JP4424782B2 - 曲げ加工装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は曲げ加工装置、特にD軸だけで上下方向に移動するベンドビームを有し、誤差を考慮することにより、ベンドビームの刃先がトップダイとボトムダイに干渉する場合のD軸の動作限界を正確に求め、ワークの加工範囲を拡大する曲げ加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、曲げ加工装置、例えばパネルベンダは、例えば図9に示す構成を有し、トップダイ31とボトムダイ32によりワークWをクランプし、ベンドビーム33を上下に旋回移動することにより、該ワークWを折り曲げる。
【0003】
この場合、ベンドビーム33は(図9)、連結部材43を介してガイド42に結合され、ガイド42は連結部材41を介してA軸20に結合されている。
【0004】
また、ベンドビーム33は(図9)、連結部材44を介してD軸21に結合されている。
【0005】
この構成により、パネルベンダは、上下方向移動手段であるD軸21と、前後方向移動手段であるA軸20との2軸を共に動作させることにより、例えば正曲げ金型33Aを用いてワークWを上方に折り曲げる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記パネルベンダにおいて(図9)、ワークWの板厚が限定される場合には、前後方向移動手段であるA軸20を固定し、図10に示すように、D軸21のみの1軸駆動とすることにより、構造を簡単にすることができる。
【0008】
この1軸駆動方式によれば(図10(A))、D軸21が揺動中心Cを基準として反時計方向又は時計方向に回転すると、それに伴ってベンドビーム33が上昇又は下降するようになっている。
【0009】
そして、この1軸駆動方式においては、その構造上、ベンドビーム33がトップダイ31とボトムダイ32に干渉することを考慮して、D軸21の動作限界を設定し、安全性を高めている。
【0010】
例えば、ベンドビーム33の正曲げ金型33Aの刃先が(図10(B))トップダイ31と干渉した場合に、そのときのD軸21の回転角θMAX を上方の動作限界とする。
【0011】
また、ベンドビーム33の逆曲げ金型33Bの刃先が(図10(C))ボトムダイ32と干渉した場合に、そのときのD軸21の回転角θMIN を下方の動作限界とする。
【0012】
ところが、このようにしてD軸21の動作限界θMAX 〜θMIN を求める場合に、従来は、D軸21から刃先までの機械精度の誤差を考慮せず、また安全性を高めようとして余裕を広く取りすぎる傾向があり、このため、刃先が前記トップダイ31や(図10(B))ボトムダイ32に(図10(C))近づけないことがあった。
【0013】
その結果、従来の曲げ加工装置は、薄板加工や鋭角曲げといった加工の際に、加工範囲が極めて狭くなってしまう。
【0014】
本発明の目的は、曲げ加工装置において、誤差を考慮することにより、ベンドビームの刃先がトップダイとボトムダイに干渉する場合のD軸の動作限界を正確に求め、ワークの加工範囲を拡大することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明によれば、図1〜図8に示すように、
(A)D軸21のみで上下方向に移動するベンドビーム33により、トップダイ31とボトムダイ32でクランプされたワークWに曲げ加工を施す曲げ加工装置において、
(B)上記ベンドビーム33の刃先位置(yu,zu)、(yd,zd)の誤差(ΔYu、ΔZu)、(ΔYd、ΔZd)を予め算出して該ベンドビーム33の寸法に反映させ、ベンドビーム33の刃先がトップダイ31とボトムダイ32の近傍に設定された干渉領域KA 、KB に接触する場合のD軸21の回転角θMAX 、θMIN を算出する算出手段3を有することを特徴とする曲げ加工装置が提供される。
【0016】
従って、本発明の構成によれば、先ず、D軸21の任意の回転角θに対するベンドビーム33の実際上の刃先位置(Yu,Zu)、(Yd,Zd)と理論上の刃先位置(yu,zu)、(yd,zd)の誤差(ΔYu、ΔZu)、(ΔYd、ΔZd)を算出し(図3のステップ102、図4)、この誤差をベンドビーム33の寸法に反映させ(図3のステップ103、図5〜図7)、次に、トップダイ31とボトムダイ32の近傍に所定の干渉領域KA 、KB を設定し(図3のステップ104、図8)、この干渉領域KA 、KB にベンドビーム33の刃先が接触する場合の位置(YuMAX ,ZuMAX )、(YdMIN ,ZdMIN )を算出し(図3のステップ106、図8)、それらの刃先位置(YuMAX ,ZuMAX )、(YdMIN ,ZdMIN )に対応するD軸21の回転角θMAX 、θMIN を算出する(図3のステップ107、図8)。
【0017】
このため、曲げ加工装置において、誤差を考慮することにより、ベンドビームの刃先がトップダイとボトムダイに干渉する場合のD軸の動作限界を正確に求めることができ、ワークの加工範囲を拡大することが可能である。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、実施の形態により添付図面を参照して、説明する。
図1は本発明の実施形態の全体図である。
【0019】
図1に示す曲げ加工装置は、例えばパネルベンダ30であり、上下方向に移動するクランプビーム39を有し、該クランプビーム39に取り付けられたトップダイ31と、ボトムダイ32でワークWをクランプした状態でベンドビーム33により曲げ加工を施す。
【0020】
ベンドビーム33は、正曲げ金型33Aと逆曲げ金型33Bを有し、その底部が連結部材44を介して上下方向移動手段であるD軸21に結合されている。
【0021】
このベンドビーム33は、A軸20が(図9)削除されており、その後部が揺動部材45を介して固定部材46に結合されている。
【0022】
上記パネルベンダ30の前方には(図1)、ワーク搬送・位置決め装置であるマニピュレータ34が設置されている。
【0023】
このマニピュレータ34は、ナット36を介して前後方向移動手段であるY軸37に螺合し、該Y軸37は、サーボモータ9Cにより回転駆動する。
【0024】
前記構成のパネルベンダ30は(図1)、CPU1と、入力手段2と、算出手段3と、メモリ4と、出力手段5を有している。
【0025】
CPU1は、本発明を実施するための手順(例えば、図3)に従って入力手段2や算出手段3などに指示を与えることにより、全体を制御する。
【0026】
入力手段2は、本発明による誤差を(図4)算出するために必要なベンドビーム33の刃先の実測値J1などを入力するキーボード、マウス等である。
【0027】
算出手段3は、前記入力手段2からの実測値J1と、メモリ4に格納されているベンドビーム33の寸法などの機械情報J2を入力し(図1、図3のステップ101)、ベンドビーム33の刃先位置の誤差(ΔYu、ΔZu)、(ΔYd、ΔZd)を算出し(図3のステップ102、図4)、この誤差をベンドビーム33の寸法に反映させることにより(図3のステップ103、図5〜図7)、ベンドビーム33の刃先がトップダイ31とボトムダイ32の近傍に設定された干渉領域KA 、KB に接触する場合の刃先の位置(YuMAX ,ZuMAX )、(YdMIN ,ZdMIN )に対応するD軸21の回転角θMAX 、θMIN を算出する(図3のステップ104〜107、図8)。
【0028】
算出手段3の詳細は図2に示され、誤差算出・反映手段3Aと、干渉領域設定手段3Bと、刃先動作限界算出手段3Cと、D軸動作限界算出手段3Dにより構成されている。
【0029】
誤差算出・反映手段3Aは、D軸21の任意の回転角θに対するベンドビーム33の実際上の刃先位置(Yu,Zu)、(Yd,Zd)と理論上の刃先位置(yu,zu)、(yd,zd)の誤差(ΔYu、ΔZu)、(ΔYd、ΔZd)を算出し(図3のステップ102)、この誤差をベンドビーム33の寸法に反映させる(図3のステップ103)。
【0030】
例えば、図4において、ベンドビーム33の正曲げ金型33Aに関しては(図4(A))、D軸21の任意の回転角θに対し、破線で示された理論上の、例えばCPU1の(図1)画面に表示された刃先位置(yu,zu)と、実線で示された実際上の刃先位置(Yu,Zu)の間には、誤差がある。
【0031】
従って、誤差算出・反映手段3Aでは、先ず、ベンドビーム33の正曲げ金型33Aに関して、作業者が測定した実際上の刃先位置(Yu,Zu)を実測値J1として(図1)、またメモリ4に格納されている理論上の刃先位置(yu,zu)を機械情報J2としてそれぞれ入力し、両者の誤差(ΔYu、ΔZu)を算出する。
【0032】
このことは、ベンドビーム33の逆曲げ金型33Bに(図4(B))ついても同様であり、誤差算出・反映手段3Aにおいては、逆曲げ金型33Bに関して、D軸21の任意の回転角θに対し、破線で示された理論上の刃先位置(yd,zd)と、実線で示された実際上の刃先位置(Yd,Zd)の誤差(ΔYd、ΔZd)を算出する。
【0033】
この場合、精度を上げるために、上記D軸21の任意の回転角θを(図4(A)、図4(B))複数設定し、何度も誤差を算出することにより、誤差の最適値を求めることが好ましい。
【0034】
更に、誤差算出・反映手段3Aは、前記算出した誤差(ΔYu、ΔZu)、(ΔYd、ΔZd)を、ベンドビーム33の寸法に反映させる。
【0035】
即ち、ベンドビーム33の寸法は、機械情報J2(図1、図2)としてメモリ4(図1)に格納されていて、刃先位置の座標により表される(図5)。
【0036】
この場合、刃先位置の座標は(図5)、D軸21の揺動中心Cから(図5)刃先中心までの距離のY成分とZ成分により構成されている。
【0037】
従って、このように表されるベンドビーム33の寸法に一致させるべく、前記算出した誤差もY成分とZ成分に分け、正曲げ金型33Aに関しては(ΔYu、ΔZu)、逆曲げ金型33Bに関しては(ΔYd、ΔZd)とする。
【0038】
そして、誤差算出・反映手段3Aにおいては、正曲げ金型33Aに関しては、前記誤差(ΔYu、ΔZu)を反映させて、ベンドビーム33の寸法を(Yu=yu+ΔYu、Zu=zu+ΔZu)とする(図5(A))。
【0039】
同様に、誤差算出・反映手段3Aにおいては、逆曲げ金型33Bに関しては、前記誤差(ΔYd、ΔZd)を反映させて、ベンドビーム33の寸法を(Yd=yd+ΔYd、Zd=zd+ΔZd)とする(図5(B))。
【0040】
このようにして、本発明によれば、ベンドビーム33の実際上の刃先位置(Yu,Zu)、(Yd,Zd)が、演算により直接に求められる。
【0041】
そして、ベンドビーム33の実際上の刃先位置(Yu,Zu)、(Yd,Zd)と、D軸21の回転角θとの関係は図6に示され、具体例は図7に示されている。
【0042】
例えば、正曲げ金型33Aに関しては(図7)、その移動曲線CA に沿って上下方向に移動するが、その場合、前記誤差算出・反映手段3Aにより算出された誤差が(図4)ベンドビーム33の寸法に反映されていることから(図5、図6)、実際上の刃先位置(Yu1,Zu1)、(Yu2,Zu2)などを直接求めることができる。
【0043】
図7においては、D軸21が揺動中心Cに位置する場合には、正曲げ金型33Aの実際上の刃先位置は(Yu0,Zu0)であって、その場合のD軸21の回転角は0である。
【0044】
しかし、この位置からD軸21が反時計方向に(+方向)回転する場合には、回転角がθ1、θ2・・・となり、それに伴って実際上の刃先位置も、(Yu1,Zu1)、(Yu2,Zu2)・・・となる。
【0045】
また、D軸21が時計方向に(−方向)回転する場合には、回転角が−θ1、−θ2・・・となり、それに伴って実際上の刃先位置も、(Yu−1 ,Zu−1)、(Yu−2,Zu−2)・・・となる。
【0046】
一方、干渉領域設定手段3Bは、トップダイ31とボトムダイ32の近傍に(図8)所定の干渉領域KA 、KB を設定する(図3のステップ104)。
【0047】
例えば、正曲げ金型33Aに関しては(図8(A))、真の干渉領域は、トップダイ31の上面cである。
【0048】
しかし、D軸21の上方動作限界θMAX を正確に求めるためには、安全性を高めるべく若干の余裕を加味すると共に適応最小板厚tを考慮する必要がある。
【0049】
そのため、干渉領域設定手段3Bにおいては、ボトムダイ32の刃先に接する垂直線aとトップダイ31の上面cに平行な直線bと該上面cに包囲された領域を、正曲げ金型33Aの干渉領域KA として設定する。
【0050】
また、逆曲げ金型33Bに関しては(図8(B))、真の干渉領域は、ボトムダイ32の下面eである。
【0051】
しかし、D軸21の下方動作限界θMIN を正確に求めるためには、前記と同様に安全性を高めるべく若干の余裕を加味すると共に適応最小板厚tを考慮する必要がある。
【0052】
そのため、干渉領域設定手段3Bにおいては、前記垂直線aとボトムダイ32の下面eに平行な直線dと該下面eに包囲された領域を、逆曲げ金型33Bの干渉領域KB として設定する。
【0053】
刃先動作限界算出手段3Cは、上記干渉領域設定手段3Bにより設定された干渉領域KA 、KB に対して、ベンドビーム33の刃先が接触する場合の刃先位置(YuMAX ,ZuMAX )、(YdMIN ,ZdMIN )を算出する(図3のステップ106)。
【0054】
例えば、正曲げ金型33Aに関しては(図8(A))、CPU1の(図1)画面上で、前記設定した干渉領域KA に対して刃先を近づけて行くと、それに接触する位置があり、刃先動作限界算出手段3Cにおいては、その位置(YuMAX ,ZuMAX )を算出する。
【0055】
この場合、算出された刃先位置(YuMAX ,ZuMAX )は(図8(A))、ベンドビーム33の正曲げ金型33Aがそれより上方に移動できないことから、刃先の上方動作限界を表している。
【0056】
また、逆曲げ金型33Bに関しては(図8(B))、同様にCPU1の(図1)画面上で、前記設定した干渉領域KB に対して刃先を近づけて行くと、それに接触する位置があり、刃先動作限界算出手段3Cにおいては、その位置(YdMIN ,ZdMIN )を算出する。
【0057】
この場合、算出された刃先位置(YdMIN ,ZdMIN )は(図8(B))、ベンドビーム33の逆曲げ金型33Bがそれより下方に移動できないことから、刃先の下方動作限界を表している。
【0058】
更に、D軸動作限界算出手段3Dは、上記刃先動作限界算出手段3Cにより算出された刃先位置(YuMAX ,ZuMA X )、(YdMIN ,ZdMIN )に対応するD軸21の回転角θMAX 、θMIN を算出する(図3のステップ107)。
【0059】
この場合、前記したように、ベンドビーム33の実際上の刃先位置(Yu,Zu)、(Yd,Zd)と、D軸21の回転角θとの間には一定の関係がある(図6)。
【0060】
従って、D軸動作限界算出手段3Dにおいては、この関係に基づいて(図6)、刃先動作限界算出手段3Cで算出されたベンドビーム33の刃先の上方動作限界(YuMAX ,ZuMAX )に対応するD軸21の回転角θMAX を算出することができる。
【0061】
この場合、算出された回転角θMAX は(図8(A))、D軸21がそれより上方に回転できないことから、D軸21の上方動作限界を表している。
【0062】
また、同様に、D軸動作限界算出手段3Dにおいては、前記関係に基づいて(図6)、刃先動作限界算出手段3Cで算出されたベンドビーム33の刃先の下方動作限界(YdMIN ,ZdMIN )に対応するD軸21の回転角θMIN を算出することができる。
【0063】
この場合、算出された回転角θMIN は(図8(B))、D軸21がそれより下方に回転できないことから、D軸21の下方動作限界を表している。
【0064】
そして、このD軸動作限界算出手段3Dにより算出されたD軸21の動作限界θMAX 、θMIN は、メモリ4など(図1)に登録され(図3のステップ108)、ワークWを(図1)加工中にD軸21がこの限界を越えて回転しないように制御され、ベンドビーム33がトップダイ31とボトムダイ32に干渉するのが阻止される。
【0065】
即ち、CPU1には(図1)、シーケンサ6が接続され、該シーケンサ6には、ベンドビーム制御手段7を介してベンドビーム33のD軸21が、クランプビーム制御手段8を介してクランプビーム39のZ軸22が、マニピュレータ制御手段9を介してマニピュレータ34のY軸37がそれぞれ接続されている。
【0066】
この構成により、CPU1が各制御手段7、8、9を制御することにより、マニピュレータ34によりワークWがパネルベンダ30に搬入されると、該ワークWをトップダイ31とボトムダイ32によりクランプし、ベンドビーム33により曲げ加工を施す。
【0067】
この場合、CPU1は(図1)、前記メモリ4に登録されたD軸21Dの動作限界θMAX 、θMIN をシーケンサ6を介してベンドビーム制御手段7に送信し、該ベンドビーム制御手段7が、それを構成する位置決めユニットなどにより算出された指令値により、D軸21がこの動作限界θMAX 、θMIN を越えないように回転制御する。
【0068】
以下、前記構成を備えた本発明の動作を、図3に基づいて説明する。
【0069】
(1)誤差を算出し、それをベンドビーム33の寸法に反映させるまでの動作。
【0070】
先ず、図3のステップ101において、実測値J1と機械情報J2を入力し、次に、ステップ102において、D軸21の任意の回転角θに対して、実際上の刃先位置(Yu,Zu)、(Yd,Zd)と理論上の刃先位置(yu,zu)、(yd,zd)との誤差を算出し、次いで、ステップ103において、その誤差をY成分とZ成分に分け、ベンドビーム33の寸法に反映させる。
【0071】
即ち、D軸21の任意の回転角θに(図4)対して、作業者はベンドビーム33の実際上の刃先位置(Yu,Zu)、(Yd,Zd)を測定し(図1)、それを実測値J1として入力手段2を介して入力する。
【0072】
そして、誤差算出・反映手段3Aに(図2)おいては、上記実際上の刃先位置(Yu,Zu)、(Yd,Zd)が実測値J1として、また予めメモリ4に(図1)格納されているベンドビーム33の寸法が機械情報J2としてそれぞれ入力される。
【0073】
ここで、入力されたデータに基づいて、図4に示すように、ベンドビーム33の正曲げ金型33Aと(図4(A)と逆曲げ金型33Bに(図4(B))関して、入力された実際上の刃先位置(Yu,Zu)、(Yd,Zd)と理論上の刃先位置(yu,zu)、(yd,zd)との誤差(ΔYu、ΔZu)、(ΔYd、ΔZd)が算出される。
【0074】
更に、この誤差はY成分とZ成分に分けられてベンドビーム33の寸法に反映され(図5)、ベンドビーム33の寸法は、正曲げ金型33Aについては、(Yu=yu+ΔYu、Zu=zu+ΔZu)とし(図5(A))、逆曲げ金型33Bについては(図5(B))、(Yd=yd+ΔYd、Zd=zd+ΔZd)とする。
【0075】
次のステップ104以降のステップにおいては、このように誤差が反映されたベンドビーム33の実際上の刃先位置(Yu,Zu)、(Yd,Zd)と、D軸21の回転角θとの関係に基づいて(図6、図7)、データが処理される。
【0076】
(2)所定の干渉領域KA 、KB の設定動作。
【0077】
次いで、図3のステップ104において、所定の干渉領域KA 、KB を背低する。
【0078】
即ち、干渉領域設定手段3Bにおいては(図2)、トップダイ31の上面c又はボトムダイ32の下面e及び所定の直線に包囲された干渉領域KA 、KB が(図8)設定される。
【0079】
この場合、安全性などを考慮し、正曲げ金型33Aについては(図8(A))、ボトムダイ32の刃先に接する垂直線aとトップダイ31の上面cに平行な直線bと該上面cに包囲された領域を、干渉領域KA として設定する。
【0080】
また、同様に、逆曲げ金型33Bについては(図8(B))、上記垂直線aとボトムダイ32の下面eに平行な直線dと該下面eに包囲された領域を、干渉領域KB として設定する。
【0081】
(3)ベンドビーム33の刃先が干渉領域KA 、KB に接触する場合のD軸21の回転角θMAX 、θMIN を算出する動作。
【0082】
次に、図3のステップ105において、刃先が干渉領域KA 、KB に接触したか否かを判断し、接触しない場合には(NO)同じ動作を繰り返し、接触した場合には(YES)ステップ106において、干渉領域KA 、KB に接触した場合の刃先位置(YuMAX ,ZuMAX )、(YdMIN ,ZdMIN )を算出し、ステップ107において、その刃先位置(YuMAX ,ZuMAX )、(YdMIN ,ZdMIN )に対応するD軸21の回転角θMAX 、θMIN を算出する。
【0083】
即ち、刃先動作限界算出手段3Cは(図2)、前段の誤差算出・反映手段3Aからは、誤差(ΔYu、ΔZu)、(ΔYd、ΔZd)を反映したベンドビーム33の寸法(Yu=yu+ΔYu、Zu=zu+ΔZu)、(Yd=yd+ΔYd、Zd=zd+ΔZd)を(図5〜図7)、また干渉領域設定手段3Bからは、設定された干渉領域KA 、KB を(図8)それぞれ表すデータを入力する。
【0084】
そして、これらデータを入力した刃先動作限界算出手段3Cは(図2)、ベンドビーム33の刃先が、上記干渉領域KA 、KB に接触した場合の刃先位置(YuMAX ,ZuMAX )、(YdMIN ,ZdMIN )を(図8(A)、図8(B))算出する。
【0085】
次に、この算出されたベンドビーム33の刃先位置(YuMAX ,ZuMAX )、(YdMIN ,ZdMIN )は、次段のD軸動作限界算出手段3Dに送信され(図2)、それらの刃先位置に対応するD軸21の回転角θMAX 、θMIN が(図8(A)、図8(B))算出される。
【0086】
(4)D軸21の回転角θMAX 、θMIN の登録動作。
【0087】
最後に、図3のステップ108において、D軸21の回転角θMAX 、θMIN を動作限界として登録する。
【0088】
即ち、D軸動作限界算出手段3Dにより算出されたD軸21の回転角θMAX 、θMIN は、該D軸21がそれより上方(図8(A))又は下方に(図8(B))回転できないことから、上方動作限界又は下方動作限界である。
【0089】
従って、このD軸動作限界算出手段3Dにより算出されたD軸21の回転角θMAX 、θMIN を動作限界としてメモリ4(図1)に登録しておき、CPU1は、パネルベンダ30がワークWを加工中に、D軸21が、このメモリ4に登録された動作限界θMAX 、θMIN を越えないようにベンドビーム制御手段を介して回転制御する。
【0090】
【発明の効果】
上記のとおり、本発明によれば、曲げ加工装置を、ベンドビームの刃先位置の誤差を予め算出して該ベンドビームの寸法に反映させ、ベンドビームの刃先がトップダイとボトムダイの近傍に設定された干渉領域に接触する場合のD軸の回転角を算出する算出手段を有するように構成したことにより、誤差を考慮することにより、ベンドビームの刃先がトップダイとボトムダイに干渉する場合のD軸の動作限界を正確に求めることができ、ワークの加工範囲を拡大するという技術的効果を奏することとなった。
【0091】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す全体図である。
【図2】本発明を構成する算出手段3の詳細図である。
【図3】本発明の動作を説明するフローチャートである。
【図4】本発明による誤差の説明図である。
【図5】本発明による誤差を反映したベンドビーム33の寸法の説明図である。
【図6】本発明により誤差を反映したベンドビーム33の寸法とD軸21の回転角θとの関係を示す図である。
【図7】図6の具体例を示す図である。
【図8】本発明による干渉領域KA 、KB の説明図である。
【図9】従来の2軸駆動方式による曲げ加工装置の説明図である。
【図10】従来の1軸駆動方式による曲げ加工装置の説明図である。
【符号の説明】
1 CPU1
2 入力手段
3 算出手段
4 メモリ
5 出力手段
6 シーケンサ
7 ベンドビーム制御手段
8 クランプビーム制御手段
9 マニピュレータ制御手段
21 D軸
30 パネルベンダ
31 トップダイ
32 ボトムダイ
33 ベンドビーム
33A 正曲げ金型
33B 逆曲げ金型
34 マニピュレータ
35 クランパ
37 Y軸
KA 、KB 干渉領域
W ワーク
Claims (6)
- D軸のみで上下方向に移動するベンドビームにより、トップダイとボトムダイでクランプされたワークに曲げ加工を施す曲げ加工装置において、
上記ベンドビームの刃先位置の誤差を予め算出して該ベンドビームの寸法に反映させ、ベンドビームの刃先がトップダイとボトムダイの近傍に設定された干渉領域に接触する場合のD軸の回転角を算出する算出手段を有することを特徴とする曲げ加工装置。 - 上記算出手段が、誤差算出・反映手段と、干渉領域設定手段と、刃先動作限界算出手段と、D軸動作限界算出手段により構成されている請求項1記載の曲げ加工装置。
- 上記誤差算出・反映手段は、D軸の任意の回転角に対するベンドビームの実際上の刃先位置と理論上の刃先位置の誤差を算出し、該誤差をベンドビームの寸法に反映させる請求項2記載の曲げ加工装置。
- 上記干渉領域設定手段は、トップダイの上面又はボトムダイの下面及び所定の直線に包囲された干渉領域を設定する請求項2記載の曲げ加工装置。
- 上記刃先動作限界算出手段は、干渉領域設定手段により設定された干渉領域に対して、ベンドビームの刃先が接触する場合の刃先位置を算出する請求項2記載の曲げ加工装置。
- 上記D軸動作限界算出手段は、刃先動作限界算出手段により算出されたベンドビームの刃先位置に対応するD軸の回転角を算出する請求項2記載の曲げ加工装置。
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