JP2021160427A5 - - Google Patents

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本発明は、船舶の錨泊時の走錨リスクの評価に用いる走錨リスク評価プログラム及び走錨リスク評価システム、並びに走錨の回避に用いる走錨リスク回避システムに関する。
台風などの荒天時に安全を確保するため港湾内で錨泊する船舶がある。このとき船舶は錨を投下して船首を波上側に向けた状態で停泊するのが一般的である。外航船を運航している海運会社では、錨泊地の選定や錨泊方法(錨泊の種類、錨鎖の伸出長)などに関してマニュアルが整備されている。一方、内航船を運航している海運会社では、錨泊地の選定や錨泊方法については船長の判断に任されている。通常の錨泊は入港・着岸までの待機のために行うことが殆どで、台風などの荒天下で錨泊を行う機会は少ないため、内航船の船長が経験に基づき、気象・海象予報に応じて錨泊地や錨泊方法の選定などを適切に判断することは困難な場合が多い。
ここで、特許文献1には、海底土質検出器と、繰出し錨鎖長検出器と、錨鎖角検出器と、錨鎖張力検出器と、風向風速検出器と、潮流検出器と、これらの検出器からの検出信号を受けて錨と錨鎖との最大把駐力および船体に働く外力を演算すると共に錨鎖張力を最大把駐力以下に保持するのに必要な縦横方向の守錨制御推進力を演算し、守錨制御推進力に応じた制御信号を主機制御手段、旋回装置制御手段或いは吃水制御手段へ出力する制御装置とを備えた自動守錨制御装置が開示されている。
また、特許文献2には、自船から錨に至る水平距離を、錨鎖張力と水深とを用いて錨鎖カテナリ理論式で求めた錨鎖カテナリと繰出し錨鎖長とから演算し、投錨位置から現在の自船位置に至る水平距離を、自船の船速若しくは加速度を投錨から現在に亙って時間積分することにより演算し、自船から錨に至る水平距離と投錨位置から現在の自船位置に至る水平距離とを比較することにより走錨を検知する走錨検知方法が開示されている。
また、特許文献3には、レーダ信号より船舶の位置および長さを求めると共に船舶に対応した識別番号を付与し記憶するレーダ信号入力手段と、外部から入力される船舶の識別番号に対応した占有領域、範囲等の処理条件を得る処理条件設定手段と、船舶の位置、長さおよび占有領域の中心位置より船舶相互間、占有領域の中心位置相互間、船舶と占有領域の中心位置相互間の各距離と船舶の長さとの関係が定っている特徴を利用して無次元の量を導入して比率尺度での関係値をそれぞれ算出し、各関係値が範囲内にあるか否かを判定する危険監視判定手段と、判定の結果に従って警報を出力する動作警報出力手段を有する走錨等危険監視装置が開示されている。
特開昭61-64598号公報 特開昭61-66968号公報 特開昭61-112982号公報
特許文献1から特許文献3は、走錨リスクの評価に将来予測される船体の姿勢と航跡を用いるものではなく、走錨リスクの評価精度が十分とはいい難い。また、錨泊中の走錨監視を主としており、錨泊候補地の荒天時における走錨リスクを事前に評価するものではない。
そこで本発明は、錨泊前及び錨泊中において荒天時に錨泊する船舶の船体運動を高精度に推定して走錨リスクを精度よく評価、回避することができる走錨リスク評価プログラム、走錨リスク評価システム、及び走錨リスク回避システムを提供することを目的とする。
請求項1記載に対応した走錨リスク評価プログラムにおいては、船舶の錨泊時の走錨リスクを時間ステップごとに繰り返して算出を行い評価るプログラムであって、コンピュータに船舶の船舶データ、船舶の駆動手段データ、船舶の錨・錨鎖データ、気象・海象データ、及び錨泊に係る錨地データを取得させるデータ取得ステップと、船舶の船体に働く外力を船舶データと気象・海象データを用いて推定する外力推定ステップと、船体の駆動力を船舶データと駆動手段データを用いて推定する駆動力推定ステップと、船舶の錨手段の錨鎖張力を錨・錨鎖データ、錨地データ、及び一つ前の時間ステップにおける船体の姿勢と航跡とを用いて推定する錨鎖張力推定ステップと、外力と駆動力と錨鎖張力を運動方程式に適用し船体の姿勢と航跡を算出する姿勢・航跡算出ステップと、算出した姿勢と航跡を出力する出力ステップを実行させることを特徴とする。
請求項1に記載の本発明によれば、コンピュータを用いて、錨泊前及び錨泊中において荒天時に錨泊する船舶の姿勢や航跡等の船体運動を高精度に推定して走錨リスクを精度よく評価することが可能となる。
請求項2記載の本発明は、船舶の錨・錨鎖データと錨地データを用いて限界係駐力を推定する限界係駐力推定ステップと、限界係駐力と錨鎖張力推定ステップで推定した錨鎖張力とを比較して船舶の走錨リスクを評価する走錨リスク評価ステップをさらに実行させ、出力ステップで走錨リスクの評価結果を出力することを特徴とする。
請求項2に記載の本発明によれば、限界係駐力と錨鎖張力に基づいて走錨リスクを評価することで、錨泊候補地の事前評価段階においては走錨リスクの予想精度を高めることができ、また錨泊中においては走錨を回避するための対応の必要性等を的確に判断することが可能となる。
請求項3記載の本発明は、外力推定ステップにおいて推定する外力は、操縦流体力、風圧力、及び波漂流力であることを特徴とする。
請求項3に記載の本発明によれば、船体に働く外力を推定して、走錨リスクをさらに精度よく推定することができる。
請求項4記載の本発明は、姿勢・航跡算出ステップの運動方程式として数式1を使用し、船舶データに基づいて算出を行うことを特徴とする。
Figure 2021160427000002
請求項4に記載の本発明によれば、船体の姿勢と航跡を数式に基づいて精度よく算出することができる。
請求項5記載の本発明は、姿勢・航跡算出ステップの後で、船舶が定常的な振れ回り運動に達したかを判断する振れ回り運動判定ステップをさらに実行し、定常的な振れ回り運動に達していない場合は、外力推定ステップと、駆動力推定ステップと、錨鎖張力推定ステップと、姿勢・航跡算出ステップを繰り返すことを特徴とする。
請求項5に記載の本発明によれば、外力による船体運動としての振れ回り運動を判定して走錨リスクを精度よく評価することが可能となる。
請求項6記載の本発明は、船舶データとしてAIS(自動船舶識別装置)データを含むことを特徴とする。
請求項6に記載の本発明によれば、AISで取得した自船の位置・方位データ等を船舶データに含め、走錨リスクの評価に利用することができる。
請求項7記載の本発明は、錨・錨鎖データとしてウィンチにおける錨鎖の伸出長を含むことを特徴とする。
請求項7に記載の本発明によれば、錨泊の事前計画や錨泊を実施している場合の錨鎖の伸出長を錨・錨鎖データに含め、走錨リスクの評価に利用することができる。
請求項8記載の本発明は、錨地データには測深機で計測した水深を含むことを特徴とする。
請求項8に記載の本発明によれば、測深機で計測した水深を錨地データに含め、計測した水深を走錨リスクの評価に利用し評価精度を向上することができる。
請求項9記載の本発明は、走錨リスク評価ステップで評価した走錨リスクを回避するために、船舶の舵の操舵量、駆動手段の駆動量、及び錨鎖の伸出量の少なくとも1つを算出する操作量算出ステップをさらに実行し、出力ステップで、舵の操舵量、駆動手段の駆動量、及び錨鎖の伸出量の少なくとも1つを出力することを特徴とする。
請求項9に記載の本発明によれば、船長等は、出力された操舵量、駆動量、及び伸出量に基づいて舵、駆動手段、及びウィンチを操作することで、走錨リスクを回避することができる。
請求項10記載の本発明に対応した走錨リスク評価システムにおいては、船舶の錨泊時の走錨リスクの評価を行うシステムであって、船舶の船舶データ、船舶の駆動手段データ、船舶の錨・錨鎖データ、気象・海象データ、及び錨泊に係る錨地データを入力するデータ入力手段と、船舶の船体に働く外力を船舶データと気象・海象データを用いて推定する外力推定手段と、船体の駆動力を船舶データと駆動手段データを用いて推定する駆動力推定手段と、船舶の錨手段の錨鎖張力を錨・錨鎖データ、錨地データ、及び船体の姿勢と航跡とを用いて推定する錨鎖張力推定手段と、外力と駆動力と錨鎖張力を運動方程式に適用し船体の姿勢と航跡を算出する姿勢・航跡算出手段と、算出した姿勢と航跡を出力する出力手段を備えたことを特徴とする。
請求項10に記載の本発明によれば、錨泊前及び錨泊中において荒天時に錨泊する船舶の姿勢や航跡等の船体運動を高精度に推定して走錨リスクを精度よく評価することが可能となる。
請求項11記載の本発明は、船舶の錨・錨鎖データと錨地データを用いて限界係駐力を推定する限界係駐力推定手段と、限界係駐力と錨鎖張力推定手段で推定した錨鎖張力とを比較して船舶の走錨リスクを評価する走錨リスク評価手段をさらに備え、出力手段で走錨リスクの評価結果を出力することを特徴とする。
請求項11に記載の本発明によれば、限界係駐力と錨鎖張力に基づいて走錨リスクを評価することで、錨泊候補地の事前評価段階においては走錨リスクの予想精度を高めることができ、また錨泊中においては走錨を回避するための対応の必要性等を的確に判断することが可能となる。
請求項12記載の本発明は、外力推定手段と、駆動力推定手段と、錨鎖張力推定手段と、姿勢・航跡算出手段を、コンピュータをもって構成することを特徴とする。
請求項12に記載の本発明によれば、コンピュータに各手段の機能を持たせることで、評価に要する時間を短縮し、所要設置スペースのコンパクト化を図ることが可能となる。
請求項13記載の本発明は、船舶がAIS(自動船舶識別装置)を搭載し、船舶データとしてAISデータを含むことを特徴とする。
請求項13に記載の本発明によれば、AISで取得した自船の位置・方位データ等を船舶データに含め、走錨リスクの評価に利用することができる。
請求項14記載の本発明は、船舶が錨鎖の伸出長の計測可能なウィンチを有したことを特徴とする。
請求項14に記載の本発明によれば、錨泊の事前計画や錨泊を実施している場合に、計測した錨鎖の伸出長を錨・錨鎖データに含め、走錨リスクの評価に利用することができる。
請求項15記載の本発明は、船舶が水深を計測する測深機を有したことを特徴とする。
請求項15に記載の本発明によれば、測深機で計測した水深を錨地データに含め、計測した水深を走錨リスクの評価に利用し評価精度を向上することができる。
請求項16記載の本発明は、出力手段で出力された算出した姿勢と航跡、又は走錨リスクの評価結果の少なくとも一方を表示する表示手段をさらに備えたことを特徴とする。
請求項16に記載の本発明によれば、船長等は、予想される船体の姿勢と航跡や走錨リスクの評価結果を、容易かつ的確に把握して走錨リスクの回避に活用することができる。
請求項17記載に対応した走錨リスク回避システムにおいては、走錨リスク評価システムで評価した走錨リスクを回避するために、船舶の舵の操舵量、駆動手段の駆動量、及び錨鎖の伸出量の少なくとも1つの情報を伝える情報伝達手段を備えたことを特徴とする。
請求項17に記載の本発明によれば、船長等は、出力された操舵量、駆動量、及び走錨を回避するための錨鎖の伸出量に基づいて舵、駆動手段、及びウィンチを操作することで、走錨リスクを回避することができる。
請求項18記載に対応した走錨リスク回避システムにおいては、走錨リスク評価システムで評価した走錨リスクを回避するために、船舶の舵の操舵量、駆動手段の駆動量、及び錨鎖の伸出量の少なくとも1つを操作する操作手段を備えたことを特徴とする。
請求項18に記載の本発明によれば、走錨リスクを回避するための操作を自動的に行わせることができる。
本発明の走錨リスク評価プログラムによれば、コンピュータを用いて、錨泊前及び錨泊中において荒天時に錨泊する船舶の姿勢や航跡等の船体運動を高精度に推定して走錨リスクを精度よく評価することが可能となる。
また、船舶の錨・錨鎖データと錨地データを用いて限界係駐力を推定する限界係駐力推定ステップと、限界係駐力と錨鎖張力推定ステップで推定した錨鎖張力とを比較して船舶の走錨リスクを評価する走錨リスク評価ステップをさらに実行させ、出力ステップで走錨リスクの評価結果を出力する場合は、限界係駐力と錨鎖張力に基づいて走錨リスクを評価することで、錨泊候補地の事前評価段階においては走錨リスクの予想精度を高めることができ、また錨泊中においては走錨を回避するための対応の必要性等を的確に判断することが可能となる。
また、外力推定ステップにおいて推定する外力は、操縦流体力、風圧力、及び波漂流力である場合は、船体に働く外力を推定して、走錨リスクをさらに精度よく推定することができる。
また、姿勢・航跡算出ステップの運動方程式として数式1を使用し、船舶データに基づいて算出を行う場合は、船体の姿勢と航跡を数式に基づいて精度よく算出することができる。
また、姿勢・航跡算出ステップの後で、船舶が定常的な振れ回り運動に達したかを判断する振れ回り運動判定ステップをさらに実行し、定常的な振れ回り運動に達していない場合は、外力推定ステップと、駆動力推定ステップと、錨鎖張力推定ステップと、姿勢・航跡算出ステップを繰り返す場合は、外力による船体運動としての振れ回り運動を判定して走錨リスクを精度よく評価することが可能となる。
また、船舶データとしてAIS(自動船舶識別装置)データを含む場合は、AISで取得した自船の位置・方位データ等を船舶データに含め、走錨リスクの評価に利用することができる。
また、錨・錨鎖データとしてウィンチにおける錨鎖の伸出長を含む場合は、錨泊の事前計画や錨泊を実施している場合の錨鎖の伸出長を錨・錨鎖データに含め、走錨リスクの評価に利用することができる。
また、錨地データには測深機で計測した水深を含む場合は、測深機で計測した水深を錨地データに含め、計測した水深を走錨リスクの評価に利用し評価精度を向上することができる。
また、走錨リスク評価ステップで評価した走錨リスクを回避するために、船舶の舵の操舵量、駆動手段の駆動量、及び錨鎖の伸出量の少なくとも1つを算出する操作量算出ステップをさらに実行し、出力ステップで、舵の操舵量、駆動手段の駆動量、及び錨鎖の伸出量の少なくとも1つを出力する場合は、船長等は、出力された操舵量、駆動量、及び伸出量に基づいて舵、駆動手段、及びウィンチを操作することで、走錨リスクを回避することができる。
また、本発明の走錨リスク評価システムによれば、錨泊前及び錨泊中において荒天時に錨泊する船舶の姿勢や航跡等の船体運動を高精度に推定して走錨リスクを精度よく評価することが可能となる。
また、船舶の錨・錨鎖データと錨地データを用いて限界係駐力を推定する限界係駐力推定手段と、限界係駐力と錨鎖張力推定手段で推定した錨鎖張力とを比較して船舶の走錨リスクを評価する走錨リスク評価手段をさらに備え、出力手段で走錨リスクの評価結果を出力する場合は、限界係駐力と錨鎖張力に基づいて走錨リスクを評価することで、錨泊候補地の事前評価段階においては走錨リスクの予想精度を高めることができ、また錨泊中においては走錨を回避するための対応の必要性等を的確に判断することが可能となる。
また、外力推定手段と、駆動力推定手段と、錨鎖張力推定手段と、姿勢・航跡算出手段を、コンピュータをもって構成する場合は、コンピュータに各手段の機能を持たせることで、評価に要する時間を短縮し、所要設置スペースのコンパクト化を図ることが可能となる。
また、船舶がAIS(自動船舶識別装置)を搭載し、船舶データとしてAISデータを含む場合は、AISで取得した自船の位置・方位データ等を船舶データに含め、走錨リスクの評価に利用することができる。
また、船舶が錨鎖の伸出長の計測可能なウィンチを有した場合は、錨泊の事前計画や錨泊を実施している場合に、計測した錨鎖の伸出長を錨・錨鎖データに含め、走錨リスクの評価に利用することができる。
また、船舶が水深を計測する測深機を有した場合は、測深機で計測した水深を錨地データに含め、計測した水深を走錨リスクの評価に利用し評価精度を向上することができる。
また、出力手段で出力された算出した姿勢と航跡、又は走錨リスクの評価結果を表示する表示手段の少なくとも一方をさらに備えた場合は、船長等は、予想される船体の姿勢と航跡や走錨リスクの評価結果を容易かつ的確に把握して走錨リスクの回避に活用することができる。
また、本発明の走錨リスク回避システムによれば、船長等は、出力された操舵量、駆動量、及び走錨を回避するための錨鎖の伸出量に基づいて舵、駆動手段、及びウィンチを操作することで、走錨リスクを回避することができる。
また、本発明の走錨リスク回避システムによれば、走錨リスクを回避するための操作を自動的に行わせることができる。
本発明の実施形態による走錨リスク評価プログラムのフロー 同走錨リスク評価プログラムを用いた走錨リスク評価のブロック図 本発明の実施形態による走錨リスク評価システム及び走錨リスク回避システムのブロック図
本発明の実施形態による走錨リスク評価プログラム、走錨リスク評価システム、及び走錨リスク回避システムについて説明する。
図1は本実施形態による走錨リスク評価プログラムのフロー、図2は走錨リスク評価プログラムを用いた走錨リスク評価のブロック図である。
走錨リスク評価プログラムは、船舶の錨泊時の走錨リスクの判定に用いるプログラムであって、処理を開始すると以下のステップをコンピュータ10に実行させる。
まず、船舶の船舶データ、船舶の駆動手段データ、船舶の錨・錨鎖データ、気象・海象データ、及び錨泊に係る錨地データを取得させる(S1:データ取得ステップ)。各データは、データ入力手段20等を介して取得する。データ入力手段20は、キーボードやマウス、タッチパネル等の入力用端末である。
船舶データには、船長、船幅、喫水、方形係数、船種、水面上船体の正面投影面積、水面上船体の側面投影面積、船体中心から側面積中心までの前後方向座標、喫水から側面積中心までの高さ、及び喫水からブリッジ等の主要構造物の最高点までの高さ等である。また、船舶データには、船舶に搭載されたAIS(自動船舶識別装置)30のAISデータを含むことが好ましい。これにより、AIS30で取得した自船の位置・方位データ等を船舶データに含め、走錨リスクの評価に利用することができる。なお、AIS30のAISデータを自動的にコンピュータ10が取得するようにしてもよい。
駆動手段データには、主機、プロペラ、又は各種スラスター等の駆動手段40についての要目・能力や現時点での回転数等が含まれる。
錨・錨鎖データには、錨の重量、錨の型式、錨鎖の単位重量、及び水面からベルマウスまでの高さ等が含まれる。また、錨・錨鎖データには、ウィンチ50における錨鎖の伸出長を含むことが好ましい。これにより、錨泊の事前計画や錨泊を実施している場合の錨鎖の伸出長を錨・錨鎖データに含め、走錨リスクの評価に利用することができる。なお、ウィンチ50における錨鎖の伸出長を自動的にコンピュータ10が取得するようにしてもよい。また、錨泊候補地での走錨のリスクを事前に評価する場合は、錨鎖の伸出長は錨泊候補地で繰り出す予定の長さとする。
気象・海象データには、波向き・波長・波高、及び風向き・風速等が含まれる。気象・海象データは、例えば、錨泊候補地での走錨のリスクを事前に評価する場合においては気象・海象情報を提供する外部の事業者等から気象・海象予報取得手段60を用いて入手し、錨泊中においては自船に搭載されている波高計や風向風速計等の計測器を用いて入手する。なお、気象・海象予報取得手段60又は計測器で取得した気象・海象データを自動的にコンピュータ10が取得するようにしてもよい。
錨地データには、水深・底質、及び投錨位置等が含まれる。また、錨地データには測深機70で計測した水深を含むことが好ましい。これにより、測深機70で計測した水深を錨地データに含め、計測した水深を走錨リスクの評価に利用し評価精度を向上することができる。なお、測深機70で計測した水深を自動的にコンピュータ10が取得するようにしてもよい。
また、船舶の寸法や駆動手段40の要目など、原則として変動しないデータは、予めコンピュータ10に記憶させておいてもよい。
次に、船舶の船体に働く外力を、船舶データと気象・海象データを用いて推定する(S2:外力推定ステップ)。
外力推定ステップS2は、操縦流体力を推定する操縦流体力推定ステップS2-1と、風圧力を推定する風圧力推定ステップS2-2と、波漂流力を推定する波漂流力推定ステップS2-3を備える。外力推定ステップS2において推定する外力を、水から受ける力である操縦流体力、風によって船体に働く力である風圧力、及び波から受ける力である波漂流力とすることで、船体に働く外力を推定して、走錨リスクをさらに精度よく推定することが可能となる。
次に、船体の駆動力を、船舶データと駆動手段データを用いて推定する(S3:駆動力推定ステップ)。駆動力推定ステップS3においては、例えば、プロペラの駆動力であるプロペラ推力を現時点での回転数等から推定する。
次に、船舶の錨手段の錨鎖張力を推定する(S4:錨鎖張力推定ステップ)。錨手段は、錨と錨鎖を有する。錨鎖張力は、錨鎖の特性、及び錨と船首錨鎖口との相対距離により決まる。錨鎖張力推定ステップS4における錨鎖張力の推定には、錨・錨鎖データ、錨地データ、及び一つ前の時間ステップにおける船体の姿勢と航跡とを用いる。
次に、外力と駆動力と錨鎖張力を運動方程式に適用し(S5:数値解法ステップ)、船体の姿勢と航跡を算出する(S6:姿勢・航跡算出ステップ)。ここで算出される姿勢及び航跡は、算出時点より後の予測の姿勢及び航跡である。
数値解法ステップS5及び姿勢・航跡算出ステップS6においては、運動方程式として数式1を使用し、船舶データに基づいて算出を行うことが好ましい。
Figure 2021160427000003
数式1を用いることで、船体の姿勢と航跡を数式に基づいて精度よく算出することができる。
次に、船舶が定常的な振れ回り運動に達したか否かを判断する(S7:振れ回り運動判定ステップ)。処理開始時は船舶が停止状態であり、通常は外力推定ステップS2から姿勢・航跡算出ステップS6を繰り返すにつれ船舶の振れ回り運動が徐々に大きくなっていき、やがて定常的な振れ回り運動に達する。
振れ回り運動判定ステップS7において定常的な振れ回り運動に達していないと判定された場合は、データ取得ステップS1の後に戻り、外力推定ステップS2と、駆動力推定ステップS3と、錨鎖張力推定ステップS4と、数値解法ステップS5と、姿勢・航跡算出ステップS6を繰り返す。これにより、外力による船体運動としての振れ回り運動を判定して走錨リスクを精度よく評価することが可能となる。定常的な振れ回りに達したか否かは、例えば、算出された航跡の時系列データから判定する。
一方、振れ回り運動判定ステップS7において定常的な振れ回り運動に達したと判定された場合は、限界係駐力を推定する(S8:限界係駐力推定ステップ)。なお、定常的な振れ回り運動に達していない場合でも振れ回りが発達傾向にある場合、又は暴風時など錨鎖張力が限界係駐力を一気に超えることが予想される場合は、振れ回り運動に達したと見做して限界係駐力推定ステップS8に進むことが好ましい。
限界係駐力推定ステップS8の後、推定した限界係駐力と錨鎖張力を比較して、船舶の走錨リスク(走錨危険度)を評価する(S9:走錨リスク評価ステップ)。操縦流体力や風圧力、波漂流力などの外力が船体に作用し、振れ回り運動を生じるなどして錨鎖張力が錨と錨鎖による限界係駐力を上回ると船舶は走錨し、他の船舶や岸壁との衝突、乗揚げや座礁などの海難事故に至ることがある。
走錨リスク評価ステップS9においては、錨鎖張力が限界係駐力を超えるか否かを判定し、錨鎖張力が限界係駐力を超えない場合、すなわち走錨リスクが低い場合は、姿勢・航跡算出ステップS6で算出した姿勢及び航跡と、走錨リスク評価ステップS9で得られた評価結果を出力し(S11:出力ステップ)、処理を終了する。限界係駐力と錨鎖張力に基づいて走錨リスクを評価して評価結果を出力することにより、錨泊候補地の事前評価段階においては走錨リスクの予想精度を高めることができ、また錨泊中においては走錨を回避するための対応の必要性等を的確に判断することが可能となる。出力された姿勢及び航跡と、走錨リスクの評価結果は、モニタ等の表示手段80に表示される。
一方、錨鎖張力が限界係駐力を超える場合、すなわち走錨リスクが高い場合は、走錨リスクを回避するために、適切な船舶の舵の操舵量、駆動手段40の駆動量、及び錨鎖の伸出量の少なくとも1つを算出する(S10:操作量算出ステップ)。なお、錨鎖の伸出量と併せて適切な投錨数を算出してもよい。操作量算出ステップS10の後、姿勢・航跡算出ステップS6で算出した姿勢及び航跡と、走錨リスク評価ステップS9で得られた評価結果に加えて、走錨リスクを回避するための舵の操舵量、駆動手段40の駆動量、及び錨鎖の伸出量の少なくとも1つを出力し(S11:出力ステップ)、処理を終了する。出力された走錨リスクを回避するための姿勢及び航跡と、評価結果と、操舵量、駆動量及び伸出量は、モニタ等の表示手段80に表示される。船長等は、表示された操舵量、駆動量、及び伸出量に基づいて舵、駆動手段40、及びウィンチ50を操作することで、走錨リスクを回避することができる。なお、表示手段80には、現時点での姿勢及び航跡と、走錨リスクの評価結果と、操舵量、駆動量及び伸出量を併せて表示してもよい。
また、走錨リスクを回避するための操舵量が操舵機90の制御器に入力され、駆動量が駆動手段40の制御器に入力され、錨鎖の伸出量がウィンチ50の制御器に入力され、制御器が入力された値に従って操舵機90、推進機、又はウィンチ50を制御するようにしてもよい。これにより、走錨を回避するための操作を自動的に行わせることができる。
以上、本発明の走錨リスク評価プログラムによれば、コンピュータ10を用いて、錨泊前及び錨泊中において荒天時に錨泊する船舶の姿勢や航跡等の船体運動を高精度に推定して走錨リスクを精度よく評価することができる。
なお、走錨リスク判定プログラムは、処理を一旦終了した後、操船に変更があった場合、又は気象海象が所定以上に変化した場合は、走錨リスクの評価処理を再開する。
次に、本実施形態の走錨リスク評価システム、及び走錨リスク回避システムについて説明する。
図3は本実施形態による走錨リスク評価システム及び走錨リスク回避システムのブロック図である。なお、上記した走錨リスク評価プログラムでの説明と同一機能部には同一符号を付して説明を省略する。
走錨リスク評価システム1は、データ入力手段20と、外力推定手段11と、駆動力推定手段12と、錨鎖張力推定手段13と、姿勢・航跡算出手段14と、出力手段120を備える。
データ入力手段20は、船長等が船舶3の船舶データ、船舶3の駆動手段データ、船舶3の錨・錨鎖データ、気象・海象データ、及び錨泊に係る錨地データを入力するのに用いられる。
外力推定手段11は、外力推定ステップS2と同様に、船舶3の船体に働く外力を、船舶データと気象・海象データを用いて推定する。
駆動力推定手段12は、駆動力推定ステップS3と同様に、船体の駆動力を船舶データと駆動手段データを用いて推定する。
錨鎖張力推定手段13は、錨鎖張力推定ステップS4と同様に、船舶3の錨手段の錨鎖張力を、錨・錨鎖データ、錨地データ、及び船体の姿勢と航跡とを用いて推定する。
姿勢・航跡算出手段14は、数値解法ステップS5及び姿勢・航跡算出ステップS6と同様に、外力と駆動力と錨鎖張力を運動方程式に適用し、船体の姿勢と航跡を算出する。
出力手段120は、算出した姿勢と航跡を出力する。
これにより、錨泊前及び錨泊中において荒天時に錨泊する船舶3の姿勢や航跡等の船体運動を高精度に推定して走錨リスクを精度よく評価することが可能となる。
また、走錨リスク評価システム1は、限界係駐力推定手段100と、走錨リスク評価手段110を備えている。
限界係駐力推定手段100は、限界係駐力推定ステップS8と同様に、船舶3の錨・錨鎖データと錨地データを用いて限界係駐力を推定する。
走錨リスク評価手段110は、走錨リスク評価ステップS9と同様に、限界係駐力と錨鎖張力推定手段13で推定した錨鎖張力とを比較して船舶3の走錨リスクを評価する。
出力手段120は、走錨リスクの評価結果を、姿勢・航跡算出手段14で算出した船体の姿勢と航跡とともに出力する。限界係駐力と錨鎖張力に基づいて走錨リスクを評価して評価結果を出力することにより、錨泊候補地の事前評価段階においては走錨リスクの予想精度を高めることができ、また錨泊中においては走錨を回避するための対応の必要性等を的確に判断することが可能となる。
また、走錨リスク評価システム1は、出力手段120で出力された算出した姿勢と航跡、及び走錨リスクの評価結果を表示する表示手段80を備えている。これにより船長等は、予想される船体の姿勢と航跡を容易かつ的確に把握して走錨リスクの低減に活用することができる。
また、走錨リスク評価システム1は、外力推定手段11と、駆動力推定手段12と、錨鎖張力推定手段13と、姿勢・航跡算出手段14を、コンピュータ10をもって構成している。コンピュータ10に各手段の機能を持たせることで、評価に要する時間を短縮し、所要設置スペースのコンパクト化を図ることが可能となる。
また、走錨リスク評価システム1は、船舶3がAIS(自動船舶識別装置)30を搭載している場合は、船舶データとして自船の位置や方位等のAISデータを含むことができる。これにより、AIS30で取得した自船の位置・方位データ等を船舶データに含め、走錨リスクの評価に利用することができる。
また、走錨リスク評価システム1は、船舶3が錨鎖の伸出長の計測可能なウィンチ50を有している場合は、錨泊の事前計画や錨泊を実施している場合に、計測した錨鎖の伸出長を錨・錨鎖データに含め、走錨リスクの評価に利用することができる。
また、走錨リスク評価システム1は、船舶3が水深を計測する測深機70を有している場合は、計測した水深を錨地データに含め、計測した水深を走錨リスクの評価に利用し評価精度を向上することができる。
また、走錨リスク回避システム2は、操作量算出手段130と、情報伝達手段140を備える。
操作量算出手段130は、走錨リスク評価システム1で評価した錨鎖張力が限界係駐力を超える場合、すなわち走錨リスクが高い場合は、操作量算出ステップS10と同様に、走錨リスクを回避するための適切な操舵量、駆動手段40の駆動量、及び錨鎖の伸出量の少なくとも1つを算出する。
情報伝達手段140は、走錨リスク評価システム1で評価した走錨リスクを回避するために、操作量算出手段130が算出した船舶3の舵の操舵量、駆動手段40の駆動量、及び錨鎖の伸出量の少なくとも1つの情報を伝える。情報伝達手段140からの情報は、表示手段80での表示や、スピーカー等の音声手段から出力される音声などにより船長等に伝えられる。船長等は、出力された操舵量、駆動量、及び走錨を回避するための錨鎖の伸出量に基づいて舵、駆動手段40、及びウィンチ50を操作することで、走錨リスクを回避することができる。
また、走錨リスク回避システム2は、走錨リスク評価システム1で評価した走錨リスクを回避するために、船舶3の舵の操舵量、駆動手段40の駆動量、及び錨鎖の伸出量の少なくとも1つを自動的に操作する操作手段150を備える。
操作量算出手段130が算出した走錨リスクを回避するための操舵量、駆動量及び伸出量に基づいて、操作手段150が操舵機90、駆動手段40、及びウィンチ50を制御することで、走錨リスクを回避するための操作を自動的に行わせることができる。この際、自動的な操作と併せて情報伝達手段140から情報を提供してもよい。
本発明は、台風などの荒天時に錨泊するときに、船長等が選定した錨泊候補地での走錨リスクを事前に判定、評価することで適切な錨泊地の選定を行うことが可能となる。また、錨泊中においても、更新される気象・海象予報の入力や、船舶に搭載されている装置から取得される情報を用いて走錨のリスクを再評価し、必要に応じて操船などを行うことで、走錨リスクを低減したり回避することが可能となる。このため、船舶、特に荒天時の錨泊マニュアルが整備されていない内航船等に適用することで、走錨による海難事故を低減することができる。
1 走錨リスク評価システム
2 走錨リスク回避システム
3 船舶
10 コンピュータ
11 外力推定手段
12 駆動力推定手段
13 錨鎖張力推定手段
14 姿勢・航跡算出手段
20 データ入力手段
30 AIS
40 駆動手段
50 ウィンチ
70 測深機
80 表示手段
100 限界係駐力推定手段
110 走錨リスク評価手段
120 出力手段
140 情報伝達手段
150 操作手段
S1 データ取得ステップ
S2 外力推定ステップ
S3 駆動力推定ステップ
S4 錨鎖張力推定ステップ
S6 姿勢・航跡算出ステップ
S7 振れ回り運動判定ステップ
S8 限界係駐力推定ステップ
S9 走錨リスク評価ステップ
S10 操作量算出ステップ
S11 出力ステップ

Claims (18)

  1. 船舶の錨泊時の走錨リスクを時間ステップごとに繰り返して算出を行い評価るプログラムであって、
    コンピュータに
    前記船舶の船舶データ、前記船舶の駆動手段データ、前記船舶の錨・錨鎖データ、気象・海象データ、及び錨泊に係る錨地データを取得させるデータ取得ステップと、
    前記船舶の船体に働く外力を前記船舶データと前記気象・海象データを用いて推定する外力推定ステップと、
    前記船体の駆動力を前記船舶データと前記駆動手段データを用いて推定する駆動力推定ステップと、
    前記船舶の錨手段の錨鎖張力を前記錨・錨鎖データ、前記錨地データ、及び一つ前の前記時間ステップにおける前記船体の姿勢と航跡とを用いて推定する錨鎖張力推定ステップと、
    前記外力と前記駆動力と前記錨鎖張力を運動方程式に適用し前記船体の前記姿勢と前記航跡を算出する姿勢・航跡算出ステップと、
    算出した前記姿勢と前記航跡を出力する出力ステップを実行させることを特徴とする走錨リスク評価プログラム。
  2. 前記船舶の前記錨・錨鎖データと前記錨地データを用いて限界係駐力を推定する限界係駐力推定ステップと、前記限界係駐力と前記錨鎖張力推定ステップで推定した前記錨鎖張力とを比較して前記船舶の前記走錨リスクを評価する走錨リスク評価ステップをさらに実行させ、前記出力ステップで前記走錨リスクの評価結果を出力することを特徴とする請求項1に記載の走錨リスク評価プログラム。
  3. 前記外力推定ステップにおいて推定する前記外力は、操縦流体力、風圧力、及び波漂流力であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の走錨リスク評価プログラム。
  4. 前記姿勢・航跡算出ステップの前記運動方程式として数式1を使用し、前記船舶データに基づいて前記算出を行うことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の走錨リスク評価プログラム。
    Figure 2021160427000001
  5. 前記姿勢・航跡算出ステップの後で、前記船舶が定常的な振れ回り運動に達したかを判断する振れ回り運動判定ステップをさらに実行し、定常的な前記振れ回り運動に達していない場合は、前記外力推定ステップと、前記駆動力推定ステップと、前記錨鎖張力推定ステップと、前記姿勢・航跡算出ステップを繰り返すことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の走錨リスク評価プログラム。
  6. 前記船舶データとしてAIS(自動船舶識別装置)データを含むことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の走錨リスク評価プログラム。
  7. 前記錨・錨鎖データとしてウィンチにおける錨鎖の伸出長を含むことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の走錨リスク評価プログラム。
  8. 前記錨地データには測深機で計測した水深を含むことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の走錨リスク評価プログラム。
  9. 前記走錨リスク評価ステップで評価した前記走錨リスクを回避するために、前記船舶の舵の操舵量、駆動手段の駆動量、及び錨鎖の伸出量の少なくとも1つを算出する操作量算出ステップをさらに実行し、前記出力ステップで、前記舵の操舵量、前記駆動手段の駆動量、及び前記錨鎖の伸出量の少なくとも1つを出力することを特徴とする請求項2から請求項8のいずれか1項に記載の走錨リスク評価プログラム。
  10. 船舶の錨泊時の走錨リスクの評価を行うシステムであって、
    前記船舶の船舶データ、前記船舶の駆動手段データ、前記船舶の錨・錨鎖データ、気象・海象データ、及び錨泊に係る錨地データを入力するデータ入力手段と、
    前記船舶の船体に働く外力を前記船舶データと前記気象・海象データを用いて推定する外力推定手段と、
    前記船体の駆動力を前記船舶データと前記駆動手段データを用いて推定する駆動力推定手段と、
    前記船舶の錨手段の錨鎖張力を前記錨・錨鎖データ、前記錨地データ、及び前記船体の姿勢と航跡とを用いて推定する錨鎖張力推定手段と、
    前記外力と前記駆動力と前記錨鎖張力を運動方程式に適用し前記船体の前記姿勢と前記航跡を算出する姿勢・航跡算出手段と、
    算出した前記姿勢と前記航跡を出力する出力手段を備えたことを特徴とする走錨リスク評価システム。
  11. 前記船舶の前記錨・錨鎖データと前記錨地データを用いて限界係駐力を推定する限界係駐力推定手段と、前記限界係駐力と前記錨鎖張力推定手段で推定した前記錨鎖張力とを比較して前記船舶の前記走錨リスクを評価する走錨リスク評価手段をさらに備え、前記出力手段で前記走錨リスクの評価結果を出力することを特徴とする請求項10に記載の走錨リスク評価システム。
  12. 前記外力推定手段と、前記駆動力推定手段と、前記錨鎖張力推定手段と、前記姿勢・航跡算出手段を、コンピュータをもって構成することを特徴とする請求項10又は請求項11に記載の走錨リスク評価システム。
  13. 前記船舶がAIS(自動船舶識別装置)を搭載し、前記船舶データとしてAISデータを含むことを特徴とする請求項10から請求項12のいずれか1項に記載の走錨リスク評価システム。
  14. 前記船舶が錨鎖の伸出長の計測可能なウィンチを有したことを特徴とする請求項10から請求項13のいずれか1項に記載の走錨リスク評価システム。
  15. 前記船舶が水深を計測する測深機を有したことを特徴とする請求項10から請求項14のいずれか1項に記載の走錨リスク評価システム。
  16. 前記出力手段で出力された算出した前記姿勢と前記航跡、又は前記走錨リスクの評価結果の少なくとも一方を表示する表示手段をさらに備えたことを特徴とする請求項10から請求項15のいずれか1項に記載の走錨リスク評価システム。
  17. 請求項11から請求項15のいずれか1項に記載の走錨リスク評価システムで評価した前記走錨リスクを回避するために、前記船舶の舵の操舵量、駆動手段の駆動量、及び錨鎖の伸出量の少なくとも1つの情報を伝える情報伝達手段を備えたことを特徴とする走錨リスク回避システム。
  18. 請求項11から請求項15のいずれか1項に記載の走錨リスク評価システムで評価した前記走錨リスクを回避するために、前記船舶の舵の操舵量、駆動手段の駆動量、及び錨鎖の伸出量の少なくとも1つを操作する操作手段を備えたことを特徴とする走錨リスク回避システム。
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