JP4415122B2 - 塗膜転写具の転写ヘッド - Google Patents

Description

本発明は、転写テープ基材の表面にコーティングされた修正用塗膜、接着用粘着剤、装飾用塗膜等を被転写面に転写する為に用いる塗膜転写具の転写ヘッドの技術分野に属する。

従来の塗膜転写具の転写ヘッドは、前記転写ヘッドの先端に押圧転写部が形成され、未使用の転写テープが走行する下面部および転写後の基材テープが反転して走行する上面部から構成されるとともに、前記転写ヘッドの下面部及び上面部の幅方向両端部に、転写テープの幅方向の揺動を規制するテープガイドが互いに平行になるように設けられている。（例えば特許文献１参照）
また近年塗膜転写具のコンパクト化あるいは転写テープの長尺化が要望されるようになってきており、それに伴い転写テープの薄膜化が求められている。転写テープの薄膜化のためには、テープ基材も薄膜化する必要があり、テープ基材としてプラスチックフィルムが使用されている。このプラスチックフィルムをテープ基材とする塗膜転写具において、転写テープの転写ヘッドからの逸脱を防止すべく、前記転写ヘッドの上面部において、互いのテープガイドが上方に向かって幅狭化するような形状とすることも提案されている。（例えば特許文献２参照）
特開平１０−５２９９６号公報 特開平１０−２９７１７８号公報

しかしながら、転写テープとして、さらに薄膜化されているものを使用した場合、転写操作時に転写テープの揺動・蛇行の傾向はますます大きくなる。そのような条件下で上記従来構造のテープガイドを採用すると、この転写ヘッドの上面部を走行することとなる転写後のテープ基材に対して幅方向に力が作用して、テープガイドに接触したときに、テープ基材の走行に対して大きな抵抗となり、テープ基材に折れが発生しやすくなり、走行不良となる場合があった。また転写ヘッド下面部のテープガイドにおいても、未使用の転写テープに対して幅方向に力が作用して、テープガイドに接触したときに、前記未使用の転写テープにテープ折れが生じ、塗膜の転写不良や走行不良が発生することがあった。またテープガイドによる塗膜端面の削れが発生して、転写塗膜の端面が不均一となり、良好な転写面が得られない場合もあった。

本発明の目的は、転写テープの基材として薄いプラスチックフィルムを用いた場合であっても、転写動作時に転写テープの幅方向への揺動・蛇行を軽減し、かつ転写テープの折れおよび塗膜端面の削れを防止することによって、転写テープの走行が安定して、スムーズな転写作業ができ、かつ良好な転写塗膜を得ることができる塗膜転写具の転写ヘッドを提供することを目的とするものである。

上記目的を達成するために、本発明は、繰出し回転部と巻取り回転部と転写ヘッドを有し、転写テープが転写ヘッドを経由して被転写面に転写される塗膜と残りのテープ基材とに分かれ、前記テープ基材が前記繰出し回転部から前記巻取り回転部に巻き取られるようになっており、前記転写ヘッドの先端に押圧転写部が形成され、前記転写ヘッドの被転写面側の下面部にテープ規制部材が設けられており、およびテープ基材が反転して走行する上面部の幅方向両端部にテープガイドが設けられている塗膜転写具の転写ヘッドにおいて、前記転写ヘッドの下面部の幅方向両端部に、前記テープ規制部材をそれぞれ少なくとも２本以上設けたことを特徴とする塗膜転写具の転写ヘッドから構成されている。

また、前記転写ヘッドの下面部の幅方向両端部に設けられたテープ規制部材の高さを、前記転写テープが走行する下面部より０．０５〜０．５ｍｍ高くなるように設けてもよい。

本発明によれば、前記転写ヘッドのテープ基材が反転して走行する上面部の幅方向両端部にテープガイドが設けられており、かつ前記転写ヘッドの下面部の幅方向両端部に、一端部に対してテープ規制部材が複数本設けられているので、転写操作時の転写テープの揺動・蛇行による押圧転写部からのテープ外れを防止することができる。

さらに、本発明によれば、前記転写ヘッド下面部に設けられた、複数本のテープ規制部材の高さを低くすることで、転写テープに対し過度の抵抗を与えることなく転写テープの折れや塗膜端面の削れが防止され、転写操作時の転写テープ走行性が向上し、かつ良好な転写面が得られる。

以下に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。

図１は、本発明の実施例である塗膜転写具の正面図であり、図２は図１における塗膜転写具の転写ヘッドの詳細３面図である。この塗膜転写具に使用される転写テープの構成、転写テープを塗膜転写具に回転可能に取り付ける方法、および塗膜を被転写面に転写する方法は、従来のものと同様であるので説明を省略する。

この塗膜転写具１は、本体２と前記本体２に取り付けられ、かつ前記本体２から外部に突出した転写ヘッド３を有する。前記転写ヘッド３の先端部には幅方向に細長い押圧転写部４が形成され、前記転写ヘッド３のテープ基材が反転して走行する上面部５の幅方向両端部に、テープガイド６、６が互いに平行となるように一体に並設されている。また、前記転写ヘッド３の未使用の転写テープが走行する下面部７の幅方向両端部にテープ規制部材８、８が互いに平行となるように、転写テープ３の一端部に対して各３本ずつ並設されている。前記テープ規制部材８は、転写テープの走行方向に対して平行に、かつ線状突起の形状に設けられたテープ規制部材８ａ、８ｂ、８ｃから構成されている。

前記各テープ規制部材８ａ、８ｂ、８ｃは、高さを０．０５〜０．５ｍｍにすることが好ましい。前記テープ規制部材の高さが前記範囲未満であると、転写操作時に転写ヘッド３の下面部７を走行する未使用の転写テープに対して、幅方向に移動させる力がかかったとき、転写テープが最も外側のテープ規制部材８ｃも乗り越えてしまい、転写テープの揺動・蛇行を規制することが困難になってしまう。一方、前記テープ規制部材８の高さが前記範囲を超えると、転写テープに対して、幅方向に移動させる力がかかったとき、最も内側のテープ規制部材８ａを乗り越える前に、テープ折れや塗膜端面の削れが発生しやすくなり、転写不良や走行不良となる。

本体１を移動させながら塗膜を被転写面に転写させるとき、転写ヘッド３の下面部７を走行する未使用の転写テープに対して、幅方向に移動させる力がかかっても、テープ規制部材８ａによって転写テープの揺動を規制する。さらに前記転写テープに対して、幅方向に移動させる力がかかって、テープ規制部材８ａを乗り越えても、今度はテープ規制部材８ｂによって転写テープの揺動を規制する。同様に前記転写テープがテープ規制部材８ｂを乗り越えても、今度はテープ規制部材８ｃによって前記転写テープの揺動を規制する。これにより、転写テープに過度の抵抗を与えることなく、前記転写テープの揺動・蛇行を軽減することができる。

また、各前記各テープ規制部材８ａ、８ｂ、８ｃの高さを転写テープの走行に対して、過度の抵抗を与えない高さに設定しているので、テープ折れや塗膜端面の削れが発生する前にテープ規制部材８ａ、８ｂを乗り越えるので、テープ折れや塗膜端面の削れが発生せず、塗膜の転写不良や走行不良を防止することができる。

本発明の実施例である塗膜転写具の正面図である。 本発明の実施例である塗膜転写具の転写ヘッドの詳細３面図である。

符号の説明

１ 塗膜転写具
２ 本体
３ 転写ヘッド
４ 押圧転写部
５ 上面部
６ テープガイド
７ 下面部
８、８ａ、８ｂ、８ｃ テープ規制部材

Claims (2)

1. 繰出し回転部と巻取り回転部と転写ヘッドを有し、転写テープが転写ヘッドを経由して被転写面に転写される塗膜と残りのテープ基材とに分かれ、前記テープ基材が前記繰出し回転部から前記巻取り回転部に巻き取られるようになっており、前記転写ヘッドの先端に押圧転写部が形成され、前記転写ヘッドの被転写面側の下面部にテープ規制部材が設けられており、およびテープ基材が反転して走行する上面部の幅方向両端部にテープガイドが設けられている塗膜転写具の転写ヘッドにおいて、前記転写ヘッドの下面部の幅方向両端部に、前記テープ規制部材をそれぞれ少なくとも２本以上設けたことを特徴とする塗膜転写具の転写ヘッド。
2. 前記転写ヘッドの下面部の幅方向両端部に設けられたテープ規制部材の高さが、前記転写テープが走行する下面部より０．０５〜０．５ｍｍ高くなっていることを特徴とする請求項１記載の塗膜転写具の転写ヘッド。

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