JP3627909B2 - 放電管 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、気密筒内の中央で対向する上部放電電極先端の放電面と下部放電電極先端の放電面との間で放電を繰り返し発生させる放電管に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両のHID(ハイインデンシティーディスチャージの略)ランプ点灯用のバラスト回路、液晶プロジェクターのバックランプ点灯用のイグナイター回路などに用いられる放電管として、特開平10―335042号公報記載のものがある。
この放電管は、図14と図15に示したように、気密筒10の内側壁中央の横方向に、複数本のメイン放電トリガ線80が所定のピッチで気密筒10の軸とほぼ平行な上下に起立させて並べて形成されている。メイン放電トリガ線80間の気密筒10の上部内側壁又は下部内側壁には、サブ放電トリガ線90が気密筒10の軸とほぼ平行な上下に起立させて形成されている。サブ放電トリガ線90の上端又は下端は、その近くの気密筒10の上端面又は下端面に形成されたメタライズ面40に接続されている。
【0003】
この放電管においては、上部放電電極先端の放電面23や下部放電電極先端の放電面25から放電の際に発せられて気密筒10の内側壁中央部分に付着するスパッタにより、気密筒10の内側壁に形成されたメイン放電トリガ線80とサブ放電トリガ線90との間の電気的絶縁性が劣化するのを防ぐことができる。そして、その上部放電電極先端の放電面23と下部放電電極先端の放電面25との間に、所定電位の放電を長期に亙って繰り返し安定させて発生させることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、高密度実装化された上記のバラスト回路又はイグナイター回路においては、該回路の一次側昇圧コイルに接近させて放電管が配置される。そして、その一次側昇圧コイルの巻き線方向が、放電管のメイン放電トリガ線80やサブ放電トリガ線90に対してほぼ垂直な方向となる。
そのため、その一次側昇圧コイルに発生する磁界の影響を受けて、メイン放電トリガ線80やサブ放電トリガ線90に電磁誘導に基づく電流が発生してしまった。そして、その電流の影響を受けて、上部放電電極先端の放電面23と下部放電電極先端の放電面25との間に繰り返し発生させる放電電位が安定せずに変動したり、その上部放電電極先端の放電面23と下部放電電極先端の放電面25との間に初回に発生させる放電電圧が上昇又は低下したりしてしまった。
【0005】
また、上記の車両のHIDランプ点灯用のバラスト回路は、該回路を衝撃や振動から保護するために、ウレタン樹脂やエポキシ樹脂等の樹脂に埋め込んで固定される。そして、そのバラスト回路の放電管の周囲が、誘電体の樹脂により囲まれた状態となる。
そのため、その放電管の周囲を囲む誘電体の樹脂の影響を受けて、放電管の上部放電電極先端の放電面23と下部放電電極先端の放電面25との間に放電を誘発させた際に、そのサブ放電トリガ線90に沿面コロナ放電用の電子を効率良く収斂させることができなくなってしまった。そして、その上部放電電極先端の放電面23と下部放電電極先端の放電面25との間に発生させる初回の放電電圧が上昇してしまった。
【0006】
本発明は、このような課題を解消した、バラスト回路やイグナイター回路の一次側昇圧コイルに発生する磁界や、バラスト回路を埋め込む誘電体の樹脂に影響されずに、所定電位の放電を安定して繰り返し発生させたり、初回の放電電位を一定に保持したりできる放電管を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の第1の放電管は、絶縁体からなる気密筒の上端開口部と下端開口部とが、該気密筒の上端面と下端面とに形成されたメタライズ面にそれぞれ接合された上部放電電極と下部放電電極とにより、気密に封止されてなる放電管であって、
前記気密筒内の中央で対向する上部放電電極先端の放電面と下部放電電極先端の放電面との間の放電ギャップの中央を横切る第1平面上に位置する前記気密筒の内側壁中央に、1本の第1放電トリガ線が前記メタライズ面とほぼ平行に気密筒の内側壁を横断してループ状に形成され、前記気密筒の上部内側壁と下部内側壁とには、それぞれ1本の第2放電トリガ線が前記メタライズ面とほぼ平行に気密筒の内側壁を横断してループ状に形成されて、その第2放電トリガ線が、それぞれその近くの前記メタライズ面に第3放電トリガ線を介して接続されたことを特徴としている。
【0008】
また、上記の目的を達成するために、本発明の第2の放電管は、絶縁体からなる気密筒の上端開口部と下端開口部とが、該気密筒の上端面と下端面とに形成されたメタライズ面にそれぞれ接合された上部放電電極と下部放電電極とにより、気密に封止されてなる放電管であって、
前記気密筒内の中央で対向する上部放電電極先端の放電面と下部放電電極先端の放電面との間の放電ギャップの中央を横切る第1平面上に位置する前記気密筒の内側壁中央に、1本の第1放電トリガ線が前記メタライズ面とほぼ平行に気密筒の内側壁を横断してループ状に形成され、負極側に当たる前記気密筒の上部内側壁には、1本の第2放電トリガ線が前記メタライズ面とほぼ平行に気密筒の内側壁を横断してループ状に形成されて、その第2放電トリガ線が、その近くの前記メタライズ面に第3放電トリガ線を介して接続されたことを特徴としている。
【0009】
この第1又は第2の放電管においては、その気密筒の内側壁中央に形成された第1放電トリガ線が、メタライズ面とほぼ平行に気密筒の内側壁を横断してループ状に形成されている。換言すれば、第1放電トリガ線が、気密筒の軸と直角な横方向に形成されている。
そのため、その第1放電トリガ線が、放電管近くに配置されるバラスト回路等の一次側昇圧コイルの巻き線方向とほぼ平行となる。そして、その一次側昇圧コイルの磁界の影響を受けて、第1放電トリガ線に電磁誘導による電流が発生するのが防止される。
その結果、その一次側昇圧コイルの磁界の影響を受けて、上部放電電極先端の放電面と下部電極先端の放電面との間に繰り返し発生させる放電電位が安定せずに変動するのを防ぐことができる。
【0010】
同様に、その第2放電トリガ線が、上記の一次側昇圧コイルの巻き線方向とほぼ平行な気密筒の内側壁の横方向に形成されているため、一次側昇圧コイルの磁界の影響を受けて、その第2放電トリガ線に電磁誘導に基づく電流が発生するのを防ぐことができる。そして、その電流の影響を受けて、上部放電電極先端の放電面と下部放電電極先端の放電面との間に繰り返し発生させる放電電位が安定せずに変動するのを防ぐことができる。
それと共に、放電管の周囲が誘電体からなる樹脂により囲まれた状態となっても、その第2放電トリガ線が、気密筒の内側壁の横方向にループ状に形成されているため、上記の誘電体の樹脂に影響されずに、その第2放電トリガ線に沿面コロナ放電用の電子を効率良く収斂させることができる。そして、その第2放電トリガ線を用いて、上部放電電極先端の放電面と下部放電電極先端の放電面との間に所定電位の放電を繰り返し安定させて発生させることができる。
【0011】
また、その第2放電トリガ線が、その近くの気密筒の上端面又はそれに加えて下端面に形成されたメタライズ面に第3放電トリガ線を介して接続されていて、そのメタライズ面近くの第2放電トリガ線が、第3放電トリガ線及びメタライズ面を介して上部放電電極又はそれに加えて下部放電電極に電気的に接続されている。
そのため、その第2放電トリガ線に、上部放電電極先端の放電面と下部放電電極先端の放電面との間に放電を誘発させるための、沿面コロナ放電用の電子を効率良く収斂させることができる。そして、その第2放電トリガ線を用いて、上部放電電極先端の放電面と下部放電電極先端の放電面との間に所定電位の放電を繰り返し安定させて発生させることができる。
【0012】
また、第1放電トリガ線と第2放電トリガ線とが気密筒の内側壁中央と気密筒の上部内側壁又はそれに加えて下部内側壁の横方向にループ状に形成されているため、複数本のメイン放電トリガ線及びサブ放電トリガ線が気密筒の内側壁の上下方向に所定のピッチで横に並べて形成された放電管と比べて、その第1放電トリガ線と第2放電トリガ線との間の距離を長短なく一定に容易かつ的確に保つことができる。そして、その一定の距離に保たれた第1放電トリガ線と第2放電トリガ線とを用いて、上部放電電極先端の放電面と下部放電電極先端の放電面との間に所定電位の放電を繰り返し安定させて発生させることができる。
【0013】
また、その製造に際しては、第1放電トリガ線と第2放電トリガ線とを、気密筒の内側壁中央と気密筒の上部内側壁又はそれに加えて下部内側壁の横方向にループ状に一連に形成すれば良く、メイン放電トリガ線とサブ放電トリガ線とを気密筒の内側壁の上下方向に複数本に分けて形成する場合と比べて、その第1放電トリガ線と第2放電トリガ線とを気密筒の内側壁に手数を掛けずに容易かつ迅速に形成できる。
【0014】
また、第2の放電管にあっては、気密筒の内側壁中央に形成された第1放電トリガ線と、気密筒の下端面に形成された正極側のメタライズ面との間に、放電トリガ線が形成されていない絶縁体からなる気密筒の広い内側壁部分が介在している。
そのため、上部放電電極先端の放電面や下部放電電極先端の放電面から放電の際に発せられたスパッタが上記の第1放電トリガ線と正極側のメタライズ面との間の気密筒の内側壁部分に付着しても、そのスパッタにより、第1放電トリガ線と正極側のメタライズ面との間の電気的絶縁性が劣化するのを防ぐことができる。そして、上部放電電極先端の放電面と下部放電電極先端の放電面との間に所定電位の放電を長期に亙って繰り返し安定させて発生させることができる。
【0015】
また、第2の放電管にあっては、上部放電電極先端の放電面と下部放電電極先端の放電面とを活性化させるためのエージング処理を、その負極側の上部放電電極とその正極側の下部放電電極との間にDC過電圧を一方向のみに加えるだけで行うことができ、面倒なエージング処理工程をほぼ半減できる。
ここで、エージング処理とは、放電管の製造に際して、上部放電電極と下部放電電極とに過電圧を繰り返し印加して、上部放電電極先端の放電面と下部放電電極先端の放電面との間に放電を繰り返し強制的に発生させ、その上部放電電極先端の放電面と下部放電電極先端の放電面とを活性化させることをいう。そして、それ以降に、上部放電電極先端の放電面と下部放電電極先端の放電面との間に放電を円滑かつ的確に発生可能とする前処理をいう。
【0016】
本発明の第1又は第2の放電管においては、前記上部放電電極先端の放電面を含む第2平面と下部放電電極先端の放電面を含む第3平面との間に位置する気密筒の内側壁中央部分に、前記1本の第1放電トリガ線に代えて、複数本の第1放電トリガ線が、前記第1平面を挟んで上下対称に前記メタライズ面とほぼ平行に気密筒の内側壁を横断してループ状に所定のピッチで上下に並べて形成された構造としても良い。
【0017】
この第1又は第2の放電管にあっては、複数本の第1放電トリガ線が、上部放電電極先端の放電面を含む第2平面と、下部放電電極先端の放電面を含む第3平面との間に位置する、気密筒の内側壁中央部分に形成されている。換言すれば、複数本の放電トリガ線が、上部放電電極先端の放電面を含む第2平面より外側の気密筒の上部内側壁や、下部放電電極先端の放電面を含む第3平面より外側の気密筒の下部内側壁に突出せずに、それより内側の気密筒の内側壁中央部分に形成されている。
そのため、その複数本の第1放電トリガ線の外側の第1放電トリガ線が上部放電電極や下部放電電極に接近し過ぎた状態となるのを防ぐことができる。そして、そのために、上部放電電極先端の放電面と下部放電電極先端の放電面との間に発生させる放電電位が低下してしまうのを防ぐことができる。
また、その複数本の第1放電トリガ線が、前記の一次側昇圧コイルの巻き線方向とほぼ平行な気密筒の内側壁の横方向に形成されているため、一次側昇圧コイルの磁界の影響を受けて、その複数本の第1放電トリガ線に電磁誘導に基づく電流が発生するのを防ぐことができる。そして、その電流の影響を受けて、上部放電電極先端の放電面と下部放電電極先端の放電面との間に繰り返し発生させる放電電位が安定せずに変動するのを防ぐことができる。
【0018】
本発明の第1の放電管においては、前記気密筒の上部内側壁と下部内側壁とに、前記1本の第2放電トリガ線に代えて、それぞれ複数本の第2放電トリガ線が前記メタライズ面とほぼ平行に気密筒の内側壁を横断してループ状に所定のピッチで上下に並べて形成されて、そのうちの前記メタライズ面に最も近い第2放電トリガ線が、それぞれその近くの前記メタライズ面に第3放電トリガ線を介して接続された構造としても良い。
【0019】
同様に、本発明の第2の放電管においても、負極側に当たる前記気密筒の上部内側壁に、前記1本の第2放電トリガ線に代えて、複数本の第2放電トリガ線が前記メタライズ面とほぼ平行に気密筒の内側壁を横断してループ状に所定のピッチで上下に並べて形成されて、そのうちの前記メタライズ面に最も近い第2放電トリガ線が、その近くの前記気密筒の上端周縁に形成されたメタライズ面に第3放電トリガ線を介して接続された構造としても良い。
【0020】
この第1又は第2の放電管にあっては、その複数本の第2放電トリガ線が、前記の一次側昇圧コイルの巻き線方向とほぼ平行な気密筒の内側壁の横方向に形成されているため、一次側昇圧コイルの磁界の影響を受けて、その複数本の第2放電トリガ線に電磁誘導に基づく電流が発生するのを防ぐことができる。そして、その電流の影響を受けて、上部放電電極先端の放電面と下部放電電極先端の放電面との間に繰り返し発生させる放電電位が安定せずに変動するのを防ぐことができる。
また、その複数本の第2放電トリガ線のメタライズ面に最も近い第2放電トリガ線が、その近くのメタライズ面に第3放電トリガ線を介して接続されている。そのため、そのメタライズ面近くの第2放電トリガ線を、第3放電トリガ線及びメタライズ面を介して上部放電電極又は下部放電電極に電気的に接続できる。そして、その第2放電トリガ線及びその近くに配置された他の第2放電トリガ線に、上部放電電極先端の放電面と下部放電電極先端の放電面との間に放電を誘発させるための、沿面コロナ放電用の電子を効率良く収斂させることができる。そして、その複数本の第2放電トリガ線を用いて、上部放電電極先端の放電面と下部放電電極先端の放電面との間に、所定電位の放電を繰り返し安定させて発生させることができる。
【0021】
本発明の第1又は第2の放電管においては、前記第1放電トリガ線又は/及び第2放電トリガ線が、その中途部に1つないし複数の途切れた個所を有する構造としても良い。
【0022】
この第1又は第2の放電管にあっては、途切れた個所のないループ状に連続して形成された第1放電トリガ線又は/及び第2放電トリガ線と同様に、その途切れた個所を有する第1放電トリガ線又は/及び第2放電トリガ線に、上部放電電極先端の放電面と下部放電電極先端の放電面との間に放電を誘発させるための、沿面コロナ放電用の電子を効率良く収斂させることができる。そして、その途切れた個所を有する第1放電トリガ線又は/及び第2放電トリガ線を用いて、上部放電電極先端の放電面と下部放電電極先端の放電面との間に所定電位の放電を繰り返し安定させて発生させることができる。
【0023】
また、本発明の第1又は第2の放電管においては、前記第3放電トリガ線が、気密筒の軸に対して傾斜させて形成された構造とすることを好適としている。
【0024】
この第1又は第2の放電管にあっては、第3トリガ線が気密筒の軸に対して傾斜させて気密筒の内側壁に形成されている。そして、その第3トリガ線が、前記の一次側昇圧コイルの巻き線方向とほぼ平行な方向を向いている。
そのため、一次側昇圧コイルの磁界の影響を受けて、その第3トリガ線に電流が誘発されるのを防ぐことができる。そして、その電流の影響を受けて、上部放電電極先端の放電面と下部放電電極先端の放電面との間に繰り返し誘発される放電電位に変動が生ずるのを防ぐことができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
図1と図2は本発明の第1の放電管の好適な実施の形態を示し、図1はその正面断面図、図2はその気密筒の内側壁の展開図である。以下に、この第1の放電管を説明する。
【0026】
図において、10は、セラミック等の絶縁体からなる円筒状をした気密筒である。気密筒10の上端開口部とその下端開口部とは、それぞれ42アロイ(鉄―ニッケル合金)等の金属からなる上部放電電極22と下部放電電極24とにより封じられている。具体的には、上部放電電極22と下部放電電極24との外側端部が円板状の蓋体26、28に形成されて、その蓋体26、28により、気密筒10の上端開口部とその下端開口部とが覆われている。
【0027】
上部放電電極22と下部放電電極24とは、気密筒10の上端面と下端面とに形成されたクロム等からなるメタライズ面40に気密にろう付け接合されている。そして、不活性ガス等の混合ガスが封入された気密筒10の上端開口部と下端開口部とが、それぞれ上部放電電極22と下部放電電極24とにより気密に封止されている。
【0028】
気密筒10内奥方に突入した上部放電電極22先端と下部放電電極24先端とは、小径の円柱状に形成されていて、その上部放電電極22先端と下部放電電極24先端とが、気密筒10内の中央で対向させて配置されている。上部放電電極先端の放電面23と下部放電電極先端の放電面25とには、それらの放電面23、25間に放電を安定させて発生させるための、凹部27が設けられている。
【0029】
以上の構成は、従来の放電管と同様であるが、図の第1の放電管では、気密筒10内の中央で対向する上部放電電極先端の放電面23と下部放電電極先端の放電面25との間の放電ギャップの中央を横切る第1平面(一点鎖線で示した面)31上に位置する気密筒10の内側壁中央に、図2に示したように、線幅が約0.5mmのカーボン等からなる1本の第1放電トリガ線50が、メタライズ面40とほぼ平行に気密筒10の内側壁を横断してループ状に連続して形成されている。
【0030】
気密筒10の上部内側壁とその下に内側壁とには、それぞれ線幅が約0.5mmのカーボン等からなる1本の第2放電トリガ線60が、メタライズ面40とほぼ平行に気密筒10の内側壁を横断してループ状に連続して形成されている。第2放電トリガ線60は、それぞれその近くの気密筒10の上端面とその下端面とに形成されたメタライズ面40に、気密筒10の上端内側壁及びその下端内側壁に形成されたカーボン等からなる第3放電トリガ線70を介して接続されている。
【0031】
図1と図2に示した第1の放電管は、以上のように構成されている。
【0032】
図3と図4は本発明の第2の放電管の好適な実施の形態を示し、図3はその正面断面図、図4はその気密筒の内側壁の展開図である。以下に、この第2の放電管を説明する。
【0033】
この第2の放電管においては、上述の第1の放電管と同様にして、負極側に当たる気密筒10の上部内側壁に、線幅が約0.5mmのカーボン等からなる1本の第2放電トリガ線60が、メタライズ面40とほぼ平行に気密筒10の内側壁を横断してループ状に連続して形成されている。第2放電トリガ線60は、その近くの気密筒10の上端面に形成されたメタライズ面40に、気密筒10の上端内側壁に形成されたカーボン等からなる第3トリガ線70を介して接続されている。
【0034】
それに対して、正極側に当たる気密筒10の下部内側壁には、第2放電トリガ線60や第3放電トリガ線70が形成されておらずに、絶縁体からなる気密筒10の内側壁部分が広く露出している。
【0035】
その他は、図1と図2に示した第1の放電管と同様に構成されている。
【0036】
この第1又は第2の放電管においては、その第1放電トリガ線50が、気密筒10の軸と直角な横方向であって、バラスト回路等の一次側昇圧コイルの巻き線方向とほぼ平行な方向を向いている。そのため、その一次側昇圧コイルの磁界の影響を受けて、第1放電トリガ線50に電磁誘導に基づく電流が発生するのを防止できる。そして、その電流の影響を受けて、上部放電電極先端の放電面23と下部電極先端の放電面25との間に繰り返し発生させる放電電位が安定せずに変動するのを防ぐことができる。
【0037】
同様に、第2放電トリガ線60が、一次側昇圧コイルの巻き線方向とほぼ平行な気密筒10の内側壁の横方向を向いているため、その一次側昇圧コイルの磁界の影響を受けて、第2放電トリガ線60に電磁誘導に基づく電流が発生するのを防ぐことができる。そして、その電流の影響を受けて、上部放電電極先端の放電面23と下部放電電極先端の放電面25との間に繰り返し発生させる放電電位が安定せずに変動するのを防ぐことができる。
それと共に、放電管の周囲が誘電体からなる樹脂により囲まれた状態となっても、第2放電トリガ線60が、気密筒10の内側壁の横方向にループ状に形成されているため、上記の誘電体の樹脂に影響されずに、その第2放電トリガ線60に沿面コロナ放電用の電子を効率良く収斂させることができる。そして、その第2放電トリガ線60を用いて、上部放電電極先端の放電面23と下部放電電極先端の放電面25との間に所定電位の放電を繰り返し安定させて発生させることができる。
【0038】
また、第2放電トリガ線60が、その近くの気密筒10の上端面又はそれに加えて下端面に形成されたメタライズ面40に第3放電トリガ線70を介して接続されていて、その第2放電トリガ線60が、第3放電トリガ線70及びメタライズ面40を介して上部放電電極22又はそれに加えて下部放電電極24に電気的に接続されているため、その第2放電トリガ線60に、上部放電電極先端の放電面23と下部放電電極先端の放電面25との間に放電を誘発させるための、沿面コロナ放電用の電子を効率良く収斂させることができる。そして、その上部放電電極先端放電面23と下部放電電極先端の放電面25との間に、所定電位の放電を繰り返し安定させて発生させることができる。
【0039】
また、第1放電トリガ線50と第2放電トリガ線60とが気密筒10の内側壁中央と気密筒10の上部内側壁又はそれに加えて下部内側壁の横方向にループ状に形成されているため、その第1放電トリガ線50と第2放電トリガ線60との間の距離を長短なく一定に容易かつ的確に保つことができる。そして、その一定の距離に保たれた第1放電トリガ線50及び第2放電トリガ線60を用いて、上部放電電極先端の放電面23と下部放電電極先端の放電面25とに所定電位の放電を繰り返し安定させて発生させることができる。
【0040】
また、その製造に際しては、第1放電トリガ線50と第2放電トリガ線60とを、気密筒10の内側壁中央と気密筒10の上部内側壁又はそれに加えて下部内側壁の横方向にループ状に一連に形成すれば良く、その第1放電トリガ線50と第2放電トリガ線60とを手数を掛けずに容易かつ迅速に形成できる。
【0041】
また、第2の放電管にあっては、気密筒10の内側壁中央に形成された第1放電トリガ線50と、気密筒10の下端面に形成された正極側のメタライズ面40との間に、放電トリガ線が形成されていない絶縁体からなる気密筒10の内側壁部分が広く介在しているため、上部放電電極先端の放電面23や下部放電電極先端の放電面25から放電の際に発せられたスパッタが上記の第1放電トリガ線50と正極側のメタライズ面40との間の気密筒10の内側壁部分に付着しても、そのスパッタにより、第1放電トリガ線50と正極側のメタライズ面40との間の電気的絶縁性が劣化するのを防ぐことができる。そして、上部放電電極先端の放電面23と下部放電電極先端の放電面25との間に所定電位の放電を長期に亙って繰り返し安定させて発生させることができる。
【0042】
また、第2の放電管にあっては、上部放電電極先端の放電面23と下部放電電極先端の放電面25とを活性化させるためのエージング処理を、その負極側の上部放電電極22とその正極側の下部放電電極24との間にDC過電圧を一方向のみに加えるだけで行うことができ、エージング処理工程をほぼ半減できる。
【0043】
図5又は図6は本発明の第1又は第2の放電管の他の好適な実施の形態を示し、図5はその第1の放電管の気密筒の内側壁の展開図、図6はその第2の放電管の気密筒の内側壁の展開図である。以下に、この第1又は第2の放電管を説明する。
【0044】
図の第1又は第2の放電管においては、上部放電電極先端の放電面23を含む第2平面(図1に一点鎖線で示した面)33と下部放電電極先端の放電面25を含む第3平面(図1に一点鎖線で示した面)35との間に位置する気密筒10の内側壁中央部分に、1本の第1放電トリガ線50に代えて、線幅が0.2mmのカーボン等からなる複数本(図では2本)の第1放電トリガ線50が、上部放電電極先端の放電面23と下部放電電極先端の放電面25との間の放電ギャップの中央を横切る第1平面(図1で一点鎖線で示した線)31を挟んで上下対称にメタライズ面40とほぼ平行に気密筒10の内側壁を横断してループ状に所定のピッチで上下に並べて形成されている。
【0045】
その他は、図1と図2に示した第1の放電管、又は図3と図4に示した第2の放電管と同様に構成されていて、その作用も、次の点を除いて、図1と図2に示した第1の放電管、又は図3と図4に示した第2の放電管と同様である。
【0046】
この第1又は第2の放電管にあっては、その複数本の第1放電トリガ線50が、上部放電電極先端の放電面23を含む第1平面33と、下部放電電極先端の放電面25を含む第2平面35との間に位置する、気密筒10の内側壁中央部分に形成されていて、その複数本の第1放電トリガ線50が、上部放電電極先端の放電面23を含む第2平面33より外側の気密筒10の内側壁上部や、下部放電電極先端の放電面25を含む第3平面35より外側の気密筒10の内側壁下部に突出せずに、それより内側の気密筒10の内側壁中央に形成されているため、その複数本の第1放電トリガ線50の外側の第1放電トリガ線50が、上部放電電極22や下部放電電極24に接近し過ぎた状態となるのを防ぐことができる。そして、上部放電電極先端の放電面23と下部放電電極先端の放電面25との間に発生させる放電電位が所定電位より低下してしまうのを防ぐことができる。
また、その複数本の第1放電トリガ線50が、前記の一次側昇圧コイルの巻き線方向とほぼ平行な気密筒10の内側壁の横方向に形成されているため、一次側昇圧コイルの磁界の影響を受けて、その複数本の第1放電トリガ線50に電磁誘導に基づく電流が発生するのを防ぐことができる。そして、その電流の影響を受けて、上部放電電極先端の放電面23と下部放電電極先端の放電面25との間に繰り返し発生させる放電電位が安定せずに変動するのを防ぐことができる。
【0047】
図7又は図8は第1又は第2の放電管のもう一つの好適な実施の形態を示し、図7はその第1の放電管の気密筒の内側壁の展開図、図8はその第2の放電管の気密筒の内側壁の展開図である。以下に、この第1又は第2の放電管を説明する。
【0048】
図7に示した第1の放電管においては、気密筒10の上部内側壁と下部内側壁とに、1本の第2放電トリガ線60に代えて、それぞれ線幅が約0.2mmのカーボン等からなる複数本(図では2本)の第2放電トリガ線60がメタライズ面40とほぼ平行に気密筒10の内側壁を横断してループ状に所定のピッチで上下に並べて形成されている。そして、その複数本の第2放電トリガ線60のうちのメタライズ面40に最も近い第2放電トリガ線60が、それぞれその近くの気密筒10の上端面とその下端面とに形成されたメタライズ面40に、気密筒10の上端内側壁とその下端内側壁とに形成されたカーボン等からなる第3放電トリガ線70を介して接続されれている。
【0049】
図8に示した第2の放電管においては、負極側に当たる気密筒10の上部内側壁に、1本の第2放電トリガ線60に代えて、線幅が約0.2mmのカーボン等からなる複数本(図では2本)の第2放電トリガ線60が気密筒10の内側壁を横断してループ状にメタライズ面40とほぼ平行に所定のピッチで上下に並べて形成されている。そして、その複数本の第2放電トリガ線60のうちのメタライズ面40に最も近い第2放電トリガ線60が、その近くの気密筒10の上端面に形成されたメタライズ面40に、気密筒10の上端内側壁に形成されたカーボン等からなる第3放電トリガ線70を介して接続されている。
【0050】
その他は、図1と図2に示した第1の放電管、又は図3と図4に示した第2の放電管と同様に構成されていて、その作用も、次の点を除いて、図1と図2に示した第1の放電管、又は図3と図4に示した第2の放電管と同様である。
【0051】
この第1又は第2の放電管にあっては、その複数本の第2放電トリガ線60が前記の一次側昇圧コイルの巻き線方向とほぼ平行な気密筒10の内側壁の横方向に形成されているため、一次側昇圧コイルの磁界の影響を受けて、その複数本の第2放電トリガ線60に電磁誘導に基づく電流が発生するのを防ぐことができる。そして、その電流の影響を受けて、上部放電電極先端の放電面23と下部放電電極先端の放電面25との間に繰り返し発生させる放電電位が安定せずに変動するのを防ぐことができる。
また、その複数本の第2放電トリガ線60のうちのメタライズ面40に最も近い第2放電トリガ線60が、その近くのメタライズ面40に第3放電トリガ線70を介して接続されているため、その第2放電トリガ線60を、第3放電トリガ線70及びメタライズ面40を介して上部放電電極22又は下部放電電極24に電気的に接続できる。そして、その第2放電トリガ線60及びその近くに配置された他の第2放電トリガ線60に、上部放電電極先端の放電面23と下部放電電極先端の放電面25との間に放電を誘発させるための、沿面コロナ放電用の電子を効率良く収斂させることができる。そして、その複数本の第2放電トリガ線60を用いて、上部放電電極先端の放電面23と下部放電電極先端の放電面25との間に、所定電位の放電を繰り返し安定させて発生させることができる。
【0052】
なお、図5と図7の第1の放電管を組み合わせてなる第1の放電管、即ち気密筒10の内側壁中央部分に複数本の第1放電トリガ線50が形成され、気密筒10の上部内側壁又はそれに加えて下部内側壁に複数本の第2放電トリガ線60が形成されて、そのうちのメタライズ面40に最も近い第2放電トリガ線60が、それぞれ第3放電トリガ線70を介してメタライズ面40に接続されてなる第1の放電管を形成することも、可能である。
この場合も、図5又は図7の第1の放電管と同様な作用を持つ第1の放電管を提供できる。
【0053】
同様に、図6と図8の第2の放電管を組み合わせてなる第2の放電管、即ち気密筒10の内側壁中央部分に複数本の第1放電トリガ線50が形成され、負極側に当たる気密筒10の上部内側壁に複数本の第2放電トリガ線60が形成されて、そのうちのメタライズ面40に最も近い第2放電トリガ線60が第3放電トリガ線70を介してメタライズ面40に接続されてなる第2の放電管を形成することも、可能である。
この場合も、図6又は図8の第1の放電管と同様な作用を持つ第1の放電管を提供できる。
【0054】
図1と図2、図5、図7に示した第1の放電管、又は図3と図4、図6、図8に示した第2の放電管においては、図9に示したように、その第1放電トリガ線50又は/及び第2放電トリガ線60とが、その中途部に1つないし複数の途切れた個所52又は/及び62を有する構造としても良い。
その場合も、その途切れた個所52又は/及び62を有する第1放電トリガ線50又は/及び第2放電トリガ線60に、上部放電電極先端の放電面23と下部放電電極先端の放電面25との間に放電を誘発させるための、沿面コロナ放電用の電子を効率良く収斂させることができる。そして、その途切れた個所52又は/及び62を有する第1放電トリガ線50又は/及び第2放電トリガ線60を用いて、上部放電電極先端の放電面23と下部放電電極先端の放電面25との間に所定電位の放電を繰り返し安定させて発生させることができる。
ただし、その第1放電トリガ線50の途切れた個所52の長さの合計、又はその第2放電トリガ線60の途切れた個所62の長さの合計は、上部放電電極先端の放電面23と下部放電電極先端の放電面25との間の放電ギャップ距離よりも小さく抑えることが好ましい。
その理由は、その途切れた個所52又は62の長さの合計が上部放電電極先端の放電面23と下部放電電極先端の放電面25との間の放電ギャップ距離よりも大きくなると、その途切れた個所52を有する第1放電トリガ線50又はその途切れた個所62を有する第2放電トリガ線60に上部放電電極先端の放電面23と下部放電電極先端の放電面25との間に放電を誘発させるための、沿面コロナ放電用の電子を効率良く収斂させることができなくなるからである。
【0055】
また、図1と図2、図5、図7に示した第1の放電管、又は図3と図4、図6、図8に示した第2の放電管においては、それらの図に示したように、第3の放電トリガ線70を、気密筒10の軸に対して傾斜させて形成すると良い。そして、その第3トリガ線70を、前記の一次側昇圧コイルの巻き線方向とほぼ平行な方向に向けると良い。
そうした場合には、一次側昇圧コイルの磁界の影響を受けて、その傾斜させて形成した第3トリガ線70に電流が発生するのを防ぐことができる。そして、その電流の影響を受けて、上部放電電極先端の放電面23と下部放電電極先端の放電面25との間に繰り返し発生させる放電電位に変動が生ずるのを防ぐことができる。
【0056】
また、図1と図2、図5、図7に示した第1の放電管、又は図3と図4、図6、図8に示した第2の放電管においては、第2放電トリガ線60を、上部放電電極先端の放電面23と気密筒10の上端面に形成されたメタライズ面40との間の中央に位置する気密筒10の上部内側壁、又はそれに加えて下部放電電極先端の放電面25と気密筒10の下端面に形成されたメタライズ面40との間の中央に位置する気密筒10の下部内側壁に形成すると良い。
その場合には、その第2放電トリガ線60を用いて、上部放電電極先端の放電面23と下部放電電極先端の放電面25との間に所定電位の放電を繰り返し安定させて誘発させることが可能となることが、実験により確認されている。
【0057】
なお、第2放電トリガ線60は、上部放電電極先端の放電面23を含む第2平面33、又は下部放電電極先端の放電面25を含む第3平面35よりも外側の気密筒10の内側壁中央部分に形成することは、避けた方が良い。
その場合には、その第2放電トリガ線60を用いて、上部放電電極先端の放電面23と下部放電電極先端の放電面25との間に所定電位の放電を繰り返し安定させて誘発させることが不可能となることが、実験により確認されている。
【0058】
参考までに、図14と図15に示した従来の放電管と、図1と図2に示した第1の放電管の実験データを、図10ないし図13に示す。
図10はバラスト回路に組み込む前の従来の放電管の放電特性データ図、図11はバラスト回路の一次側昇圧コイル近くに並べて組込んで樹脂に埋め込んだ従来の放電管の放電特性データ図、図12はバラスト回路に組み込む前の第1の放電管の放電特性データ図、図13は第1の放電管をバラスト回路の一次側昇圧コイル近くに並べて組み込んで樹脂に埋め込んだ第1の放電管の放電特性データ図である。この放電特性データ図の縦軸は、放電電圧を示し、その1マス目盛は1000Vを表している。また、その横軸は、放電周波数を表し、その1マス目盛は200msec.を表している。
これらの放電特性データ図によれば、図14と図15に示した従来の放電管に比べて、図1と図2に示した第1の放電管においては、その第1の放電管をバラスト回路の一次側昇圧コイル近くに並べて組み込んだり、樹脂に埋め込んだりしても、それに影響されずに、その上部放電電極先端の放電面23と下部電極先端の放電面25との間に所定電圧の放電を繰り返し安定させて発生させたり、その初回の放電電圧を上昇又は降下させずに一定電圧に保持したりできることが判る。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の第1又は第2の放電管によれば、その気密筒の内側壁中央にループ状に形成された1本又は複数本の第1放電トリガ線と、気密筒の上部内側壁又はそれに加えて下部内側壁にループ状に形成された1本又は複数本の第2放電トリガ線であって、その少なくとも1本の第2放電トリガ線が第3放電トリガ線及びメタライズ面を介して上部放電電極又はそれに加えて下部放電電極に電気的に接続された第2放電トリガ線とを用いて、上部放電電極先端の放電面と下部放電電極先端の放電面との間に、所定電位の放電を繰り返し安定させて発生させたり、その上部放電電極先端の放電面と下部放電電極先端の放電面との間に発生させる初回の放電電位を所定電位に保ったりできる。
【0060】
また、その上部放電電極先端の放電面と下部放電電極先端の放電面との間に放電を誘発させるための1本又は複数本の第1放電トリガ線と1本又は複数本の第2放電トリガ線との間の距離を、一定に容易に正確に保つことができる。そして、その第1放電トリガ線と第2放電トリガ線とを用いて、上部放電電極先端の放電面と下部放電電極先端の放電面との間に所定電位の放電を繰り返し安定させて発生させることができる。
【0061】
また、その製造に際しては、1本又は複数本の第1放電トリガ線や1本又は複数本の第2放電トリガ線を気密筒の内側壁中央と気密筒の上部内側壁又はそれに加えて下部内側壁に連続してループ状に横方向に形成すれば良く、その第1放電トリガ線や第2放電トリガ線の形成作業の容易化、迅速化が図れる。
【0062】
また、本発明の第2の放電管にあっては、上部放電電極先端の放電面と下部放電電極先端の放電面とを活性化させるためのエージング処理を、その負極側の上部放電電極とその正極側の下部放電電極との間にDC過電圧を一方向のみに加えるだけで行うことができ、面倒なエージング処理工程をほぼ半減できる。
【0063】
また、本発明の第2の放電管にあっては、正極側に当たる気密筒の下端面に形成されたメタライズ面と第1放電トリガ線との間に絶縁体である気密筒の内側壁部分が広く露出しているため、その気密筒の内側壁部分に上部放電電極先端の放電面と下部放電電極先端の放電面とから放電の際に発せられるスパッタが付着しても、そのスパッタにより正極側のメタライズ面と第1放電トリガ線との間の電気的絶縁性が劣化するのを防ぐことができる。そして、上部放電電極先端の放電面と下部放電電極先端の放電面との間に所定電位の放電を長期に亙って繰り返し安定させて発生させ続けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の放電管の正面断面図である。
【図2】本発明の第1の放電管の気密筒の内側壁の展開図である。
【図3】本発明の第2の放電管の正面断面図である。
【図4】本発明の第2の放電管の気密筒の内側壁の展開図である。
【図5】本発明の第1の放電管の気密筒の内側壁の展開図である。
【図6】本発明の第2の放電管の気密筒の内側壁の展開図である。
【図7】本発明の第1の放電管の気密筒の内側壁の展開図である。
【図8】本発明の第2の放電管の気密筒の内側壁の展開図である。
【図9】本発明の第1の放電管の気密筒の内側壁の展開図である。
【図10】従来の放電管の放電特性データ図である。
【図11】従来の放電管の放電特性データ図である。
【図12】本発明の第1の放電管の放電特性データ図である。
【図13】本発明の第1の放電管の放電特性データ図である。
【図14】従来の放電管の正面断面図である。
【図15】従来の放電管の気密筒の内側壁の展開図である。
【符号の説明】
10 気密筒
22 上部放電電極
23 上部放電電極先端の放電面
24 下部放電電極
25 下部放電電極先端の放電面
26、28 蓋体
31 第1平面
33 第2平面
35 第3平面
40 メタライズ面
50 第1放電トリガ線
52 第1放電トリガ線の途切れた個所
60 第2放電トリガ線
62 第2放電トリガ線の途切れた個所
70 第3放電トリガ線

Claims (8)

  1. 絶縁体からなる気密筒の上端開口部と下端開口部とが、該気密筒の上端面と下端面とに形成されたメタライズ面にそれぞれ接合された上部放電電極と下部放電電極とにより、気密に封止されてなる放電管であって、
    前記気密筒内の中央で対向する上部放電電極先端の放電面と下部放電電極先端の放電面との間の放電ギャップの中央を横切る第1平面上に位置する前記気密筒の内側壁中央に、1本の第1放電トリガ線が前記メタライズ面とほぼ平行に気密筒の内側壁を横断してループ状に形成され、前記気密筒の上部内側壁と下部内側壁とには、それぞれ1本の第2放電トリガ線が前記メタライズ面とほぼ平行に気密筒の内側壁を横断してループ状に形成されて、その第2放電トリガ線が、それぞれその近くの前記メタライズ面に第3放電トリガ線を介して接続されたことを特徴とする放電管。
  2. 前記上部放電電極先端の放電面を含む第2平面と下部放電電極先端の放電面を含む第3平面との間に位置する気密筒の内側壁中央部分に、前記1本の第1放電トリガ線に代えて、複数本の第1放電トリガ線が、前記第1平面を挟んで上下対称に前記メタライズ面とほぼ平行に気密筒の内側壁を横断してループ状に所定のピッチで上下に並べて形成された請求項1記載の放電管。
  3. 前記気密筒の上部内側壁とその下部内側壁とに、前記1本の第2放電トリガ線に代えて、それぞれ複数本の第2放電トリガ線が前記メタライズ面とほぼ平行に気密筒の内側壁を横断してループ状に所定のピッチで上下に並べて形成されて、そのうちの前記メタライズ面に最も近い第2放電トリガ線が、それぞれその近くの前記メタライズ面に第3放電トリガ線を介して接続された請求項1又は2記載の放電管。
  4. 絶縁体からなる気密筒の上端開口部と下端開口部とが、該気密筒の上端面と下端面とに形成されたメタライズ面にそれぞれ接合された上部放電電極と下部放電電極とにより、気密に封止されてなる放電管であって、
    前記気密筒内の中央で対向する上部放電電極先端の放電面と下部放電電極先端の放電面との間の放電ギャップの中央を横切る第1平面上に位置する前記気密筒の内側壁中央に、1本の第1放電トリガ線が前記メタライズ面とほぼ平行に気密筒の内側壁を横断してループ状に形成され、負極側に当たる前記気密筒の上部内側壁には、1本の第2放電トリガ線が前記メタライズ面とほぼ平行に気密筒の内側壁を横断してループ状に形成されて、その第2放電トリガ線が、その近くの前記メタライズ面に第3放電トリガ線を介して接続されたことを特徴とする放電管。
  5. 前記上部放電電極先端の放電面を含む第2平面と下部放電電極先端の放電面を含む第3平面との間に位置する気密筒の内側壁中央部分に、前記1本の第1放電トリガ線に代えて、複数本の第1放電トリガ線が、前記第1平面を挟んで上下対称に前記メタライズ面とほぼ平行に気密筒の内側壁を横断してループ状に所定のピッチで上下に並べて形成された請求項4記載の放電管。
  6. 負極側に当たる前記気密筒の上部内側壁に、前記1本の第2放電トリガ線に代えて、複数本の第2放電トリガ線が前記メタライズ面とほぼ平行に気密筒の内側壁を横断してループ状に所定のピッチで上下に並べて形成されて、そのうちの前記メタライズ面に最も近い第2放電トリガ線が、その近くの前記メタライズ面に第3放電トリガ線を介して接続された請求項4又は5記載の放電管。
  7. 前記第1放電トリガ線又は/及び第2放電トリガ線が、その中途部に1つないし複数の途切れた個所を有する請求項1、2、3、4、5又は6記載の放電管。
  8. 前記第3放電トリガ線が、気密筒の軸に対して傾斜させて形成された請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の放電管。
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