JP4418384B2 - スポット溶接部の破断限界モーメントの推定方法 - Google Patents

スポット溶接部の破断限界モーメントの推定方法 Download PDF

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Description

本発明は、スポット溶接部の破断限界荷重の予測方法に関し、詳しくは、フランジ型継手引張張試験の結果からスポット溶接部の端部に加わるモーメント効率を求め、同様の荷重形態をとる任意条件の試験片または実構造部材におけるスポット溶接の破断限界モーメントを予測する方法に関する。
近年、自動車業界では、衝突時の乗員への傷害を低減し得る車体構造の開発が急務の課題となっている。そのような衝突安全性に優れた車体構造は、衝突時の衝撃エネルギーを客室部以外の構造部材で吸収させ、客室部の変形を最小限として生存空間を確保することによって実現できる。つまり、構造部材により衝撃エネルギーを吸収させることが重要である。
一般的に、自動車の衝突時の衝撃エネルギーを吸収させる主要な構造部材は、プレス成形等で部材成形後、スポット溶接により部材を閉断面化した構造となっている。通常、このような部材を座屈させることで衝撃エネルギーを吸収させるが、スポット溶接部が破断してしまうと、断面構造が脆弱化し、衝撃吸収性能が著しく劣化する。
従って、スポット溶接部は、衝突時の複雑な変形状態、負荷条件においても容易に破断せずに部材の閉断面を維持できるような強度を確保する必要がある。
スポット溶接部の強度の指標は、非特許文献1、2に規定される、せん断引張試験および十字形引張試験が代表的である。この他にも多様な荷重状態を想定した多様な試験形態での報告例はあるが、一般には、非特許文献1、2で規定された2種の試験により、せん断引張試験値を溶接部のせん断強度として、また、十字形引張試験値を溶接部の剥離強度として扱っている。
しかしながら、実際の溶接部の破断現象は、せん断強度と剥離強度のみに支配されるわけではなく、例えば実際の自動車部材に多く見られるフランジ型の継手において、フランジ面を引起こすような荷重形態では、明らかにスポット溶接部の端部に曲げモーメントが作用するため、せん断引張試験や十字型引張試験の結果が適用できないという欠点がある。
一方で、自動車用の鋼板は、品種、板厚などが多様化しているため、溶接部の組合せ条件は必然的に多様化している。従って、部材を特定した場合でも、その最適設計のためには、可能性のある組合せにつき、網羅的な試験を余儀なくされることになる。さらに、試験により得られた強度、すなわち破断荷重は、降伏点などの材料物性とは異なり、例えば試験片の幅などを変えると変化してしまうため、同一試験方法による相対評価指標としての意味合いが強い。このため、新たな溶接組合せが生じる毎に、試験データを採取蓄積し続けなければならないうえ、蓄積されたデータを新たな条件での強度推定、試験水準の絞込みなどに効率的に活用できていないという問題を抱えていた。
また、試験により得られたスポット溶接部の強度は、幅などの構造影響を受けることから、実部材では、試験値を様様な観点から補正して推定せざるを得ない。また、近年飛躍的に進歩してきた計算機上で自動車の衝突のシミュレーションによる最適設計を行うシステムにおいても、この推定精度が十分とは言えず、衝突安全の最適な設計の信頼性を低下させていた。
JIS Z3136 JIS Z3137
本発明は、スポット溶接部の端部に加わる曲げモーメントの影響に関し、任意の引張強さを有する材料を対象とするフランジ型継手引張試験によるスポット溶接部の破断限界荷重の蓄積データを効率的に活用することにより、新たな試験条件あるいは実部材での破断荷重を推定する、スポット溶接部の破断限界モーメントの推定方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明にかかる、スポット溶接部の破断限界モーメントの推定方法は、以下の通りである。
(1)スポット溶接部を有するフランジ引張試験を行い、スポット溶接部の端部に加えた曲げモーメントM(N・m)と、試験材の板厚、板幅、強度特性から理論的に求まる全塑性モーメントMp(N・m)から、(1)式によるモーメント効率γを予め求め、このモーメント効率γと、任意の板厚、板幅、強度特性を有する材料に対する全塑性モーメントMp´から(2)式によるフランジ引張試験によるスポット溶接部の破断限界モーメントMlim(N・m)を推定することを特徴とするスポット溶接部の破断限界モーメントの推定方法。
γ=Mp/M (1)
Mlim=Mp´/γ (2)
(2)スポット溶接部を有するフランジ試験を行い、ナゲット径d(mm)と前記試験片の幅W(mm)との比d/Wと、(6)式による応力集中係数αの関係を予め求め、母材の引張強さTS≧400MPaのときは前記(1)記載の方法により、前記(1)式及び(2)式に基づいて、また母材の引張強さTS<400MPaのときは(7)式に基づいて、任意の板厚、板幅、強度特性を有するフランジ引張試験によるスポット溶接部の破断限界モーメントMlim(N・m)を推定することを特徴とするスポット溶接部の破断限界モーメントの推定方法。
α=TS・W・t/F (6)
Mlim=TS・W・t(L2−L1−d/2)/(α・tanθ) (7)
ここで、
TS:引張強さ(MPa)、 t:試験片の厚さ(mm)、 F:破断限界張力(N)
W :試験片の幅(mm)
L2:フランジ長さ(mm)
L1:母材端(フランジ端)から溶接点までの距離(mm)
d :スポット溶接径(mm)
θ :破断角度(度)
本発明により、任意の引張強さを有する材料について、フランジ型継手引張試験によるスポット溶接部の破断限界モーメントの推定に基づき、破断荷重を予測できるので、自動車等の実部材で想定される多様な試験水準を網羅的に実施することなく、破断荷重を推定することができる。また、試験を必要最小限に留めるとともに、蓄積したデータを推定精度向上に活用できるので、試験の効率を大幅に向上することができる。
以下、図面を用いて本発明を詳細に説明する。
まず、フランジ型継手引張試験について説明する。図1に、フランジ型継手引張試験方法を示す。試験片は、母材1a,1bの端部を重ね、端から距離L1の位置をスポット溶接し、端から距離L2の位置で母材1a,1bを反対方向に90°折り曲げ、長さL2のフランジ部2を形成し、両端部3a,3bをスポット溶接部4周辺が破断するまで引張り、最大荷重を測定する。なお、距離L1及びL2は、試験目的に応じ任意に変更できる。
図2に、(a)試験片が破断した状態、(b)破断した時のスポット溶接部4断面の荷重状態を示す。図2(a)に示すように、フランジ型継手引張試験において引張荷重を与えると、フランジ部2が拘束されていないため、スポット溶接部4の端部には曲げモーメントMが作用し、接合面が角度θだけ開口した状態で破断する。
このとき、図2(b)に示すように、フランジ2の角部には垂直荷重Fv(kN)が作用し、スポット溶接部4の端部には反力−Fv(kN)が作用するのでこの間の曲げモーメントM(N・m)は、距離L1(mm)、L2(mm)、スポット溶接径d(mm)、及び破断角度θを用い、式(3)により容易に求めることができる。
M=Fv・(L2−L1−d/2)cosθ (3)
フランジ型継手引張試験の場合は、このFvがすなわち破断限界荷重である。また、破断の起点位置は、スポット溶接部4と母材1aまたは1bとの境界面5であることから、この境界面5の局所的な曲げにより母材1aまたは1bの表面応力が破断限界に到達したと考えられる。
図3に、破断時の板厚方向応力状態を近似的に示した図を示す。これは、全塑性曲げ状態を示すものである。このときの曲げモーメント、すなわち全塑性モーメントMp(N・m)は、幅方向に応力分布が均等とすれば、試験材の板厚、板幅、強度特性から、理論的に求めることができる。図示した板厚方向応力状態の場合、全塑性モーメントMp(N・m)は、表面応力σmax=引張強度TS(MPa)、中心応力σ0=降伏点YP(MPa)、試験材の板厚t(mm)、板幅W(mm)とすれば、(4)式から求めることができる。
Mp=(TS+YP)Wt/8000 (4)
(4)式は、応力状態を近似した場合の数式の一例であり、試験材の強度特性、例えば応力と歪みの関係に応じ、より簡素に、あるいは逆に詳細な表現に基づく数式を採用することも可能である。
(4)式で求めた全塑性モーメントMpは、(3)式のフランジ型継手引張試験の破断モーメントMとは一致せず、Mp<Mとなる。これは、加えたモーメントMが、フランジ全体の変形に影響するのに対し、実際に全塑性曲げとなる領域がスポット溶接部4の端部付近に限られることによる。従って、全塑性モーメントMpと実際に加えたモーメントMから、モーメント効率γを(1)式と定義できる。
γ=Mp/M (1)
複数の水準の試験からMpとMの関係を求める場合、図4のように、ほぼ1本の直線で近似することができ、(1)式によるモーメント効率γは、この直線の勾配として求めることができる。従って、実験によりこの直線を規定することにより、モーメント効率γを定めることができる。
モーメント効率γが決まれば、(4)式などから、任意のフランジ形状、強度特性を有する材料を対象とする全塑性モーメントMp´を算出し、(2)式により、破断限界モーメントMlimを容易に推定することができる。
Mlim=Mp´/γ (2)
なお、破断限界モーメントMlimを(3)式の曲げモーメントMとして代入し、変形した(5)式により、任意のフランジ形状、強度特性を有する材料に対して作用する垂直荷重Fv、すなわち破断荷重を予測することもできる。
Fv=Mlim/〔(L2−L1−d/2)cosθ〕 (5)
この破断角度θは、フランジ型継手引張試験では、材質や板厚により広範囲に及ぶため、フランジ型継手引張試験では、この破断角度θを合わせて計測し、実験的にモーメントと角度の関係を予め把握しておくのが望ましい。
角度の計測方法は、厳密に局所変位を計測してもよいが、精度上は、破断時の引張試験機のストロークと試験片両端を把持するチャック寸法から幾何学的に求める方法でも問題は生じない。このように角度計測を並行して行い、引張強さTSや板厚、板幅等の影響因子との相関を求めることにより、新たな条件での破断荷重を推定する場合の破断角度条件指定の精度が向上することはいうまでもない。また、より詳細に破断角度を指定する場合には、数値解析による手法が有効である。
以上が前記(1)に係る発明であるが、前記(2)に係る発明では、スポット溶接部を有するフランジ試験を行い、ナゲット径d(mm)と前記試験片の幅W(mm)との比d/Wと、(6)式による応力集中係数αの関係を予め求め、母材の引張強さTS≧400MPaのときは前記(1)に係る発明により、前記(1)式及び(2)式に基づいて、また母材の引張強さTS<400MPaのときは(7)式に基づいて、任意の板厚、板幅、強度特性を有するフランジ引張試験によるスポット溶接部の破断限界モーメントMlim(N・m)を推定することを特徴とする。
α=TS・W・t/F (6)
Mlim=TS・W・t(L2−L1−d/2)/(α・tanθ) (7)
ここで、
TS:引張強さ(MPa)、 t:試験片の厚さ(mm)、 F:破断限界張力(N)
W :試験片の幅(mm)
L2:フランジ長さ(mm)
L1:母材端(フランジ端)から溶接点までの距離(mm)
d :スポット溶接径(mm)
θ :破断角度(度)
一般に、フランジ型継手引張試験では、図2(a)に示すように、スポット溶接部の端部4に曲げモーメントMが作用し、接合面が角度θだけ開口した状態で破断するが、スポット溶接径d、試験片の幅及び板厚、母材の引張強さTSなどのバランスにより、角度θの値は変化し得る。特に、母材の引張強さTSが400MPa未満の場合、スポット溶接部の端部では、図8に示すように、局所的な伸びを生じるとともに、角度θが急激に増加し、母材の引張方向の荷重成分が増大するため、曲げモーメントMによる破断から、スポット溶接の端部の上下引張荷重による破断形態に遷移する。
このような場合、前記(1)に係る発明では、破断限界モーメントに相当する値を推定することができず、図8に示す荷重状態に基づき、破断限界モーメントを推定する必要がある。この場合の荷重状態は、図9に示す、ナゲット径d(mm)と前記試験片の幅W(mm)との比d/Wと、(6)式による応力集中係数αの関係から算定することができる。従って、母材の引張強さTS<400MPaの場合は、この関係を予め求めておき、フランジ型継手引張試験の任意の条件に対し、応力集中係数αを求めることで、破断限界曲げモーメントを推定することができる。
すなわち、母材の引張強さTS≧400MPaのときは、曲げモーメントMの作用による破断、すなわち請求項1記載の方法により、前記(1)式及び(2)式に基づいて、また、母材の引張強さTS<400MPaのときは、引張荷重による破断と見なし、この場合の破断限界モーメントは、応力集中係数α、母材の強度TS、板厚t、板幅W、距離L1(mm)、L2(mm)、スポット溶接径d(mm)、及び破断角度θを用い、(7)式により容易に求めることができる。
破断角度θは、材質や板厚により変化する傾向があるため、この破断角度θを合わせて計測し、実験的にモーメントと角度の関係を予め把握しておくのが望ましい。角度の計測方法は、厳密に局所変位を計測してもよいが、精度上は、破断時の引張試験機のストロークと試験片両端を把持するチャック寸法から幾何学的に求める方法でも問題は生じない。このように角度計測を並行して行い、引張強さTSや板厚、板幅等の影響因子との相関を求めることにより、新たな条件での破断荷重を推定する場合の破断角度条件指定の精度が向上することはいうまでもない。また、より詳細に破断角度を指定する場合には数値解析による手法が有効である。
本発明の推定方法は、スポット溶接部と母材の境界が局所的な塑性曲げ変形を生じてプラグ状に破断する条件、すなわち、引張強さでTS=270〜1180(MPa)の範囲の鋼板を対象として、適用可能である。
図5は、各種条件で実施したフランジ型継手引張試験による全塑性モーメントMpと破断モーメントMの関係である。試験条件は以下の通りである。
・試験材: 板厚1.0mm、板幅30mm,20mm
板厚1.4mm、板幅40mm,20mm
引張強さ 300MPa,600MPa
距離L1 10mm,15mm
距離L2 30mm,25mm
・溶接条件:スポット溶接径4√t,5√t(t:板厚)
図5の例では、モーメント効率γ=0.36である。これは、(4)式で計算した全塑性モーメントに拠るものであり、応力状態の近似手法により値は異なる。また、推定すべきスポット溶接径、試験片幅の範囲に応じて近似領域を限定することも可能である。さらに、係数の値は固定ではなく、実験データの蓄積により逐次修正される性質のものである。また、同時に計測した破断角度θと破断時の曲げモーメントMの関係を図6に示す。
図7に、図5より求めたγと、図6より求めた破断角度θを用いて、(5)式により以下の条件の垂直荷重Fvすなわち破断限界荷重を推定した結果と、実験値との関係を示す。
(1)フランジ型継手引張試験
・試験材 :(A)板厚1.8mm、板幅40mm、引張強さ600MPa
(B)板厚1.2mm、板幅30mm、引張強さ600MPa
・溶接条件:スポット溶接径4√t,5√t(t:板厚)
これらの推定値と実験値はほぼ一致し、板厚、板幅、引張強さを変えた場合の破断荷重の推定に十分使用できることが分かった。もちろん、新たに実施した試験により、近似曲線を修正することができ、蓄積データを効率良く活用し、推定精度を向上していくことも可能である。
さらに、この推定方法は、フランジ型継手引張試験に限定されたものでなく、類似の荷重条件下におかれた実部材のスポット溶接部の破断限界荷重推定に使用できるのは言うまでもない。
図10は、母材の引張強さTS<400MPaの条件で実施したフランジ型継手引張試験における、(6)式による応力集中係数αと、スポット溶接径dと試験片の幅Wの比d/Wの関係である。また、図11は、全塑性モーメントMpと破断モーメントMの関係である。試験条件は以下の通りである。
・試験材 :板厚1.0mm、板幅30mm,20mm
板厚1.4mm、板幅40mm,20mm
引張強さ 270MPa,340MPa
距離L1 10mm,15mm
距離L2 30mm,25mm
・溶接条件:スポット溶接径4√t,5√t(t:板厚)
図11に示すように、母材の引張強さTSが400MPa以上の場合、(4)式に基づく全塑性モーメントで計算した場合、モーメント効率γ=0.36であるが、母材の引張強さTSが400MPa以下の場合、切片が0とならず、モーメント効率γから曲げモーメントを推定するのは難しい。
一方これらの実験結果に対し、図10に示すように、応力集中係数αと、スポット溶接径dと試験片の幅Wの比d/Wの関係は、ほぼ一定曲線上に分布することが分かった。この関係を近似し、実験条件に対する応力集中係数αを求め、(7)式により求めた、破断限界モーメントMlimを推定した結果と実験値との関係を図13に示す。
なお、破断角度θは、図12に示す、破断角度θと破断時のナゲット端曲げモーメントMとの関係に基づく近似式を求め、(7)式での計算時に、破断角度θの収束計算を行なった。
(1)フランジ型継手引張試験
・試験材 :(A)板厚1.8mm、板幅40mm、引張強さ300MPa
(B)板厚1.2mm、板幅30mm、引張強さ300MPa
・溶接条件:スポット溶接径4√t,5√t(t:板厚)
これらの推定値と実験値はほぼ一致し、板厚、板幅、引張強さを変えた場合の破断荷重の推定に十分使用できることが分かった。もちろん、新たに実施した試験により、応力集中係数αと、スポット溶接径dと試験片の幅Wの比d/Wの関係を修正することができ、蓄積データを効率良く活用し、推定精度を向上していくことも可能である。
さらに、この推定方法は、フランジ型継手引張試験に限定されたものでなく、類似の荷重条件下におかれた実部材のスポット溶接部の破断限界荷重推定に使用できるのは言うまでもない。
フランジ型継手引張試験の方法を示す模式図である。 フランジ型継手引張試験の破断時の状態を示す側面図である。 フランジ型継手引張試験の破断時の板厚方向応力状態を示す正面図である。 フランジ型継手引張試験の破断時の曲げモーメントMと全塑性モーメントMpの関係を示す模式図である。 実施例1におけるフランジ型継手引張試験の破断時の曲げモーメントMと全塑性モーメントMpの関係を示す図である。 実施例1におけるフランジ型継手引張試験の破断時の曲げモーメントMと破断角度θの関係を示す図である。 実施例1における破断荷重の実測値と推定値の比較結果を示す図である。 母材引張強さ<400MPaでのフランジ型継手引張試験の破断時の応力状態を示す図である。 応力集中係数αと、スポット溶接径dと試験片の幅Wの比d/Wの関係を示す模式図である。 実施例2における、応力集中係数αと、スポット溶接径dと試験片の幅Wの比d/Wの関係を示す図である。 実施例2におけるフランジ型継手引張試験の破断時の曲げモーメントMと全塑性モーメントMpの関係を示す図である。 実施例2におけるフランジ型継手引張試験の破断時の曲げモーメントMと破断角度θの関係を示す図である。 実施例2における破断限界モーメントの実測値と推定値の比較結果を示す図である。
符号の説明
1a,1b 母材
2 フランジ部
3a,3b 試験片両端部
4 スポット溶接部
5 スポット溶接部と母材の境界面
γ モーメント効率
θ 破断角度
σo 板厚中心応力
σmax 板表面応力
Fv 引張荷重の垂直成分
M スポット溶接部端部の破断時の曲げモーメント
Mlim スポット溶接部の破断限界モーメント
Mp フランジ型継手試験片の全塑性モーメント
Mp´ 任意のフランジ形状、強度特性を有する材料を対象とするフランジ型継手試験片の全塑性モーメント
TS 引張強さ
YP 降伏点
W 試験片の幅
t 試験片の板厚
d スポット溶接径
L1 母材端(フランジ端)から溶接点までの距離
L2 フランジ長さ

Claims (2)

  1. スポット溶接部を有するフランジ引張試験を行い、スポット溶接部の端部に加えた曲げモーメントM(N・m)と、試験材の板厚、板幅、強度特性から理論的に求まる全塑性モーメントMp(N・m)から、(1)式によるモーメント効率γを予め求め、このモーメント効率γと、任意の板厚、板幅、強度特性を有する材料に対する全塑性モーメントMp´から(2)式によるフランジ引張試験によるスポット溶接部の破断限界モーメントMlim(N・m)を推定することを特徴とするスポット溶接部の破断限界モーメントの推定方法。
    γ=Mp/M (1)
    Mlim=Mp´/γ (2)
  2. スポット溶接部を有するフランジ試験を行い、ナゲット径d(mm)と前記試験片の幅W(mm)との比d/Wと、(6)式による応力集中係数αの関係を予め求め、母材の引張強さTS≧400MPaのときは請求項1記載の方法により、前記(1)式及び(2)式に基づいて、また母材の引張強さTS<400MPaのときは(7)式に基づいて、任意の板厚、板幅、強度特性を有するフランジ引張試験によるスポット溶接部の破断限界モーメントMlim(N・m)を推定することを特徴とするスポット溶接部の破断限界モーメントの推定方法。
    α=TS・W・t/F (6)
    Mlim=TS・W・t(L2−L1−d/2)/(α・tanθ) (7)
    ここで、
    TS:引張強さ(MPa)、 t:試験片の厚さ(mm)、 F:破断限界張力(N)
    W :試験片の幅(mm)
    L2:フランジ長さ(mm)
    L1:母材端(フランジ端)から溶接点までの距離(mm)
    d :スポット溶接径(mm)
    θ :破断角度(度)
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