JP4418398B2 - 表皮付き積層体である車両内装部品、並びに非発泡ポリウレタン樹脂及びそれを用いた表皮付き積層体の製造方法 - Google Patents
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Description
スプレー工法は、スプレー中のポリウレタン原料が雰囲気温度や湿度に影響を受けやすく、空気中の水分やまた製品中の気泡になる空気を取り込むことなど、その影響を受け発泡がおきやすい。また、大型の車両用内装部品の製品を成形するにおいて、幾度も成形型へのスプレーが必要なため、その都度、ポリウレタン原料の吹き付け前後の境界域で、密度や硬度等の違う層が出来やすく、その為表面からは違和感を伴う触感となる。よって、これらの理由で、表皮の密度即ち厚みや硬さまた触感が一定しにくい欠点がある。
反応射出成形法で得られる非発泡ポリウレタン樹脂の意匠面表皮と芯材からなる表皮付き積層体である車両内装部品であって、
非発泡ポリウレタン樹脂が
ポリオール(1)、
鎖延長剤(2)が1−メチル−3,5−ジエチル−2,4−ジアミノベンゼン及び/又は1−メチル−3,5−ジエチル−2,6−ジアミノベンゼンであり、鎖延長剤(2)の量がポリオール混合物100重量部中の2.0〜7.0重量部であり、
触媒(3)と、
必要に応じて助剤(4)からなるポリオール混合物(I)と、
ポリイソシアネート化合物(II)とから構成されており、
非発泡ポリウレタン樹脂の表面硬度がアスカーA硬度計で測定して30〜70である
ことを特徴とする車両内装部品を提供する。
ポリオール(1)、鎖延長剤(2)、触媒(3)と、必要に応じて助剤(4)からなるポリオール混合物(I)と、ポリイソシアネート化合物(II)とを用いて、反応射出成形法で非発泡ポリウレタン樹脂を製造する方法であって、
鎖延長剤(2)が1−メチル−3,5−ジエチル−2,4−ジアミノベンゼン及び/又は1−メチル−3,5−ジエチル−2,6−ジアミノベンゼンであり、鎖延長剤(2)の量がポリオール混合物100重量部に対して2.0〜7.0重量部であり、ポリオール混合液(I)とポリイソシアネート化合物(II)の反応混合液のゲルタイムを5.0〜15.0秒にした条件で、板厚が0.5〜3.0mmとなるようにし、キュア時間が30〜100秒で成形された、表面硬度がアスカーA硬度計で測定して、30〜70であることを特徴とする車両内装部品用非発泡ポリウレタン樹脂の製造方法を提供する。
(1)成形型のコア型に芯材を装着する工程
(2)成形型のキャビティ型表面に離型剤を塗布する工程
(3)必要に応じて成形型のキャビティ型表面に塗装による塗膜を作成する工程
(4)成形型のコア型とキャビティ型を閉じる工程
(5)ポリオール混合物(I)とポリイソシアネート化合物(II)との混合液を反応射出成形する工程
(6)一体化された成形品を取り出す工程
を有する非発泡ポリウレタン樹脂と芯材からなる表皮付き積層体の製造方法であり、
又は
非発泡ポリウレタン樹脂と、半硬質ポリウレタンフォームと芯材からなる表皮付き積層体の製造方法であって、
(1)意匠面に使用する表皮用成形型のコア型、キャビティ型に離型剤を塗布する工程
(2)必要に応じてキャビティ型表面に塗装による塗膜を作成する工程
(3)成形型のコア型とキャビティ型を閉じる工程
(4)ポリオール混合物(I)とポリイソシアネート化合物(II)との混合液を反応射出成形する工程
(5)意匠面の表皮として使用する非発泡ポリウレタン樹脂成形品を取り出す工程
(6)工程(5)の非発泡ポリウレタン樹脂成形品を発泡成形型のキャビティ型にセットする工程
(7)発泡成形型のコア型に芯材を装着する工程
(8)工程(6)の発泡成形型のキャビティ型にセットした非発泡ポリウレタン樹脂成形品上に半硬質ポリウレタンフォームをオープン又はクローズ注入する工程
(9)表皮一体化された成形品を取り出す工程
を有する非発泡ポリウレタン樹脂と半硬質ポリウレタンフォームと芯材からなる表皮付き積層体の製造方法をも提供する。
鎖延長剤(2)の使用量はポリオール混合物(I)100重量部中で2.0〜7.0重量部になるように配合する。2.0重量部未満ではポリオール混合物と反応するポリイソシアネート量が少なくなり、混合不良が起こり易くなり不適である。7重量部を超えると反応による粘度上昇が速くなるため、混合液(I)(II)の流動性が悪くなり実用的ではない。
2.0〜7.0重量部にすることで、0.5mm〜3.0mmの薄肉の非発泡ポリウレタン樹脂を成形する際にも混合液(I)(II)の流動性を損なうことなく、また、ポリオール混合物(I)/ポリイソシアネート化合物(II)の混合比率を100/14重量部まで下げても、混合性能に優れ、反応性も良好であり、成形におけるキュア時間も30秒〜100秒が可能となる。
触媒(3)の量は混合液(I)(II)のゲルタイムが5.0〜15.0秒になるように調整配合する。ゲルタイムが5.0〜15.0秒の範囲であれば、キュア時間を30秒〜100秒の短時間で成形可能となる。触媒(3)の量は、ポリオール混合物(I)100重量部中に0.01〜2.00重量部、好ましくは、0.10〜1.60重量部が良い。アミン触媒と金属触媒との併用の場合は、アミン触媒の量はポリオール混合物(I)100重量部中で0.1〜1.5重量部、好ましくは0.2〜1.3重量部であり、金属触媒の量はポリオール混合物(I)100重量部中で0.01〜0.10重量部、好ましくは0.03〜0.07重量部である。
「ゲルタイム」とは、反応を開始した混合液(I)(II)が、注入開始から糸状物(ゲル)を引き始めるまでの時間を言う。
これらの中で、芳香族ポリイソシアネート及びまたはその変性体を使用することが反応性の点、原料コストの点から好ましい。耐光性能を要求された場合には、樹脂表面に耐光性能を備えた塗料を塗布するのが好ましい。
また、このようにして得られる非発泡ポリウレタン樹脂の表面硬度は、アスカーAで測定して30〜70であり、特にソフト感があり触感が良い30〜60の範囲であることが好ましい。
(1)成形型のコア型に芯材を装着する工程
(2)成形型のキャビティ型表面に離型剤を塗布する工程
(3)必要に応じて成形型のキャビティ型表面に塗装による塗膜を作成する工程
(4)成形型のコア型とキャビティ型を閉じる工程
(5)ポリオール混合物(I)とポリイソシアネート化合物(II)との混合液を反応射出成形する工程
(6)表皮一体化された成形品を取り出す工程
この製造方法において成形型のコア型とは芯材を装着する側の型を意味し、成形型のキャビティ型は意匠面側の型を意味する。
離型剤は通常のRIM成形用のワックス系、水系タイプが使用できる。
キャビティ型表面に塗装する塗膜は光安定性、耐摩耗性を備えたものが使用できる。
また、原料吹き付け時の空気および空気中の水分の取り込みも無く、非発泡ポリウレタン樹脂の発泡や大きい径の気泡の生成が起きにくく、温度上昇よって内装部品の意匠面表皮としては外観上致命的欠陥となるような目視でも確認できるサイズまでは膨張しない。
また意匠面に、0.5mm〜3.0mmの厚みで、ソフト感があり触感の良い、本発明の非発泡ポリウレタン樹脂を有した車両内装部品用の表皮付き成形体が得られる。
その製造方法は、
(1)意匠面に使用する表皮用成形型のコア型、キャビティ型に離型剤を塗布する工程
(2)必要に応じてキャビティ型表面に塗装による塗膜を作成する工程
(3)成形型のコア型とキャビティ型を閉じる工程
(4)ポリオール混合物(I)とポリイソシアネート化合物(II)との混合液を反応射出成形する工程
(5)意匠面の表皮として使用する非発泡ポリウレタン樹脂を取り出す工程
(6)工程(5)の非発泡ポリウレタン樹脂成形品を発泡成形型のキャビティ型にセットする工程
(7)発泡成形型のコア型に芯材を装着する工程
(8)工程(6)の発泡成形型のキャビティ型にセットした非発泡ポリウレタン樹脂成形品上に半硬質ポリウレタンフォームをオープン注入又はクローズ注入する工程
(9)表皮一体化された成形品を取り出す工程
を有する。
その密度や硬度等は、需要者の要望により適宜調整して用いられる。半硬質ポリウレタンフォームの密度は、0.12〜0.23g/cm3であり、表面硬度がアスカーC硬度計で35〜50のものが使用できる。例えば、成形密度が0.185g/cm3で、表面硬度がアスカーC硬度計で40のものを使用できる。
また、原料吹き付け時の空気および空気中の水分の取り込みも無く、非発泡ポリウレタン樹脂の発泡や大きい径の気泡の生成が起きにくく、温度上昇よって内装部品の意匠面表皮としては外観上致命的欠陥となるような目視でも確認できるサイズまでは膨張しない。
また大きい径の気泡の生成がないため、半硬質ポリウレタンフォームの非発泡ポリウレタン樹脂への含浸もなく、表皮となる非発泡ポリウレタン樹脂側からの触感も、含浸部の違和感が無く一定したものとなる。
(1)900×300×1(t)mmの成形型を用い、キャノン社Aシステム高圧反応射出成形機によるRIM成形にて評価用のサンプルを作成した。その時の混合液(I)(II)の吐出量は200g/秒また混合圧力は15MPaであった。成形型表面温度を55℃に調整して行った。
(2)キュア時間評価基準
成形型から取り出した成形品の表面外観において、「膨れ」、「肌荒れ」などが無い状態を目視にて確認し、混合液(I)(II)の型への射出から型開き開始までの時間を測定しキュア時間とした。
(3)攪拌混合性能の評価基準
○:成形品に攪拌混合不足に起因する割れ、膨れが無く良
×:成形品に攪拌混合不足に起因する割れ、膨れが見られ不良
(4)流動性の評価方法及び評価基準
○:成形型の端末まで混合液が流動し、成形品に未充填の部分が無く良好
× :成形型の端末まで混合液が流れず、成形品に未充填部分が有り不良
(5)引張強度(MPa)と破断時の伸び率(%)及び表面硬度の測定
引張強度(MPa)と破断時の伸び率(%)の測定は、常温で、島津製作所株式会社製オートグラフAG-1(1kN)で行った。
また表面硬度は、アスカーA硬度計を使用して25℃での値を測定した。
(1)300*900*4.0(t)mmの成形型を用い、非発泡ポリウレタン樹脂の厚みが1mmになる様コア型に厚みが約3.0mmのポリプロピレン製芯材を両面テープで固定したのち、閉型してRIM成形にて、表皮付き成形品を作成して行った。
その時の混合液(I)(II)の吐出量は200g/秒また混合圧力は15MPaであった。
成形型の表面温度を55℃に調整して行った。
(2)キュア時間や攪拌混合性能及び流動性の評価また表面硬度の測定などは、非発泡ポリウレタン樹脂の性能評価方法および評価基準と同様にして行った。
(3)非発泡ポリウレタン樹脂とポリプロピレン製芯材との接着性
キュアした直後、表皮である非発泡ポリウレタン樹脂とポリプロピレン製芯材との間に「剥離」の有無を目視にて確認した。
接着性評価基準
○:「剥離」が見られず良好
×:「剥離」が見られ不良
(1)300*900*11.0(t)mmの発泡用の成形型のキャビティ型に、上記作成方法による厚さ約1.0mmの非発泡ポリウレタン樹脂をセットし、コア型に厚みが約3mmのポリプロピレン製芯材を両面テープで固定したのち、閉型し、成形品密度が0.185g/cm3になる半硬質ポリウレタンフォーム用原料を芯材と非発泡ポリウレタン樹脂の間にRIM成形して表皮一体成形品を作成して行った。
(2)半硬質ポリウレタンフォームの注入は、キャノン社Aシステム60型高圧反応射出成形機を使用し、注入量180〜350g/秒、混合圧力15MPa、注入時間を1.2〜2.5秒で行い、成形型全体の温度を40℃に調整し行った。
(3)この一体成形品の表皮になる非発泡ポリウレタン樹脂の外観品質「膨れ」の有無を目視によって確認し評価を行った。またアスカーA硬度計による「表面硬度」を測定し、触感の良悪の参考とした。
良好:「膨れ」が見られず、半硬質ポリウレタンフォームとの「剥離」無く接着性良
不良:「膨れ」が見られ、半硬質ポリウレタンフォームとの「剥離」も発生し接着性悪
表2に非発泡ポリウレタン樹脂成形用の配合を示し、その評価結果を表3に示した。
表4に非発泡ポリウレタン樹脂と芯材との積層体からなる表皮付き成形品の評価結果を示した。
表1に示すポリオール混合物(I)およびポリイソシアネート化合物(II)を使用して、表2に示す配合条件で、900×300×1(t)mmの成形型を用い、成形型表面温度を55℃にし、キャノン社Aシステム高圧反応射出成形機による反応射出(RIM)成形にて評価用の非発泡ポリウレタン樹脂サンプルを作成した。
その時のポリオール混合物(I)およびポリイソシアネート化合物(II)の温度を30℃にし、混合液(I)(II)の吐出量(注入量)を200g/秒、混合圧力を15MPaで行った。
得られた非発泡ポリウレタン樹脂は、表3に示すように、ゲルタイムが8秒で、キュア時間は60秒であり、撹拌混合性能および流動性にも問題が無く、良好な外観品質を有し、また表面の硬度もアスカーA硬度60で触感の良い物となった。
表1に示すポリオール混合物(I)およびポリイソシアネート化合物(II)を使用して、表2に示す配合条件で、実施例1と同様の成形条件で、評価用の非発泡ポリウレタン樹脂サンプルを作成した。
得られた非発泡ポリウレタン樹脂は、表3に示すように、ゲルタイムが14秒で、キュア時間は70秒であり、撹拌混合性能および流動性にも問題が無く、良好な外観品質を有していた。また表面の硬度もアスカーA硬度49で触感の良い物となった。
表1に示すポリオール混合物(I)およびポリイソシアネート化合物(II)を使用して、表2に示す配合条件で、実施例1と同様の成形条件で、評価用の非発泡ポリウレタン樹脂サンプルを作成した。
得られた非発泡ポリウレタン樹脂は、表3に示すように、ゲルタイムが11秒で、キュア時間は60秒であり、撹拌混合性能および流動性にも問題が無く、良好な外観品質を有していた。また表面の硬度もアスカーA硬度53で触感の良い物となった。
表1に示すポリオール混合物(I)およびポリイソシアネート化合物(II)を使用して、表2に示す配合条件で、実施例1と同様の成形条件で、評価用の非発泡ポリウレタン樹脂サンプルを作成した。
得られた非発泡ポリウレタン樹脂は、表3に示すように、ゲルタイムが9秒で、キュア時間は60秒であった。また撹拌混合性能および流動性にも問題が無く、良好な外観品質を有していた。表面の硬度もアスカーA硬度60で触感の良い物が得られた。
表1に示すポリオール混合物(I)およびポリイソシアネート化合物(II)を使用して、表2に示す配合条件で、実施例1と同様の成形条件で、評価用の非発泡ポリウレタン樹脂サンプルを作成した。
得られた非発泡ポリウレタン樹脂は、表3に示すように、ゲルタイムが6秒でも、キュア時間は150秒であった。
また流動性には問題が無かったが、撹拌混合性能が良くなく、キュア後の成形品に膨れや割れがみられ外観は悪かった。
表1に示すポリオール混合物(I)およびポリイソシアネート化合物(II)を使用して、表2に示す比較例1から鎖延長剤のエチレングリコールを3重量部に増やした配合条件で、実施例1と同様の成形条件で、評価用の非発泡ポリウレタン樹脂サンプルを作成した。
得られた非発泡ポリウレタン樹脂は、表3に示すように、ゲルタイムを5秒にしても、キュア時間は120秒であった。
表1に示すポリオール混合物(I)およびポリイソシアネート化合物(II)を使用して、表2に示す実施例4から鎖延長剤のジエチルジアミノトルエンを10重量部に増やした配合条件で、実施例1と同様の成形条件で、評価用の非発泡ポリウレタン樹脂サンプルを作成した。
得られた非発泡ポリウレタン樹脂は、表3に示すように、キュア時間は60秒となったものの、ゲルタイムが3秒と早くなり、成形型の端末まで混合液が流れず成形品に未充填部分ができ流動性が良くなかった。
表面の硬度もアスカーA硬度が77となり、触感の良いものではなかった。
非発泡ポリウレタン樹脂と芯材との積層体からなる表皮付き成形品の評価
表面温度を55℃に調整した300*900*4.0(t)mmの成形型のコア型に厚みが約3.0mmのポリプロピレン製芯材を両面テープで固定し、
成形型のキャビティ型表面に離型剤(ワックス系のリムリケイB308−10/中京油脂株式会社製)を塗布し、成形型のコア型とキャビティ型を閉じ、温度を30℃に調整した実施例3のポリオール混合物(I)およびポリイソシアネート化合物(II)の混合液(I)(II)の吐出量を200g/秒また混合圧力を15MPaで反応射出成形し、非発泡ポリウレタン樹脂とポリプロピレン製芯材の一体化された成形品を取り出し、成形された芯材との積層体からなる表皮付き成形品の評価を行った。得られたこの積層体の表皮である非発泡ポリウレタン樹脂の厚みは1.0mmで、表皮付き成形品のキュア時間は、非発泡ポリウレタン樹脂の注入から60秒であり、キュア後の非発泡ポリウレタン樹脂とポリプロピレン製芯材との間に「剥離」も見られなかった。
また、この表皮付き成形品は、表皮が優れた外観品質を有すると共に密度が1.05g/cm3、表面硬度がアスカーA硬度で53でありソフト感がある触感の良いものであった。
非発泡ポリウレタン樹脂と半硬質ポリウレタンフォーム及び芯材との積層体からなる表皮付き成形品の評価
実施例2の予め塗膜を施した非発泡ポリウレタン樹脂とクラッシュパッド用の半硬質ポリウレタンフォーム及び芯材との積層体からなる表皮付き成形品の評価を行った。初めに、意匠面表皮に使用する非発泡ポリウレタン樹脂の成形を行い、表面温度を55℃に調整した300*900*1.0(t)mmの表皮用成形型のコア型、キャビティ型に離型剤(ワックス系のリムリケイB308−10/中京油脂株式会社製)を塗布し、キャビティ型表面全体に塗装による塗膜を作成し、表皮用成形型のコア型とキャビティ型を閉じ、温度を30℃に調整した実施例2のポリオール混合物(I)およびポリイソシアネート化合物(II)との混合液(I)(II)を反応射出成形し、厚みが1.0(t)mmの非発泡ポリウレタン樹脂成形品を取り出し次に、この非発泡ポリウレタン樹脂成形品を、成形型全体の温度を40℃に調整した300*900*11.0(t)mmの発泡用の成形型のキャビティ型にセットし、
発泡成形型のコア型に、厚みが約3mmのポリプロピレン製芯材を両面テープで固定して型を閉じ、
発泡成形型のキャビティ型にセットした非発泡ポリウレタン樹脂成形品上に、成形品密度が0.185g/cm3になる温度を25℃に調整した半硬質ポリウレタンフォーム用原料を、キャノン社Aシステム60型高圧反応射出成形機を使用し、吐出量(注入量)300g/秒、混合圧力15MPa、注入時間を2.0秒で、芯材と非発泡ポリウレタン樹脂の間に反応射出成形して表皮一体成形品を作成し、表皮一体化された成形品を取り出し、非発泡ポリウレタン樹脂と半硬質ポリウレタンフォーム及び芯材との積層体からなる表皮付き成形品を得た。得られた表皮付き成形品は、表面硬度がアスカーA硬度40で、非常にソフト感のある触感が良いものであった。また表皮の非発泡ポリウレタン樹脂に膨れが見られず、優れた外観品質を有すると共に、半硬質ポリウレタンフォームとの剥離も無く接着性に優れたものであった。
Claims (8)
- 反応射出成形法で得られる非発泡ポリウレタン樹脂の意匠面表皮と芯材からなる表皮付き積層体である車両内装部品であって、
非発泡ポリウレタン樹脂が、発泡剤の添加は行わずに、
ポリオール(1)と、
鎖延長剤(2)が1−メチル−3,5−ジエチル−2,4−ジアミノベンゼン及び/又は1−メチル−3,5−ジエチル−2,6−ジアミノベンゼンであり、鎖延長剤(2)の量がポリオール混合物100重量部中の2.0〜7.0重量部である鎖延長剤(2)と、
触媒(3)
を含んでなるポリオール混合物(I)と、
ポリイソシアネート化合物(II)とから構成されており、
非発泡ポリウレタン樹脂の表面硬度がアスカーA硬度計で測定して30〜70である
ことを特徴とする車両内装部品。 - 非発泡ポリウレタン樹脂からなる意匠面表皮と芯材との間に半硬質ポリウレタンフォームを有する積層体からなることを特徴とする請求項1記載の表皮付き積層体である車両内装部品。
- 発泡剤の添加は行わずに、ポリオール(1)と、鎖延長剤(2)と、触媒(3)を含んでなるポリオール混合物(I)と、ポリイソシアネート化合物(II)とを用いて、反応射出成形法で非発泡ポリウレタン樹脂の意匠面表皮を製造する方法であって、
鎖延長剤(2)が1−メチル−3,5−ジエチル−2,4−ジアミノベンゼン及び/又は1−メチル−3,5−ジエチル−2,6−ジアミノベンゼンであり、鎖延長剤(2)の量がポリオール混合物100重量部中に2.0〜7.0重量部であり、ポリオール混合液(I)とポリイソシアネート化合物(II)の反応混合液のゲルタイムを5.0〜15.0秒にした条件で、厚みが0.5〜3.0mmとなるようにし、キュア時間が30〜100秒で成形されることを特徴とする車両内装部品用非発泡ポリウレタン樹脂の意匠面表皮の製造方法。 - 非発泡ポリウレタン樹脂の表面硬度がアスカーA硬度計で測定して30〜70である請求項3記載の製造方法。
- 請求項1記載の非発泡ポリウレタン樹脂と芯材からなる表皮付き積層体である車両内装部品の製造方法であって、
(1)成形型のコア型に芯材を装着する工程
(2)成形型のキャビティ型表面に離型剤を塗布する工程
(4)成形型のコア型とキャビティ型を閉じる工程
(5)ポリオール混合物(I)とポリイソシアネート化合物(II)との混合液を反応射出成形する工程
(6)一体化された成形品を取り出す工程
を有する製造方法。 - 請求項2記載の非発泡ポリウレタン樹脂と半硬質ポリウレタンフォームと芯材からなる表皮付き積層体である車両内装部品の製造方法であって、
(1)意匠面に使用する表皮用成形型のコア型、キャビティ型に離型剤を塗布する工程
(3)成形型のコア型とキャビティ型を閉じる工程
(4)ポリオール混合物(I)とポリイソシアネート化合物(II)との混合液を反応射出成形する工程
(5)意匠面表皮に使用する非発泡ポリウレタン樹脂成形品を取り出す工程
(6)工程(5)の非発泡ポリウレタン樹脂成形品を発泡成形型のキャビティ型にセットする工程
(7)発泡成形型のコア型に芯材を装着する工程
(8)工程(6)の発泡成形型のキャビティ型にセットした非発泡ポリウレタン樹脂成形品上に半硬質ポリウレタンフォームをオープン又はクローズ注入する工程
(9)表皮一体化された成形品を取り出す工程
を有する製造方法。 - ポリオール(1)がポリエーテルポリオールを含んで成り、ポリエーテルポリオールの平均官能基数が2.0〜2.5である請求項1に記載の車両内装部品。
- ポリオール(I)がポリエーテルポリオールを含んで成り、ポリエーテルポリオールの末端オキシエチレン単位の含有量が10〜20重量%である請求項1に記載の車両内装部品。
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