JP4426377B2 - 吊下げ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、信号灯器または看板などの吊下げ対象物と基体とを連結するための吊下げ装置に関する。
図21は、従来の技術の吊設装置100を示す断面図である。吊設装置100は、支持部材102に鉛直方向に垂設される灯器取付部材103と信号灯器104とを連結する。支持部材102は、電信柱などの支持体101に突設される部材である。
吊設装置100および灯器取付部材103には、鉛直方向に貫通する導通貫通孔107が形成される。この導通貫通孔107は、支持部材102の内部に配設される導線を信号灯器104に挿通するために形成される。吊設装置100、灯器取付部材103および信号灯器104には、雄ねじ部材108が螺合可能であって、これらを貫通する雌ねじ貫通孔部109が形成される。吊設装置100、灯器取付部材103および信号灯器104は、雌ねじ貫通孔部109に雄ねじ部材108を螺合することによって連結する。また雌ねじ貫通孔部109には、一部に破損しやすい過負荷破損部110が形成される。
このような吊設装置100を用いると、信号灯器104に衝突物が衝突したときに生じる衝撃を、過負荷破損部110を破損させることによって吸収または緩和することができる。したがって前記衝撃によって灯器取付部材103および信号灯器104が損傷することを抑制することができる。
特開2001−101585(図3、第2〜3頁)
従来の技術の吊設装置100では、吊設装置100と灯器取付部材103と信号灯器104とが雄ねじ部材108によって連結されているので、支持部材102に対して信号灯器104を変位させることができない。したがって吊設装置100は、衝突物が信号灯器104に衝突すると、衝突に起因する衝撃を吸収または緩和できるけれども、吊設装置100の過負荷破損部110が破損する。また信号灯器104も破損または損傷する可能性がある。
本発明の目的は、基体に対して吊下げ対象物が角変位可能に基体と吊下げ対象物とを連結し、角変位しても継手手段および継手手段を覆うカバー体が損傷しない吊下げ装置を提供することである。
本発明は、基体に吊下げ対象物を吊下げるための吊下げ装置であって、
基体に連結される第1部材と、
吊下げ対象物に連結される第2部材と、
第1および第2部材の間に設けられる第3部材であって、第1部材に対し、第1および第2部材に共通する第1軸線に交差する第2軸線まわりに角変位可能であり、第2部材に対し、第1および第2軸線に交差する第3軸線まわりに角変位可能な第3部材とを有する継手手段と、
継手手段が予め定める基準状態に復帰する方向の弾性回復力を、継手手段に与える復帰手段であって、
第1部材と第3部材との間に設けられ、第1および第3部材の、第2軸線まわりの角変位を許容しかつ復帰させる第1圧縮コイルばね部材である第1復帰手段と、
第3部材と第2部材との間に設けられ、第2および第3部材の、第3軸線まわりの角変位を許容しかつ復帰させる第2圧縮コイルばね部材である第2復帰手段とを有する復帰手段とを含むことを特徴とする吊下げ装置である。
本発明に従えば、継手手段は、第1部材が基体に連結され、第2部材が吊下げ対象物に連結されるので、基体と吊下げ対象物とを連結することができる。また継手手段は、第1部材と第2部材との間に、第1および第2部材に対して角変位可能な第3部材が設けられる。これによって第1部材に対して第2部材を2つの軸線まわりに角変位させることができる。第2部材が角変位できるので、第2部材に連結される吊下げ対象物も角変位することができる。したがって継手手段を用いることによって、吊下げ対象物を第1部材に対して角変位させることができる。
また復帰手段は、継手手段が予め定める基準状態に復帰する方向に弾性回復力を継手手段に与える。したがって継手手段が予め定められる基準状態にない場合、復帰手段は、継手手段を基準状態に復帰させることができる。復帰手段には、第1復帰手段と第2復帰手段とが含まれる。第1部材と第3部材との間に設けられる第1復帰手段は、継手手段が基準状態に復帰する方向であってかつ第1部材に対して第3部材が角変位する方向に作用する弾性回復力を、第1部材および第3部材に与えることができる。また第2部材と第3部材との間に設けられる第2復帰手段は、継手手段が基準状態に復帰する方向であってかつ第2部材に対して第3部材が角変位する方向に作用する弾性回復力を、第2部材および第3部材に与えることができる。したがって第1復帰手段および第2復帰手段によって継手手段を基準状態に復帰させることができるので、各復帰手段が継手手段に与える弾性回復力を小さくすることができる。
た、復帰手段は、第1および第2圧縮コイルばね部材である第1および第2復帰手段を含むので、第1復帰手段は、第3部材を角変位させて第1復帰手段を圧縮すると、第1部材に対して第3部材が角変位する方向であってかつ圧縮コイルばね部材が直立する方向に弾性回復力を、第1および第3部材に与える。また第2復帰手段は、圧縮コイルばね部材であるので、第3部材を角変位させて第2復帰手段を圧縮すると、第2復帰手段は、第2部材に対して第3部材が角変位する方向であってかつ圧縮コイルばね部材が直立する方向に弾性回復力を、第2および第3部材に与える。したがって第1復帰手段および第2復帰手段によって圧縮コイルばね部材が直立するように継手手段を復帰させることができる。第1復帰手段および第2復帰手段によって圧縮コイルばね部材が直立する方向の弾性回復力を、継手手段に与えることができるので、各復帰手段が与える弾性回復力を小さくすることができる。
したがって第1圧縮コイルばね部材および第2圧縮コイルばね部材のそれぞれに付加する荷重を、復帰手段が1本の圧縮コイルばね部材で構成されている場合より小さくすることができる。このように各圧縮コイルばね部材に付加する荷重を小さくすることができるので、各圧縮コイルばね部材に生じる応力を小さくすることができる。したがって各圧縮コイルばね部材の破断を抑制するとともに、各圧縮コイルばね部材を小さくすることができる。これによって吊り下げ装置を小形化かつ軽量化を図ることができる。
また本発明は、継手手段は、自在継手であることを特徴とする。
本発明に従えば、継手手段が自在継手であるので、吊下げ対象物は、自在継手を中心とする仮想略半球面上を角変位することができる。
また本発明は、形状に基づく特性によって変形可能に構成され、継手手段を外方から覆うカバー体を含むことを特徴とする。
本発明に従えば、カバー体が継手手段を外方から覆うので、継手手段が露出することを抑制できる。カバー体は、形状に基づく特性によって変形するので、カバー体の材料に基づく特性に関係なく変形させることができる。またカバー体が変形することができるので、第1および第2部材が第3部材に対して角変位する場合、カバー体を継手手段の形状に沿って変形させることができる。
また本発明は、カバー体は、蛇腹状に形成されることを特徴とする。
本発明に従えば、カバー体が蛇腹状に形成される。したがってカバー体は、伸縮することができる。
本発明によれば、基体と吊下げ対象物を連結することによって吊下げ対象物を基体から吊下げることができる。この吊り下げ対象物は、継手手段によって第1部材に対して角変位可能に設けられている。吊下げ対象物が角変位可能に設けられるので、吊下げ対象物に荷重が付加すると、継手手段は、吊下げ対象物を2つの軸線まわりに角変位させることができる。したがって衝突物が吊下げ対象物に衝突する場合、吊下げ対象物を角変位させて、衝突物に起因する衝撃を緩和することができる。さらに吊下げ対象物が2つの軸線まわりに角変位できるので、様々な方向に吊下げ対象物を角変位させることができる。したがって衝突物が進行する方向と異なる方向に吊下げ対象物を変位させることができ、衝突物から付加される荷重を小さくすることができる。このように衝撃を緩和し、付加される荷重を小さくすることができるので吊り下げ対象物の破損または損傷を抑制できる。
また吊り下げ対象物が角変位すると、復帰手段は、継手手段を基準状態に復帰させることができる。このように継手手段を基準状態に復帰させることによって、吊下げ対象物を基準状態に復帰させる。したがって吊下げ装置が角変位される状態のままで基体に連結されることを防止することができる。また継手手段には、基準状態に復帰する方向に弾性回復力が与えられる。したがって吊下げ対象物が揺動することを抑制し、吊下げ対象物が小さな荷重で基準状態から角変位することを抑制できる。したがって、たとえば風によって吊り下げ対象物が揺動することおよび基準状態から容易に角変位することを抑制できる。
さらに第1復帰手段および第2復帰手段によって基準状態に復帰する方向の弾性回復力が継手手段に与えられので、各復帰手段が継手手段に与える弾性回復力を復帰手段が一つだけ設けられているときより小さくすることができる。各復帰手段が継手手段に与える弾性回復力を小さくできるので、各復帰手段に付加される荷重を小さくすることができる。これによって各復帰手段を小さくしても破壊を抑制することができる。したがって各復帰手段を小さくし吊下げ装置を従来より小形化および軽量化することができる。
具体的には、第1復帰手段および第2復帰手段によって継手手段を復帰させることができるので、吊下げ対象物が角変位しても、第1復帰手段および第2復帰手段によって圧縮コイルばね部材が直立する状態に戻すことができる。このように吊下げ対象物を圧縮コイルばね部材が直立する状態に戻すことができるので、吊下げ対象物が前述のように角変位しても、吊下げ対象物が角変位する状態のまま基体に連結されることを防ぐことができる。また第1復帰手段および第2復帰手段は、継手手段に圧縮コイルばね部材が直立する方向に弾性回復力を与えるので、継手手段に小さな荷重が作用する場合であっても、直立する状態を維持させることができる。したがって継手手段の直立性を高めることができる。このように継手手段の直立性を高めることができるので、吊下げ対象物が揺動することを防ぐことができる。
また第1復帰手段は、第1部材と第3部材との間に設けられるので、第3部材が第1部材に対して角変位すると、前記角変位する方向に撓む。また第2復帰手段は、第3部材と第2部材との間に設けられるので、第3部材が第2部材に対して角変位すると、前記角変位する方向に撓む。このように各復帰手段が角変位する一方向だけに撓むので、複数の箇所が異なる方向に撓むことに起因する圧縮コイルばね部材の破損を抑制できる。また2つの圧縮コイルばね部材によって弾性回復力が継手手段に与えられるので、継手手段に与える弾性回復力を各圧縮コイルばね部材に分散させることができる。これによって圧縮コイルばね部材1つあたりが与える弾性回復力を小さくすることができる。換言すると、吊下げ対象物に付加される荷重を分散させることができる。さらに第1部材と第3部材との間に第1復帰手段が設けられ、第2部材と第3部材との間に第2復帰手段が設けられるので、各圧縮コイルばね部材に作用するモーメントは、1本の圧縮コイルばね部材を第1部材と第2部材との間に設けられる場合に圧縮コイルばねに作用するモーメントより小さくすることができる。換言すると、圧縮コイルばね部材1本あたりに作用するモーメントを小さくすることができる。各圧縮コイルばね部材に作用するモーメントを小さくすることができるので、第3部材の第1および第2部材に対する角変位量を小さくすることができる。また圧縮コイルばね部材一本あたりに作用する荷重およびモーメントを小さくすることができるので、圧縮コイルばね部材の応力を小さくすることができる。したがって圧縮コイルばね部材の破損を抑制することができ、吊下げ装置の小形化および軽量化することが可能となる。
また本発明によれば、継手手段は、吊下げ対象物を仮想略半球面上を角変位させることができる。このように吊下げ対象物が角変位するので、衝突物が吊下げ対象物に直線的に衝突する場合、吊り下げ対象物は、仮想略半球面上を角変位し、衝突物が進行する方向と異なる方向に変位することができる。したがって吊下げ対象物を衝突物を回避することができ、吊下げ対象物の破損および損傷を抑制することができる。
また本発明によれば、カバー体によって継手手段が外方に露出することを抑制できる。したがって継手手段が雨に濡れることを抑制することができる。さらにカバー体が継手手段を覆っているので、継手手段を防護することができる。カバー体は、形状に基づく特性によって変形し、材料に基づく特性に関係なく変形することができる。したがってたとえば変形すると破断しやすい特性を有する材料をカバー体に用いる場合であっても、形状に基づく特性によって変形するので、カバー体が破断することを抑制できる。このように形状に基づく特性によってカバー体を変形させて、カバー体が破断することを抑制できる。またカバー体が継手手段の形状に沿って変形できる。したがって第1および第2部材が第3部材に対して角変位して継手手段が変形する場合、カバー体が継手手段とともに変形することができる。したがって継手手段がカバー体で覆われても、継手手段を容易に変形することができる。
また本発明によれば、カバー体は、蛇腹状に形成され、伸縮することができる。したがってカバー体は、伸縮することによって屈曲することができる。基体に対して吊下げ対象物が角変位する場合、継手手段が角変位するとともに継手手段の形状に沿ってカバー体が屈曲することができる。したがってカバー体が継手手段を外方から覆う場合であっても、容易に吊下げ対象物を角変位させることができる。
図1は、本発明の実施の一形態である吊下げ装置1を示す断面図である。図2は、吊下げ装置1を概略示す斜視図である。図3は、吊下げ装置1の全体を示す正面図である。図4は、吊下げ装置1に含まれる第1基部7および第2基部8を示す正面図である。図5は、吊下げ装置1に含まれる第1基部7および第2基部8を示す側面図である。図6は、吊下げ装置1に含まれる第1基部7および第2基部8を示す平面図である。図7は、吊下げ装置1に含まれる継手部9を示す正面図である。図8は、吊下げ装置1に含まれる継手部9をA1−A1線で切断して見た断面図である。図9は、吊下げ装置1に含まれる第1被覆体基部28および第2被覆体基部29を示す平面図である。図10は、吊下げ装置1に含まれる第1被覆体基部28および第2被覆体基部29をA2−A2線で切断して見た断面図である。図11は、吊下げ装置1に含まれる被覆体本体30を示す断面図である。図12は、吊下げ装置1に含まれる被覆体本体30の一部を拡大して示す断面図である。図13は、第1圧縮コイルばね部材6a、第2圧縮コイルばね部材6bおよび連結部11を仮想線で示す継手部9の平面図である。図14は、吊下げ装置1に含まれる第1圧縮コイルばね部材6aまたは第2圧縮コイルばね部材6bと連結部11との関係を示す平面図である。吊下げ装置1は、後述する図15で示すように電信柱などの支柱に付設される支持体2と信号灯器3とを連結し、支持部材2から信号灯器3を吊下げるための装置である。吊下げ装置1は、基本的に自在継手部材4と被覆体5と復帰手段6とを含んで構成される。
継手手段である自在継手部材4は、一端に支持体2を連結することができ、他端に信号灯器3を連結することができる。自在継手部材4は、基本的に第1基部7と第2基部8と継手部9を含んで構成される。自在継手部材4は、第1基部7と第2基部8との間に、第1基部7および第2基部8に対して角変位可能な継手部9を設けることによって形成される。
第1部材である第1基部7は、基本的に基部本体10と連結部11とを含む。基部本体10は、第4軸線L4方向に貫通する基部貫通孔12を有する円筒部材である。第1基部7は、基部貫通孔12を設けることによって内方に配線を配置することができる。第4軸線L4は、基部本体10の中心軸線である。基部本体10の外周面部の一部には、基部本体10の一端部から第4軸線L4線方向に溝が螺刻される。これによって基部本体10の外周面部の一部に、雄ねじ部13を形成することができる。また基部本体10の他端周縁部には、棒状の連結部11が第4軸線L4方向に突出するように形成される。
連結部11は、前記他端周縁部に周方向に180度の間隔をあけて2つ設けられる。連結部11は、基部本体10の第4軸線L4方向の垂直な断面が略円弧状の棒状部材である。一対の連結部11のうち互いに対向する内表面部11aは、基部本体10の内周面の曲率に略合致すべく第4軸線L4方向に沿って形成される。一対の連結部11の内表面部11aの反対側の表面部である外側表面部11bは、基部本体10の外周面の曲率に略合致すべく第4軸線L4方向に沿って形成される。さらに連結部11は、10の内周面の全角度範囲のうち連結部角度θとなるように円弧状に形成される。また連結部11の長手方向端部は、略半円状に形成される。さらに各連結部11には、連結部11を厚み方向に貫通する基部連結孔15が形成される。基部連結孔15は、断面が略円形状であって、各連結部11に形成される基部連結孔15の孔軸線が略同一となるように形成される。第1基部7は、たとえばステンレス鋼材を用いて形成される。
第2部材である第2基部8は、第1基部7と同様の構成を有する部材であり、第2基部8の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
第3部材である継手部9は、4つの矩形平板を格子状に設けることによって形成される薄肉の格子状部材である。格子状部材は、互いに平行する一対の平板の両端部が、他の互いに平行する平板の部材によって連結される部材である。具体的に説明すると、4つの矩形平板には、略同一の形状に形成される第1、第2、第3および第4矩形平板、16,17,18,19が含まれ、第1矩形平板16と第3矩形平板18とが互いに対向し、第2矩形平板17と第4矩形平板19とが互いに対向する。第1および第3矩形平板16,18の長手方向の両端部には、それぞれ第2矩形平板17と第4矩形平板18とが連結される。このような4つの矩形平板によって、継手部9は、矩形平板の幅方向、すなわち継手部9の厚み方向に垂直な断面が略正方形状の格子状部材に形成される。
継手部9は、内側壁面部に第1基部7および第2基部8の連結部11の外表面部14が内接可能に形成される。具体的には、第1および第3矩形平板の内側壁面部に第1基部7の2つの連結部11の外表面部14がそれぞれ内接でき、互いに対向する第2および第4矩形平板の内側壁面部に第2基部8の2つの連結部11がそれぞれ内接できるように形成される。第1および第3矩形平板16,18の各矩形平板には、厚み方向に貫通する継手部第1連結孔20が1つずつ形成される。各継手部第1連結孔20は、断面が略円形状であって、各矩形平板に形成される継手部連結孔20の孔軸線が略同一となるように形成される。また第2および第4矩形平板17,19の各矩形平板には、厚み方向に貫通する継手部第2連結孔21が1つずつ形成される。各矩形平板に形成される継手部第1連結孔21は、断面が略円形状であって、各継手部第2連結孔21の孔軸線が略同一となるように形成される。継手部9は、たとえばステンレス鋼材をもちいて形成される。
本実施の形態では、継手第1連結孔20の孔軸線と継手部第2連結孔21の孔軸線とが同一の仮想平面上に含まれるように継手第1連結孔20と継手部第2連結孔21とが形成される。また継手部9が格子状に形成されているので、継手第1連結孔20の孔軸線と継手部第2連結孔の孔軸線とは、互いに垂直に交わる軸線となる。本実施の形態では、継手部9は、格子状部材であるけれども、このように構成に限定されず円筒部材であってもよい。また継手第1連結孔20と継手部第2連結孔とは前述のように形成されるけれども、限定されない。継手第1連結孔20の孔軸線と継手部第2連結孔の孔軸線とが同一の仮想平面上に設けられる必要もなく、互いが平行な異なる仮想平面上に設けられてもよい。
このように形成される継手部9には、第1基部7の一対の連結部11の外表面部11bがそれぞれ第1矩形平板16および第3矩形平板18の内側壁面部に内接するように第1基部7が配設される。第1基部7は、各基部連結孔15と各継手部第1連結孔20とが互いに臨み、基部連結孔15の孔軸線と継手第1連結孔20の孔軸線とが同一軸となるように、継手部9に配設される。このように継手部9に第1基部7に配設することによって、各基部連結孔15および各継手第1連結孔20を連結することができる。基部連結孔15および継手第1連結孔20を連結することによって形成される貫通孔を第1連結孔22とする。このように一対の第1連結孔22が自在継手部材4に形成される。このように第1連結孔24を形成されるので、基部連結孔15と継手第1連結孔20とは、互いに臨む開口部が略同一形状に形成されることが望ましい。
各第1連結孔22を形成する第1連結孔部23には、第1連結軸24が嵌合される。第1連結軸24は、たとえば割ピンによって実現され、第1連結孔部23に嵌合可能に形成される。第1連結軸24は、各第1連結孔部23に嵌合されることによって、第1基部7と継手部9とを角変位可能に連結する。第1基部7と継手部9とが第1連結軸24によって角変位可能に連結されるので、継手部9は、第1基部7に対して第1連結軸24まわりに角変位することができる。このようにして継手部9は、第1基部7に対して第1連結軸24まわり、すなわち第2軸線L2まわりに角変位可能に形成される。
また継手部9には、第2基部8の一対の連結部11の外表面部11bがそれぞれ第2矩形平板17および第4矩形平板19の内側壁面部に内接するように第2基部8が配設される。第2基部8は、各基部連結孔15と各継手部第2連結孔21とが互いに臨み、基部連結孔15の孔軸線と継手第2連結孔21の孔軸線とが同一軸となるように、継手部9に配設される。このように継手部9に第2基部8に配設することによって、各基部連結孔15および各継手第2連結孔21を連結することができる。このように基部連結孔15および継手第2連結孔21を連結することによって形成される貫通孔を第2連結孔25とする。このように一対の第2連結孔25が自在継手部材4に形成される。第2連結孔25を形成されるので、基部連結孔15と継手第2連結孔21とは、互いに臨む開口部が略同一形状に形成されることが望ましい。
各第2連結孔25を形成する第2連結孔部26には、第2連結軸27が嵌合される。第2連結軸27は、たとえば割ピンによって実現され、第2連結孔部26に嵌合可能に形成される。第2連結軸27は、各第2連結孔部25に嵌合されることによって、第2基部8と継手部9とを角変位可能に連結する。第2基部8と継手部9とが第2連結軸27によって角変位可能に連結されるので、継手部9は、第2基部8に対して第2連結軸27まわりに角変位することができる。このように継手部9は、第2基部8に対して第2連結軸27まわり、すなわち第2軸線L2まわりに角変位可能に形成される。
このように継手部9に第1基部7および第2基部8に連結させることによって、継手部9が第1基部7に対して第2軸線L2まわりに角変位可能であって、第2基部8に対して第3軸線L3まわりに角変位可能な自在継手部材4を形成することができる。第2軸線L2および第3軸線L3は、継手部第1連結孔20および継手部第2連結孔21を含むので、仮想平面上の互いに垂直な軸線である。
また自在継手部材4は、第1基部7および第2基部8の基部本体10の第4軸線L4が軸線L1と同一の軸線となるように形成される。具体的には、第1連結孔23の軸線と第2連結孔25の軸線との交点が第1軸線L1上に配置されるように第1基部7、第2基部8および継手部材9を形成する。
このように形成される自在継手部材4では、第1基部7および第2基部8の基部本体10にそれぞれ基部貫通孔12が形成され、継手部9が格子状に形成される。したがって前記基部貫通孔12および継手部9の格子状部材の内部空間によって、第1基部7の基部本体10の一端部から第2基部8の基部本体10の一端部まで導線を挿通可能な自在継手部材内部空間50を確保することができる。本実施の形態では、継手部9が格子状に形成されるので、前記自在継手部材内部空間50を広く確保することができる。また連結部11が継手部9に内接するので、継手部9が角変位する場合であっても、前記自在継手部材内部空間50を確保することができる。したがってボールジョイントを用いた場合に起こる不具合を克服することができる。
具体的に説明すると、ボールジョイントは、互いに係合する2つの管を有する。前記各管には、軸線方向に貫通する導線を挿通する挿通孔が形成される。これによって2つの管が係合する状態で、ボールジョイントは、導線を内方に挿通することができる。2つの管は、一方の管に対して他方の管が角変位可能に係合される。また2つの管は、予め定められる基準状態で互いの挿通孔が連結するように係合される。ボールジョイントでは、他方の管が基準状態から角変位すると、連結される挿通孔の互いに臨む部分が狭くなる。したがって他方の管を角変位しつづけると、挿通される導線が前記各管の内壁面部に挟まれる。これによって導線が破損するかあるいはボールジョイント自身が破損する。他方の管の角変位可能な範囲を大きくするには、互いに係合する管を大きくする必要がある。管を大きくすると、ボールジョイント自体を大型化する必要がある。このため自重が大きくなり吊下げることができなくなる。また他方の管の角変位を大きくするために、挿通孔自体を大きくすることも考えられるけれども、管自体の厚みが薄くなり強度が小さくなる。したがってボールジョイントでは、導線を挿通させる挿通孔を広くとることができない。
自在継手部材4は、前述のようなボールジョイントの欠点を克服すべく、継手部材9が角変位する場合であっても、自在継手部材内部空間50を広く確保するために継手部材9を格子状に形成する。これによって自在継手部材4を大型化することなく、また自在継手部材4の強度を小さくすることなく自在継手部材内部空間50を広く確保することができる。
カバー体である被覆体5には、一対の被覆体基部28,29と被覆体本体30とが含まれる。被覆体5は、自在継手部材4の少なくとも一部を覆うように設けられる。被覆体5は、自在継手部材4が腐蝕することを抑制するために設けられる。また第1連結軸24が第1連結孔部23から外れる、または第2連結軸27が第2連結孔部26から外れることがあっても第1基部7と第2基部8とが連結されることを維持できる。
一対の被覆体基部28,29には、第1被覆体基部28と第2被覆体基部29とが含まれる。第1被覆体基部28と第2被覆体基部29とは、その構成が同一であるので、第1被覆体基部28の構成について説明し、第2被覆体基部29の説明については、同一の符号を付して説明を省略する。第1被覆体基部28には、第1基部7が螺合され、第2被覆体基部29には、第2基部8が螺合される。
被覆体基部28は、大略的には、短円筒部材であり、径が異なる複数の孔が連結されることによって形成される軸線方向に貫通する貫通孔31を有する。貫通孔31には、基部挿通孔32、基部螺合孔33および基部嵌合孔34が含まれる。貫通孔31は、被覆体基部28の軸線まわりに形成される孔である。
基部挿通孔32は、被覆体基部28の一端部に形成される略円柱形状の孔である。本体連結孔31は、被覆体基部28の軸線まわりに形成され、その径が第1基部7の径より大きく形成される。
基部螺合孔33は、被覆体基部28の他端部に形成される略円柱形状の孔である。基部螺合孔33は、被覆体基部28の軸線まわりに形成される。また基部螺合孔33を形成する基部螺合孔部35の周縁部には、被覆体基部28から軸線方向外方に突出する基部突出部50が形成される。基部螺合孔部35および基部突出部50は、第1基部7と螺合可能に形成される。つまり基部螺合孔部35および基部突出部50には、その壁面部にねじ溝が螺刻され雌ねじ部36が形成される。雌ねじ部3と第1基部7に形成される雄ねじ部13とを螺合することによって、第1被覆体基部28と第1基部7とを螺合することができる。
基部嵌合孔34は、基部挿通孔32と基部螺合孔33との間に介在するように形成される略円柱形状の孔である。基部嵌合孔34は、その径が基部挿通孔32の径より大きく、基部挿通孔32に臨む一端部が基部挿通孔32に向かうに従って半径方向に縮径するテーパ形状に形成される。
このように形成される第1被覆体基部28は、たとえばエンジニアリングプラスチック、ポリカーボネイドまたは強化プラスチックによって実現される。第2被覆体基部29は、第1被覆体基部28と同様の構成を有する。
被覆体本体30は、大略的には、中心軸線方向に貫通する貫通孔を有する薄肉の略円筒形状部材である。被覆体本体30は、自在継手部材4を前記貫通孔に挿入して覆うために用いられる部材である。したがって被覆体本体30の内径は、自在継手部材4を挿入可能に形成される。すなわち被覆体本体30の内径は、図1に示すように継手部9の対角線の長さより大きく形成される。継手部9の対角線の長さは、厚み方向に垂直な断面における格子状部材である継手部9の対角を結んだ直線の長さである。
被覆体本体30は、その一端部が第1被覆体基部28に連結可能に、他端部が第2被覆体基部29に連結可能に形成される。さらに被覆体本体30の中間部には、蛇腹状に形成される蛇腹部37を有する。被覆体本体30は、たとえばエンジニアリングプラスチック、ポリカーボネイドまたは強化プラスチックによって実現される。
さらに詳細に説明すると、図12に示すように、被覆体本体30の両端部には、その一部にシール部材40の一部を嵌合するシール溝部38が全周にわたって形成される。シール溝部38は、シール部材40を嵌合して被覆体本体30を一対の被覆体基部28,29のいずれかに連結される状態で、シール部材40が基部挿通孔32を形成する本体挿通孔部41に当接するように形成される。このようにシール溝部38を形成しシール部材40をシール溝部38に嵌合すると、被覆本体30は、シール部材40によって被覆体本体30の内方に水分などが浸入することを防ぐことができる。
また被覆体本体30の両端部には、半径方向外方に向かって隆起する隆起部39が形成される。隆起部39は、シール溝38より被覆体本体30両端近傍に形成される。隆起部39は、被覆体本体30を一対の被覆体基部28,29のいずれかに連結される状態で、被覆体本体30が一対の被覆体基部28,29から離脱することを抑制する。具体的には、被覆体本体30が一対の被覆体基部28,29に連結される状態で、隆起部39が基部嵌合孔34を形成する本体嵌合孔部42に当接するように形成される。このように形成すると、基部嵌合孔34の一端部がテーパ形状に形成されているので、隆起部39によって被覆体本体30が一対の被覆体基部28,29から離脱することを抑制できる。
蛇腹部37は、具体的に説明すると、被覆体本体30の両端部に形成されるシール溝部38の間に形成される。蛇腹部37は、前述のように蛇腹状に形成される。本実施の形態では、蛇腹部37は、被覆体本体30の半径方向の内外方向に隆起する正弦波状に形成される。ただし、蛇腹部37は、前記正弦波状に限定されず、たとえばS字が連続するような形状であってもよく、後述するように被覆体本体30の軸線方向に伸縮可能な形状であればよい。ここで被覆体本体30の半径方向外方に突出する部分を蛇腹山部51とし、半径方向内方に突出する部分を蛇腹谷部52とする。蛇腹部37は、蛇腹山部51および蛇腹谷部52が略同一形状に形成される。また蛇腹部37は、蛇腹部37のピッチL1と蛇腹部37の蛇腹の幅L2とのピッチ比率L1/L2が100%以上180%以下である。特に前記ピッチ比率が100%近傍では、ピッチL1と幅L2とが略同一であるので、屈曲しやすく、このような範囲であることが好ましい。ピッチL1とは、隣合う蛇腹山部51の頂点間の距離と同義であり、蛇腹の幅L2は、蛇腹山部51の頂点と蛇腹谷部52の頂点との距離と同義である。蛇腹山部51の頂点とは、蛇腹山部51において被覆体本体30の軸線から半径方向に最も離れた点と同義である。蛇腹谷部52の頂点とは、蛇腹谷部51におけて被覆体本体30の軸線から半径方向に最も近い点と同義である。ピッチ比率とは、ピッチL1を蛇腹の幅L2で除した値である。また圧縮率は10%以上50%以下であることが望ましい。圧縮率は、蛇腹部37が圧縮される長さを蛇腹部37の自由長で除した値で定義される。このような圧縮率で形成されることによって、小さな荷重で蛇腹部37が屈曲することを抑制する。蛇腹部37は、ブロー成形によって厚みが均一になるように成形される。
このように形成される蛇腹部37は、それぞれの蛇腹山部51および蛇腹谷部52が変形することによって、被覆体本体30の軸線方向に伸縮することができる。また蛇腹部37を半径方向一方側の部分を圧縮し、半径方向一方側と反対側の部分を伸縮をさせることによって、蛇腹部37に屈曲させることができる。また蛇腹部37のピッチ比率が150%であるので、蛇腹部37は、伸縮しやすく、屈曲性がよい。またピッチ比率が100%近傍では、蛇腹部37の被覆体本体30の軸線方向に伸縮する量が略同一となり、屈曲性が特によい。さらにブロー成形によって蛇腹部37の厚みが均一に成形されるので、屈曲性がよい。またたとえば圧縮率が20%であると、25kgf以下の荷重では蛇腹部37が屈曲しないように構成することができる。したがって風などによって、吊下げ装置1に外力が作用する場合であっても、吊下げ装置1が基本状態を維持させることができる。蛇腹部37は、蛇腹形状に構成されるので、ねじり力が掛かった場合であっても、その力を緩和し破断することを抑制することができる。
また蛇腹部37は、蛇腹の形状に基づく伸縮可能な性質によって変形させることができるので、材料に基づく特性、たとえば弾性力によって変形させる必要がない。このように変形可能な特性を有する形状にすることによって、材料に基づく特性によって変形させる必要がない。またたとえば蛇腹部37に剛性の高い材料を用いて構成しても、変形可能に構成することができる。また蛇腹部37に破断しやすい材料を用いた場合であっても、蛇腹部37が伸縮して変形するので、蛇腹部37が破断することを抑制できる。
このように形成される蛇腹部37の形状については、前述のような形状に限定されない。伸縮性を有するような蛇腹の形状であればよく、蛇腹山部51および蛇腹谷部52とが同一形状である必要はない。たとえば、蛇腹部37が屈曲する際の伸縮する量が大きい部分の蛇腹山部51の半径方向への突出量を大きくする。これによって蛇腹部37が屈曲する際に、蛇腹部37が部分的に伸びきってしまうことを抑制することができる。このように構成することによって、蛇腹部37が破損を抑制することができる。また蛇腹部37は、ブロー成形によって厚みが均一になるように成形されるものに限定されない。たとえば、蛇腹山部51の厚みを厚くすることによって、蛇腹山部51の曲げ剛性を大きくすることができる。
このような蛇腹部37を有する被覆体本体30は、蛇腹形状に基づく伸縮可能な性質によって、伸縮および屈曲することができる。したがって被覆体本体30が、材料に基づく特性によって破断することを抑制できる。このような形状に形成される被覆体本体30は、たとえばエンジニアリングプラスチック、ポリカーボネイドまたは強化プラスチックをブロー成形することによって実現することができる。このようにブロー成形によって成形することによって、被覆体本体30の厚みを調整することができる。厚みを調整することによって前述のように被覆体本体の伸縮性および剛性を調整することができる。本実施の形態では、被覆体本体30は、蛇腹形状を含んで形成されているけれども、必ずしもこれに限定されず、伸縮性および屈曲性を有する形状であればよい。またブロー成形によって成形されたものに限定されず、押し出し成形によって成形してもよい。
このような構成を含む被覆体5では、第1被覆体基部28と第1基部7とが螺合し、第2被覆体基部29と第2基部8とが螺合する。さらに被覆体本体30の一端部が第1被覆体基部28に連結され、他端部が第2被覆体基部29に連結される。このとき被覆体本体30は、自在継手部材4を覆うように設けられる。このように形成され、さらにシール部材40が一対の被覆体基部28,29と被覆体本体30との間に介在させることができるので、自在継手部材4に水分が付着することを抑制できる。また被覆体本体30の中間部には、蛇腹部が形成されるので被覆体本体30を容易に屈曲させることができる。
復帰手段6は、角変位可能に構成される自在継手部材4が基準状態に復帰するように弾発力を与える手段である。基準状態は、自在継手部材4の予め定められた状態であり、本実施の形態では、第1基部7および第2基部8の第4軸線L4が第1軸線L1の同軸上にある状態、すなわち自在継手部材4が直立する状態である。復帰手段6には、第1圧縮コイルばね部材6aと第2圧縮コイルばね部材6bとが含まれる。
第1圧縮コイルばね部材6aおよび第2圧縮コイルばね部材6bは、同一の構成であるので、第1圧縮コイルばね部材6aについて説明し、第2圧縮コイルばね部材6bの構成の説明については、同一の符号を付して説明を省略する。
第1圧縮コイルばね部材6aは、圧縮コイルばね部材であり、略円筒形に形成されるばね部材である。前記第1圧縮コイルばね部材6aは、たとえば日本工業規格に規定される圧縮コイルばね部材である。第1圧縮コイルばね部材6aは、断面が円形状に形成されるばね(JIS B2704準拠)である。第1圧縮コイルばね部材6aは、コイル内径が第1基部7の基部本体10の外径より大きく、かつ継手部9の対角線の長さより小さく形成される。このように形成することによって、第1圧縮コイルばね部材6aの内方に第1基部7を挿通するとともに、継手部9によって第1圧縮コイルばね部材6aの一端部を支持することができる。このとき第1基部7の第4軸線L4第1圧縮コイルばね部材6aの第5軸線L5が略同一となるように、第一基部7は、第1圧縮コイルばね部材6aの内方に挿通される。第5軸線L5は、第1圧縮コイルばね部材6aの中心軸線である。さらに第1圧縮コイルばね部材6aは、第1基部7に第1被覆体基部28が螺合される状態で、第1圧縮コイルばね部材の他端部が第1被覆体基部28の基部螺合孔部35の内側の周縁部に支持される。
第1圧縮コイルばね部材6aは、略円筒形状であって断面が円形状に形成さているものに限定されず、断面が矩形状であってもよい。
第1圧縮コイルばね部材6aが内方に第1基部7を挿通するとともに、継手部9と第1被覆体28によって挟持されるので、継手部9が第1基部7に対して角変位すると、第1圧縮コイルばね部材6aがたわむ。第1圧縮コイルばね部材6aは、撓むと、直立する状態に復帰しようとする。したがって圧縮コイルばね部材6aは、第1圧縮コイルばね部材6aが直立する方向に弾性回復力である弾発力を第1基部7および継手部9に与える。吊下げ対象物に荷重が付加して継手部9が第1基部7に対して角変位する場合、前記荷重を除荷すると、第1圧縮コイルばね部材6aが直立するとともに、前記弾発力によって第1基部7と継手部9とを基準状態に復帰させる、すなわち自在継手部材4を基準状態に復帰させる。このようにして第1圧縮コイルばね部材6aを用いて第1基部7と継手部9を基準状態に復帰させることができる。
第1圧縮コイルばね部材6aの端部は、たとえば研削されるクローズドエンド形状に形成される。また圧縮力によって生じる第1圧縮コイルばね部材の撓みは、第1圧縮コイルばね部材のピッチおよび有効巻数によって調整する。具体的には、ピッチを大きくし有効巻数を少なくすると、第1圧縮コイルばね部材6aの撓みを大きくすることができる。したがって第1基部に対する継手部9の角変位可能な範囲が大きくすることができる。またピッチを小さくし有効巻数を大きくすると、第1圧縮コイルばね部材6aが第1基部および継手部9に与える弾発力を大きくすることができる。したがって第1圧縮コイルばね部材6aの直立性を高めることができる。本実施の形態では、第1圧縮コイルばね部材6aは、ピッチが大きく巻数が少ない圧縮コイルばね部材が用いられる。このように第1圧縮コイルばね部材6aの有効巻数を変化させることによって、第1基部7に対して継手部9が角変位する量を調整することができる。圧縮コイルばね部材には、座屈荷重が30kg以上の荷重特性を有する圧縮コイルばね部材が用いられる。ただし圧縮コイルばね部材は、このようなものに限定されない。
第2圧縮コイルばね部材6bは、前述のように第1圧縮コイルばね部材6aと同様の構成を有する略円筒形状に形成される圧縮コイルばね部材である。第2圧縮コイルばね部材6bは、日本工業規格に規定される圧縮コイルばね(JIS B2704準拠)である。第2圧縮コイルばね部材6bは、第1圧縮コイルばね部材6aに第2基部8を挿通するとともに、第2基部8に第2被覆体基部29が螺合される状態で、一端部が継手部9によって支持され、他端部が第2被覆体基部29の基部螺合孔部35の内側の周縁部に支持される。第2圧縮コイルばね部材6bも、第1圧縮コイルばね部材6aと同様にピッチおよび有効巻数を調整することによって、第2基部8が角変位可能な範囲を調整し、直立性を調整することができる。
このように第2圧縮コイルばね部材6bが内方に第1基部7を挿通するとともに、継手部9と第1被覆体29によって挟持されるので、継手部9が第2基部8に対して角変位すると、第2圧縮コイルばね部材6bが圧縮力が作用する。圧縮力が作用し第2圧縮コイルばね部材6bが圧縮されると、第2圧縮コイルばね部材6bが直立する方向に弾発力を第2基部8および継手部9に与える。これによって第2圧縮コイルばね部材6bに作用する圧縮力を除荷すると、第2圧縮コイルばね部材6bが自立するとともに、前記反発力によって第2基部8と継手部9を基準状態に復帰させる、すなわち自在継手部材4を基準状態に復帰させる。このようにして第1圧縮コイルばね部材6aを用いて第1基部7と継手部9を基準状態に復帰させることができる。
さらに詳細に説明すると、次のように第1基部7、継手部9および第1圧縮コイルばね部材6aを形成することが好ましい。第1圧縮コイルばね部材6aの外径である第1外径D2は、継手部長さLと同一の長さとなるように形成される。継手長さLは、図13に示すように継手部材9の格子状部材の一辺の長さ、すなわち矩形平板の長手方向の長さである。さらに内外径差D1−D0および連結部角度θは、最大相対変位δが平板厚みΔL以下となるように形成される。内外径差D1−D0は、第1圧縮コイルばね部材6aの内径である第1内径D1と連結部11の外径D0との差である。連結部11の外径D0は、連結部11の外表面部11bの曲率半径の2倍の値、すなわち第1基部の外径である。連結部角度θは、基部本体10の円筒面の一部の角をなす連結部11の角度である。最大相対変位δは、連結部11に対する第1圧縮コイルばね部材6aの変位の最大値である。平板厚みΔLは、継手部9を構成する4つの矩形平板16,17,18,19の厚みである。第1圧縮コイルばね部材6aの寸法は、第1外径D2および第1内径D1が前述のような寸法になるように決定される。
このように形成される第1圧縮コイルばね部材6aを第1基部7の外側に配置すると、第1圧縮コイルばね部材6aが変位しても、第1圧縮コイルばね部材6aの一端部を継手部9によって当接支持することができる。したがって継手部9に特に加工しなくてもよくなり、簡単な構造で第1圧縮コイルばね部材6aの当接支持できる。
第1基部7および第1圧縮コイルばね部材6aと同様に第2基部8および第2圧縮コイルばね部材6bを形成する。これによって第2圧縮コイルばね部材6bを第2基部8の外側に配置すると、第2圧縮コイルばね部材6bが変位しても、第2圧縮コイルばね部材6bの一端部を継手部9によって当接支持することができる。したがって継手部9に特に加工しなくても当接支持することができ、簡単な構造で第2圧縮コイルばね部材6bの当接支持できる。また第1圧縮コイルばね部材6aを第1基部7の外側に配置することによって、第1基部7が継手部9に対して角変位する場合、前記第1圧縮コイルばね部材6aが第1基部7内方に配線を配置するための大きな空間を確保することができる。したがって第1部7の内方に配線を配置することが容易になる。また同様に第2圧縮コイルばね部材6bを第2基部8の外側に配置することによって、第2基部8が継手部9に対して角変位する場合、前記第2圧縮コイルばね部材6bが第2基部8内方に配線を配置するための大きな空間を確保することができる。したがって第2部8の内方に配線を配置することが容易になる。
このような構成を有する吊下げ装置1では、第1基部7と継手部9とが第2軸線L2まわりに角変位可能に連結され、第2基部8と継手部9とが第3軸線L3まわりに角変位可能に連結される。
第1基部7には、第1被覆体基部28が螺合され、第2基部8には、第2被覆体基部29が螺合される。第1被覆体基部28には、被覆体本体30の一端部が嵌合し、第2被覆体基部29には、被覆体本体30の他端部が嵌合する。また被覆体本体30の内方に自在継手部材4を挿通する。これによって第1被覆体基部28と第2被覆体基部29とは、被覆体本体30によって連結され、自在継手部材4を覆うことができる。またシール部材40が第1被覆体基部28と被覆体本体30との間および第2被覆体基部29と被覆体本体30との間に介在するので、被覆体5内方に水分などが侵入することを防ぐことができる。これによって自在継手部4が腐蝕することを抑制できる。
第1圧縮コイルばね部材6aは、その内方に第1基部7を挿通するように配設され、第2圧縮コイルばね部材6bは、その内方に第2基部8を挿通するように配設される。第1圧縮コイルばね部材6aは、継手部9と第1被覆体基部28とによって挟持され、基準状態を維持または基準状態に復帰させる。また第2圧縮コイルばね部材6bは、継手部9と第2被覆体基部29とによって挟持され、基準状態を維持または基準状態に復帰させる。吊下げ装置1は、このような構成を含んで形成される。
図15は、支持部材2と信号灯器3とを連結する吊下げ装置1を概略示す図である。図16は、支持部材に含まれる取付部材43をA3−A3線で切断して見た断面図である。吊下げ装置1は、前述のように電信柱などの支柱に付設される支持体2と信号灯器3とを連結し、支持部材2から信号灯器3を吊下げるための装置である。基体である支持体2には、支持部材44と取付部材43とが含まれる。支持部材44は、電信柱などの支柱に鉛直方向に垂直な方向に形成される略円柱部材である。支持部材44は、必ずしも前述のよう部材に限定されない。支持部材44には、取付部43が鉛直方向に平行に垂設される。取付部43は、軸線方向に貫通する取付部螺合孔部45を有する略円筒形状部材であり、その一端部にフランジ部46が形成される。取付部螺合孔部45は、壁面に雌ねじを形成する溝が螺刻され、第1基部7が螺合可能に形成される。フランジ部46は、略矩形状に形成され、支持部材44に配設可能に形成される。このように形成されるフランジ部46を取付部螺合孔部45の孔軸線と鉛直になるように配設して、支持部材44に取付部43を垂設する。本実施の形態において取付部43は、支持部材44に垂設されているが、垂設に限定されない。
吊下げ対象物である信号灯器3は、たとえば歩行者専用信号灯器であり、第2基部8が螺合可能に形成される。本実施の形態において、吊下げ対象物は、信号灯器3であるが、これに限定されない。吊下げ対象物は、たとえば看板および標識であってもよくい。
吊下げ装置1は、第1基部7が取付部43と螺合し、第2基部8が信号灯器4と螺合される。これによって取付部43と信号灯器3とを連結することができる。換言すると、支持体2と信号灯器4とを連結することができる。また吊下げ装置1は、自在継手部材内部空間50に配線を挿通することによって、支持体2から信号灯器3へ配線を配置することができる。また第1および第2圧縮コイルばね6a,6bがそれぞれ第1および第2基部7,8の外方に配置されるので、自在継手部材4が屈曲する場合であっても、自在継手部材内部空間50を広く確保することができる。このように吊下げ装置1によって支持体2と信号灯器3とを連結し、支持体2から信号灯器3を吊下げることができる。また信号灯器3は、支持体2に対して傾持する状態で吊下げられる。傾持とは、傾いた状態を維持することと同義である。
図17は、第2基部8が継手部9に対して角変位する状態を概略示す断面図である。
吊下げ装置1は、前述のように継手部9を第2基部8に対して第3軸線L3まわりに角変位することができる。換言すると、第2基部8は継手部9に対して角変位することができる。したがって信号灯器4に矢符F1の方向に作用する荷重が与えられると、吊下げ装置1は、第2基部8を第3軸線L3まわりに角変位させる。矢符F1の方向の荷重とは、第1軸線L1と第3軸線L3とに垂直な方向の荷重である。
第2基部8には、連結部11の外側に第2圧縮コイルばね部材6bが配置される。第2圧縮コイルばね部材6bは、連結部11によって連結部11に対する変位、つまり第2基部8の第4軸線L4に垂直な仮想平面上の変位が抑制される。換言すると、第2圧縮コイルばね部材6bが第2基部8の第4軸線L4方向以外の方向に撓むことを抑制する。したがって第2基部8が角変位すると、第2圧縮コイルばね部材6bは、図17に示すように、第2基部8が角変位する方向にほとんど撓むことがなく、第2基部8の第4軸線L4方向に圧縮され撓む。第2圧縮コイルばね部材6bが第4軸線L4方向に圧縮されるので、第2基部8が角変位すると、第2圧縮コイルばね部材6bの一端部は、圧縮される一部分(以下「圧縮当接部分」という場合がある)だけが継手部9の表面部に当接支持される。また第2基部8が角変位する方向にほとんど撓むことがないので、第2圧縮コイルばね部材6bは、第4軸線L4方向に圧縮されるとともに、その一端部が継手部9の表面部に沿って継手部9の外方へ変位する。このように第2基部8が継手部9に対して角変位すると、第2圧縮コイルばね部材6bは、第2基部8の第4軸線L4方向に撓み、その一端部が継手部9の表面部に沿って継手部9の外方へ変位する。
第2基部8を継手部9に対して角変位すると、第2圧縮コイルばね部材6bが前述のように撓むので、次のような効果を奏する。撓んだ第2圧縮コイルばね部材6bは、第3軸線L3まわりに直立する方向に弾発力を第2基部8および継手部9に付勢する。したがって矢符F1方向の荷重が除荷されると、第2圧縮コイルばね部材6bは、第2基部8および継手部9に直立する方向の弾発力を付加し、自在継手部材4を基準状態に復帰させる。
また第2圧縮コイルばね部材6bは、荷重が作用すると、直立する方向に弾発力が作用するので、第2基部8が容易に角変位することを抑制し、第2圧縮コイルばね部材6bの直立性を維持することができる。すなわち自在継手部材4が基準状態を維持させることができ、たとえば風などで吊下げ装置1が揺動することを抑制することができる。第2圧縮コイルばね部材6bは、第4軸線に垂直な仮想平面に対する変位が抑制されているので、第2基部8と継手部9との間から離脱することが抑制される。
圧縮コイルばね部材の両端部あるいは全周が拘束される状態で圧縮コイルばね部材に大きな荷重が作用すると、圧縮コイルばね部材が撓んだ状態から戻らなくなる、すなわち圧縮コイルばね部材が変形するか、あるいは圧縮コイルばね部材自体が破損する場合がある。したがって継手部材の表面部に沿って圧縮コイルばね部材が配置される場合、継手部材の中央部が角変位すると、圧縮コイルばねが変形するかあるいは破損する可能性がある。これを防止するために、圧縮コイルばねを大きくし圧縮コイルばねが拘束されないようにすると、継手部材が大型化および複雑化する。このような不具合を改善すべく第2圧縮コイルばね部材6bが前述のように構成される。その具体的な効果について以下に述べる。
第2圧縮コイルばね部材6bは、他端部が基部螺合孔部35の周縁部に当接支持され基部本体10に拘束されているが、一端部の圧縮当接部分が継手部9に継手部9の表面部に沿って変位可能に当接支持される。したがって大きな荷重が作用する場合、第2圧縮コイルばね部材6bが第4軸線方向すなわち第5軸線方向に撓むとともに第2圧縮コイルばね部材6aの一端部が継手部9に沿って変位するので、第2圧縮コイルばね部材6bが変形することを抑制できる。このとき第2圧縮コイルばね部材6bの一端部が継手部9に沿って外方に変位することを抑制する変位抑制部が継手部9に設けられていると、前記変位抑制部に大きな荷重が付加し、前記変位抑制部が破損する可能性がある。このような破損を防止するために継手部9は、前記変位抑制部を設けず、第2圧縮コイルばね部材6bが当接支持されその一端部が変位可能に形成される。第2圧縮コイルばね部材6bの内周面部に連結部11が設けられ、その内周面部が拘束されるので、第2圧縮コイルばね部材6bがその断面を保持することができる。したがって第2圧縮コイルばね部材6bが変形することをさらに抑制する。このように第2基部8に沿って外側に配置できるので、第2圧縮コイルばね部材6bを小さく形成することができる。これによって吊下げ装置1を小形化することができる。
さらに継手部9が格子状に形成されるので、第2圧縮コイルばね部材6bが継手部9に沿って継手部9の外方に変位しても、継手部9が第2圧縮コイルばね部材6bに嵌ることがない。具体的には、継手部長さLが第1外径D2と同一となるように形成され第2圧縮コイルばね部材6bの最大変位量δが平板厚みΔL以下であるので、第2圧縮コイルばね部材6bが継手部9に沿って変位しても、継手部9が第2圧縮コイルばね部材6bの内部空間に入ることを防止できる。したがって第2圧縮コイルばね部材6bは、継手部9が嵌まり込んで自在継手部材4が基準状態に復帰できなくなることを防止できる。さらに継手部9が第2圧縮コイルばね部材6bに嵌まり込むことがないので、第2圧縮コイルばね部材6bは、その一部が常に継手部9に当接支持され、弾発力を自在継手部材4に与えることができる。したがって吊下げ装置1を基準状態に復帰させることができる。
信号灯器4に矢符F2の方向に荷重が作用すると、継手部9が基準状態から第2軸線L2まわりに角変位する。矢符F2の方向の荷重とは、第2軸線L2に垂直な方向に作用する荷重である。
第1基部7には、連結部11の外側に第1圧縮コイルばね部材6aが配置される。第1圧縮コイルばね部材6aは、連結部11によって連結部11に対する変位、つまり第1基部7の第4軸線L4に垂直な仮想平面上の変位が抑制される。換言すると、第1圧縮コイルばね部材6aが第1基部7の第4軸線L4方向以外の方向に撓むことを抑制する。したがって継手部9が第3軸線L3まわりに角変位すると、第1圧縮コイルばね部材6aは、継手部9が角変位する方向にほとんど撓むことがなく、第1基部7の第4軸線L4方向に圧縮され撓む。第1圧縮コイルばね部材6aが第4軸線L4方向に圧縮されるので、継手部9が角変位すると、第1圧縮コイルばね部材6aの一端部は、圧縮当接部分だけが継手部9の表面部に当接支持される。また第1基部7が角変位する方向にほとんど撓むことがないので、第1圧縮コイルばね部材6aは、第4軸線方向に圧縮されるとともに、その一端部が継手部9の表面部に沿って継手部9の外方へ変位する。このように第1基部7が継手部9に対して角変位すると、第1圧縮コイルばね部材6aは、第1基部7の第4軸線L4方向に撓み、その一端部が継手部9の表面部に沿って継手部9の外方へ変位する。
第2基部8を継手部9に対して角変位すると、第2圧縮コイルばね部材6bが前述のように撓むので、次のような効果を奏する。撓んだ第1圧縮コイルばね部材6aは、第2軸線L2まわりに自立する方向に弾発力を第1基部7および継手部9に付加する。したがって矢符F2方向の荷重が除荷されると、第1圧縮コイルばね部材6aは、第1基部7および継手部9に直立する方向の弾発力を付勢し、自在継手部材4を基準状態に復帰させる。さらに第2圧縮コイルばね部材6bと同様に、第1圧縮コイルばね部材6aに荷重が作用すると自立する方向に弾発力が作用するので、継手部9が容易に角変位すること抑制し、第1圧縮コイルばね部材6aの直立性を維持することができる。すなわち自在継手部材4が基準状態を維持させることができ、たとえば風などで吊下げ装置1が揺動することを抑制することができる。第1圧縮コイルばね部材6は、第4軸線に垂直な仮想平面に対する変位が抑制されているので、第1基部7と継手部9との間から離脱することが抑制される。
またこのような構成を有するので、第1圧縮コイルばね部材6aは、第2圧縮コイルばね部材6bと同様に、その変形および破損が抑制される。また第1圧縮コイルばね部材6aは、その内部空間に継手部9が嵌まり込むことを防止し、自在継手部材4が基準状態に復帰できなくなることを防止できる。
またこのように自在継手部材4が屈曲する場合、自在継手部材4を覆う被覆体5は、被覆体本体30に設けられる蛇腹部37を伸縮および屈曲させることよって、自在継手部材4がの形状に沿って撓むことができる。したがって自在継手部材4を被覆体5で覆う場合であっても、自在継手部材4を容易に屈曲させることができる。また自在継手部材4の形状に沿って変形する場合、自在継手部材4の傾きを吸収し、被覆体5が蛇腹部37を屈曲させることによって容易に変形できるので、被覆体5を破断させることを抑制できる。さらに圧縮率を前述のような値に設定することによって、25kgf以上の荷重が作用しない場合は、前記復帰手段6とともに基準状態を維持させることができる。したがって風などによって吊下げ対象物が角変位することを抑制することができる。
このようにして復帰手段6を用いて、吊下げ装置1が基準状態に復帰させることができ、さらに吊下げ装置1が揺動することを抑制することができる。吊下げ装置1の基準状態とは、自在継手部材4が基準状態にある状態と同義である。
図18は、信号灯器3の第1軸線L1に垂直な仮想平面上の可動範囲を示す図である。図19は、信号灯器3が吊下げ装置1によって角変位する状態を矢符FE方向から見た図である。信号灯器3は、吊下げ装置1によって支持体2から吊下げられるので、信号灯器3に荷重が作用すると、信号灯器3は、吊下げ装置1によって支持体2に対して角変位することができる。以下では、信号灯器3が第1軸線L1に垂直な仮想平面上において変位可能な範囲について説明する。
吊下げ装置1の第2軸線L2を矢符FAと矢符FEとを結ぶ仮想線FA−FEとし、第3軸線L3を矢符FCと矢符FGとを結ぶ仮想線FC−FGとする。信号灯器4が第2基部8と連結され、第2基部8が継手部9と仮想線FC−FGまわりに角変位可能に連結されている。したがって第2基部8を仮想線FC−FGまわりに角変位させることによって、信号灯器3を矢符FAまたは矢符FE方向に変位させることができる。また継手部9が第1基部7と仮想線FA−FEまわりに角変位可能に連結されているので、継手部9を仮想線FA−FEまわりに角変位させることによって、信号灯器3を矢符FCまたは矢符FG方向に変位させることができる。このように信号灯器3を矢符FA,FC,FEおよびFGのいずれの方向にも変位させることができる。
また継手部9は、第1基部7および第2基部8に対して互いに独立して角変位させることができるので、第1基部7に対して角変位するとともに第2基部に対して角変位することができる。これによって継手部9を第1基部7に対して角変位させるとともに、継手部9を第2基部8対して角変位させることによって、信号灯器3を矢符FB,FD,FFおよびFHのいずれの方向にも変位させることができる。具体的に説明すると、たとえば矢符FBの方向に変位させるには、矢符FAの方向に変位するように継手部9を第1基部7に対して角変位させるとともに、矢符FCの方向に変位するように第2基部8を継手部9に対して角変位させることによって実現することができる。同様に第2軸線L2およびL3まわりに角変位させることによって、信号灯器3は、吊下げ装置1を中心とする略半円球面上を角変位することができる。換言すると、信号灯器3を仮想平面上全方向に変位させることができる。このとき自在継手部材4を覆う被覆体5は、被覆体本体30が屈曲性を有するので、自在継手部材4の形状に沿って変形することができる。
したがって信号灯器3にトラックなどの衝突物が衝突する場合、信号灯器3がいずれの方向にも変位できるので、吊下げ装置1が変形することを抑制でき、衝突物が衝突することに起因する衝撃を緩和することができる。したがって衝撃を小さくすることができるので、信号灯器3が損傷したり、破損することを抑制することができる。さらに衝突した後さらに衝突物が信号灯器3に向かって進行する場合、吊下げ装置1によって信号灯器3を角変位させて衝突物の周縁に沿って移動させることができる。これによって吊下げ装置1に付加する荷重を緩和することができる。また被覆体本体30が伸縮可能に形成されているので、継手部9が角変位しても被覆体本体30が破断することがなく、自在継手部材4が腐蝕することを抑制できる。
さらに第1および第2基部7,8に対して継手部9が角変位すると、第1圧縮コイルばね部材6aおよび第2圧縮コイルばね部材6bが基準状態に復帰する方向の弾発力を第1基部7、第2基部8および継手部9に付勢する。前記弾発力を第1基部7、第2基部8および継手部9に付勢するので、吊下げ装置1を基準状態に復帰させることができ、信号灯器3が鉛直方向斜めに付設されたままになることを抑制することができる。
吊下げ装置1は、第1基部7に対して継手部9が角変位することによって、信号灯器3を矢符FAまたはFEの方向に変位させ、第2基部8に対して継手部9が角変位することによって、信号灯器3を矢符FCまたはFGの方向に変位させる。したがって信号灯器3に荷重が付加する場合、前記荷重のうち矢符FAまたはFEの方向の荷重を第1圧縮コイルばね部材6aに付加し、前記荷重のうち矢符FCまたはFGの方向の荷重を第2圧縮コイルばね部材6bに付加することができる。これによって信号灯器3に付加する荷重を第1圧縮コイルばね部材6aおよび第2圧縮コイルばね部材6bに分散することができる。したがって第1圧縮コイルばね部材6aおよび第2圧縮コイルばね部材6bのそれぞれに付加する荷重を、復帰手段6が1本の圧縮コイルばね部材で構成されている場合より小さくすることができる。このように各圧縮コイルばね部材6a,6bに付加する荷重を小さくすることができるので、各圧縮コイルばね部材6a,6bに生じる応力を小さくすることができる。したがって各圧縮コイルばね部材6a,6bの破断を抑制するとともに、各圧縮コイルばね部材6a,6bを小さくすることができる。これによって吊り下げ装置1を小形化かつ軽量化を図ることができる。
具体的に説明すると、信号灯器3に矢符FHの方向に荷重が作用すると、第1圧縮コイルばね部材6aには、矢符FA方向の荷重が付加し、第2圧縮コイルばね部材6bには、矢符FB方向の荷重が付加する。矢符FHの方向に作用する荷重を矢符FAおよびFG方向に分解することができるので、各方向に作用する荷重は、矢符FHの方向に作用する荷重より小さい。したがって第1および第2圧縮コイルばね部材6a,6bに付加する荷重を小さくすることができる。これによって第1および第2圧縮コイルばね部材6a,6bが破断することを抑制できる。また圧縮コイルばね部材が撓むことによって作用するモーメントは、圧縮コイルばね部材の長さおよび付加する荷重に比例する。したがって1本の圧縮コイルばね部材を用いて、自在継手部材4に弾発力を与えるより、第1圧縮コイルばね部材6aおよび第2圧縮コイルばね部材6bを用いて弾発力を与える方が作用するモーメントを小さくすることができる。モーメントを小さくすることができるので、第1圧縮コイルばね部材6aおよび第2圧縮コイルばね部材6bが撓みが小さくなる。これによって第1基部7および第2基部8に対する継手部9の角変位量を小さくすることができる。またモーメントが小さくなるので、各圧縮コイルばね部材6a,6bに作用するせん断応力を小さくすることができる。したがって各圧縮コイルばね部材6a,6bが破断することを抑制することができる。これによって各圧縮コイルばね部材6a,6bを小さくすることができ、吊下げ装置1を従来よりも小形化かつ軽量化することができる。
このように吊下げ装置1は、支持体2と信号灯器3とを連結し、支持体2から信号灯器3を吊下げることができる。吊下げ装置1を用いて吊下げれる信号灯器3は、吊下げ装置1を中心に略半円球表面上を各変位することができる。これによって衝突物が衝突しても、信号灯器3を衝突物から回避させることができる。また復帰手段6を用いて、吊下げ装置1が基準状態に復帰させることができる。
また信号灯器3は、前述のように支持体2に対して傾持して支持体から吊下げ装置1によって吊下げられている。したがって吊下げ装置1は、継手部9に対して第1および第2基部7,8のうち少なくとも一方が角変位して自在継手部材4が基準状態から傾いた状態で、信号灯器3および支持体2を連結する。このため自在継手部材4を覆うものには、屈曲可能なものであり、また屈曲することによって生じる変形荷重に対して破断することなく傾持することができるものである必要がある。被覆体5は、蛇腹部37によって屈曲可能に構成される。また被覆体5は、蛇腹部37の蛇腹形状に基づく伸縮性によって変形するので、変形荷重が作用しても破断すること抑制される。このような被覆体5を用いることによって、吊下げ装置1は、破断が抑制される状態で、信号灯器3を支持体2に対して傾持して支持体2から吊下げることができる。また自在継手部材4が基準状態から傾いた状態における形状に合わせて、被覆体5を成形する。換言すると、自在継手部材4が基準状態から傾いた状態における形状に合わせて被覆体本体30の軸線を予め屈曲させて成形する。これによって信号灯器3を傾持して支持部2から吊下げても、被覆体5は、変形することなく、被覆体5に変形荷重が作用することを抑制できる。したがって被覆体5が破損することを抑制できる。このように被覆体本体30の軸線を屈曲させて成形することは、ブロー成形によって実現することができる。
図20は、本発明の実施の他の形態の吊下げ装置1Aを概略示す断面図である。実施の他の形態である吊下げ装置1Aは、図1〜図19に示す前述の実施の形態の吊下げ装置1と類似しており、異なる点だけ説明し、同様の構成は同一の符号を付して説明を省略する。吊下げ装置1Aには、基本的に、自在継手部材4Aと被覆本体5と復帰手段6とが含まれる。
自在継手部材4Aには、第1基部7Aと第2基部8Aと継手部9Aとが含まれる。自在継手部材4Aは、自在継手部材4と同様に、第1基部7Aおよび第2基部8Aに対して継手部9Aが角変位できるように形成される。
第1基部7Aおよび第2基部8Aは、同様の構成であるので、第1基部7Aの構成について説明し、第2基部8Aについては、同一の符号を付して説明を省略する。第1基部7Aには、基部本体10Aと連結部11が含まれる。基部本体10Aは、基部本体10と同一の構成を有し、その他端部に基部フランジ部47が形成される。基部フランジ部47は、基部本体10と同心の略円板状部材である。さらに基部フランジ部47の周縁部には、全周にわたって軸方向に突出する突部48が設けられる。この突設部48には、第4軸
軸線L4方向に突出する連結部11が設けられる。このような構成を有する基部本体10Aは、基部フランジ部47の突設部48が設けられる側の表面部で第1圧縮コイルばね部材6aを支持できるように形成される。第2基部8Aは、第1基部7Aと同様に形成され、基部フランジ部47の突設部48が設けられる側の表面部で第2圧縮コイルばね部材6bを支持できるように形成される。
継手部9Aは、継手部9と構成が類似しており、異なる点について説明する。継手部9Aは、第1基部7Aおよび第2基部8Aに連結する際に、継手部9Aの外壁面部が各基部7A,8Aの連結部11と当接するように形成される。また継手部9Aは、厚さ方向一端部で第1圧縮コイルばね部材6aを支持し、他端部で第2圧縮コイルばね部材を支持できるように形成される。このように形成することによって、第1基部7Aと第2基部8Aと継手部9Aとを連結すると、図20に示すように、第1基部7Aの基部フランジ部47と継手部9Aとによって第1圧縮コイルばね部材6aを狭持することができ、第2基部8Aの基部フランジ部47と継手部9Aとによって第2圧縮コイルばね部材6bを狭持することができる。このような構成にすることによって、吊下げ装置1Aは、吊下げ装置1と同様の効果をすべて得ることはできないけれども、吊下げ装置1Aを復帰させることができるなどの吊下げ装置1の一部の効果と同様の効果を得ることができ、本発明の本来の目的を達成することができる。
本実施の形態では、復帰手段6に圧縮コイルばね部材を用いているけれども、必ずしもこれに限定されない。たとえば、第1基部7および第2基部8の基部本体10と継手部9とを複数の鎖で連結することによって実現することができる。具体的には、第1基部7の基部本体10の他端周縁部と継手部9の一端周縁部とに複数の鎖を等間隔に設けて連結し、第2基部8の基部本体10の他端周縁部と継手部9の他端周縁部とに複数の鎖を等間隔に設けて連結する。これによって自在継手部材4に自立性を与えることができ、基準状態を維持させることができる。また略円筒形のゴムを圧縮コイルばね部材の替わりに設けてもよい。この場合、ゴムの硬度は、65HS以上90HS以下であることが望ましく、特に略90HSであることが望ましい。ゴムの硬度は、JIS Z2246に規定されるシェア硬さに準拠する。
また圧縮コイルばね部材のかわりに永久磁石を用いて弾性回復力を与えてもよい。具体的には、第1基部7の基部本体10他端部および第2基部8の基部本体10他端部に永久磁石を設けて、継手部9の両表面部に永久磁石を設ける。第1基部7の基部本体10他端部に設けられる第1磁石と継手部9の一表面部に設けられる第3磁石は、吊下げ装置1が基本状態で互いに臨む表面部が異なる磁極となるように配設される。第2基部8の基部本体10他端部に設けられる第2磁石と継手部9の他表面部に設けられる第4磁石は、吊下げ装置1が基本状態で互いに臨む表面部が異なる磁極となるように配設される。これによって吊下げ装置1が基準状態が維持することができる。継手部9が第1基部7に対して角変位する場合では、第1磁石と第3磁石とが互いに異なる磁性を有する表面部が臨むような状態に復帰する弾性回復力を第1基部7と継手部9に与える。これによって第1磁石と第3磁石とが吊下げ装置1を基準状態に復帰させる方向に弾性回復力を与える。継手部9が第2基部8に対して角変位する場合、第1磁石と第3磁石と同様に、第2磁石と第4磁石とが吊下げ装置1を基準状態に復帰させる方向に弾性回復力を与える。したがって圧縮コイルばね部材に替えて永久磁石を用いても同様の効果を得ることができる。
本実施の形態では、吊下げ装置1のように第1基部7と継手部9の間には、第1圧縮コイルばね部材6aだけが設けられているが、第1基部7の外周に周方向に等間隔を空けて複数の圧縮コイルばね部材を設けてよい。同様に第2基部8と継手部9との間に複数の圧縮コイルばね部材を設けてもよい。また複数の圧縮コイルばね部材に替えてエアダンパーなどの衝撃緩和装置を用いてもよい。
本発明の実施の形態である吊下げ装置1,1Aによれば、支持体2と信号灯器3を連結することによって信号灯器3を支持体2から吊下げることができる。この信号灯器3は、自在継手部材4によって第1基部7に対して角変位可能に設けらる。信号灯器3が角変位可能に設けられるので、信号灯器3に荷重が付加すると、自在継手部材4は、信号灯器3を2つの軸線まわりに角変位させることができる。したがって衝突物が信号灯器3に衝突する場合、信号灯器3を角変位させて、衝突物に起因する衝撃を緩和することができる。さらに信号灯器3が2つの軸線まわりに角変位できるので、様々な方向に吊信号灯器3を角変位させることができる。したがって衝突物が進行する方向と異なる方向に信号灯器3を変位させることができ、衝突物から付加される荷重を小さくすることができる。このように衝撃を緩和し、付加される荷重を小さくすることができるので信号灯器3の破損または損傷を抑制できる。
また信号灯器3が角変位すると、復帰手段6は、自在継手部材4を基準状態に復帰させる。このように自在継手部材4を基準状態に復帰させることによって,信号灯器3を基準状態に復帰させることができる。したがって吊下げ装置1が角変位される状態のままで支持体に連結されることを防止することができる。また自在継手部材4には、基準状態に復帰する方向に弾発力が与えられる。したがって信号灯器3の揺動を抑制し、信号灯器3が小さな荷重で基準状態から角変位することを抑制できる。したがって、たとえば風によって信号灯器3が揺動することおよび基準状態から容易に角変位することを抑制できる。
さらに第1圧縮コイルばね部材6aおよび第2圧縮コイルばね部材6bによって基準状態に復帰する方向の弾発力が自在継手部材4に与えられので、各復帰手段6が自在継手部材4に与える弾発力を圧縮コイルばね部材が一つだけ設けられているときより小さくすることができる。各復帰手段6が自在継手部材4に与える弾発力を小さくできるので、各復帰手段6に付加される荷重を小さくすることができる。これによって各復帰手段6を小さくしても、破損を抑制できる。したがって各復帰手段6を小形化し、吊下げ装置1を従来より小形化および軽量化することができる。
本発明の実施の形態である吊下げ装置1,1Aによれば、自在継手部材4は、信号灯器3を仮想略半球面上を角変位させることができる。このように吊下げ装置が角変位するので、衝突物が信号灯器3に直線的に衝突する場合、信号灯器3は、仮想略半球面上を角変位し、衝突物が進行する方向と異なる方向に変位できる。したがって衝突物を回避することができ、信号灯器3の破損および損傷を抑制することができる。
本発明の実施の形態である吊下げ装置1,1Aによれば、第1圧縮コイルばね部材6aおよび第2圧縮コイルばね部材6bによって自在継手部材4を復帰させることができるので、信号灯器3が角変位しても、第1圧縮コイルばね部材6aおよび第2圧縮コイルばね部材6bによって圧縮コイルばね部材が直立する状態に戻すことができる。このように信号灯器3を圧縮コイルばね部材が直立する状態に戻すことができるので、信号灯器3が前述のように衝突物を回避するために角変位しても、信号灯器3が角変位する状態のまま基体に連結されることを防ぐことができる。また第1圧縮コイルばね部材6aおよび第2圧縮コイルばね部材6bは、自在継手部材4に圧縮コイルばね部材が直立する方向に弾発力を与えるので、自在継手部材4に小さな荷重が作用する場合であっても、直立する状態を維持させることができる。したがって自在継手部材4の直立性を高めることができる。このように自在継手部材4の直立性を高めることができるので、信号灯器4が揺動することを防ぐことができる。
また第1圧縮コイルばね部材6aは、第1基部7と継手部材9との間に設けられるので、継手部材9が第1基部7に対して角変位すると、前記角変位する方向に撓む。また第2
圧縮コイルばね部材6bは、継手部材9と第2基部8との間に設けられるので、継手部材9が第2基部8に対して角変位すると、前記角変位する方向に撓む。このように第1圧縮コイルばね部材6aおよび第2圧縮コイルばね部材6bが角変位する一方向だけに撓むので、複数の箇所が異なる方向に撓むことに起因する圧縮コイルばね部材の変形を抑制できる。また各圧縮コイルばね部材6a,6bによって弾発力が自在継手部材4に与えられるので、継手手段に与える弾発力を各圧縮コイルばね部材6a,6bに分散させることができる。これによって圧縮コイルばね部材1つあたりが与える弾発力を小さくすることができる。換言すると、信号灯器3に付加される荷重を分散させることができる。さらに第1基部7と継手部材9との間に第1圧縮コイルばね部材6aが設けられ、第2基部8と継手部材9との間に第2圧縮コイルばね部材6bが設けられるので、各圧縮コイルばね部材6a,6bに作用するモーメントは、1本の圧縮コイルばね部材が第1基部7と第2基部8との間に設けられる場合に圧縮コイルばね部材に作用するモーメントより小さくすることができる。換言すると、圧縮コイルばね部材1本あたりに作用するモーメントを小さくすることができる。第1圧縮コイルばね部材6aおよび第2圧縮コイルばね部材6bそれぞれに作用するモーメントを小さくすることができるので、継手部材9の第1および第2基部7,8に対する角変位量を小さくすることができる。角変位量を小さくすることができるので、自在継手部材4を基準状態に維持させることができる。また圧縮コイルばね部材一本あたりに作用する荷重およびモーメントを小さくすることができるので、圧縮コイルばね部材の応力を小さくすることができる。したがって各圧縮コイルばね部材6a,6bの破損を抑制することができ、吊下げ装置1の小形化および軽量化することが可能となる。
また本発明の実施の形態である吊下げ装置1,1Aによれば、被覆体5によって自在継手部材4が外方に露出することを抑制できる。したがって自在継手部材4が雨に濡れることを抑制することができる。さらに被覆体5が自在継手部材4を覆っているので、自在継手部材4を防護することができる。被覆体5は、形状に基づく特性によって変形し、材料に基づく特性に関係なく変形することができる。したがってたとえば変形すると破断しやすい特性を有する材料を被覆体5に用いる場合であっても、形状に基づく特性によって被覆体5が変形するので、被覆体5が変形して破断することを抑制できる。このように形状に基づく特性によって被覆体5を変形させて、被覆体5が破断することを抑制できる。また被覆体5が自在継手部材4の形状に沿って変形できる。したがって第1および第2基部7,8が継手部9に対して角変位して自在継手部材4が変形する場合、被覆体5が自在継手部材4とともに変形する。したがって自在継手部材4が被覆体5で覆われても、自在継手部材4を容易に変形することができる。
また本発明の実施の形態である吊下げ装置1,1Aによれば、支持体2に対して信号灯器3を角変位させることができる。したがって信号灯器3を角変位させることによって、衝突物を回避させることができる。被覆体5は、自在継手部材4が外方に露出することを抑制できる。したがって自在継手部材4が雨に濡れることを抑制できる。また被覆体5が自在継手部材4を覆っているので、自在継手部材4を防護することができる。被覆体5は、形状に基づく特性によって変形し、材料に基づく特性に関係なく変形することができる。したがってたとえば変形すると破断しやすい特性を有する材料を被覆体5に用いる場合であっても、形状に基づく特性によって被覆体5が変形するので、被覆体5が材料に基づく特性によって変形して破断することを抑制できる。このように形状に基づく特性によって被覆体5を変形させて被覆体5が破断することを抑制できる。また被覆体5が自在継手部材4の形状に沿って変形できる。基体に対して吊下げ対象物が角変位して自在継手部材4が変形する場合、自在継手部材4とともに被覆体5が変形することができる。したがって自在継手部材4が被覆体5で覆われても、自在継手部材4を容易に変形することができる。換言すると、自在継手部材4が被覆体5で覆われても、吊下げ対象物を容易に角変位させることができる。
また本発明の実施の形態である吊下げ装置1,1Aによれば、被覆体5は、蛇腹状に形成され、伸縮することができる。したがって被覆体5は、伸縮することによって屈曲することができる。支持体2に対して信号灯器3が角変位する場合、自在継手部材4が角変位するとともに自在継手部材4の形状に沿って被覆体5が屈曲することができる。したがって被覆体5が自在継手部材4を外方から覆う場合であっても、容易に信号灯器3を角変位させることができる。
本実施の形態では、第1基部7と第2基部8とが同一の構成を有し、第1圧縮コイルばね部材6aと第2圧縮コイルばね部材6bとが同一の構成を有するけれども、このような構成に限定されず、それぞれが異なる構成であってもよい。
本発明の実施の一形態である吊下げ装置1を示す断面図である。 吊下げ装置1を概略示す斜視図である。 吊下げ装置1の全体を示す正面図である。 吊下げ装置1に含まれる第1基部7および第2基部8を示す正面図である。 吊下げ装置1に含まれる第1基部7および第2基部8を示す側面図である。 吊下げ装置1に含まれる第1基部7および第2基部8を示す平面図である。 吊下げ装置1に含まれる継手部9を示す平面図である。 吊下げ装置1に含まれる継手部9をA1−A1線で切断して見た断面図である。 吊下げ装置1に含まれる第1被覆体基部28および第2被覆体基部29を示す平面図である。 吊下げ装置1に含まれる第1被覆体基部28および第2被覆体基部29をA2−A2線で切断して見た断面図である。 吊下げ装置1に含まれる被覆体本体30を示す断面図である。 吊下げ装置1に含まれる被覆体本体30の一部を拡大して示す断面図である。 第1圧縮コイルばね部材6a、第2圧縮コイルばね部材6bおよび連結部11を仮想線で示す継手部9の平面図である。 吊下げ装置1に含まれる第1圧縮コイルばね部材6aまたは第2圧縮コイルばね部材6bと連結部11との関係を示す平面図である 支持部材2と信号灯器3とを連結する吊下げ装置1を概略示す図である。 支持部材に含まれる取付部材43をA3−A3線から見た断面図である。 第2基部8が継手部9に対して角変位する状態を概略示す断面図である。 信号灯器3の第1軸線L1に垂直な仮想平面上の可動範囲を示す図である。 信号灯器3が吊下げ装置1によって角変位する状態を矢符FE方向から見た図である。 本発明の実施の他の形態の吊下げ装置1Aを概略示す断面図である。
従来の技術の吊設装置100を示す断面図である。
符号の説明
1,1A 吊下げ装置
2 支持体
3 信号灯器
4 自在継手部材
5 被覆体
6 復帰手段
6a 第1圧縮コイルばね部材
6b 第2圧縮コイルばね部材
7,7A 第1基部
8,8A 第2基部
9,9A 継手部

Claims (4)

  1. 基体に吊下げ対象物を吊下げるための吊下げ装置であって、
    基体に連結される第1部材と、
    吊下げ対象物に連結される第2部材と、
    第1および第2部材の間に設けられる第3部材であって、第1部材に対し、第1および第2部材に共通する第1軸線に交差する第2軸線まわりに角変位可能であり、第2部材に対し、第1および第2軸線に交差する第3軸線まわりに角変位可能な第3部材とを有する継手手段と、
    継手手段が予め定める基準状態に復帰する方向の弾性回復力を、継手手段に与える復帰手段であって、
    第1部材と第3部材との間に設けられ、第1および第3部材の、第2軸線まわりの角変位を許容しかつ復帰させる第1圧縮コイルばね部材である第1復帰手段と、
    第3部材と第2部材との間に設けられ、第2および第3部材の、第3軸線まわりの角変位を許容しかつ復帰させる第2圧縮コイルばね部材である第2復帰手段とを有する復帰手段とを含むことを特徴とする吊下げ装置。
  2. 継手手段は、自在継手であることを特徴とする請求項1記載の吊下げ装置。
  3. 形状に基づく特性によって変形可能に構成され、継手手段を外方から覆うカバー体を含むことを特徴とする請求項1または2記載の吊下げ装置。
  4. カバー体は、蛇腹状に形成されることを特徴とする請求項記載の吊下げ装置。
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