JP4418598B2 - コルク栓抜き - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばワインの瓶の口を塞ぐコルク栓を抜き取るためのコルク栓抜きに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のコルク栓抜きは、正面略長方形状のコルク栓抜き本体を備えている。このコルク栓抜き本体には、コルク栓抜き本体の先端部に設けられた回動支持軸により、支持部材29が回動可能に支持されている。
【0003】
図8に示すように、支持部材29は、金属製の基板30とその基板30の両側からほぼ直角に折曲げられて形成された一対の側板31とから、チャンネル状に形成されている。この支持部材29の両側板31には、長手方向のほぼ中央の開口側の端部に、係合部としての係合片32が形成されている。この係合片32の幅は、支持部材29の側板31の厚みと同じ長さに形成されている。
【0004】
また、コルク栓抜き本体には、コルク栓抜き本体のほぼ中央部に設けられた回動支持軸により、螺旋状をなすスクリュー部が回動可能に支持されている。
このコルク栓抜きを使用して、瓶33の口に嵌められたコルク栓を抜くときには、コルク栓にスクリュー部を所定深さまで螺旋状に挿入した後に、支持部材29を回動させて、係合片32を瓶33の口に係合させる。次いで、係合片32の端部を支点として、コルク栓抜き本体の基端部を上方へ回動し、てこの原理を利用してコルク栓を瓶33の口から抜くようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、この従来のコルク栓抜きにおいては、係合片32の幅は、支持部材29の側板31の厚みと同じ長さに形成されているため、係合片32と瓶33の口との接触面積は小さい。このため、コルク栓にスクリュー部を所定深さまで螺旋状に挿入するときに、スクリュー部がコルク栓の中心軸から離間して挿入されると、係合片32は瓶33の口から若干ずれるため瓶33の口への係合が困難になるという問題があった。また、たとえスクリュー部をコルク栓の中心軸に挿入しても、コルク栓抜き本体の基端部を上方へ回動するときには、強い外力が係合片32と瓶33の口との小さい接触面積に加わるため、係合片32と瓶33の口との係合が不安定になるとともに、瓶33の口に損傷等の不具合が生じる問題があった。
【0006】
一方、この従来のコルク栓抜きの製造では、係合片32の下端部の両側端をバレル加工により滑らかにする必要があるため、製造工程が繁雑になり、製造コストが嵩むという問題があった。
【0007】
上記のような問題点を解決するために、係合片32の下端部に、係合片32よりも幅広の保護片を嵌着することが考えられる。このように構成した場合には、保護片と瓶33の口との接触面積は大きくなるので、たとえスクリュー部がコルク栓の中心軸から離間して挿入されても、保護片を瓶33の口に係合することができる。また、コルク栓抜き本体の基端部を上方へ回動するときには、保護片と瓶33の口との係合は安定するとともに、瓶33の口に損傷等の不具合が生じるのを防止することができる。
【0008】
しかし、係合片32の下端部に保護片を嵌着するために支持部材29のバレル加工を省くことができる反面、部品点数が増えるために製造が繁雑になり、製造コストが嵩むという問題があった。
【0009】
本発明は、上記のような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、安定した状態でコルク栓を容易に抜くことができ、スクリュー部がコルク栓の中心軸から離間して挿入されても、瓶の口に容易に係合することができるとともに、製造を容易にし、製造コストを節約することができるコルク栓抜きを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明のコルク栓抜きでは、コルク栓抜き本体と、コルク栓抜き本体に設けられた回動支持軸により回動可能に支持され、瓶の口に嵌められたコルク栓に螺旋状に挿入されるスクリュー部と、コルク栓抜き本体に設けられた回動支持軸により回動可能に支持され、スクリュー部がコルク栓に所定深さまで挿入された状態で、瓶の口に係合する係合部を有する金属板からなる支持部材とを備え、該支持部材をチャンネル状に形成して、その両側板をプレス加工することにより瓶の口に載るように下側から内方へ折曲げて係合部を形成し、その係合部を支点としてスクリュー部を引き抜くことにより瓶の口からコルク栓を抜くことができるように構成するとともに、該係合部を瓶の口に沿って円弧状に形成したものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1及び図6(a)に示すように、ワイン等の液体を貯蔵するためのガラス製の瓶11の口は、断面円形状に形成され、内容物である液体が瓶11から漏れ出すのを防ぐための円筒状のコルク栓12が嵌挿されている。
【0014】
図2に示すように、コルク栓抜き13は、正面から見て略円弧状をなすコルク栓抜き本体14を備えている。このコルク栓抜き本体14の両端部は、それぞれ円弧状に形成されている。
【0015】
コルク栓抜き本体14の両側面には、正面から見て細長い略円弧状をなす木製の把持片15が一対のかしめピン16によりそれぞれ固着されている。コルク栓抜き本体14の先端部には、第1回動支持軸17が挿通支持され、その両端部は、コルク栓抜き本体14の両側面から突出している。
【0016】
コルク栓抜き本体14の中間部には、正面から見て略長方形状をなす突出部18が内方に向かって突設されている。突出部18の突出端には、第2回動支持軸19が挿通支持されている。
【0017】
図2及び図3に示すように、支持部材20は、基板21とその基板21の両側からほぼ直角に折曲げて形成された一対の側板22とから、チャンネル状に形成されている。両側板22の基端部には、貫通孔23がそれぞれ形成されている。この貫通孔23には、支持部材20の両側板22間にコルク栓抜き本体14の基端部が配置された状態で、第1回動支持軸17が挿通されている。そして、支持部材20は、第1回動支持軸17により、図2の二点鎖線で示す不使用時の収納位置から図2の実線で示す位置まで回動可能に構成されている。
【0018】
図3、図6(a)及び図6(b)に示すように、支持部材20の両側板22には、長手方向のほぼ中央の開口側の端部に、係合部としての係合片24がそれぞれ形成されている。この係合片24は、支持部材20の両側板22をプレス加工により、瓶11の口に載るようにそれぞれ内方へ折曲げて構成されている。支持部材20の両側板22には、基端部の開口側の端部に、瓶11の口に嵌められた王冠状の栓を抜くための鉤片25がそれぞれ形成されている。
【0019】
図2に示すように、スクリュー部26は螺旋状をなすとともに、その基端部は第2回動支持軸19を介して、コルク栓抜き本体14の突出部18に支持されている。そして、図2の二点鎖線で示す不使用時の収納位置から図2の実線で示す位置まで回動可能に構成されている。
【0020】
瓶11の口に被せられたラッピングやカバー等を切除するためのナイフ27は、その基端部が第3回動支持軸28を介して、コルク栓抜き本体14の基端部に支持されている。そして、図2の二点鎖線で示す不使用時の収納位置から図2の実線で示す使用時の位置まで回動可能に構成されている。なお、コルク栓抜き本体14、支持部材20、スクリュー部26及びナイフ27は、ステンレス鋼等の金属材料によりそれぞれ形成されている。
【0021】
次に、上記のように構成されたコルク栓抜き13の作用を説明する。
さて、本実施形態のコルク栓抜き13を使用して、瓶11の口からコルク栓12を抜くためには、まず、図4に示すように、支持部材20を不使用時の収納位置から開く方向に回動させるとともに、スクリュー部26をコルク栓抜き本体14に対してほぼ直交するように回動配置する。次いで、スクリュー部26の先端部をコルク栓12の上端面の中央に押し当てた後に、スクリュー部26の軸線を中心にして、コルク栓抜き本体14をスクリュー部26の螺旋と同じ方向へ回動させることにより、スクリュー部26はコルク栓12に螺旋状に挿入される。
【0022】
そして、図5に示すように、スクリュー部26をコルク栓12の所定深さまで挿入した後に、支持部材20をコルク栓抜き本体14に対してほぼ直交する方向に回動させて、その係合片24を瓶11の口に載せる。このとき、図6(a)及び図6(b)に示すように、係合片24の下端面は、瓶11の口の上端面と接触する。
【0023】
この状態で、図1に示すように、係合片24を支点として、コルク栓抜き本体14の基端部を上方へ回動すると、コルク栓抜き本体14は、第1回動支持軸17を中心にして、上方へ回動する。このとき、スクリュー部26は、第2回動支持軸19を中心としてわずかに回動するとともに、コルク栓抜き本体14の回動に伴って上方へ引き抜かれる。このため、コルク栓12はスクリュー部26の上昇に伴って瓶11の口から抜き取られる。
【0024】
続いて、コルク栓12を把持し、スクリュー部26の軸線を中心にして、コルク栓抜き本体14をスクリュー部26の螺旋と逆の方向へ回動させることにより、コルク栓12からスクリュー部26を取外すことができる。
【0025】
以上詳述した本実施形態によれば、次のような効果が発揮される。
・ 本実施形態のコルク栓抜き13においては、図6(a)及び図6(b)に示すように、係合片24と瓶11の口との接触面積は、図8に示す従来のコルク栓抜きの係合片32と瓶33の口との接触面積に比べて大きくなるように構成されている。このため、たとえスクリュー部26がコルク栓12の中心軸から離間した位置で挿入されても、係合片24は瓶11の口に容易に係合することができる。また、コルク栓抜き本体14の基端部を上方へ回動するときには、係合片24と瓶11の口との接触面に加わる強い外力を分散させることができるため、瓶11の口に損傷等の不具合が生じるのを防止することができる。
【0026】
・ 本実施形態のコルク栓抜き13においては、支持部材20の側板22をプレス加工することにより、係合片24が形成されている。このため構造が簡易であり、製造が容易で製造コストを節約することができる。
【0027】
なお、前記実施形態を次のように変更して構成することもできる。
・ 前記係合片24を、図7(a)に示すように、それぞれ外方へ折曲げてもよい。このように構成した場合も、安定した状態でコルク栓12を容易に抜くことができ、スクリュー部26がコルク栓12の中心軸から離間して挿入されても、瓶11の口に容易に係合することができる。また、図7(b)に示すように、瓶11の口に沿って、それぞれ円弧状に形成してもよい。このように構成した場合は、係合片24のほとんど全てが瓶11の口の上に載ることから、安定した状態でコルク栓12をより容易に抜くことができ、スクリュー部26がコルク栓12の中心軸から離間して挿入されても、瓶11の口に容易に係合することができる。
【0028】
次に、前記実施形態から把握できる技術的思想について以下に記載する。
・ 前記係合部は、支持部材の側板の厚みよりも幅広に形成されている請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のコルク栓抜き。この構成によれば、たとえスクリュー部がコルク栓の中心軸から離間した位置で挿入されても、係合部は瓶の口に容易に係合することができる。また、コルク栓抜き本体の基端部を上方へ回動するときには、係合部と瓶の口との接触面に加わる強い外力を分散させることができるため、瓶の口に損傷等の不具合が生じるのを防止することができる。
【0029】
・ 前記係合部は、両側板に対して直角に折曲げて形成されている請求項2又は請求項3に記載のコルク栓抜き。この構成によれば、係合部は、安定した状態で瓶の口に係合することができる。
【0030】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成されているため、次のような効果を奏する。
請求項1に記載の発明のコルク栓抜きによれば、安定した状態でコルク栓を容易に抜くことができ、スクリュー部がコルク栓の中心軸から離間して挿入されても、瓶の口に容易に係合することができるとともに、製造を容易にし、製造コストを節約することができる。
【0031】
また、より製造を容易にし、製造コストを節約することができ、コルク栓を瓶の口からより容易に抜くことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態のコルク栓抜きのコルク栓抜き本体の基端部を上方へ回動させてコルク栓を抜く途中の状態を示す一部破断正面図。
【図2】 コルク栓抜きを示す正面図。
【図3】 支持部材を示す斜視図。
【図4】 スクリュー部をコルク栓に挿入した状態を示す一部破断正面図。
【図5】 支持部材を瓶の口に係合させた状態を示す一部破断正面図。
【図6】 (a)は図5の6a−6a線における断面図。(b)は図5の6b−6b線における断面図。
【図7】 (a)は外方に折曲げて形成された係合片の別例を示す断面図。
(b)は瓶の口に沿って円弧状に形成された係合片の別例を示す断面図。
【図8】 従来の支持部材を示す斜視図。
【符号の説明】
11…瓶、12…コルク栓、13…コルク栓抜き、14…コルク栓抜き本体、17…第1回動支持軸、19…第2回動支持軸、20…支持部材、24…係合片、26…スクリュー部。
Claims (1)
- コルク栓抜き本体と、
コルク栓抜き本体に設けられた回動支持軸により回動可能に支持され、瓶の口に嵌められたコルク栓に螺旋状に挿入されるスクリュー部と、
コルク栓抜き本体に設けられた回動支持軸により回動可能に支持され、スクリュー部がコルク栓に所定深さまで挿入された状態で、瓶の口に係合する係合部を有する金属板からなる支持部材とを備え、
該支持部材をチャンネル状に形成して、その両側板をプレス加工することにより瓶の口に載るように下側から内方へ折曲げて係合部を形成し、その係合部を支点としてスクリュー部を引き抜くことにより瓶の口からコルク栓を抜くことができるように構成するとともに、該係合部を瓶の口に沿って円弧状に形成したことを特徴とするコルク栓抜き。
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