JP4421245B2 - 乳幼児用シート - Google Patents
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Description
また、本出願人が先に提案したものとして、特開2003−102597は、パイプフレームで形成した骨組みにシート本体を配置して、骨組みが変形するようにして、所謂バウンスさせるような乳幼児用シートも知られている。
すなわち、乳幼児にあっては、低月齢期(月齢0ないし3,4か月程度)のころは、未だ激しい動きを行うことがほとんどないので、動力部を有さない構造のものでは、親などがシートを揺すってやる必要があり、ロッキング機構を備えたシートが必要とされる。
これに対して、高月齢期(ここでは、3,4か月程度以降)では、次第に身体が発達し、身体を自分で揺すったり、玩具を手に持って振ったりして、それまでより比較的激しく動くことができるようになると、バウンス機能により、自分の身体の動きに反応してシートが揺動することが好ましい。
例えば、布などのシート体をフレーム構造で支持した構造の乳幼児用シート(特許文献2参照)では、少なくともフレームの一部の変形によりバウンスを生じるようにしており、このような構造を採用しつつロッキング機構を具備させようとすると、取付け部を介してロッキング機構を取付けた場合には、変形しないため、所定の剛性を有するロッキング部材によって、バウンス機構の変形が阻害されてしまう等の障害を生じることになる。
請求項2の構成によれば、使用者である乳幼児の成長に応じて、あるいは使用条件に応じて、ロッキング手段を取り外すことができる。このため、乳幼児が成長して、バウンス機構だけでも揺れを発現させることができる大きな動きができるようになった場合には、ロッキング手段を外して使用することができるだけでなく、持ち運びや流通に便利であり、保管の場所をとらない等の利点がある。
請求項3の構成によれば、取付け部を脚部フレームに取付ける摺動体と、ロッキング手段側に取付けるベース体とに分けて、ベース体の受容部に摺動体を収容することで、着脱できるようにしている。しかも前記受容部には、前記摺動体を受容した状態で、摺動体との間に所定のクリアランスを設けるようにすることで、ロッキング手段を取付けた状態における前記取付け部の、脚部フレームに対する摺動機能を適切に確保することができる。
しかも、摺動体はフレームに対して、固定的に取付けられていないことにより、例えば、フレームの特定の箇所に孔等を形成して、そこに固定的に取付けた場合等と比較して、決まった箇所に常に負荷を与える構造を回避することができ、疲労による損傷などを適切に防止することができる。
請求項4の構成によれば、脚部フレームはその前方に向かって広げられた形態とされて、前後方向に湾曲面を備えたベース板を有するロッキング手段が水平ロッドに取付けられることで、脚部フレームの前方が安定的に構成されることとなる。そのため、大きな動きができるようになった乳幼児が、ロッキング手段によって前後方向に対して揺らした場合でも、前方や斜め前方に乳幼児シートが倒れることがなく、安全に使用することができる。
しかも、乳幼児シートの前後方向に対して、ベース板が前方側がより広がるよう斜めに配置されることになり、乳幼児シートが前方に揺れた場合には、各ベース板の設置面への当接面の内側に比較的重さがかかり、乳幼児シートが後方に揺れた場合には、各ベース板の設置面への当接面の外側に比較的重さがかかることとなる。そのため、ロッキングした際に、ベース板の接地面の重量が加わる位置が揺れに従って変動することとなり、心地良い揺れを発生させることができる。
請求項5の構成によれば、各ベース体を連結バーで連結することで、ねじれ方向に対する剛性を高め、乳幼児用シートを構成するフレーム構造のねじれ変形を防止することができる。
尚、以下に述べる実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
図1において、シート20は、フレーム体21に装着されることにより所定の形状に支持された、例えば布製のシート体40を備えており、シート体40の上面には、乳幼児の下半身(図示せず)の、特に、股から腰にかけての箇所を保持するのに適合した保持部80が設けられている。
シート20には、シート体40の上部を覆うようにして、フレームで支持された蓋い、ないしは幌60や、着脱式のフレームに支持された玩具70が取付け可能となっている。
図において、フレーム体21は、並列的に、それぞれ斜めに配置され、フレームの接続手段となる一対のコネクタ22,22と、設置面から所定角度で斜めに上方に傾斜して延びて、コネクタ22,22に支持されている傾斜ロッド25,25及び、各傾斜ロッド25,25の先端から後方に延長される水平ロッド26,26を備える一対の脚部フレーム27,27を備えている。
そして、足受けフレーム30の各基端部28a,28aは、各コネクタ22,22を貫通して上方にそれぞれ延びて、各コネクタ22,22から露出した部分28b,28bを備えることにより、中間ロッド28,28を構成している。
また、背もたれフレーム31に対しては、図示しない略U字状の細い幌用フレームが固定されるようになっている。
これに対して、足受けフレーム30の各基端部28a,28aは、先端(下端)付近が、上向きに傾斜して水平に近い状態とされている。つまり、図において、中間ロッド28及び背もたれフレーム31の有する傾斜や脚部フレーム27,27の有する前方への傾斜と比べて、接地面から離れる方向である上を向く傾斜を有しており、これにより、足受けフレーム30の先端部28cは、上方にややせりあがって、乳幼児の足が水平に近い状態に位置することになり、身体を保持しやすいようになっている。
脚部フレーム27の一部である水平ロッド26,26は、後述するロッキング手段であるロッキングユニットが取付けられるものであり、ロッキングユニットを取付けないで使用される場合には、シート20が設置もしくは置かれる床等の設置面と当接し、床等と平行に延びる部分である。
また、脚部フレームの傾斜ロッド25,25や背もたれフレーム31により形成されるシート20の傾斜角度は、10度から45度程度であることが好ましく、本実施形態では、40度とされており、乳幼児が寝かされた時の疲労が少ない。
さらに、脚部フレーム27の水平ロッド26,26と傾斜フレーム25,25は、上述したように、中実なステンレスや軟鉄による丸棒状の部材で形成され、ある程度の弾性を備えている。この実施形態では、特に、水平ロッド26,26と傾斜フレーム25,25との間に、図示するようなR状の曲折個所を設けて、バウンス部41,41としている。バウンス部41,41は、設置面に平行な水平ロッド26,26から所定の傾斜角で延びる傾斜ロッド25,25およびコネクタ22,22を介して、背もたれフレーム31の平行部32a,32aを弾性的に支持している。
コネクタ22は、その中を中間ロッド28が貫通するとともに、傾斜ロッド25の上端部が収容されており、これらの位置が、長さ方向に中心軸の周りで回動変位することで、シート20に折り畳み機能を付与するものである。シート20は、必ずしも折り畳み機能を備えなくてもよい。このため、この折り畳み機能は、本発明に関して本質的事項ではないので、詳しい説明を省略する。
このロッキングユニット50は、シート20の脚部フレーム27の水平ロッド26,26に対して、取付け部である取付け部材52により取付け、取り外しがされるようになっている。すなわち、ロッキングユニット50を水平ロッドなどの脚部フレーム側に取付ける手段としは、この実施形態のように、独立した部品として、後述する取付け部材52として構成されていても、あるいは、ロッキングユニット側もしくは脚部フレーム側のいずれかに対して一体になった取付け部として構成されていてもよい。
ロッキングユニット50は、ロッキング板である一対のベース板51,51を有しており、各ベース板51,51は、それぞれ取付け部材52,52を介して図2で説明した左右の水平ロッド26,26とそれぞれ着脱されるようになっている。ベース板51,51は互いに同じ形状であり、紙面の左右の方向に長い長尺の板体で、木材や合成樹脂、金属等により形成されている。
図3に示されているように、一対のベース板51,51は、その前端側の互いの間隔W1が、後端側の互いの間隔W2よりも大きくされて前方への安定性が高められており、ベース板51,51どうしは、前端付近で、後述する連結バー42により、結合されることにより、ねじれ方向の変形を防止するようになっている。なお、連結バー42は後端付近で連結されていてもよいが、前端側の間隔W1が大きくされているため、前端付近で連結されていることが好ましい。
図5は、図2で説明した水平ロッド26に取付け部材52−1,52−2を介して、ロッキングユニット50を取付けた状態を示す概略側面図である。図示されているように、ベース板51の前部と後部には、それぞれベース体55,55が固定されている。これに対して、水平ロッド26には、上記各ベース体55,55と対応する摺動体43,43が取付けられている。このベース体55に摺動体43が着脱されることで、この実施形態の取付け部材52が構成されている。
図において、ベース体55−1は、図4のベース板51の前端側(紙面の右端側)に固定されるもので、後端側(紙面の左端側)に固定されるベース体55−2と略同一の構造である。
ベース体55は、例えば、合成樹脂による成形体で構成され、図4のベース板51の傾斜に適合させた傾斜を有する底板64と、この底板64の上に起立する基部63を備えている。底板64には、ベース板51に固定するためのビス孔などの固定用の手段が設けられており、後端側には、図3で説明した連結バー42の固定手段としての掛止フック66を軸止めするための軸受け65を有している(図7(a)参照)。これに関連して、底板64には、掛止フック66の回動を妨げないように、スリット64aが設けられている。このスリット64aは、基部63の一部にも連設されて、掛止フック66の倒伏により基部63の一部に掛止フック66が入り込むことができるようになっている。なお、後端側に固定されるベース体55−2には、本実施形態においては連結バー42が取付けられないため掛止フック66は設けられないが、後端側にも連結バー42を配置する場合には設けてもよい。
さらに、基部63には、図6(b)に示されているように、連結バー42の端部が入り込む挿入開口もしくは挿入孔61が形成されている。さらに、この挿入孔61よりも前方(図において右方)には、後述する揺れ止め部材を設けるための軸孔62が形成されている。
これらの図において、摺動体43は、例えば、合成樹脂による成形体で構成されており、本体45は、所定の長さを有する筒体である。本体45の下端にはスリット44aが形成されおり、本体45の内側は、スリット44aと連通する筒体内面が水平ロッド26の受容部44とされている。この受容部44の内径ILは、後述する図11で示す水平ロッド26の外径OLよりも僅かに大きく形成され、所定のクリアランスを有するようにされている。このクリアランスは、例えば、0.3mmないし0.7mm程度である。
また、図8(b)、図8(c)に示されているように、本体45のスリット44aと反対の位置には、係合手段としての一対の掛止片47,47が起立しており、各掛止片47,47には掛止孔として、例えば、長さ方向に貫通する貫通孔46,46が形成されている。
図10は、ベース体55の挿入孔61に連結バー42の端部を挿入した状態を示している。ここで、連結バー42は、図14に示すように構成されている。図示されているように、連結バー42は、長尺の棒状の部材であり、前端側の間隔W1が広くなるよう斜めに配置されたベース板51に対応して両端付近がやや曲折され、各先端部には、固定用の凹部が形成されている。この実施形態では、固定用の凹部は、図示されているように、外周を取り巻く固定溝42a,42aとして構成されている。
したがって、図10に示すように、連結バー42の各端部を対応するベース体55の挿入孔61に入れて、掛止フック66を図9の矢印の方向に回動させて、図10に示すように倒伏させると、掛止フック66の掛止段部66aが図14で説明した連結バー42の固定溝42aに入り込んで、図2、図3で説明したように、連結バー42を挿入孔61から抜けないよう確実に固定することができる。
すなわち、この場合、図5に示されているように、水平ロッド26の長さ方向の各端部において、それぞれ取付け部材55−1,55−2により取付けるが、同じ作業であるから、一方の取付けだけを説明する。
図11に示すように、水平ロッド26には、予め図8で説明した摺動体43を取付ける。この場合、図8(c)の摺動体43のスリット44aをやや広げるように変形させて、水平ロッド26を受容部44に挿入する。ここで、重要なのは、既に説明したように、受容部44の内径ILは、水平ロッド26の外径OLよりも僅かに大きく形成され、所定のクリアランスを有するようにされていることである。これにより、図11において、摺動体43は矢印Aで示される、シート20における前後の方向に摺動できるようになっている。
ここで、図5に示されるように、ロッキングユニット50は摺動体43を介して水平ロッド26に取付けられているが、取付け部材52の摺動幅を規制する摺動規制手段を有している。
すなわち、取付け部材52は無制限に移動するのではなく、図3の前方W1側においては、図5において右側への移動は、水平ロッド26が傾斜ロッド25に続くように曲線的に立ち上がる立ち上がり開始位置ST1で止まる。また、取付け部材52の図3の後方W2側においては、図5に示される左方への移動が、コーナー部材34の前側ST2の位置までとされている。このように、符号ST1,ST2で示すような移動に対する構造的なストッパが、摺動規制手段であり、取付け部材52は移動幅SWの範囲でのみ摺動できる。これにより、取付け部材52の無制限な移動が素子され、水平ロッド26から外れてしまうことを有効に防止している。尚、このような摺動規制手段は、水平ロッド26の所定箇所に、ストッパリング等を装着するなどして形成してもよい。
しかも、摺動体43はフレームに対して、固定的に取付けられていないことにより、例えば、フレームの特定の箇所に孔等を形成して、そこに固定的に取付けた場合等と比較して、決まった箇所に常に負荷を与える構造を回避することができ、疲労による損傷などを適切に防止することができる。
ロッキングユニット50は、シート体21のような構成に限らず、他の構成のシートに適用することができることは言うまでもない。
また、傾斜ロッド25,25が背もたれフレーム31と一体に形成されて、背もたれフレーム31の傾斜ロッド25,25と水平ロッド26,26とがなす角度を変更できるようにし、しかもその角度変化を停止させた位置で、弾性的に支持するようにすることで、変形により角度が変わるようにしてバウンス部を構成してもよい。
その他にも、水平ロッド26の外径OLと摺動体43の内径IL間のクリアランスによって摺動可能に構成するのではなく、摺動体43を水平ロッド26に摺動不能に固定し、摺動体43とベース体55の摺動幅を規制する摺動規制手段を設け、摺動体43の外径と受容部56の内径JLにクリアランスを設けることで摺動可能に構成してもよい。
上述の実施形態における各構成は、必要により、その一部を省略したり、他の構成と入れ換えて、ことなる構成の組み合わせのもとで実施されてもよい。
Claims (5)
- 設置面から所定角度で斜めに傾斜して配置され、平行な部分を有する背もたれフレームと、
前記背もたれフレームの平行部分に配置されるシート体と、
前記背もたれフレームの前記平行部に対して、一体または別体にそれぞれ結合されるとともに、前記設置面に沿って、後方にそれぞれ延長された水平ロッドを備える脚部フレームと、
前記水平ロッドから前記背もたれフレームの前記傾斜に適合させるように立ち上がる箇所、もしくはその近傍で、前記背もたれフレームを弾性的に支持することにより設けたバウンス部と、
前記脚部フレームに対して、取付け部を介して取付けられ、前記設置面と当接する当接面が少なくとも前後方向に関して湾曲しているロッキング手段と
を備えており、
前記取付け部が、前記前後方向に沿って、前記バウンス部の揺動を受ける前記脚部フレームと前記ロッキング手段との相対位置を変化させるように、前記ロッキング手段に固定されているとともに、前記脚部フレームの前端付近及び後端付近でそれぞれ摺動可能に構成された摺動体を含んでいる
ことを特徴とする乳幼児用シート。 - 前記ロッキング手段が、前記脚部フレームに対して、着脱機能を有した前記取付け部を備えていることを特徴とする請求項1に記載の乳幼児用シート。
- 前記取付け部が、前記脚部フレームに取付けられる摺動体と、前記ロッキング手段側に固定され、前記摺動体を受容して保持する受容部を備えたベース体とを有しており、前記受容部には、前記摺動体を受容した状態で、摺動体との間に所定のクリアランスが形成されていることを特徴とする請求項2に記載の乳幼児用シート。
- 前記脚部フレームが、前後方向に延びる一対の非平行の前記水平ロッドを有しており、この一対の水平ロッドの間隔が、前方で大きく、後方で小さくなるようにされており、かつ前記ロッキング手段が、前後方向に延びる前記湾曲面をそれぞれ備えた一対のベース板を有していて、これらベース板が前記一対の水平ロッドにそれぞれ固定もしくは取付けられることにより、これら一対のベース板どうしの間隔が前方で大きく、後方で小さくなるようにされていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の乳幼児用シート。
- 前記ロッキング手段の前記一対のベース板には、少なくともそれぞれの前部および/または後部に、前記取付け部の前記ベース体が固定されるようになっており、これら一対のベース板のそれぞれの前部および/または後部に固定された前記ベース体どうしを着脱可能な連結バーにより連結する構成としたことを特徴とする請求項4に記載の乳幼児用シート。
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