JP4416229B2 - 繊維板及び繊維板の強度増加方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、繊維板及び該繊維板の強度増加方法に関し、より詳細には、粉体状又は繊維状の原材料と、熱硬化性樹脂と、ラジカル開始剤とを含有する組成物を熱圧して形成される繊維板及び繊維板の強度増加方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
これまで、森林資源の有効利用及び廃材の有効利用といった観点から、木材のチップ、かんな屑、稲穂の屑、新聞紙、コピー用紙といった古紙等の屑材から得られた粉体状及び繊維状の木質繊維を原材料として用い、この原材料に熱硬化性樹脂を添加して熱圧することにより、せき板等に用いられる板材やボード用の繊維板を製造する試みが、例えば特開平7−323408号公報、特開平6−63912号公報等に開示されている。
【0003】
上述した繊維板を製造する際に添加される熱硬化性樹脂は、繊維状の原材料を結着させて必要な強度を付与するために用いられる。繊維板の強度は、熱硬化性樹脂の添加量を増加させればするほど向上するが、その一方で熱硬化性樹脂は、原材料よりも著しく高価であるため繊維板の製造コストを高めてしまうことになる。
【0004】
熱硬化性樹脂の添加量を低下させ、製造される繊維板の強度をより増加させる試みとして、熱硬化性樹脂にラジカル開始剤を添加して繊維板を製造することが特開平11−240032号公報に開示されている。熱硬化性樹脂に対してラジカル開始剤を添加することにより、熱硬化性樹脂の硬化反応自体に加えて、ラジカル開始剤から発生した活性ラジカルにより硬化を促進することが可能となり、その結果、より少量の熱硬化性樹脂を用いても充分な強度を得ることが可能とされている。
【0005】
上述したラジカル開始剤は、繊維板製造の際に用いられる熱圧ロールといった加熱手段により加えられる熱エネルギーにより分解して、活性ラジカルを生じさせ、この活性ラジカルが熱硬化性樹脂の主鎖構造を攻撃してさらにラジカルを発生させることにより熱硬化性樹脂の硬化をより促進させるものと考えられている。
【0006】
ラジカル開始剤は、上述したように熱硬化性樹脂と共に用いられることにより効果的に繊維板の強度を増加させることができるものの、添加量が多すぎると、(1)残留する未反応の開始剤が反応することにより、製造された繊維板の長期間にわたる品質の安定化が困難となる場合もあること、(2)ラジカル開始剤の分解により発生した分解性生成物により繊維板の品質が低下してしまう場合もあること、(3)ラジカル開始剤を作業場で大量に取扱う必要を生じること、といった不都合が生じる場合もある。
【0007】
しかしながら、ラジカル開始剤を用いないことや、ラジカル開始剤の添加量を低下させることは、上述した熱硬化性樹脂により付与される繊維板の強度を低下させることにもなる。したがって、ラジカル開始剤の添加量をできるだけ少量としつつ、作業環境的に問題を生じさせずに繊維板の強度増加を行うことができる繊維板及びそのための強度増加方法が必要とされている。
【0008】
上述した課題を解決するため、ラジカル開始剤や、このラジカル開始剤から発生する活性ラジカルの散逸を、熱圧部材の上流側及び下流側に近傍に配置したカバーといったラジカル濃度制御手段により防止して、できるだけ添加したラジカル開始剤を有効利用する試みもなされている。しかしながら、ラジカル開始剤の種類によっては、加熱により臭気を発生させる場合や、ラジカル開始剤の分解生成物が作業環境上好ましくない場合もある。このような場合には、ラジカル濃度制御手段により散逸が防止されたラジカル開始剤やその分解生成物がラジカル濃度制御手段内に蓄積するため、ラジカル濃度制御手段周辺において作業環境上問題が生じる。
【0009】
また、ラジカル開始剤やラジカルの分解生成物を含むガスをラジカル濃度制御手段や作業場所から排気するにしても、ラジカル濃度を必要な程度まで高めることが困難となったり、また、排ガス処理のための大規模な処理システムを別途必要とするといった問題を生じさせることになる。このため、作業環境を充分に良好なものとすると共に排ガスの大規模な処理システムを必要とせず、強度の増加したより高品質の繊維板及び繊維板のための強度増加方法が必要とされている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、本発明は、長期間にわたり高い品質を維持でき、大量のラジカル開始剤を取り扱うといった作業上の不都合を生じさせず、ラジカル開始剤及び該ラジカル開始剤から発生した活性ラジカルを可能な限り有効に利用すると共に、作業環境を良好とし、大規模な排ガス処理システムを必要とせずに低コストで充分な強度を有する繊維板を提供することを可能とする繊維板及び繊維板の強度増加方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の上述した目的は、本発明の繊維板及び繊維板の強度増加方法を提供することにより達成される。
【0012】
すなわち、本発明の請求項1の発明によれば、粉粒状又は繊維状の原材料に熱硬化性樹脂とラジカル開始剤とが添加されたマット状組成物をラジカル濃度制御手段と熱圧手段とを備えた製造装置により熱圧することによる強度増加方法を用いて製造される繊維板であって、上記ラジカル開始剤が、2,2′−アゾビスイソ酪酸ジメチル、アゾビスシアノ吉草酸、1,1′−アゾビス−(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、アゾビスメチルブチロニトリル、2,2′−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)からなる群から選択される化合物又はこれらの混合物であることを特徴とする繊維板が提供される。
【0013】
本発明の請求項2の発明によれば、上記原材料は、セルロース系材料であることを特徴とする繊維板が提供される。
【0014】
本発明の請求項3の発明によれば、粉粒状又は繊維状の原材料に熱硬化性樹脂とラジカル開始剤とが添加されたマット状組成物をラジカル濃度制御手段と熱圧手段とを備えた製造装置により熱圧することによる繊維板の強度増加方法であって、上記ラジカル開始剤が、2,2′−アゾビスイソ酪酸ジメチル、アゾビスシアノ吉草酸、1,1′−アゾビス−(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、アゾビスメチルブチロニトリル、2,2′−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)からなる群から選択される化合物又はこれらの混合物であることを特徴とする繊維板の強度増加方法が提供される。
【0015】
本発明の請求項4の発明によれば、上記原材料は、セルロース系材料であることを特徴とする繊維板の強度増加方法が提供される。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下本発明を必要に応じて図面を用いて詳細に説明する。本発明において用いる原材料は、木材のチップ、かんな屑、稲穂の屑、新聞紙、コピー用紙といった古紙等の繊維質からなるセルロース系の屑材を解繊処理することにより得られる。図1には、本発明に用いる原材料を製造し、本発明により得られる強度が増加した繊維板を製造するための製造ラインを示す。本発明に用いられる図1に示した製造ラインは、乾式法により繊維板を製造するものとして示されている。以下、本発明に用いる原材料の製造を図1を用いて説明する。
【0017】
製造ラインの貯蔵槽1には、上述した屑材が貯蔵されており、この屑材は、貯蔵槽1から秤量装置2により所定量が秤量された後、供給装置3を介して煮沸缶4へと供給され蒸煮処理が行われる。この蒸煮処理の条件としては、適宜屑材を繊維質の原料とすることができる条件とすることができ、例えば、蒸煮圧力を、4〜9kg/cm2、蒸煮時間を3〜10minとすることができる。
【0018】
煮沸缶4により蒸煮処理が行われた屑材は、煮沸缶4内に設けられたスクリューコンベヤにより配管5を通してホッパ6へと供給され、さらにホッパ6からコンベヤ7により、レファイナと呼ばれる解繊機8へと送られて解繊処理が行われる。この解繊処理により屑材が粉体状又は繊維状の原材料とされる。このために用いられる解繊機8としては、例えば、#400 Bauer Double Disk Refinerといった乾式一段解繊機を挙げることができる。
【0019】
本発明に用いることができる熱硬化性樹脂としては、ノボラック又はレゾールフェノールといったフェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ポリオール−多価イソシアネートから形成される熱硬化性ウレタン樹脂、アルキド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フラン樹脂、グリプタル樹脂、ジアリルフタレート樹脂等を挙げることができる。これらの熱硬化性樹脂には、ヘキサメチレンテトラミン、塩化アンモニウム、芳香族アミン、酸無水物、ナフテン酸コバルト、ジメチルアニリンといった硬化剤を適宜選択して予め添加しておくこともできる。また、これらの熱硬化性樹脂は、適宜いかなる種類を混合して用いることもできる。
【0020】
本発明に用いることができる開始剤としては、取扱性、作業環境、適切な反応性といった点で2,2′−アゾビスイソ酪酸ジメチル、アゾビスシアノ吉草酸、1,1′−アゾビス−(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、アゾビスメチルブチロニトリル、2,2′−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)といったアゾ系開始剤から選択される化合物又はこれらの混合物とすることが好ましい。また、必要により2,2′−アゾビスイソブチロニトリルを適宜混合して用いることもできる。
【0021】
また、上述の前記ラジカル開始剤としては、本発明の効果を得ることができる範囲内でメチルエチルケトンパーオキサイド、メチルイソブチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイドからなる群から選択される化合物又はこれらの混合物とすることもできる。
【0022】
上述のラジカル開始剤としては、本発明の効果を得ることができる範囲内でイソブチリルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、p−クロロベンゾイルパーオキサイドからなる群から選択される化合物又はこれらの混合物とすることもできる。
【0023】
上述のラジカル開始剤としては、本発明の効果を得ることができる範囲内でジターシャルブチルパーオキサイド、t-ブチル−α−クミルパーオキサイド、ジ−α−クミルパーオキサイド、1,4−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t-ブチルパーオキシ)−3−ヘキシンからなる群から選択される化合物又はこれらの混合物とすることも可能である。
【0024】
上述のラジカル開始剤としては、本発明の効果を得ることができる範囲内でt−ブチルヒドロパーオキサイド、キュメンヒドロパーオキサイド、ジ−イソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド、p−メンタンヒドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロパーオキサイドからなる群から選択される化合物又はこれらの混合物とすることも可能である。
【0025】
上述のラジカル開始剤としては、本発明の効果を得ることができる範囲内で1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル=4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタンからなる群から選択される化合物又はこれらの混合物とすることも可能である。
【0026】
上述のラジカル開始剤としては、本発明の効果を得ることができる範囲内でt−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシオクトエート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシラウレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)へキサンからなる群から選択される化合物又はこれらの混合物とすることも可能である。
【0027】
上述のラジカル開始剤としては、本発明の効果を得ることができる範囲内でビス−(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ビス(3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、ビス(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシルパーオキシジカーボネート、OO−t−ブチル−O−イソプロピルパーオキシカーボネートからなる群から選択される化合物又はこれらの混合物とすることもできる。
【0028】
上述のラジカル開始剤としては、本発明の効果を得ることができる範囲内で特にアゾビスシアノ吉草酸、ビス(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムからなる水溶性の化合物又はこれらの混合物とすることも可能である。上述したラジカル開始剤は、さらに上述したラジカル開始剤のいかなる組合せの複数種を混合して用いることも可能である。
【0029】
特に上述した水溶性のラジカル開始剤は、マット状組成物中に均一に分散させることが可能なので、得られる繊維板の特性をより向上させることができる点から好ましい。
【0030】
また、繊維板の各成分についてマット状組成物における重量を基準として存在割合を説明したが、原材料は、セルロース系材料から形成されるため、繊維板とされた後には、繊維板が置かれる環境に応じた水分を吸収して平衡状態となる。このため繊維板における各成分又はラジカル開始剤から生じた分解生成物の存在割合は、繊維板における上述した平衡吸水量と、マット状組成物14における上述した各成分の存在割合を考慮して決定することができる。
【0031】
再度図1を用いて本発明の繊維板の強度増加方法を説明する。本発明においては、上述したラジカル開始剤及び熱硬化性樹脂は、熱硬化性樹脂供給装置9及びラジカル開始剤供給装置10により、蒸煮処理された屑材と共に解繊機8へと供給され、解繊処理と同時に熱硬化性樹脂とラジカル開始剤とが混合される。このようにして粉体状又は繊維状の原材料と、熱硬化性樹脂と、ラジカル開始剤とを含有する組成物が製造される。
【0032】
本発明においては、次いで上述の原材料と熱硬化性樹脂及びラジカル開始剤を含む組成物をマット状組成物として形成する。このマット状組成物の製造について説明すると、まず解繊機8から排出された粉体状又は繊維状とされた原材料と熱硬化性樹脂とラジカル硬化剤とを含む組成物は、気流型乾燥機11へと送られ、乾燥を行なって含水率を約14%以下、好ましくは6〜10%(重量基準)とされた後、フェルター12へと送られ、フェルティングボックス頂部に設けられた振り子式ノズルの先端から吹き出される。吹き出された上述の組成物は、金網ベルト13上に吸引抄造されることにより本発明に用いるマット状組成物14が得られる。このマット状組成物14は、さらにシェーブ・オフ・ロールにより掻き取りが行われて厚さ規制が行われても良い。このマット状組成物14は、次いで金網ベルト13に載置されたままフェルター12の下部から繊維板の製造装置部へと供給される。
【0033】
マット状組成物に添加される熱硬化性樹脂は、マット状組成物中に1重量%〜10重量%で添加されることが好ましく、さらには、1.7重量%〜5重量%で添加されることが、繊維板の製造コストを抑え、繊維板の特性を向上させる点からより好ましい。
【0034】
マット状組成物に添加される原材料は、マット状組成物中に70重量%〜97.9重量%で添加されることが好ましく、さらには80重量%〜96重量%で添加されることが製造コスト及び繊維板の特性上より好ましい。
【0035】
マット状組成物に添加されるラジカル開始剤は、本発明のマット状組成物中に0.4重量%以上で添加されることが好ましいが、作業上の観点及び繊維板の特性といった観点からマット状組成物中に15重量%以下で添加されることが好ましく、さらには0.4重量%〜10重量%で添加されることがより好ましい。
【0036】
また、上述のように繊維板の各成分の添加量について、マット状組成物の重量を基準として存在割合を説明した。しかしながら、原材料は、セルロース系材料から形成されるため、繊維板とされた後には、繊維板が置かれる環境に応じた水分を吸収して平衡状態となる。このため繊維板における各成分又はラジカル開始剤から生じた分解生成物の存在割合は、繊維板における平衡吸水率と、マット状組成物14における上述した各成分の存在割合を考慮して決定することができる。
【0037】
本発明の繊維板の強度増加方法においては、上述のようにして製造されたマット状組成物を、製造装置部に設けられた供給コンベヤ15へと送る。この供給コンベヤ15は、マット状組成物14をプリプレス手段16a,16bへと供給する。図1中では、供給コンベヤ15は、上述した金網ベルト13とは別に設けられているのが示されている。しかしながら、本発明においては、金網ベルト13を延長し、マット状組成物14及び金網ベルト13を共にプリプレス手段16a,16bの間に配置させて加圧して、マット状組成物14に対してプリプレスを行うことも可能であり、この際には、金網ベルト13を供給コンベヤ15として用いることができる。
【0038】
次いで、マット状組成物14は、供給コンベヤ15の下流に設けられたプリプレス手段16a,16bによりプリプレスが行われる。このプリプレス手段16a,16bは、図1及び図2に示した実施例では、2つのプリプレスローラ16a,16bから構成されているのが示されている。本発明においては、このプリプレス手段16a,16bが、供給コンベヤ15により搬送されたマット状組成物14へと所定の圧力を加えることにより、マット状組成物14を所定厚さまで圧締している。このプリプレス手段16a,16bは、加熱することも可能である。また、上述したプリプレス手段としては、それぞれ対となったプリプレス手段16a,16bを複数組み合わせて所定の圧締を行うことも可能である。
【0039】
マット状組成物14は、プリプレス手段16a,16bにより所定の厚さとされた後、プリプレス手段16a,16bの下流側に設けられた熱圧手段として用いられる熱圧ローラ17a,17bによりさらに加圧され、加熱されて熱硬化性樹脂と、ラジカル開始剤とを反応させ、所定の厚さの繊維板20とされる。この熱圧ローラ17a,17bとしては、例えば金属製ローラと、この金属製ローラの表面に周方向に装着された耐熱性ゴム層とから構成され、プリプレスされたマット状組成物14に対して充分な圧力及び熱を加えられるように構成されたものを用いることができる。熱圧ローラ17a,17bの加熱手段としては、従来公知のいかなるものでも用いることが可能である。上述したプリプレス手段16a,16b及び熱圧ローラ17a,17bのそれぞれの両側部には、圧締を確実に横方向からも行うことができるように図示しないサイドローラといった手段を用いることが好ましい。また、本発明では、熱圧手段としては、加圧プレスを用いることができることはいうまでもないことである。
【0040】
本発明の繊維板の製造装置における熱圧ローラ17a,17bは、マット状組成物14に対して110℃〜260℃の温度、及び10〜150kgf/cm2に相当する線圧力を加えることができれば、従来公知のいかなる金属製ローラ、加熱手段、耐熱性ゴムであっても用いることができる。図2では、一対の熱圧ローラ17a,17bを用いるものとして示しているが、本発明においては、充分にマット状組成物14を加圧・加熱することができるように、複数の対となった熱圧ローラを用いることも可能である。熱圧ローラ17a,17bの搬送方向下流側には、搬出コンベヤ18が設けられていて、熱圧によって成形された繊維板20が図示しないスリッターといった裁断装置へとさらに搬送されて行くようにされている。
【0041】
本発明において用いる繊維板の製造装置には、上述した熱圧ローラ17a,17bの搬送方向上流側及び搬送方向下流側にラジカル濃度制御手段が設けられている。このラジカル濃度制御手段は、図1に示すように上流側カバー19aと、下流側カバー19bとから構成されており、熱圧ローラ17a,17bにより加えられた熱エネルギーにより発生する活性ラジカルを、可能な限りマット状組成物14又は繊維板20の高温領域付近に滞留させるようにさせている。以下、本発明の繊維板の強度増加方法に用いるラジカル濃度制御手段の詳細な説明を行う。
【0042】
本発明の繊維板の強度増加方法では、図1に示されるように供給コンベヤ15により搬送されたマット状組成物14は、まずプリプレスローラ16a,16bによりプリプレスされて、所定の厚さに圧締される。次いで、熱圧ローラ17a,17bの搬送方向上流側に設置された上流側カバー19aと、熱圧ローラ17a,17bとを通過して所定の厚さの繊維板20とされる。この繊維板20は、熱圧ローラ17a,17bの下流側に設けられた下流側カバー19bを通過してさらに搬送方向下流側へと搬送される。上流側カバー19a及び下流側カバー19bは、適切にラジカル開始剤及びこのラジカル開始剤から発生した活性ラジカルを加熱された繊維板20の近傍に滞留させることができるように、繊維板20から10cm以内の距離で配置されていることが好ましい。
【0043】
図2(a),図2(b)は、下流側カバー19bを図1の搬送方向に沿った断面として、下流側カバー19bの詳細部を示した図である。本発明に用いるラジカル濃度制御手段の下流側カバー19bは、概ね繊維板20を被覆する被覆部材21と、繊維板20に当接する当接部22とから構成されている。
【0044】
図2(a)は、下流側カバー19bの第1の変形例を示し、図2(b)は、下流側カバー19bの第2の変形例を示す。図2(a)に示されるように、下流側カバー19bの第1の変形例では、下流側カバー19bの繊維板20の上側面に対して当接する当接部22は、耐熱性ゴムにより形成されたブレード23により形成されている。この耐熱性ゴムとしては、高温に耐え、発生したラジカルに対して容易に劣化しないようにすると共に、繊維板20の表面性、及び搬送性に対して悪影響を与えないようにする目的のため、シリコーンゴム、フッ素ゴムといった材料から形成されていることが好ましい。このような当接部22を形成する耐熱性ゴムは、下流側カバー19bに対してボルト、ナット、接着剤、粘着テープといった種々の方法で取り付けることができる。
【0045】
図2(b)は、本発明において用いられる下流側カバー19bの第2の変形例を示した図である。図2(b)に示すように、本発明において用いられる第2の変形例の下流側カバー19bの当接部22は、下流側カバー19bの被覆部材21の側部に回動可能に保持された面タッチローラ24により形成されており、熱圧ローラ17a,17bの下流側の空間の遮蔽性を向上させていると共に、製造された繊維板20の表面性に対して悪影響を与えず、繊維板20の搬送性を低下させないようにさせている。図2(b)に示した下流側カバー19bに用いられる面タッチローラ24は、金属ローラ、耐熱性ゴム等により被覆された金属ローラとすることができる。また、この面タッチローラ24を加熱しておくことにより、さらに後硬化を行うことも可能となり、よりいっそうラジカル開始剤及び活性ラジカルの有効利用が可能となる。
【0046】
図3は、本発明に用いる下流側カバー19bの当接部22の第3の変形例を示した図である。下流側カバー19bの第3の変形例では、面タッチローラ24は、下流側カバー19bの被覆部材21の側部に一端が可動に取り付けられたカンチレバー25といった部材に片持ち式に、かつ回動可能に保持されており、繊維板20の厚さに応じて矢線Bの方向へと回動しつつ、矢線Cの方向に上下動するようにされている。カンチレバー25には、図示しない付勢手段を設けることもでき、面タッチローラ24の自重以外にも繊維板20の上側面に対する押圧力を調節することも可能である。また、図2(b)で説明したように、面タッチローラ24は、同時に加熱することも可能である。
【0047】
上述したようにして密閉性を向上させることにより、熱圧ローラ17a,17bの加熱により発生した活性ラジカルを、繊維板20の内部ばかりではなく、繊維板20の外部における限定された空間内に滞留させることが可能となり、繊維板20の内部ばかりではなく繊維板20の表面からの硬化反応も促進され、よりいっそうラジカル開始剤から発生した活性ラジカルの有効利用を図ることが可能となる。
【0048】
また、同程度の強度の繊維板20を得る場合には、繊維板20の構成成分のうち、比較的高コストの熱硬化性樹脂及びラジカル開始剤の添加量を低減させることができるので、総じて繊維板20の製造コストを低減させることができることにもなる。下流側カバー19bの熱圧ローラ17a,17b側の端部は、上述した上流側カバー19aと共に、可能な限り熱圧ローラ17a,17bに接近して配置されているか又は熱圧ローラ17a,17bの回転を妨げないようにして熱圧ローラの上側にまで延在していても良い。
【0049】
また、下流側カバー19bを上述の構成とすることにより、熱圧ローラ17a,17bの下流側において発生した高温、高圧のガスにより下流側カバー19aの内側部の空気をパージすることを可能とするという相乗効果により、熱圧ローラ17a,17bの下流側において、空気に含まれる酸素(O2)による活性ラジカルのクエンチングを効率よく防止することが可能となり、熱硬化性樹脂、及びラジカル開始剤の添加量を低減しても高品質の繊維板20を製造することが可能となる。
【0050】
また、上述の構成とする結果、ラジカル開始剤及びラジカル開始剤から発生した分解生成物が特に下流側カバー19b内部に蓄積されることになるが、本発明においては、ラジカル開始剤として臭気や作業衛生等、作業環境的に比較的悪影響を与えないラジカル開始剤を用いているので、作業環境を劣化させず、さらには、大がかりな排ガス処理システムを設けることを必要とせず、低コストに繊維板の強度増加を行うことが可能となる。
【0051】
本発明の繊維板の製造ラインにおいては、さらに搬出ローラ18の下流側に、に必要に応じて繊維板20を裁断するためのスリッターや、後硬化を必要に応じて行うための加圧プレス等を用いることが可能である。
【0052】
これまで本発明を図面を用いて詳細に説明したきたが、供給コンベヤ、熱圧ローラ、搬出ローラ、ラジカル濃度制御手段については、本発明の効果を得ることができる範囲内においていかなる構成、材料、寸法、形状であっても用いることができることはいうまでもないことである。以下本発明の繊維板をさらに実施例をもってより具体的に説明する。
【0053】
【実施例】
下記組成を有するマット状組成物を図1に示した製造装置を用いて製造した。以下、各成分の重量は、マット状組成物の全重量に対する重量%である。
熱硬化性樹脂 フェノールレゾール樹脂 5%
ラジカル開始剤 2,2′−アゾビス−
(2,4−ジメチルバレロニトリル) 1%
水分 10%
原材料(新聞古紙) 84%
上記組成のマット状組成物をプリプレス後、図2(a)に示した上流側カバー及び下流側カバーからなるラジカル濃度制御手段を設け、230℃に加熱した多重熱圧ローラにより圧締して、熱硬化性樹脂を硬化させたところ、ラジカル開始剤を添加せずに同様にして製造した繊維板に比べて曲げ強度及び曲げヤング率は、サンプル間においてある程度のバラツキはあるものの、それぞれ約35〜45%、約45〜55%増加した高強度の繊維板が得られた。また、特に大がかりな排気ガス処理システムを用いずとも悪臭も生じず作業環境を低下させることがなかった。
【0054】
【発明の効果】
上述したように、本発明によれば大量のラジカル開始剤を取り扱うといった作業上の不都合を生じさせず、ラジカル開始剤及び該ラジカル開始剤から発生した活性ラジカルを可能な限り有効に利用すると共に、作業環境を良好とし、大規模な排ガス処理システムを必要とせずに低コストで充分な強度を有する繊維板を提供することを可能とする繊維板の強度増加方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において用いる繊維板の製造ラインを示した概略図。
【図2】本発明の下流側カバーの詳細部を示した図。
【図3】本発明の下流側カバーの詳細部を示した図。
【符号の説明】
1…貯蔵槽
2…秤量装置
3…供給装置
4…煮沸缶
5…配管
6…ホッパ
7…コンベヤ
8…解繊機
9…熱硬化性樹脂供給装置
10…ラジカル開始剤供給装置
11…気流型乾燥機
12…フェルター
13…金網ベルト
14…マット状組成物
14a,14b…マット状組成物側部
14c…マット状組成物上側面
15…供給コンベヤ
16a,16b…プリプレス手段
17a,17b…熱圧手段
18…搬出コンベヤ
19a…上流側カバー
19b…下流側カバー
20…繊維板
21…被覆部材
22…当接部
23…ブレード
24…面タッチローラ
25…カンチレバー
Claims (4)
- 粉粒状又は繊維状の原材料に熱硬化性樹脂とラジカル開始剤とが添加されたマット状組成物を、熱圧手段と該熱圧手段の搬送方向の上流側および下流側にそれぞれ、搬送される前記マット状組成物を覆うように設けられ、発生する活性ラジカルを前記マット状組成物の近傍に滞留させるカバーとを備えた製造装置により熱圧することによる強度増加方法を用いて製造される繊維板であって、
前記ラジカル開始剤が、2,2′−アゾビスイソ酪酸ジメチル、アゾビスシアノ吉草酸、1,1′−アゾビス−(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、アゾビスメチルブチロニトリル、2,2′−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)からなる群から選択される化合物又はこれらの混合物であることを特徴とする繊維板。 - 前記原材料は、セルロース系材料であることを特徴とする請求項1に記載の繊維板。
- 粉粒状又は繊維状の原材料に熱硬化性樹脂とラジカル開始剤とが添加されたマット状組成物を、熱圧手段と該熱圧手段の搬送方向の上流側および下流側にそれぞれ、搬送される前記マット状組成物を覆うように設けられ、発生する活性ラジカルを前記マット状組成物の近傍に滞留させるカバーとを備えた製造装置により熱圧することによる繊維板の強度増加方法であって、
前記ラジカル開始剤が、2,2′−アゾビスイソ酪酸ジメチル、アゾビスシアノ吉草酸、1,1′−アゾビス−(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、アゾビスメチルブチロニトリル、2,2′−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)からなる群から選択される化合物又はこれらの混合物であることを特徴とする繊維板の強度増加方法。 - 前記原材料は、セルロース系材料であることを特徴とする請求項3に記載の繊維板の強度増加方法。
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