JP4423364B2 - 錨泊監視システム - Google Patents

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Description

本発明は、錨泊中の船舶の状態の監視システムに係り、特に錨泊中の船舶に走錨の可能性があるか否かを検知する技術に関する。
従来より、船舶が泊地において錨泊する際に、船長は、泊地の広狭や他の錨泊船の有無、錨泊期間中に予想される最大風速や潮流等の気象・海象条件を勘案して、使用する錨及びこれに接続する錨鎖の伸出長さを決定する。錨泊中の船舶の係駐力は、錨地の底質(地質)に対する錨の把駐力と海底に横たわる錨鎖の摩擦抵抗の和で示される。強い風潮流等の外力が船を下方へ押し流そうとする力が係駐力を下回っていれば、船舶は錨と錨鎖により海底に係止されて錨泊状態を維持することができる。定常風下の錨泊状態であれば、船体は錨の投下位置の風下側でほぼ周期的な振れ回り運動を繰り返す。逆に、風圧等の外力が係駐力を上回る場合には、錨が海底を移動して錨鎖と共に引きずられ、船体は風潮下に押し流される。この現象を「走錨」という。この走錨は、錨泊の際に最も警戒すべきことであり、船員が最も忌み嫌うものの一つである。
従って、船長や当直航海士は、荒天強風下において錨泊体制を維持し、走錨を回避するために、船毎に決められた守錨基準に沿って、錨鎖を伸ばしたり、もう一方の錨を振れ止め錨として投下する等の作業を行って、船体の過大な振れ回りを抑えると共に受風圧を小さくする対策をとる。
守錨当直者は、走錨を回避して守錨を行うために、錨泊地において、通常、陸上物標による交差方位法やレーダにより探知した陸岸の情報などから海図上に自船の位置を求めて、錨の投下時に海図上にプロットした自船の船首位置又は船橋位置を参照して、船体と投下した錨とが振れ回り位置から風下に押し流されているか否かを適時確認する。また、船首方向を記録するコースレコーダに記録されたデータを用いて船首の振れ回り幅をチェックして、船体が定常の振れ回り状態にあるか否かを判定し、その判定結果に基づいて錨泊状態が安全であるか否かを判断する。しかし、使用している海図の縮尺の限界や、レーダ等による位置確認の精度等の理由から、紙海図上で自船の振れ回り状態を正確に把握して走錨を検知することは、船体位置が大きく移動しない限り難しい。そのため、船体の触れ回りの状態、船体動揺や振動の異常、受風向の異変等から経験的に走錨を判断することが多い。
しかし、船体の触れ回りの状態等から走錨を判断するには、船員にかなりの経験が要求されるという問題があった。就航便数が減ってベテランの船員が激減すると共に外人の船員が増えているという現状を考慮すると、全ての船舶の船員にこの種の経験を要求するのは酷である。また、最近では、輸送コストを削減するために、1つの船舶に乗り込む船員の数がかなり少なくなっている。従って、少数の経験不足の船員でも走錨の有無を判断することができるようにするために、自動的に走錨の有無や走錨のおそれの有無を判断して、走錨していることや走錨のおそれがあることを船員に知らせることが可能なシステムを構築する必要がある。
そこで、投錨時の船位と現在の船位をレーダで観測して、現在の船位が投錨位置から所定の距離以上離れた場合に、警告表示を行うようにした走錨監視装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、この走錨監視装置では、船位の観測にレーダを使用しているため、観測データに誤差が大きく、船体が投錨位置から大きく離れたことを船員に知らせることは可能であるが、走錨の開始を早期に船員に知らせることや、走錨のおそれがあることを事前に船員に知らせることはできないという問題があった。
特開平7−159530号公報(第1−4頁、図1−6)
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、走錨の開始を早期に船員に知らせることや、走錨のおそれがあることを事前に船員に知らせることができるようにして、少数の経験不足の船員でも守錨を行うことが可能な錨泊監視システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために請求項1の発明は、D−GPS基地局から受信した緯度経度の補正情報に基づいて、GPS衛星から受信した船舶位置の緯度経度の情報を補正し、補正後の緯度経度の情報を出力するD−GPS受信機と、D−GPS受信機から出力された錨の投下時における船舶位置の緯度経度の情報を投錨位置情報として記憶する投錨位置記憶手段と、投錨位置記憶手段に記憶された投錨位置情報と、D−GPS受信機から出力された現在の船体位置の緯度経度情報とに基づいて、投錨位置と現在の船体位置との直線距離を算出する距離算出手段と、距離算出手段により算出された直線距離が、伸出錨鎖の長さに応じた警報設定距離を超えたか否かを判定する判定手段と、判定手段により直線距離が警報設定距離を超えたと判定されたときに、走錨している又は走錨するおそれがある旨の警報を発する走錨警報手段とを備えたものである。
上記構成においては、投錨位置記憶手段により記憶されたD−GPS受信機で取得した投錨位置情報と、D−GPS受信機で取得した現在の船体位置の緯度経度情報とに基づいて、投錨位置と現在の船体位置との直線距離を距離算出手段により算出して、この直線距離が伸出錨鎖の長さに応じた警報設定距離を超えたか否かを判定手段により判定する。そして、この結果、直線距離が警報設定距離を超えたと判定されたときに、走錨している又は走錨するおそれがある旨の警報が走錨警報手段により発せられる。このように、計測誤差が少ない(1m程度の)D−GPS受信機を用いて測定した投錨位置から現在の船体位置までの直線距離に基づいて、走錨している又は走錨するおそれがある旨の警報を発するようにしたことにより、現錨泊体制が安全か、あるいは限界に近い状態であるかを船員に知らせることができ、さらに走錨の開始を早期に船員に知らせることや、走錨のおそれがあることを事前に船員に知らせることが可能となる。
また、船首方位の情報を検出するためのジャイロコンパス等の船首方位検出手段をさらに備え、距離算出手段は、投錨位置記憶手段に記憶された投錨位置情報と、D−GPS受信機から出力された現在の船体位置の緯度経度情報に加えて、船首方位検出手段により検出された船首方位の情報と、ユーザにより予め設定入力されたGPSアンテナ位置の情報とに基づいて、投錨位置と現在の船首位置との直線距離を算出するようにすることが望ましい。これにより、距離算出手段が、投錨位置から現在の船体位置までの直線距離をより正確に算出することができるので、この直線距離が警報設定距離を超えたか否かをより正確に判定して、走錨している又は走錨するおそれがある旨の警報をより正確に発することができる。
また、電子海図等を表示するための表示手段をさらに備え、投錨位置記憶手段に記憶された投錨位置情報と、D−GPS受信機から出力された現在の船体位置の緯度経度情報と、船首方位検出手段により検出された船首方位の情報と、ユーザにより予め設定入力された船体長さ及び幅の情報とに基づいて、表示手段に表示された電子海図上に、投下した錨と錨鎖と現在の船体を表示するようにすることが望ましい。これにより、走錨の有無や走錨のおそれの有無の程度を視覚的に船員に知らせることができる。
また、D−GPS受信機から出力された過去の船体位置の緯度経度情報を船位情報として記憶する船位情報記憶手段をさらに備え、船位情報記憶手段に記憶された過去の船位情報に基づいて、表示手段に表示された電子海図上に、過去の所定時間内の船位の軌跡を表示するようにしてもよい。これにより、船体の振れ回り状態を電子海図上に表示することができるので、船員が、電子海図上に表示された船体の振れ回り状態に基づいて、船体が定常の振れ回り状態にあるか否かを判定することができる。
請求項1の発明によれば、計測誤差が少ないD−GPS受信機を用いて測定した投錨位置から現在の船体位置までの直線距離に基づいて、走錨している又は走錨するおそれがある旨の警報を発するようにしたことにより、走錨の開始を早期に船員に知らせることや、走錨のおそれがあることを事前に船員に知らせることが可能となる。これにより、少数の経験不足の船員でも守錨を行うことができる。
また、投錨位置情報と、D−GPS受信機から出力された現在の船体位置の緯度経度情報に加えて、ジャイロコンパス等によって検出した船首方位の情報と、ユーザにより予め設定入力されたGPSアンテナ位置の情報とに基づいて、投錨位置と現在の船首位置との直線距離を算出することにより、投錨位置から現在の船体位置までの直線距離をより正確に算出することができるので、走錨している又は走錨するおそれがある旨の警報をより正確に発することができる。
また、投錨位置情報と、D−GPS受信機から出力された現在の船体位置の緯度経度情報と、ジャイロコンパス等によって検出した船首方位の情報と、ユーザにより予め設定入力された船体長さ及び幅の情報とに基づいて、電子海図上に投下した錨と錨鎖と現在の船体を表示するようにしたことにより、走錨の有無や走錨のおそれの有無の程度を視覚的に船員に知らせることができる。また、船体と錨鎖の位置関係を電子海図上に表示することができるので、船員が、電子海図上に表示された船体と錨鎖を見て、その状態で錨を巻き揚げた場合に、視認することができない水中の錨鎖で船体を傷つけてしまう可能性があるか否か、あるいは錨鎖に過度の力を加えてしまう可能性があるか否かを判断することができる。
また、D−GPS受信機から出力された過去の船体位置の緯度経度情報を船位情報として記憶しておいて、この過去の船位情報に基づいて、電子海図上に過去の所定時間内の船位の軌跡を表示するようにした。これにより、船員が、電子海図上に表示された船体の振れ回り状態に基づいて、船体が定常の振れ回り状態にあるか否かを判定して、その判定結果に基づいて錨泊状態が安全であるか否かを判断することができる。
本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。以下に記載した実施形態は、本発明を網羅するものではなく、本発明は、下記の形態だけに限定されない。
図1は、本実施形態による錨泊監視システムを示す。この錨泊監視システム1は、主に、船舶10内に散在する各種のセンサからのデータを入力するためのシーケンサ2と、このシーケンサ2から出力された各種データを格納する船内サーバ3と、船内の船橋11、サロン、学生ホール等に配されたクライアント4から構成される。シーケンサ2へは、ジャイロコンパス方位、D−GPS位置情報(D−GPS緯度経度情報)、D−GPS針路・速力、真針路、磁針路、実針路、圧流角、ドップラログ対地速力、EMログ対水速力、舵角、プロペラ回転数、プロペラ・ピッチ、バウスラスタ翼角、スタンスラスタ翼角、相対風向、相対風速、真風向、真風速、水深、気温、水温、湿度等の480項目のデータが入力される。また、船内サーバ3は、シーケンサ2から出力された各種のデータを格納するための計測データ記録ファイル5を、その共有メモリ内に有している。シーケンサ2と船内サーバ3との間の通信は、TCP/IPで用いられるトランスポート層プロトコルの一種であるUDP(User Datagram Protocol)を用いて行われる。また、船内サーバ3とクライアント4との間の通信は、船内LAN6を介してTCPのプロトコルにより行われる。また、船橋11等のクライアント4と船内サーバ3とは、上記の船内LAN6に加えて、無線LANアクセスポイント7とクライアント4側の無線LANカード8とを介して行われる。
図2は、上記のシーケンサ2にD−GPS緯度経度情報等を出力するD−GPS受信機を示す。
図3は、上記の船内サーバ3の外観を示す。船内サーバ3は、ディスプレイ31と本体32とキーボード33とマウス34とから構成されている。
図4(a)(b)は、それぞれ上記のクライアント4の外観と内部構成を示す。図4(a)に示されるように、クライアント4は、ディスプレイ41と本体部42とキーボード43とマウス44とを備えている。また、クライアント4は、本体部42内に、図4(b)に示されるCPU40とメモリ45とハードディスク46とネットワークインタフェース47とスピーカ48とを有している。ハードディスク46は、請求項における投錨位置記憶手段、船位情報記憶手段及び船首方位情報記憶手段に相当する。CPU40は、請求項における距離算出手段、判定手段、風圧力算出手段及び係駐力算出手段に相当する。ディスプレイ41は、請求項における走錨警報手段、表示手段及び走錨警告手段に相当する。スピーカ48は、請求項における走錨警報手段及び走錨警告手段に相当する。
次に、図5のフローチャートを参照して、上記の錨泊監視システム1において実行される船内サーバ3側とクライアント4側の処理の内容について説明する。錨泊監視システム1では、船内サーバ3は、データ収集プロセス51、TCP待ち受けプロセス52及びデータ転送プロセス53の各処理を行い、クライアント4は、1つの処理のみを行う。船内サーバ3は、システムの起動後、fork関数で子プロセスであるTCP待ち受けプロセス52を起動させた後に(S1)、シーケンサ2(図1参照)からのデータ収集プロセス処理を実行する(S2)。上記のTCP待ち受けプロセス52は、クライアント4からのTCPソケット接続要求を待ち受ける(S3)。そして、クライアント4が、データの初期化等の初期処理を終えて(S11)、TCPのソケットを開き(S12)、船内サーバ3に対してTCPソケット接続要求を送信すると、船内サーバ3側のTCP待ち受けプロセス52は、このTCPソケット接続要求を受け付けて(S4でYES)、fork関数で子プロセスであるデータ転送プロセス53を起動させる(S5)。次に、クライアント4が、錨泊監視に関する各種の処理を行うのに必要な各種データを船内サーバ3から受信するために、船内サーバ3に対してデータ転送要求コマンドを送信すると(S13)、船内サーバ3側のデータ転送プロセス53は、このコマンドを受信して(S7)、共有メモリ内の計測データをクライアント4に送信する(S9)。クライアント4は、船内サーバ3から上記のデータを受信すると(S14)、これらのデータに基づいて、後述する錨泊監視画面表示処理を行う(S15)。クライアント4は、ユーザがマウス44等を用いて、”QUIT”ボタンを押すまで(S17でNO)、0,5秒毎に(S16でYES)、上記S13乃至S15の処理を繰り返す。そして、クライアント4から船内サーバ3に対して終了コマンドが送信されると(S18)、船内サーバ3側のデータ転送プロセス53は、このコマンドを受信して(S7、S8でYES)、自プロセスを終了させる。一方、クライアント4は、上記の終了コマンドの送信を終えると、TCPのソケットを閉じる(S19)。なお、上記のデータ収集プロセス51及びTCP待ち受けプロセス52の終了は、ユーザからのCtrl−cキーを用いた終了指示があったときに(S6でYES、図6中のS26でYES)、行われる。
次に、上記S2に示されるデータ収集プロセス処理について、図6のフローチャートを参照して説明する。船内サーバ3は、データ収集プロセス処理に入ると、データの初期化等の初期処理を実行した後(S21)、図1に示されるシーケンサ2と通信を行うために、UDPのソケットを開く(S22)。そして、シーケンサ2に対してデータ読み出しコマンドを送信し(S23)、シーケンサ2から各種データを受信して、共有メモリ内の計測データ記録ファイル5に格納した後(S24)、シーケンサ2から取得した各種データを保存用のディスクファイルに追加書き込みする(S25)。S23乃至S25の処理は、ユーザからのCtrl−cキーを用いた終了指示があるまで(S26でNO)、0.5秒毎に繰り返して行われる。
次に、図7のフローチャートに加えて図8を参照して、上記S15に示される錨泊監視画面表示処理について説明する。クライアント4内のCPU40は、船内サーバ3から受信した電子海図データファイル9及び計測データ記録ファイル5内のデータに基づいて、図4(a)に示されるディスプレイ41上に、自船の周辺の電子海図と自船の航跡を表示すると共に、電子海図上に自船位置をプロットする(S31、S32)。すなわち、クライアント4内のCPU40は、図2に示されるD−GPS受信機26からシーケンサ2と船内サーバ3を介して入力された現在の船体位置に関するD−GPS緯度経度と、ジャイロコンパスからシーケンサ2と船内サーバ3を介して入力された船首方位の情報(ジャイロコンパス方位)と、ユーザである船員により予め設定入力された船体長さの情報とに基づいて、ディスプレイ41上に表示された電子海図上に、図11及び図12に示される投下した錨101と図8に示される現在の船体61及び錨鎖62を表示する。次に、クライアント4は、電子海図データファイル9及び計測データ記録ファイル5内のデータに基づいて、後述する船体運動予測処理(S33)、第1の走錨警報処理(S34)、及び第2の走錨警報処理(S35)を行う。そして、図8に示される錨泊監視画面60上に風・潮流その他のデータを表示する(S36)。
上記S36の処理で表示される風・潮流その他のデータについて以下に説明する。図8中の錨泊監視画面60内には、自船に対する相対風向・風速68、3層で表示された潮流の流向・流速69、船底下の水深70、D−GPS緯度経度71、ベクトルタイム72、D−GPS船首方位73、D−GPS対地船速74、ジャイロコンパス方位75、ログ対地船速76等のデータが表示されている。また、図8中のメータ91は、舵の作動状況の表示用のメータである。
次に、図8中の錨泊監視画面60内の表示項目のうち、船体の振れ回り運動の様子を表す項目について説明する。クライアント4内のCPU40は、図4(b)に示されるハードディスク46に記憶された過去の所定時間内の船体位置に関するD−GPS緯度経度及びジャイロコンパス方位のデータと、ユーザである船員により予め設定入力された船体長さ及び幅の情報とに基づいて、過去の所定時間内の船体運動軌跡63と将来の所定時間内の予測船体運動軌跡64とを求めて、これらの船体運動軌跡63、64を錨泊監視画面60上に表示する。また、クライアント4内のCPU40は、ハードディスク46に記憶された過去の所定時間内の船体位置に関するD−GPS緯度経度のデータに基づいて、過去の所定時間内の船位の軌跡を算出して、図に示される過去の所定時間内の船位の軌跡65乃至67を表示する。図において、軌跡65は過去1時間以内の船位の軌跡を表し、軌跡66と軌跡67とは、それぞれ1時間前から2時間前までの船位の軌跡と2時間前から3時間前までの船位の軌跡とを示す。
次に、上記図7中のS33に示される船体運動予測処理の詳細について図9のフローチャートを参照して説明する。上記のように、クライアント4内のCPU40は、図4(b)に示されるハードディスク46に記憶された過去の所定時間内の船体位置に関するD−GPS緯度経度のデータ及びジャイロコンパス方位のデータと、ユーザである船員により予め設定入力された船体長さの情報とに基づいて、将来の所定時間内の予測船体運動軌跡64を求める。具体的には、過去10秒間の船体位置に関するD−GPS緯度経度のデータを2次の最小自乗近似で外挿補間して、将来の5〜120秒間の船体位置に関するD−GPS緯度経度のデータを求めると共に(S41)、過去10秒間の船首のジャイロコンパス方位のデータを1次の最小自乗近似で外挿補間して、将来の5〜120秒間の船首のジャイロコンパス方位のデータを求めて(S42)、求めた将来の5〜120秒間の船体位置に関するD−GPS緯度経度及びジャイロコンパス方位のデータと船員により予め設定入力された船体長さの情報とに基づいて、将来の5〜120秒間の予測船体運動軌跡64を求める。次に、ハードディスク46に記憶された過去10秒間の船体位置に関するD−GPS緯度経度のデータ及びジャイロコンパス方位のデータと、ユーザである船員により予め設定入力された船体長さ及び幅の情報とに基づいて、過去10秒間の船体運動軌跡63を求め、また、ハードディスク46に記憶された過去の3時間内の船体位置に関するD−GPS緯度経度のデータに基づいて、過去3時間以内の船位の軌跡65乃至67を求める。そして、上記の将来の予測船体運動軌跡64と過去の船体運動軌跡63と過去3時間以内の船位の軌跡65乃至67を電子海図上に画面表示する(S43)。
上記S41及びS42に示されるように、将来の予測船体運動軌跡64を求めるのに過去の船体位置に関するD−GPS緯度経度のデータと船首のジャイロコンパス方位のデータのみを用いた理由は、風潮流を含めた全ての環境要素の影響は、過去のD−GPS緯度経度及びジャイロコンパス方位のデータに既に含まれていると考えられるからである。
また、上記のように、将来の船体位置に関するD−GPS緯度経度のデータを求めるのに2次の外挿補間を行った理由は、船が変針している状況では、1次の補間による予測は直線的に進んでしまい、実際の動きからのずれが大きくなるからである。また、将来の船体位置に関するD−GPS緯度経度のデータを外挿補間するのに最小自乗近似で補間した理由は、スプライン補間では、必ず計測データ点を通過するように曲線に当てはめるので、外挿には適さないからである。また、上記のように、将来の船首のジャイロコンパス方位のデータを求めるのに1次の最小自乗近似で外挿補間を行った理由は、船首方位については、予測する時間の範囲(5〜120秒)では、ほぼ線形で変化することが実験で確かめられたからである。
次に、図10を参照して、将来の5〜120秒間の予測船体運動軌跡64を求めるのに、過去10秒間の船体位置に関するD−GPS緯度経度のデータとジャイロコンパス方位のデータを用いた理由について説明する。図10に示されるグラフ94は、予測に用いる過去のデータの秒数と予測誤差(予測値と実際の値との差)の関係を、実際の航海で計測したデータに基づいてグラフ化したものである。ただし、このグラフ94の基になるデータには、舵等を変化させていない場面のみを取り出したデータは用いられていない。
次に、図13のフローチャートに加えて図14及び図15を参照して、図7中のS34に示される第1の走錨警報処理について説明する。クライアント4内のCPU40は、シーケンサ2と船内サーバ3を介して入力された相対風速、ジャイロコンパス方位等のデータに基づいて、以下の(1)式で表される計算を行って、風圧力Txを求める(S51)。
Tx=1/2・pa・Ca(Acos2θ+Bsin2θ)Va2 ・・・(1)
ただし、pa:空気密度(0.125kg・sec2/m4)、Ca:風圧係数(船首に対する風の角度と船の種類によって異なる係数)、A:風力がかかる前面面積(m2)、B:風力がかかる側面面積(m2)、θ:船首に対する風の角度(度)、Va:相対風速(m/sec)
図14は、上記のTx,θ,Va等を図示したものであり、XaとYaとは、それぞれTxのx軸方向とy軸方向の分力を示す。
上記の(1)式の計算が終了すると、クライアント4内のCPU40は、シーケンサ2と船内サーバ3を介して入力された船底下の水深等のデータに基づいて、以下の(2)式で表される計算を行って、係駐力Pを求める(図13のS52)。
P=Wa・λa+Wc・λc・l (Tonf) ・・・(2)
ただし、Wa:水中における錨の重さ、Wc:水中における係駐錨鎖(錨鎖のうちの海底に横たわっている部分)の1m当たりの重さ、λa:錨の把駐係数(海底の質によって異なる係数)、λc:錨鎖の把駐係数(1.0)、l:係駐錨鎖の長さ(m)
また、上記のl(係駐錨鎖の長さ)は、以下の(3)式で求められる。
l=Lc−S ・・・(3)
ただし、Lc:ベルマウスから錨までの錨鎖の全長(m)、S:カテナリ長(ベルマウスから海底までの海底に横たわっていない部分の錨鎖の長さ)(m)
また、上記のSの長さは、以下の(4)式で求められる。
S=√{y2+2(Tx/Wc)y} ・・・(4)
ただし、y:海底からベルマウスまでの高さ(m)、Tx:水平方向の風圧力(Tonf)
図15は、上記のTx,Lc,S,l及びyの関係を図示したものである。
上記の各式の計算が終了すると、クライアント4内のCPU40は、上記の(1)式で求めた風圧力Txを、図8中の錨泊監視画面60内の84の位置に表示し、また、上記の(2)式で求めた係駐力Pを錨泊監視画面60内の85の位置に表示する(図13のS53)。そして、上記の係駐力Pから風圧力Txを引いた値が、設定値以下になると(S54でYES)、ディスプレイ41上に、「走錨のおそれがある」旨の警告表示を行う(S55)。この警告表示を行う際に、同時にスピーカ48を用いてビープ音で警告するようにしてもよい。なお、図8中の錨泊監視画面60に示されるCL86は、伸出錨鎖の長さを節数(ケーブル数)の単位で表したものであり、図に示される例では、錨鎖の全長が100m(4.0X25.0(m))であることを示す。また、図8中の87は、海底の底質を示す。図に示される例では、海底の底質が砂であることを示している。また、図8中の88は、海底とベルマウスの鉛直距離を示す。さらにまた、図8中の92に示されるラインの先端は、このままの船体の振れ回り状態が続いたと仮定した場合に、図中の72に示されるベクトルタイム後(この場合は3分後)に、船体61の中心が電子海図上の何処に位置するかを示す。
次に、上記図8、図11及び図12に加えて、図16のフローチャートを参照して、図7中のS35に示される第2の走錨警報処理について説明する。船員が、伸出錨鎖の節数と錨の長さに応じた走錨の警報設定距離を設定入力した上で(S61)、錨を投下し、クライアント4のディスプレイ41上に表示された錨泊監視画面60(図8参照)に対して、マウス44で錨の投下位置をクリックすると、図11及び図12に示されるように、錨泊監視画面60内の電子海図上に投下した錨101が電子海図の縮尺率(最大400分の1)に応じた大きさで表示されると共に、この電子海図上に錨鎖62が表示される。そして、クライアント4内のCPU40が、投下した錨101から現在の船首103までの直線距離を計算すると共に(S62)、図11及び図12に示されるように、この直線距離90と、S61の処理で設定された警報設定距離89と、この警報設定距離89を電子海図上に視覚的に表した警報サークル102とを電子海図上に表示する(S63)。そして、船体61の船首103が警報サークル102の外に出た場合、すなわち直線距離90が警報設定距離89を超えた場合には(S64でYES)、走錨が始まったか、走錨のおそれが高いと判定して、ビープ音とフリッカ表示で警報を発する(S65)。この際、船員は、図8に示される錨泊監視画面60上の風圧力84と係駐力85のバランスを確認し、船体運動軌跡63、64及び過去の船位の軌跡65乃至67を見て船体の振れ回り状況を確認することで、走錨のおそれ又は走錨の有無を確認することができる。
本錨泊監視システム1では、クライアント4が各種センサから入力された最新の風力等のデータに基づいて上記図7中のS34及びS35に示される第1及び第2の走錨警報処理を行えるようにするための工夫が施されている。具体的には、クライアント4は、図5中のS13に示される船内サーバ3へのデータ転送要求コマンド送信処理を行ったときに、船内サーバ3がシーケンサ2から受信した各種データを共有メモリに書き込んでいる最中(共有メモリ更新中)で、船内サーバ3から共有メモリ内のデータを受信できない場合には、船内サーバ3へのデータ転送要求を行う時間間隔を変更して、クライアント4が船内サーバ3からの各種データの受信を待たされる確率を減らしている。何故なら、クライアント4が船内サーバ3にデータ転送要求を行う時間間隔は、クライアント4が最新の風力等のデータを用いて走錨警報処理を行うことができるようにするために、船内サーバ3がシーケンサ2から受信した各種データを共有メモリに格納する時間間隔(0.5秒毎)と等しい時間間隔に設定されているため、一旦クライアント4が船内サーバ3にデータ転送要求を送信するタイミングが、船内サーバ3が共有メモリを更新するタイミングとぶつかってしまうと、クライアント4がデータ転送要求を送信するタイミングを変えない限り、クライアント4は半永久的に船内サーバ3から共有メモリのデータを受信することができなくなってしまうからである。
ここで、上記図7中のS34に示される第1の走錨警報処理を行うためには、瞬間最大風速のデータを入力できなくなるのは、致命傷である。このため、本錨泊監視システム1では、クライアント4が船内サーバ3に共有メモリに格納された最新のデータの転送要求を行う時間間隔を短く設定する必要がある。そして、クライアント4が船内サーバ3にデータの転送要求を送信する時間間隔が短くなればなる程、船内サーバ3が、クライアント4からのデータの転送要求を受信したときに、シーケンサ2から受信した各種データを共有メモリに書き込んでいる最中である確率は高くなる。本実施形態においては、図5中のS16に示されるように、クライアント4が船内サーバ3にデータの転送要求を行う時間間隔が0.5秒であり、船内サーバ3がシーケンサ2から受信した各種データを共有メモリに書き込むのに必要な時間間隔が0.1秒であるため、船内サーバ3が、クライアント4からのデータの転送要求を受信したときに、シーケンサ2から受信した各種データを共有メモリに書き込んでいる最中である確率は、高く(1/5に)なる。従って、上記のような工夫をする意味は大きい。
次に、上記データ転送要求の送信タイミングの変更処理について図17のフローチャートを参照して説明する。図17中の各処理は、ほぼ図5中の各処理と同じであるが、クライアント4が、船内サーバ3へのデータ転送要求コマンド送信処理を行った結果(S73)、船内サーバ3がシーケンサ2から受信した各種データを共有メモリに書き込んでいる最中(共有メモリ更新中)であるときには(S74でYES)、クライアント4は、船内サーバ3へのデータ転送要求コマンドの送信タイミングを変更して、0.05秒後に船内サーバ3へデータ転送要求コマンドを再送する(S75)。すなわち、クライアント4は、船内サーバ3から共有メモリが更新中である旨のリターンコードを受信した場合には、船内サーバ3がシーケンサ2から受信した各種データを格納するのに必要な時間の略半分の時間が経過してから、船内サーバ3に再度データ転送要求を行う。これにより、クライアント4が再度データ転送要求を行ったときに、船内サーバ3が共有メモリを更新中である可能性を低くすることができる。また、クライアント4が、船内サーバ3へのデータ転送要求コマンド再送処理を行った結果、再度共有メモリ更新中であるときには(S74でYES)、クライアント4は、その時点から0.05秒後に再度船内サーバ3へデータ転送要求コマンドを送信する(S75)。
上述したように、本実施形態による錨泊監視システム1によれば、計測誤差が少ないD−GPS受信機26を用いて測定した投錨位置から現在の船体位置までの直線距離に基づいて、走錨している又は走錨するおそれがある旨の警報を発するようにしたことにより、走錨の開始を早期に船員に知らせることや、走錨のおそれがあることを事前に船員に知らせることが可能となる。これにより、少数の経験不足の船員でも守錨当直を行うことができる。
また、投錨位置情報と、D−GPS受信機26から出力された現在の船体位置のD−GPS緯度経度に加えて、ジャイロコンパスによって検出した船首方位の情報(ジャイロコンパス方位)と、船員により予め設定入力されたGPSアンテナ位置の情報とに基づいて、投錨位置と現在の船首位置との直線距離を算出することにより、投錨位置から現在の船体位置までの直線距離をより正確に算出することができるので、走錨している又は走錨するおそれがある旨の警報を適時的確に発することができる。
また、投錨位置情報と、D−GPS受信機26から出力された現在の船体位置のD−GPS緯度経度と、ジャイロコンパスによって検出したジャイロコンパス方位と、ユーザにより予め設定入力された船体長さ及び幅の情報とに基づいて、電子海図上に投下した錨101と錨鎖62と現在の船体61を表示するようにしたことにより、走錨の有無や走錨のおそれの有無の程度を視覚的に船員に知らせることができる。また、船体61と錨鎖62の位置関係を電子海図上に表示することができるので、船員が、電子海図上に表示された船体61と錨鎖62を見て、その状態で錨を巻き揚げた場合に、視認することができない水中の錨鎖により船体を傷つけてしまう可能性があるか否か、あるいは錨鎖に過度の力を加えてしまうおそれがあるか否かを判断することができる。例えば、図12に示されるような状態で錨を引き揚げた場合には、錨鎖で船体を傷つけてしまう可能性がある。
また、D−GPS受信機26から出力された過去の船体位置のD−GPS緯度経度を船位情報として記憶しておいて、この過去の船位情報に基づいて、電子海図上に過去の所定時間内の船位の軌跡65乃至67を表示するようにした。これにより、船員が、電子海図上に表示された船体の振れ回り状態に基づいて、船体が定常の振れ回り状態にあるか否かを判定して、その判定結果に基づいて錨泊状態が安全であるか否かを判断することができる。
また、過去の所定時間内の船位情報(D−GPS緯度経度)と、過去の所定時間内のジャイロコンパス方位とに基づいて、過去の所定時間内の船体の運動軌跡63と将来の所定時間内の船体の運動軌跡64とを求めて、これらの運動軌跡を電子海図上に表示するようにしたことにより、船員が、船体の振れ回り状態を視覚的に確認して、定常の振れ回り状態にあるか否かを判定することができる。これにより、船員が、視覚的に錨泊状態が安全であるか否かを判断することができ、また、船員が振れ止め錨を投下すべき位置を正確に知ることができる。
また、過去の所定時間内の船舶位置のD−GPS緯度経度のデータに対して、それぞれ2次の最小自乗近似で外挿補間を行うことにより、将来の所定時間内の船舶位置のD−GPS緯度経度を求め、過去の所定時間内のジャイロコンパス方位のデータに対して、1次の最小自乗近似で外挿補間を行うことにより、将来の所定時間内のジャイロコンパス方位のデータを求める。これにより、これらの将来の所定時間内における船舶位置のD−GPS緯度経度とジャイロコンパス方位とに基づいて、将来の所定時間内の船体の運動軌跡を簡単に求めることができる。
また、過去10秒間程度のD−GPS緯度経度のデータと、過去10秒間程度のジャイロコンパス方位のデータとに基づいて、将来の所定時間内の船体の運動軌跡を求めるようにしたことにより、将来の所定時間内の船体の運動軌跡の算出に用いる船位情報と船首方位情報のデータ量を少なくして、この運動軌跡を求めるのに必要な計算時間を短くすることができ、しかも、予測の誤差を少なく抑えることができる。すなわち、過去10秒間程度のD−GPS緯度経度のデータとジャイロコンパス方位のデータのみに基づいて、将来の所定時間内の船体の運動軌跡を求めるようにしたことにより、将来における船体の運動軌跡の算出に必要な計算時間を短くして、現在の船体位置と将来の船体運動の軌跡を迅速に(リアルタイムに)表示することができる。
また、錨と錨鎖により船体を所定位置に留める力である係駐力と、船体にかかる風圧力とを比較し、その比較の結果に基づいて、走錨するおそれがある旨の警告を行うようにしたことにより、走錨するおそれがあるか否かを推算して、走錨するおそれがある旨の警告を的確に発することができる。これにより、船員に走錨するおそれがあることを事前に知らせることができる。
また、上記の水中における係駐部の錨鎖の重さと水中における錨の重さに加えて、把駐係数に基づいて係駐力を算出することにより、係駐力を推算することができる。
また、上記の把駐係数として海底の底質に応じた平均的な海底の把駐係数を用いることにより、係駐力の計算を簡易にして、係駐力の算出速度を速めることができる。
また、クライアント4が、船内サーバ3から共有メモリが更新中である旨のリターンコードを受信したときに、船内サーバ3へのデータ転送要求を行うタイミングをずらすようにしたことにより、クライアント4がずらしたタイミングで行ったデータ転送要求に応えて、船内サーバ3が共有メモリに格納された各種データをクライアント4に正常送信することができる確率を高めることができる。
また、クライアント4が、船内サーバ3から共有メモリが更新中である旨のリターンコードを受信したときに、船内サーバ3がシーケンサ2から受信した各種データを格納するのに必要な時間の略半分の時間が経過してから、船内サーバ3に再度データ転送要求を行うようにすることにより、クライアント4が再度データ転送要求を行ったときに、船内サーバ3が共有メモリを更新中である可能性を低くすることができる。
また、クライアント4が船内サーバ3にデータ転送要求を行う時間間隔を、船内サーバ3がシーケンサ2から各種データを受信する時間間隔と略同じにすることにより、クライアント4が、最新の相対風速、風向等のデータに基づいて、錨泊監視画面60表示等の処理を行うことができる。
また、クライアント4が船内サーバ3にデータ転送要求を行う時間間隔を、船内サーバ3がシーケンサ2から受信した各種データを共有メモリに格納するのに必要な時間の20倍以内とした場合には、上記のように、船内サーバ3が共有メモリに格納された各種データをクライアント4に正常送信することができる確率を高めることができるという効果を大きなものとすることができる。
また、上記のクライアント4が、船内サーバ3から受信した相対風速、風向等のデータに基づいて、船体にかかる風圧力を算出して、係駐力から風圧力を引いた値が所定の値より低くなったときに、走錨するおそれがある旨の警告を行うことにより、クライアント4が最新の風圧力に基づいて、走錨するおそれがある旨の警告を行うことができる確率を高めることができる。これにより、最大瞬間風速のデータを用いて走錨するおそれがある旨の警告を行うことができる確率を高めることができるので、走錨するおそれがある旨の警告を的確に発することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、様々な変形が可能である。例えば、本実施形態では、錨泊監視システム1をデータ格納用の船内サーバ3と各種の走錨監視処理を行うクライアント4からなるシステムとしたが、データ格納用のパソコンをそのまま用いて各種の走錨監視処理を行ってもよい。また、本実施形態では、クライアント4側のハードディスク46を請求項における投錨位置記憶手段、船位情報記憶手段及び船首方位情報記憶手段として用いたが、サーバ側のハードディスクに、投錨位置、過去のD−GPS緯度経度のデータ及び過去のジャイロコンパス方位のデータを記憶させてもよい。さらにまた、上記実施形態では、警報設定距離を船員が伸出錨鎖と錨の長さに合わせて設定入力するようにしたが、警報設定距離を伸出錨鎖と錨の長さに合わせて自動的に設定するようにしてもよい。
本発明の一実施形態に係る錨泊監視システムの構成図。 上記錨泊監視システム中のD−GPS受信機における受信した緯度経度情報を補正する仕組みを示す図。 上記の錨泊監視システムにおける船内サーバの外観を示す斜視図。 (a)(b)は、それぞれ上記の錨泊監視システムにおけるクライアントの斜視図と構成図。 上記の船内サーバとクライアントにおける処理のフローチャート。 図5中のデータ収集プロセス処理のフローチャート。 図5中の錨泊監視画面表示処理のフローチャート。 上記の錨泊監視画面表示処理において表示される画面を示す図。 図7中の船体運動予測処理のフローチャート。 上記の船体運動予測処理に用いる過去のデータの秒数と予測誤差の関係を示すグラフ。 図7中の第2の走錨警報処理の説明図。 図7中の第2の走錨警報処理の説明図。 図7中の第1の走錨警報処理のフローチャート。 上記第1の走錨警報処理に用いられる風圧力Txの説明図。 上記第1の走錨警報処理に用いられる係駐錨鎖の長さlの説明図。 図7中の第2の走錨警報処理のフローチャート。 上記クライアントにおけるデータ転送要求の送信タイミングの変更処理の説明図。
符号の説明
1 錨泊監視システム
26 D−GPS受信機
40 CPU(距離算出手段、判定手段、風圧力算出手段、係駐力算出手段)
41 ディスプレイ(走錨警報手段、表示手段、走錨警告手段)
46 ハードディスク(投錨位置記憶手段、船位情報記憶手段、船首方位情報記憶手段)
48 スピーカ(走錨警報手段、走錨警告手段)

Claims (3)

  1. D−GPS基地局から受信した緯度経度の補正情報に基づいて、GPS衛星から受信した船舶位置の緯度経度の情報を補正し、補正後の緯度経度の情報を出力するD−GPS受信機と、
    前記D−GPS受信機から出力された錨の投下時における船舶位置の緯度経度の情報を投錨位置情報として記憶する投錨位置記憶手段と、
    前記投錨位置記憶手段に記憶された投錨位置情報と、前記D−GPS受信機から出力された現在の船体位置の緯度経度情報とに基づいて、投錨位置と現在の船体位置との直線距離を算出する距離算出手段と、
    前記距離算出手段により算出された直線距離が、伸出錨鎖の長さに応じた警報設定距離を超えたか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段により直線距離が警報設定距離を超えたと判定されたときに、走錨している又は走錨するおそれがある旨の警報を発する走錨警報手段と
    船首方位の情報を検出するためのジャイロコンパス等の船首方位検出手段とを備え、
    前記距離算出手段は、前記投錨位置記憶手段に記憶された投錨位置情報と、前記D−GPS受信機から出力された現在の船体位置の緯度経度情報に加えて、前記船首方位検出手段により検出された船首方位の情報と、ユーザにより予め設定入力されたGPSアンテナ位置の情報とに基づいて、投錨位置と現在の船首位置との直線距離を算出するようにしたことを特徴とする錨泊監視システム。
  2. 電子海図等を表示するための表示手段をさらに備え、
    前記投錨位置記憶手段に記憶された投錨位置情報と、前記D−GPS受信機から出力された現在の船体位置の緯度経度情報と、前記船首方位検出手段により検出された船首方位の情報と、ユーザにより予め設定入力された船体長さ及び幅の情報とに基づいて、前記表示手段に表示された電子海図上に、投下した錨と錨鎖と現在の船体を表示するようにした請求項に記載の錨泊監視システム。
  3. 前記D−GPS受信機から出力された過去の船体位置の緯度経度情報を船位情報として記憶する船位情報記憶手段をさらに備え、
    前記船位情報記憶手段に記憶された過去の船位情報に基づいて、前記表示手段に表示された電子海図上に、過去の所定時間内の船位の軌跡を表示するようにした請求項に記載の錨泊監視システム。
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