JP4421191B2 - 放電管 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は放電管に係り、特に気密筒内の中央で対向する上部放電電極先端の放電面と下部放電電極先端の放電面との間で放電を繰り返し発生させる放電管に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、車両のHID(ハイインテンシティーディスチャージの略)は、点灯するために高電圧トリガを発生する点灯回路(イグナイタ回路)を必要とする。このイグナイタ回路は、主に電荷をチャージするコンデンサ、高電圧トリガを発生するトランス、そして安定した電圧パルスを発生するスイッチング放電管(以下、放電管という)で構成されている。
【0003】
この放電管は、例えば特許文献1に示されるように、セラミック等の絶縁材よりなる円筒状の気密筒と、この気密筒両端開口部に接合される第1及び第2の放電電極等により構成されている。第1の放電電極と第2の放電電極との間には放電ギャップが形成されており、また、この放電ギャップが形成された気密筒内には封入ガスが気密に封入されている。そして、この封入ガス環境内において、放電ギャップ間で放電が行なわれる。従来、この封入ガスは、アルゴンガス(Arガス)を主成分として、これに水素ガス(H2ガス)を0.5体積パーセント以上20体積パーセント未満混入した組成とされていた。
【0004】
【特許文献1】
特開平10―335042号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の放電管は、安定した電圧パルスを発生されることに重点を置いて開発が進められていた。しかしながら、最近になって車載HIDヘッドランプの点灯回路の高密度実装化により、放電管が安定した電圧パルス発生の他に、トランスから出力される二次側コイル出力も向上させる必要が生じてきた。
【0006】
図1は従来の一例である放電管における、放電開始直後の動作電圧の推移を示す図である。同図に示す放電管の封入ガスの組成は、アルゴンガス(Arガス)の体積パーセントが90%(以下、特にことわりのない場合、「%」と示したときは体積パーセントを示すものとする)、水素ガス(H2ガス)が10%である。また、図2は、図1に示す放電開始直後の動作電圧の推移を求めたのと同じ放電管(封入ガスの組成:90%Ar+10%H2)を適用したイグナイタ回路のトランスから発生する二次側コイルの出力測定結果を示している。尚、各図において(A)と(B)は、放電管の接続方向を逆にした場合を示している。
【0007】
図1に注目すると、放電管の放電開始直後、電圧は一気にグランドまで電圧移行せず、放電開始後の所定時間において図中矢印Aで示す放電電圧が上昇する現象(以下、この現象をリバウンド現象といい、このときの放電電圧をリバウンド電圧という)が発生する。これは、図1(A),(B)に示すように、放電管の接続方向に拘わらず発生する。また、この時のイグナイタ回路のトランスから発生する二次側コイルの出力電圧を見ると、図2に示すように希望電圧値が11kVであるのに対し、実際の出力電圧は大きく低下している。これは、前記したリバウンド現象によるものである。
【0008】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、リバウンド現象の発生を抑制しうる放電管を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために本発明では、次に述べる各手段を講じたことを特徴とするものである。
【0010】
請求項1記載の発明は、
気密筒内に形成される封入ガスが封入された空間部内に、一対の放電電極が対向配置された構成の放電管において、
前記封入ガスを不活性ガスと水素ガスとを混合した構成とし、
前記不活性ガスをアルゴンとし、前記水素ガスの混合濃度を60体積パーセント以上80体積パーセント以下に設定し、放電開始直後におけるリバウンド現象の発生を抑制することを特徴とするものである。
【0012】
また、請求項2記載の発明は、
請求項1記載の放電管において、
動作電圧を400V以上6000V以下の電圧帯としたことを特徴とするものである。
【0013】
上記の請求項1または2記載の発明によれば、放電開始直後におけるいわゆるリバウンド現象が発生することを抑制することができる。
【0014】
また、請求項3記載の発明は、
請求項1または2のいずれか1項に記載の放電管において、
前記放電電極の材質をコバール、鉄−ニッケル合金、鉄−ニッケル−クロム合金から選択されるいずれか一の材質としたことを特徴とするものである。
【0015】
上記発明によれば、放電電極の放電寿命の低下を抑制することができる。
【0016】
また、請求項4記載の発明は、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の放電管において、
前記放電電極の放電電極面に銅メッキを施したことを特徴とするものである。
【0017】
上記発明によれば、放電開始電圧の安定化を図ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面と共に説明する。
図3及び図4は、本発明の第1実施例である放電管1を示している。図3は放電管1の断面図であり、図4は放電管1の外観を示す斜視図である。
【0019】
放電管1は、図3に示されるように、大略すると気密筒10,上部放電電極22,及び下部放電電極24,及び封入ガス等により構成されている。気密筒10は円筒形状を有しており、セラミック等の絶縁体から形成されている。
【0020】
この気密筒10の上端開口部及び下端開口部には、それぞれ42アロイ(鉄―ニッケル合金)等の金属からなる上部放電電極22と下部放電電極24が接合されている。尚、この上部及び下部放電電極22,24の材質は42アロイに限定されるものではなく、コバール、鉄−ニッケル−クロム合金等の他の材質を用いることも可能である。
【0021】
上記の上部放電電極22及び下部放電電極24には円板状の蓋体部26、28が一体的に形成されており、また気密筒10の上端開口部及び下端開口部にはメタライズ面40が形成されている。よって、各放電電極22,24に生成された蓋体26、28を気密筒10の各開口部に形成されたメタライズ面40にろう付けすることにより、上部放電電極22及び下部放電電極24は、気密筒10に接合される。
【0022】
この接合の際、気密筒10内には封入ガスが封入される。よって、気密筒10内に封入された封入ガスは、上部放電電極22と上部放電面23を接合することにより気密筒10内に気密封止される。尚、封入ガスの組成については、説明の便宜上、後述するものとする。
【0023】
上部放電電極22は、蓋体26から気密筒10の中央位置に向け突出しており、その先端部は小径の円柱状に形成されている。また、この小径の円柱状の先端部に放電面23(以下、上部放電面23という)が形成されており、上部放電面23には放電を安定させて発生させるための凹部27が設けられている。
【0024】
同様に、下部放電電極24は、蓋体28から気密筒10の中央位置に向け突出しており、その先端部は小径の円柱状に形成されている。また、この小径の円柱状の先端部に放電面25(以下、下部放電電極面25という)が形成されており、この下部放電面25にも放電を安定させて発生させるための凹部27が設けられている。この上部放電面23及び下部放電電極面25には、銅メッキが施されている。
【0025】
放電管1B内の放電は、上部放電電極面23と下部放電電極面25との間の離間部分で発生する。この上部放電電極面23と下部放電電極面25との間の離間部分を、以下放電ギャップ29という。
【0026】
ところで、本実施例に係る放電管1は、上部及び下部放電電極22,24の材質として42アロイ,コバール.鉄−ニッケル−クロム合金等を用いると共に、この上部及び下部放電電極22,24の上部放電電極面23及び下部放電電極面25に銅メッキを施している。この銅メッキの厚さは、数μm〜20μm程度とすることが望ましい。
【0027】
前記したように、気密筒10はセラミック等の絶縁体により形成されており、各放電電極22,24は気密筒10にろう付け接合される。このため、放電電極22,24の材料としてセラミックとの間で熱膨張係数の差が少ない42アロイ,コバール.鉄−ニッケル−クロム合金等を用いることにより、確実なろう付け接合を実現することができ、放電管1の信頼性を向上させることができる。また、放電電極22,24の材料として上記の金属材料を用いることにより、銅よりなる放電電極に比べると放電電極22,24の放電寿命の低下を抑制することができる。
【0028】
ところが、これらの上記金属材料を各放電電極22,24の材料として用いた場合、これらの金属は電気伝導性が低いため、暗所中における沿面コロナ放電の発生が遅くなり、これにより放電管を起動した場合、初回の放電開始電圧(FVs)が2発目以降の放電開始電圧(Vs)よりも高い値を示す現象が発生してしまう。そこで、本実施例では、各放電電極22,24の放電電極面23,25の全面に銅メッキを施している。これにより、初回の放電開始電圧(FVs)を2発目以降の放電開始電圧(Vs)に近づけることが可能となり、かつ電極放電特性のバラツキの減少を図ることができると共に、放電電極22,24の放電寿命を長くすることができる。
【0029】
図7(A)〜(D)は、本実施例に係る放電管1に対して放電寿命試験を実施した結果を示している(4個について実施)。尚、図8(A)〜(C)は比較例として図7で用いた放電管と同一仕様で、放電電極面に銅メッキが施されていない放電管に対し同一放電寿命試験を実施した結果を示している(3個について実施)。
【0030】
図7(A)〜(D)に示すように、本実施例に係る放電管1は、累計放電回数が1000万回を超えても初期値と略同等の放電動作電圧を維持しており、長寿命であることが判る。これに対して図8(A)〜(C)に示される比較例に係る放電管(銅メッキ無し)は、400万回までに放電ができなくなる。この図7及び図8に示す実験結果より、本実施例に係る放電管1によれば、長寿命を図ることが実証された。
【0031】
続いて、封入ガスの組成について説明する。封入ガスは、放電管1が放電動作した際に気密筒10内で発生するイオンを消す機能(以下、消イオン化機能という)を奏する。この消イオン化機能が不十分であると、続流が発生して安定した放電ができなくなり望ましくない。封入ガスとして不活性ガス(例えばArガス)のみを放電管に封入した場合には、消イオン化機能が低下することが知られている。そこで、封入ガスにArガス等の不活性ガスに水素ガスを混入することが行なわれている。
【0032】
本発明では、封入ガスに含まれる水素ガスの混合濃度を20%(体積パーセント)以上80%(体積パーセント)以下に設定したことを特徴とするものである。特に本実施例においては、封入ガスの組成をArガス80%、水素ガス20パーセント(以下、封入ガスの組成を示す場合、80%Ar+20%H2のように示すものとする)としたことを特徴とするものである。
【0033】
図5は第1実施例である放電管1(80%Ar+20%H2)における、放電開始直後の動作電圧の推移を示す図である。同図に示す放電管1の動作電圧は、400V以上6000V以下の電圧帯としている。また、図6は第1実施例に係る放電管1(封入ガスの組成:80%Ar+20%H2)を適用したイグナイタ回路のトランスから発生する二次側コイルの出力測定結果を示している。尚、各図において(A)と(B)は、放電管の接続方向を逆にした場合を示している。また、以下の各実施例の説明に用いる図に示す(A),(B)についても同様である。
【0034】
図5に注目すると、本実施例の放電管1も従来の放電管(図1参照)のように、放電開始直後において電圧は一気にグランドまで電圧移行せず、放電開始後の所定時間において図中矢印Aで示すリバウンド現象が見られる(図5に矢印Aで示す)。しかしながら、リバウンド現象の大きさは、従来(図1参照)に比べて小さくなっている。
【0035】
また、この時のイグナイタ回路のトランスから発生する二次側コイルの出力電圧を見ると、図6に示すように、二次側コイルの出力電圧は希望電圧値である11kVに近い値となっている。このように、従来に比べて水素ガスの体積濃度を高めることにより、二次側コイルの出力電圧の低下を防止することができ、車載HIDヘッドランプの点灯回路の高密度実装化に確実に対応することが可能となる。
【0036】
続いて、本発明の第2実施例について説明する。
尚、本実施例及び以後説明する各実施例に係る放電管は、前記した第1実施例に係る放電管1に対し、封入ガスの組成が異なるのみで他の構成は同一である。このため、以下の説明では、封入ガスの組成を中心に説明し、封入ガス以外の放電管の構成説明は省略するものとする。
【0037】
本実施例においては、封入ガスの組成を70%Ar+30%H2としたことを特徴とするものである。図9は第2実施例である放電管(70%Ar+30%H2)における、放電開始直後の動作電圧の推移を示している。同図に示す放電管の動作電圧も、400V以上6000V以下の電圧帯としている。また、図10は第2実施例に係る放電管(封入ガスの組成:70%Ar+30%H2)を適用したイグナイタ回路のトランスから発生する二次側コイルの出力測定結果を示している。
【0038】
図9に注目すると、本実施例の放電管も従来の放電管(図1参照)のように、放電開始直後において電圧は一気にグランドまで電圧移行せず、放電開始後の所定時間において図中矢印Aで示すリバウンド現象が見られる(図9に矢印Aで示す)。しかしながら、リバウンド現象の大きさは、第1実施例に係る放電管に比べて小さくなっている(図5参照)。
【0039】
また、この時のイグナイタ回路のトランスから発生する二次側コイルの出力電圧を見ると、図10に示すように、バラツキはあるものの二次側コイルの出力電圧は希望電圧値である11kVに近い値となっている。また、第1実施例に係る放電管の二次側コイルの出力電圧(図6参照)に比べてもより希望電圧値に近づいている。
【0040】
このように、本実施例によれば、封入ガスの水素ガスの体積濃度を第1実施例に比べて高めることにより、更に二次側コイルの出力電圧の低下を防止することができ、車載HIDヘッドランプの点灯回路の高密度実装化に確実に対応することが可能となる。
【0041】
続いて、本発明の第3実施例について説明する。
本実施例においては、封入ガスの組成を60%Ar+40%H2としたことを特徴とするものである。図11は第3実施例である放電管(60%Ar+40%H2)における、放電開始直後の動作電圧の推移を示している。同図に示す放電管の動作電圧も、400V以上6000V以下の電圧帯としている。また、図12は第3実施例に係る放電管(封入ガスの組成:60%Ar+40%H2)を適用したイグナイタ回路のトランスから発生する二次側コイルの出力測定結果を示している。
【0042】
図11に注目すると、本実施例の放電管は放電開始直後において、バラツキはあるものの電圧は一気にグランドまで電圧移行しており、放電開始後にリバウンド現象は発生していない。また、この時のイグナイタ回路のトランスから発生する二次側コイルの出力電圧を見ると、図12に示すように、二次側コイルの出力電圧は希望電圧値である11kVに近い値となっており、またバラツキも第2実施例(図10参照)に比べて小さくなっている。
【0043】
このように、本実施例によれば、封入ガスの水素ガスの体積濃度を第2実施例に比べて高めることにより、更に二次側コイルの出力電圧の低下を防止することができる。
【0044】
続いて、本発明の第4実施例について説明する。
本実施例においては、封入ガスの組成を40%Ar+60%H2としたことを特徴とするものである。図13は第4実施例である放電管(40%Ar+60%H2)における、放電開始直後の動作電圧の推移を示している。同図に示す放電管の動作電圧も、400V以上6000V以下の電圧帯としている。また、図14は第4実施例に係る放電管(封入ガスの組成:40%Ar+60%H2)を適用したイグナイタ回路のトランスから発生する二次側コイルの出力測定結果を示している。
【0045】
図13に注目すると、本実施例の放電管は放電開始直後において電圧は一気にグランドまで電圧移行しており、放電開始後にリバウンド現象は発生していない。また、電圧のバラツキも第3実施例に比べて低減し安定している。
【0046】
一方、この時のイグナイタ回路のトランスから発生する二次側コイルの出力電圧を見ると、図14に示すように、バラツキはあるものの二次側コイルの出力電圧は希望電圧値である11kVに対し高い値となっている。
【0047】
このように、本実施例によれば、封入ガスの水素ガスの体積濃度を第3実施例に比べて高めることにより、二次側コイルの出力電圧を高めることができる。
【0048】
続いて、本発明の第5実施例について説明する。
本実施例においては、封入ガスの組成を20%Ar+80%H2としたことを特徴とするものである。図15は第5実施例である放電管(20%Ar+80%H2)における、放電開始直後の動作電圧の推移を示している。同図に示す放電管の動作電圧も、400V以上6000V以下の電圧帯としている。また、図16は第5実施例に係る放電管(封入ガスの組成:20%Ar+80%H2)を適用したイグナイタ回路のトランスから発生する二次側コイルの出力測定結果を示している。
【0049】
図15に注目すると、本実施例の放電管は、第4実施例に係る放電管と同様に、放電開始直後において電圧は一気にグランドまで電圧移行しており、放電開始後にリバウンド現象は発生しておらず、また電圧のバラツキも少なく安定している。
【0050】
また、この時のイグナイタ回路のトランスから発生する二次側コイルの出力電圧を見ると、図16に示すように、バラツキはあるものの二次側コイルの出力電圧は希望電圧値である11kVに対し高い値となっている。このように、本実施例においても、第4実施例と同様に、二次側コイルの出力電圧を高めることができる。
【0051】
上記したように本発明は、封入ガスに含まれる水素ガスの混合濃度を20%以上80%以下に設定したことを特徴とするものである。また、上記した各実施例では、この水素ガスと共に封入ガスに混入するガスとしてArガスのみを混入する構成とした。しかしながら、水素ガスと共に封入ガスに混入するガスはArガスのみに限定されるものではない。
【0052】
例えば、水素ガスの混合濃度を20%以上80%以下とし、これに混入するガスとしてArとネオン(Ne)とを混合したガスを用いる構成としてもよい。この場合、放電管の動作電圧は、200V以上3000V以下の電圧帯となる。また、水素ガスの混合濃度を20%以上80%以下とし、これに混入するガスとしてキセノン(Xe)を混合したガスを用いる構成としてもよい。この場合、放電管の動作電圧は、5000V以上8000V以下の電圧帯となる。
【0053】
【発明の効果】
上述の如く本発明によれば、次に述べる種々の効果を実現することができる。
【0054】
請求項1または2記載の発明によれば、放電開始直後におけるいわゆるリバウンド現象が発生することを抑制することができる。
【0055】
また、請求項3記載の発明によれば、放電電極の放電寿命の低下を抑制することができる。
【0056】
また、請求項4記載の発明によれば、放電開始電圧の安定化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の一例である放電管(封入ガスの組成:90%Ar+10%H2)における、放電開始直後の動作電圧の推移を示す図である。
【図2】従来の一例である放電管(封入ガスの組成:90%Ar+10%H2)を適用したイグナイタ回路のトランスから発生する二次側コイルの出力測定結果を示す図である。
【図3】本発明の一実施例である放電管の断面図である。
【図4】本発明の一実施例である放電管の外観図である。
【図5】本発明に係る第1実施例である放電管(封入ガスの組成:80%Ar+20%H2)における、放電開始直後の動作電圧の推移を示す図である。
【図6】本発明に係る第1実施例である放電管(封入ガスの組成:80%Ar+20%H2)を適用したイグナイタ回路のトランスから発生する二次側コイルの出力測定結果を示す図である。
【図7】本発明に係る第1実施例である放電管の寿命特性を示す図である。
【図8】比較のため、従来の一例である放電管の寿命特性を示す図である。
【図9】本発明に係る第2実施例である放電管(封入ガスの組成:70%Ar+30%H2)における、放電開始直後の動作電圧の推移を示す図である。
【図10】本発明に係る第2実施例である放電管(封入ガスの組成:70%Ar+30%H2)を適用したイグナイタ回路のトランスから発生する二次側コイルの出力測定結果を示す図である。
【図11】本発明に係る第3実施例である放電管(封入ガスの組成:60%Ar+40%H2)における、放電開始直後の動作電圧の推移を示す図である。
【図12】本発明に係る第3実施例である放電管(封入ガスの組成:60%Ar+40%H2)を適用したイグナイタ回路のトランスから発生する二次側コイルの出力測定結果を示す図である。
【図13】本発明に係る第4実施例である放電管(封入ガスの組成:40%Ar+60%H2)における、放電開始直後の動作電圧の推移を示す図である。
【図14】本発明に係る第4実施例である放電管(封入ガスの組成:40%Ar+60%H2)を適用したイグナイタ回路のトランスから発生する二次側コイルの出力測定結果を示す図である。
【図15】本発明に係る第5実施例である放電管(封入ガスの組成:20%Ar+80%H2)における、放電開始直後の動作電圧の推移を示す図である。
【図16】本発明に係る第5実施例である放電管(封入ガスの組成:20%Ar+80%H2)を適用したイグナイタ回路のトランスから発生する二次側コイルの出力測定結果を示す図である。
【符号の説明】
1 放電管
2 コイル
4 トランス
10 気密筒
22 上部放電電極
23 上部放電面
24 下部放電電極
25 下部放電面
26,28 蓋体
29 放電ギャップ
Claims (4)
- 気密筒内に形成される封入ガスが封入された空間部内に、一対の放電電極が対向配置された構成の放電管において、
前記封入ガスを不活性ガスと水素ガスとを混合した構成とし、
前記不活性ガスをアルゴンとし、前記水素ガスの混合濃度を60体積パーセント以上80体積パーセント以下に設定し、放電開始直後におけるリバウンド現象の発生を抑制することを特徴とする放電管。 - 請求項1記載の放電管において、
動作電圧を400V以上6000V以下の電圧帯としたことを特徴とする放電管。 - 請求項1または2のいずれか1項に記載の放電管において、
前記放電電極の材質をコバール、鉄−ニッケル合金、鉄−ニッケル−クロム合金から選択されるいずれか一の材質としたことを特徴とする放電管。 - 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の放電管において、
前記放電電極の放電電極面に銅メッキを施したことを特徴とする放電管。
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