JPH0584314A - 血管治療装置 - Google Patents

血管治療装置

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JPH0584314A
JPH0584314A JP3252294A JP25229491A JPH0584314A JP H0584314 A JPH0584314 A JP H0584314A JP 3252294 A JP3252294 A JP 3252294A JP 25229491 A JP25229491 A JP 25229491A JP H0584314 A JPH0584314 A JP H0584314A
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JP
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blood vessel
laser
light
laser light
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JP3252294A
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English (en)
Inventor
Hideo Suzuki
英夫 鈴木
Atsushi Teramura
淳 寺村
Yoshiji Suzuki
義二 鈴木
Katsuhiko Sato
勝彦 佐藤
Hiroshi Ryu
浩志 龍
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Hamamatsu Photonics KK
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Hamamatsu Photonics KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、危険性が少なく、有効かつ確実に
血管攣縮を沈静化することの出来る血管治療装置を提供
することを目的とする。 【構成】 固体レーザ1から出力されたレーザ光は高調
波発生器1aに与えられ、基本波長1064nmの他に
532nm、355nm等が得られる。波長選別器1b
は532nmの波長を選択し、光波長変換器2および第
2の光波長変換器2aはこれを700〜600nmおよ
び400〜600nmの波長に変換する。変換された光
はさらに第2の波長選別器3において550nmのみが
選別される。このレーザ光はビーム整形器5により整形
され、攣縮血管6に照射される。血管幅測定器9は血管
6の拡張率や血流量等を算出する。この拡張率に基づき
拡張状態が実時間で監視され、固体レーザ1の発振出力
はフィードバック制御される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は攣縮(れんしゅく)状態
にある血管を拡張して治療する血管治療装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】血管が攣縮状態に陥る症状としては、例
えば、クモ膜下出血を患った場合が挙げられる。つま
り、クモ膜下出血により出血を起こすと、出血後数日後
経って脳血管の攣縮が始まる。この攣縮状態が数日続く
と脳細胞が機能しなくなり、神経的,身体的麻痺が生じ
る。このような血管攣縮はクモ膜下出血に限らず脳内出
血を起こした場合にも生じ、また、心臓部では狭心症に
伴って血管攣縮が生じる場合もある。その他に腎動脈、
腸間膜動脈等にも攣縮がみられる。
【0003】従来、このような血管攣縮に対して次のよ
うな治療が考えられていた。
【0004】第1に、薬物療法により血管を拡張させ、
攣縮状態を沈静化させる治療である。この薬物療法に
は、血管を拡張させることを目的とした血管拡張薬や、
血管拡張効果が認められるステロイド,抗癌剤,抗うつ
剤,AT877等の薬品が用いられる。
【0005】第2に、血管内バルーン拡張療法により血
管を拡張させ、攣縮状態を沈静化させる治療である。
【0006】第3に、発振波長480nm,パルス幅1
μsのパルス色素レーザを血管に照射し、血管を拡張す
ることによる治療である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の薬物療法による治療においては、血管拡張剤または
拡張効果が認められる他のいずれの薬品を用いる場合
も、人体致死量を大幅に越える量を投与しなければ血管
拡張効果は現れない。しかも、これら薬物療法において
は副作用が非常に大きい。
【0008】また、上記従来の血管内バルーン拡張療法
を用いた治療においては、バルーンによって機械的に血
管が破裂したり、また、術後、血管内皮の損傷によって
血管に再梗塞または塞栓が生じる場合がある。
【0009】また、上記従来のパルス色素レーザを用い
た治療においては、色素そのものが発癌性物質であるた
め人体の治療には適しておらず、医療機関で色素レーザ
を使用するには問題がある。また、色素レーザの取扱い
は繁雑でしかもその寿命は短いという問題もある。ま
た、色素レーザの発振波長480nmは、血管内のコレ
ステロールを取り除くために血管に対する吸収率が大き
い波長として選択されたものである。従って、この発振
波長を用いた色素レーザによる治療は血管拡張に必ずし
も適しているものではない。また、1μsというパルス
幅もランプ励起の色素レーザとして一般的な値を使った
ものに過ぎない。
【0010】従って、いずれの治療によってもかなりの
危険性を伴うのが現状であり、従来においては血管攣縮
に対して有効な治療法は存在していなかった。
【0011】本発明はこのような課題を解消し、危険性
が少なく、有効かつ確実に血管攣縮を沈静化することの
出来る血管治療装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、固体レーザか
らなる光源と、この光源から出力されたレーザ光の波長
を所定範囲の波長に変換する波長変換手段と、この波長
変換手段により変換されたレーザ光を血管にまで導く光
導波手段とを備え、レーザ光照射により血管を拡張する
ものである。
【0013】
【作用】攣縮している血管に固体レーザから発せられた
レーザ光が照射されることにより、人体に危害が加わる
ことなく血管は拡張し、血流は増大する。
【0014】
【実施例】図1から図3は本発明の一実施例による各血
管治療装置の概略を示す構成図である。これら各図にお
いて同一または相当する部分については同符号を用いて
説明する。
【0015】固体レーザ1はNd:YAGレーザからな
る光源であり、Qスイッチパルス発振する。この固体レ
ーザ1と高調波発生器1aとを組み合わせることによ
り、基本波長1064nmの他に532nm、355n
m等が得られる。高調波発生器1aから出力されるこれ
らいずれかの波長を波長選別器1bで選択し、励起光と
して光波長変換器2に入射すると、例えば、532nm
では700〜2000nm(ケース1)、355nmで
は400〜2000nm(ケース2)が得られる。図1
には波長選別器1bで532nmが選択されたケース1
の場合の構成が示されており、光波長変換器2からは7
00〜2000nmの波長のレーザ光が出力される。図
2には波長選別器1bで355nmが選択されたケース
2の場合の構成が示されており、光波長変換器2からは
400〜600nm(355nmを含む)の波長のレー
ザ光が出力され、この時点で本発明が目的とする400
〜600nmの波長を得ることが可能になっている。図
1に示されるケース1の場合は光波長変換器2から近赤
外の波長が出力されるが、この出力を第2の光波長変換
器2aに与えることにより、本発明が目的とする400
〜600nmの波長を得ることが出来る。この第2の光
波長変換器2aの構成には、光波長変換器2から出力さ
れる近赤外波長の第2高調波を発生する構成か、また
は、この近赤外波長と1064nmもしくは532nm
との和周波を発生する構成が採られる。
【0016】光波長変換器2および第2の光波長変換器
2a内には、非線形光学結晶(KD* P,MgO:Li
NbO3 ,KTP,BBO,LBO等)がその光学軸に
対して適切な角度にレーザ光が入射するように設けられ
ており、この光学結晶を通過することによって400〜
600nmの波長が得られる。ここで言う光波長変換器
2は、具体的には光パラメトリック発振器である。ま
た、第2の光波長変換器2aは光和周波発生器である。
ただし、必ずしもこれらの手法に限定される必要はな
い。
【0017】光波長変換器2および第2の光波長変換器
2aから出力された光には、励起光であるNd:YAG
レーザの波長が混在している場合が一般的である。ま
た、波長変換の方法によっては、ここで必要とする波長
以外の光が混ざることもある。このため、これら第2の
光波長変換器(ケース1の場合)、光波長変換器2(ケ
ース2の場合)から出力された光はさらに第2の波長選
別器3に与えられる。この波長選別器3は必要な波長だ
けを取り出す光学素子であり、フィルター,ミラーある
いはプリズムなどによって構成され、400〜600n
mのうちの1つの波長が選択される。例えば、550n
mの波長が選択される。波長選別器3から出力されたレ
ーザ光は、ミラーからなる光導波器4によって頭部の血
管にまで導かれる。光導波器4は、レーザ光のパワーが
10mJ/パルス以上に大きい場合には、このようにミ
ラーによって構成するのが適しているが、レーザ光パワ
ーが小さい場合には光ファイバによって構成することが
一般的である。
【0018】また、波長選別器1bからはNd:YAG
レーザの高調波の1つである532nmの波長が出力さ
れるが、この波長はこの時点で本発明の目的に利用する
ことが出来る。図3はこのケース3の場合の構成を示し
ており、この場合には波長選別器1bから出力された光
がそのまま光導波器4に与えられる。
【0019】固体レーザ1を構成するQスイッチNd:
YAGレーザは一般的にその空間ビームプロファイルが
ガウシアン分布になっていないため、図4に示されるよ
うに、光導波器4を伝播中のレーザビームAのプロファ
イルBは不均一になっている。このため、光導波器4が
光ファイバによって構成される場合には、レーザビーム
Aが血管に達するまでにビーム強度が強い所で光ファイ
バが損傷を受けてしまう場合がある。光導波器4がミラ
ーによって構成される場合にはこのような損傷の危険性
はある程度軽減されるが、このままのビームプロファイ
ルBでレーザビームAが血管に照射されると、血管に穴
を開けてしまう場合がある。従って、本実施例では、レ
ーザビームAが血管に照射される前にビーム整形素子5
aによってビームプロファイルBが整形される。すなわ
ち、ビーム整形素子5aはレーザ光のビームパターンを
可変・調節する機能を持っており、レーザビームAがビ
ーム整形素子5aを通ることにより、レーザビームAの
ビームプロファイルBはビームプロファイルCに整形さ
れる。
【0020】パターン整形されたレーザビームAはさら
に図5に示されるシリンドリカルレンズ5bによってビ
ーム照射幅が調整され、攣縮する血管6の形状に合う細
いビーム照射形状に変換される。このビーム照射形状
は、シリンドリカルレンズ5bを図示の矢印方向に移動
することによって調整される。これらビーム整形素子5
aおよびシリンドリカルレンズ5bは図1から図3にに
示されるビーム整形器5を構成している。
【0021】レーザビームAの照射による攣縮血管の拡
張状態は図6に示されるように観察される。つまり、ビ
ーム照射部位はテレビカメラ7によって撮像され、その
ビデオ信号はモニタ装置8に与えられる。モニタ装置8
はこのビデオ信号を入力してビーム照射状況を映像化
し、これをモニタ画面に写し出す。また、ビデオ信号は
これと同時に血管幅測定器9にも与えられる。血管幅測
定器9は入力したビデオ信号を解析し、血管6の血管径
および攣縮状態から血管6の拡張率や血流量等を算出す
る。この拡張率に基づいて攣縮血管6がレーザ照射によ
って拡張していく様子が実時間で監視され、この拡張状
態に応じて固体レーザ1の発振出力はフィードバック制
御される。
【0022】このような本実施例による血管治療装置に
よれば、固体レーザ1からのレーザ光を攣縮血管6に照
射するだけで、血管6が拡張して血流量は増大し、攣縮
状態は沈静化される。従って、従来の薬物療法のように
致死量の薬物を使用する必要はなく、また、副作用も生
じない。また、従来のバルーン拡張療法のように血管が
破裂したり、術後の再梗塞や塞栓の心配も生じない。ま
た、従来の色素レーザのように発癌性の心配もなく、取
扱いも容易であり、光源の寿命も長いといった利点も有
する。
【0023】また、固体レーザ1は光波長変換器2を用
いている関係上高いピークパワーが必要なため、Qスイ
ッチパルス発振するものを用いている。このため、固体
レーザ1から出力されるパルスレーザ光はパルス幅をナ
ノ秒オーダーにまで狭くすることが出来、また、ピーク
パワーを高めることが可能である。従って、短パルスで
ピークパワーの高いレーザビームが照射され、攣縮血管
6に対する拡張効果は向上し、短時間で顕著な拡張効果
が得られる。一方、レーザビームAの繰り返し照射回数
を増大させてエネルギ照射の蓄積効果を利用することに
より、1パルスあたりのエネルギ照射を小さくして血管
を拡張することも出来る。1パルスあたりのエネルギ照
射が小さくなれば患部の損傷は軽減されるため、好まし
い治療を施すことが可能になる。
【0024】また、本実施例によれば、ビーム照射形状
はシリンドリカルレンズ5bによって攣縮血管6の形状
に合致した形状に整形されるため、血管6に対して効率
良くレーザ光が照射される。このため、このことによっ
ても血管拡張効果は高められる。
【0025】なお、上記実施例の説明においては固体レ
ーザ1をNd:YAGレーザとし、この第2高調波53
2nm等のレーザ光を照射する場合について説明した
が、必ずしもこのレーザ光に限定される必要はなく、チ
タンドープサファイアの発振波長800〜1000nm
の第2高調波(400〜500nm)や、NYABの第
2高調波531nmを用いても良く、上記実施例と同様
な効果を奏する。
【0026】また、これら第2高調波成分のレーザ光で
なくても、400〜600nmの波長のレーザ光であれ
ば良い。例えば、エキシマレーザを励起光とする光パラ
メトリック発振器から得られる400〜600nmの波
長のレーザ光を攣縮血管に照射するようにしても良い。
つまり、固体レーザ等を用い、なおかつ、第2高調波発
生手段または光パラメトリック発振手段といった波長変
換手段と組み合わせて可視領域でのパルス光を得ること
により、上記実施例と同様な効果を得ることが出来る。
【0027】例えば、図7に示されるように、エキシマ
レーザを励起光として構成しても良い。この場合には、
エキシマレーザ11から出力されたレーザ光は偏光素子
11aに入力され、ガスにXeFを用いた場合は351
nm、XeClを用いた場合は308nmの中心波長の
レーザ光が得られる。このレーザ光は光波長変換器2に
よって400〜600nmの波長に変換され、さらに第
2の波長選別器3において400〜600nmのうちの
ひとつの波長が選択される。選択されたこの波長の光は
光導波器4に導かれ、上記各実施例と同様にして頭部の
血管に照射される。このような構成の血管治療装置にお
いても上記各実施例と同様な効果を奏する。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、攣
縮している血管に固体レーザから発せられたレーザ光が
照射されることにより、人体に危害が加わることなく血
管は拡張し、血流は増大する。このため、従来の種々の
課題は解消され、攣縮状態にある血管は損傷を与えられ
ることなく、短時間で沈静化する。
【図面の簡単な説明】
【図1】532nmの波長が波長選別器で選択されさら
に550nmに変換された場合における固体レーザを用
いた本発明の一実施例による血管治療装置の概略を示す
構成図である。
【図2】355nmの波長が波長選別器で選択されさら
に550nmに変換された場合における固体レーザを用
いた本発明の一実施例による血管治療装置の概略を示す
構成図である。
【図3】532nmの波長が波長選別器で選択されその
ままの波長が使用された場合における固体レーザを用い
た本発明の一実施例による血管治療装置の概略を示す構
成図である。
【図4】図1から図3に示された血管治療装置のビーム
整形素子によるビームパターン形状の整形状況を説明す
るための斜視図である。
【図5】図4に示されたビーム整形素子で整形されたレ
ーザビーム照射形状をさらに血管形状に合わせるための
シリンドリカルレンズを示す斜視図である。
【図6】ビーム照射部位を監視する状況を説明するため
の図である。
【図7】本発明の一実施例によるエキシマレーザを用い
た血管治療装置の概略を示す構成図である。
【符号の説明】
1…固体レーザ、1a…高調波発生器、1b…波長選別
器、2…光波長変換器、2a…第2の光波長変換器、3
…第2の波長選別器、4…光導波器、5…ビーム整形
器、5a…ビーム整形素子、5b…シリンドリカルレン
ズ、6…血管、7…テレビカメラ、8…モニタ装置、9
…血管幅測定器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 勝彦 静岡県浜松市市野町1126番地の1 浜松ホ トニクス株式会社内 (72)発明者 龍 浩志 静岡県浜松市半田町3600 浜松医科大学脳 神経外科学教室

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体レーザからなる光源と、この光源か
    ら出力されたレーザ光の波長を所定範囲の波長に変換す
    る波長変換手段と、この波長変換手段により変換された
    レーザ光を血管にまで導く光導波手段とを備え、レーザ
    光照射により血管を拡張することを特徴とする血管治療
    装置。
  2. 【請求項2】 波長変換手段から出力されたレーザ光か
    ら固体レーザの第2高調波成分を選別し、選別したこの
    レーザ光を光導波手段に出力する波長選別手段を設けた
    ことを特徴とする請求項1記載の血管治療装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の光源に代えて、固体レー
    ザまたはエキシマレーザを励起光とする光パラメトリッ
    ク発振器からなる光源を設けたことを特徴とする請求項
    1記載の血管治療装置。
  4. 【請求項4】 光源はQスイッチ発振し、パルス幅が狭
    くピークパワーが高いパルスレーザ光を出力することを
    特徴とする請求項1または請求項2または請求項3記載
    の血管治療装置。
  5. 【請求項5】 光源は高い周波数でパルス発振し、1パ
    ルスあたりのエネルギが小さいことを特徴とする請求項
    1または請求項2または請求項3記載の血管治療装置。
  6. 【請求項6】 光導波路を伝播するレーザ光のビーム波
    形を整形し、血管形状に合った照射形状に変換するビー
    ム整形手段を設けたことを特徴とする請求項1または請
    求項2または請求項3記載の血管治療装置。
JP3252294A 1991-09-30 1991-09-30 血管治療装置 Pending JPH0584314A (ja)

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Cited By (6)

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