JP4421239B2 - インフレーションフィルムの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、品質のバラツキを抑制するインフレーションフィルムの製造方法に関する。
インフレーション成形法は、装置が簡易で安価であることから、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂をはじめとする熱可塑性樹脂からなるフィルムの製造に広く利用されている。一般のインフレーション成形法では、溶融した熱可塑性樹脂を押出機の環状ダイから押し出し、押し出された環状フィルムの外表面を冷却リングから吹き出す空気によって冷却しながら引き取り、同時に環状フィルムの内方空間に空気のような気体を供給して、内圧により所定の大きさに膨張させ、次いで一対のニップロールによって環状フィルムをシート状に折り畳み、その後、折り畳まれたフィルムの両端部をスリッタなどで切断して平面状の2枚のフィルムとして巻き取ったり、あるいはそのまま袋状のフィルムとして巻き取ったりする。
インフレーション成形法では、環状ダイから押し出された環状フィルムは、引き取りと膨張によって縦方向および横方向に延伸される。また、これと同時にフィルムは冷却により溶融した無定形状態から固体状態へ移行するが、この際にフィルムの物性が決定される。このようにインフレーション成形法では、冷却工程が得られるフィルムの物性を決定する上で重要な役割を果たしている。
インフレーション法において、得られるフィルムの品質のバラツキを抑制することを目的として、種々の提案がなされている。
例えば、ダイより押出された円筒状フィルムのフロストライン(冷却によりフィルムが固化して最終直径に到達するライン)の高さを一定に保つよう、冷却リングから吹き出すエアの風量を制御する制御手段を備えたインフレーション製膜装置が提案されている(特開平6−182868号公報(特許文献1)などを参照)。
また、ダイに近接して設けられた第1のエアリングに加え、ダイより押出された樹脂のバブルが急激に膨張する位置に複数の環状スリットを有する第2のエアリングを設けて、該第2のエアリングの入口における樹脂バブルの温度を特定の範囲に調整して製膜を行うことを特徴としたインフレーション成形方法および該方法に使用される装置が提案されている(特開平6−39916号公報(特許文献2)などを参照)。なお、本公報の記載によれば樹脂バブルの冷却は第1のエアリングから吹きつけられるエアによって行われ、第2のエアリングの入口における樹脂バブルの温度が上記の範囲となるよう冷却条件が調節される。
上記した特開平6−182868号公報に記載された方法は、フロストラインの制御に対してある程度の効果は有するが、溶融状態にあるフィルム(樹脂バブル)の揺動により、得られるフィルムに膜厚の変動、弛みや皺が発生しやすい。
また、上記した特開平6−39916号公報に記載された方法では、第2のエアリングは、エアをバブルの引き取り方向とほぼ平行に、または外側に向けて吹き出すように構成することが望ましいとされ、「冷却エアの吹き出しにより作られる減圧雰囲気が溶融樹脂バブルに影響を与え、この位置でバブルの急激な膨張が開始する」との説明がなされている。この方法は、樹脂バブルの膨張開始位置を制御することにより、低溶融張力の熱可塑性樹脂を使用した場合であっても、ロングネックタイプによる成形で樹脂バブルの不安定性を改良することを目的とするものである。
しかし、同公報の方法では、第2のエアリングの入口における樹脂バブルの温度を一定の範囲に調整するとされているが、樹脂バブルの温度の変動については考慮されていない。また、第2のエアリングから吹き出すエアは減圧雰囲気を作り出すとされているが、樹脂バブルの冷却状態に急激な変化を与えやすい。このように特開平6−39916号公報に記載された方法では、得られるフィルムの品質の変動を抑制するには、運転条件の微妙な調整が必要である。
特開平6−182868号公報 特開平6−39916号公報
本発明は、上記した従来技術に鑑みてなされたものであって、得られるフィルムの品質のバラツキを十分に抑制することのできる、インフレーションフィルムの製造方法を提供することを課題とする。
インフレーション成形法によるフィルムの製造においては、得られるフィルムの品質のバラツキを抑制するためには、溶融状態にあるフィルムの揺動を抑制するとともに、その冷却過程における冷却状態の変動を可能な限り少なくすることが望ましい。本発明者らは、かかる観点から、鋭意検討した結果、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、熱可塑性液晶ポリマーを環状ダイより溶融押出しして環状フィルムを形成し、この環状フィルムを冷却しながらその内方空間に気体を供給して膨張させることからなるインフレーションフィルムの製造方法であって、
環状ダイに近接して設けられた冷却リングとともに、該環状ダイと同心状に設けられた少なくとも1つのエアリングを設け、
該冷却リングから吹き出される、Tm−180〜Tm−80(℃)(Tm:ポリマーの融点)の範囲内にある温度の気体により環状フィルムを溶融温度以下に冷却し、
該エアリングから吹き出される、溶融状態の環状フィルムの膨張を確保可能な、Tm−60〜Tm+5(℃)の範囲内にある温度に、ヒータを含む温度調節手段により加熱調整された気体により、該環状フィルムの外周面を支持することからなるインフレーションフィルムの製造方法を提供する。
本発明によれば品質のバラツキが十分に抑制されたインフレーションフィルムを得ることができる。
本発明の方法は、熱可塑性液晶ポリエステルのような熱可塑性液晶ポリマーからなるフィルムの製造に対して特に有用である。熱可塑性液晶ポリマーは、製膜装置におけるダイのスリットから吐出させると、吐出方向に分子が配向し、フィルムの機械軸方向(以下、MD方向と略称することがある)とそれに直交する方向(以下、TD方向と略称することがある)で物性に差異を有する、いわゆる異方性のフィルムとなる傾向を有するが、インフレーション成形法を利用すると、膨張時にTD方向にも延伸されて異方性が緩和され、容易に等方性のフィルムが得られるからである。
熱可塑性液晶ポリマーとしては、加工性および得られるフィルムの耐熱性の点で、200〜400℃、好ましくは250〜350℃の範囲内の融点を有するものが使用される。
また、本発明において用いられるインフレーションフィルムの製造装置は、原料樹脂を環状ダイより溶融押出しして環状フィルムを形成し、この環状フィルムを冷却しながらその内方空間に気体を供給して膨張させることからなるインフレーションフィルムの製造装置において、環状ダイに近接して冷却リングとともに、環状ダイと同心状に少なくとも1つのエアリングが配置されており、しかも該エアリングから吹き出す気体の温度を調節する手段を備えている。そして、このようなエアリングから、溶融状態の環状フィルムの膨張を確保可能な温度に調節された気体を吹き出すことによって溶融状態の環状フィルムを支持する。このため、溶融状態のフィルムの揺動およびフィルムの冷却状態の変動が十分に抑制され、得られるフィルムの品質のバラツキを抑制することができる。
かかる装置においては、上記したエアリングが高さ調整機構を備えていることが好ましい。かかる高さ調整機構により、使用する原料樹脂の種類や目的とするフィルムの厚さ等に応じてフロストラインの高さを任意の位置に設定することが可能となり、種々のフィルムの製造に容易に対応することが可能となる。
図1は、本発明において用いられる装置の一実施形態に係るインフレーションフィルムの製造装置を示す縦断面図である。同図に示す装置では、環状ダイ2の樹脂押出側の真上位置に吹出口11を有する冷却リング12を環状ダイ2と同心状に配置し、この冷却リング12における吹出口11の周囲に溶融状態の環状フィルム(バブル)4のネック7の周りを覆う筒状部材20を環状ダイ2と同心状に配置するとともに、この筒状部材20の上端部には、環状ダイ2と同心状にエアリング31を配置している。また、図示してはいないが、通常のインフレーションフィルム製造装置と同様、環状ダイ2より押出された溶融状態の環状フィルム4の内方空間には気体が供給されるように構成されている。図1には、熱可塑性液晶ポリエステルを原料樹脂として使用した場合が示されており、環状ダイ2から押出された溶融状態の環状フィルム4は、内方空間に供給された気体の作用により膨張し、フロストライン10に至って固化する。
この際、環状ダイ2によって押出された直後のフィルム4の内径(r0)とフロストラ
イン10における固化したフィルムの内径(rf)の比(膨張率)は、原料樹脂の種類、得られるフィルムの物性等に応じて適宜設定されるが、通常2〜10倍程度である。
筒状部材20は、冷却リング12から吹出す気体が筒状フィルム4の周辺で拡散することを防ぎ、該筒状フィルムの揺動を防止することに寄与するので、設置することが望ましい。筒状部材20の内径Lは、通常、押出された直後のフィルム4の内径の2倍(2×r0)からフロストライン10における固化したフィルムの内径(rf)の範囲内である。
また、筒状部材20の内側を漏斗状の形状として、筒状部材20の内面と溶融状態の環状フィルム4との間の距離が一定に保たれるように構成してもよい。
さらに図1に示す装置では、前記した冷却リング12の吹出口11に環状のガイド部材13を取り付け、このガイド部材13により前記した冷却リング12から吹き出される冷却用のエアを環状フィルム4側に案内させるようにしている。
また、前記した冷却リング12には、ヒータなどの第1の温度調節手段14と第1のバルブ15を介在させて第1のブロワ16が接続されている。このブロワ16からの風は、第1のバルブ15を経て第1の温度調節手段14に至り、ここで所定の温度に調節されて、冷却リング12の吹出口11を経て環状フィルム4へと吹き出され、環状フィルム4の冷却を行う。また、前記エアリング31にも、第2の温度調節手段32と第2のバルブ33を介在させて第2のブロワ34が接続されている。このブロワ34からの風は、第2のバルブ33を経て第2の温度調節手段32に至り、ここで温められてエアリング31から溶融状態の環状フィルム4へと吹き出される。
前記したエアリング31には、これから吹き出される気体の温度を、溶融状態の環状フィルム4の膨張を確保可能な範囲に調節する調節手段50が設けられている。また、エアリング31の内部には温度センサ51が配置され、吹き出す気体の温度を検出するように構成されている。52はCPUであり、図1に示す装置では、該調節手段50は、ヒータ等の第2の温度調節手段32と第2のブロワ34を制御するように構成されている。調節手段50としては、CPUが代表的なものである。調節手段50は、第2の温度調節手段32による気体の温度や第2のブロワ34の風量などを予め設定された値に調整する。これらは、フィルムの製造条件に対応して、エアリング31から吹き出される気体の温度が所定の値となるよう、予め算出されている。調節手段50は、バルブ33を調節するように構成することも可能である。
本発明によるインフレーションフィルムの製造においては、定常状態においては、こうした設定値を特に変更する必要はないが、温度センサ51により吹き出される気体の温度に変動がみられた場合、調節手段50によってフィードバックし、かかる変動を打ち消すよう調節することもできる。また、溶融状態の環状フィルム4の温度を検出する手段を設け、かかる検出手段によって環状フィルム4の温度の変動が観測された場合、調節手段50によってフィードバックし、かかる変動を打ち消すよう、吹き出す気体の温度を調節することもできる。
また、図1に示すように、調節手段50は、冷却リング12に接続する第1のヒータ14と第1のブロワ16も調節するように構成してもよい。また、冷却リング12の内部に配置された温度センサ53の温度検出結果に基づき、冷却リング12から吹き出す気体の温度を制御するよう構成してもよい。
前記した冷却リング12から吹き出す気体の温度は、原料樹脂の種類および目的とするフィルムの形状、物性等を考慮して適宜選択されるが、通常、温度が原料樹脂の融点(Tm)よりも220〜60℃低い温度(Tm−220〜Tm−60)、好ましくは同融点(Tm)よりも180〜80℃低い温度(Tm−180〜Tm−80)に設定される。また、冷却リング12から吹き出す気体の風速は、通常、1〜10m/sec、好ましくは2〜5m/secの範囲である。
また、エアリング31から吹き出す気体の温度は、溶融状態の環状フィルムの膨張を確保可能な温度であることが必要である。エアリング31から吹き出す気体の温度は、原料樹脂の種類および目的とするフィルムの形状、物性等、さらにはエアリング31のフロストライン10に対する位置、エアリングから吹き出す気体の方向などを考慮して適宜選択され、通常、原料樹脂の融点(Tm)よりも80℃低い温度(Tm−80)から同融点より20℃高い温度(Tm+20℃)、好ましくは、原料樹脂の融点(Tm)よりも60℃低い温度(Tm−60)から同融点より5℃高い温度(Tm+5)の範囲に設定される。また、エアリング31から吹き出す気体の風速は、通常、1〜10m/sec、好ましくは3〜10m/secの範囲である。
エアリング31から吹き出す気体の方向は、溶融状態の環状フィルム4を支持できる方向であれば、格別制限されるわけではない。
エアリング31は、冷却リング12と同心状に設けられる。エアリング31の位置は、冷却リング12の上方であって、フロストライン10よりも下方の任意の位置に設けることが可能であるが、フロストライン10から5cm〜15cmの高さ(下方)に設けることが好ましい。
また、エアリング31の構造には特に制限はなく、吹出口として1つのスリットを備えた単純な構造のものを使用することができるが、複数のスリットを有する構造のものであってもよい。
前記エアリング31には、これの高さを使用樹脂のフロストライン10に応じて任意の位置に設定維持するための高さ調整機構21を設けることが好ましい。
図2は、前記高さ調整機構21を示す一部切り欠いた正面図である。同図の実施形態では、前記筒状部材20を利用して高さ調整機構21を形成している。つまり、この高さ調整機構21は、前記筒状部材20をエアリング31が取り付けられる第1の筒体22と、これの内部に移動自由に挿嵌される第2の筒体23とに2分割し、前記第1の筒体22に形成した上下方向に延びる長孔24から、前記第2の筒体23に設けたねじ孔25にねじ26を螺挿して、前記各筒体22,23の全体長さを調節することにより、前記第2のエアリング31の高さを使用樹脂のフロストライン10の位置に応じて調整する。
なお、図1には示されていないが、固化した円筒状のフィルム4は、一対のニップロールによってシート状に折り畳まれ、袋状のフィルムとして巻き取られてもよいし、その後、折り畳まれたフィルムの両端部をスリッタなどで切断して平面状の2枚のフィルムとして巻き取られてもよい。
また、冷却リング12やエアリング31、所望により設けられるエアリング41から吹き出す気体、また、環状フィルム4の内方空間に供給される気体としては、原料樹脂に悪影響を及ぼさないものを使用することができるが、空気、窒素、二酸化炭素などが使用であり、製造コスト面で空気が好ましい。
図3は、本発明において用いられる装置の他の実施形態に係るインフレーションフィルム製造装置を示す。本図に示す装置では、エアリング31に加え、さらに第2のエアリング41がフロストラインの下方に設けられている。図示されていないが、この第2のエアリング41にも、第3のバルブ、ヒータ等の温度調節手段、ブロワが設けられるとともに、吹き出す気体の温度調節する調節手段50が設けられている。この第2のエアリング41から吹き出す気体の温度調節は、先に説明したエアリング31から吹き出す気体の温度調節と同様にして行うことができる。また、第2のエアリング41から吹き出す気体の温度、風速、方向についても、先に説明したエアリング31から吹き出す気体の温度、風速、方向と同様である。その他の部分は、図1に示した製造装置と同様であるので、同一部分に同一の符号を付し、説明を省略する。
以下、本発明の方法によって熱可塑性液晶ポリマーフィルムを製造する例を示す。なお、熱可塑性液晶ポリマーフィルムの評価(膜厚変動、外観)および環状フィルム(バブル)の安定性の評価は、以下の方法により行った。
(1)膜厚変動
得られたフィルムを、引き取り方向(機械軸方向;MD)に4m分採取し、膜厚を引き取り方向(MD)に20点(20cm間隔)、引き取り方向と垂直の方向(TD)に24点、合計480点(20×24)で測定を行い、最も厚い膜厚と薄い膜厚との差を膜厚変動とした。
(2)バブルの安定性
図4に示すように、レーザービーム出光口61と対向するレーザービーム受光口62とからなる一対のレーザー変位センサ60,60を、フロストラインの上方で環状フィルム4を遮るようにして対向する2ヵ所に配置し、遮られたレーザー光の強度を測定し、その変動により環状フィルム4の揺れ幅W(単位:mm)を検出した。環状フィルム4の揺れ幅Wについて標準偏差(σ)を求め、バブルの安定性の指標とした。この値が小さいほどバブルの揺れが小さく、安定性がよいことを示す。
(3)フィルムの外観
得られたフィルムの外観を長さ1000mにおいて目視にて観察し、以下の4段階で評価した。
◎: 皺の発生が観察されない
○: 皺の発生が1〜10個観察される
△: 皺の発生が11〜50個観察される
×: 皺の発生が51個以上観察される
製造例1
図1に示す製造装置を使用し、原料樹脂として熱可塑性液晶ポリエステル〔ベクトラA950(商品名)、ポリプラスチックス社製;融点:283℃〕を使用し、下記の条件でインフレーションフィルムの成形を行い、袋状のフィルムとして巻き取り、熱可塑性液晶ポリエステルフィルム(平均膜厚:25μm、平均折り幅:314mm)を得た。
表1に示すとおり、得られたフィルムにおける膜厚の変動は5μmであり、製造時の安定性を示す、フィルムの揺れ幅Wの標準偏差(σ)の値は1.0mmであった。また、得られたフィルムには、皺の発生は認められなかった(評価:◎)。
インフレーションフィルムの成形条件
環状ダイ2の直径: 50mm
環状ダイ2のスリット幅: 250μm
保護筒20の直径: 150mm
原料樹脂の吐出温度: 283℃
原料樹脂(溶融)の吐出量: 13kg/hr
フィルムの引取速度: 9.9m/分
膨張率: 4倍
冷却リング12の位置: 環状ダイ2の真上
冷却リング12から吹き出す気体の温度: 150℃
冷却リング12から吹き出す気体の風速: 5m/sec
エアリング31の位置: 環状ダイ2の上方200mm
エアリング31から吹き出す気体の温度: 230℃
エアリング31から吹き出す気体の風速: 5m/sec
エアリング31から吹き出す気体の方向: 鉛直上向き
フロストラインの位置: 環状ダイの上方300mm
製造例2および3
冷却リング12から吹き出す気体の温度および風速並びにエアリング31から吹き出す気体の温度および風速を表1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にしてインフレーションフィルムの成形を行い、熱可塑性液晶ポリエステルフィルム(平均膜厚:25μm、平均折り幅:314mm)を得た。得られたフィルムの膜厚の変動、外観および製造時の安定性を示す、フィルムの揺れ幅Wの標準偏差(σ)の値を表1に併せて示す。
Figure 0004421239
比較例1
図1に示した製造装置において、保護筒20およびエアリング31を省略したインフレーション製造装置を使用し、原料樹脂として熱可塑性液晶ポリエステル〔ベクトラA950(商品名)、ポリプラスチックス社製;融点:283℃〕を使用し、下記の条件でインフレーションフィルムの成形を行い、袋状のフィルムとして巻き取り、熱可塑性液晶ポリエステルフィルム(平均膜厚:25μm、平均折り幅:314mm)を得た。得られたフィルムにおける膜厚の変動は13μmであり、製造時の安定性を示す、フィルムの揺れ幅Wの標準偏差(σ)の値は2.5mmであった。また、得られたフィルムには、多数の皺が認められた(評価:×)。
インフレーションフィルムの成形条件
環状ダイ2の直径: 50mm
環状ダイ2のスリット幅: 250μm
原料樹脂の吐出温度: 283℃
原料樹脂(溶融)の吐出量: 13kg/hr
フィルムの引取速度: 9.9m/分
膨張率: 4倍
冷却リング12の位置: 環状ダイ2の真上
冷却リング12から吹き出す気体の温度: 150℃
冷却リング12から吹き出す気体の風速: 2m/sec
比較例2
図1に示した製造装置において、エアリング31を省略したインフレーション製造装置を使用し、原料樹脂として熱可塑性液晶ポリエステル〔ベクトラA950(商品名)、ポリプラスチックス社製;融点:283℃〕を使用し、下記の条件でインフレーションフィルムの成形を行い、袋状のフィルムとして巻き取り、熱可塑性液晶ポリエステルフィルム(平均膜厚:25μm、平均折り幅:314mm)を得た。得られたフィルムにおける膜厚の変動は11μmであり、製造時の安定性を示す、フィルムの揺れ幅Wの標準偏差(σ)の値は2.0mmであった。また、得られたフィルムは、皺が目立つものであった(評価:△)。
インフレーションフィルムの成形条件
環状ダイ2の直径: 50mm
環状ダイ2のスリット幅: 250μm
保護筒20の直径: 150mm
原料樹脂の吐出温度: 283℃
原料樹脂(溶融)の吐出量: 13kg/hr
フィルムの引取速度: 9.9m/分
膨張率: 4倍
冷却リング12の位置: 環状ダイ2の真上
冷却リング12から吹き出す気体の温度: 150℃
冷却リング12から吹き出す気体の風速: 5m/sec
製造例4
図1に示す製造装置を使用し、原料樹脂として熱可塑性液晶ポリエステル〔ベクトラC950(商品名)、ポリプラスチックス社製;融点325℃〕を使用し、下記の条件でインフレーションフィルムの成形を行い、袋状のフィルムとして巻き取り熱可塑性液晶ポリエステルフィルム(平均膜厚:50μm、平均折幅:314mm)を得た。表2に示すとおり、得られたフィルムにおける膜厚の変動は6μmであり、製造時の安定性を示す、フィルムの揺れ幅Wの標準偏差(σ)の値は1.2mmであった。また、得られたフィルムには、皺の発生はほとんど認められなかった
インフレーションフィルムの成形条件
環状ダイ2の直径: 40mm
環状ダイ2のスリット幅: 500μm
保護筒20の直径: 150mm
原料樹脂(溶融)の吐出温度: 325℃
原料樹脂(溶融)の吐出量: 26kg/hr
フィルムの引取速度: 10m/分
膨張率: 5倍
冷却リング12の位置: 環状ダイ2の真上
冷却リング12から吹き出す気体の温度: 195℃
冷却リング12から吹き出す気体の風速: 5m/sec
エアリング31の位置: 環状ダイ2の上方250mm
エアリング31から吹き出す気体の温度: 275℃
エアリング31から吹き出す気体の風速: 10m/sec
エアリング31から吹き出す気体の方向:鉛直上向き
フロストラインの位置: 環状ダイの上方350mm
製造例5
図1に示す製造装置を使用し、原料樹脂として熱可塑性液晶ポリエステル〔ベクトラEi950(商品名)、ボリプラスチックス社製;融点340℃〕を使用し、下記の条件でインフレーションフィルムの成形を行い、袋状のフィルムとして巻き取り、熱可塑性液晶ポリエステルフィルム(平均膜厚:100μm、平均折幅:314mm)を得た。表2に示すとおり、得られたフィルムにおける膜厚の変動は5μmであり、製造時の安定性を示す、フィルムの揺れ幅Wの標準偏差(σ)の値は1mmであった。また、得られたフィルムには、皺の発生は認められなかった(評価:◎)。
インフレーションフィルムの成形条件
環状ダイ2の直径:67mm
環状ダイ2のスリット幅:1000μm
保護筒20の直径:150mm
原料樹脂の吐出温度:340℃
原料樹脂(溶融)の吐出量:39kg/hr
フィルムの引取速度:7.5m/分
膨張率:3倍
冷却リング12の位置:環状ダイ2の真上
冷却リング12から吹き出す気体の温度:210℃
冷却リング12から吹き出す気体の風速:5m/sec
エアリング31の位置:環状ダイ2の上方300mm
エアリング31から吹き出す気体の温度:290℃
エアリング31から吹き出す気体の風速:8m/sec
エアリング31から吹き出す気体の方向:鉛直上向き
フロストラインの位置:環状ダイの上方400mm
Figure 0004421239
以上から明らかなように、製造例1〜によれば、比較例1〜に比べ製造時の安定性が優れており、膜厚変動の少ない品質のバラツキの少ないフィルムが得られる。
本発明において用いられる装置の一実施形態にかかるインフレーションフィルムの製造装置を示す縦断面図である。 高さ調整機構を示す一部切り欠いた正面図である。 本発明において用いられる装置の他の実施形態にかかるインフレーションフィルムの製造装置を示す縦断面図である。 バブルの安定性の評価状態を示す平面図である。
符号の説明
2 環状ダイ
4 環状フィルム
10 フロストライン
12 冷却リング
31 エアリング
50 調節手段

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  1. 熱可塑性液晶ポリマーを環状ダイより溶融押出しして環状フィルムを形成し、この環状フィルムを冷却しながらその内方空間に気体を供給して膨張させることからなるインフレーションフィルムの製造方法であって、
    環状ダイに近接して設けられた冷却リングとともに、該環状ダイと同心状に設けられた少なくとも1つのエアリングを設け、
    該冷却リングから吹き出される、Tm−180〜Tm−80(℃)(Tm:ポリマーの融点)の範囲内にある温度の気体により環状フィルムを溶融温度以下に冷却し、
    該エアリングから吹き出される、溶融状態の環状フィルムの膨張を確保可能な、Tm−60〜Tm+5(℃)の範囲内にある温度に、ヒータを含む温度調節手段により加熱調整された気体により、該環状フィルムの外周面を支持することからなるインフレーションフィルムの製造方法。
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