JP4422996B2 - ローラボトル - Google Patents

Description

本発明は、容器の液体用開口の閉塞のためのキャップに関し、さらに詳細には、ローラボトル用の２個構成のキャップに関する。

細胞培養のために研究室において一般に使用されるある種類の容器は、「ローラボトル」として知られている。「ローラボトル」は、略円筒形状であり、その軸線回りに回転するようになっている。そのようなローラボトルの内面は、細胞の活性面を備えるものである。増殖培地液がそのローラボトルの液体用開口に導入された後、そのボトルは、蓋が被せられる。ボトルの連続した回転運動により、内面が培地液で濡れた状態で維持され、それにより、細胞増殖を促進する。適切な装置における回転用ローラが、これらのローラボトルを回転させるために用いられる。

ローラボトル、ならびに、フラスコ、および、遠心分離用管の液体用開口を密封するために使用される現行のキャップは、一体型設計のねじ込み式キャップである。ねじ式のねじ付キャップにおける機械的な利点は、移動され、軸力がシール機構をその容器の内側のリムに押し込み、そのシール機構とその容器のリムとの間の締まりばめによる密封を形成することである。現行のキャップについては、そのボトルを密封および開放するために必要とされるトルクの一部は、そのシール機構が組み付けおよび分解の間、キャップとともに回転するのでそのシール機構が容器のリムにこすり付く場合、作られる摩擦により生じる。

この摩擦の除去または低減が、その容器への取付けおよび取外しに要されるトルクを小さなトルクに変えることとなる。

一体型設計のキャップに関連した問題は、シール部分が乾燥した培地により外皮状に覆われたならば、ボトルからキャップを取り外すために要される大量のトルクである。特に、ローラボトルの使用者は、そのボトル内に含まれる培地がキャップと容器のリムとの間で乾燥し、接着剤として作用するので特に、そのボトルにくっついたキャップを取り外すために多量のトルク量を加えなければならない。一体型のキャップを取り外すために使用者は、キャップを回転させ、密封した表面が内側のボトルリムに対し回転するように密封した表面に対し乾燥した培地を粉砕しなければならない。

従って、少量のトルクを使用してそのキャップの取付けおよび取外しする使用者の能力が重要であるローラボトル、フラスコ、遠心分離管、および、他の容器のための改善型のキャップに対し要望がある。特に、キャップの軸線回りに自由に回転するシール機構付キャップをもたらすことは有益であろう。その結果、そのキャップが回転するとき、ボトルの内側のリムにこすり付くのではなく、その代わりに、そのキャップが昇降するとき、シール機構が昇降する。

本発明は、容器の首部における開口を閉塞するためのキャップアッセンブリを提供する。そのキャップアッセンブリは、上壁と、容器の首部にねじ取り付けするための垂れ下がる環状のスカートとを有するキャップ本体を含んでいる。プラグシールは、キャップの上壁の下面に取付け可能である。プラグシールおよびキャップは、キャップアッセンブリの容器の首部への取付けおよび取外しのとき、プラグシールに対しキャップ本体が単独で回転するように相対的に回転可能に結合されている。

全図を通じて同一の部分に同一の参照符号を付した図面を参照するに、図１Ａおよび図１Ｂは、本発明に従う容器の首部の液体用開口を閉塞するためのキャップアッセンブリを示す。特に、図１Ａおよび図１Ｂは、ローラボトル用キャップアッセンブリ１０を示す。お分かりように、キャップアッセンブリ１０は、上壁１４、および、ローラボトルの首部にねじ取付けるための垂れ下がる環状のスカート１６を有するキャップ本体１２を含んでいる。キャップアッセンブリ１０は、キャップ本体１２の下面２０に取り付けられ得るプラグシール１８をさらに含んでいる。プラグシール１８、および、キャップ本体１２は、相対的に回転可能に結合され、ローラボトルまたは他の容器の首部に対しキャップアッセンブリ１０の取付けおよび取り外しのとき、プラグシールに対しキャップ本体が単独に回転する。

従来技術の一体型のキャップとは異なり、本発明の２個構成のキャップアッセンブリについては、容器の首部に対するキャップ本体の取り付けおよび取り外しに必要とされるトルクの一部は、キャップがキャップ本体の取付けおよび取外しの間、回転せしめられるときシール用機構が回転する必要がないので不要とされる。特に、プラグシール１８は、キャップ本体の軸線２４の回りに自由に回転し、従って、キャップ本体が回転するときボトルのインナーリムに対しこすりつけることなく、そのキャップ本体が昇降するにつれてプラグシールが簡単に昇降する。

図１Ａおよび図２Ａに関して、一つの実施例において、本発明のキャップアッセンブリのキャップ本体１２は、プラグシール部品１８を収容するための中央のオリフィス２２を含んでいる。そのオリフィス２２は、スナップ嵌めのプラグシール１８を設けることを助けるように階段状にされ得る。

図１Ａおよび図１Ｂ、図２Ａおよび図２Ｂに示されるように、キャップ本体１２の環状のスカート１６は、内壁３０および外壁３２を含んでいる。内壁３０は、容器の首部にキャップアッセンブリ１０を取り外し可能に取り付けるためのねじ３４を含んでいる。図２Ａおよび図２Ｂに示されるように、環状のスカート１６の外壁３２は、キャップの取り付けおよび取り外しの間、使用者の把持力を高めるように縦リブ３６を含んでも良い。内壁３０は、図２Ｂに示されるように、ローラボトルを取り巻く環境に対し開口したローラボトルを維持するためにローラボトルにおいてキャップアッセンブリを開状態で固定して保持するための固定用装置３８を含んでもよい。さらに図２Ｂを参照するに、キャップ本体１２の上壁１４の下面は、好ましくは、キャップ本体１２およびプラグシール１８との間の面接触を低下させる二つの突出するリングを含んでいる。望ましくは、そのようなリングは、そのキャップと一体に形成されている。

図１Ａおよび図３Ａを参照するに、プラグシール１８の上面２６は、キャップ本体の下面にスナップ嵌めの取り付けで設けるようにフランジ２８を含んでいる。フランジ２８は、プラグシール１８の上面２６と一体に形成されてもよく、オリフィス２２に関連させて
環状のリングで構成される。必要に応じて、そのオリフィスは、上述したように、スナップ嵌めを設けることを助けるように階段状に形成されてもよい。

図３Ａおよび図４に示されるように、キャップアッセンブリ１０においてプラグシール部品１８の上面２６は、キャップ本体１２にスナップ嵌めの取り付けで設ける手助けをするように環状の溝４０をさらに含んでいる。特に、図４の断面図に示されるように、キャップ本体１２の上壁１４は、垂れ下がる環状のスカート１６から半径方向に離隔され垂れ下がる環状の突起４２を含んでもよく、プラグシール１８の環状の溝４０とスナップ嵌めで設ける手助けをする。

図３Ｂを参照するに、一つの実施例においては、プラグシール部品１８の下面４４は、排気型キャップアッセンブリを形成するように装置（不図示）の挿入用タブ４６を環状に離隔した配置の状態で含んでいる。例えば、タブ４６は、そのボトル内へのバクテリアおよび真菌の移動を防止しつつ、酸素および二酸化炭素の自由な通過を可能とするための気体透過膜の取り付けが可能となる。適切な気体透過膜は、ポリエチレン、ポリカーボネイト、アクリルコポリマー、および、ポリテトラフルオロエチレンなどのような材料で作られる。

本発明に従うキャップアッセンブリを製造するための条件を考慮して、多種多様な熱可塑性材料、例えば、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリオレフィン、および、ポリ塩化ビニルなどが利用され得る。

従来技術のキャップとは異なり、本発明のシール機構は、キャップの軸線回りに単独に回転するものである。そのシール機構は、そのキャップが回転するとき回転しない。それにより、キャップとともに回転するとき、そのシール機構が容器のリムにこすり付ける場合、通常生じる摩擦をなくすこととなる。従って、容器へのキャップの取付けおよび取外しには、低減された少量のトルクが必要となる。これは、ローラボトル内に収容される培地がキャップおよびボトルリムに対し乾燥し、その結果、接着剤として作用する状態で有効な利点を意味している。従来技術の一体型のローラボトルキャップについては、使用者は、密封した表面が内側のボトルリムに対し回転するようにキャップを回転させ、密封した表面に対し乾燥した培地を粉砕することが要される。しかしながら、２個構成の設計については、そのキャップが回転するように粉砕することがなく、密封した表面が、持ち上げられてボトルリムで外皮状に覆った培地を除去する。

本発明のキャップアッセンブリは、特に、ローラボトルおよびフラスコのような細胞培養容器の液体用開口を閉塞するために有益であるが、さらに本発明のキャップアッセンブリは、使用者がキャップの取付けおよび取外しに大量のトルクを加えることを要しないことが重要である遠心分離用管またはボトルの首部における開口の閉塞のために有益であろう。例えば、遠心分離の後で、使用者がそのキャップを取り外し、その遠心分離用管またはボトルからその分離された成分を回収する場合、少量のトルクを加える状態において混ざる可能性がない培地液において分離された成分の分離層があり得る。

本発明の二個構成キャップアッセンブリの最上部の斜視図である。 図１Ａのキャップアッセンブリにおける下部の斜視図である。 本発明のキャップアッセンブリのキャップ本体における最上部の斜視図である。 図２Ａのキャップ本体における下部の斜視図である。 本発明のキャップアッセンブリにおけるプラグシール部品の最上部の斜視図である。 図３Ａのプラグシールにおける下部の斜視図である。 本発明のキャップアッセンブリにおける断面図である。

Claims (19)

1. 容器の首部における開口を閉塞するためのキャップアッセンブリにおいて、
   上壁と、該上壁に形成されるオリフィスと、前記容器の前記首部にねじ取付けするための垂れ下がる環状のスカートとを有するキャップ本体と、
   前記キャップ本体の前記オリフィスに取り付けられるプラグシールと、を備え、
   前記プラグシールおよび前記キャップ本体は、前記キャップアッセンブリの前記容器の首部への取付けおよび取外しのとき、該プラグシールに対し該キャップ本体が単独で回転するように相対的に回転可能に結合されるキャップアッセンブリ。
2. 前記プラグシールは、前記キャップ本体の長手方向の軸線回りに自由に回転する請求項１記載のアッセンブリ。
3. 前記オリフィスは、前記プラグシールをスナップ嵌め取付けで設ける手助けをするように階段状である請求項１記載のアッセンブリ。
4. 前記プラグシールは、前記キャップ本体にスナップ嵌め取付けで設ける手助けをするように該プラグシールの上面に一体に形成されるフランジを含んでいる請求項１記載のアッセンブリ。
5. 前記フランジは、前記キャップ本体の前記中央のオリフィスに関連して不連続の環状のリングで構成される請求項４記載のアッセンブリ。
6. 前記プラグシールは、環状の溝をさらに含む請求項１記載のアッセンブリ。
7. 前記キャップ本体の前記上壁は、該キャップ本体の前記垂れ下がる環状のスカートから半径方向に離隔し、前記プラグシールの環状の溝に受け入れられる少なくとも一つの垂れ下がる突起を含んでいる請求項６記載のアッセンブリ。
8. 前記突起は、環状である請求項７記載のアッセンブリ。
9. 前記突起は、不連続である請求項７記載のアッセンブリ。
10. 前記キャップ本体の前記上壁は、該上壁の下面に配され前記プラグシールと係合するための少なくとも一つの突出したリングあって、該キャップ本体と該プラグシールとの間の面接触を低下させる少なくとも一つの突出したリングを含んでいる請求項１記載のアッセンブリ。
11. 前記突出したリングは、前記キャップ本体と一体に形成される請求項１０記載のアッセンブリ。
12. 前記キャップ本体は、二つの前記突出したリングを含んでいる請求項１０記載のアッセンブリ。
13. 前記キャップ本体における前記環状のスカートは、内壁および外壁を含んでいる請求項１記載のアッセンブリ。
14. 前記環状のスカートの前記内壁は、前記キャップアッセンブリを前記容器の前記首部に取り外し可能に取り付けるためのねじ部を含んでいる請求項１３記載のアッセンブリ。
15. 前記環状のスカートの前記外壁は、きめの粗い表面である請求項１３記載のアッセンブリ。
16. 前記環状のスカートの内壁は、前記容器を取り巻く環境に対し開口した容器を維持するために前記容器の前記首部においてキャップアッセンブリを開状態で固定して保持するように位置決めされ、形成される突出した固定用装置を含む請求項１３記載のアッセンブリ。
17. 前記プラグシールは、排気型キャップアッセンブリを形成するために気体透過膜を挿入するためのタブを環状に離れた配置状態で有する下面を含む請求項１記載のアッセンブリ。
18. 前記キャップ本体は、熱可塑性材料で作られる請求項１記載のアッセンブリ。
19. 前記プラグシールは、熱可塑性材料で作られる請求項１記載のアッセンブリ。

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