JP4415519B2 - アクチュエータ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば製造装置等の直線案内軸受装置等に用いられると好適なアクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば製造装置などにおいては、ワークのごとき物体(被搬送物)を駆動するために直線案内軸受装置が用いられている。図7(a)は、従来技術に係る直線案内軸受装置100を示す斜視図であり、図7(b)は、かかる構成をVIIB−VIIB線で切断して矢印方向に見た図である。
【0003】
ベース101の両端上には、レール支持台102,103がねじ止めされている。レール支持台102,103に掛け渡されるようにして、断面が矩形状のガイドレール104が配置されている。レール支持台102,103の側方において、ベース101上には、断面がコ字状のモータ支持台105とプーリ支持台106とが配置されている。
【0004】
モータ支持台105には、モータ108が回転軸(不図示)を下方に突出させた状態で取り付けられている。その回転軸には、歯付きの駆動プーリ109が取り付けられている。プーリ支持台106には、歯付きの従動プーリ110aを回転自在に支持するプーリハウジング110が取り付けられている。駆動プーリ109と従動プーリ110aとの間には、ガイドレール104に沿う方向に、歯付きベルト(無端ベルト)111が掛け渡されている。なお、本明細書で「無端ベルト」とは、もともと無端状のものに加え、所望の長さの有端のベルトの両端を結合し、無端状としたものも含むものとする。
【0005】
図7(b)に示すように、歯付きベルト111の一部は、固定具121により空気軸受ユニット120に取り付けられている。ワーク(不図示)などが取り付けられた空気軸受ユニット120は、4枚の矩形板122〜125を、ガイドレール104の周囲に上下左右に組み合わせ、ガイドレール104に沿って移動自在となっている。矩形板122〜125の内方には、ポケット122a〜125aが設けられ、不図示の空気源から供給された圧縮空気によって、ガイドレール104に対しガイド板122〜125がわずかに離隔するようになり、殆ど摩擦なく移動できるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
かかる従来技術の直線案内軸受装置によれば、軽量且つ簡素な構成を有し、低コストであるという利点がある。ところで、半導体製造装置などにおいては、機械の振動などを嫌う傾向がある。ところが、従来技術の直線案内軸受装置によれば、ワーク搬送用の空気軸受ユニット120が、比較的質量があるため、特に加減速時などにおいて、質量のアンバランスなどに基づき振動が生じる恐れがある。かかる振動を抑えようとすると、装置の剛性を高める必要があるが、それにより装置の重量化且つ大型化を招くという問題がある。
【0007】
そこで、本発明は、軽量且つ簡素でありながら、振動を抑制できる、直線案内軸受装置などに用いられると好適なアクチュエータを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく、本発明のアクチュエータは、駆動装置により回転駆動される駆動プーリと、回転自在に支持された従動プーリと、前記駆動プーリと、前記従動プーリとの間に掛け渡された無端ベルトと、2本以上のガイドレールと、前記無端ベルトに接続され、かつ前記ガイドレールに沿って移動可能な主軸受とを備えた案内軸受装置と、前記ガイドレールと同じ本数及び形状のカウンタガイドレールと、前記無端ベルトに対し、前記主軸受が取り付けられた側とは前記両プーリを挟んで反対側において接続され、かつ前記カウンタガイドレールに沿って移動可能な、前記主軸受と同じ質量のカウンタ軸受とを備えたカウンタ軸受装置と、を有し、前記無端ベルトと、前記主軸受及び前記カウンタ軸受とは板ばねを介して連結されていることを特徴とする。
【0009】
【作用】
本発明のアクチュエータによれば、駆動装置により回転駆動される駆動プーリと、回転自在に支持された従動プーリと、前記駆動プーリと、前記従動プーリとの間に掛け渡された無端ベルトと、2本以上のガイドレールと、前記無端ベルトに接続され、かつ前記ガイドレールに沿って移動可能な主軸受とを備えた案内軸受装置と、前記ガイドレールと同じ本数及び形状のカウンタガイドレールと、前記無端ベルトに対し、前記主軸受が取り付けられた側とは前記両プーリを挟んで反対側において接続され、かつ前記カウンタガイドレールに沿って移動可能な、前記主軸受と同じ質量のカウンタ軸受とを備えたカウンタ軸受装置と、を有するので、前記主軸受と前記カウンタ軸受とを逆方向に移動させることにより、加速時又は減速時などに生じる主軸受の反力を抑えることが出来、それにより振動の抑制を図ることが出来る。しかも、前記ガイドレールと前記カウンタガイドレールとを、2本以上の同じ本数で且つ同じ形状としているため、前記無端ベルトを高速で移送させた場合でも、前記主軸受及び前記カウンタ軸受を安定して支持することが出来る。又、前記主軸受と前記カウンタ軸受の質量を同じにしたので、前記主軸受にワークが取り付けられていない場合、高速で前記無端ベルトを動作させた場合の加速時又は減速時などに生じる主軸受の反力を抑えることが出来る。
【0010】
更に、前記無端ベルトと、前記主軸受及び前記カウンタ軸受とは板ばねを介して連結されていると、前記無端ベルトの位置が上下方向(プーリの軸方向)にずれても、前記両軸受に余計な力が掛かるのを抑えることが出来る。
【0011】
又、前記主軸受に接続される前記無端ベルトの固定位置を、前記主軸受の軸心からオフセットさせ、前記案内軸受装置の移動可能な部分と被搬送物とを合わせた全体の重心位置とほぼ一致するようにすることにより、主軸受に掛かるモーメント荷重を抑えることが出来、それにより効率的な駆動を行える。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、第1の実施の形態にかかるアクチュエータを含む直線案内軸受装置300を示す正面図である。図2は、直線案内軸受装置300を示す上面図である。図3は、直線案内軸受装置300を示す側面図である。但し、破線で示す隠れた部分は要部のみを示している。駆動プーリ309と、従動プーリ310aと、ガイドレール304a、304bと、主軸受320a、320bと、カウンタガイドレール331a、331bと、カウンタ軸受330a、330bとでアクチュエータを構成する。
【0013】
ベース301の両端上には、レール支持板302,302が取り付けられている。レール支持板302,302に掛け渡されるようにして、断面が円筒のガイドレール304a、304bが上下に平行して配置されている。また、レール支持板302、302の隣にはレール支持板303,303が取り付けられており、これらに掛け渡されるようにして、断面が円筒のカウンタガイドレール331a、331bがガイドレール304a、304bに平行に配置されている(図2では、カウンタガイドレール331a、331bは、ガイドレール304a、304bに重なっている)。レール支持板302,302の外方において、ベース301上には、断面がコ字状のモータ支持台305とプーリ支持台306とが配置されている。
【0014】
モータ支持台305には、モータ308が回転軸308aを図中、下方に突出させた状態で取り付けられている。モータ308の上部には、回転軸308aの回転角度を検出するエンコーダ315が配置されている。その回転軸308aの下端には、歯付きの駆動プーリ309が取り付けられている。プーリ支持台306には、軸310bに取り付けられた歯付きの従動プーリ310aを回転自在に支持するプーリハウジング310が設けられている。駆動プーリ309と従動プーリ310aとの間には、ガイドレール304a、304bに沿う方向に、無端ベルトとしての歯付きベルト311が掛け渡されている。
【0015】
歯付きベルト311の一部は、固定具321(図3)によりハウジング320cに取り付けられている。図3に示す方向から見て略コ字状の形状を有するハウジング320cの上部及び下部の貫通孔に主軸受320a及び320bが固定されている。すなわち、ハウジング320cは、ガイドレール304aに係合する主軸受320aと、ガイドレール304bに係合する主軸受320bとを互いに連結している。歯付きベルト311のハウジング320cに対する取り付け位置は、図3に示すように、主軸受320a、320bの中心軸を結んだ線の中間であり、すなわち主軸受320a及び320bの重心位置を通過するようになっている。主軸受320a、320bは、いわゆる多孔質静圧気体軸受であり、内周部はグラファイト多孔質で形成され、不図示の空気源から供給された圧縮空気によって、ガイドレール304a、304bに対し主軸受320a、320bがわずかに離隔するようになり、殆ど摩擦なく移動できるようになっている。尚、ハウジング320cに対し主軸受320a、320bは隙間なく嵌合しているが、主軸受320a、320bは、ガイドレール304a、304bに対して5μm程度の隙間をもって嵌合している。主軸受320a、320bと、ガイドレール304a、304bとで案内軸受装置を構成する。
【0016】
さらに、図3に示す方向から見てハウジング320cに対向するようにして、それと同一形状であるが逆向きに配置されたハウジング330cが、無端ベルト311の一部に、固定具332を用いて取り付けられている。ハウジング330cの上部及び下部の貫通孔にカウンタ軸受330a及び330bが固定されている。すなわち、ハウジング330cは、カウンタガイドレール331aに係合するカウンタ軸受330aと、カウンタガイドレール331bに係合するカウンタ軸受320bとを互いに連結している。歯付きベルト311のハウジング330cに対する取り付け位置は、図3に示すように、カウンタ軸受330a、330bの中心軸を結んだ線の中間であり、すなわちカウンタ軸受330a及び330bの重心位置を通過するようになっている。カウンタ軸受330a、330bは、外形が円筒状の多孔質静圧気体軸受であって、カウンタガイドレール331a331bに嵌合する内径を有し、カウンタガイドレール331a、331bに沿って移動自在となっている。尚、ハウジング330cに対しカウンタ軸受330a、330bは隙間なく嵌合しているが、カウンタ軸受330a、330bは、カウンタガイドレール331a、331bに対して5μm程度の隙間をもって嵌合している。カウンタ軸受330a、330bと、ガイドレール331a、331bとでカウンタ軸受装置を構成する。
【0017】
図2に示されているように、カウンタガイドレール331a、331bの側方に、フォトセンサS1,S2,S3が配置され、カウンタ軸受330a、330bと共に移動する被検出部材Aを検知するようになっている。フォトセンサS1,S2,S3からの信号に基づき、オーバラン時にモータ308を停止させることができる。
【0018】
本実施の形態に動作について説明すると、不図示の空気源から供給された圧縮空気によって、ガイドレール304a、304bに対し主軸受320a、320bがわずかに離隔するようになり、カウンタガイドレール331a、331bに対しカウンタ軸受330a、330bがわずかに離隔した状態に維持される。
【0019】
ここで、モータ308が駆動プーリ309を駆動した場合、ガイドレール304a、304bに沿って主軸受320a、320bが殆ど摩擦なく、またカウンタガイドレール331a、331bに対しカウンタ軸受330a、330bが殆ど摩擦なく移動される。この際、加速又は減速時に生じる駆動反力は、主軸受320a、320bに対向して設けられたカウンタ軸受330a、330bにより相殺され、振動を抑制できるようになっている。特に、本実施の形態では、ガイドレール304a、304bに対して、カウンタガイドレール331a、331bを同じ本数だけ設け、しかもその径や配置を同じくし、加えて主軸受320a、320b及びハウジング320cと、カウンタ軸受330a、330b及びハウジング330cとを同じ形状としているので、両者のアンバランスをなくし、加速又は減速時に生じる駆動反力を極力抑えることが出来る。
【0020】
又、主軸受320a、320b、ハウジング320c及び搬送するワーク(不図示)の重心が無端ベルト311の真上に来るようにし、且つカウンタ軸受330a、330b、ハウジング330cの重心が無端ベルト311の真上に来るようにすることで、無端ベルト311の駆動力によるモーメント力を低減させることができる。又、主軸受320a、320bとカウンタ軸受330a、330bの質量を同じにしたので、高速で無端ベルト311を動作させた場合の加速時又は減速時などに生じる主軸受の反力を抑えることが出来る。
【0021】
図4は、第2の実施の形態にかかるアクチュエータを含む直線案内軸受装置400を示す正面図である。図5は、図4の構成をV-V線で切断して矢印方向に見た図である。第2の実施の形態は、図1に示す実施の形態に対し、ハウジング320c(図3)の代わりに、板ばね420cで主軸受320a、320bを、ガイドレール304a、304bに沿った方向で互いにΔだけオフセットした状態で連結し、且つハウジング330c(図3)の代わりに、板ばね430cでカウンタ軸受330a、330bを、カウンタガイドレール331a、331bに沿った方向で互いにΔだけオフセットした状態で連結している。
【0022】
図5に示すように、無端ベルト311は、主軸受320a、320bを連結するクランク状に折れ曲がったバネ板材からなるホルダ420dに対し、固定具322と抑え板420eを用いてねじ固定されるようになっており、且つカウンタ軸受330a、330bを連結するクランク状に折れ曲がったバネ板材からなるホルダ430dに対し、固定具332と抑え板430eを用いてねじ固定されるようになっている。ワークは、主軸受320a、320bいずれに搭載しても構わない。駆動プーリ309と、従動プーリ310aと、ガイドレール304a、304bと、主軸受320a、320bと、カウンタガイドレール331a、331bと、カウンタ軸受330a、330bとでアクチュエータを構成する。尚、図5に示すように、主軸受320a、320bは、ガイドレール304a、304bに隙間をもって嵌合する多孔質グラファイト製の軸受部320aa、320baと、それを隙間なく内包する軸受ハウジング320ab、320bbとからなっており、カウンタ軸受330a、330bは、ガイドレール331a、331bに隙間をもって嵌合する多孔質グラファイト製の軸受部330aa、330baと、それを隙間なく内包する軸受ハウジング330ab、330bbとからなっている(後述する図6の変形例も同じ)。
【0023】
本実施の形態によれば、第1の実施の形態の如く、主軸受320a、320bをハウジング320cでリジッド固定した場合に、ガイドレール304a、304bの自重による撓みや平行度不良などに起因して生じる主軸受320a、320bの競り合いを、バネ板420cを用いて弾性的に連結することにより抑制することができ、又カウンタ軸受330a、330bをハウジング330cでリジッド固定した場合に、ガイドレール331a、331bの自重による撓みや平行度不良などに起因して生じるカウンタ軸受330a、330bの競り合いを、バネ板430cを用いて弾性的に連結することにより抑制することができる。
【0024】
更に、主軸受320a、320bをオフセットさせないで連結した場合には、図4の矢印Mに示す方向のモーメント負荷に対し傾きが大きくなるが、主軸受320a、320bをオフセットさせることにより、軸受サイズを大きくせずに、このモーメント負荷に対する傾きを抑制させることが出来る。すなわちこのようなモーメント負荷に対する剛性を比較的小さな軸受により向上させられる。又、カウンタ軸受330a、330bをオフセットさせないで連結した場合には、同様にカウンタガイドレール331a、331bに対する傾きが大きくなるが、カウンタ軸受330a、330bをオフセットさせることにより、軸受サイズを大きくせずに、このモーメント負荷に対する傾きを抑制させることが出来る。すなわちこのようなモーメント負荷に対する剛性を比較的小さな軸受により向上させられる。
【0025】
また、ホルダ420dを弾性に富む板材で形成したので、無端ベルト311が図5で上下方向にずれても、無端ベルト311と主軸受320a、320bとの上下方向の変位を、ホルダ420dの図6で水平な部分のたわみにより吸収することが出来るので、主軸受320a、320bに図5で上下方向の余計な力が掛かる恐れが低い。一方、ガイドレール304a、304b方向には、ホルダ420dの剛性が高いため、駆動力の伝達に遅れが生じるというような問題はない。なお、図5ではバネ板420cを主軸受320a、320bの片側に取り付けているが、両側に取り付けるようにすれば、バネ板420cの板厚を減少させることができる。さらに、図5に示すバネ板420cを取り外し、ホルダ420dの板厚を増大させて、バネ板420cの代わりに用いることも出来る。
【0026】
同様に、ホルダ430dを弾性に富む板材で形成したので、無端ベルト311とカウンタ軸受330a、330bとの上下方向の変位を、ホルダ430dの図5で水平な部分のたわみにより吸収することが出来るので、カウンタ軸受330a、330bに図5で上下方向の余計な力が掛かる恐れが低い。一方、カウンタガイドレール331a、331b方向には、ホルダ430dの剛性が高いため、駆動力の伝達に遅れが生じるというような問題はない。なお、図5ではバネ板430cをカウンタ軸受330a、330bの片側に取り付けているが、両側に取り付けるようにすれば、バネ板430cの板厚を減少させることができる。さらに、図5に示すバネ板430cを取り外し、ホルダ430dの板厚を増大させて、バネ板430cの代わりに用いることも出来る。
【0027】
図6は、直線案内軸受装置の変形例を示す、図5と同様な図である。本変形例においては、主軸受320a、320bを連結したホルダ420d’と、カウンタ軸受330a、330bを連結したホルダ430d’を非対称にしており、具体的には、ホルダ420d’と無端ベルト311との接合部を、主軸受320a、320bの軸心から、図6で左方にδだけシフトしている。なお無端ベルト31のプーリ径は不変であることから、ホルダ430d’と無端ベルト311との接合部も、カウンタ軸受330a、330bの軸心から、図6で左方にδだけシフトしている。尚、ワークWは、二点鎖線で示すように、主軸受320bの側面(図6で左方)に取り付けられている。
【0028】
図5の構成で、ワークWを図6に示すのと同じ位置にすなわち、主軸受の横側に取り付ける必要のある場合、主軸受320a、320b、ワークWからなる移動体の重心位置が、ホルダ420dと無端ベルト311の接合部から図で左右方向にシフトしてしまう。従って、特にワークWの質量が主軸受の質量に対して無視できない大きさの場合で、しかも高速から急激に停止するなど加減速Gが大きい場合、主軸受320a、320bの受けるモーメント力が過大となり、場合によってはガイドレール304a、304bと主軸受320a、320bとの摺接を招き、軸受の寿命低下、焼き付き、発塵等を招く恐れがある。
【0029】
これに対し、図6の構成では、ホルダ420d’と無端ベルト311との接合部を、主軸受320a、320bの軸心から、図6で左方にδだけシフトさせることによって、主軸受320a、320b、ワークWからなる移動体の重心位置と、ホルダ420dと無端ベルト311の接合部とを略一致(完全一致含む)させることが出来る。従って、急加減速時などにおいて、主軸受320a、320bの受けるモーメント力を減少させ、ガイドレール304a、304bと主軸受320a、320bとの摺接を抑制して、軸受の寿命低下、焼き付き、発塵等を防止することが出来る。
【0030】
本発明者が、図6に示すようにワークWを搭載した状態で、加減速Gを変えて試験を行ったところ、図5の構成に対し、加減速度を約30%上げられることが実験により確認できた。評価は、ガイドレール304a、304bと主軸受320a、320bとの摺接の有無を、主軸受320a、320bのグラファイトがガイドレール304a、304bに付着したかどうかをみることにより行った。ホルダ420d’と無端ベルト311との接合部を、主軸受320a、320bの軸心から、図6で左方にδだけシフトさせた効果が確認された。
【0031】
尚、図6の構成において、主軸受320a、320b、ワークW等からなる移動体の重心位置と、ホルダ420dと無端ベルト311の接合部とを略一致(完全一致含む)させることが好ましいが、ワークWの質量によっては、シフト量δが大きくなって、ホルダ420d’の曲がりが小さくなり、上述した如き無端ベルト311の図6で上下方向の振動を吸収するという機能が薄れることも考えられるため、そのような場合には、移動体の重心位置と、ホルダ420dと無端ベルト311の接合部とを、ある程度ずらせても良い。又、モータの容量に余裕があるなどの理由で、プーリ径を大きく出来る場合には、図5の構成と同様に、ホルダ430d’と無端ベルト311との接合部を、カウンタ軸受330a、330bの軸心と一致させても良く、それによりカウンタ軸受330a、330bのモーメント力を低減できる。
【0032】
また、前記第1の実施の形態の場合も、主軸受320a、320b、ハウジング320c、及びハウジング320cの側面に取り付けられるワークWを合わせた全体の重心位置にほぼ一致するように、無端ベルト331をハウジング320cに固定することにより、同様の効果が得られる。
【0033】
以上、本発明を実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定して解釈されるべきではなく、適宜変更・改良が可能であることはもちろんである。例えば、主軸受及びカウンタ軸受は、空気軸受以外にも、転がり軸受、滑り軸受など各種の態様が考えられる。上述したように空気軸受としても、実施の形態で用いた多孔質静圧気体軸受は負荷容量が高く好ましいが、もちろんオリフィス式等、他の形式でもよい。ガイドレールの方を多孔質としてもよい。さらに、また実施の形態ではプーリ及び無端ベルトとして、高速用途に特に好適な歯付きのものを用いたが、例えば平ベルト等、用途等に応じ他の種類のものでもよい。ガイドレール及びカウンタガイドレールは3本以上でも良い。
【0034】
【発明の効果】
本発明のアクチュエータによれば、駆動装置により回転駆動される駆動プーリと、回転自在に支持された従動プーリと、前記駆動プーリと、前記従動プーリとの間に掛け渡された無端ベルトと、2本以上のガイドレールと、前記無端ベルトに接続され、かつ前記ガイドレールに沿って移動可能な主軸受とを備えた案内軸受装置と、前記ガイドレールと同じ本数及び形状のカウンタガイドレールと、前記無端ベルトに対し、前記主軸受が取り付けられた側とは前記両プーリを挟んで反対側において接続され、かつ前記カウンタガイドレールに沿って移動可能な、前記主軸受と同じ質量のカウンタ軸受とを備えたカウンタ軸受装置と、を有するので、前記主軸受と前記カウンタ軸受とを逆方向に移動させることにより、加速時又は減速時などに生じる主軸受の反力を抑えることが出来、それにより振動の抑制を図ることが出来る。しかも、前記ガイドレールと前記カウンタガイドレールとを、2本以上の同じ本数で且つ同じ形状としているため、前記無端ベルトを高速で移送させた場合でも、前記主軸受及び前記カウンタ軸受を安定して支持することが出来る。又、前記主軸受と前記カウンタ軸受の質量を同じにしたので、前記主軸受にワークが取り付けられていない場合、高速で前記無端ベルトを動作させた場合の加速時又は減速時などに生じる主軸受の反力を抑えることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態にかかるアクチュエータを含む直線案内軸受装置300を示す正面図である。
【図2】直線案内軸受装置300を示す上面図である。
【図3】直線案内軸受装置300を示す側面図である。
【図4】第2の実施の形態にかかるアクチュエータを含む直線案内軸受装置400を示す正面図である。
【図5】図4の構成をV-V線で切断して矢印方向に見た図である。
【図6】直線案内軸受装置の変形例を示す、図5と同様な図である。
【図7】図7(a)は、従来技術に係る直線案内軸受装置100を示す斜視図であり、図7(b)は、かかる構成をVIIB−VIIB線で切断して矢印方向に見た図である。
【符号の説明】
300,400 直線案内軸受装置
301 ベース
304a,304b ガイドレール
320a、320b 主軸受
330a、330b カウンタ軸受
331a、331b カウンタガイドレール
320c ハウジング
420c、430c 板ばね
420d、420d’430d、430d’ ホルダ
Claims (2)
- 駆動装置により回転駆動される駆動プーリと、
回転自在に支持された従動プーリと、
前記駆動プーリと、前記従動プーリとの間に掛け渡された無端ベルトと、
2本以上のガイドレールと、前記無端ベルトに接続され、かつ前記ガイドレールに沿って移動可能な主軸受とを備えた案内軸受装置と、
前記ガイドレールと同じ本数及び形状のカウンタガイドレールと、前記無端ベルトに対し、前記主軸受が取り付けられた側とは前記両プーリを挟んで反対側において接続され、かつ前記カウンタガイドレールに沿って移動可能な、前記主軸受と同じ質量のカウンタ軸受とを備えたカウンタ軸受装置と、を有し、
前記無端ベルトと、前記主軸受及び前記カウンタ軸受とは板ばねを介して連結されていることを特徴とするアクチュエータ。 - 前記主軸受に接続される前記無端ベルトの固定位置は、前記主軸受の軸心から前記案内軸受装置の移動可能な部分と被搬送物とを合わせた全体の重心の位置に近づけてオフセットしていることを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ。
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