JP2004174871A - 塗膜転写具及びその転写部材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ハウジングと、基材と転写用塗膜とからなる転写テープと、転写テープの繰出部と、ハウジングの開口部から突出する塗膜の転写部と、基材の巻取部とを備える塗膜転写具の転写部に関し、前記転写部は転写テープの走行部と、前記テープ走行部の幅方向両端に位置するテープの幅方向への移動を規制するテープ案内部とを含み、テープ走行部とテープ案内部とのなす角が90度よりも大であることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、転写テープ上の塗膜を紙面等に転写するための塗膜転写具に関するものであり、詳しくは、塗膜の転写時に転写テープを介して紙面等に接する転写部に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
塗膜転写具は、転写テープを紙面等に転写するためのものとして種々提案されている。塗膜転写具は一般的に、ハウジング内に内部部品として、転写テープ、繰出部、転写部、巻取部、駆動部を含んで構成される。転写テープは、薄葉紙やプラスチックフィルムの基材上に被覆層や粘着層を積層したものであり、いわゆる修正テープやマーキングテープ、粘着テープなどがある。転写テープはハウジング内で、繰出部から転写部を経由し、巻取部へとつながる経路をたどる。繰出部から繰出された転写テープは転写部で、転写層が被転写面へ移行し、基材のみとなった転写テープは転写部で折返し巻取部に巻き取られる。繰出部は転写される前の転写テープを保持し、一般的には転写テープを巻回し保持する。巻取部は、被覆層や粘着層を転写した後の基材を保持し、一般的には基材を巻回し保持する。駆動部は、転写テープの繰出し、巻取りのために機能し、回転駆動して転写テープを繰出部から巻取部へ送出する。
【0003】
転写部は、転写テープの転写層を紙面等の被転写面へ転写するためにハウジングから突出するよう設けられている。転写部の保護のためにカバーが設けられているものもある。転写部は、転写部分、軸部分に大きく分けることができる。転写部分は、基材側から転写層を押圧し、転写層を転写テープから被転写面へ移行させる部分である。軸部分は転写部分を支持し、転写部材を塗膜転写具のハウジングに固定するための部分である。転写部材には転写テープの走行を安定させるためにテープの幅方向への蛇行を規制するテープ案内板を設けられることも一般的である。テープ案内板は、転写層の移行時に転写テープが転写片から脱落しないように、転写部分付近に設けられることが多い。
【0004】
転写部分は その機能によりテープ転写部、テープ走行部、テープ案内部に分けられる。テープ転写部は転写テープを被転写部へ押圧する箇所である。テープ走行部は、転写テープが走行する繰出側と、基材が走行する巻取側とに分けられる。いずれも、テープまたは基材が走行するため、その妨げにならないよう平面であることが一般的である。テープ案内部は前記走行部の平面に垂直に、テープの幅方向両端に設けられることが一般的である。形状は平板が多いが、柱状や突起であることもある。テープの安定的な走行を実現するために、テープ案内部は、テープ走行部の面する繰出側にも、基材が面する巻取側にも設けられる。そのため、転写部分の、テープ案内部とテープ走行部に垂直な断面はH字型になる。
テープ案内部が転写テープ上の転写層に接触して転写層を損傷することや、テープ案内部が転写箇所を遮って転写作業を妨げることを防ぐために、巻取側にのみテープ案内部を設けるものもある。(例えば、特許文献1、2参照)
【0005】
転写テープの転写層を転写する部分、特にその末尾の視認性を向上させるため、また自然な姿勢で転写作業ができるように、転写片の先端を、転写テープの走行方向に対して傾斜させているものもある(例えば、特許文献3参照)。これは、転写ヘッドを、その先端下面を紙面等に押圧させ使用状態に位置させたときに、平面視において、転写ヘッドの先端稜線が、転写テープの走行方向に対して傾斜するような形状とするものである。さらに、転写ヘッドの先端外面における転写テープの幅方向の左右の側端部のうち、前記平面において、転写ヘッドの先端稜線を傾斜させて、ケースからの突出長さを短くした側端部の方の転写ヘッドの肉厚を、他方の側端部の転写ヘッドの肉厚よりも大きくして、転写ヘッドの先端外面の形状をほぼ三角形状または台形状とする。この場合、転写部の、テープ案内部とテープ走行部に垂直な断面は略N字型になっており、テープまたは基材の走行面は、平らな斜面となっている。
【0006】
また、塗膜転写具に保持される転写テープは一定幅のものであるが、それを複数の幅で転写させるための構成が提案されている。転写片の中央部に突起を設けたものや、幅がそれぞれ異なる転写片を積層したもの、転写テープに切り込みを入れることができるものなどがある。転写部に突起を設けたものとして、転写ヘッドは二以上の押圧部を有し、当該押圧部の少なくとも一つは球面状であるものがある(例えば、特許文献4参照)。この場合、テープまたは基材の走行面には、球状の凸部が存在する。
【0007】
【特許文献1】
特開平11−227385号公報
【特許文献2】
特開平11−268487号公報
【特許文献3】
特開2001−315492号公報
【特許文献4】
特開平11−157290号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来のテープ案内部を備えた転写部材は、テープ走行部のテープ幅方向両端側に垂直にテープ案内部が設けられる。このため、テープ案内板は、テープの蛇行を規制するものであるが、転写テープが過剰に蛇行すると、転写テープや転写層転写後の基材がテープ案内板に接触し、損傷を受けることがある。転写前の転写層が損傷を受けると、被転写面の被覆がうまくいかないばかりか、被転写面を汚す可能性もある。基材が損傷を受けしわなどが生じた場合には、巻取部での基材の巻取りに支障が生じることもある。テープの損傷が激しい場合には、転写テープまたは基材がちぎれてしまい、それ以降は転写が不可能になる。本願はこのような問題を解消するものである。
【0009】
また、転写前後で転写テープや基材が蛇行すると種々の問題が発生する。転写テープが蛇行すると、転写部材の転写片と転写テープの位置がずれ、転写層の一部が転写されなかったり、転写テープが転写部材から完全に脱離してしまうこともある。転写テープは一定の張力を維持して繰出部から巻取部へと走行しているので、いったん転写部材から脱離した転写テープを戻すことは困難である。本願は転写テープの蛇行を防ぎ、なおかつ上記テープ案内板により発生する問題を解消することを可能とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本願は、ハウジングと、基材と転写用塗膜とからなる転写テープと、転写テープの繰出部と、ハウジングの開口部から突出する塗膜の転写部と、基材の巻取部とを備える塗膜転写具の転写部に関し、前記転写部は転写テープの走行部と、前記テープ走行部の幅方向両端に位置するテープの幅方向への移動を規制するテープ案内部とを含み、テープ走行部とテープ案内部とのなす角が90度よりも大であることを特徴とする。これにより、テープ案内部に転写テープ、基材が接触しても、転写テープ等がテープ案内部に損傷を受け難くなる。
【0011】
前記テープ走行部と前記テープ案内部とを曲面によって滑らかにつなげることで転写テープ等はテープ案内部に接触しても、テープ走行面からテープ案内面へ滑らかに移行するのみで、転写テープが損傷を受けることやテープが経路から脱落することがない。さらに、テープ走行部とテープ案内部とを滑らかにつなぎ、テープ走行部からテープ案内部全体の形状を半円筒形状にすることで、転写テープ等の損傷や脱落をより低減することができる。
【0012】
転写部材はテープ転写部とテープ走行部とテープ案内部とを含み、少なくともテープ走行部とテープ案内部とを含むのテープ流れ方向に垂直な断面でのテープ走行部の幅が、同断面での両側のテープ案内部間の幅より小であればよい。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施例である塗膜転写具の斜視図を図1に示した。図1の塗膜転写具は、転写部のテープ走行部と前記テープ案内部とが曲面によって滑らかにつながったものである。
【0014】
本願発明は、塗膜転写具の転写部に関するものである。ハウジングは、一部材からなるもの、複数部材からなるもののいずれであってもよい。内蔵される転写テープは、薄葉紙やプラスチックフィルムの基材上に被覆層や粘着層を積層したもので被覆層及び粘着層を紙面等に転写する、いわゆる修正テープやマーキングテープ、粘着テープなど適宜選択することができる。巻取部及び繰出部は、リールと前記リールの支軸を有する駆動手段を含む。細長いテープ状の転写テープが繰出部のリールに巻回され、巻取部のリールには塗膜を転写した後の転写テープ基材が巻回される。繰出部と巻取部は、塗膜転写具内で並べて配置されてもよく、重ねて配置されてもよい。繰出部、巻取部の駆動手段は、ギヤやプーリなど回転物を連動させる機構が利用される。繰出部と巻取部との回転を同期させるために、Oリングなどを用いた滑り機構などを使用することもできる。駆動手段や回転の同期手段は適宜組合せて選択することができる。
【0015】
内部部品は、ハウジング内に各々配置されていてもよく、一部もしくは全部がハウジングに内包されるカートリッジやホルダー上に保持されていてもよい。内部部品は交換可能であっても、内蔵の転写テープを使い切り再使用しないものであってもよい。内部部品の交換は、内部部品それぞれをそのまま交換する方法、内部部品がホルダー板などに着脱可能に保持され、内部部品の装着後ホルダー板を取り除く方法、内部部品が固定されたカートリッジを交換する方法などがあり、いずれであってもよく適宜選択される。
【0016】
転写部は、転写テープの転写層を紙面等の被転写面へ転写するためにハウジングから突出するよう設けられている。転写部の保護、転写部による周囲の汚損防止のために、ハウジングの一部または全部を覆うカバーを設けてもよい。カバーは、ハウジングから取り外しが可能なもの、ハウジングに付設されるものなどがある。転写部は、転写部分、軸部分に大きく分けることができる。軸部分は転写部分を支持し、転写部材を塗膜転写具のハウジングに固定するための部分である。軸部分は、転写をより容易にするためにたわみやひねりが発生するように構成することができる。
【0017】
転写部分は、基材側から転写層を押圧し、転写層を転写テープから被転写面へ移行させる部分である。転写部分は その機能によりテープ転写部、テープ走行部、テープ案内部に分けられる。テープ転写部の形状は転写テープを被転写面に転写可能なものであればよく、転写テープの種類により、先の尖った略三角柱やへら状の板体、ローラーなど適宜選択することができる。またテープ転写部の被転写面に接する先端の形状を、角縁、丸縁とすることができる。またテープ転写部、またはその先端のみ材質を変更することもできる。
【0018】
テープ走行部、テープ案内部は、テープ走行部とテープ案内部とのなす角が90度よりも大であること、あるいはテープ走行部とテープ案内部とが曲面によって滑らかにつながっていることが必要である。テープ走行部からテープ案内部全体の形状が半円筒形状であってもよい。また、テープ走行部からテープ案内部全体の形状が円筒形状であってもよい。このようなテープ走行部とテープ案内部の構成は、転写部分の繰出部側、巻取部側の両方あるいは片方に設けることができる。テープ走行部とテープ案内部とのなす角が90度よりも大であるとした場合、テープ走行部は平面と構成することができる。テープ走行部とテープ案内部とを曲面によって滑らかにつなげた場合には、テープ走行面は曲面になる。テープ走行面は平面であっても曲面であってもよい。転写テープ等を滑らかに移行させるために、転写部材全体あるいはテープ走行部とテープ案内部の両方またはテープ案内部の材質は摩擦係数の低いものであることが望ましい。
【0019】
【発明の効果】
本願により、テープが蛇行した場合にはテープ案内部がその蛇行を規制し、転写テープまたは基材とテープ案内部とが接触しても、テープ走行部とテープ案内部との角度が90度よりも大、あるいは、テープ走行部とテープ案内部とが曲面で滑らかにつながっているので、転写テープ等が損傷を受けず、転写作業に支障をきたすことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】塗膜転写具の正面図である。
【図2】従来の転写部材を示す図面である。
【図3】本願の転写部材の各例を示す側面図である。
【図4】本願の転写部材を示す図面である。
【符号の説明】
1 ハウジング
2 転写テープ
3 繰出部
4 転写部
41 テープの転写部
42 テープの走行部
43 テープ案内部
5 巻取部
Claims (4)
- ハウジングと、基材と転写用塗膜とからなる転写テープと、転写テープの繰出部と、ハウジングの開口部から突出する塗膜の転写部と、基材の巻取部とを備え、前記転写部は転写テープの走行部と、前記テープ走行部の幅方向両端に位置するテープの幅方向への移動を規制するテープ案内部とを含み、テープ走行部とテープ案内部とのなす角が90度よりも大であることを特徴とする塗膜転写具。
- ハウジングと、基材と転写用塗膜とからなる転写テープと、転写テープの繰出部と、ハウジングの開口部から突出する塗膜の転写部と、基材の巻取部とを備え、前記転写部は転写テープの走行部と、前記テープ走行部の幅方向両端側に位置し、テープの幅方向への移動を規制するテープ案内部とを含み、テープ走行部とテープ案内部とが曲面によってつながることを特徴とする塗膜転写具。
- ハウジングと、基材と転写用塗膜とからなる転写テープと、転写テープの繰出部と、ハウジングの開口部から突出する塗膜の転写部と、基材の巻取部とを備え、前記転写部のテープ案内部が半円筒形であることを特徴とする塗膜転写具。
- テープ転写部とテープ走行部とテープ案内部とを含み、テープ走行部とテープ案内部とを含むのテープ流れ方向に垂直な断面でのテープ走行部の幅が、同断面でのテープ走行部両端側のテープ案内部間の幅より小なることを特徴とする塗膜転写具の転写部材。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2002343139A JP2004174871A (ja) | 2002-11-27 | 2002-11-27 | 塗膜転写具及びその転写部材 |
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Publications (1)
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Family
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Family Applications (1)
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JP2002343139A Pending JP2004174871A (ja) | 2002-11-27 | 2002-11-27 | 塗膜転写具及びその転写部材 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004174871A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2008078534A1 (ja) * | 2006-12-27 | 2008-07-03 | Kokuyo Co., Ltd. | 転写具 |
WO2008078535A1 (ja) * | 2006-12-27 | 2008-07-03 | Kokuyo Co., Ltd. | 転写具 |
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2002
- 2002-11-27 JP JP2002343139A patent/JP2004174871A/ja active Pending
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WO2008078534A1 (ja) * | 2006-12-27 | 2008-07-03 | Kokuyo Co., Ltd. | 転写具 |
WO2008078535A1 (ja) * | 2006-12-27 | 2008-07-03 | Kokuyo Co., Ltd. | 転写具 |
JP2008162051A (ja) * | 2006-12-27 | 2008-07-17 | Kokuyo Co Ltd | 転写具 |
JP2008162050A (ja) * | 2006-12-27 | 2008-07-17 | Kokuyo Co Ltd | 転写具 |
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