JP4417042B2 - 測定する電子的対象の雑音レベルを測定する方法と装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、測定する電子的対象の雑音レベルの範囲を判別する方法と装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
DE41 22 189 A1には、測定する電子的対象の雑音温度を判別する手順と装置が開示されている。現在までの手順の従来の手段とは反対に、雑音源の代わりに、正弦波信号が測定対象に入力され、レベル・メータを使用して、電力の測定が行われていた。正弦波信号源は、2つの電力レベルを切り換えることができる。これらの入力電力レベルP1およびP2は、かなりの正確さで知られている。まず、較正時に、測定対象の切り替えを間に置かずに正弦波信号源がレベル・メータに直結されているため、固有の雑音電力レベルP1KおよびP2Kを測定される。
【0003】
この作業を実施するときに、2つの接続可能な電力レベルP1およびP2を正弦波信号源に印加する。実際に測定を行うときに、同じ電力レベルP1およびP2が測定対象の入力に接続され、測定対象の出力がレベル・メータに接続されており、そのため、対応する電力レベルP1MおよびP2Mをレベル・メータから読み取ることができる。
【0004】
特許DE 41 22 189 A1の請求項1には、これら測定値の大きさに関する雑音温度TMの計算式が示されている。この公式のいくつかには、差P2M−P2Kと差P1K−P1Mが見られる。このときに、雑音電力と雑音信号に重ね合わせされた正弦波信号の電力の和をレベル・メータで測定する。そのときに得られた差は、正弦波信号と雑音信号がほぼ同じレベルである限り0と異なる。ただし、正弦波信号が重ね合わせされた信号混合で支配的であれば、これらは較正および実測電力レベルとともに雑音信号部分が異なるので、これらの差はほとんど互いに0と違わない。しかし、この差は、正弦波信号の中心的部分であることから差を取る際にほとんど評価できない。DE 41 22 189 A1で説明されている手順は、正弦波信号の電力部分が雑音電力の一般的な大きさを持つときのみ適応可能である。
【0005】
しかし、実際には、活性化されている状態で測定対象を評価する必要がある。例えば、増幅器の雑音温度はスタンバイ動作だけでなく、確実に、実用動作における増幅器の場合など高変調の場合にも注目すべきものである。このために、測定対象、例えば増幅器を比較的高いレベルを持つ正弦波信号により変調し、測定対象がこの測定に関して十分に変調されるようにすることが必要になる。ただし、このような測定は、上記の理由から、DE 41 22 189 A1で説明した手順では可能でない。
【外国特許文献】
DE 41 22 189 A1
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の目的は、測定する対象の高変調の場合であっても雑音のレベルを判別することができるようにする、測定する電子的対象の雑音の程度を判別するための手順と装置を提示することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この目的は、方法に関する限り、請求項1の特徴と、装置に関しては請求項7の特徴により達成される。
【0008】
請求項1記載の発明は、正弦波信号(Sin)の入力により電子的測定対象(2)の雑音(TDUT)の大きさを決定し、レベル・メータ(3)を使用して関連する電力レベルを測定する方法であって、レベル・メータ(3)を使用して、正弦波電力レベル(P^sin)と雑音電力レベル(P^noise)を別々に判別し、レベル・メータ(3)で出力信号(S out )のサンプルを取り、正弦波電力レベル(P^ sin )から、デバイス内の算術平均(33)と、サンプルと、次いで算術平均(AVG)の値の平方(34)を得ることにより、サンプル値を判別し、サンプルの値の平方の算術平均(35)を取り、その後正弦波電力レベル(P^ sin )の減算を行うことで雑音電力レベルを求めることを特徴とする方法である。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の方法であって、平均値(33、35)を取る前に、レベル・メータ(3)に用意されている局部発振器(22)の周波数から入力正弦波信号(Sin)の周波数の偏差の推定(28)と修正(29)を行うことを特徴とする方法である。
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載の方法であって、雑音の大きさが測定対象(2)の雑音温度(TDUT)であり、雑音温度(TDUT)は以下の式、
【数1】
Figure 0004417042
各項は次のとおりに定義される。
sin 測定対象(2)の入力のところの正弦波信号の電力レベル
MESS,sin レベル・メータ(3)で測定した正弦波電力レベル
MESS,noise レベル・メータ(3)で測定した雑音電力レベル
k ボルツマン定数
M レベル・メータ(3)の帯域幅
で求めることを特徴とする方法である。
請求項4記載の発明は、請求項1又は請求項2のいずれか1項記載の方法であって、測定の前に較正を行い、その正弦波信号(Sin)のレベルは測定の場合と同じレベルであっても、測定対象(2)を迂回し、前記正弦波信号(Sin)をレベル・メータ(3)に直接入力し、雑音の大きさは雑音温度(TDUT)であり、測定対象(2)の雑音温度(TDUT)は以下の式、
【数2】
Figure 0004417042
ただし、各項は、
sin 測定対象(2)の入力時の正弦波信号の電力レベル
MESS,sin 測定対象(2)を中間で回り道して含めることにより測定し、レベル・メータ(3)で測定した正弦波の電力レベル
MESS,noise 測定対象(2)を中間で回り道して含めることにより測定し、レベル・メータ(3)で測定した雑音の電力レベル
CAL,noise 測定対象(2)を中間で回り道して含めることをせずに測定し、レベル・メータ(3)で測定した雑音の電力レベル
k ボルツマン定数
M レベル・メータ(3)の帯域幅
で求めることを特徴とする方法である。
請求項5記載の発明は、測定対象(2)に入力される正弦波信号(Sin)を出力する、正弦波信号源(1)と、測定対象(2)への対象の出力の電力レベルの測定を行うためのレベル・メータ(3)を備える電子的測定対象(2)の雑音(TDUT)の大きさを判別し、レベル・メータ(3)が正弦波電力レベル(P^sin)を別々に分離して捕捉するための正弦波電力レベル検出器デバイス(31)と雑音電力レベル(P^noise)を捕捉するための雑音電力レベル検出器デバイス(32)を備え、レベル・メータ(3)が測定対象(2)の出力信号(S out )のサンプルを捕捉することと、正弦波電力レベル検出器デバイス(31)がサンプルの算術平均(33)を取り、その後、サンプルの算術平均値(AVG)の値の平方を取る(34)ことにより正弦波電力レベル(P^ sin )を求め、雑音電力レベル検出器デバイス(32)がサンプルの値の平方の算術平均(35)を取り、その後正弦波電力レベル(P^ sin )の減算(36)を行って雑音電力レベル(P^ noise )を求めることを特徴とする装置である。
請求項6記載の発明は、請求項項記載の装置であって、前記レベル・メータ(3)は、平均(33、35)を取る前に、前記測定対象(2)に入力される正弦波信号(Sin)の周波数とレベル・メータ(3)内に存在する局部発振器(22)の周波数との周波数偏差の推定を行う周波数推定デバイス(28)と、前記周波数偏差を修正する周波数修正デバイス(29)を備えることを特徴とする装置である。
請求項7記載の発明は、請求項5又は請求項6のいずれか1項記載の装置であって、雑音の大きさが雑音温度(TDUT)であり、エバリュエータ(40)は以下の式、
【数3】
Figure 0004417042
ただし、式の中の記号の意味は、
(sin) 測定対象(2)の入力の正弦波信号の電力レベル
(MESS,sin) レベル・メータ(3)で測定したとおりの正弦波電力レベル
MESS,noise レベル・メータ(3)で測定したとおりの雑音電力レベル
k ボルツマン定数
M レベル・メータ(3)の帯域幅
を使って測定対象の雑音温度(TDUT)を求めることを特徴とする装置である。
請求項8記載の発明は、請求項5乃至請求項7のいずれか1項記載の装置であって、測定の前に較正を行い、その場合、正弦波信号P(Sin)は測定で求められたのと同じレベルでレベル・メータ(3)に直接入力されるが、ただし、測定対象(2)まで中間経路を通らず、雑音の大きさは雑音温度(TDUT)であり、評価デバイス(40)は以下の式、
【数4】
Figure 0004417042
ただし、式の中の記号の意味は、
sin 測定対象(2)の入力に出る正弦波信号の電力レベル
MESS,sin 測定対象(2)を回り道して含める、レベル・メータ(3)で測定した正弦波電力レベル
MESS,noise 測定対象(2)を回り道して含める、レベル・メータ(3)で測定した雑音電力レベル
CAL,noise 測定対象(2)を回り道して含めない、レベル・メータ(3)で測定した雑音電力レベル
k ボルツマン定数
M レベル・メータ(3)の帯域幅
により測定対象の雑音温度(TDUT)を求めることを特徴とする装置である。
【0009】
本発明の基礎は、雑音の強度を測定する際に、正弦波電力レベルおよび雑音電力レベルの値を別々に判別と都合がよいという点にある。このため、雑音温度の本質的により正確な測定と測定する対象の増幅係数の同時測定の両方が可能である。測定する対象が、正弦波信号により励起される場合、比較的高いレベルで測定できることは特に都合がよい。例えば、増幅器の雑音係数は、完全変調条件で測定することができる。
従属する請求項には本発明に有利な改良が示されている。
【0010】
正弦波電力レベルを得るには、サンプリングした値の算術平均を取り、その後前記算術平均の値の平方を取る。一方、雑音電力レベルは、サンプリングした値の平方の算術平均を取り、その後正弦波電力レベルの引き算を行うことで利用可能となる。
【0011】
また、測定対象の正弦波信号入力の周波数とレベル・メータ内に存在する信号との偏差の信号変換および修正手順を使用して局部発振器による推定も都合がよい。通常、レベル・メータの局部発振器は、外部正弦波信号源と比較したときにオフセットされる周波数を使用する。それに応じてこの周波数オフセットを修正することができる。
【0012】
雑音温度は、従属請求項に示されている公式を使って、直接または従来の較正を考慮して判別することができる。
【0013】
図面を参照しながら本発明について詳述する。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の測定手順と測定装置を説明する前に、以下では、本発明を最終的によく理解できるように、雑音測定の基本事項と従来技術による手順について図1から6を参照しながら説明する。図10および11を参照して、本発明の測定装置の実施例を調べることができる。図12は、本発明の手順の測定機能の精度の高さを示している。その後、本発明の測定手順による評価を図7から9を参照しながら行う。
【0015】
図1は、雑音とともに温度が雑音モデルの記述のための可能な雑音の大きさの1つとして使用される雑音係数の定義を説明するためのブロック回路/論理図である。図1の回路/論理図では、信号源1から、サービス信号PS1または雑音信号PR1のいずれかが測定対象(つまり、DUT=試験対象デバイス)2に入力される。サービス信号の場合、例えば、これは正弦波信号とすることができる。測定対象2の出力のサービス信号PS2と測定対象2の出力の雑音信号PR2は、アナライザまたはレベル・メータとしても指定できる測定装置3で評価される。このシーケンスでは、値PS1、PR1、PS2およびPR2はそれぞれ電力レベルを表すという事実に注意しなければならない。
【0016】
測定対象(DUT)の雑音係数Fは次のように定義される。
【0017】
【数9】
Figure 0004417042
【0018】
これから、雑音係数NF=10・log10(F)[dB]が求められる。
雑音係数を決定するために、実際的に図2のモデルを出発点として使用することができる。雑音の多い測定対象2aは、雑音源4を入力とし雑音温度TDUTを持つ雑音のない理想的な測定対象2bで置き換える。
【0019】
測定対象2の雑音は熱に関する性質があるので、これは、いわゆる雑音温度によりシミュレートできる。雑音電力については、以下の計算式により雑音温度から計算することができる。
【0020】
【数10】
Figure 0004417042
【0021】
図1の電力値から以下の式が得られる。
【0022】
【数11】
Figure 0004417042
【0023】
実際のサイズ(physical sizes)の定義については、図2を参照のこと。与えられている定義により、雑音係数Fを次のように計算できる。
【0024】
【数12】
Figure 0004417042
【0025】
雑音係数を比較できるように、基準温度として周囲温度To=290Kを使用した。雑音電力PR1が雑音温度Toに対応するという仮定は、入力での測定対象(DUT)2に周囲雑音が存在しているという見解のモデル化である。
【0026】
図3は、雑音測定の信号モデルを示している。正弦波信号と雑音信号の組み合わせ信号源1が測定対象2により測定機器3に接続されている。実際に測定を行う前に、較正を実行する場合、測定対象2は、破線5で示されているように、較正のところでバイパスされる。測定対象2の等価ダイアグラムにおいて、前記測定対象2の雑音が加算デバイス6内で加えられ、入力信号と合わせて、乗算器7の増幅係数GDUTを掛けることにより強化される。
【0027】
測定用の機器、つまり、レベル・メータ3も同様にモデル化される。レベル・メータ3の固有雑音が加算器8に加えられ、その合計の信号が乗算器9の増幅係数GMESSとの乗算で増幅される。レベル・メータの測定帯域幅は、帯域幅Beff=BMESS<BDUTで、Beffは実効帯域幅、BMESSは測定帯域幅、BDUTは測定対象2の帯域幅である、ディープ・パス10によりモデル化される。測定機器は、レベル・メータ3であるが、これは電力レベルPMを送出する。
上の説明は、数学的には以下の式で示される。
【0028】
【数13】
Figure 0004417042
【0029】
ただし、
o 基準温度(290K)
F 雑音係数(直線)
NF 雑音係数(対数)
ENR 雑音源の雑音電力(対数、Toに関して)
DUT 測定対象2の固有雑音温度
cold 回路外雑音源の温度(周囲温度)
hot 回路内雑音源の温度
雑音電力はすべて、直線的測定値として使用される。以下では、雑音測定の普遍的信号モデルを提示しており、これはすべての測定事例に適用できる。
【0030】
一般に、以下の関係式が成立する。
【0031】
【数14】
Figure 0004417042
【0032】
(ここでは、測定デバイス3から見える帯域幅のみを考察する)
【0033】
【数15】
Figure 0004417042
【0034】
(それぞれ、回路内/回路外基準信号源を持つ)
測定装置3の帯域幅は概して小さいので、この観察では測定対象の帯域幅を無視できる。雑音源または正弦波信号源は、そのレベルが正確に知られていることを前提としているので、基準源として指定される。上の考察を適用すると、2つの異なる基準レベルによる較正で、測定値TMESSとGMESSが判別されていることは容易にわかる。後の測定の場合(再び、2つの異なる基準レベルを使用して)、TDUTおよびGDUTの値が設定されている。
【0035】
正弦波信号を基準源として適用した後、測定装置内の正弦波信号と雑音信号の合計電力を測定するため、RMS(root mean square 2乗平均平方根)検出器を採用しなければならない。
【0036】
注目している雑音電力の測定の正確さは、(正弦波信号と雑音信号との)信号対雑音比(S/N)が高くなると損なわれる。この事実は次のように説明できる。以下の例では、雑音レベルと発生器レベルの合計のレベル商はさまざまな発生器レベル値に対する発生器レベルに合わせて計算する。雑音レベルは一定に保持される。
【0037】
例1:(特許出願DE 41 22 189 A1による測定の事例)
雑音電力 =−110dBm
発生器レベル=−100dBm
合計電力 =−110dBm+(−100dBm)=−99.6dBm
⇒電力差 ≒0.4dB
【0038】
例2:
雑音電力 =−110dBm
発生器レベル=−80dBm
合計電力 =−110dBm+(−80dBm)=−79.996dBm
⇒電力差 ≒0.004dB
【0039】
例3:
雑音電力 =−110dBm
発生器レベル=−10dBm
合計電力 =−110dBm+(−10dBm)=−9.9999999996dBm
⇒電力差 ≒0.0000000004dB
【0040】
電力測定に関して得られる正確さは、N個のサンプリング値からなる観測時間の長さによって決まる。この誤差は本質的に、判別される電力差未満でなければならない(例1から例3を参照)。従来技術(DE 41 22 189 A1)による電力レベルを使用する例1のような測定は0.4dB程度のレベル差を容易に測定できるため適切に実行できることは理解されるであろう。例2および3は、DE 41 22 189 A1の評価と比較して、不正確なだけである、つまり、さらに実行することに意味がない。
【0041】
図4は、いわゆるY係数測定の場合の手順の方法を示している。この手順では、雑音がないと仮定され入力では雑音温度TDUTの雑音源4が与えられる測定対象2および入力において雑音温度TMである雑音源11が適用される仮定されている雑音のない測定装置3を雑音温度Tgcsの雑音源13がある入力上で雑音のないシステム12と統合する。
【0042】
この測定から仮定するのは、測定装置3の固有雑音が無視されているということ、つまり測定対象(DUT)2の雑音が測定装置2(TDUT≒Tges)の雑音よりもはるかに大きいと仮定した。これは常に、測定対象(DUT)2の増幅率が十分に大きい場合である。
【0043】
以下の公式の記号の意味は次のとおりである。
cold 遮断雑音源のある測定された雑音電力
hot 接続されている雑音源のある測定された雑音電力
DUT 測定対象2の増幅率
DUT 測定対象2の帯域幅
M 測定対象3の帯域幅
M 測定装置3の増幅率は、通常1程度であり、レベルの判別の正確さを表す。
【0044】
【数16】
Figure 0004417042
【数17】
Figure 0004417042
【0045】
これから以下が得られる。
【0046】
【数18】
Figure 0004417042
【0047】
ただし
【0048】
【数19】
Figure 0004417042
【0049】
図5および6は、従来技術の較正による測定を示している。図5に示されている較正の場合、測定結果である電力レベルPhot,CALおよびPcold,CALは雑音温度ThotおよびTcoldに関して測定された。測定対象2の図6の説明されている測定の場合、もう一度、測定対象2および測定装置3をまとめて、システム全体12に接続することも可能である。
【0050】
記号は以下のように定義される。
cold,CAL 測定時に回路外雑音源があり較正を行う測定された雑音電力
cold,MESS 測定時に回路内雑音源があり較正を行う測定された雑音電力
hot,MESS 測定時に回路内雑音源がある測定された雑音電力
DUT 測定対象2の増幅率
DUT 測定対象2の帯域幅
M 測定装置3の増幅率
M 測定装置3の帯域幅
これらは、以下の式で使用される。
【0051】
【数20】
Figure 0004417042
【数21】
Figure 0004417042
【数22】
Figure 0004417042
【数23】
Figure 0004417042
【0052】
システム全体の雑音電力は以下のように表すことができる。
【0053】
【数24】
Figure 0004417042
【0054】
式(11)から(15)が与えられると、測定対象(DUT)の雑音温度TDUTおよび増幅率GDUTを以下のように導くことができる。
【0055】
【数25】
Figure 0004417042
【数26】
Figure 0004417042
【0056】
DE 41 22 189 A1で提案されているような正弦波基準信号源を使用することにより、以下のように記述できる。
【0057】
【数27】
Figure 0004417042
【0058】
ただし、P1=大きい方の正弦波電力≒回路内雑音源、および
【0059】
【数28】
Figure 0004417042
【0060】
ただし、P2=小さい方の正弦波電力≒回路外雑音源
これらの雑音温度は、式(16)で使用されている。これから以下の式が得られる。
【0061】
【数29】
Figure 0004417042
【0062】
以下の式を挿入すると、
hot,CAL=P1K、つまりPhot,MESS=P1MおよびPCAL=P2K
つまり、Pcold,MESS=P2MおよびBS=BM
DE 41 22 189 A1の請求項1に記載の式を作成できる。
【0063】
説明した前述の原理に基づき、本発明の手順および現在までの従来の方法のものとの違いが明確になる。
【0064】
その2つの異なる検出器における本発明が基づく手順は、混合信号の評価のため並列動作する。これは、図10に示されている。
【0065】
−第1の検出器20は、正弦波信号および固有雑音の信号混合の電力レベルを捕捉するためのみに使用される。測定結果は、もっと正確であればあるほど、平均検出器で決定される数が増えるだけである(例えば、2乗平均平方根検出器20)。
【0066】
−他の検出器21は、信号混合から正弦波信号の電力レベルを取り出すためのみに使用される。平均時間が長いほど、正弦波レベルの測定は正確になる(例えば、AVG(平均)検出器を使用した場合)。この場合、平均を取ると、測定対象2の固有雑音が統計的に独立であり、普遍的に分散していると仮定できるので、固有雑音の部分は均される。
【0067】
2つの独立の並列動作検出器20および21を使用することにより、正弦波レベルはさらに、測定対象2の固有雑音のレベルよりもかなり大きくなることがある。第一に、非常に小さいが正確な正弦波レベルは実現のコストが高く、第二に、(異なる大きさの固有雑音を表す)異なる測定帯域幅に対し正弦波レベルを繰り返し合わせなければならないという必要性がなくなるため、これは手順の実用的応用の重要な側面である。
【0068】
これらの非常に小さな電力差の測定を行うには、以下のようにして、AVG検出器21およびRMS検出器20を同時に使用する。
【0069】
−平均時間の十分な期間で、AVG検出器21により、正弦波信号のレベルだけを決定する、つまり雑音が平均化される。
【0070】
−RMS検出器20により、正弦波レベルと雑音の合計電力を決定する。
【0071】
雑音電力は、2つの検出器のレベルの差を取って計算する。すなわち以下のようになる。
【0072】
【数30】
Figure 0004417042
【0073】
そして図10から、以下が得られる。
【0074】
【数31】
Figure 0004417042
【数32】
Figure 0004417042
【0075】
70dBを超えるレベル差が測定されたので、個々のレベルPRMSとPAVGを10-7以上の正確さで測定できることが必要である。それにより、一方で、アナログ/デジタル・トランスデューサ23の高い直線性が必要になり、他方では、測定結果の正確な表現が必要になる。
【0076】
図10には、測定装置の非常に簡略化されたブロック回路図が示されている。正弦波発生器1は、正弦波信号を出力し、この信号が測定対象(DUT)2に供給される。雑音で汚染された正弦波信号が前記測定対象(DUT)2の出力のところに存在する。測定手順の目標は、以下の最も可能性が高く、問題のない決定を下すことである。
【0077】
1.正弦波信号の電力P^sin
2.測定対象の出力の解析的帯域幅Banalyse=BM内の雑音電力P^noise
この目的のために、局部発振器およびミキサー24により測定対象2の出力信号をレベル・メータ3の中間周波数fZFと混合させる。間に配置されているすべてのフィルタは、わかりやすくするため、示されていない。これ以降、アナログ/デジタル・トランスデューサ23を使用してサンプリングを行い、サンプリング周波数はfa_inとする。サンプリング周波数は、概して、解析帯域幅Banalyseよりも本質的に高い。そのため、解析帯域幅に関するサンプリング定理の順守は完全に履行される。さらに、注目している雑音帯域に悪影響が及ぶことはないように、(図に示されていない)アナログ・フィルタも寸法が決められる。アナログ/デジタル変換の後、乗算器25で複素回転ポインタ
【0078】
【数33】
Figure 0004417042
【0079】
との乗算を行って同等のベース・バンド内で混合が行われる。それ以降、信号を検出器20および21で評価する前に、フィルタ26によるディープ・パス・フィルタ処理が行われる。
【0080】
図11は、すでに説明されている要素に対応する参照番号が振られている、いくぶん詳細なブロック回路図を示している。
【0081】
概して、すべての発振器周波数は、共通の1つの基準から導かれる。この方法で、正弦波とゼロ周波数とが混合され、それにより、周波数f=0で離散スペクトル線を受け取る。正弦波が外部から入力された場合、サービス回転ポインタはそのまま、残差周波数オフセットΔfを保持する。
【0082】
この場合、周波数オフセットは、後の信号処理ブロックに格納され、周波数値Δf^を含む。ベース・バンドに混合した後、解析フィルタ処理を所定の解析帯域幅Banalyseで実行する。
【0083】
このフィルタ26は、特に、ベース・バンドでバック・ルーピングを再圧縮して混合に通す役割を持つ。出力信号のスペクトルは、ゼロ周波数の正弦波と帯域制限雑音による離散スペクトル線から成り立っており、これは図10に概略が示されている。最尤法理論に従うと、最適推定量には(例えば、雑音部分)非相関サンプル値のみが必要である。以下では、サンプリング周波数を選択する際に、以下の一般的な大きさを取る。
【0084】
【数34】
Figure 0004417042
【0085】
大きなサンプリング・レートは最適推定に寄与しない。サンプリングが少ないと、無相関のサンプル値が得られるが、均一に推定誤差があれば、それに応じて測定時間が長くなる。その結果、フィルタ処理した後、以下の式、
【0086】
【数35】
Figure 0004417042
【0087】
によるダウン・サンプリングを、ダウン・サンプラ27で実行できる。信号処理のコストの低減に関して、解析フィルタ26に直接間引きを組み込むことが推奨される、つまり、解析出力サンプルのみを計算し、これを間引きの後に使用する。
【0088】
ダウン・サンプリングの後、任意選択で、外部正弦波発生器1を使用して、後の修正(上を参照)による周波数オフセットΔfの推定を行う。簡単のため、以下の考察では、周波数推定デバイス28で誤りなく推定を行い、それにより、同様に修正の後に、周波数が0のときに離散スペクトル線が存在すると仮定する。修正係数
【数36】
Figure 0004417042
【0089】
による修正が乗算器29内で続く。乗算器30により、周波数修正のオプションのON/OFFスイッチングを実行できる。
その後、以下のようにデジタルの結果が得られている。
【0090】
【数37】
Figure 0004417042
【0091】
等しい部分は振幅Aかつ位相φであり、これは、正弦波発生器と局部発生器22の間の位相オフセットにより生じる。以下の計算では、式(23)による複素定数cを定義するよう推奨する。等しい部分の注目している電力は以下の式で求められる。
【0092】
【数38】
Figure 0004417042
【0093】
さらに、測定対象2の解析帯域幅がBanalyseである帯域制限雑音n(k)の平均雑音電力は以下の式で表されるが、
【0094】
【数39】
Figure 0004417042
【0095】
ただし、E{...}は期待値を表す。
以下の信号処理では、N個のサンプルの限定された期間の観察から、最適推定値P^sinおよびP^noiseを求めることを目的としている。前記のPの上についている“hat”記号^は、一般推定値であることを表している。tilde~は一般に、試行パラメータを表す。
【0096】
但し、本願の明細書本文中では、下記表1の左欄のように、2文字分で記載し、図面や数式中では右欄のように一文字で記載する。
【0097】
【表1】
Figure 0004417042
【0098】
まず、'Psinは最尤法を使って推定する。この場合、複素数の等しい部分cは式(23)から推定する。これは、以下の対数尤度関数を最小にすることで推定し、
【0099】
【数40】
Figure 0004417042
【0100】
推定値は以下のように表される。
【0101】
【数41】
Figure 0004417042
【0102】
式(24)に式(27)を入れて、以下の式に従って正弦波電力の目的の推定値を得る。
【0103】
【数42】
Figure 0004417042
【0104】
その後、P^noiseを推定する。このために、式(27)を式(26)に代入すると、以下の式が得られる。
【0105】
【数43】
Figure 0004417042
【0106】
周知のように、Lは自由度2・(N−1)のカイ二乗分布を持つ。係数2が自由度に入っているのは、サンプルが複素数だからである。その結果、Lは等しい部分を除かれ、正規化係数がなく、求める雑音電力P^noiseの最良可能推定値である。それにより、雑音電力に関して期待値に沿った推定が以下の式から利用できる。
【0107】
【数44】
Figure 0004417042
【0108】
式(29)を組み入れることで、以下の式が得られる。
【0109】
【数45】
Figure 0004417042
【0110】
第2項と第3項を整理すると、以下の式が得られる。
【0111】
【数46】
Figure 0004417042
【0112】
実装のために、N/Nによる拡張を実行すると、以下の式が得られる。
【0113】
【数47】
Figure 0004417042
【0114】
ただし、RMS2は合計電力であり、AVGは推定される複素数の等しい部分である。
【0115】
式(28)と(32)からの関連する実現は、図11のデジタル信号処理のコンポーネントにより示されている。
【0116】
ハードウェアHWとPCコンピュータのソフトウェアとの間の図11で提案されているパーティション分割には以下のような利点がある。
【0117】
・RMS2およびAVGは、高速ハードウェア論理回路によりリアルタイムで計算できる。その結果、結果r(k)の中間記憶域は不要である。このような記憶域は、一般に大きなN値を使用する場合に必要になる。
【0118】
・次の|...|2演算は減算および乗算とともに、PCコンピュータまたはデジタル・シグナル・プロセッサで実行できる。これらの計算はN個のサンプルで1回だけ実行すればよく、このため、コンピュータの速度は重視されないので、リソースが多く使われるハードウェアによる実現は賢明でない。
【0119】
図11には、上記の結果のレベル・メータ3のブロック回路図が示されている。ダウン・サンプラ27またはマルチプレクサ30では、正弦波電力レベルP^sinを捕捉するための正弦波電力レベル検出器31と雑音電力レベルP^noiseをそこから捕捉するための雑音電力レベル検出器32が接続されている。
【0120】
正弦波電力レベル検出器31は、N個のサンプルの算術平均AVGを形成するアベレージャ33で構成されている。これにより、N個のサンプルが加えられ、合計が1/Nで除算される。信号P^sinの再正規化を考慮する場合には、除算もなくすことができる。その後、算術平均値を平方デバイス34で平方する。平方デバイスの出力では、正弦波電力レベルP^sinが使用可能である。
【0121】
雑音電力レベル検出器32は、平方平均デバイス35から成り立っている。これにより、まず、サンプルの量を平方し、N個のサンプルを加える。その合計をサンプルの個数Nで除算する。この場合であっても、出力P^noiseの再正規化を相応して考慮していれば、Nによる除算を省くことができる。
【0122】
雑音電力レベルP^noiseは、減算器36内で、正弦波電力レベルP^sinを平方アベレージャ35の平方平均値RMS2から引くことで、求めることができる。乗算器では、まだ、式(32)から利用できる修正係数N/(N−1)を調整することも可能である。複数のサンプルNを平均化プロセスに持ち込んだ場合、この係数は1に近づき、この調整は場合によっては省くことができる。
【0123】
例えば、観察Nの必要な時間を判断するために、P^noiseの推定の99%の信頼区間が与えられている。P^noiseの99%の信頼区間は以下の式から求められることは明白である。
【0124】
【数48】
Figure 0004417042
【0125】
図12では、99%信頼区間はNに関してグラフで示されている。これは、以下の例からより明確になる。
【0126】
N=1.4・105個のサンプルの観察間隔では、図12から99%信頼区間が0.1dBであると決定できる。つまり、推定雑音電力レベルP^noiseの真の雑音電力レベルPnoiseからの偏差は±0.1dB未満であるということである。例えば、Banalyse=1MHzの測定帯域幅を使用した場合、式(21)によりサンプリング期間はT0=1μsである。この帯域幅での観察時間は以下の式でのみ表される。
【0127】
【数49】
Figure 0004417042
【0128】
この例は、より高速な測定で測定結果が非常に正確であることを示しているが、これは手順の電力に関する能力から明らかである。
【0129】
以下では、測定対象2の雑音温度を現在そうして得られた正弦波電力レベルP^sinとPCコンピュータのコンポーネントまたはデジタル・シグナル・プロセッサDSPである、評価デバイス40の雑音電力レベルP^noiseから計算で求める方法について説明する。
【0130】
まず、事前に較正をせずに雑音温度TDUTを求めることができることを示す。この測定の場合、以下の仮定が成立する。
【0131】
測定装置(レベル・メータ)3の固有雑音は無視される、つまり測定対象(DUT)2の雑音が測定装置3(TDUT≒TGES)の雑音よりもはるかに大きいと仮定している。これは常に、測定対象2の増幅率が十分に大きい場合である。
【0132】
図7に示されている値では、以下のとおりであり、
sin 正弦波基準信号源1のレベル
Mess,Sin 測定した正弦波レベル
Mess,noise 測定した雑音レベル
DUT 測定対象2の増幅率
DUT 測定対象2の帯域幅
M 測定装置(レベル・メータ)3の帯域幅
M 測定装置(レベル・メータ)3の増幅率(通常この値≒1)。レベルの判別の正確さの程度を表す。
以下の式が成り立つ。
【0133】
【数50】
Figure 0004417042
【数51】
Figure 0004417042
【0134】
そこで、以下が得られる。
【0135】
【数52】
Figure 0004417042
【数53】
Figure 0004417042
【0136】
測定装置BMの帯域幅は正確にわかっていなければならない。現代的な測定装置では、帯域幅は完全にデジタル化されるか、または較正されるためこれは問題にならない。
【0137】
以下では、測定前に行う較正を考慮して測定対象2の雑音温度TDUTをさらに正確に判別することを示す。
【0138】
図8および図9の項目の説明を以下にまとめた。
sin 正弦波基準信号源1のレベル
CAL,sin 較正での測定正弦波レベル
MESS,sin 測定での測定正弦波レベル
CAL,noise 較正での測定雑音電力
MESS,noise 測定での測定雑音電力
DUT 測定対象2の増幅率
DUT 測定対象2の帯域幅
M 測定装置(レベル・メータ)3の増幅率
M 測定装置(レベル・メータ)3の帯域幅
以下の式が求められる。
【0139】
【数54】
Figure 0004417042
【数55】
Figure 0004417042
【数56】
Figure 0004417042
【数57】
Figure 0004417042
【0140】
システム全体の雑音電力から以下の式が示される。
【0141】
【数58】
Figure 0004417042
【数59】
Figure 0004417042
【0142】
式(38)から(43)により、測定対象2の雑音温度TDUTおよび増幅率GDUTが以下の式で求められる。
【0143】
【数60】
Figure 0004417042
【数61】
Figure 0004417042
【0144】
【発明の効果】
本発明の手順および装置を使用すると、意図した雑音温度と測定対象の増幅率の両方を非常に正確に測定することができる。さらに、測定対象の励起が高くても雑音の値の大きさを測定できるため都合がよい。例えば、従来技術による手順では可能でない完全変調状態の増幅器でも測定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】雑音係数の定義をより詳しく説明しているブロック回路/論理図である。
【図2】雑音係数の定義をより詳しく説明している同等の回路/論理図である。
【図3】雑音測定の説明の信号モデルである。
【図4】Y係数測定を説明するための同等の回路/論理図である。
【図5】較正を説明するための同等の回路/論理図である。
【図6】従来技術による較正された測定を説明するための同等の回路/論理図である。
【図7】較正を行わない本発明の測定を説明するための同等の回路/論理図である。
【図8】本発明の較正を説明するための同等の回路/論理図である。
【図9】較正がある本発明の測定のための同等の回路/論理図である。
【図10】本発明の測定装置の同等のブロック図である。
【図11】本発明の測定装置の同等の詳細なブロック回路/論理図である。
【図12】サンプリング値の個数Nの関数としてP^noiseの99%信頼区間を示す図である。
【符号の説明】
1……正弦波信号源
2……電子的測定対象
3……レベル・メータ
29……周波数修正デバイス
31……正弦波電力レベル検出器デバイス
32……雑音電力レベル検出器デバイス

Claims (8)

  1. 正弦波信号(Sin)の入力により電子的測定対象(2)の雑音(TDUT)の大きさを決定し、レベル・メータ(3)を使用して関連する電力レベルを測定する方法であって、
    レベル・メータ(3)を使用して、正弦波電力レベル(P^sin)と雑音電力レベル(P^noise)を別々に判別し、
    レベル・メータ(3)で出力信号(S out )のサンプルを取り、正弦波電力レベル(P^ sin )から、デバイス内の算術平均(33)と、サンプルと、次いで算術平均(AVG)の値の平方(34)を得ることにより、サンプル値を判別し、
    サンプルの値の平方の算術平均(35)を取り、その後正弦波電力レベル(P^ sin )の減算を行うことで雑音電力レベルを求めることを特徴とする方法。
  2. 請求項1記載の方法であって、平均値(33、35)を取る前に、レベル・メータ(3)に用意されている局部発振器(22)の周波数から入力正弦波信号(Sin)の周波数の偏差の推定(28)と修正(29)を行うことを特徴とする方法。
  3. 請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載の方法であって、雑音の大きさが測定対象(2)の雑音温度(TDUT)であり、雑音温度(TDUT)は以下の式、
    Figure 0004417042
    各項は次のとおりに定義される。
    sin 測定対象(2)の入力のところの正弦波信号の電力レベル
    MESS,sin レベル・メータ(3)で測定した正弦波電力レベル
    MESS,noise レベル・メータ(3)で測定した雑音電力レベル
    k ボルツマン定数
    M レベル・メータ(3)の帯域幅
    で求めることを特徴とする方法。
  4. 請求項1又は請求項2のいずれか1項記載の方法であって、測定の前に較正を行い、その正弦波信号(Sin)のレベルは測定の場合と同じレベルであっても、測定対象(2)を迂回し、前記正弦波信号(Sin)をレベル・メータ(3)に直接入力し、
    雑音の大きさは雑音温度(TDUT)であり、測定対象(2)の雑音温度(TDUT)は以下の式、
    Figure 0004417042
    ただし、各項は、
    sin 測定対象(2)の入力時の正弦波信号の電力レベル
    MESS,sin 測定対象(2)を中間で回り道して含めることにより測定し、レベル・メータ(3)で測定した正弦波の電力レベル
    MESS,noise 測定対象(2)を中間で回り道して含めることにより測定し、レベル・メータ(3)で測定した雑音の電力レベル
    CAL,noise 測定対象(2)を中間で回り道して含めることをせずに測定し、レベル・メータ(3)で測定した雑音の電力レベル
    k ボルツマン定数
    M レベル・メータ(3)の帯域幅
    で求めることを特徴とする方法。
  5. 測定対象(2)に入力される正弦波信号(Sin)を出力する、正弦波信号源(1)と、測定対象(2)への対象の出力の電力レベルの測定を行うためのレベル・メータ(3)を備える電子的測定対象(2)の雑音(TDUT)の大きさを判別し、レベル・メータ(3)が正弦波電力レベル(P^sin)を別々に分離して捕捉するための正弦波電力レベル検出器デバイス(31)と雑音電力レベル(P^noise)を捕捉するための雑音電力レベル検出器デバイス(32)を備え、レベル・メータ(3)が測定対象(2)の出力信号(S out )のサンプルを捕捉することと、
    正弦波電力レベル検出器デバイス(31)がサンプルの算術平均(33)を取り、その後、サンプルの算術平均値(AVG)の値の平方を取る(34)ことにより正弦波電力レベル(P^ sin )を求め、雑音電力レベル検出器デバイス(32)がサンプルの値の平方の算術平均(35)を取り、その後正弦波電力レベル(P^ sin )の減算(36)を行って雑音電力レベル(P^ noise )を求めることを特徴とする装置。
  6. 請求項記載の装置であって、前記レベル・メータ(3)は、平均(33、35)を取る前に、前記測定対象(2)に入力される正弦波信号(Sin)の周波数とレベル・メータ(3)内に存在する局部発振器(22)の周波数との周波数偏差の推定を行う周波数推定デバイス(28)と、前記周波数偏差を修正する周波数修正デバイス(29)を備えることを特徴とする装置。
  7. 請求項5又は請求項6のいずれか1項記載の装置であって、
    雑音の大きさが雑音温度(TDUT)であり、エバリュエータ(40)は以下の式、
    Figure 0004417042
    ただし、式の中の記号の意味は、
    (sin) 測定対象(2)の入力の正弦波信号の電力レベル
    (MESS,sin) レベル・メータ(3)で測定したとおりの正弦波電力レベル
    MESS,noise レベル・メータ(3)で測定したとおりの雑音電力レベル
    k ボルツマン定数
    M レベル・メータ(3)の帯域幅
    を使って測定対象の雑音温度(TDUT)を求めることを特徴とする装置。
  8. 請求項5乃至請求項7のいずれか1項記載の装置であって、
    測定の前に較正を行い、その場合、正弦波信号P(Sin)は測定で求められたのと同じレベルでレベル・メータ(3)に直接入力されるが、ただし、測定対象(2)まで中間経路を通らず、
    雑音の大きさは雑音温度(TDUT)であり、評価デバイス(40)は以下の式、
    Figure 0004417042
    ただし、式の中の記号の意味は、
    sin 測定対象(2)の入力に出る正弦波信号の電力レベル
    MESS,sin 測定対象(2)を回り道して含める、レベル・メータ(3)で測定した正弦波電力レベル
    MESS,noise 測定対象(2)を回り道して含める、レベル・メータ(3)で測定した雑音電力レベル
    CAL,noise 測定対象(2)を回り道して含めない、レベル・メータ(3)で測定した雑音電力レベル
    k ボルツマン定数
    M レベル・メータ(3)の帯域幅
    により測定対象の雑音温度(TDUT)を求めることを特徴とする装置。
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