JP4418109B2 - ヒドラジン水和物の調製方法 - Google Patents

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Description

【0001】
本発明はヒドラジン水和物の調製方法に関する。本発明は、より具体的には、メチルエチルケトンアジンからヒドラジン水和物を製造するための改良された方法に関する。
【0002】
ヒドラジン水和物の工業生産は、ラシッヒ(Raschig)法、バイヤー(Bayer)法又は過酸化水素法に従って行われる。
【0003】
ラシッヒ法においては、希ヒドラジン水和物溶液を得るためにアンモニアを次亜塩素酸塩で酸化し、続いてその溶液を蒸留によって濃縮しなければならない。この方法は非常に選択的というわけではなく、収量が低く、かつ非常に汚染的であり、実際にはもはや用いられていない。
【0004】
バイヤー法はラシッヒ法の代替形態であり、その本質はアジン形態で形成されるヒドラジンを、ケトンを用いて補促することによって化学平衡をシフトさせることにある。続いて、このアジンを単離し、ヒドラジン水和物に加水分解する。収量は改善されるが、環境への放出に関しては改善がみられない。
【0005】
過酸化水素法は、続いてヒドラジン水和物に加水分解するのに十分であるアジンを直接形成するため、過酸化水素を活性化する手段の存在下においてアンモニア及びケトンの混合物を過酸化水素で酸化することに本質がある。収率は高く、この方法は汚染性ではない。この過酸化水素法は出願人企業によって用いられており、多くの特許、例えば、US 3,972,878、US 3,972,876、US 3,948,902及びUS 4,093,656に開示されている。
【0006】
アジンからヒドラジン水和物への加水分解は、特許US 4,724,133(Schirmannら)、US 4,725,421(Schirmannら)及びGB 1,164,460に開示されている。この加水分解は蒸留塔において行われ、そこに水及びアジンを供給する。ケトンは頂部で、ヒドラジン水和物は底部で回収される。
【0007】
EP 70,155も別の過酸化水素法を開示する。
【0008】
これらの方法は、Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry(1989), 第A 13巻,182−183頁及びそこに含まれる参考文献にも記述されている。
【0009】
過酸化水素法においては、アジンが形成される以下の全体的な反応に従い、ケトン及び過酸化水素を活性化するための手段の存在下においてアンモニアを過酸化水素で酸化する:
【0010】
【化1】
Figure 0004418109
【0011】
活性化手段はニトリル、アミド、カルボン酸又はセレン、アンチモンもしくはヒ素誘導体であり得る。次に、以下の反応に従い、アジンを加水分解してヒドラジンとし、再生されたケトンを再循環させる:
【0012】
【化2】
Figure 0004418109
【0013】
この加水分解は蒸留塔において行う。ケトンは頂部で、ヒドラジン水和物は底部で回収される。
【0014】
アジンが過酸化水素法に由来しようと別の製造法に由来しようと、ヒドラジン水和物を得るためにはこのアジンを加水分解しなければならない。本発明は、その源が何であろうと、ヒドラジン水和物に変換するためのメチルエチルケトンアジン(本テキストでは以後メカジン(mekazine)ともいう)の加水分解に関する。出願人企業は、加水分解の間にピラゾリン族の複素環が形成され、それらの生成物が除去されない場合、ヒドラジン水和物が着色することを発見している。
【0015】
本発明は、ヒドラジン水和物及びメチルエチルケトンを得るためにメチルエチルケトンアジンを加水分解するヒドラジン水和物の調製方法であって、ピラゾリン族の複素環を、ヒドラジン水和物の着色を防止するのに十分な量除去することを特徴とする方法に関する。
【0016】
アジンが過酸化水素法で製造されようと別の方法で製造されようと、水性媒体中の溶解度が小さいため、メチルエチルケトンが有利に用いられる。
【0017】
過酸化水素法においては、30ないし70重量%を示す市販の過酸化水素水溶液が用いられるために必然的に水性である反応混合物中で比較的不溶性であることから、メチルエチルケトンアジンが工業的に選択された。したがって、このアジンは単純な沈殿によって回収及び分離が容易である。これは、特にアルカリ性媒体中、換言すると、アンモニア性反応混合物中で非常に安定である。今日の全ての方法において、製造反応に再循環されるメチルエチルケトンを頂部で、そして特に不純物として含まれる炭素質生成物が可能な限り少なくなければならず、かつ無色でなければならないヒドラジン水和物水溶液を底部で「最終的に」放出させるため、続いてこのアジンを反応性蒸留塔において精製した後、加水分解する。
【0018】
通常の充填塔が適切なものであり得るが、一般にはプレート塔が用いられる。プレートの数は、それらのプレート及び圧力、そして、その操作を行う温度に関して許容される滞留時間によって大きく変化し得る。実際には、操作を8〜10バールの圧力の下で行うとき、必要とされるプレートの数は約40〜50である。
【0019】
この塔は連続的に作動させ、反応体、換言するとメカジン及び水はその塔の頂部に注入する。
【0020】
実際には、出願人企業は、メカジンを以下の平衡反応:
【0021】
【化3】
Figure 0004418109
に従って加水分解するとき、図1に示されるようにこの目的が明らかに達成されることを発見した。図1は塔の全長に沿っての
【0022】
【化4】
Figure 0004418109
基及びN−N基の変動量を表す。これらの基の量は検討中の試料100g当たりのモル当量で表される。カルボニル基
【0023】
【化5】
Figure 0004418109
はオキシム化によって定量的に決定し、これに対してN−N基は当業者に周知の技術に従って硫酸で加水分解した後の通常のヨウ素滴定によって定量的に決定する。プレート1は塔の底部にあり、プレート40は頂部である。頂部におけるN−N基の含有量がゼロであるのと全く同様に底部における
【0024】
【化6】
Figure 0004418109
基の含有量がゼロであることから、加水分解が完了することが明瞭に観察される。
【0025】
しかしながら、出願人企業は、注意を払わない場合、メカジンの加水分解は完了するものの、無色ではなく着色し、時には著しく着色したヒドラジン水和物溶液が底部で得られ、これが炭素質生成物の含有量、時には非常に高い含有量によるものであることも観察している。考えられていることとは対照的に、これらの炭素質生成物はメチルエチルケトンアジンでもヒドラゾンでもなく、メカジンから誘導される複素環:3,4,5−トリメチル−5−エチルピラゾリン
【0026】
【化7】
Figure 0004418109
及び3,5−ジエチル−5−メチルピラゾリン
【0027】
【化8】
Figure 0004418109
である。メカジンの異性体であるこれらの化合物は加水分解塔において形成され、観察され得る黄色の、実際には褐色又は赤色でさえある着色の原因である。
【0028】
この加水分解は、例えば、蒸留塔型のプレート塔又は充填塔において行われ、これにアジン及び水が供給される。以下のものが得られる:(i)頂部で、水との共沸物が形成されるため、水を含むメチルエチルケトン、及び(ii)底部で、ヒドラジン水和物水溶液。
【0029】
アジンの加水分解は周知である。例えば、E.C.Gilbertは、the Journal of the American Chemical Society,第51巻,3397−3409頁(1929)の論文において、アジンを形成するための平衡反応及びその加水分解反応を記述している。この加水分解は反応塔において行わなければならず、すなわち、メチルエチルケトンを蒸留塔頂部で、及びヒドラジン水和物を塔底部で連続的に分離することにより完全な加水分解を達成することができる。もちろん、フランス特許第1,315,348号、英国特許第1,211,547号又は特許US 4,725,421に開示されるように、この系は操作を連続的に行うときに最良に機能する。
【0030】
これらの特許の全てにおいては、反応は、2〜25バールの圧力の下、150℃〜200℃の底部温度で稼動する充填蒸留塔又は、より良好には、プレート蒸留塔において行われる。
【0031】
この塔においては、アジンが加水分解され、ヒドラジン水和物がメチルエチルケトンから分離される。これらの条件は周知である。当業者は、プレートの数又は充填高はもちろん、アジン及び水の供給点を容易に決定する。ヒドラジン水和物を30重量%、又は45重量%までさえも含む溶液が底部で得られる。この塔への供給における水のアジンに対するこのモル比は少なくとも化学量論を上回り、有利には5〜7.75である。塔の底部は150℃〜200℃、好ましくは175℃〜190℃である。圧力は、アジン、水及びメチルエチルケトンの沸点に依存する。このような加水分解はUS 4,725,721に開示されている。
【0032】
当業者は、プレートの数もしくは充填高、アジン供給の位置及び水供給の位置、還流、アジンの性質等に従い、その塔のどの部分で3,4,5−トリメチル−5−エチルピラゾリン及び3,5−ジエチル−5−メチルピラゾリンの最大濃度が得られるのかを容易に決定することができる。
【0033】
出願人企業は、さらに、これらの副生物の形成を止めることはできないが、少なくとも、幾つかのプレートから副流を採取することによりこれらの生成物が塔の底部で見出されることを防ぐことが可能であることを発見した。副流は、ピラゾリン族の複素環の濃度が最大であるプレートから採取することが有利である。副流は連続的に採取することができるが、この反応プロセスにおける他の生成物の損失を回避するために非連続的に作動させることが好ましい。
【0034】
加水分解塔内に存在する媒体を、これらの複素環の濃縮バルジ(concentration bulge)内の平均濃度が4%を上回ることなく、好ましくは2%(重量基準)を上回らないように引き出す。引き出す量は、ガスクロマトグラフィーによってこれらの複素環の濃度を分析することにより容易に決定される。これらの値は、底部で生成するヒドラジン水和物が着色するのを防ぐのに十分なものである。
【0035】
したがって、本発明は:
(a)アジンを形成するため、作用溶液の存在下において、アンモニア、過酸化水素及びメチルエチルケトン(MEK)を反応させ;
(b)作用溶液及び、任意に未反応のメチルエチルケトンを含むアジンを分離し;
(c)作用溶液を、任意に処理した後、段階(a)に再循環させ;
(d)ヒドラジン水和物を得、かつメチルエチルケトンを再生するためにアジンを加水分解し;
(e)該メチルエチルケトンを段階(a)に再循環させる、
ヒドラジン水和物の調製方法であって、段階(d)においてピラゾリン族の複素環を除去することを特徴とする方法に関する。
【0036】
工程(a)
過酸化水素は通常市販されている形態、例えば、30〜90重量%のHを含む水溶液として用いることができる。過酸化物用の1種類以上の通常の安定化剤、例えば、リン酸、ピロリン酸、クエン酸、ニトリロ三酢酸もしくはエチレンジアミン四酢酸又はこれらの酸のアンモニウムもしくはアルカリ金属塩を有利に添加することができる。用いられる量は、有利には、反応器導入口で、合わせた反応体及び作用溶液の10〜1000ppm、好ましくは50〜250ppmである。アンモニアは無水であっても水溶液であってもよい。
【0037】
作用溶液は過酸化水素を活性化するための手段、換言すると、アジンをアンモニア、過酸化水素及びメチルエチルケトンから生成することができるような生成物を含む。
【0038】
この活性化剤は、有機もしくは無機オキシ酸、それらのアンモニウム塩及び、一般には、それらの誘導体:無水物、エステル、アミド、ニトリル、アシル過酸化物、又はそれらの混合物から選択することができる。アミド、アンモニウム塩及びニトリルを用いることが有利である。
【0039】
例として、(i)式RCOOH(ここで、Rは水素、1〜20個の炭素原子を有する直鎖アルキル基、3〜12個の炭素原子を有する分岐もしくは環状アルキル基又は置換されていてもよいフェニル基である)のカルボン酸のアミド、又は(ii)式R(COOH)(ここで、Rは1〜10個の炭素原子を有するアルキレン基を表し、かつnは2以上の整数であるか、又はRは単結合で、かつnが2の価を有していてもよい)のポリカルボン酸のアミドを挙げることができる。R及びR基は、ハロゲン又はOH、NOもしくはメトキシ基で置換することができる。ヒ素の有機酸のアミドを挙げることもできる。ヒ素の有機酸は、例えば、メチルアルソン酸、フェニルアルソン酸及びカコジル酸である。
【0040】
好ましいアミドは、ホルムアミド、アセトアミド、モノクロロアセトアミド及びプロピオンアミドである。
【0041】
アンモニウム塩のうち、水素酸、無機オキシ酸、アリールスルホン酸、RCOOH酸もしくはR(COOH)酸(R、R及びnは上に定義されている)、又はヒ素の有機酸の塩を用いることが有利である。
【0042】
好ましいアンモニウム塩は、ギ酸塩、酢酸塩、モノクロロ酢酸塩、プロピオン酸塩、フェニルアルソン酸塩及びカコジル酸塩である。ニトリルのうち、式R(CN)の生成物(nはRの原子価に依存して1〜5に変化することが可能であり、Rは1〜12個の炭素原子を有する環状もしくは非環状アルキル又はベンゼンもしくはピリジンである)を有利に挙げることができる。Rは、段階aの反応器において酸化されない基、例えば、ハロゲン又はカルボキシル、カルボン酸エステル、ニトロ、アミン、ヒドロキシルもしくはスルホン酸基で置換することができる。
【0043】
好ましいニトリルはアセトニトリル及びプロピオニトリルである。
【0044】
作用溶液は、有機もしくは無機オキシ酸、それらのアンモニウム塩及び、一般には、それらの誘導体:無水物、エステル、アミド、ニトリル、アシル過酸化物、又はそれらの混合物から選択される1種類以上の生成物を溶解することによって形成される。前述のアミド、アンモニウム塩又はニトリルを用いることが有利である。
【0045】
この溶液は水性であっても、アルコールもしくはアルコール及び水の混合液をベースとするものであってもよい。アルコールのうち、1〜6個の炭素原子、好ましくは1もしくは2個の炭素原子を有する飽和脂肪酸アルコールを用いることが有利である。
【0046】
ジオール、特には2〜5個の炭素原子を有するジオールを用いることも有利である。例えば、グリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−及び1,4−ブタンジオール並びに1,5−ペンタンジオールを挙げることができる。
【0047】
本発明の有利な形態によると、作用溶液はヒ素の有機酸のアルコール性溶液であり、これは特許EP 70,155(その内容は本願に組み込まれる)に開示されている。本発明の別の有利な形態によると、作用溶液は弱酸のアミドの水溶液及びこの酸に対応するアンモニウム塩の水溶液、例えば、特許EP 487,160に開示されるようなものである。
【0048】
これらの弱酸のアミドは、水溶液中、25℃で5×10−5未満の解離定数を有する対応するカルボン酸、換言すると、4.3を上回るpKを有する酸から誘導される。
【0049】
ポリカルボン酸については、これらは第1イオン化の定数が5×10−5未満である酸である。
【0050】
例として、式RCOOH(ここで、Rは1〜20個の炭素原子を有する直鎖アルキル基又は3〜12個の炭素原子を有する分岐もしくは環状アルキル基又は置換されていてもよいフェニル基である)のカルボン酸、式R(COOH)(ここで、Rは1〜10個の炭素原子を有するアルキレン基を表し、かつnは2以上の整数であるか、又はRは単結合で、かつnが2の価を有していてもよい)のポリカルボン酸を挙げることができる。R及びR基は、ハロゲン又はOH、NOもしくはメトキシ基で置換することができる。アセトアミド、プロピオンアミド、n−ブチルアミド又はイソブチルアミドを用いることが好ましい。
【0051】
アセトアミドに対応するアンモニウム塩は酢酸アンモニウムである。
【0052】
アンモニウム塩をその場で形成すること、換言すると、アンモニアとの反応によってアンモニウム塩をもたらす対応カルボン酸を用いることは、本発明の範囲から逸脱してはいない。
【0053】
アミドと対応するアンモニウム塩との割合は広い限界内で変化し得る。通常、5部のアミド当たり1〜25部、好ましくは2〜10部のアンモニウム塩が用いられる。
【0054】
これらの反応体は化学量論的量で用いることができる。しかしながら、過酸化水素1モル当たり、0.2〜5モル、好ましくは1.5〜4モルのメチルエチルケトン及び0.1〜10モル、好ましくは1.5〜4モルのアンモニアが用いられる。作用溶液の量は過酸化水素1モル当たり0.1〜1kgである。この量はその品質、換言すると、その触媒力又は反応体をアジンに変換することを可能にするその活性に依存する。上に規定された反応体の割合では、過酸化水素の完全な変換及び投入した過酸化水素の50%を上回り、90%にも到達し得るものに相当するアジンの生成を実現することができる。
【0055】
過酸化水素、アンモニア及びMEKは、いかなる方法でも作用溶液と接触させることができる。
【0056】
この操作は、均一媒体中又は少なくともアジンの獲得を可能にするのに十分な反応体の可溶化をもたらす媒体中で有利に行われる。反応は非常に広い温度範囲、例えば、0〜100℃で行うことができ、30〜70℃で行うことが有利である。反応はあらゆる圧力で行うことができるが、大気圧で行うことがより簡単である。しかしながら、段階aの反応を液相に好ましく維持するために必要であるならば、圧力を約10バールまで上昇させることができる。
【0057】
反応体は、同時に又は別々に、及びいかなる順序でも作用溶液に導入することができる。全ての種類の反応器を、それが攪拌であっても非攪拌であっても、単純なタンクでさえ用いることが可能であり、これらは平行もしくは連続的に、並流もしくは向流様式で、又はこれらの可能性のあらゆる組み合わせで配置することができる。
【0058】
段階(b)
(i)アジン及び、任意に、過剰のMEK並びに(ii)作用溶液を分離するために周知の手段、例えば、液−液抽出、蒸留、沈殿による分離又はこれらの可能性のあらゆる組み合わせが用いられる。
【0059】
作用溶液は段階(c)において処理することができる。
【0060】
工程(a)、(b)及び(c)は、例えば、特許EP 399,866及びEP 518,728に開示されており、それらの内容は本願に組み込まれる。
【0061】
段階(d)は上に記述されている。
【0062】
実施例
高さが3m及び直径φ=70mmであり、直径が27mmの穿孔処理された単一のベルカップを含む各々80mmの間隔の40枚のプレートを備える、316Lステンレス鋼製の塔において。各々のベルカップには14個の孔が存在し、その各々の直径は2mmである。プレート上に保持される液体の作用容積は33mlである。これは堰の高さを変化させることによって調整することができる。
【0063】
この塔は、頂部及び底部に加えて、プレート3、6、10、13、15、19、26、28、31及び37に温度探索子(熱電対)を備える。弁を備える副流排出口がプレート3、10、19、26、31及び37に設置されている。
【0064】
反応体は、プレート5、8、12、19、22、26及び34のレベルで導入することができる。還流速度は予め較正したロータメータを用いて測定する。塔底部での熱供給は電気的加熱によってもたらされる。塔のシャフトは、塔の内部と外部とで温度を平衡化するため、電気的加熱によって得られる熱風の外筒によって断熱性にする。
【0065】
反応体は秤量ポンプによって供給する。
【0066】
コンデンサーには130〜140℃の間に維持された循環熱油を供給する。
【0067】
用いる手順は以下の通りである:
400cmの二重に脱イオン化した水を、800cmの容積を有する塔のボイラーに入れる。全ての装置を密封した後、加熱を開始し、圧力を8バールに上昇させる。次に、水が上昇して塔内に入ったとき、8バールの圧力を維持しながら不活性物質を除去する。ボイラーのレベルが200cmに到達したとき、塔内において1時間15分にわたって645gの割合で水バラストを形成し続けるため、第34プレートで水の注入を開始する。第19プレートで温度が162℃に到達したとき、アジンの注入を第26プレートで、1時間30分にわたって82.4%アジン溶液(3.2モル)543gの割合で開始する。8バールの圧力を維持しながら、塔からの不活性物質の放出を継続する。還流を開始し、還流液が均質になるまで装置を完全な還流状態のままにする。その後、反応体の連続導入に加えて、底部及び頂部での引き出しを開始する。この操作は還流1で行う。アジンはMEKとの混合物の形態で275.4g/時の速度で(82.4%のアジンを含む)、二重に脱イオン化した水は289g/時の速度で導入する。
【0068】
塔内におけるピラゾリンの形成条件に関して上記の内容を考慮すると、アジンが底部に降下することを防ぐことがどのようなことがあっても絶対に必須である。用いられる作業終了手順は:
−アジンの導入の停止
−水の導入の継続
−蒸留の継続及び頂部温度が8バールでの水の沸点である170℃に到達するまでのMEKの除去、
からなる。
【0069】
頂部温度は148℃に確立され、これに対して底部温度は180−181℃である。定常状態の下で、200g/時の無色35%ヒドラジン水和物水溶液が底部から引き出される。プレート19におけるピラゾリンの含有率は2.6%であり、アジン、MEK、ピラゾリン及び水の混合液20mlがこのプレートから4時間毎に引き出される。
【0070】
MEK−水共沸混合物が頂部で引き出され、この共沸混合物は、冷却後に、86.5%のMEKを含有する300g/時の有機相、及び26%のMEKを含有する55g/時の水相となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 塔の全長に沿っての>C=O基及びN−N基の変動量を表す。

Claims (3)

  1. 塔の底部でヒドラジン水和物及び塔の頂部でメチルエチルケトンを得るためにメチルエチルケトンアジンを塔において加水分解するヒドラジン水和物の調製方法であって、ピラゾリン族の複素環の副流を加水分解塔から採取することにより、ピラゾリン族の複素環を、ヒドラジン水和物の着色を防止するのに十分な量除去することを特徴とする方法。
  2. (a)アジンを形成するため、作用溶液の存在下において、アンモニア、過酸化水素及びメチルエチルケトン(MEK)を反応させ;
    (b)作用溶液を、未反応のメチルエチルケトンを含むアジンから分離し;
    (c)作用溶液を処理した後、段階(a)に再循環させ;
    (d)加水分解塔の底部でヒドラジン水和物を得、かつ加水分解塔の頂部でメチルエチルケトンを再生するためにアジンを加水分解塔において加水分解し;
    (e)該メチルエチルケトンを段階(a)に再循環させる、
    ヒドラジン水和物の調製方法であって、段階(d)において、ピラゾリン族の複素環の副流を加水分解塔から採取することにより、ピラゾリン族の複素環を除去することを特徴とする方法。
  3. ピラゾリン族の複素環が3,4,5−トリメチル−5−エチルピラゾリン及び3,5−ジエチル−5−メチルピラゾリンである、請求項1又は2のいずれか一方による方法。
JP2000548256A 1998-05-14 1999-05-06 ヒドラジン水和物の調製方法 Expired - Fee Related JP4418109B2 (ja)

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