えば、上述のようして製造した経口剤によ
る全身投与、または非経口剤による局所投与がある。具
体的な局所投与法としては、吸入エアゾール剤などによ
る吸入、注射による投与、塗布による経皮吸収等を挙げ
ることができる。
【0060】本発明のペプチドを上記のような製剤とし
て投与する場合の投与量は、用途、患者の症状、年齢、
体重等や、投与方法などにより適宜決定することができ
る。気管支拡張剤として投与する場合は、通常1人1日
当たり約1ng〜約1mg/kg体重の範囲で使用するのが好
ましく、約100ng〜約100μg/kgとすることが好ましい。
血流改善剤として使用する場合には、気管支拡張剤とし
て投与する場合と同様、約1ng〜約1mg/kg体重の範囲
で使用するのが好ましく、約100 ng〜約100μg/kgとす
ることが好ましい。
て投与する場合の投与量は、用途、患者の症状、年齢、
体重等や、投与方法などにより適宜決定することができ
る。気管支拡張剤として投与する場合は、通常1人1日
当たり約1ng〜約1mg/kg体重の範囲で使用するのが好
ましく、約100ng〜約100μg/kgとすることが好ましい。
血流改善剤として使用する場合には、気管支拡張剤とし
て投与する場合と同様、約1ng〜約1mg/kg体重の範囲
で使用するのが好ましく、約100 ng〜約100μg/kgとす
ることが好ましい。
【0061】以下に製剤例を示す。 (製剤例) (1)気管支拡張剤 吸入剤 本発明のペプチド 1.5μg 乳 糖 2 mg を混合してカプセルまたはディスク内に封入する。吸入
量は1日1〜2回(1錠/回)とする。
量は1日1〜2回(1錠/回)とする。
【0062】注射剤 本発明のペプチド 175μg D-マンニトール 100 mg 塩化ナトリウム 900 mg を100mLの注射用蒸留水に溶解し、注射用アンプルに1m
Lずつ分注する。
Lずつ分注する。
【0063】錠剤 本発明のペプチド 0.05 mg 乳糖 50 mg を混合し、打錠する。
【0064】(2)血流改善剤 吸入剤 本発明のペプチド 3μg 乳 糖 2 mg を混合してカプセルまたはディスク内に封入する。吸入
量は1日1〜2回(1錠/回)とする。
量は1日1〜2回(1錠/回)とする。
【0065】注射剤 本発明のペプチド 175μg D-マンニトール 100 mg 塩化ナトリウム 900 mg を100mLの注射用蒸留水に溶解し、注射用アンプルに1m
Lずつ分注する。
Lずつ分注する。
【0066】錠剤 本発明のペプチド 0.05μg 乳糖 50mg を打錠して錠剤とする。
【0067】(3)育毛剤 乳剤性ローション 本発明のペプチド 100 mg サラシミツロウ 100 mg セチルアルコール 1.5 g ラウリル硫酸ナトリウム 0.5 g グリセリン 5.0 mL 精製水 100.0 mL を混合して0.1%のローションタイプの育毛剤を得る。
【0068】クリーム 本発明のペプチド 50 mg 白色ワセリン 1 g DMSO 7滴 精製水 3 g をホモジネートして混合し、0.25%のクリームの育毛剤
を得る。
を得る。
【0069】(4)インポテンツ治療剤 本発明のペプチド 50 mg ラノリン 1 g DMSO 7滴 精製水 3 g をホモジネートして混合し、0.25%のクリームのインポ
テンツ治療剤を得る。
テンツ治療剤を得る。
【0070】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げてより具体的に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0071】以下の実施例において、得られた純粋ペプ
チドの同定は、下記に示す高速液体クロマトグラフィー
(HPLC)の保持時間の測定、旋光度の測定およびアミノ
酸分析により行った。 ・高速液体クロマトグラフィー(HPLC) 高速液体クロマトグラフィー分析には、LC-Module-1
(日本ウォーターズ・リミテッド社製)を用いた。
チドの同定は、下記に示す高速液体クロマトグラフィー
(HPLC)の保持時間の測定、旋光度の測定およびアミノ
酸分析により行った。 ・高速液体クロマトグラフィー(HPLC) 高速液体クロマトグラフィー分析には、LC-Module-1
(日本ウォーターズ・リミテッド社製)を用いた。
【0072】(HPLC分析条件) カラム:TSK GEL ODS-120T(4.6×250mm) 溶離液:0.1%TFA−アセトニトリル (アセトニトリルを20%から50%に毎分1%ずつ変化さ
せる直線勾配グラジェント) 流 速:1mL/min 検出波長:220 nm
せる直線勾配グラジェント) 流 速:1mL/min 検出波長:220 nm
【0073】・旋光度 旋光度の測定には、DIC-370(日本分光工業社製)を用
いた。 (旋光度測定条件) 光線: Naランプ 589 nm 温度: 20℃ 層長: 100 mm 濃度: 1%(0.1M−酢酸中)
いた。 (旋光度測定条件) 光線: Naランプ 589 nm 温度: 20℃ 層長: 100 mm 濃度: 1%(0.1M−酢酸中)
【0074】・アミノ酸分析 アミノ酸分析は、得られたペプチドを6N-HCl(0.1%フ
ェノール含有)中で 110℃、20時間加水分解した後に、
日立アミノ酸分析装置L-8500型(日立製作所社製)を用
いて行った。
ェノール含有)中で 110℃、20時間加水分解した後に、
日立アミノ酸分析装置L-8500型(日立製作所社製)を用
いて行った。
【0075】〔実施例1〕ペプチド1の製造 下記式 H-His-Ser-Asp-Gly-Ile-Phe-Thr-Asp-Ser-Tyr-Ser-Arg-
Tyr-Arg-Arg-Gln-Leu-Ala-Val-Arg-Arg-Tyr-Leu-Ala-Al
a-Val-Leu-Gly-Lys-Arg-Tyr-Lys-Gln-Arg-Val-Lys-Asn-
Lys-NH2 で表されるペプチド1(配列番号8)を製造した。固相
合成装置として Milligen Bioreserch社製ペプチドシン
セサイザー-9600を用いて固相合成を行った。
Tyr-Arg-Arg-Gln-Leu-Ala-Val-Arg-Arg-Tyr-Leu-Ala-Al
a-Val-Leu-Gly-Lys-Arg-Tyr-Lys-Gln-Arg-Val-Lys-Asn-
Lys-NH2 で表されるペプチド1(配列番号8)を製造した。固相
合成装置として Milligen Bioreserch社製ペプチドシン
セサイザー-9600を用いて固相合成を行った。
【0076】まず、MBHA樹脂(ペプチド研究所社製、ア
ミノ基0.72mmol/g)720mgをペプチド固相合成用反応容
器に入れ、DCM8mL(4回、各1分)、60% TFA含有DCM
溶液8mL(20分)、DCM 4mL(3回、各15秒)、DIEA1
mL含有DMF溶液3mL(2回、各1分)、DMF8mL(6回、
各40秒)の順に、アルゴンガス気流中攪拌下で処理し
た。尚、各処理毎に濾過を行った。
ミノ基0.72mmol/g)720mgをペプチド固相合成用反応容
器に入れ、DCM8mL(4回、各1分)、60% TFA含有DCM
溶液8mL(20分)、DCM 4mL(3回、各15秒)、DIEA1
mL含有DMF溶液3mL(2回、各1分)、DMF8mL(6回、
各40秒)の順に、アルゴンガス気流中攪拌下で処理し
た。尚、各処理毎に濾過を行った。
【0077】一方、上記アミノ酸配列の38位のアミノ酸
残基に相当するBoc-Lys(Cl2Bzl)-OH2mmolをDCM4mLに
溶解し、アミノ酸活性化容器中でDCC(0.5M-DCM溶液)
3mLおよびHOBt(0.5M-DCM溶液)4mLを加え、30分間反
応させた。その後、反応混合液を濾過して濃縮容器に移
し、これにDMF3mLを加え、アルゴンガス気流下にDCMを
留去した。これにDMF3mLを加え、前記のペプチド固相
合成用反応容器に移して30分間反応させた。ついでDCM
8mLで洗浄した(6回、各20秒)。さらにBoc-Lys(Cl2B
zl)-OH2mmolをDCM4mLに溶解し、アミノ酸活性化反応
容器中で同様の操作を繰り返した後(いわゆるダブルカ
ップリング法)、濾過してBoc-Lys(Cl2Bzl)-MBHA樹脂を
得た。
残基に相当するBoc-Lys(Cl2Bzl)-OH2mmolをDCM4mLに
溶解し、アミノ酸活性化容器中でDCC(0.5M-DCM溶液)
3mLおよびHOBt(0.5M-DCM溶液)4mLを加え、30分間反
応させた。その後、反応混合液を濾過して濃縮容器に移
し、これにDMF3mLを加え、アルゴンガス気流下にDCMを
留去した。これにDMF3mLを加え、前記のペプチド固相
合成用反応容器に移して30分間反応させた。ついでDCM
8mLで洗浄した(6回、各20秒)。さらにBoc-Lys(Cl2B
zl)-OH2mmolをDCM4mLに溶解し、アミノ酸活性化反応
容器中で同様の操作を繰り返した後(いわゆるダブルカ
ップリング法)、濾過してBoc-Lys(Cl2Bzl)-MBHA樹脂を
得た。
【0078】次に、得られたBoc-Lys(Cl2Bzl)-MBHA樹脂
をDCM8mL(4回、各1分)で洗浄し、濾過した。これ
に、60% TFA含有DCM溶液8mL(20分)、DCM4mL(3
回、各15秒)、DIEA1mL含有DMF溶液3mL(2回、各1
分)、DMF8mL(6回、各40秒)の順にアルゴンガス気
流中攪拌下で処理し、また、各処理毎に濾過を行った。
をDCM8mL(4回、各1分)で洗浄し、濾過した。これ
に、60% TFA含有DCM溶液8mL(20分)、DCM4mL(3
回、各15秒)、DIEA1mL含有DMF溶液3mL(2回、各1
分)、DMF8mL(6回、各40秒)の順にアルゴンガス気
流中攪拌下で処理し、また、各処理毎に濾過を行った。
【0079】さらに、上記アミノ酸配列の37位のアミノ
酸残基に相当するBoc-Asn-OH2mmolをDCM4mLに溶解
し、アミノ酸活性化容器中でDCC(0.5M-DCM溶液)1.5mL
を加え、7分間反応させた。その後、反応混合液を濾過
して濃縮容器に移し、これにDMF3mLを加え、アルゴンガ
ス気流下にDCMを留去した。これにDMF3mLを加え、前記
のペプチド固相合成用反応容器に移して30分間反応させ
た。ついでDCM8mL(6回、各20秒)洗浄し、濾過してB
oc-Asn-Lys(Cl2Bzl)-MBHA樹脂を得た。
酸残基に相当するBoc-Asn-OH2mmolをDCM4mLに溶解
し、アミノ酸活性化容器中でDCC(0.5M-DCM溶液)1.5mL
を加え、7分間反応させた。その後、反応混合液を濾過
して濃縮容器に移し、これにDMF3mLを加え、アルゴンガ
ス気流下にDCMを留去した。これにDMF3mLを加え、前記
のペプチド固相合成用反応容器に移して30分間反応させ
た。ついでDCM8mL(6回、各20秒)洗浄し、濾過してB
oc-Asn-Lys(Cl2Bzl)-MBHA樹脂を得た。
【0080】以下、次に示す表に記載したアミノ基が保
護されたアミノ酸(アミノ基保護アミノ酸)を用いて順
次36位から1位までのアミノ酸をカップリングした。
護されたアミノ酸(アミノ基保護アミノ酸)を用いて順
次36位から1位までのアミノ酸をカップリングした。
【0081】
【表1】
【0082】上記固相合成において、Asn 、Arg 、Gln
、His を用いた場合はダブルカップリングを行った
(表中、ダブルカップリングを行った部分は、2×2で
示す)。
、His を用いた場合はダブルカップリングを行った
(表中、ダブルカップリングを行った部分は、2×2で
示す)。
【0083】このようにして、下記式: Boc-His(Bom)-Ser(Bzl)-Asp(OBz)-Gly-Ile-Phe-Thr(Bz
l)-Asp(OBz)-Ser(Bzl)-Tyr(Bzl)-Ser(Bzl)-Arg(Tos)-Ty
r(Bzl)-Arg(Tos)-Arg(Tos)-Gln-Leu-Ala-Val-Arg(Tos)-
Arg(Tos)-Tyr(Bzl)-Leu-Ala-Ala-Val-Leu-Gly-Lys(Cl2B
zl)-Arg(Tos)-Tyr(Bzl)-Lys(Cl2Bzl)-Gln-Arg(Tos)-Val
-Lys(Cl2Bzl)-Asn-Lys(Cl2Bzl)-MBHA樹脂で表される保
護ペプチド-MBHA樹脂4.03gを得た。
l)-Asp(OBz)-Ser(Bzl)-Tyr(Bzl)-Ser(Bzl)-Arg(Tos)-Ty
r(Bzl)-Arg(Tos)-Arg(Tos)-Gln-Leu-Ala-Val-Arg(Tos)-
Arg(Tos)-Tyr(Bzl)-Leu-Ala-Ala-Val-Leu-Gly-Lys(Cl2B
zl)-Arg(Tos)-Tyr(Bzl)-Lys(Cl2Bzl)-Gln-Arg(Tos)-Val
-Lys(Cl2Bzl)-Asn-Lys(Cl2Bzl)-MBHA樹脂で表される保
護ペプチド-MBHA樹脂4.03gを得た。
【0084】上記の保護ペプチド−MBHA樹脂3.54gにア
ニソール5mLを加え、さらに無水フッ化水素25mLを加え
て、0℃で1時間撹拌した。反応後、無水フッ化水素を
減圧下留去後、残査をエーテルで洗浄し、これに 0.1M
酢酸 100mLを加えてペプチドを抽出した。
ニソール5mLを加え、さらに無水フッ化水素25mLを加え
て、0℃で1時間撹拌した。反応後、無水フッ化水素を
減圧下留去後、残査をエーテルで洗浄し、これに 0.1M
酢酸 100mLを加えてペプチドを抽出した。
【0085】抽出液をアンバーライトIR-410の陰イオン
交換樹脂20mLとともに15分間撹拌した後、不溶性樹脂を
濾過により除去した。得られた溶液は、0.22μミリポア
フィルターにて濾過した後、凍結乾燥して850mgの白色
粉末を得た。次にCM−セルロースカラム(2.5×30cm)に
かけ、0.05Mから 0.5Mの直線勾配をもったAcONH4 (pH
7.0)で溶出(10mL/フラクション)を行い、フラクショ
ン65〜80を集めて目的とするペプチドの部分精製物350m
gを得た。これをさらに、以下に示す条件にて分取用高
速液体クロマトグラフィーで精製した。
交換樹脂20mLとともに15分間撹拌した後、不溶性樹脂を
濾過により除去した。得られた溶液は、0.22μミリポア
フィルターにて濾過した後、凍結乾燥して850mgの白色
粉末を得た。次にCM−セルロースカラム(2.5×30cm)に
かけ、0.05Mから 0.5Mの直線勾配をもったAcONH4 (pH
7.0)で溶出(10mL/フラクション)を行い、フラクショ
ン65〜80を集めて目的とするペプチドの部分精製物350m
gを得た。これをさらに、以下に示す条件にて分取用高
速液体クロマトグラフィーで精製した。
【0086】 カラム:TSK GEL ODS-120T(21.5×300mm) 溶 媒:0.1%TFA-アセトニトリル(アセトニトリルを2
0%から40%に変化させる直線勾配グラジェント) 流 速:10mL/min 目的物質であるピーク相当の溶出液を凍結乾燥し、当該
高速液体クロマトグラフィーにより、上記のペプチドの
部分精製物 100mgに対して精製ペプチド55mgを得た。こ
の精製ペプチドについて、高速液体クロマトグラフィー
(HPLC)の保持時間の測定、旋光度の測定およびアミノ
酸分析を行った。その結果を下記に示す。
0%から40%に変化させる直線勾配グラジェント) 流 速:10mL/min 目的物質であるピーク相当の溶出液を凍結乾燥し、当該
高速液体クロマトグラフィーにより、上記のペプチドの
部分精製物 100mgに対して精製ペプチド55mgを得た。こ
の精製ペプチドについて、高速液体クロマトグラフィー
(HPLC)の保持時間の測定、旋光度の測定およびアミノ
酸分析を行った。その結果を下記に示す。
【0087】・HPLCの保持時間:25.1分 ・ [α] D:-54.3° ・アミノ酸分析 Asp(3) 3.01, Thr(1) 0.95, Ser(3) 2.67, Glu(2) 2.0
7, Gly(2) 2.00, Ala(3) 3.15, Val(3) 2.97, Ile(1)
0.91, Leu(3) 3.09, Tyr(4) 4.01, Phe(1) 1.03,His(1)
1.25, Arg(7) 7.19, Lys(4) 4.05
7, Gly(2) 2.00, Ala(3) 3.15, Val(3) 2.97, Ile(1)
0.91, Leu(3) 3.09, Tyr(4) 4.01, Phe(1) 1.03,His(1)
1.25, Arg(7) 7.19, Lys(4) 4.05
【0088】〔実施例2〕ペプチド2の製造 実施例1と同様の方法で、下記式: H-His-Ser-Asp-Gly-Ile-Phe-Thr-Asp-Ser-Tyr-Ser-Arg-
Tyr-Arg-Arg-Gln-Leu-Ala-Val-Arg-Arg-Tyr-Leu-Ala-Al
a-Val-Leu-Gly-Arg-Arg-Tyr-Arg-Gln-Arg-Val-Arg-Asn-
Arg-NH2 で表される精製ペプチド2(配列番号9)を得た。この
精製ペプチドの収量を下記に示す。また、高速液体クロ
マトグラフィー(HPLC)の保持時間の測定、旋光度の測
定およびアミノ酸分析を行った。その結果を下記に示
す。
Tyr-Arg-Arg-Gln-Leu-Ala-Val-Arg-Arg-Tyr-Leu-Ala-Al
a-Val-Leu-Gly-Arg-Arg-Tyr-Arg-Gln-Arg-Val-Arg-Asn-
Arg-NH2 で表される精製ペプチド2(配列番号9)を得た。この
精製ペプチドの収量を下記に示す。また、高速液体クロ
マトグラフィー(HPLC)の保持時間の測定、旋光度の測
定およびアミノ酸分析を行った。その結果を下記に示
す。
【0089】・収量85mg ・HPLCの保持時間:22.3分 ・ [α]D :-54.9° ・アミノ酸分析 Asp(3) 2.91, Thr(1) 0.81, Ser(3) 2.45, Glu(2) 1.9
8, Gly(2) 2.09, Ala(3) 3.26, Val(3) 2.42, Ile(1)
0.73, Leu(3) 3.00, Tyr(4) 4.12, Phe(1) 0.81,His(1)
1.00, Arg(11) 11.5
8, Gly(2) 2.09, Ala(3) 3.26, Val(3) 2.42, Ile(1)
0.73, Leu(3) 3.00, Tyr(4) 4.12, Phe(1) 0.81,His(1)
1.00, Arg(11) 11.5
【0090】〔実施例3〕ペプチド3の製造 実施例1と同様の方法で、下記式: H-His-Ser-Asp-Ala-Val-Phe-Thr-Asp-Asn-Tyr-Thr-Arg-
Leu-Arg-Arg-Gln-Leu-Ala-Val-Arg-Arg-Tyr-Leu-Asn-Se
r-Ile-Leu-Asn-Gly-Lys-Arg-Tyr-Lys-Gln-Arg-Val-Lys-
Asn-Lys-NH2 で表される精製ペプチド3(配列番号10)を得た。この
精製ペプチドの収量を下記に示す。また、高速液体クロ
マトグラフィー(HPLC)の保持時間の測定、旋光度の測
定およびアミノ酸分析を行った。その結果を下記に示
す。
Leu-Arg-Arg-Gln-Leu-Ala-Val-Arg-Arg-Tyr-Leu-Asn-Se
r-Ile-Leu-Asn-Gly-Lys-Arg-Tyr-Lys-Gln-Arg-Val-Lys-
Asn-Lys-NH2 で表される精製ペプチド3(配列番号10)を得た。この
精製ペプチドの収量を下記に示す。また、高速液体クロ
マトグラフィー(HPLC)の保持時間の測定、旋光度の測
定およびアミノ酸分析を行った。その結果を下記に示
す。
【0091】・収量96mg ・HPLCの保持時間:22.9分 ・ [α]D :-54.9° ・アミノ酸分析 Asp(6) 5.62, Thr(2) 1.76, Ser(2) 1.63, Glu(2) 2.0
0, Gly(1) 0.98, Ala(2) 1.93, Val(3) 2.70, Ile(1)
0.93, Leu(4) 3.90, Tyr(3) 2.85, Phe(1) 0.98,His(1)
0.94, Arg(7) 6.57, Lys(4) 4.04
0, Gly(1) 0.98, Ala(2) 1.93, Val(3) 2.70, Ile(1)
0.93, Leu(4) 3.90, Tyr(3) 2.85, Phe(1) 0.98,His(1)
0.94, Arg(7) 6.57, Lys(4) 4.04
【0092】〔実施例4〕ペプチド4の製造 実施例1と同様の方法で、下記式: H-His-Ser-Asp-Ala-Val-Phe-Thr-Asp-Asn-Tyr-Thr-Arg-
Leu-Arg-Arg-Gln-Leu-Ala-Val-Arg-Arg-Tyr-Leu-Asn-Se
r-Ile-Leu-Asn-Gly-Arg-Arg-Tyr-Arg-Gln-Arg-Val-Arg-
Asn-Arg-NH2 で表される精製ペプチド4(配列番号11)を得た。この
精製ペプチドの収量を下記に示す。また、高速液体クロ
マトグラフィー(HPLC)の保持時間の測定、旋光度の測
定およびアミノ酸分析を行った。その結果を下記に示
す。
Leu-Arg-Arg-Gln-Leu-Ala-Val-Arg-Arg-Tyr-Leu-Asn-Se
r-Ile-Leu-Asn-Gly-Arg-Arg-Tyr-Arg-Gln-Arg-Val-Arg-
Asn-Arg-NH2 で表される精製ペプチド4(配列番号11)を得た。この
精製ペプチドの収量を下記に示す。また、高速液体クロ
マトグラフィー(HPLC)の保持時間の測定、旋光度の測
定およびアミノ酸分析を行った。その結果を下記に示
す。
【0093】・収量86mg ・HPLCの保持時間:20.3分 ・ [α]D :-53.4° ・アミノ酸分析 Asp(6) 5.64, Thr(2) 1.83, Ser(2) 1.79, Glu(2) 2.0
7, Gly(1) 1.09, Ala(2) 2.04, Val(3) 2.84, Ile(1)
0.95, Leu(4) 4.00, Tyr(3) 2.88, Phe(1) 1.02,His(1)
0.98, Arg(11) 11.44
7, Gly(1) 1.09, Ala(2) 2.04, Val(3) 2.84, Ile(1)
0.95, Leu(4) 4.00, Tyr(3) 2.88, Phe(1) 1.02,His(1)
0.98, Arg(11) 11.44
【0094】〔実施例5〕上記実施例1〜4で得られた
精製ペプチド1〜4について下記の方法で気管支拡張作
用の効果を評価し、VIPおよびPACAPと比較した。体重45
0〜500gの雌のモルモットの頸静脈を切断し、開胸し、
直ちに気管を取り出した。これを直ちにクレブス液中に
入れ、輪状に切断し、軟骨部分同士をスチール性の糸で
つなぎ、鎖状にした。次いで平滑筋部分がつながるよう
に平滑筋部分と反対側の軟骨部分を切断した。
精製ペプチド1〜4について下記の方法で気管支拡張作
用の効果を評価し、VIPおよびPACAPと比較した。体重45
0〜500gの雌のモルモットの頸静脈を切断し、開胸し、
直ちに気管を取り出した。これを直ちにクレブス液中に
入れ、輪状に切断し、軟骨部分同士をスチール性の糸で
つなぎ、鎖状にした。次いで平滑筋部分がつながるよう
に平滑筋部分と反対側の軟骨部分を切断した。
【0095】できあがった標本を内容量約10mLの恒温オ
ルガンバスに入れ上下につるした。下部を固定し、上部
を1.4gの負荷をかけたグラスフォーストランスデューサ
ー(Grass force transducers) に接続し、弛緩作用を測
定した。この標本には94%酸素と6%炭酸ガスとを十分に
吹き込み、かつ0.1μmol/Lカルバコールを含有する37℃
のクレブス液を、0.33mL/minの流速で上部より滴下し
た。この滴下液に加えた試料の容量に応じて弛緩反応が
起こることから、これを利用してVIPおよびPACAPと本発
明のペプチドにおける気管支平滑筋に対する弛緩作用を
比較した。
ルガンバスに入れ上下につるした。下部を固定し、上部
を1.4gの負荷をかけたグラスフォーストランスデューサ
ー(Grass force transducers) に接続し、弛緩作用を測
定した。この標本には94%酸素と6%炭酸ガスとを十分に
吹き込み、かつ0.1μmol/Lカルバコールを含有する37℃
のクレブス液を、0.33mL/minの流速で上部より滴下し
た。この滴下液に加えた試料の容量に応じて弛緩反応が
起こることから、これを利用してVIPおよびPACAPと本発
明のペプチドにおける気管支平滑筋に対する弛緩作用を
比較した。
【0096】VIP、PACAPおよび本発明のペプチドの試料
溶液は、オルガンバス内の濃度を調製するため、最終濃
度の100倍の濃度で作製し、カルバコール滴下から30分
後に100μLを滴下した。カルバコール無添加の時の平滑
筋の収縮の度合いを0%、カルバコール添加の時の平滑
筋の収縮の度合いを100%とし、試料を添加した時の最
も低い収縮の度合い(最大の弛緩値)Aを求め、下記式
から最大弛緩率Bを計算した。
溶液は、オルガンバス内の濃度を調製するため、最終濃
度の100倍の濃度で作製し、カルバコール滴下から30分
後に100μLを滴下した。カルバコール無添加の時の平滑
筋の収縮の度合いを0%、カルバコール添加の時の平滑
筋の収縮の度合いを100%とし、試料を添加した時の最
も低い収縮の度合い(最大の弛緩値)Aを求め、下記式
から最大弛緩率Bを計算した。
【0097】最大弛緩率B(%)=100−A また、最大弛緩後、試料添加から最大弛緩値の半分の値
を示すまでの時間(以後、半減時間Tという)を求め
た。図1にはPACAP、図2には実施例1で得られたペプ
チド1、図3にはVIP、図4には実施例3で得られたペ
プチド3の、それぞれ添加量 0.3μM、1μMおよび3μ
Mの3用量についての気管支平滑筋の弛緩率の経時変化
を示す。また、表1には、各ペプチドの各用量における
最大弛緩率Bと半減期Tを示す。
を示すまでの時間(以後、半減時間Tという)を求め
た。図1にはPACAP、図2には実施例1で得られたペプ
チド1、図3にはVIP、図4には実施例3で得られたペ
プチド3の、それぞれ添加量 0.3μM、1μMおよび3μ
Mの3用量についての気管支平滑筋の弛緩率の経時変化
を示す。また、表1には、各ペプチドの各用量における
最大弛緩率Bと半減期Tを示す。
【0098】
【表2】
【0099】図1〜4および表2から、3μMにおけるペ
プチド1およびペプチド3の最大弛緩率Bは、それぞれ
95%および98%であり、半減時間Tはともに 360分以上
となることがわかる。したがって、本発明のペプチド
は、VIPやPACAPと同等の弛緩効果を有しながら、VIP、P
ACAPよりも作用時間が長い、即ち持続性に優れるもので
あることが確認された。
プチド1およびペプチド3の最大弛緩率Bは、それぞれ
95%および98%であり、半減時間Tはともに 360分以上
となることがわかる。したがって、本発明のペプチド
は、VIPやPACAPと同等の弛緩効果を有しながら、VIP、P
ACAPよりも作用時間が長い、即ち持続性に優れるもので
あることが確認された。
【0100】〔実施例6〕 血流増加作用の評 価 さらに、実施例1〜4で得られた精製ペプチド1〜4に
ついて、下記の方法で血流増加作用の効果を評価し、VI
PおよびPACAPと比較した。体重220〜250gのWister系雄
性ラット18匹を1群3匹としてペントバルビタールの腹
腔内投与(25mg/kg)により麻酔し、背位に固定した。
血圧は頸動脈に動脈カニューレを挿入し、ヘパリン加生
理食塩水(10U/mL)を満たしたドームキット(SCK-51
2、日本光電)を介して血圧トランスデューサー(DX-30
0、日本光電)に接続し、ひずみ血圧用アンプ(AP-601
G、日本光電)により測定した。
ついて、下記の方法で血流増加作用の効果を評価し、VI
PおよびPACAPと比較した。体重220〜250gのWister系雄
性ラット18匹を1群3匹としてペントバルビタールの腹
腔内投与(25mg/kg)により麻酔し、背位に固定した。
血圧は頸動脈に動脈カニューレを挿入し、ヘパリン加生
理食塩水(10U/mL)を満たしたドームキット(SCK-51
2、日本光電)を介して血圧トランスデューサー(DX-30
0、日本光電)に接続し、ひずみ血圧用アンプ(AP-601
G、日本光電)により測定した。
【0101】血流量は、右腿動脈に血流測定用プローブ
(FR-030T、日本光電)を取り付け、電磁血流量(MFV-3
200、日本光電)に接続して測定した。動脈内への薬物
投与は100pmol/kgとした。薬物の投与による血流量およ
び血圧の変化は、記録紙上に描かれた曲線と座標軸とで
囲まれた面積が、薬物投与の前後でどれだけ変化したか
を、薬物投与前のこの面積に対する比として表した。表
3に、本発明のペプチドを投与したラットの血流量の増
加および血圧の変化を示す。
(FR-030T、日本光電)を取り付け、電磁血流量(MFV-3
200、日本光電)に接続して測定した。動脈内への薬物
投与は100pmol/kgとした。薬物の投与による血流量およ
び血圧の変化は、記録紙上に描かれた曲線と座標軸とで
囲まれた面積が、薬物投与の前後でどれだけ変化したか
を、薬物投与前のこの面積に対する比として表した。表
3に、本発明のペプチドを投与したラットの血流量の増
加および血圧の変化を示す。
【0102】
【表3】
【0103】表3に示すように、ペプチド1〜4をそれ
ぞれ100pmol/kg投与したときのラットの血圧変化はほと
んど認められなかった。 〔実施例7〕 急性毒性試験 実施例1〜4で得られたペプチド1〜4を生理食塩水に
溶解し、体重20〜30gのICR径マウス(5週齢、雄8匹/
雌7匹)を各群15匹として、10mg/kgの用量で静脈内投
与を行った。投与後72時間のデータを表4に示す。
ぞれ100pmol/kg投与したときのラットの血圧変化はほと
んど認められなかった。 〔実施例7〕 急性毒性試験 実施例1〜4で得られたペプチド1〜4を生理食塩水に
溶解し、体重20〜30gのICR径マウス(5週齢、雄8匹/
雌7匹)を各群15匹として、10mg/kgの用量で静脈内投
与を行った。投与後72時間のデータを表4に示す。
【0104】
【表4】
【0105】表4に示すように、死亡例は認められなか
った。 〔実施例8〕 マウス育毛効果 (1)ローションの調製 表5に示す乳剤性ローション基剤に100mgの本発明のペ
プチド1〜4を加え、0.1%のローションタイプの育毛剤
を得た。
った。 〔実施例8〕 マウス育毛効果 (1)ローションの調製 表5に示す乳剤性ローション基剤に100mgの本発明のペ
プチド1〜4を加え、0.1%のローションタイプの育毛剤
を得た。
【0106】
【表5】
【0107】以上を混合して、0.1%ローションを得
た。また、対照用に、上記の組成の中から本発明のペプ
チドのみを除いた対照(コントロール)を調製した。ま
た、効果の比較のために、本発明のペプチドに代えてPA
CAP、またはVIPを同量含有するローションを調製した。
た。また、対照用に、上記の組成の中から本発明のペプ
チドのみを除いた対照(コントロール)を調製した。ま
た、効果の比較のために、本発明のペプチドに代えてPA
CAP、またはVIPを同量含有するローションを調製した。
【0108】(2)マウスの育毛効果 マウスの皮膚に、上記(1)で調製した各ローションを
塗着し、育毛実験を実施した。20週齢のC3H系雄性マ
ウスを1群5匹として、7群に分けた。これらのマウス
の背部の毛を刈り取りった。その部位に翌日より1日4
回、3週間連続で各ローションを1回50μLずつ塗布し
た。
塗着し、育毛実験を実施した。20週齢のC3H系雄性マ
ウスを1群5匹として、7群に分けた。これらのマウス
の背部の毛を刈り取りった。その部位に翌日より1日4
回、3週間連続で各ローションを1回50μLずつ塗布し
た。
【0109】最終投与の翌日、投与部位の一定面積(1.
5cm×2.5cm)を剃毛し、採取した毛の重量(mg)を測定
し、各ローションによる育毛作用を比較検討した。剃毛
はマウスをエーテルで麻酔させた後、シェービングクリ
ームを塗布し、安全カミソリで行なった。採取した毛は
ビーカー内で水洗し、濾取し、65℃で24時間乾燥し、更
に温室内に24時間放置した。この後に重量(mg)を測定
し、発毛量とした。その結果を表 に示す。
5cm×2.5cm)を剃毛し、採取した毛の重量(mg)を測定
し、各ローションによる育毛作用を比較検討した。剃毛
はマウスをエーテルで麻酔させた後、シェービングクリ
ームを塗布し、安全カミソリで行なった。採取した毛は
ビーカー内で水洗し、濾取し、65℃で24時間乾燥し、更
に温室内に24時間放置した。この後に重量(mg)を測定
し、発毛量とした。その結果を表 に示す。
【0110】
【表6】
【0111】表に示す通り、5匹のマウスの発毛重量の
平均値はコントロール群で4.2mgであるのに対し、VIP配
合ローションは9.3mg、PACAP配合ローションは8.7mgと
育毛効果を示した。これに対し、本発明のペプチド1〜
4を配合したローションはいずれも11mg以上という高い
値を示し、VIPよりも2割以上高い数字が得られた。こ
のことから、本発明のペプチド1〜4が強い育毛効果を
有することが示された。また、Student のt検定で検定
した結果でも、有意に発毛を促進させている事が証明さ
れた(P<0.01)。
平均値はコントロール群で4.2mgであるのに対し、VIP配
合ローションは9.3mg、PACAP配合ローションは8.7mgと
育毛効果を示した。これに対し、本発明のペプチド1〜
4を配合したローションはいずれも11mg以上という高い
値を示し、VIPよりも2割以上高い数字が得られた。こ
のことから、本発明のペプチド1〜4が強い育毛効果を
有することが示された。また、Student のt検定で検定
した結果でも、有意に発毛を促進させている事が証明さ
れた(P<0.01)。
【0112】〔実施例9〕 雄性ラットの性行動に与え
る効果 (1)クリーム剤の調製 実施例1〜4で得られた精製ペプチド各10mg、ラノリン
1g、水3g、DMSO7滴を加えてホモジネートし、クリ
ームを調製した。また、対照(コントロール)として、
本発明のペプチドを含まないクリーム剤を調製した。比
較のために、10mgのPACAPまたは10mgのVIPを含むクリー
ム剤を調製した。
る効果 (1)クリーム剤の調製 実施例1〜4で得られた精製ペプチド各10mg、ラノリン
1g、水3g、DMSO7滴を加えてホモジネートし、クリ
ームを調製した。また、対照(コントロール)として、
本発明のペプチドを含まないクリーム剤を調製した。比
較のために、10mgのPACAPまたは10mgのVIPを含むクリー
ム剤を調製した。
【0113】(2)雄性ラットの性行動に与える効果 約3月齢のWister系性実験雄性ラット35匹を1群5匹と
して7群に分けた。各ラットの体重は、約250g前後であ
った。これらのラットの精巣を除去して去勢し、少なく
とも14日間、テストステロンを4μg/100g体重で連日投
与した。上記の各ペプチドを30〜50μg含む一定量の上
記(1)で調製したクリーム剤を、ラットの性器官に局
所投与した。
して7群に分けた。各ラットの体重は、約250g前後であ
った。これらのラットの精巣を除去して去勢し、少なく
とも14日間、テストステロンを4μg/100g体重で連日投
与した。上記の各ペプチドを30〜50μg含む一定量の上
記(1)で調製したクリーム剤を、ラットの性器官に局
所投与した。
【0114】ラットの飼育は、上記雄性ラットおよび後
述する交尾実験に用いた雌性ラットはいずれも、12時間
明室(点灯)、12時間暗室(消灯)のサイクル中で行っ
た。交尾試験の前に、それぞれの雄性ラットを少なくと
も1時間、分離されたケージ中に置き、その後、性的に
受容可能な雌性ラットをそれぞれの雄性ラットと一緒に
した。試験時間は15分とし、15分以内に雄性ラットが交
尾のための背乗りを行わない場合には、試験終了とし
た。評価は、15分の試験時間当たりの挿入回数、挿入ま
での潜伏時間、射精の有無を観察した。結果を表7に示
す。
述する交尾実験に用いた雌性ラットはいずれも、12時間
明室(点灯)、12時間暗室(消灯)のサイクル中で行っ
た。交尾試験の前に、それぞれの雄性ラットを少なくと
も1時間、分離されたケージ中に置き、その後、性的に
受容可能な雌性ラットをそれぞれの雄性ラットと一緒に
した。試験時間は15分とし、15分以内に雄性ラットが交
尾のための背乗りを行わない場合には、試験終了とし
た。評価は、15分の試験時間当たりの挿入回数、挿入ま
での潜伏時間、射精の有無を観察した。結果を表7に示
す。
【0115】
【表7】
【0116】表7に示すように、PACAPおよびVIPを局所
投与した場合には、潜伏時間が約2割短縮された。本発
明のペプチドを局所投与した場合には、潜伏時間はさら
に短縮され、コントロールの約半分となった。以上よ
り、本発明のペプチドのインポテンツ治療効果が示され
た。
投与した場合には、潜伏時間が約2割短縮された。本発
明のペプチドを局所投与した場合には、潜伏時間はさら
に短縮され、コントロールの約半分となった。以上よ
り、本発明のペプチドのインポテンツ治療効果が示され
た。
【0117】
【発明の効果】本発明によれば、平滑筋弛緩作用に基づ
く気管支拡張作用の持続性に優れたペプチドが提供され
る。このペプチドおよびその塩は気管支拡張作用を有す
るため、気管支拡張剤として有用である。さらに、本発
明のペプチドおよびその塩は、公知のVIPよりも優れた
血流増加作用を有するため、これらを有効成分とする血
流改善剤を提供することができる。また、本発明のペプ
チドは育毛効果および性行動の活性化効果を有するた
め、育毛剤およびインポテンツ治療剤として有用であ
る。
く気管支拡張作用の持続性に優れたペプチドが提供され
る。このペプチドおよびその塩は気管支拡張作用を有す
るため、気管支拡張剤として有用である。さらに、本発
明のペプチドおよびその塩は、公知のVIPよりも優れた
血流増加作用を有するため、これらを有効成分とする血
流改善剤を提供することができる。また、本発明のペプ
チドは育毛効果および性行動の活性化効果を有するた
め、育毛剤およびインポテンツ治療剤として有用であ
る。
【0118】
配列番号:1 配列の長さ:38 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴: 他の情報: 29位のXaa、 30位のXaa、 32位のXaa、 34
位のXaa、36位のXaaおよび38位のXaaは、同一でも異な
ってもよく、それぞれLys またはArgを示し; 17位のXa
aは、Met 、LeuおよびnLeuからなる群から選ばれるアミ
ノ酸を示す。ただし、29位のXaa 、32位のXaa 、および
38位のXaaが同時にLysであり、かつ30位のXaa および36
位のXaaが同時にArgになることはない。 配列 His Ser Asp Gly Ile Phe Thr Asp Ser Tyr Ser Arg Tyr Arg Arg Gln 1 5 10 15 Xaa Ala Val Arg Arg Tyr Leu Ala Ala Val Leu Gly Xaa Xaa Tyr Xaa 20 25 30 Gln Xaa Val Xaa Asn Xaa 35 38
位のXaa、36位のXaaおよび38位のXaaは、同一でも異な
ってもよく、それぞれLys またはArgを示し; 17位のXa
aは、Met 、LeuおよびnLeuからなる群から選ばれるアミ
ノ酸を示す。ただし、29位のXaa 、32位のXaa 、および
38位のXaaが同時にLysであり、かつ30位のXaa および36
位のXaaが同時にArgになることはない。 配列 His Ser Asp Gly Ile Phe Thr Asp Ser Tyr Ser Arg Tyr Arg Arg Gln 1 5 10 15 Xaa Ala Val Arg Arg Tyr Leu Ala Ala Val Leu Gly Xaa Xaa Tyr Xaa 20 25 30 Gln Xaa Val Xaa Asn Xaa 35 38
【0119】配列番号:2 配列の長さ:39 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴: 他の情報: 30位のXaa、31位のXaa、33位のXaa、35位の
Xaa 、37位のXaaおよび39位のXaaは、同一でも異なって
もよく、それぞれLysまたはArgを示し;17位のXaa、Met
、LeuおよびnLeuからなる群から選ばれるアミノ酸を示
す。 配列 His Ser Asp Ala Val Phe Thr Asp Asn Tyr Thr Arg Leu Arg Arg Gln 1 5 10 15 Xaa Ala Val Arg Arg Tyr Leu Asn Ser Ile Leu Asn Gly Xaa Xaa Tyr 20 25 30 Xaa Gln Xaa Val Xaa Asn Xaa 35 39
Xaa 、37位のXaaおよび39位のXaaは、同一でも異なって
もよく、それぞれLysまたはArgを示し;17位のXaa、Met
、LeuおよびnLeuからなる群から選ばれるアミノ酸を示
す。 配列 His Ser Asp Ala Val Phe Thr Asp Asn Tyr Thr Arg Leu Arg Arg Gln 1 5 10 15 Xaa Ala Val Arg Arg Tyr Leu Asn Ser Ile Leu Asn Gly Xaa Xaa Tyr 20 25 30 Xaa Gln Xaa Val Xaa Asn Xaa 35 39
【0120】配列番号:3 配列の長さ:12 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Asn Gly Lys Lys Tyr Lys Gln Lys Val Lys Asn Lys 1 5 10 12
【0121】配列番号:4 配列の長さ:11 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Gly Arg Arg Tyr Arg Gln Arg Val Arg Asn Arg 1 5 10 11
【0122】配列番号:5 配列の長さ:8 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Asn Gly Arg Arg Arg Arg Arg Arg 1 5 8
【0123】配列番号:6 配列の長さ:7 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Gly Lys Arg Lys Arg Arg Lys 1 5 7
【0124】配列番号:7 配列の長さ:38 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 His Ser Asp Gly Ile Phe Thr Asp Ser Tyr Ser Arg Tyr Arg Arg Gln 1 5 10 15 Leu Ala Val Arg Arg Tyr Leu Ala Ala Val Leu Gly Lys Arg Tyr Lys 20 25 30 Gln Arg Val Lys Asn Lys 35 38
【0125】配列番号:8 配列の長さ:38 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 His Ser Asp Gly Ile Phe Thr Asp Ser Tyr Ser Arg Tyr Arg Arg Gln 1 5 10 15 Leu Ala Val Arg Arg Tyr Leu Ala Ala Val Leu Gly Arg Arg Tyr Arg 20 25 30 Gln Arg Val Arg Asn Arg 35 38
【0126】配列番号:9 配列の長さ:39 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 His Ser Asp Ala Val Phe Thr Asp Asn Tyr Thr Arg Leu Arg Arg Gln 1 5 10 15 Leu Ala Val Arg Arg Tyr Leu Asn Ser Ile Leu Asn Gly Lys Arg Tyr 20 25 30 Lys Gln Arg Val Lys Asn Lys 35 39
【0127】配列番号:10 配列の長さ:39 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 His Ser Asp Ala Val Phe Thr Asp Asn Tyr Thr Arg Leu Arg Arg Gln 1 5 10 15 Leu Ala Val Arg Arg Tyr Leu Asn Ser Ile Leu Asn Gly Arg Arg Tyr 20 25 30 Arg Gln Arg Val Arg Asn Arg 35 39
【図1】PACAPを添加した場合の気管支平滑筋の弛緩率
の経時変化を示す図である。
の経時変化を示す図である。
【図2】実施例1で得られたペプチド1を添加した場合
の気管支平滑筋の弛緩率の経時変化を示す図である。
の気管支平滑筋の弛緩率の経時変化を示す図である。
【図3】VIPを添加した場合の気管支平滑筋の弛緩率の
経時変化を示す図である。
経時変化を示す図である。
【図4】実施例3で得られたペプチド3を添加した場合
の気管支平滑筋の弛緩率の経時変化を示す図である。
の気管支平滑筋の弛緩率の経時変化を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 38/00 ADT A61K 37/02 ADT C12N 15/09 C12N 15/00 A
Claims (9)
- 【請求項1】 以下の(a)または(b)の組換えペプチド。 (a)下記一般式(1) : H-His-Ser-Asp-Gly-Ile-Phe-Thr-Asp-Ser-Tyr- Ser-Arg-Tyr-Arg-Arg-Gln-Xa1-Ala-Val-Arg- (1) Arg-Tyr-Leu-Ala-Ala-Val-Leu-Gly-Xa2-Xa3- Tyr-Xa4-Gln-Xa5-Val-Xa6-Asn-Xa7-OH (式中、 Xa2、 Xa3、 Xa4、 Xa5、Xa6およびXa7は、同
一でも異なってもよく、それぞれLys またはArgを示
し; Xa1は、Met 、LeuおよびnLeuからなる群から選ば
れるアミノ酸を示す。)で表されるアミノ酸からなり、
かつ、気管支拡張作用の持続性に優れ血流増加作用、育
毛作用または性行動活性化作用を有するペプチド。 (b)アミノ酸配列(a)において、1もしくは数個のアミノ
酸が欠失、置換、もしくは付加されたアミノ酸配列から
なり、かつ、気管支拡張作用の持続性に優れ血流増加作
用、育毛作用または性行動活性化作用を有するペプチ
ド。 - 【請求項2】 以下の(a)または(b)の組換えペプチド。 (a)下記一般式(2) : H-His-Ser-Asp-Gly-Ile-Phe-Thr-Asp-Ser-Tyr- Ser-Arg-Tyr-Arg-Arg-Gln-Xa1-Ala-Val-Arg- (2) Arg-Tyr-Leu-Ala-Ala-Val-Leu-Gly-Xa2-Xa3- Tyr-Xa4-Gln-Xa5-Val-Xa6-Asn-Xa7-NH2 (式中、 Xa2、 Xa3、 Xa4、 Xa5、Xa6およびXa7は、同
一でも異なってもよく、それぞれLys またはArgを示
し;Xa1は、Met 、LeuおよびnLeuからなる群から選ばれ
るアミノ酸を示す。)で表されるアミノ酸からなり、か
つ、気管支拡張作用の持続性に優れ血流増加作用、育毛
作用または性行動活性化作用を有するペプチド。 (b)アミノ酸配列(a)において、1もしくは数個のアミノ
酸が欠失、置換、もしくは付加されたアミノ酸配列から
なり、かつ、気管支拡張作用の持続性に優れ血流増加作
用、育毛作用または性行動活性化作用を有するペプチド
(ただし、Xa2、Xa4、Xa6 およびXa7が同時にLysであ
り、かつXa3およびXa5が同時にArgになることはない。
また、28位のGly〜Xa7までのペプチドが同時に欠失する
ことはない)。 - 【請求項3】 以下の(a)または(b)の組換えペプチド。 (a)下記一般式(3) : H-His-Ser-Asp-Ala-Val-Phe-Thr-Asp-Asn-Tyr- Thr-Arg-Leu-Arg-Arg-Gln-Xa1-Ala-Val-Arg- (3) Arg-Tyr-Leu-Asn-Ser-Ile-Leu-Asn-Gly-Xa2- Xa3-Tyr-Xa4-Gln-Xa5-Val-Xa6-Asn-Xa7-OH (式中、Xa2 、Xa3、Xa4、Xa5、Xa6およびXa7は、同一
でも異なってもよく、それぞれLys またはArgを示し;X
a1は、Met 、LeuおよびnLeuからなる群から選ばれるア
ミノ酸を示す。)で表されるペプチド。 (b)アミノ酸配列(a)において、1もしくは数個のアミノ
酸が欠失、置換、もしくは付加されたアミノ酸配列から
なり、かつ、気管支拡張作用の持続性に優れ血流増加作
用、育毛作用または性行動活性化作用を有するペプチ
ド。 - 【請求項4】 以下の(a)または(b)の組換えペプチド。 (a)下記一般式(4) : H-His-Ser-Asp-Ala-Val-Phe-Thr-Asp-Asn-Tyr- Thr-Arg-Leu-Arg-Arg-Gln-Xa1-Ala-Val-Arg- (4) Arg-Tyr-Leu-Asn-Ser-Ile-Leu-Asn-Gly-Xa2- Xa3-Tyr-Xa4-Gln-Xa5-Val-Xa6-Asn-Xa7-NH2 (式中、Xa2、Xa3、Xa4、Xa5、Xa6およびXa7は、同一で
も異なってもよく、それぞれLys またはArgを示し;Xa1
は、Met 、LeuおよびnLeuからなる群から選ばれるアミ
ノ酸を示す。)で表されるペプチド。 (b)アミノ酸配列(a)において、1もしくは数個のアミノ
酸が欠失、置換、もしくは付加されたアミノ酸配列から
なり、かつ、気管支拡張作用の持続性に優れ血流増加作
用、育毛作用または性行動活性化作用を有するペプチド
(29位のGly〜Xa7までのペプチドが同時に欠失すること
はない)。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のペプチ
ドまたはそれらの薬学的に許容される塩。 - 【請求項6】 請求項1〜4のいずれかに記載のペプチ
ドまたはそれらの薬学的に許容される塩を有効成分とし
て含有する、気管支拡張剤。 - 【請求項7】 請求項1〜4のいずれかに記載のペプチ
ドまたはそれらの薬学的に許容される塩を有効成分とし
て含有する、血流改善剤。 - 【請求項8】 請求項1〜4のいずれかに記載のペプチ
ドまたはそれらの薬学的に許容される塩を有効成分とし
て含有する、育毛剤。 - 【請求項9】 請求項1〜4のいずれかに記載のペプチ
ドまたはそれらの薬学的に許容される塩を有効成分とし
て含有する、インポテンツ治療剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9262539A JPH11100399A (ja) | 1997-09-26 | 1997-09-26 | 新規ペプチド誘導体およびそれを有効成分とする薬剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9262539A JPH11100399A (ja) | 1997-09-26 | 1997-09-26 | 新規ペプチド誘導体およびそれを有効成分とする薬剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11100399A true JPH11100399A (ja) | 1999-04-13 |
Family
ID=17377222
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9262539A Pending JPH11100399A (ja) | 1997-09-26 | 1997-09-26 | 新規ペプチド誘導体およびそれを有効成分とする薬剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11100399A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004048401A1 (ja) * | 2002-11-27 | 2004-06-10 | Itoham Foods Inc. | ペプチド及びこれを含む医薬組成物 |
CN112040968A (zh) * | 2018-04-30 | 2020-12-04 | 欧莱雅 | 对人肌肉烟碱性乙酰胆碱受体具有高结合亲和力的生物活性肽 |
-
1997
- 1997-09-26 JP JP9262539A patent/JPH11100399A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2004048401A1 (ja) * | 2002-11-27 | 2004-06-10 | Itoham Foods Inc. | ペプチド及びこれを含む医薬組成物 |
US7332473B2 (en) | 2002-11-27 | 2008-02-19 | Itoham Foods Inc. | Peptides and medicinal compositions containing the same |
CN100381462C (zh) * | 2002-11-27 | 2008-04-16 | 伊藤火腿株式会社 | 肽及含有所述肽的药物组合物 |
AU2003284428B2 (en) * | 2002-11-27 | 2010-08-26 | Ils Inc. | Peptides and medicinal compositions containing the same |
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CN112040968B (zh) * | 2018-04-30 | 2024-01-30 | 欧莱雅 | 对人肌肉烟碱性乙酰胆碱受体具有高结合亲和力的生物活性肽 |
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