JP4421425B2 - 加工性に優れたステンレス鋼板 - Google Patents

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Description

本発明はプレス加工後のスピニング加工や多段深絞り加工といった厳しい条件の加工に適した加工性に優れたオーステナイト系ステンレス潤滑鋼板に関するものである。
ステンレス鋼の適用の拡大に伴い,ステンレス鋼を従来よりも加工条件が厳しい様式の加工法で成形することが試みられている。例えば,ポンプケーシングの加工では,深絞りでカップを成形した後,フランジ部をスピニング加工し,蓋との嵌合部を成形することが行われる。ステンレス鋼の中でSUS304に代表されるオーステナイト系は,加工誘起マルテンサイトが生じる結果,変態誘起塑性が発現し伸び,張出し性に優れ成形限界が大きいが,一方で加工硬化も大きいため,ポンプケーシングのような成形では,深絞り後のフランジ部のスピニング加工で加工割れが生じてしまう。その結果,ステンレス鋼板の加工性向上に対する要求はますます増大してきている。
このような要求に応えるため,高加工性を維持しつつ軟質化を図った軟質オーステナイト系ステンレス鋼が開発されている(例えば,特許文献1)。特許文献1の鋼は,(1) 低C,N化による軟質化,(2) Md点(加工を受けた場合のマルテンサイト変態温度),積層欠陥エネルギーの調整による伸びの維持,加工硬化の抑制を図り,従来のオーステナイト系ステンレス鋼の高加工性を維持しつつ軟質化を行った加工性に優れた鋼である。本鋼により,優れた穴拡げ性が得られるものの,前記ポンプケーシングのような深絞り後のフランジのスピニング加工に適用するには限界がある。また,軟質化を図ったとはいえ,伸びを確保するためにある程度の加工硬化は避けられないため,多段深絞りに適用するにも自ずと限界が生じる。
ステンレス鋼素材の加工性を補う手段として,潤滑材料の皮膜による加工性の改善手法が開発されている(例えば、特許文献2)。これは,加工時の工具との接触圧力に耐える弾力性と強度を保持する樹脂中に潤滑性を担保するワックスを添加して,鋼板と工具の間の潤滑性能を向上することにより,鋼板の加工性を実質的に向上するものである。ただし本潤滑鋼板は,潤滑材料と素材鋼板の密着性を維持し良好な潤滑性を確保するために,潤滑皮膜を形成する前の下地処理としてクロメート皮膜を形成する。クロメート皮膜にはいわゆる環境負荷物質である6価クロムを含有するため,最近の環境改善指向では,使用が好まれない。
特開平10−121207号公報 特開2001−140080号公報
本発明が解決しようとする課題は,上記のような深絞り後のスピニング加工や多段深絞り加工のように従来のオーステナイト系ステンレス鋼では成形が不可能であった加工に対して,適用可能な加工性に優れたステンレス鋼板を環境負荷物質の使用を行うことなく提供すること,すなわち従来の成形限界を超えかつ環境に優しいオーステナイト系ステンレス潤滑鋼板を提供することである。
本発明は軟質で加工硬化が少なく加工性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼板にクロメートフリーでも潤滑皮膜と鋼板との優れた密着性と加工性を担保する下地処理を施し,その上に潤滑性に優れた皮膜を形成することにより従来の成形限界を超えかつ環境負荷物質を含まないオーステナイト系ステンレス潤滑鋼板を提供する。
すなわち本発明は,(1)質量%で,C:0.001〜0.02%,Si:0.01〜0.5%,Mn:2.2〜3%,P:0.001〜0.05%,S:0.0001〜0.005%,Cr:14〜18%,Ni:6〜9%,Cu:1〜3%,N:0.001〜0.02%を含有し,さらに必要に応じて,Mo:0.15〜0.5%を含有し,その他Feならびに不可避不純物からなるオーステナイト系ステンレス鋼板に下地皮膜としてフェノール樹脂+シラン化合物+リン酸成分からなる有機無機複合皮膜を10〜100mg/m2の割合で形成し,その上にウレタン樹脂+エポキシ樹脂+ポリオレフィンワックスからなる潤滑皮膜を0.5〜10μmの厚さに形成してなることを特長とする加工性に優れたオーステナイト系ステンレス潤滑鋼板,(2)表面の動摩擦係数が0.06以下である前記(1)記載のオーステナイト系ステンレス潤滑鋼板ならびに(3)皮膜形成前の鋼板の0.2%耐力が230MPa以下である前記(1)又は(2)に記載の加工性に優れたステンレス鋼板である。
本発明のオーステナイト系ステンレス鋼板は、表面に潤滑皮膜を形成しているので加工性に優れ、潤滑皮膜の鋼板密着性を確保する下地皮膜はクロメートフリーなので6価クロムを含有せず、環境への負荷を軽減することができる
まず,本発明のオーステナイト系ステンレス鋼の成分限定理由を述べる。
Cはオーステナイト系ステンレス鋼の固溶強化に対する寄与が大きい元素であるため,軟質化を図る本発明では低いことが望ましい。本発明では後述するように0.2%耐力で230MPa以下の強度を指向するのでこれを実現するためにCの上限を0.02%とする。下限は,低くてもかまわないが精錬能力および製造コストを考慮して0.001%とする。
Siは精錬中の脱酸剤,還元剤が残存したもので,これらの機能を得るために少なくとも0.01%以上必要である。しかし,多くに過ぎると鋼を硬化させ加工性を低下するので上限を0.5%とする。
Mnはオーステナイト組織を安定化して加工誘起マルテンサイトの生成量を抑制することならびにオーステナイトの積層欠陥エネルギーを増大することにより加工硬化を抑制する。深絞り後のスピニング加工や多段深絞り加工に適する加工硬化に調整するため,2.2%以上の添加を行う。しかし,過度に添加すると固溶強化が大きくなる他,耐食性にも好ましくないので,上限を3%とする。
Pは加工性,耐食性の観点から低いほど好ましい。本発明では,原料事情,精錬能力を考慮して0.001〜0.05%とする。
Sは熱間加工性や耐食性の観点から低いほど好ましい。本発明では,精錬能力を考慮して下限を0.0001%とする。熱間加工性を向上する観点からは0.002%以下とすることが望ましい。一方,溶接を行う場合,Sは溶け込み深さを大きくして溶接の能力と品質を向上するため,ある程度の添加が好ましい。よって,Sの上限は溶接性も考慮して0.005%とする。
Crはオーステナイト系ステンレス鋼としての一般的な耐食性を満足するために,14〜18%の範囲で添加する。
Niはオーステナイト組織を得るため,耐食性を得るため,Mnと同様にオーステナイトの加工硬化特性を調整する目的で,6〜9%の範囲で添加する。
Moは,MnやCuを比較的多く添加する本発明鋼において加工誘起マルテンサイトの生成量を調整するためならびに耐孔食性を向上するために必要に応じて添加する。これらの効果を発現するため少なくとも0.15%以上添加する。しかし,Moは高価であるとともに多量に添加するとオーステナイトを不安定にするので上限を0.5%とする。
Cuは,Mnと同様にオーステナイトを安定化して加工誘起マルテンサイトの生成量を抑制することならびにオーステナイトの積層欠陥エネルギーを増大することにより加工硬化を抑制する目的で1%以上添加する。しかし,過剰の添加は赤熱脆性により熱間加工性を劣化させるため3%を上限とする。
Nは,Cと同様に軟質化を図る本発明では低いことが望ましい。本発明では後述するように0.2%耐力で230MPa以下の強度を指向するのでこれを実現するためにNの上限を0.02%とする。下限は,低くてもかまわないが精錬能力を考慮して0.001%とする。
次に本発明の下地皮膜について説明する。
下地皮膜は,フェノール樹脂+シラン化合物+リン酸成分からなる有機無機複合皮膜とする。このような下地皮膜を形成することにより,ステンレス鋼板と潤滑皮膜との密着性についてクロメート処理と同等の密着性が得られ,潤滑鋼板の優れた加工性に寄与する。この下地皮膜はクロメートフリーであり、即ちCr6+やCr3+を積極的には含有しないことを意味する。
下地皮膜のフェノール樹脂としては、架橋可能な樹脂成分とすることが好ましい。
下地皮膜のシラン化合物としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランやγ−グリシドキシプロピルトリエトキシシランが好ましい。シラン化合物の含有量は固形分換算で,樹脂100質量部に対して,0.1〜3000質量部であることが好ましい。0.1質量部未満では,下地金属ならびに上層の潤滑皮膜との十分な密着性が得られない。3000質量部を超えると,加工性が劣化したり,塗布時に樹脂がゲル化して不具合を生じることがある。
下地皮膜のリン酸成分としては、正リン酸塩,亜リン酸塩,次亜リン酸塩が好ましい。リン酸成分の含有量は固形分換算で,樹脂100質量部に対して,0.01〜100質量部であることが好ましい。0.01質量部未満では,下地金属ならびに上層の潤滑皮膜との十分な密着性が得られない。100質量部を超えると,加工性が劣化したり,塗布時に樹脂がゲル化して不具合を生じることがある。なお安定した密着性を得るため,上記有機無機複合皮膜の塗覆時のpHはリン酸成分により4から5の範囲に調整することが望ましい。
本発明に規定する下地皮膜を形成することにより潤滑皮膜との密着性を得ることができる理由は以下のように考えられる。即ち、シランカップリング剤(シラン化合物)は,有機官能基と加水分解基を持っており,これによって金属と有機樹脂を結びつけることができる。リン酸成分の添加でpHを調整することにより,さらにシランカップリング剤と金属との密着性が増す。
下地皮膜は,ステンレス鋼板と潤滑皮膜との密着性を確保するために鋼板表面に対して少なくとも10mg/m2の割合で形成する。しかし,下地皮膜が厚くなり過ぎると下地皮膜の破壊により加工性が低下するので,鋼板表面に対して100mg/m2の割合を上限として形成する。
下地皮膜は、ロールコートやバーコートなどを適宜選択して塗布し,加熱して乾燥することにより形成することができる。
次に本発明の下地皮膜の上に形成する潤滑皮膜について説明する。
潤滑皮膜は,ウレタン樹脂+エポキシ樹脂+ポリオレフィンワックスとする。
潤滑皮膜にウレタン樹脂を含有することにより,弾力性と強度を合わせ持つことができる。ウレタンの分子量は,使用用途に応じて適宜選択することが出来るが,弾力性と強度の兼備の観点から分子量3000以上とすることが好ましい。潤滑皮膜のウレタン樹脂としては、分子量が3000以上でビスフェノール型骨格とエステル骨格を有し,カルボキシル基を有するエーテル・エステル型ウレタン樹脂が好ましい。
潤滑皮膜に含有するエポキシ樹脂は,架橋による密着性の確保に寄与する。潤滑皮膜のエポキシ樹脂としては、水溶性または水分散性で,ウレタン樹脂との反応のためにヒドロキシル基,エポキシ基など反応性の官能基を有するものを使用する。
摩擦係数を低減して潤滑性を確保する目的で、潤滑皮膜にポリオレフィンワックスを添加する。ワックスの粒径や添加量は用途に応じて適宜選択することが出来るが,優れた潤滑性能を発揮する観点から,ワックスの粒径:0.1〜10μm,潤滑皮膜中の質量割合で5〜30%の添加が好ましい。このようにワックスを添加することにより優れた潤滑性能を発揮し潤滑鋼板表面の動摩擦係数が0.06以下になる。潤滑皮膜のポリオレフインワックスとしては、パラフィン,マイクロクリスタリンまたはポリエチレン等の炭化水素系のワックスが挙げられる。
潤滑皮膜の厚さは,0.5〜10μmとする。潤滑皮膜の厚さが0.5μm未満では、所望の潤滑性能が得られない。しかし,厚くに過ぎると,加工時に潤滑皮膜のカスが発生して加工作業に障害をもたらしたり,皮膜が剥がれたりすることがあるので上限を10μmとする。なお,加工後スポット溶接やシーム溶接といった抵抗溶接を施す場合は,通電性を確保するために潤滑皮膜厚さは,2μm以下,好ましくは,1.5μm以下である。
潤滑皮膜の形成方法は,ロールコートやバーコートなどを適宜選択して塗布し,その後焼き付け処理を行えばよい。塗布は,用途に応じて鋼板の片面あるいは両面に行って構わないし,両面に塗布する場合は,塗布面による皮膜厚さを変えても構わない。また,塗布作業性を上げるために,ウレタン樹脂+エポキシ樹脂+ポリオレフィンワックスにシリコン系やアルコール系の既知の界面活性剤や消泡剤を適宜添加して構わない。
本発明のステンレス鋼板においては、潤滑皮膜表面の動摩擦係数が0.06以下であることとすると好ましい。これにより、深絞り後のスピニング加工や多段深絞り加工を可能とすることができる。前述のとおり、ステンレス鋼板に本発明の下地皮膜と潤滑皮膜とを形成し、潤滑皮膜中のポリオレフィンワックスの粒径や添加量を適正化することによって動摩擦係数を0.06以下とすることができる。
なお,本発明でいう動摩擦係数とは,バウデン式動摩擦計を用い,鋼板の同一部分を100mmの距離だけ繰り返して20回摺動した時の20回目の摺動時の平均的な動摩擦係数を指すこととする。
最後に,本発明の鋼板の0.2%耐力限定理由を述べる。
スピニング加工のように連続的に加工を受ける場合や多段深絞りにおいて成形限界を高めるには,加工硬化量の抑制と加工後の強度の低減が必要である。加工後の強度低減には,初期強度である素材の0.2%耐力を低くすることの効果が大きい。本発明では,以降の実施例に示すような,深絞り後のスピニング加工や多段深絞り加工を可能とするための条件として,皮膜形成前の鋼板の0.2%耐力を230MPa以下に限定する。
表1の鋼Aと鋼Jを電気炉−AOD−CCで実機溶製,鋳造し,引き続き,熱延−焼鈍・酸洗−冷延−焼鈍・酸洗を行い板厚1.5mmの鋼板を製造した。また,鋼Nならびに鋼B〜Lは実験室の真空溶解で製造し,実験室で熱延−焼鈍・酸洗−冷延−焼鈍・酸洗を行い板厚1.5mmの鋼板を製造した。
表2に示すように鋼A〜L,Nの鋼板の両面に下地皮膜を形成し,さらにバーコートで潤滑材料を塗布し焼き付け処理を行って潤滑皮膜を形成した。下地皮膜としては、フェノール樹脂100質量部に対し、シラン化合物としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを500質量部、リン酸成分として正リン酸塩を15質量部含有する皮膜を形成した。また潤滑皮膜としては、ウレタン樹脂+エポキシ樹脂を80質量%、ポリオレフィンワックスを10質量%含有する皮膜を形成した。
以上のように製造したステンレス鋼板について、円筒深絞りにより,外径約100mm,深さ約70mmのカップを成形し,フランジ部を切断して,さらにカップの端部をスピニングで加工して蓋嵌合部分の成形を行った。深絞り後の潤滑皮膜の外部損傷状況ならびにスピニング後の端部の割れ発生状況を表2に合わせて示す。本発明の条件に従う場合,深絞り後の潤滑皮膜外観,スピニング後の端部の両方ともに良好であり,優れた加工性を示すことが分かる。
Figure 0004421425
Figure 0004421425
次に表3の鋼M,Pからなる板厚0.6mmの鋼帯を実機製造した。製造工程は,電気炉−AOD−CC−熱延−焼鈍・酸洗−冷延−焼鈍・酸洗である。鋼M2,M3は,鋼Mの鋼帯を,鋼P2,P3は,鋼Pの鋼帯を製造する際に冷延後の焼鈍温度,時間を常法により変化させて,0.2%耐力を変化させたものであり,板厚は0.6mmである。0.2%耐力は,JIS13号B試験片を用い,鋼帯L方向の測定値である。表4に示すように下地皮膜と潤滑皮膜の形成をロールコート法で鋼帯の両面に行った。得られた潤滑鋼板を切り出し,幅約50mm×奥行き約30mm×高さ約100mmの電池ケースを15段の多段絞りで成形した。表4に示すように本発明の条件に従う場合,厳しい加工条件にもかかわらず成形を完了しかつ成形後の時効割れの発生も認められなかった。
Figure 0004421425
Figure 0004421425
本発明によりプレス加工後のスピニング加工や多段深絞り加工といった厳しい条件の加工に適した加工性に優れたオーステナイト系ステンレス潤滑鋼板が適用できるので,ステンレス鋼の適用拡大に伴う加工性向上に対する需要に応えることができ,その工業的価値は大きいと言える。

Claims (4)

  1. 質量%で,C:0.001〜0.02%,Si:0.01〜0.5%,Mn:2.2〜3%,P:0.001〜0.05%,S:0.0001〜0.005%,Cr:14〜18%,Ni:6〜9%,Cu:1〜3%,N:0.001〜0.02%を含有し,その他Feならびに不可避不純物からなるオーステナイト系ステンレス鋼板に下地皮膜としてフェノール樹脂+シラン化合物+リン酸成分からなる有機無機複合皮膜を10〜100mg/m2の割合で形成し,その上にウレタン樹脂+エポキシ樹脂+ポリオレフィンワックスからなる潤滑皮膜を0.5〜10μmの厚さに形成してなることを特長とする加工性に優れたステンレス鋼板。
  2. 質量%で,C:0.001〜0.02%,Si:0.01〜0.5%,Mn:2.2〜3%,P:0.001〜0.05%,S:0.0001〜0.005%,Cr:14〜18%,Ni:6〜9%,Mo:0.15〜0.5%,Cu:1〜3%,N:0.001〜0.02%を含有し,その他Feならびに不可避不純物からなるオーステナイト系ステンレス鋼板に下地皮膜としてフェノール樹脂+シラン化合物+リン酸成分からなる有機無機複合皮膜を10〜100mg/m2の割合で形成し,その上にウレタン樹脂+エポキシ樹脂+ポリオレフィンワックスからなる潤滑皮膜を0.5〜10μmの厚さに形成してなることを特長とする加工性に優れたステンレス鋼板。
  3. 潤滑皮膜表面の動摩擦係数が0.06以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の加工性に優れたステンレス鋼板。
  4. 皮膜形成前の鋼板の0.2%耐力が230MPa以下であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の加工性に優れたステンレス鋼板。
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