JP4426457B2 - 分取法として電気泳動を実施するための装置および方法 - Google Patents

分取法として電気泳動を実施するための装置および方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4426457B2
JP4426457B2 JP2004552583A JP2004552583A JP4426457B2 JP 4426457 B2 JP4426457 B2 JP 4426457B2 JP 2004552583 A JP2004552583 A JP 2004552583A JP 2004552583 A JP2004552583 A JP 2004552583A JP 4426457 B2 JP4426457 B2 JP 4426457B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compartment
dilution
membrane
compartments
concentration
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004552583A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006506223A (ja
JP2006506223A5 (ja
Inventor
グレゴール・ドゥトツィアック
アンドレアス・ニッケル
マルティナ・ムッター
ケルスティン・バウムアルト
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bayer AG
Original Assignee
Bayer Technology Services GmbH
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bayer Technology Services GmbH filed Critical Bayer Technology Services GmbH
Publication of JP2006506223A publication Critical patent/JP2006506223A/ja
Publication of JP2006506223A5 publication Critical patent/JP2006506223A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4426457B2 publication Critical patent/JP4426457B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D61/00Processes of separation using semi-permeable membranes, e.g. dialysis, osmosis or ultrafiltration; Apparatus, accessories or auxiliary operations specially adapted therefor
    • B01D61/58Multistep processes
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D57/00Separation, other than separation of solids, not fully covered by a single other group or subclass, e.g. B03C
    • B01D57/02Separation, other than separation of solids, not fully covered by a single other group or subclass, e.g. B03C by electrophoresis
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D61/00Processes of separation using semi-permeable membranes, e.g. dialysis, osmosis or ultrafiltration; Apparatus, accessories or auxiliary operations specially adapted therefor
    • B01D61/42Electrodialysis; Electro-osmosis ; Electro-ultrafiltration; Membrane capacitive deionization
    • B01D61/425Electro-ultrafiltration
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K1/00General methods for the preparation of peptides, i.e. processes for the organic chemical preparation of peptides or proteins of any length
    • C07K1/14Extraction; Separation; Purification
    • C07K1/24Extraction; Separation; Purification by electrochemical means
    • C07K1/26Electrophoresis
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D61/00Processes of separation using semi-permeable membranes, e.g. dialysis, osmosis or ultrafiltration; Apparatus, accessories or auxiliary operations specially adapted therefor
    • B01D61/02Reverse osmosis; Hyperfiltration ; Nanofiltration
    • B01D61/025Reverse osmosis; Hyperfiltration
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D61/00Processes of separation using semi-permeable membranes, e.g. dialysis, osmosis or ultrafiltration; Apparatus, accessories or auxiliary operations specially adapted therefor
    • B01D61/02Reverse osmosis; Hyperfiltration ; Nanofiltration
    • B01D61/027Nanofiltration
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D61/00Processes of separation using semi-permeable membranes, e.g. dialysis, osmosis or ultrafiltration; Apparatus, accessories or auxiliary operations specially adapted therefor
    • B01D61/14Ultrafiltration; Microfiltration
    • B01D61/145Ultrafiltration
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D61/00Processes of separation using semi-permeable membranes, e.g. dialysis, osmosis or ultrafiltration; Apparatus, accessories or auxiliary operations specially adapted therefor
    • B01D61/14Ultrafiltration; Microfiltration
    • B01D61/147Microfiltration

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Water Supply & Treatment (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Environmental & Geological Engineering (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Nitrogen And Oxygen Or Sulfur-Condensed Heterocyclic Ring Systems (AREA)
  • Water Treatment By Electricity Or Magnetism (AREA)
  • Electrostatic Separation (AREA)

Description

発明の詳細な説明
本発明は、精密濾過膜および限外濾過膜を用いて膜電気泳動を実施するための方法および装置に関する。かかる方法では、加圧することによって、膜孔内に形成される電気浸透流(electroosmotic flow)を減じる又は抑制する。
分取法として電気泳動を用いることについては、1950年代から研究が行われている。
連続的なフリーフロー電気泳動では、溶液は、電気泳動チャンバー内に導入された後、2つの電極間で形成された電場において分離される。溶液ストリームは、電気泳動モジュールから排出される際には、種々の濃度で分離される物質が含まれるように多くの分画へと分けられる。かかる手法は実験室規模で良好な選択性(または選択率)が得られる手法であるが、スケールアップについては狭い範囲に制限されている。主な問題は、電場での溶液の加温および熱対流などの分散現象に存している。1日当たりの生成物の量が数グラムという生産力は、市販のフリーフロー電気泳動機器で達成することができる。
膜電気泳動においては、あるコンパートメントから別のコンパートメントへと少なくとも1種類の溶解成分が電場下で移動する際に、半透膜が、隣接するコンパートメント間で対流バリア(convection barrier)として機能している。
初期の頃の公報によると、マクロ多孔質膜(またはマクロポーラス膜)、例えば、濾紙を用いていた。しかしながら、これらの材料は多くの不利益な点を有している。マクロ多孔質膜は、分離すべき物質に対して選択性を有しておらず(米国特許(US−A)第3989613号および同4043895号参照)、機械的および化学的な安定性は低いものである。更に、1kPa未満という圧力差であっても、マクロ多孔質膜は、圧力に起因して膜を通過するような流れが生じるが、そのような流れは無視のできないものである。従って、各コンパートメント間にもたらされる一時的または局所的な圧力差が変動するため、逆混合が生じることになり、分離効率が減少してしまう。グリツナー(Gritzner)は、補償タンク(または調整タンク)を備えることによって、このような圧力に起因した拡散というものを減じている(米国特許(US−A)第4043895号)。そこでは、レベルを変動させることによって、2つのフロー・チャンネルにおける静止圧(または静水圧)を同じ値になるようにそれぞれ独立して制御している。
その後の特許においては、異なるサイズのマクロ分子に対して選択性を有する限外濾過膜の使用が示唆されている。つまり、電気泳動易動度(electrophoretic mobility)に関する選択性基準と膜保持に関する選択性基準とを組み合わせて、理論上の分離性能を相当に向上させることが可能となっている。具体的な実施例がない未審査特許明細書(ドイツ国特許(DE−A1)第3337669号および同3626953号)は別として、ミリリットル規模のバッチ実験については公開されている(米国特許(US−A)第6270672号)。
しかしながら、実際には、限外濾過膜の使用に際しては、非常に低い生産力(または生産性)しか得ることができない。膜孔では、電気二重層が形成されるので、電場では電気浸透流が生じ、負に帯電したタンパク質の分離性能が著しく減じられることになる。ガリアー(Galier)ら、ジェイ・メンブル・サイ(J.Membr.Sci.)第194巻[2001]第117頁〜第133頁を参照のこと。
分離条件下にてタンパク質種が正に帯電していると、それと反対の電極極性の下で分離を実施することができる。この場合、電気浸透流が、膜を通過するタンパク質の移送方向と反対方向となったり、または、同じ方向となったりする。それらに相応して、希釈側ベッセル内の液体レベルが増加したり又は減少したりすることが観察され得る。希釈側ベッセル内の液体レベルが増加すると、生産力が減少することになる。また、希釈側ベッセル内の液体レベルが減少すると、移動性のより低くなったタンパク質は、希釈側ベッセルに保持されることになり、対流によって膜を通過し得るので、分離効率が減少してしまうことになる。
従って、米国特許(US−A)第4043895号の実施例に記載されているように、モジュール内の静止圧を均一にすることによって、分離膜を通過する液体流れ同士を相殺することはできない。
多孔質精密濾過膜および限外濾過膜を使用することの他に、ゲル膜を使用することが提案されている。このような非多孔質材料では、電気浸透流が少ない点で利点が供される。マクロ分子のゲル膜の選択性は、ポリマーの架橋度によって影響を受け得るものである(米国特許(US−A)第4243507号参照)。
しかしながら、ゲル膜では、多孔質膜の場合と対称的な不利益な点がもたらされることになる。
ゲル膜は、電場において高い抵抗性を有している。このため、エネルギー投入量が多くなり、モジュールにおいて熱の発生がより多くなってしまう。
ポリアクリルアミド等のゲルは、pH選択性が乏しいので、通常の限外濾過膜および精密濾過膜のようには洗浄することができない。なお、タンパク質を処理する間で洗浄が必要となるために、ポリアクリルアミド等のゲルでは、モジュールの交換が高いコストとなり得る。
このように、これまでは、膜電気泳動に対して限外濾過膜および精密濾過膜を使用することは、電気浸透効果によって制限されていた。なお、上述のような不利益な点があってもゲル膜というものは実験室規模で使用することはできるものである。しかしながら、スケールが増加すると、膜コストが高くなり、また、エネルギー投入量が多くなるので、ゲル膜の使用は不可能となり得る。
本発明の目的は、限外濾過膜および精密濾過膜を用いた膜電気泳動法であって、上述のような不利益点のない改良された膜電気泳動法を提供することである。
多孔質膜で形成される電気浸透流に起因して、例えば、0.5kg/hよりも大きい工業的規模の実施は現在まで不可能であった。
用いられる膜の電気浸透流、およびその結果生じる体積変化というものは、静止圧を制御することによって補正できることを見出した。
本発明は、
少なくとも4つの要素から成る分離チャンバーを使用することによって、電解質含有溶液中に溶解または分散した物質を膜電気泳動させる方法であって、
該分離チャンバーは、希釈側コンパートメント、濃縮側コンパートメント、陰極としての電極を備えた陰極コンパートメント、および陽極としての電極を備えた陽極コンパートメントを有しており、
陰極コンパートメントと陽極コンパートメントとが、多孔質膜、特に限外濾過膜または精密濾過膜によって相互に分けられており、
電極フラッシュ溶液(または電極洗浄溶液)で電極をフラッシュ(または洗浄)し、
希釈側コンパートメントを連続的に通るように希釈側液(または希釈側に用いられる流体)を通過させ、また
濃縮側コンパートメントを連続的に通るように濃縮側液(または濃縮側に用いられる流体)を通過させる、
方法であって、
陰極と陽極との間で形成された電場によって、希釈側液中に溶解または分散した少なくとも1種類の物質を希釈側コンパートメントから濃縮側コンパートメントへと電気泳動により移動させ、また
希釈側コンパートメントと濃縮側コンパートメントとの間の圧力差を少なくとも3kPaとなるように設定することを特徴とする方法
を提供する。
本発明の方法では、希釈側コンパートメントと濃縮側コンパートメントとの間を相互に分けている分離膜を通過する流体流れが実質的に抑えられるように、希釈側コンパートメントと濃縮側コンパートメントとの間の圧力差を調整することが好ましい。
複数の希釈側コンパートメントと濃縮側コンパートメントとから成る分離チャンバーであって、希釈側コンパートメントと濃縮側コンパートメントとが、陽極コンパートメントと陰極コンパートメントとの間においてが交互に配置され、また、限外濾過膜および/または精密濾過膜によって相互に分けられており、更に、並列および/または直列で操作されるようになっている分離チャンバーにおいて本発明の方法を実施することが好ましい。
好ましい態様では、希釈側液、濃縮側液、および電極フラッシュ溶液、またはそれらのうちのいずれか1つを、相互に独立して有利に温度制御し、好ましくは冷却する。
多孔質膜は、特に1〜1000nmの孔サイズを有している。
膜は、次に示す材料のうちの1種類以上の材料から成ることが好ましい:セルロースエステル(もしくは繊維素エステル)、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリエーテル、ポリエーテルスルホン、ポリプロピレン、ポリスルホン、ポリビニルアルコール、ポリフッ化ビニリデン、または、酸化アルミニウム、酸化シリコン、酸化チタン、酸化ジルコニウム、および、上述の酸化物の混合セラミックス。
電極フラッシュ溶液を用いることによって、陽極コンパートメントおよび陰極コンパートメントを相互に独立にフラッシュすることが特に好ましい。
希釈側溶液(または希釈側液)、濃縮側溶液(または濃縮側液)および電極フラッシュ溶液に用いられる電解質(または電解液)には、弱酸および弱塩基の組合せ、弱酸および強塩基の組合せ、または、強酸および弱塩基の組合せが含まれることが好ましい。
電解質は、次に示す化合物のうちの1種類以上の化合物を含んでいることが特に好ましい:ホウ酸、リン酸、N-2-(アセトアミド)-2-アミノエタンスルホン酸、N-2-(アセトアミド)イミノ二酢酸、アラニン、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール、アンモニア、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-2-アミノエタンスルホン酸、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)グリシン、2,2-ビス(ヒドロキシエチル)-イミノトリス(ヒドリキシメチル)メタン、2-(シクロヘキシルアミノ)エタンスルホン酸、酢酸、グリシン、グリシルグリシン、2-[4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジニル]エタンスルホン酸(HEPES)、3-[4-[2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジニル]プロパンスルホン酸、ヒスチジン、イミダゾール、乳酸、2-モルフォリノエタンスルホン酸(MES)、2-モルフォリノプロパンスルホン酸、ピペラジン-1,4-ビス(2-エタンスルホン酸)、N-[トリス(ヒドリキシメチル)-メチル]-2-アミノエタンスルホン酸、N-[トリス(ヒドリキシメチル)-メチル]グリシン、トリエタノールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、およびクエン酸。
膜表面に対する電流密度は、好ましくは10〜1000A/m、特に10〜500A/mである。
希釈側溶液の導電率は、好ましくは0.1mS/cm〜40mS/cm、特に0.1〜10mS/cmである。
本発明の方法では、分離の間において希釈側溶液の導電率が減じられることが好ましい。
更に、本発明は、分離の最終段階で、精密濾過、限外濾過、ナノ濾過または逆浸透等の液体透過と特に組み合わせることによって、希釈側溶液を再濃縮した後に希釈側コンパートメントに戻すということを特徴としている。
次に示す化合物のうちの1種類以上の化合物が、本発明の方法で処理するのに特に適している:タンパク質、ペプチド、DNA、RNA、オリゴヌクレオチド、オリゴ糖(または小糖)、多糖類、ウィルス、ウィルス成分、細胞、細胞成分、エナンチオマー(または鏡像異性体)およびジアステレオマー。
更に、本発明は、
少なくとも4つの要素から成る分離チャンバー、希釈側液のための入口ラインおよび出口ライン、濃縮側液のための入口ラインおよび出口ライン、電極フラッシュ溶液のためのオプションとしての入口ラインおよび出口ライン、ならびに圧力を制御するデバイスを有して成る膜電気泳動を実施するための装置であって、
該分離チャンバーは、希釈側コンパートメント、濃縮側コンパートメント、陰極としての電極を備えた陰極コンパートメント、陽極としての電極を備えた陽極コンパートメントを少なくとも有し、
個々のコンパートメントが、多孔質膜、特に限外濾過膜および精密濾過膜によって相互に分けられており、また
該圧力を制御するデバイスによって、希釈側コンパートメントと濃縮側コンパートメントとの間の圧力差が少なくとも3kPaとなるように設定される、装置
を提供する。
好ましくは、分離チャンバーは、複数の希釈側コンパートメントおよび濃縮側コンパートメントに分けられている。
交互に設けられた複数の希釈側コンパートメントおよび濃縮側コンパートメントが、多孔質制限膜(porous restriction membrane)または分離膜によって相互に分けられていることが好ましく、また、並列および/または直列に接続されていることが好ましい。そして、そのような希釈側コンパートメントおよび濃縮側コンパートメントが、陽極コンパートメントと陰極コンパートメントとの間に配置されていることが好ましい。
本発明の装置では、希釈側液のための入口ラインおよび出口ラインが希釈側循環路(diluate circulation)に設けられ、また、濃縮側液のための入口ラインおよび出口ラインが濃縮側循環路(concentrate circulation)に設けられ、更に、電極フラッシュ溶液のための入口ラインおよび出口ラインが必要に応じて電極フラッシュ循環路(electrode flushing circulation)に設けられていることが更に好ましい。
また、本発明の装置では、希釈側循環路、濃縮側循環路および電極フラッシュ循環路を有しており、特に、それらの循環路の1つまたは全てに熱交換機が備わっていることが同様に好ましい。
好ましい別の態様として、陽極フラッシュ循環路と陰極フラッシュ循環路とが別個に設けられることによって電極フラッシュ循環路が形成されている。
個々の耐圧リザーバー・ベッセル内を加圧することによって、電気浸透流を調整(または補正)することができるようになっている。圧力差は、数kPa〜数100KPaにすることが可能である。
また、圧力は、ポンプ圧力またはポンプ流速を制御することによって加えることもできる。
別法にて、膜電気泳動モジュールの入口流速と出口流速とが同じになるように制御する間接的な制御(indirect control)が可能である。
本発明の装置は、水性媒体中に溶解または分散した物質を精製するのに適当である。使用例として、タンパク質、ペプチド、DNA、RNA、オリゴヌクレオチド、ウィルス、細胞およびキラル分子の精製が挙げられる。
本発明の方法は、タンパク質、ペプチド、オリゴヌクレオチドおよびウィルス粒子の精製に対して特に適当である。
それゆえ、本発明では、タンパク質、ペプチド、DNA、RNA、オリゴヌクレオチド、ウィルス、細胞およびキラル分子を精製するために本発明の装置が用いられる。
本発明は、バッチ操作および連続操作のどちらの操作であっても用いることができる。ちなみに、上述した本発明は、次の態様を包含することに留意されたい:
第1の態様: 少なくとも4つの要素から成る分離チャンバー(7)を使用することによって、電解質含有溶液中に溶解または分散した物質を電気泳動させる方法であって、
該分離チャンバー(7)は、希釈側コンパートメント(16)、濃縮側コンパートメント(17)、陰極(19)としての電極を備えた陰極コンパートメント(18)、および陽極(20)としての電極を備えた陽極コンパートメント(21)を有しており、
個々のコンパートメントが、多孔質膜、特に限外濾過膜または精密濾過膜(14,15)によって相互に分けられており、
電極フラッシュ溶液で電極(19、20)をフラッシュし、
希釈側コンパートメント(16)を連続的に通るように希釈側液を通過させ、また
濃縮側コンパートメント(17)を連続的に通るように濃縮側液を通過させる
方法であって、
陰極(19)と陽極(20)との間で形成された電場によって、希釈側液中に溶解または分散した少なくとも1種類の物質を希釈側コンパートメント(16)から濃縮側コンパートメント(17)へと電気泳動により移動させ、また
希釈側コンパートメント(16)と濃縮側コンパートメント(17)との間の圧力差を少なくとも3kPaとなるように設定する
ことを特徴とする方法。
第2の態様: 上記第1の態様において、濃縮側コンパートメント(17)と希釈側コンパートメント(16)との間を相互に分けている分離膜(15)を通過する液体流れが実質的に抑制されるように、希釈側コンパートメント(16)と濃縮側コンパートメント(17)との間の圧力差を設定することを特徴とする方法。
第3の態様: 上記第1または2の態様において、複数の希釈側コンパートメント(16a,16b,・・・)および濃縮側コンパートメント(17a,17b,・・・)から構成される分離チャンバー(7a)であって、
希釈側コンパートメント(16a,16b,・・・)と濃縮側コンパートメント(17a,17b,・・・)とが、陽極コンパートメント(21)と陰極コンパートメント(18)との間にて交互に配置されており、また、限外濾過膜または精密濾過膜(14,15)によって相互に分けられており、更に、並列および/または直列に組み合わされて操作される分離チャンバー(7a)において、本発明の方法を実施することを特徴とする方法。
第4の態様: 上記第1〜3の態様のいずれかにおいて、希釈側液、濃縮側液および電極フラッシュ溶液、または、それらのいずれか1つを、相互に独立して温度制御し、好ましくは冷却することを特徴とする方法。
第5の態様: 上記第1〜4の態様のいずれかにおいて、 膜は、1〜1000nmの孔サイズを有していることを特徴とする方法。
第6の態様: 上記第5の態様において、膜は、セルロースエステル、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリエーテル、ポリエーテルスルホン、ポリプロピレン、ポリスルホン、ポリビニルアルコール、ポリフッ化ビニリデン、または、酸化アルミニウム、酸化シリコン、酸化チタン、酸化ジルコニウム及びそのような酸化物の混合セラミックスのうちの1種類から成ることを特徴とする方法。
第7の態様: 上記第1〜6の態様のいずれかにおいて、電極フラッシュ溶液によって、陽極コンパートメント(21)および陰極コンパートメント(18)を相互に独立にフラッシュすることを特徴とする方法。
第8の態様: 上記第1〜7の態様のいずれかにおいて、希釈側溶液、濃縮側溶液および電極フラッシュ溶液に用いられる電解質には、弱酸および弱塩基の組合せ、弱酸および強塩基の組合せ、または、強酸および弱塩基の組合せが含まれることを特徴とする方法。
第9の態様: 上記第8の態様において、電解質は、ホウ酸、リン酸、N-2-(アセトアミド)-2-アミノエタンスルホン酸、N-2-(アセトアミド)イミノ二酢酸、アラニン、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール、アンモニア、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-2-アミノエタンスルホン酸、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)グリシン、2,2-ビス(ヒドロキシエチル)-イミノトリス(ヒドリキシメチル)メタン、2-(シクロヘキシルアミノ)エタンスルホン酸、酢酸、グリシン、グリシルグリシン、2-[4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジニル]エタンスルホン酸、3-[4-[2-ヒドロキシエチル]-1-ピペラジニル]プロパンスルホン酸、ヒスチジン、イミダゾール、乳酸、2-モルフォリノエタンスルホン酸、2-モルフォリノプロパンスルホン酸、ピペラジン-1,4-ビス(2-エタンスルホン酸)、N-[トリス(ヒドリキシメチル)-メチル]-2-アミノエタンスルホン酸、N-[トリス(ヒドリキシメチル)-メチル]グリシン、トリエタノールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、クエン酸のうちの1種類の化合物またはそれ以上の種類の化合物を含んでいることを特徴とする方法。
第10の態様: 上記第1〜9の態様のいずれかにおいて、膜表面に対する電流密度は、10〜1000A/m であり、好ましくは10〜500A/m であることを特徴とする方法。
第11の態様: 上記第1〜10の態様のいずれかにおいて、希釈側溶液の導電率は、0.1mS/cm〜40mS/cmであり、好ましくは0.1〜10mS/cmであることを特徴とする方法。
第12の態様: 上記第1〜11の態様のいずれかにおいて、希釈側溶液の導電率は、分離の間で低下することを特徴とする方法。
第13の態様: 上記第1〜12の態様のいずれかにおいて、特に、精密濾過、限外濾過、ナノ濾過または逆浸透等の液体透過と組み合わせることによって、分離の最終段階にて希釈側溶液を再濃縮して、希釈側コンパートメント(16)に戻すことを特徴とする方法。
第14の態様: 上記第1〜13の態様のいずれかにおいて、タンパク質、ペプチド、DNA、RNA、オリゴヌクレオチド、オリゴ糖、多糖類、ウィルス、ウィルス成分、細胞、細胞成分、エナンチオマーおよびジアステレオマーのうちの1種類の物質またはそれ以上の種類の物質を処理することを特徴とする方法。
第15の態様: 少なくとも4つの要素から成る分離チャンバー(7)、希釈側液のための入口ライン(22)および出口ライン(23)、濃縮側液のための入口ライン(24)および出口ライン(25)、電極フラッシュ溶液のためのオプションとしての入口ライン(26)および出口ライン(27)、ならびに、圧力を制御するデバイス(8;10)および(9;11)を有して成る膜電気泳動を実施するための装置であって、
該分離チャンバー(7)は、希釈側コンパートメント(16)、濃縮側コンパートメント(17)、陰極(19)としての電極を備えた陰極コンパートメント(18)、陽極(20)としての電極を備えた陽極コンパートメント(21)を少なくとも有し、
個々のコンパートメント(16,17,18,21)が、多孔質膜(14,15)、特に限外濾過膜および精密濾過膜(14,15)によって相互に分けられており、また
該圧力を制御するデバイス(8;10)および(9;11)によって、希釈側コンパートメント(16)と濃縮側コンパートメント(17)との間の圧力差が少なくとも3kPaとなるように設定される、装置。
第16の態様: 上記第15の態様において、分離チャンバー(7)は、複数の希釈側コンパートメント(16a,16b・・・)と濃縮側コンパートメント(17a,17b・・・)とに分けられていることを特徴とする装置。
第17の態様: 上記第15または16の態様において、複数の希釈側コンパートメント(16a,16b,・・・)と濃縮側コンパートメント(17a,17b,・・・)とが、陽極コンパートメント(21)と陰極コンパートメント(18)との間において交互に配置され、また、多孔質制限膜(14)および分離膜(15a)によって相互に分けられており、更に、好ましくは並列および/または直列に接続されていることを特徴とする装置。
第18の態様: 上記第15〜17の態様のいずれかにおいて、希釈側循環路(1;4;22;23)に設けられた希釈側液用の入口ライン(22)および出口ライン(23)、
濃縮側循環路(2;5;24;25)に設けられた濃縮側液用の入口ライン(24)および出口ライン(25)、ならびに
電極フラッシュ循環路(3;6;26;27)に設けられた電極フラッシュ溶液用のオプションとしての入口ライン(26)および出口ライン(27)
を有することを特徴とする装置。
第19の態様: 上記第15〜18の態様のいずれかにおいて、希釈側循環路、濃縮側循環路および電極フラッシュ循環路、ならびに、
特に、該希釈側循環路、該濃縮側循環路および該電極フラッシュ循環路のうちのいずれか1つまたは全てに設けられた熱交換機
を有することを特徴とする装置。
第20の態様: 上記第15〜19の態様のいずれかにおいて、1〜1000nmの孔サイズを有する多孔質膜が設けられており、好ましくは、該多孔質膜が有機材料、無機材料またはそれらの混合物から形成されていることを特徴とする装置。
第21の態様: 上記第15〜20の態様のいずれかにおいて、前記膜が、セルロースエステル、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリエーテル、ポリエーテルスルホン、ポリプロピレン、ポリスルホン、ポリビニルアルコール、ポリフッ化ビニリデン、または、酸化アルミニウム、酸化シリコン、酸化チタン、酸化ジルコニウム及びそのような酸化物の混合セラミックスから成る群から選択される材料から成ることを特徴とする装置。
第22の態様: 上記第18〜21の態様のいずれかにおいて、電極フラッシュ溶液用の循環路には、陽極フラッシュ循環路と陰極フラッシュ循環路とが別個に設けられていることを特徴とする装置。

以下にて、図面を参照して実施例で本発明をより詳細に説明する。なお、図面は本発明を制限するためのものではない。
実施例
以下で説明する実施例に用いた装置(図1)は、温度制御可能な希釈側リザーバー1、温度制御可能な濃縮側リザーバー2および温度制御可能な電極バッファー用リザーバー3から構成されている。希釈側液は、ポンプ4が用いられることによって、入口ライン22およびリターン・ライン23を循環しており、電気泳動モジュール7を流れるようになっている。濃縮側液は、ポンプ5が用いられることによって、入口ライン24およびリターン・ライン25を循環しており、電気泳動モジュール7を流れるようになっている。電極バッファーは、ポンプ6が用いられることによって、入口ライン26およびリターン・ライン27を循環しており、電気泳動モジュール7を流れるようになっている。入口ライン12,13を介して窒素が供給される希釈側ベッセルおよび濃縮側ベッセルのガス空間の圧力は、圧力レギュレーター8,9によって制御されている。そして、そのような圧力レギュレーターは、レベル・センサー10,11によって制御されている。
膜電気泳動装置は、4つの希釈側コンパートメント16a〜16dと4つの濃縮側コンパートメント17a〜17dが各々並列に設けられたモジュール7a(図2参照)を含んでいる。希釈側コンパートメント16および濃縮側コンパートメント17は、液体ディストリビューター28,29を介して並列に供給がもたらされるものであり、制限膜14および分離膜15によって包囲されている。希釈側コンパートメントおよび濃縮側コンパートメントには、スペーサーおよび流れ規制パーツ(flow limiter)として機能し得るグリッドまたはウェブ(図示せず)を設けてもよい。電極コンパートメント18,21は、制限膜14で包囲されており、並列にフラッシュされる。電極19,20によって電場が形成される。図2に示すように電場を形成することができるものの、それとは反対方向に電場を形成することもできる。
実施例1:
図1に示す装置、および、図2に示すモジュール7aは、ヒト血清アルブミン(HSA)とヒト免疫グロブリンG(IgG)とを分離するのに用いた。モジュール7aは、膜ユニットの有効膜表面積が36cmとなるように変更された電気透析モジュール(電気透析モジュールED136;フーマ−テック社(FuMA−Tech GmbH))である。
HEPES(2-[4-(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル)エタンスルホン酸/イミダゾール・バッファー(約40mMのHEPES/15mMのイミダゾール、pH7)を使用した。濃縮側溶液のためのリザーバー2および電極フラッシュ溶液のためのリザーバー3は、それぞれ1000mlのバッファー溶液で満たされていた。希釈側リザーバーは、400mLのHSAおよびIgGで満たした(なお、バッファー中では、38g/Lの濃度のHSAおよび4.5g/Lの濃度のIgGが溶解していた)。
4つに積み重ねたスタックは、10kDaという公称臨界直径を有した制限膜14と300kDaという公称臨界直径を有した分離膜15とを組み合わせることによって標準的なスペーサー(メーカー:フーマ−テック社)を用いて構成されているものであった。用いた膜は、サートリウス社(Sartrius AG)から市販されているPES限外濾過膜であった。
希釈側電極20が負電位となるように約45A/mの電流密度でもって実験を実施した。希釈側液および濃縮側液が循環する際の体積流量は、各々、320mL/分であった。また、電極フラッシュ液が電極を通るように循環する際の体積流量は、700mL/分であった。タンパク質濃度は、HPLC分析によって測定した。
以下に示す実験を実施した:
1a)加圧により希釈側リザーバーの体積を制御することによって電気浸透流の調整を行う電気泳動
1b)電気浸透流の調整を行わない電気泳動
表1は、実験1aに関する実験パラメーターおよび濃度を示している。表2は、実験1bのデータを示している。実験1bでは、希釈側リザーバーが満タンになったために、180分後に停止しなければならなかった。
希釈側液中のアルブミン濃度の減少は、アルブミン濃度に依存しており、以下のような一次速度式に従う:
Figure 0004426457
式中、
c:希釈側液中のアルブミン濃度 [g/L]
t:時間 [t]
V:希釈側液の体積 [L]
A:分離膜の有効面積 [m
k:速度定数 [L/(hm)]
である。
残留分の割合に関して積分して式を展開すると、
Figure 0004426457
となる。式中、
c/c:残留分の割合 [−]
である。
濃縮されるにつれタンパク質が導入されるために希釈側液の体積が必ずしも一定に維持されないということを考慮すると、有効速度定数は以下のように計算することで得ることができる:
Figure 0004426457
式中、
m :希釈側液中のアルブミン質量 [g]
:実験開始時の希釈側液中のアルブミン質量 [g]
m/m:質量に基づく残留分の割合 [−]
eff :有効速度定数 [L/(hm)]
血清アルブミンの濃縮については、180分後にて、0.45(実験1a)および0.64(実験1b)という質量に基づく残留分の割合となった。このような割合を上述の式で用いると、実施例1aに対する有効速度定数が実施例1bの場合の1.8倍となる結果となる。従って、圧力を調整すると濃縮が約2倍速くなることになる。
濃縮の選択性は、以下のように計算される:
Figure 0004426457
式中、
Ψ :選択性 [−]
m/m(HSA) :希釈側液中のHSAの質量に基づく残留分の割合[−]
m/m(IgG) :希釈側液中のIgGの質量に基づく残留分の割合[−]
実験1a全体を通して選択性は8.8であるのに対して、実験1b全体を通して選択性はわずか3.8であった。
実施例2:
図1に示す装置、および、図2に示すモジュール7aは、ヒト血清アルブミンとヘモグロビンとを分離するのに用いた。モジュール7aは、膜ユニットの有効膜表面積が36cmとなるように変更された電気透析モジュール(実施例1の場合と同様のモジュール)である。
50ミリモルのMES/ヒスチジン・バッファー(約15mMのMES/35mMのヒスチジン、pH6.5)を使用した。濃縮側液のためのリザーバー2および電極フラッシュ溶液のためのリザーバー3は、それぞれ1Lのバッファー溶液および800mLのバッファー溶液で満たした。希釈側リザーバー1では、ヒト血清アルブミンの質量濃度が4.5g/L、ヘモグロビンの質量濃度が0.85g/Lという状態でバッファー中に2種類のタンパク質が溶解していた。希釈側液の体積は400mLであり、実験中では加圧により一定に保持した。
実施例1の場合と同様に、4つに積み重ねたスタックは、10kDaという公称臨界直径を有した制限膜14と300kDaという公称臨界直径を有した分離膜15とが組み合わされることによって、標準的なスペーサーでもって構成されているものであった。用いた膜は、サートリウス社から市販されているPES限外濾過膜であった。
希釈側電極20が負電位となるように約45A/mの電流密度でもって実験を実施した。希釈側液および濃縮側液が循環する際の体積流量は、各々、160mL/分であり、また、電極フラッシュ液が電極を通るように循環する際の体積流量は、770mL/分であった。タンパク質濃度は、HPLC分析によって測定した。リザーバー・ベッセルのレベルは、濃縮側の圧力コントローラーによって一定に保持した。
3時間後において、希釈側液中のヘモグロビン収率が83%となり、ヒト結晶アルブミンが92%にまで濃縮された。実験のデータを表3に示す。
Figure 0004426457
Figure 0004426457
Figure 0004426457
図1は、加圧デバイスを備えた膜電気泳動装置を模式的に表したものである。 図2は、(4つ積み重ねた形態を有する)膜電気泳動モジュールを模式的に表したものである。

Claims (2)

  1. 少なくとも4つの要素から成る分離チャンバー(7)を使用することによって、電解質含有溶液中に溶解または分散した物質を電気泳動させる方法であって、
    該分離チャンバー(7)は、希釈側コンパートメント(16)および濃縮側コンパートメント(17)の組を複数個、陰極(19)としての電極を備えた陰極コンパートメント(18)、ならびに陽極(20)としての電極を備えた陽極コンパートメント(21)を有しており、
    各組の希釈側コンパートメントおよび濃縮側コンパートメント限外濾過膜または精密濾過膜(15)によって相互に分けられており、
    陰極コンパートメントおよび陽極コンパートメントが、希釈側および濃縮側コンパートメントの組から、制限膜によって分けられており、希釈側および濃縮側コンパートメントの組は制限膜によって他の該組から分けられており、
    また、該分離チャンバー(7)は、電極コンパートメント(18、21)を循環する、電極すすぎ溶液を有し、
    希釈側コンパートメント(16)を連続的に通るように希釈側液を通過させ、また
    濃縮側コンパートメント(17)を連続的に通るように濃縮側液を通過させる
    方法であって、
    陰極(19)と陽極(20)との間で形成された電場によって、希釈側液中に溶解または分散した少なくとも1種類の物質を希釈側コンパートメント(16)から濃縮側コンパートメント(17)へと電気泳動により移動させ、また
    希釈側および濃縮側コンパートメントの各組において、希釈側コンパートメント(16)と濃縮側コンパートメント(17)との間の圧力差を少なくとも3kPaとなるように設定する
    ことを特徴とする方法。
  2. 少なくとも4つの要素から成る分離チャンバー(7)、希釈側液のための入口ライン(22)および出口ライン(23)、濃縮側液のための入口ライン(24)および出口ライン(25)、電極すすぎ溶液のためのオプションとしての入口ライン(26)および出口ライン(27)、ならびに、圧力を制御するシステム(8;10)および(9;11)を有して成る膜電気泳動を実施するための装置であって、
    該分離チャンバー(7)は、希釈側コンパートメント(16)および濃縮側コンパートメント(17)の組を複数個、陰極(19)としての電極を備えた陰極コンパートメント(18)、陽極(20)としての電極を備えた陽極コンパートメント(21)を少なくとも有し、
    各組の希釈側コンパートメントおよび濃縮側コンパートメントが、限外濾過膜または精密濾過膜(15)によって相互に分けられており、
    陰極コンパートメントおよび陽極コンパートメントが、希釈側および濃縮側コンパートメントの組から制限膜によって分けられており、希釈側および濃縮側コンパートメントの組が、他の該組から制限膜によって分けられており、また
    該圧力を制御するシステム(8;10)および(9;11)が、希釈側コンパートメント(16)と濃縮側コンパートメント(17)との間少なくとも3kPaの圧力差を生じさせるものであり、
    該制限膜が、該限外濾過膜または該精密濾過膜よりも実質的に低いカットオフ点を有する、装置。
JP2004552583A 2002-11-18 2003-11-13 分取法として電気泳動を実施するための装置および方法 Expired - Fee Related JP4426457B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
DE10253483A DE10253483A1 (de) 2002-11-18 2002-11-18 Vorrichtung und Verfahren zur präparativen Elektrophorese
PCT/EP2003/012665 WO2004045748A1 (de) 2002-11-18 2003-11-13 Vorrichtung und verfahren zur präparativen elektrophorese

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2006506223A JP2006506223A (ja) 2006-02-23
JP2006506223A5 JP2006506223A5 (ja) 2006-12-28
JP4426457B2 true JP4426457B2 (ja) 2010-03-03

Family

ID=32185758

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004552583A Expired - Fee Related JP4426457B2 (ja) 2002-11-18 2003-11-13 分取法として電気泳動を実施するための装置および方法

Country Status (9)

Country Link
US (1) US7449093B2 (ja)
EP (1) EP1572329B1 (ja)
JP (1) JP4426457B2 (ja)
AT (1) ATE477043T1 (ja)
AU (1) AU2003288046B2 (ja)
CA (1) CA2506095C (ja)
DE (2) DE10253483A1 (ja)
ES (1) ES2348284T3 (ja)
WO (1) WO2004045748A1 (ja)

Families Citing this family (29)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB0328124D0 (en) * 2003-12-04 2004-01-07 Daly James Membrane electrolyser with a two part end design
DE102005012594A1 (de) 2005-03-18 2006-09-21 Bayer Technology Services Gmbh Elektrofiltrationsverfahren
DE102005044994A1 (de) * 2005-09-21 2007-04-05 Gesellschaft zur Förderung der Analytischen Wissenschaften e.V. Vorrichtung zur Trennung eines Analytgemisches und zur Detektion der Analytsubstanzen mittels elektrophoretischer Trennung
CZ307051B6 (cs) * 2008-05-06 2017-12-20 Ăšstav analytickĂ© chemie AV ÄŚR, v. v. i. Zařízení pro kontinuální preparativní isoelektrickou fokusaci v porézním loži protékaném rozbíhavým tokem
JP2012041286A (ja) * 2010-08-17 2012-03-01 Confocal Science Inc 生体高分子精製装置
US8671985B2 (en) 2011-10-27 2014-03-18 Pentair Residential Filtration, Llc Control valve assembly
US9695070B2 (en) 2011-10-27 2017-07-04 Pentair Residential Filtration, Llc Regeneration of a capacitive deionization system
US8961770B2 (en) 2011-10-27 2015-02-24 Pentair Residential Filtration, Llc Controller and method of operation of a capacitive deionization system
US9010361B2 (en) 2011-10-27 2015-04-21 Pentair Residential Filtration, Llc Control valve assembly
US9637397B2 (en) 2011-10-27 2017-05-02 Pentair Residential Filtration, Llc Ion removal using a capacitive deionization system
CZ303688B6 (cs) * 2012-02-14 2013-03-13 Ústav analytické chemie AV CR, v.v.i. Zpusob separace a zkoncentrování amfolytu isoelektrickou fokusací a zarízení pro provádení tohoto zpusobu
US9321012B2 (en) * 2012-04-04 2016-04-26 Bio-Rad Laboratories, Inc. Electronic protein fractionation
CN103265132B (zh) * 2013-06-04 2014-12-24 大连理工大学 一种导电膜处理重金属废水的方法
KR101726286B1 (ko) * 2015-08-11 2017-04-12 한국과학기술연구원 세포외 소포체 포집 장치 및 그 사용 방법
US11376552B2 (en) 2016-09-20 2022-07-05 Aqua Membranes Inc. Permeate flow paterns
WO2018094287A1 (en) 2016-11-19 2018-05-24 Aqua Membranes Llc Interfernce patterns for spiral-wound elements
EP3366653A1 (en) * 2017-02-23 2018-08-29 Ibanez Botella, Juan Miguel System for water disinfection using electroporation
CN110461445B (zh) 2017-04-12 2022-10-21 阿夸曼布拉尼斯公司 用于卷绕式过滤元件的分级间隔件
US11745143B2 (en) 2017-04-20 2023-09-05 Aqua Membranes, Inc. Mixing-promoting spacer patterns for spiral-wound elements
JP2020517423A (ja) 2017-04-20 2020-06-18 アクア メンブレインズ,インコーポレイテッド スパイラル巻き要素のための非ネスティング、非変形パターン
CN111344053A (zh) 2017-10-13 2020-06-26 阿夸曼布拉尼斯公司 螺旋缠绕元件的桥支撑件和减少的进给间隔件
CN107754493B (zh) * 2017-11-01 2020-09-29 陕西科技大学 一种具有光催化性的透明pm2.5过滤膜及其制备方法
US11633700B2 (en) 2020-04-07 2023-04-25 Aqua Membranes Inc. Independent spacers and methods
CN111560063B (zh) * 2020-05-12 2022-11-01 蚌埠医学院 一种动物胰脏来源胰岛素原料药纯化装置及使用方法
EP4205828A4 (en) 2020-09-29 2023-11-01 Mitsubishi Kakoki Kaisha, Ltd FILTER DEVICE AND FILTRATION SYSTEM
WO2022204167A2 (en) * 2021-03-23 2022-09-29 Nephria Bio, Inc. Systems, devices, and methods for continuous ambulatory renal replacement therapy
US20220401882A1 (en) * 2021-06-21 2022-12-22 SiTration, Inc. System and method for electrically conductive membrane separation
WO2023079708A1 (ja) * 2021-11-05 2023-05-11 三菱化工機株式会社 ろ過装置及びろ過装置の運転方法
TW202335723A (zh) 2021-11-05 2023-09-16 日商三菱化工機股份有限公司 過濾裝置及過濾系統

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3989613A (en) * 1973-05-16 1976-11-02 The Dow Chemical Company Continuous balanced flow fixed boundary electrophoresis
US4043895A (en) * 1973-05-16 1977-08-23 The Dow Chemical Company Electrophoresis apparatus
US4043896A (en) * 1976-03-25 1977-08-23 Aqua-Chem, Inc. Ultrafiltration and electrodialysis apparatus
GB2036081B (en) * 1977-06-15 1982-08-25 Nat Res Dev Membrane electrophoresis
US4180451A (en) * 1978-04-19 1979-12-25 Ionics Inc. Apparatus for treating whey
DE3337669C2 (de) 1983-10-17 1989-09-21 Carl Schleicher & Schuell Gmbh & Co Kg, 3352 Einbeck Gerät zur Elektroelution elektrisch geladener Makromoleküle
FR2583300B1 (fr) * 1985-06-13 1987-08-28 Centre Nat Rech Scient Procede et dispositif de separation par electrofiltration de particules solides ou macromolecules, contenues dans une solution
DD245585A1 (de) 1985-09-03 1987-05-13 Univ Halle Wittenberg Verfahren und apparatur zur elektrokinetischen ultrafiltration
GB2225339A (en) * 1988-11-15 1990-05-30 Aligena Ag Separating electrically charged macromolecular compounds by forced-flow membrane electrophoresis
US5336387A (en) * 1990-09-11 1994-08-09 Bioseparations, Inc. Electrical separator apparatus and method of counterflow gradient focusing
US6270672B1 (en) * 1999-08-06 2001-08-07 Baxter Aktiengesellschaft Devices and methods for removing pathogens from biological fluids
US20030019753A1 (en) * 2000-10-05 2003-01-30 David Ogle Multi-port separation apparatus and method

Also Published As

Publication number Publication date
CA2506095A1 (en) 2004-06-03
DE10253483A1 (de) 2004-05-27
WO2004045748A1 (de) 2004-06-03
DE50312977D1 (de) 2010-09-23
ATE477043T1 (de) 2010-08-15
JP2006506223A (ja) 2006-02-23
ES2348284T3 (es) 2010-12-02
CA2506095C (en) 2013-07-09
EP1572329A1 (de) 2005-09-14
US20050072675A1 (en) 2005-04-07
US7449093B2 (en) 2008-11-11
AU2003288046B2 (en) 2008-11-06
AU2003288046A1 (en) 2004-06-15
EP1572329B1 (de) 2010-08-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4426457B2 (ja) 分取法として電気泳動を実施するための装置および方法
US8252161B2 (en) Electrofiltration method
US5087338A (en) Process and device for separating electrically charged macromolecular compounds by forced-flow membrane electrophoresis
JP2006506223A5 (ja)
US4673483A (en) Isoelectric focusing apparatus
US20030019753A1 (en) Multi-port separation apparatus and method
US20050167270A1 (en) Electrophoresis apparatus and method
EP3639017B1 (en) Rapid blotting device and applications thereof
EP1358000B1 (en) Apparatus and method for separation of molecules and movement of fluids by electrophoresis
US20050242030A1 (en) Device and process for membrane electrophoresis and electrofiltration
JPH01165558A (ja) アミノ酸化合物の分離方法
AU2001293513B2 (en) Multi-port separation apparatus and method
AU2002256552B2 (en) Apparatus and method for separation of molecules and movement of fluids
AU2001291491B2 (en) Electrophoresis apparatus and method
AU2001291491A1 (en) Electrophoresis apparatus and method
AU2001293513A1 (en) Multi-port separation apparatus and method

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061110

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061110

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090709

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090714

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091014

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091110

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091210

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121218

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121218

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131218

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131218

Year of fee payment: 4

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131218

Year of fee payment: 4

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees