JP4424673B2 - 自動適合用のパラメータ操作ルール探索方法および自動適合方法 - Google Patents

自動適合用のパラメータ操作ルール探索方法および自動適合方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4424673B2
JP4424673B2 JP2005032694A JP2005032694A JP4424673B2 JP 4424673 B2 JP4424673 B2 JP 4424673B2 JP 2005032694 A JP2005032694 A JP 2005032694A JP 2005032694 A JP2005032694 A JP 2005032694A JP 4424673 B2 JP4424673 B2 JP 4424673B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
parameter
value
amount
rule
search method
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005032694A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006220030A (ja
Inventor
雄介 野▲崎▼
隆雄 福間
一男 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
THE UNIVERSITY OF ELECTRO-COMUNICATINS
Toyota Motor Corp
Original Assignee
THE UNIVERSITY OF ELECTRO-COMUNICATINS
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by THE UNIVERSITY OF ELECTRO-COMUNICATINS, Toyota Motor Corp filed Critical THE UNIVERSITY OF ELECTRO-COMUNICATINS
Priority to JP2005032694A priority Critical patent/JP4424673B2/ja
Publication of JP2006220030A publication Critical patent/JP2006220030A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4424673B2 publication Critical patent/JP4424673B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

Landscapes

  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

本発明は自動適合用のパラメータ操作ルール探索方法および自動適合方法に関する。
従来より新しい内燃機関を開発するときには最適な機関の出力値を得ることのできる機関運転制御用パラメータの値を探索する作業、即ち適合作業が行われる。この適合作業では、燃料噴射時期やコモンレール圧のようなパラメータの各値を経験に基づいて少しずつ変化させることにより長い時間をかけて最適な機関の出力値、例えば最適な排気エミッション量を得ることのできるパラメータの適合値が探索される。これは新しい車両を開発するときについても同様である。
しかしながらこのように経験に基づいてパラメータの適合値を探索するといってもパラメータの数が多くなると最適な各パラメータの適合値を見い出すことが困難となり、しかもパラメータの適合値を見い出すためには長い時間を要するために開発に時間を要するばかりでなく、多大の労力を必要とするという問題がある。
そこでパラメータの適合作業を自動的に行うようにした自動適合装置が既に提案されている(特許文献1参照)。この自動適合装置では、出力値を適合目標値とするためのパラメータの操作順序と操作方向とが各出力値に対して夫々予め定められており、この操作順序および操作方向に従いパラメータを一つずつ順次操作してパラメータの適合値が一つずつ順次決定される。
特開2004−124935号公報
しかしながらこのようにパラメータを一つずつ順次操作してパラメータの適合値を探索するようにした場合には全てのパラメータの適合値の探索が完了するまで長い時間を要するという問題がある。これに対し、例えば各パラメータの操作方向を経験に基づき予め設定しておくと、即ち各パラメータの操作方向を予めルール化しておくと各パラメータを種々の方向に操作する必要がないのでパラメータの適合値の探索時間を短かくすることができる。しかしながらこのようにパラメータの操作方向を予めルール化しておくといくつかのパラメータについて実際に操作すべき方向がルール化されている操作方向と異なる方向となる場合があり、この場合にはパラメータの適合値を探索することができないという問題を生ずる。
上記問題点を解決するために本発明によれば、予め定められている複数の機関運転制御用パラメータの値を全てのパラメータに対して順次規定量だけ増大および減少させると共にこのときの出力値の改善度合を各パラメータの値の組合せについて夫々求め、次いで最も改善度合の高かったパラメータの値の組合せをパラメータ基準値としてパラメータの値を全てのパラメータ又は一部を除外したパラメータに対して順次規定量だけ増大および減少させると共にこのときの出力値の改善度合を各パラメータの値の組合せについて夫々求め、次いでこれを繰返すことにより出力値を改善するためのパラメータの操作方向についてのルールを探索するようにしている。
パラメータの適合値を求めるのに必要なパラメータの操作方向についてのルールを定めることができる。
図1は圧縮着火式内燃機関の運転制御用パラメータを自動適合するための自動適合装置全体を示している。なお、この場合、内燃機関は火花点火式内燃機関であってもよい。
図1を参照すると、1は機関本体、2は各気筒3の燃焼室内に向けて燃料を噴射するための電気制御式燃料噴射弁、4は吸気マニホルド、5は排気マニホルド、6は排気ターボチャージャを夫々示す。吸気マニホルド4は排気ターボチャージャ6の吸気コンプレッサ6aの出口部に連結され、吸気コンプレッサ6aの入口部は吸気ダクト7を介してエアクリーナ8に連結される。吸気ダクト7内にはステップモータのようなアクチュエータ9により駆動される吸気スロットル弁10が配置される。
一方、排気マニホルド5は排気ターボチャージャ6の排気タービン6bの入口部に連結され、排気タービン6bの出口部は排気管12に連結される。吸気マニホルド4と排気マニホルド5とは排気ガス再循環(以下、EGRと称す)通路13を介して互いに連結され、EGR通路13内にはステップモータのようなアクチュエータ14により駆動されるEGR制御弁15が配置されている。
一方、燃料噴射弁2は燃料供給管16を介してコモンレール17に連結される。このコモンレール17内へは電気制御式の吐出量可変な燃料ポンプ18から燃料が供給され、コモンレール17内に供給された燃料は各燃料供給管16を介して燃料噴射弁2に供給される。コモンレール17にはコモンレール17内の燃料圧を検出するための燃料圧センサ19が取付けられ、燃料圧センサ19の出力信号に基づいてコモンレール17内の燃料圧が目標燃料圧となるように燃料ポンプ18の吐出量が制御される。
内燃機関の運転を制御するための電子制御装置20はデジタルコンピュータからなり、双方向性バス21によって互いに接続されたROM(リードオンリメモリ)22、RAM(ランダムアクセスメモリ)23、CPU(マイクロプロセッサ)24、および入出力ポート25を具備する。入出力ポート25には燃料圧センサ19等の種々のセンサの出力信号が夫々対応するAD変換器26を介して入力される。また、アクセルペダル28にはアクセルペダル28の踏込み量に比例した出力電圧を発生する負荷センサ29が接続され、この負荷センサ29の出力信号が対応するAD変換器26を介して入出力ポート25に入力される。クランク角センサ30は例えば機関が15°クランク角回転する毎に出力パルスを発生し、この出力パルスが入出力ポート25に入力される。
一方、入出力ポート25は対応する駆動回路27を介して燃料噴射弁2、吸気スロットル弁用アクチュエータ9、EGR制御弁用アクチュエータ14および燃料ポンプ18に接続される。また、排気タービン6bのディフェーザ部にはアクチュエータ31によって駆動される多数のベーンノズル32からなる可変ノズル機構が配置されており、入出力ポート25は対応する駆動回路27を介してアクチュエータ31に接続される。
図1に示されるように適合作業を行うための電子制御ユニット40が設けられており、内燃機関の出力軸は動力計41に連結されている。この動力計41は電子制御ユニット40に接続されており、電子制御ユニット40によって制御される。また、排気ガス中のNOx量、スモーク濃度、パティキュレート量、HC量、CO量等の排気成分の分析計42と、内燃機関が発生する騒音振動を検出する騒音振動計43とが設けられており、これら排気成分分析計42および騒音振動計43の出力信号は電子制御ユニット40に入力される。また、電子制御ユニット40と電子制御ユニット20の入出力ポート25とは双方向性バス44を介して互いに接続されている。
本発明による自動適合方法では、複数の出力値に対して夫々適合目標値が定められており、各出力値が夫々対応する適合目標値を満たすように機関制御用パラメータが操作される。
ここで、本発明による実施例では複数の出力値としてエミッションおよび騒音振動又はそれらのうちの一部が採用されており、また、エミッションとしては排気ガス中のNOx量、スモーク濃度又はパティキュレート量、HC量、CO量の全て又はそれらのうちの一部が採用されている。
なお、各適合運転状態はマップ上の点として定められており、本発明による実施例では各適合運転状態は図2において黒丸で示されるように機関負荷Lと機関回転数Nの関数である。即ち、図2において黒丸で示される各適合運転状態に対して夫々各出力値の適合目標値が定められている。
一方、本発明による実施例では適合すべき機関制御用パラメータは、メイン噴射時期、パイロット噴射量、パイロット噴射時期、コモンレール圧、吸気スロットル弁の開度、EGR制御弁の開度、ターボチャージャの可変ノズルの開度、即ち過給圧の全て又はそれらのうちの一部である。これらの機関制御用パラメータは前述したように各出力値が夫々対応する適合目標値を満たすように操作される。
さて、本発明ではパラメータの適合を行うためにパラメータを操作すべき方向については予め定められておらず、従ってパラメータを操作すべき方向についてのルールを作ることから開始される。図3は、NOx、スモーク、HC、騒音振動を出力値とし、これら出力値が悪化したときに操作すべき機関運転制御用パラメータがメイン噴射時期、コモンレール圧、吸気スロットル弁、EGR制御弁、過給圧、即ちターボチャージャの可変ノズルの開度とされた場合を示している。
図3に示されるように本発明ではNOxが悪化した場合にメイン噴射時期をプラス(遅角)にするかマイナス(進角)にするか、コモンレール圧をプラス(増大)にするかマイナス(減少)にするか、吸気スロットルの開度をプラス(増大)にするかマイナス(減少)にするか、EGR制御弁の開度をプラス(増大)にするかマイナス(減少)にするか、過給圧をプラス(増大)にするかマイナス(減少)にするかについては予め定められていない。このことは他の出力値、即ち、スモーク、HC、騒音振動についても同様である。
次に本発明によるパラメータ操作方向のルール作りについて説明する。本発明によればこのルール作りは予め定められた代表的な運転状態において行われ、各運転状態ではまず初めに各パラメータについて初期値が決定される。この初期値は同様な形式のエンジンについて既に求められている最適値を参考にして決定される。次いで各パラメータの値が初期値を基準として全てのパラメータに対して順次規定量だけ増大および減少される。この場合、この規定量は各パラメータについて経験に基づき決定されている。なお、パラメータの値がメイン噴射時期である場合には、遅角するときにはパラメータの値を増大すると称し、進角するときにはパラメータの値を減少すると称する。
図4から図15は、NOxが改善されるようにパラメータの値を順次規定量だけ増大および減少させるようにした場合の具体例を示している。なお、この具体例では順次増大および減少される規定量はメイン噴射時期についてはaとされており、コモンレール圧についてはbとされており、吸気スロットル弁の開度についてはcとされており、EGR制御弁の開度についてはdとされており、過給圧についてはeとされている。
図4はパラメータを1〜10の操作順序に従って操作したときの各パラメータの値を示している。即ち、操作順序1ではメイン噴射時期が初期値に対して規定量aだけ増大せしめられ、他のパラメータ、即ちコモンレール圧、吸気スロットル弁の開度、EGR制御弁の開度、および過給圧については初期値のままとされる。次いで操作順序2ではメイン噴射時期が初期値に対して規定量aだけ減少せしめられ、他のパラメータは初期値のままとされる。一方、操作順序3ではコモンレール圧が初期値に対して規定量bだけ増大せしめられ、他のパラメータは初期値のままとされる。次いで操作順序4ではコモンレール圧が初期値に対して規定量bだけ減少せしめられ、他のパラメータは初期値のままとされる。
次いで操作順序5では吸気スロットル弁の開度が初期値に対して規定量cだけ増大せしめられ、他のパラメータは初期値のままとされる。次いで操作順序6では吸気スロットル弁の開度が初期値に対して規定量cだけ減少せしめられ、他のパラメータは初期値のままとされる。次いで操作順序7ではEGR制御弁の開度が初期値に対して規定量dだけ増大せしめられ、他のパラメータは初期値のままとされる。次いで操作順序8ではEGR制御弁の開度が初期値に対して規定量dだけ減少せしめられ、他のパラメータは初期値のままとされる。
次いで操作順序9では過給圧が初期値に対して規定量eだけ増大せしめられ、他のパラメータは初期値のままとされる。操作順序10では過給圧が初期値に対して規定量eだけ減少せしめられ、他のパラメータは初期値のままとされる。このように操作順序に従って各パラメータの値が順次規定量だけ増大および減少せしめられる。
一方、このように操作順序に従って各パラメータの値を増大又は減少させたときに出力値、即ち図4から図15に示す例ではNOx量が検出され、操作順序1から10に示される各パラメータの値の組合せについて夫々出力値の改善度合、図4から図15に示す例ではNOx量の改善度合が求められる。本発明による実施例では出力値の改善度合が評価関数を用いて判断されており、この評価関数として各出力値の目標値に対する実際の出力値の割合、即ち出力値/目標値が用いられている。即ち、NOxについてはNOx量/NOx量の目標値が評価関数とされ、スモークについてはスモーク濃度/スモーク濃度の目標値が評価関数とされ、HCについてはHC量/HCの目標値が評価関数とされ、騒音振動については騒音振動の大きさ/騒音振動の目標値が評価関数とされる。
この評価関数の値は出力値が目標値を満たしているときには1.0よりも小さいか1.0に等しく、出力値が目標値を超過すると、即ち出力値が悪化すると評価関数の値は1.0よりも大きくなる。図5(A)は図4の操作順序に従ってパラメータの値を増大又は減少させたときのNOx量についての評価関数の値の一例を示している。なお、図5(A)の横軸における+は対応するパラメータの値が規定量だけ増大されたときを示しており、−は対応するパラメータの値が規定量だけ減少されたときを示している。即ち、例えば図5(A)の横軸においてメイン噴射時期が+は図4においてメイン噴射時期を規定量aだけ増大(遅角)した場合を示しており、図5の横軸においてメイン噴射時期が−は図4においてメイン噴射時期を規定量aだけ減少(進角)した場合を示している。これは他の同様の図についても同じである。
本発明による実施例では図5(A)において評価関数の値が初期値に対し一定値ΔX以上低下したときに出力値、図5に示す例ではNOx量が改善したと判断される。図5(A)において評価関数の値が初期値に対し一定値ΔX以上低下するのはメイン噴射時期をプラスにしたとき、即ち増大したときと、コモンレール圧をマイナスにしたとき、即ち減少したときと、EGR制御弁の開度をプラスにしたとき、即ち増大したときであり、これらのときにNOxが改善したと判断される。
このように本発明による実施例ではパラメータの値を順次規定量だけ増大又は減少させたときに出力値が改善するパラメータの操作方向が存在するか否かが判断され、次いで、各パラメータの操作方向について出力値が改善するパラメータの操作方向となる頻度が求められる。例えばメイン噴射時期については、NOx量が改善するパラメータの操作方向はプラス方向であるので図5(B)に示されるようにメイン噴射時期のプラス側の操作頻度が1とされ、コモンレール圧についてはNOx量が改善するパラメータの操作方向はマイナス方向であるので図5(B)に示されるようにコモンレール圧のマイナス側の操作頻度が1とされ、EGR制御弁の開度についてはNOx量が改善するパラメータの操作方向はプラス方向であるので図5(B)に示されるようにEGR制御弁の開度のプラス側の操作頻度が1とされる。
このようにして第1回目の評価が完了すると、次いで最も改善度合の高かったパラメータの値の組合せをパラメータ基準値としてパラメータの値を全てのパラメータ又は一部を除外したパラメータに対して順次規定量だけ増大および減少させると共にこのときの出力値の改善度合を各パラメータの値の組合せについて夫々求める第2回目の評価が実行される。
即ち、図5(A)に示す例ではメイン噴射時期をプラスにしたときの改善度合が最も高く、従って第2回目の評価については図6に示されるようにメイン噴射時期をプラスにしたとき、即ちメイン噴射時期を規定量aだけ増大したときのパラメータの値の組合せをパラメータ基準値として各パラメータの値が順次規定量だけ増大および減少せしめられる。
即ち、図6の操作順序1ではメイン噴射時期が基準値aに対して規定量aだけ増大せしめられるのでメイン噴射時期は初期値に対して+2aとなり、他のパラメータは初期値のままとされる。次いで操作順序1′ではメイン噴射時期が基準値aに対して規定量aだけ減少せしめられるのでメイン噴射時期は初期値となり、他のパラメータも初期値とされる。
即ち、操作順序1′では全てのパラメータの値が初期値となり、従ってこのパラメータの値の組合せについての評価は省略される。なお、図8、図10および図12に示されるように各パラメータの組合せについて評価を行うと既に評価を完了しているパラメータの組合せが登場する。これらパラメータの組合せは図8、図10および図12において×印を付してあるようにパラメータの評価が省略される。
一方、図6において操作順序2ではコモンレール圧が基準値に対して規定量bだけ増大せしめられる。一方、このときメイン噴射時期は基準値aとされており、他のパラメータは初期値のままとされる。次いで操作順序3ではコモンレール圧が基準値に対して規定量bだけ減少せしめられる。このときもメイン噴射時期は基準値aとされており、他のパラメータは初期値のままとされる。なお、これ以後の操作順序4から9におけるパラメータの値の組合せは特に説明を要しないと考えられるので説明を省略する。
第2回目の評価の結果が図7(A)および(B)に示されている。なお、図7(A)において破線は以前に求められている評価関数の値を示している。図7(A)における基準値は図5においてメイン噴射時期がプラスのときの評価関数の値であり、図7(A)においては評価関数の値がこの基準値に対し一定値ΔX以下のときにNOx量が改善されたと判断される。また、この場合も図7(B)に示されるようにNOx量が改善するパラメータの操作方向の操作頻度が更新される。
このようにして第2回目の評価が完了すると、最も改善度合の高かったパラメータの値の組合せをパラメータ基準値として図8に示されるようにパラメータの値を全てのパラメータ又は一部を除外したパラメータに対して順次規定量だけ増大および減少させると共に、図9(A)に示されるようにこのときの出力値の改善度合を各パラメータの値の組合せについて夫々求める第3回目の評価が実行される。次いで図10および図11(A)に基づいて第4回目の評価が行われ、図12および図13(A)に基づいて第5回目の評価が行われる。
即ち、図7(A)に示される第2回目の評価ではコモンレール圧がマイナスのときにNOx量の改善度合が最も高くなるので図8に示されるようにコモンレール圧が初期値に対して−bのときのパラメータの組合せが規準とされ、第3回目の評価が行われる。従ってこのときには図8に示されるように操作順序が1のときにはメイン噴射時期は初期値に対して+2aとされ、コモンレール圧は初期値に対して−bとされ、他のパラメータは初期値のままとされる。
図9(A)に示される第3回目の評価ではEGR制御弁の開度がプラスのときにNOx量の改善度合が最も高くなるので図10に示されるように過給圧が初期値に対して+dのときのパラメータの組合せが規準とされ、第4回目の評価が行われる。従ってこのときには図10に示されるように操作順序が1のときにはメイン噴射時期は初期値に対して+2aとされ、コモンレール圧は初期値に対して−bとされ、EGR制御弁の開度が初期値に対して+dとされ、他のパラメータは初期値のままとされる。
図11(A)に示される第4回目の評価ではメイン噴射時期がプラスのときにNOx量の改善度合が最も高くなるので図12に示されるようメイン噴射時期が初期値に対して+2aのときのパラメータの組合せが規準とされ、第5回目の評価が行われる。従ってこのときには図12に示されるように操作順序が1のときにはメイン噴射時期は初期値に対して+3aとされ、コモンレール圧は初期値に対して−bとされ、EGR制御弁の開度が初期値に対して+dとされ他のパラメータは初期値のままとされる。
図13(A)に示される第5回目の評価ではコモンレール圧がプラスのときにNOx量の改善度合が最も高くなる。図5(A)、図7(A)、図9(A)、図11(A)および図13(A)からわかるように評価が進むと評価関数の値は次第に小さくなり、図5(B)、図7(B)、図9(B)、図11(B)および図13(B)に示されるように各パラメータの操作頻度は次第に増大する。
図14(A)は更に評価が進んでいずれかのパラメータの値を増大又は減少したときに、図14(A)に示す例ではコモンレール圧を減少させたときに評価関数の値が1.0以下になったときを示している。このように評価関数の値が1.0以下になるとパラメータの操作方向についてのルールが探索しえたと判断され、ルールの探索作業が停止される。図14(B)はこのときのパラメータの操作頻度を示しており、この操作頻度からパラメータの操作方向についてのルールが作成される。
即ち、図14(B)においてメイン噴射時期に注目すると、メイン噴射時期がプラス側に操作された頻度はメイン噴射時期がマイナス側に操作された頻度に比べてかなり大きい。このことはNOx量を改善するにはメイン噴射時期をプラス側に操作すべきことを示している。コモンレール圧についてはプラス側に操作された頻度に比べてマイナス側に操作された頻度が大きく、従ってNOx量を改善するにはコモンレール圧はマイナス側に操作する必要がある。
一方、吸気スロットル弁の開度についてはプラス側に操作された頻度に比べてマイナス側に操作された頻度が大きく、従ってNOx量を改善するには吸気スロットル弁の開度はマイナス側に操作する必要がある。また、EGR制御弁の開度についてはプラス側に操作された頻度に比べてマイナス側に操作された頻度が小さく、従ってNOx量を改善するにはEGR制御弁の開度はプラス側に操作する必要がある。また、過給圧についてはプラス側に操作された頻度に比べてマイナス側に操作された頻度が大きく、従ってNOx量を改善するには過給圧はマイナス側に操作する必要がある。
図14(B)から判断された各パラメータを操作すべき方向が図15に示されている。このようにしてNOx量を改善するために各パラメータを操作すべき方向が決定される。
なお、図14(B)について一般的な表現をすると、本発明による実施例ではパラメータの操作頻度をパラメータの操作方向が第1の方向となる第1の頻度と、パラメータの操作方向が第1の方向とは逆方向の第2の方向となる第2頻度とに分けて求め、これら第1の頻度と第2の頻度を比較し、第1の頻度と第2の頻度との差が予め定められた頻度よりも大きいときには頻度が大きい方の方向をパラメータの操作方向とするようにしている。なお、この場合パラメータがメイン噴射時期であるときには第1の方向が遅角方向で第2の方向が進角方向であり、パラメータがコモンレール圧、再循環排気ガス制御弁の開度、吸気スロットル弁の開度又はターボチャージャの可変ノズルの開度であるときには第1の方向が増大方向であって第2の方向が減少方向である。
このようにしてNOx量を改善するための各パラメータの操作方法についてのルールが決定されるが、他の出力値、即ちスモーク濃度、HC量、騒音振動についても夫々スモーク濃度、HC量、騒音振動を改善するための各パラメータの操作方向についてのルールが決定される。なお、前述したようにこのルール作りは予め定められた代表的な運転状態において行われる。具体的に言うと、この代表的な運転状態は図2において黒丸で示される適合運転状態のうちから選択された代表的な運転状態であり、これら代表的な運転状態以外の運転状態におけるルールは代表的な運転状態におけるルールから求められる。
さて、上述したようにパラメータの値を順次規定量だけ増大又は減少させるパラメータ値の増減作用と各パラメータの値の組合せにおける出力値の改善度合の評価とを繰返すと多くの場合、パラメータの操作方向についてのルールを定めることができる。しかしながらこのようなパラメータ値の増減作用と改善度合の評価とを繰返しても評価関数の値が1.0以下にならなかったり、或いはプラス側操作頻度とマイナス側操作頻度間に差がないためにパラメータの操作方向を決定しえなかったりして、全てのパラメータの操作方向についてのルールを定められない場合もある。
このような場合、本発明による実施例では、ルール化できなかったパラメータについてパラメータの値を操作することによりパラメータの最適値を探索し、ルール化できなかったパラメータの最適値が探索しえたときには再びルール化できなかったパラメータ以外のパラメータの値を順次規定量だけ増大又は減少させるパラメータ値の増減作用と各パラメータの値の組合せにおける出力値の改善度合の評価とを繰返すことにより再度パラメータの操作方向についてのルールを探索するようにしている。以下、ルール化できなかったパラメータがパイロット噴射量およびパイロット噴射時期であった場合を例にとってパラメータの最適値探索方法について説明する。
パラメータの最適値を探索する方法は種々の方法があり、代表的な方法としては線形探索手法がよく知られている。この線形探索手法では例えばパイロット噴射量およびパイロット噴射時期の異なる3つの運転状態における評価関数の値から評価関数の値が低くなる方向にパイロット噴射量およびパイロット噴射時期を増大又は減少させ、これを繰返すことによってパイロット噴射量およびパイロット噴射時期の最適値が求められる。また、パイロット噴射量およびパイロット噴射時期の操作順序および操作方向を予め定めておいてこの予め定められている操作順序および操作方向に従ってパイロット噴射量およびパイロット噴射時期を増大又は減少させることによりパイロット噴射量およびパイロット噴射時期の最適値を求めることができる。
例えばNOx量および騒音振動に対してはパラメータの操作方向についてルール化しえたとすると図16に示されるようにNOxおよび騒音振動についてはパイロット噴射量およびパイロット噴射時期はルール化されたときの値、即ち初期値のままとされる。これに対し、スモーク濃度およびHC量に対してはパラメータの操作方向についてルール化しえなかったとすると例えば線形探索手法を用いて図16に示されるようにスモークおよびHCに対しパイロット噴射量の最適値PIsおよびPIhが求められ、パイロット噴射間隔の最適値PθsおよびPθhが求められる。次いでこれらの最適値を用いてスモーク濃度およびHC量を改善するためのパラメータの操作方向の探索作用が再び行われる。
なお、線形探索手法による探索を行っても最適値が探索できないときには非線形探索手法によりパラメータの最適値の探索を行うこともできる。即ち、線形探索手法による探索を行った場合、最適値が探索できないのは最適値が存在しない場合と、図17(A)に示されるように最適値、即ち真の解が存在するにもかかわらず局所解に陥ってしまう場合とがある。即ち、線形探索手法を用いて図17(A)の矢印で示すようにパラメータの値が評価関数の値の低くなる方向に変化せしめられたときパラメータの値が局所解に達すると探索作業が完了してしまい、斯くして最適値が得られなくなる。
後者の場合、即ちパラメータの値が局所解となったときには非線形探索を行うことにより最適値を探索しうる場合があり、従って上述したように非線形探索手法により最適値の探索を行うようにしてもよい。図17(B)は代表的な非線形探索手法であるコンプレックス法を示している。即ち、このコンプレックス法ではパイロット噴射量とパイロット噴射間隔について出力値が悪化する状態Aと、出力値が最良となる状態Bと、出力値が良好となる状態Cの重心Gが求められ、この重心Gに関して状態Aと反対側の状態Dが次に評価すべき状態とされる。
次に図18を参照しつつパラメータの操作方向についてのルールの探索ルーチンについいて説明する。
図18を参照するとまず初めにステップ100において予め定められた出力値に対するルールを探索すべき機関の運転状態における各パラメータの初期値が読込まれる。次いでステップ101では全てのパラメータ又は一部を除外したパラメータに対してパラメータの値が順次図4に示されるような規定量だけ増大および減少せしめられる。次いでステップ102では図5に示されるように各パラメータの組合せについて評価関数の値が算出される。
次いでステップ103では評価関数の値の最も低いパラメータの組合せにおける各パラメータの値が次に評価を行うときのパラメータの基準値とされる。次いでステップ104では図5(B)に示されるように操作頻度が更新される。次いでステップ105では評価関数の値が1.0以下になったか否か、即ち、パラメータの値の探索が終了したか否かが判別される。探索が終了していないときにはステップ101に戻ってパラメータの値が順次図6に示されるような規定量だけ増大および減少せしめられる。
図14(A)に示されるように評価関数の値が1.0以下になるとステップ106に進んで図14(B)に示されるプラス側の操作頻度とマイナス側の操作頻度が比較される。次いでステップ107では各パラメータについてプラス側頻度とマイナス側頻度との差が大きいか否か、即ち優位差があるか否かが判別される。優位差があるときにはパラメータの操作ルールの学習が完了したと判断され、ステップ108に進んで図15に示すような操作ルールが決定される。これに対し、優先差がないときにはパラメータの操作ルールの学習が完了していない、即ちルール化できなかったと判断され、ステップ110に進んで非ルール探索が実行される。なお、パラメータの増大減少操作を規定回数以上繰返しても評価関数の値が1.0以下にならなかったときにもステップ105において探索が完了したと判断され、ステップ110に進んで非ルール探索が実行される。
この非ルール探索は前述した線形探索手法による探索と非線形探索手法による探索からなり、基本的には線形探索手法による探索によりステップ111においてルール化できなかったパラメータの最適値が求められる。ルール化できなかったパラメータの最適値が求まるとステップ101に戻って再びパラメータの操作方向の探索が開始される。操作ルールが決定されるとステップ109に進んで全ての出力値に対し全ての代表的な運転状態について全てのパラメータ操作方向についてのルールが決定されたか否かが判別され、全てのルールが決定されていないときにはステップ100に戻って全てのルールが決定されるまでルールの探索が行われる。
図19に全ての出力値に対して全てのパラメータの探索が完了したときのパラメータの操作方向についてルールの一例を示している。このルールによると例えばNOx量については、メイン噴射時期を遅角し、コモンレール圧を減少させ、吸気スロットル弁の開度を減少させ、EGR制御弁の開度を増大させ、可変ノズルを閉じる方向に駆動して過給圧を減少させればNOx量を改善しうることがわかる。また、スモーク濃度についてはコモンレール圧を増大させ、吸気スロットル弁の開度を増大させ、EGR制御弁の開度を減少させればスモーク濃度を改善しうることがわかる。
次に図19に示されるルールを用いて行われる自動適合方法について説明する。本発明による実施例では、複数の出力値に対して夫々適合目標値が定められており、各出力値が夫々対応する適合目標値を満たすようにファジィ推論を用いて複数の機関制御用パラメータが同時に操作され、それによって各パラメータの適合値が探索される。
なお、適合目標値についてみると、本発明による実施例ではこれら出力値のうちNOx量、パティキュレート量、HC量、CO量の適合目標値はエミッションを評価するための走行モードで走行したときの積算値である総量目標値とされており、残りの出力値、即ち騒音振動、スモーク濃度の適合目標値は各適合運転状態における目標値とされている。また、総量目標値が定められているNOx量、パティキュレート量、HC量、CO量についても各適合運転状態における適合目標値が合わせて設定されている。
まず初めに、図19に示されるルールのファジィ化について説明する。図19に示されるルールは「…した場合には…される」という構成になっており、この構成において「…した場合には」に当る前半は前件部と称され、「…される」に当る後半は後件部と称される。ファジィ推論においてはこれら前件部および後件部が夫々関数化され、前件部を関数化したものを前件部関数又はメンバーシップ関数と称しており、後件部を関数化したものを後件部関数と称している。
図20は本発明の実施例において用いられている前件部関数を示している。前件部関数の横軸は評価関数の値であり、まず初めにこの評価関数の値について説明する。本発明による実施例ではこの評価関数として各出力値の適合目標値に対する出力値の割合、即ち出力値/適合目標値が用いられており、NOxについてはNOx量/NOx量の適合目標値が評価関数とされ、スモークについてはスモーク濃度/スモーク濃度の適合目標値が評価関数とされ、HCについてはHC量/HCの適合目標値が評価関数とされ、騒音振動については騒音振動の大きさ/騒音振動の適合目標値が評価関数とされる。図20の横軸はこれら出力値についての評価関数の値である。
評価関数の値は出力値が適合目標値を満たしているときには1.0よりも小さいか1.0に等しく、出力値が適合目標値を超過すると、即ち出力値が悪化すると評価関数の値は1.0よりも大きくなる。
一方、図20に示されるように前件部関数の縦軸は出力値悪化の適合度を表しており、図20からわかるように評価関数の値がH(>1.0)のときに出力値悪化の適合度は1.0となる。即ち、評価関数の値がHになったときがいわゆる出力値が悪化したときであるとすると、いわゆる出力値が悪化したときを出力値悪化の適合度が1.0であるとしている。前述したように評価関数の値が1.0を越えると出力値が悪化しはじめ、評価関数の値が大きくなるにつれて出力値の悪化が適合度1.0に向けて進行する。それが図20の縦軸を出力値悪化の適合度を称するゆえんである。一方、評価関数の値が1.0のときには出力値は悪化しておらず、従ってこのときには出力値悪化の適合度は零となる。従って前件部関数は評価関数の値が1.0からHまで増大すると出力値悪化の適合度が零から1.0まで変化するように設定されている。なお、以下出力値悪化の適合度を単に適合度と称する。
図21は本発明の実施例において用いられている後件部関数の代表例を示している。後件部関数の横軸は図20に示される前件部関数の縦軸と同じ適合度であり、後件部関数の縦軸は各パラメータに対する適合修正量である。この適合修正量は、横軸より上側はコモンレール圧、吸気スロットル弁開度、EGR制御弁開度、過給圧であれば増大側を、メイン噴射時期であれば遅角側を夫々示しており、横軸より下側はコモンレール圧、吸気スロットル弁開度、EGR制御弁開度、過給圧であれば減少側を、メイン噴射時期であれば進角側を夫々示している。
ところで図21は後件部関数の代表例としてNOx量に対する後件部関数を示しており、このNOx量に対する後件部関数は図19に示されるNOx量に対するルールを関数化したものである。この適合ルールによると、NOx量が悪化した場合にはメイン噴射時期が遅角され、コモンレール圧が減圧され、吸気スロットル弁が閉じる方向に駆動され、EGR制御弁が開らく方向に駆動され、可変ノズルが閉じる方向に駆動されて過給圧が減圧される。
ここでNOx量が悪化した場合とは、NOx量に対する評価関数の値が1.0を越えたとき、即ち適合度が零よりも大きくなったときである。従って図21において実線A,B,C,D,Eで示されるように後件部関数は適合度が零から1.0の範囲内において図19に示されるルールに従った適合修正量が得られるように設定されている。なお、図21において実線Aはメイン噴射時期についての後件部関数を示しており、実線Bはコモンレール圧についての後件部関数を示しており、実線Cは吸気スロットル弁開度についての後件部関数を示しており、実線DはEGR制御弁開度についての後件部関数を示しており、実線Eは過給圧についての後件部関数を示している。
図21からわかるように各後件部関数A,B,C,D,Eは零を原点として延びる直線からなり、従って各適合修正量は適合度が高くなるほど増大する。図21には、図20に示されるように評価関数の値がkであり、適合度がμであるときの各パラメータの適合修正値、即ちメイン噴射時期の適合修正値ΔQI、コモンレール圧の適合修正値ΔPC、吸気スロットル弁開度の適合修正量ΔTA、EGR制御弁の適合修正量ΔEθ、過給圧の適合修正量ΔPSが示されている。なお、適合修正量ΔPSは実際には排気タービンの可変ノズルの開度に対する適合修正量であるがΔPSは過給圧の適合修正量で表した方がわかりやすいので以下、ΔPSを過給圧の適合修正量で表すこととする。
また、本発明による実施例では適合度が1.0のときの適合修正量を修正定数と称しており、この修正定数が図21においてa,b,c,d,eで示されている。この修正定数a,b,c,d,eは図4、図6、図8、図10、図12に記載されている規定量a,b,c,d,eと夫々同じ値とされている。
後件部関数は各出力値に対して夫々別個に設定されており、NOxの適合度に対する各パラメータの後件部関数およびスモークの適合度に対する各パラメータの後件部関数が図22に示されており、HCの適合度に対する各パラメータの後件部関数および騒音振動の適合度に対する各パラメータの後件部関数が図23に夫々示されている。なお、図22に示されるNOxの適合度に対する後件部関数は図21に示される各後件部関数をパラメータ毎に分けて表しただけであって図21に示される後件部関数と同一であり、従って図22に示される後件部関数には図21において対応する後件部関数と同じ符号A,B,C,D,Eが付されている。図22および図23に示される他の後件部関数は夫々図19に示されるスモーク、HC、騒音振動に対する適合ルールを関数化したものであり、特に説明を要しないと思われる。
次にファジィ推論により求められた適合修正量に基づく各パラメータの操作量について説明する。
各パラメータの操作量を求めるに当っては、まず初めに各出力値、即ちNOx、スモーク、HCおよび騒音振動についての評価関数の値が求められる。各出力値についての評価関数の値が求められると図20に示す関係から各出力値についての適合度が求められる。各出力値についての適合度が求められるとこれら適合度を用いて図22および図23に示す後件部関数から各パラメータについての適合修正量が求められ、これら適合修正量の和の平均から次式に基づいて各パラメータの操作量が算出される。
パラメータの値=前回算出されたパラメータの値
+(NOxについての後件部関数から求められた当該パラメータに関する適合修正量
+スモークについての後件部関数から求められた当該パラメータに関する適合修正量
+HCについての後件部関数から求められた当該パラメータに関する適合修正量
+騒音振動についての後件部関数から求められた当該パラメータに関する適合修正量)
/4
即ち、具体的に言うと例えばコモンレール圧は次のようにして求められる。
コモンレール圧=前回算出されたコモンレール圧
+(図22に示されるNOxについての後件部関数から求められたコモンレール圧に関
する適合修正量
+図22に示されるスモークについての後件部関数から求められたコモンレール圧に関
する適合修正量
+図23に示されるHCについての後件部関数から求められたコモンレール圧に関する
適合修正量
+図23に示される騒音振動についての後件部関数から求められたコモンレール圧に関
する適合修正量)/4
次に図24に示す自動適合ルーチンに沿って自動適合方法について説明する。
図24を参照するとまず初めにステップ200において適合を行う複数の運転状態、即ち図2におけるマップ上の点の位置が決定される。次いでステップ201では適合を行う個々の運転状態に対して夫々複数の機関運転制御用パラメータの初期値が決定され、合わせて各パラメータの探索範囲が設定される。次いでステップ202では各出力値の適合目標値が算出される。
次いでステップ203では或る一つの適合すべき運転状態においてパラメータ初期値により、機関の運転が行われ、各出力値、即ちNOx量、スモーク濃度、HC量および騒音振動の大きさが検出される。次いでステップ204では各出力値について評価関数の値が算出される。各評価関数の値が算出されるとステップ205に進んで各出力値が対応する適合目標値を満たしているか否か、即ち各評価関数の値が1.0以下であるか否かが判別される。
一つの運転状態に対してパラメータの適合が完了していないときにはステップ206に進んでファジィ推論により各パラメータについて適合修正量が算出され、これら適合修正量の和の平均から各パラメータの値が算出される。各パラメータの値が算出されるとステップ203に戻り、算出されたパラメータでもって機関の運転が行われる。
一方、ステップ205において一つの運転状態に対してパラメータの適合が完了したと判断されたときにはステップ207に進んで全ての運転状態についてパラメータの適合が完了したか否かが判別される。全ての運転状態についてパラメータの適合が完了していないと判断されたときにはステップ208に進んで次に適合を行うべき運転状態に移る。これに対しステップ207において全ての運転状態におけるパラメータの適合作業が完了したと判断されるとステップ209に進んで総量目標値を有する出力値、即ちNOx量やHC量について、エミッションを評価するための走行モードで走行したときの出力値の積算値が算出される。次いでステップ210では総量目標値を有する出力値が総量目標値を満たしているか否かが判別される。総量目標値を有する出力値が総量目標値を満たしているときには処理サイクルを完了し、自動適合が完了する。これに対して総量目標値を有する出力値が総量目標値を満たしていないときにはステップ211に進んで適合目標値が全体的に見直され、再度適合作業が行われる。
次に図25を参照しつつオンボートで自動適合するようにした自動車について説明する。
図25は自動車に搭載された機関本体1および電子制御ユニット20を示しており、この場合には適合を行うために車両制御用パラメータ(このパラメータは機関制御用パラメータも含む)を入力すると自動車の出力値を出力する車両モデルが使用されている。従ってこの場合、パラメータを操作したときの出力値は車両モデルを用いて算出した値が用いられる。その他の点については図24に示されるルーチンと同じルーチンを用いて適合作業が行われる。なお、この適合作業は工場出荷時又はバッテリ交換に行うこともできるし車両走行中に行うこともできる。
なお、図25に示されるように排気成分の分析計42、騒音振動計43等を用いて車両の実際の出力値が計測されており、これら計測された出力値に基づいて車両モデルの修正が行われる。また、図25に示されるように電子制御ユニット20の双方向性バス21にはCD−ROMのような交換可能な記録媒体33を接続することができ、車両モデルをこの記録媒体33に記憶させることもできる。更に、コンピュータに本発明による自動適合方法を実現させるためのプログラムをこの記録媒体33に記憶させることもできる。
また、排気エミッション規制値や、排気エミッション規制に対する走行モードの異なる区域に移動するような場合には通信ステーションから発信される情報に基づいてこれらエミッション規制値や走行モードが自動的に切換えられることが好ましい。従って走行モードを通信手段によって外部から受信するように構成することもできる。
自動適合装置の全体図である。 マップを示す図である。 出力値に対し操作すべきパラメータを示す図である。 パラメータの操作順序と操作方向を示す図である。 評価関数の値と操作頻度との関係を示す図である。 パラメータの操作順序と操作方向を示す図である。 評価関数の値と操作頻度との関係を示す図である。 パラメータの操作順序と操作方向を示す図である。 評価関数の値と操作頻度との関係を示す図である。 パラメータの操作順序と操作方向を示す図である。 評価関数の値と操作頻度との関係を示す図である。 パラメータの操作順序と操作方向を示す図である。 評価関数の値と操作頻度との関係を示す図である。 評価関数の値と操作頻度との関係を示す図である。 パラメータの操作方向についてのルールを示す図である。 特定のパラメータの最適値を示す図である。 非ルール探索を説明するための図である。 パラメータの操作方向のルールを探索するためのフローチャートである。 パラメータの操作方向についてのルールを示す図である。 ファジィ推論の前件部関数を示す図である。 ファジィ推論の後件部関数を示す図である。 NOxおよびスモークの適合度に対する後件部関数を示す図である。 HCおよび騒音振動の適合度に対する後件部関数を示す図である。 自動適合を行うためのフローチャートである。 内燃機関の全体図である。
符号の説明
1 機関本体
20,40 電子制御ユニット

Claims (14)

  1. 予め定められている複数の機関運転制御用パラメータの値を全てのパラメータに対して順次規定量だけ増大および減少させると共にこのときの出力値の改善度合を各パラメータの値の組合せについて夫々求め、次いで最も改善度合の高かったパラメータの値の組合せをパラメータ基準値としてパラメータの値を全てのパラメータ又は一部を除外したパラメータに対して順次規定量だけ増大および減少させると共にこのときの出力値の改善度合を各パラメータの値の組合せについて夫々求め、次いでこれを繰返すことにより出力値を改善するためのパラメータの操作方向についてのルールを探索するようにした自動適合用のパラメータ操作ルール探索方法。
  2. 上記パラメータは、メイン噴射時期、パイロット噴射量、パイロット噴射時期、コモンレール圧、再循環排気ガス制御弁の開度、吸気スロットル弁の開度、ターボチャージャの可変ノズルの開度の全て又はそれらのうちの一部である請求項1に記載のパラメータ操作ルール探索方法。
  3. 出力値がエミッション、騒音振動、燃費の全て又はそれらのうちの一部であり、エミッションが排気ガス中のNOx量、スモーク濃度又はパティキュレート量、HC量、CO量の全て又はそれらのうちの一部である請求項1に記載のパラメータ操作ルール探索方法。
  4. 目標値に対する実際の出力値の割合を表す評価関数の値から上記出力値の改善度合が判断され、その際該評価関数の値が低くなるほど出力値の改善度合が高くなったと判断される請求項1に記載のパラメータ操作ルール探索方法。
  5. パラメータの値を順次規定量だけ増大又は減少させたときに出力値が改善するパラメータの操作方向が存在するか否かを判断すると共に、各パラメータの操作方向について出力値が改善するパラメータの操作方向となる頻度を求め、該頻度に基づいてパラメータの操作方向についてのルールを探索するようにした請求項1に記載のパラメータ操作ルール探索方法。
  6. 上記頻度をパラメータの操作方向が第1の方向となる第1の頻度と、パラメータの操作方向が第1の方向とは逆方向の第2の方向となる第2の頻度とに分けて求め、これら第1の頻度と第2の頻度とを比較することによりパラメータの操作方向についてのルールを探索するようにした請求項5に記載のパラメータ操作ルール探索方法。
  7. 上記第1の頻度と第2の頻度との差が予め定められた頻度よりも大きいときには頻度が大きい方の方向をパラメータの操作方向とする請求項6に記載のパラメータ操作ルール探索方法。
  8. パラメータがメイン噴射時期であるときには第1の方向が遅角方向で第2の方向が進角方向であり、パラメータがコモンレール圧、再循環排気ガス制御弁の開度、吸気スロットル弁の開度又はターボチャージャの可変ノズルの開度であるときには第1の方向が増大方向であって第2の方向が減少方向である請求項6に記載のパラメータ操作ルール探索方法。
  9. パラメータの値を順次規定量だけ増大又は減少させるパラメータ値の増減作用と各パラメータの値の組合せにおける出力値の改善度合の評価とを繰返すことによってもパラメータの操作方向についてのルールを定めることができない場合には、ルール化できなかったパラメータについてパラメータの値を操作することによりパラメータの最適値を探索し、ルール化できなかったパラメータの最適値が探索しえたときには再びルール化できなかったパラメータ以外のパラメータの値を順次規定量だけ増大又は減少させるパラメータ値の増減作用と各パラメータの値の組合せにおける出力値の改善度合の評価とを繰返すことによりパラメータの操作方向についてのルールを探索するようにした請求項1に記載のパラメータ操作ルール探索方法。
  10. 上記パラメータの最適値の探索を線形探索手法によって行う請求項9に記載のパラメータ操作ルール探索方法。
  11. 上記線形探索手法による探索を行っても最適値が探索できないときには非線形探索手法によりパラメータの最適値の探索を行う請求項10に記載のパラメータ操作ルール探索方法。
  12. 適合すべき複数の運転状態のうちの代表的な運転状態についてパラメータの操作方向についてのルールを求め、ルールの求められた代表的な運転状態以外の運転状態におけるルールは代表的な運転状態におけるルールから求められる請求項1に記載のパラメータ操作ルール探索方法。
  13. 請求項1に記載したパラメータ操作ルール探索方法により得られたルールを用いてパラメータの値を自動適合する自動適合方法。
  14. 複数の出力値に対して夫々適合目標値が定められており、適合目標値に対する出力値の割合を表す評価関数の値が各出力値について求められ、評価関数の値と出力値悪化の適合度との関係を示すファジィ推論の前件部関数が予め設定されており、該適合度と各パラメータの値の適合修正量との関係を示すファジィ推論の後件部関数が上記ルールに基づいて設定され、該後件部関数から出力値が適合目標値を満たすパラメータの値が探索される請求項13に記載の自動適合方法。
JP2005032694A 2005-02-09 2005-02-09 自動適合用のパラメータ操作ルール探索方法および自動適合方法 Expired - Fee Related JP4424673B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005032694A JP4424673B2 (ja) 2005-02-09 2005-02-09 自動適合用のパラメータ操作ルール探索方法および自動適合方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005032694A JP4424673B2 (ja) 2005-02-09 2005-02-09 自動適合用のパラメータ操作ルール探索方法および自動適合方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006220030A JP2006220030A (ja) 2006-08-24
JP4424673B2 true JP4424673B2 (ja) 2010-03-03

Family

ID=36982525

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005032694A Expired - Fee Related JP4424673B2 (ja) 2005-02-09 2005-02-09 自動適合用のパラメータ操作ルール探索方法および自動適合方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4424673B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4858427B2 (ja) * 2007-12-19 2012-01-18 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の適合方法及び装置
JP5047144B2 (ja) * 2008-12-19 2012-10-10 三菱重工業株式会社 マップ作成支援装置およびその方法並びにプログラム
JP5146367B2 (ja) * 2009-03-09 2013-02-20 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の操作対象パラメータの適合装置、及び適合方法
EP3192997B1 (en) * 2016-01-13 2019-08-07 Winterthur Gas & Diesel Ltd. Method and system for optimizing the fuel consumption of a two-stroke turbocharged slow running diesel engine

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006220030A (ja) 2006-08-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3951967B2 (ja) 自動適合装置
JP4182980B2 (ja) 内燃機関の自動適合装置
US6928361B2 (en) Control apparatus for motor vehicle and storage medium
US6981492B2 (en) Method for determining an exhaust gas recirculation amount
US6378515B1 (en) Exhaust gas recirculation apparatus and method
CN104420982A (zh) 废气门阀位置的确定
JP4424673B2 (ja) 自動適合用のパラメータ操作ルール探索方法および自動適合方法
CN107559096A (zh) 柴油发动机控制方法及系统
JP4218600B2 (ja) 自動適合装置
JP2006118516A (ja) 自動適合装置
US6640791B2 (en) EGR valve control apparatus
JP4305257B2 (ja) 自動適合装置
JP4536572B2 (ja) 内燃機関の空燃比推定装置
JP4818344B2 (ja) 内燃機関の過給圧制御装置
JP2006291871A (ja) 内燃機関の制御装置
JP7026217B2 (ja) 制御装置および制御方法
KR20130043288A (ko) 엔진 배기가스 재순환 제어시스템 및 제어방법
JP2006118515A (ja) 自動適合装置
JP2021067256A (ja) 車両用制御データの生成方法、車両用制御装置、車両用制御システム、および車両用学習装置
JP4548098B2 (ja) 自動適合装置
JP2020122401A (ja) 内燃機関の制御装置
JP4196855B2 (ja) 自動適合装置
KR20200022190A (ko) 가변 형상 터보차저의 제어방법 및 제어시스템
JP7392615B2 (ja) ベルト余寿命診断装置
US20240011445A1 (en) Vehicle controller, vehicle control method, and storage medium

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080125

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091030

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091117

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091204

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121218

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees