JP4425593B2 - 穿刺器具および穿刺器具用光照射装置 - Google Patents

穿刺器具および穿刺器具用光照射装置 Download PDF

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Description

本発明は、皮膚から採血するための穿刺器具および穿刺器具用光照射装置に関する。
糖尿病患者は、自ら採血して血中のグルコース値である血糖を測定する。この場合、患者は、針を有する穿刺器具を用い、血管が豊富にある指先の皮膚に針を刺して出血させ、その血液を血糖分析計に移して血糖値を測定するのが一般的である(たとえば特許文献1参照)。
しかし、指先の皮膚には痛みを感受する受容器(痛点)や神経が豊富に存在するため、針の穿刺による痛みは他の部位よりも多い。したがって、毎日繰り返し測定を余儀なくされる患者にとっては非常に苦痛である。
そこで、穿刺痛を少なくする目的で、痛点の少ない大腿部や上腕部などの皮膚に針を穿刺したり、30G(外径0.30mm)、33G(外径0.20mm)などの極細針を使用したりするようになってきた。
ところが、指以外の皮膚からの採血や、極細針の使用は、針の穿刺による痛みの問題をある程度解決させたが、血が出にくいという新たな問題を引き起こした。さらには、大腿部や上腕部の皮膚から採血した場合、出血したとしても、動脈圧が高いため出血がなかなか止まらないという問題もあった。
一方、指先は、心臓から離れた所に位置しているため、動脈圧は低い。さらに、指先などの皮膚に存在する末梢血管は、環境温度の影響を受けやすい。すなわち、皮膚温が下がりやすく、血管も収縮しやすい状態にある。動脈圧が低く、血管が収縮して細いということは、血液循環が悪いということである。このため、針で指先の皮膚を傷つけても、血管に当たる確立が低く、出血しにくい。
そこで、穿刺時に指先の皮膚の血管を拡張させることができたなら、細い針を使っても出血しやすくかつ出血後に血が止まりやすいという血糖測定には好都合の状況を作り出せる可能性がある。かかる観点から、これまで、血が出にくい患者に対して、穿刺前に、温水で穿刺部位を暖めたり、心臓部から指先に向かってマッサージしたりするなどの方法がとられてきた。しかし、マッサージを行う場合と同様に、温水を使用する場合も、温水を用意するとともに穿刺部位を温めた後に水分を拭き取る必要があるなど操作が煩雑である。さらに、加温による血管拡張作用は中枢神経を介する反射であるため、強力な血管拡張効果は期待できず、しかも効果が発現するのに時間を要する。
そこで、本発明者は、皮膚の血管を直接かつ簡便に拡張する手段として光に注目した。なぜなら、紫外領域の波長の光が血管平滑筋に影響を及ぼすことが知られているからである。すなわち、非常に弱い出力の紫外線照射(波長300nm〜350nm)が摘出血管を直接的に強く弛緩させること、および波長が長波長側に移行すると効果が漸次減弱することが報告されている(たとえば非特許文献1参照)。しかしながら、波長300nm〜350nmの紫外領域は、皮膚へ有害な刺激作用があるため、この波長領域を使用することはできない。
特開2000−245717号公報 アール.エフ.ファーチゴット(R. F. Furchgott)、外2名、ザ ジャーナル オブ ゼネラル フィジオロジー(The Journal of General Physiology)、(米国)、ザ ロックフェラー インスティチュート フォー メディカル リサーチ(The Rockfeller Institute for Medical research)、1961年、44、p.499−519
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、穿刺痛を軽減しつつ簡便かつ迅速な皮膚からの採血を可能にする、穿刺器具および穿刺器具用光照射装置を提供することである。
本発明の目的は、下記する手段により達成される。
(1)皮膚に穿刺可能な穿刺針を備えたランセット部と、皮膚を穿刺するために前記ランセット部を開放するランセット解放機構部と、前記穿刺針の針先前方に血管拡張作用を有する波長360nm〜600nmの光を照射するための光照射部と、前記ランセット部および前記光照射部を収納するケーシングと、前記穿刺針の針先が外方へ突出可能であり、前記光照射部からの光を通過可能に配置され、かつ当該ケーシングの上面に形成され指先でほぼ塞ぎ得る開口と、当該開口の近傍に設けられ前記光の照射を開始および停止可能であり、押されることで光の照射を開始するスイッチとを有し、前記開口が指先で塞がれると同時に前記スイッチが該指先で押され得るようになされていることを特徴とする穿刺器具。
(2)前記スイッチが押されると、前記光照射部から照射を開始するように指令を出し、照射時間をカウントするためにタイマーをスタートさせ、該タイマーの値が所定時間経過後、ランセット解放機構部に開放指令を出す制御部を有することを特徴とする上記(1)に記載の穿刺器具。
(3)前記ランセット部を収納する前記ケーシングの円筒形状の部位に連続して前記穿刺針の針先前方に設けられ、その上面に前記開口が形成され、かつ皮膚により略密閉可能なチャンバと、前記チャンバ内の空気を吸引するための吸引手段と、をさらに有し、前記制御部は、前記ランセット解放機構部に開放指令を出すと同時あるいはその後、前記吸引手段に前記チャンバ内の空気を吸引するよう指令を出すことを特徴とする上記(2)に記載の穿刺器具。
4)前記穿刺針により穿刺された皮膚からの血液に基づいて血糖値を算出する分析部を有することを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の穿刺器具。
(5)皮膚に穿刺可能な穿刺針を備えたランセット部と前記ランセット部を開放するランセット解放機構部とを有する穿刺器具が装着され得る、当該穿刺器具を保持するための保持体と、前記保持体に前記穿刺器具が装着された場合に前記穿刺針の針先前方に血管拡張作用を有する波長360nm〜600nmの光を照射するための光照射部と、前記保持体を備え、かつ前記光照射部を収納するケーシングと、前記保持体に保持された穿刺器具の前記穿刺針の針先が外方へ突出可能であり、前記光照射部からの光を通過可能に配置され、かつ当該ケーシングの上面に形成され指先でほぼ塞ぎ得る開口と、当該開口の近傍に設けられ前記光の照射を開始および停止可能であり、押されることで光の照射を開始するスイッチとを有し、前記開口が指先で塞がれると同時に前記スイッチが該指先で押され得るようになされていることを特徴とする穿刺器具用光照射装置。
本発明によれば、穿刺針の針先前方に血管拡張作用を有する波長の光を照射することにより容易に、穿刺針を穿刺すべき皮膚の血管を拡張させることができるため、穿刺針として細い針を使ったとしても、血管に確実に穿刺して、皮膚から十分な量を迅速に採血することが可能となる。したがって、穿刺針をより細くすることができ、穿刺痛を軽減することが可能となる。しかも、指先の皮膚から簡単に採血できるため、採血終了後の止血も容易となる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の第1実施形態である穿刺器具の主要部を示す概略断面図、図2は、図1に示される穿刺器具の平面図である。なお、図1は、説明の都合上、穿刺器具内部の各要素を略同一平面内に記載してある。
図1に示すように、穿刺器具1は、皮膚に穿刺可能な穿刺針11を備えたランセット部10と、穿刺針11の針先前方に血管拡張作用を有する波長の光を照射するための光照射部としてのレーザ素子20とを有している。また、穿刺器具1は、外枠を構成するケーシング30を有する。
ランセット部10は、穿刺針11が先端に取り付けられた支持体12を有している。支持体12は、ケーシング30内の中央部に立設された円筒形状のホルダ31内に嵌挿されており、ランセット部10は、その軸方向に移動可能である。ランセット部10の下方には、当該ランセット部10を先端方向(図中上方)に付勢するためのコイルばね40が設けられる。ケーシング30、支持体12、およびホルダ31は、たとえばプラスチック等により形成されている。
また、ランセット部10の支持体12の側面には、ランセット解放機構部50のロッド51が係合可能な溝13が形成されている。ランセット解放機構部50としては、たとえば電磁ソレノイドが使用される。ロッド51は、コイルばね40が圧縮された状態で、溝13に係合される。ロッド51は、支持体12の溝13に向けて水平方向に進退移動可能である。ロッド51が退避して溝13から外れると、ランセット部10は、コイルばね40の弾発力によって、先端方向に移動させられる。なお、ランセット部10の移動を制御するためのランセット解放機構部50の構成は、一例であり適宜変更可能である。
穿刺針11は、一般的には、ステンレス鋼を使用して、例えば、塑性加工によって製造される。但し、チタンなどの他の金属あるいはプラスチック等の材料から、穿刺針11を製造することも可能である。穿刺針11の支持体12への固着は、例えば、インサート成形あるいは接着によって達成される。
穿刺針11の外径は、好ましくは0.1mm〜0.3mmの範囲内である。上限値を設けることにより、針を細くして穿刺痛を軽減することができる。また、下限値を設けることにより、必要な採血量を確保することができる。
ケーシング30の上面には、開口32が形成されている。開口32は、指先でほぼ塞ぎ得る大きさに形成されている。ランセット部10が先端方向に移動した場合、穿刺針11が開口32から外方に突出し得る。穿刺針11のうちケーシング30の開口32端面から外方に突出し得る部分の長さは、好ましくは0.5mm〜3mmの範囲内である。上限値を設けることにより、神経や血管に対する損傷を最小限に抑えることができる。また、下限値を設けることにより、必要な採血量を確保することができる。
また、ケーシング30の開口32の近傍には、使用者によって押されることにより穿刺器具の動作を開始するためのスタートスイッチ33が設置されている。スタートスイッチ33としては、接触式のスイッチが使用されるが、非接触式のスイッチが使用されてもよい。
レーザ素子20は、ケーシング30内の上方において、ランセット部10の周辺に略均等に配置される。レーザ素子20の設置個数は任意である。レーザ素子20は、照射されるレーザ光が開口32を通過し得るように、その設置位置および方向が決められる。
レーザ素子20としては、たとえば半導体レーザが使用可能である。レーザ素子20は、好ましくは波長360nm〜600nmの範囲内、より好ましくは波長400nm〜500nmの範囲内のレーザ光を照射する。下限値を設けることにより、皮膚への有害な刺激作用を回避できる。また、上限値を設けることにより、従来の光線療法機器よりも大きい血管拡張作用が発揮され得る。なお、レーザ素子の代わりに、好ましくは波長360nm〜600nmの範囲内、より好ましくは波長400nm〜500nmの範囲内に吸収ピークを有する光を照射する素子が使用されてもよい。
ケーシング30内には、各種演算と器具内の各部の制御とを行う制御部60が設けられている。制御部60は、たとえばCPU、メモリ、専用の電気回路などから構成される。なお、ケーシング30内には、電力を供給するための図示しない電源(電池)が内蔵されている。
図3は、穿刺器具の制御に関する構成を示す概略ブロック図である。
図3に示すように、スタートスイッチ33は、制御部60に接続されている。スタートスイッチ33からの開始信号は、制御部60に入力される。レーザ素子20およびランセット解放機構部50もまた、制御部60に接続されている。制御部60は、レーザ素子20およびランセット解放機構部50の動作を制御するための信号を出力する。
次に、穿刺器具1の使用方法について説明する。
図2に示すように、使用者は、指先がケーシング30の開口32をほぼ塞ぎ、かつスタートスイッチ33の上に乗るように、指100を穿刺器具1の上に置く。スタートスイッチ33が指先で押されることにより、穿刺器具1の動作が開始される。制御部60は、スタートスイッチ33からの開始信号を受信すると、レーザ光を照射するように、レーザ素子20に指令を出すとともに、照射時間をカウントするための内蔵されたタイマーをスタートさせる。レーザ素子20は、開口32の方に向けてレーザ光を照射する。レーザ光の照射により、開口32の上に置かれた指先の皮膚の血管が拡張される。
タイマーの値が所定時間(たとえば1分)を経過した場合、制御部60は、ロッド51を退避させるように、ランセット解放機構部50に解放指令を出す。なお、制御部60は、時間に依存して解放指令を出す代わりに、たとえば指先の温度の上昇量に依存して解放指令を出すことも可能である。これにより、ランセット部10は、ロッド51による係合が解除され、コイルばね40が伸張する力によって先端方向に移動させられる。そして、ランセット部10の穿刺針11が開口32端面から所定距離だけ突出して指先の皮膚を穿刺する。なお、穿刺針11は、皮膚への穿刺後、図示しない第2のばね部材により基端側に引き戻され、針先が開口32端面よりも内側に移動させられる。
使用者が指先をスタートスイッチ33から離すと、制御部60は、レーザ光の照射を停止するように、レーザ素子20に指令を出す。したがって、使用者が誤ってレーザ光を見てしまう事態を回避することができる。
このように本実施形態によれば、穿刺針11の針先前方に血管拡張作用を有する波長の光を照射することにより容易に、穿刺針11を穿刺すべき皮膚の血管を拡張させることができるため、穿刺針11として細い針を使ったとしても、血管に確実に穿刺して、皮膚から十分な量を迅速に採血することが可能となる。
したがって、穿刺針11をより細くすることができ、穿刺痛を軽減することが可能となる。しかも、指先の皮膚から簡単に採血できるため、採血終了後の止血も容易となる。
紫外線領域(波長300nm〜350nm)の光が血管を強く拡張させることは、前述したように既に知られているものの、可視領域(波長400nm〜600nm)およびその周辺の波長の光による作用は、これまでほとんど検討されていなかった。
そこで、上記実施形態で使用される波長360nm〜600nmの範囲内の光が循環血流に及ぼす影響を検討する実験を行ったので、以下に説明する。
(実験方法)
532nmのレーザ光を照射できる半導体レーザ装置(株式会社高知豊中技研製)と、810nmのレーザ光を照射できる歯科用の半導体レーザ装置(株式会社ユニタク製)とを用いて実験を行った。
実験動物としてラットを用いた。ラットをペントバルビタールで麻酔した後、耳介部の内側に血流測定計(ALF21;(株)アドバンス社製)のプローブを密着させた。耳介部の内側にあるプローブの真上に位置するように、レーザ照射装置の照射口を耳介部の外側に設置して、耳介部をはさみ込んだ。耳介部の血流量は、ペンレコーダで記録した。レーザ光を1分および5分照射直後の血流量を、照射直前の血流量に対する増加率(平均値±標準偏差(SD))で示した。
温度の測定は、上記の血流測定計のプローブの代わりに、温度測定プローブを耳介部の内側に密着させて実施した。血流測定時と同様にレーザ光を照射し、照射1分、5分、10分後の温度を記録した。
(実験結果)
血流測定の結果を表1に示す。
Figure 0004425593
表1からわかるように、810nm、20mWのレーザ光照射は、ほとんど耳介部の血流に影響を及ぼさなかったが、532nm、20mWのレーザ光照射は、時間に依存して耳介部の血流を増大させた。
温度測定の結果を表2に示す。
Figure 0004425593
表2からわかるように、レーザ光照射中の耳介部温度変化は、532nmのレーザ光と810nmのレーザ光とで差があまり認められなかった。
上記実験から、レーザ光照射による血流増加作用は、光照射そのものによる影響と考えられる。すなわち、532nmの波長の光は、血管を十分に拡張させることがわかった。したがって、本発明の穿刺器具を使用して、速やかにかつ有害な刺激を与えることなく効果的に皮膚の血管を拡張させた上で、採血用の穿刺針11を皮膚に穿刺することが可能となることがわかる。
図4は、本発明の第2実施形態である穿刺器具の主要部を示す概略断面図、図5は、図4に示される穿刺器具の平面図である。なお、図4は、説明の都合上、穿刺器具内部の各要素を略同一平面内に記載してある。以下、第1実施形態と相違する点を中心に説明する。第1実施形態と共通する機能を有する部材には同一の符号を用いる。
第2実施形態に係る穿刺器具1aは、穿刺針11の針先前方に設けられ皮膚により略密閉可能なチャンバ34と、チャンバ34内の空気を吸引するための吸引ポンプ70とをさらに有している点で、第1実施形態と相違している。
ランセット部10aは、3本の穿刺針11を有している。穿刺針11の設置本数は任意であるが、複数であれば穿刺針11が血管にヒットする確率を増やすことができる。ただし、針穿刺の確実性や製造コストの観点を考慮すれば、穿刺針11の設置本数は、1〜10本の範囲が好ましい。
ケーシング30の上面の開口32aは、チャンバ34の上面に形成されている。チャンバ34の内面に開口する吸引口35は、通路36およびパイプ71を介して、吸引ポンプ70に接続される。制御部60は、レーザ素子20およびランセット解放機構部50に加えて、吸引ポンプ70の動作を制御するための信号を出力し得る。
また、ランセット部10aが嵌挿される円筒形状のホルダ31の上方部分、すなわちレーザ素子20からのレーザ光が当たる部分は、レーザ光が透過し得るように透明に形成されている。
このように構成された穿刺器具1aを使用する場合、図5に示すように、使用者は、指先がケーシング30の開口32aをほぼ塞ぎ、かつスタートスイッチ33の上に乗るように、指100を穿刺器具1の上に置く。スタートスイッチ33が指先で押されることにより、穿刺器具1の動作が開始される。なお、以降、ランセット部10の穿刺針11が皮膚を穿刺するまでの動作は、第1実施形態と同様なので説明を省略する。
第2実施形態では、制御部60は、ランセット解放機構部50に解放指令を出すと同時あるいはその後、チャンバ34内の空気を吸引するように、吸引ポンプ70に指令を出す。チャンバ34は、使用者の指100により略密閉されているため、負圧が生じる。これにより、穿刺針11により穿刺された皮膚から血液が出易くなる。なお、使用者が指先をスタートスイッチ33から離すと、光の照射と吸引動作が停止される。
このように第2実施形態の穿刺器具によっても、上記の第1実施形態と同様の効果を得ることが可能であり、さらには、採血がより容易となる利点がある。
図6は、本発明の第3実施形態である穿刺器具用光照射装置の主要部を示す概略断面図である。以下、第1実施形態と相違する点を中心に説明する。第1実施形態と共通する機能を有する部材には同一の符号を用いる。
上記した実施形態の穿刺器具は、ランセット部10と、光照射部としてのレーザ素子20とをあわせ持つ構成とされている。これに対して、本実施形態では、ランセット部10を有する穿刺器具2と、レーザ素子20を有する穿刺器具用光照射装置3とが分離して別個に提供される。すなわち、穿刺器具用光照射装置3は、皮膚に穿刺可能な穿刺針11を備えたランセット部10を有する穿刺器具2が装着され得る、当該穿刺器具2を保持するための保持体81と、保持体81に穿刺器具2が装着された場合に穿刺針11の針先前方に血管拡張作用を有する波長の光を照射するための光照射部としてのレーザ素子20とを有している。
穿刺器具用光照射装置3は、使用時にたとえば指の皮膚101の表面に対向させられるヘッド部4と、使用者が握るためのグリップ部5とから構成されている。また、穿刺器具用光照射装置3は、外枠を構成するケーシング80を有する。このケーシング80は、たとえば対称面で2分割された一対の素子から構成されており、プラスチック等により形成されている。
保持体81は、ヘッド部4の上方に、ケーシング80の一部として形成されている。保持体81は、穿刺器具2を受容して動かないように固定することができる。ただし、保持体81の構成は、図示のものに限定されるものではない。
ヘッド部4の先端面(図中底面)には、レーザ素子20からのレーザ光が通過するための開口83が形成されている。また、ケーシング80の開口83の近傍には、使用者によって押されることにより光の照射を開始するための照射スイッチ82が設置されている。照射スイッチ82としては、接触式のスイッチが使用されるが、非接触式のスイッチが使用されてもよい。
このように構成された穿刺器具用光照射装置3を使用する場合、図6に示すように、使用者は、予め穿刺器具2を穿刺器具用光照射装置3の保持体81に装着して固定する。使用者が穿刺器具用光照射装置3のグリップ部5を把持して、ヘッド部4の先端面を皮膚101に近接または接触させると、照射スイッチ82がオン状態になる。照射スイッチ82がオンされると、図示しない制御部は、レーザ光を照射するように、レーザ素子20に指令を出す。レーザ光の照射により、皮膚101の血管が十分拡張されると(たとえば照射開始から1分経過)、使用者は、穿刺器具2の解放スイッチ50aを押す。レーザ光の照射後、所定時間(たとえば1分)が経過した場合、スピーカからの発音あるいはランプの点灯などにより、使用者に通知されてもよい。
解放スイッチ50aが押されると、図示しないコイルばねにより、ランセット部10は先端方向(図中下方)に移動させられ、ランセット部10の穿刺針11が皮膚101を穿刺する。なお、穿刺器具用光照射装置3を皮膚101から離すと、光の照射は停止される。
このように第3実施形態の穿刺器具用光照射装置3を使用すれば、上記した実施形態と同様の効果を得ることが可能であり、さらにはメンテナンスなどの管理が容易となる。
本発明は、上記した実施形態のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲内において、種々改変することができる。
たとえば、上記実施形態の穿刺器具1あるいは1aに、穿刺針11により穿刺された皮膚からの血液に基づいて血糖値を算出する分析部(図示せず)を一体的に付加して、血糖値測定装置を構成することも可能である。分析部は、たとえば、穿刺針11により穿刺された皮膚からの血液が供給され得るセンサ部と、血液が供給されたセンサ部から血糖値を定量的に演算する演算部とを有している。センサ部への血液の供給は、たとえば使用者により行われる。ただし、皮膚からの血液が自動的にセンサ部に供給されてもよい。
このように構成された血糖値測定装置によれば、上記した実施形態と同様の効果を得ることが可能であり、さらには、あわせて血糖値をも迅速に測定することが可能となり、使用者の利便性が向上する。
本発明の第1実施形態である穿刺器具の主要部を示す概略断面図である。 図1に示される穿刺器具の平面図である。 穿刺器具の制御に関する構成を示す概略ブロック図である。 本発明の第2実施形態である穿刺器具の主要部を示す概略断面図である。 図4に示される穿刺器具の平面図である。 本発明の第3実施形態である穿刺器具用光照射装置の主要部を示す概略断面図である。
符号の説明
1、1a 穿刺器具、
2 穿刺器具、
3 穿刺器具用光照射装置、
10、10a ランセット部、
11 穿刺針、
12 支持体、
13 溝、
20 レーザ素子、
30、80 ケーシング、
32、32a、83 開口、
34 チャンバ、
60 制御部、
70 吸引ポンプ、
81 保持体、
100 指、
101 皮膚。

Claims (5)

  1. 皮膚に穿刺可能な穿刺針を備えたランセット部と、
    皮膚を穿刺するために前記ランセット部を開放するランセット解放機構部と、
    前記穿刺針の針先前方に血管拡張作用を有する波長360nm〜600nmの光を照射するための光照射部と、
    前記ランセット部および前記光照射部を収納するケーシングと、
    前記穿刺針の針先が外方へ突出可能であり、前記光照射部からの光を通過可能に配置され、かつ当該ケーシングの上面に形成され指先でほぼ塞ぎ得る開口と、
    当該開口の近傍に設けられ前記光の照射を開始および停止可能であり、押されることで光の照射を開始するスイッチとを有し、
    前記開口が指先で塞がれると同時に前記スイッチが該指先で押され得るようになされていることを特徴とする穿刺器具。
  2. 前記スイッチが押されると、前記光照射部から照射を開始するように指令を出し、照射時間をカウントするためにタイマーをスタートさせ、該タイマーの値が所定時間経過後、ランセット解放機構部に開放指令を出す制御部を有することを特徴とする請求項1に記載の穿刺器具。
  3. 前記ランセット部を収納する前記ケーシングの円筒形状の部位に連続して前記穿刺針の針先前方に設けられ、その上面に前記開口が形成され、かつ皮膚により略密閉可能なチャンバと、
    前記チャンバ内の空気を吸引するための吸引手段と、をさらに有し、
    前記制御部は、前記ランセット解放機構部に開放指令を出すと同時あるいはその後、前記吸引手段に前記チャンバ内の空気を吸引するよう指令を出すことを特徴とする請求項2に記載の穿刺器具。
  4. 前記穿刺針により穿刺された皮膚からの血液に基づいて血糖値を算出する分析部を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の穿刺器具。
  5. 皮膚に穿刺可能な穿刺針を備えたランセット部と前記ランセット部を開放するランセット解放機構部とを有する穿刺器具が装着され得る、当該穿刺器具を保持するための保持体と、
    前記保持体に前記穿刺器具が装着された場合に前記穿刺針の針先前方に血管拡張作用を有する波長360nm〜600nmの光を照射するための光照射部と、
    前記保持体を備え、かつ前記光照射部を収納するケーシングと、
    前記保持体に保持された穿刺器具の前記穿刺針の針先が外方へ突出可能であり、前記光照射部からの光を通過可能に配置され、かつ当該ケーシングの上面に形成され指先でほぼ塞ぎ得る開口と、
    当該開口の近傍に設けられ前記光の照射を開始および停止可能であり、押されることで光の照射を開始するスイッチとを有し、
    前記開口が指先で塞がれると同時に前記スイッチが該指先で押され得るようになされていることを特徴とする穿刺器具用光照射装置。
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