JP4414656B2 - 洗い場付き浴槽 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は漏水防止対策を施した浴槽に関するものであり、更に詳しくは、洗い場付き浴槽の漏水防止対策に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、集合住宅やホテル更には戸建て住宅にあってもユニットバス(以下、浴槽という)が広く採用されており、当該浴槽の側面部には排水栓の鎖等の各種部品の固定部、追い焚き用開口部、オ−バ−フロ−用開口部等が浴槽の側面に形成されている。
【0003】
以下、本発明を説明するために浴槽の側面に備えられる追い焚き用開口部を代表として説明するが、地震等の外力の影響により、或いはパッキン等の劣化により、更には、追い焚き口金金具のゆるみ等により、かかる開口部に装着された口金と追い焚き用の配管等にずれが生じることがある。このような場合、開口部からの漏水が発生してしまうことがあるが、通常では、浴槽システム系外への漏水となるためにこれを受ける機能がなく、漏水が発生した場合には直接コンクリ−トスラブ上に水が溜り、階下への影響は大きいものであった。
【0004】
図にて更に説明すると、図1は従来の洗い場付き浴槽を示す全体図であり、1は浴槽、2は洗い場、3はエプロン、4は排水トラップ、5はドアを示す。そして、浴槽1の側面には追い焚き用の開口部6、そしてこの部位に口金7が備えられるが、この部位から漏水が生じた場合にはこれを受ける手段がなく、直接コンクリ−ト上に漏水し、階下への影響は極めて大きいものである。
【0005】
かかる漏水の発生に対処するため、浴槽の下側にも防水パンを配置する二重パンタイプ、即ち浴槽の底を囲んで第2の防水パンを設置し、漏水した場合にはこの第2の防水パンにて受ける構造のものもあるが、大きなコストアップの原因となってしまうという問題がある。勿論、清掃等のメンテナンス上も問題となることは避けられない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上のような従来の技術に鑑みてなされたものであり、浴槽の側面に設置される各種の開口部近傍からの漏水が発生しても、これを浴槽システム系内にて処理する構造を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、洗い場を一体とした浴槽であって、前記洗い場の縁から立ち上げられ前記浴槽の前記洗い場側の側壁上端部にまで伸びると共に該側壁との間に空間を構成するエプロンの少なくとも一部を、該側壁の壁面に一体化させて一枚のパネル体を構成し、当該パネル体に各種部品を取り付けるための開口部を設けたことを特徴とする洗い場付き浴槽にかかるものである。また、洗い場を一体とした浴槽であって、該浴槽の前記洗い場側の側壁としてのパネル体を穿孔してパイプを接続し、該パイプを前記パネル体の壁面に沿わせてエプロン板で覆うと共に、前記洗い場の床面を前記パネル体の下端部まで延出させたことを特徴とする洗い場付き浴槽にかかるものである。
【0008】
更に具体的には、かかるパネル体が洗い場の立ち上がり縁部を兼ねていて、好ましくはこのパネル体がエプロン板にて覆われるものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の要旨は以上の通りであって、漏水の発生するおそれのある開口部をできるだけ浴槽と洗い場との境界となる一枚のパネル体に構成したものであり、このパネル体が洗い場の立ち上がり縁部を兼ねていることから万一かかる開口部から漏水があっても全て洗い場に流れることとなり、浴槽システム系より漏水が生ずることがなくなったものである。
【0010】
さて、ここで特定する一枚のパネル体は従来の洗い場付き浴槽の構造で言えば、エプロン部に相当するものであり、かかるエプロン部が一枚のパネルにて構成されて開口部を形成しやすくすると共に、このパネルが従来のエプロン部と同様に洗い場の立ち上がり縁部をなしていることから、この開口部からの漏水は全て洗い場側に流れ出ることになり、浴槽システム系外へ影響することなく、かつ漏水を目視することができるという特徴がある。勿論、追い焚き用の開口部をかかるエプロン部に形成することはこの開口部に給湯用の配管がなされることになるが、このように大きめの部品が装着される場合にはエプロン板をもってこれを覆ってしまえばよい。
【0011】
【実施例】
以下、本発明の洗い場付き浴槽を図面をもって更に説明する。図2は本発明の第1例を示す全体図であり、図3は本発明の第2例を示す全体図である。図4は第2例の変形例を示すものである。
【0012】
図中、符号1〜7は図1にて説明した通りでありここでは説明は省略する。さて、本発明の洗い場2付き浴槽1は浴槽1と洗い場2との境界の少なくとも一部を実質的に一枚のパネル体10としたものである。図2にあっては、両者の境界全てをこのパネル体10にて構成したものであり、図3はその中央部のみをパネル体10としたものである。尚、パネル体10の位置は図4に示すように右又は左に偏った構造のものであってもよい。
【0013】
かかるパネル体10の下部は図示するように洗い場2の立ち上がり縁部と共通しており、図2は浴槽1と洗い場2とが完全に一体化された例であり、図3、図4は従来の洗い場付き浴槽のエプロン部3は構成されているが、中央部或いは偏った位置でエプロン部が切り欠かれ、この切り欠かれた部位の浴槽1の側面がパネル体10にて構成された構造である。このパネル体10の下縁が洗い場2の立ち上がり縁部を構成するものである。
【0014】
さて、本発明にあって浴槽1の側面に各種部品を取り付ける開口部6を開けることとなるが、この開口部6をかかるパネル体10に特定するものである。図2にあっては、パネル体10の中央に排水栓の鎖の固定部に供される開口部6aを穿孔したものである。図3、図4にあっては追い焚き用開口部6b、6cをパネル体10に穿孔したものであり、ここには口金7が装着され、これに吸水・給湯用のパイプ8が接続され、これは図示しないボイラ−等に通じている。図5は開口部6b、6cにおける断面図であり、開口部6b、6cには口金7が装着され、これにパイプ8が接続されることになる。かかるパイプ8は図2の場合にはエプロン部3の内側を通って配置されるのが普通である。
【0015】
しかるにこれらの開口部6a〜6cにあって、万一漏水があっても、パネル体10より洗い場2側に漏れるものであって、これによって浴槽システム系外への漏水は全くなくなったものである。
【0016】
尚、上記したパネル体10には必要であればエプロン板20が任意の手段で嵌め込まれ、安全性の確保と共に見栄えを良くすることもできることは言うまでもない。尚、図中、21はエプロン板20の下部に備えた水抜き穴である。
【0017】
図6は本発明の更に他の例を示す図であり、浴槽1と洗い場2との間には従来のエプロン3にてほぼ構成されているが、開口部6を穿孔する部位近傍のみをパネル体10にて構成した例である。このように、パネル体10の位置は浴槽1と洗い場2との間に特定はされるが、その大きさや配置場所、更にはパネル体10の数等も任意に変えられることは勿論である。
【0018】
【発明の効果】
本発明の特徴は各種部品の取り付け用の開口部をパネル体に特定したことによってこれから漏水が発生しても洗い場側に漏れるだけであり、階下への漏水等の影響は全くなくなったもので、その実用性価値は高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は従来の洗い場付き浴槽を示す全体図である。
【図2】図2は本発明の第1例を示す全体図である。
【図3】図3は本発明の第2例を示す全体図である。
【図4】図4は本発明の第2例の変形例を示す全体図である。
【図5】図5は本発明の主要部の断面図である。
【図6】図6は本発明の第3例を示す全体図である。
【符号の説明】
1‥浴槽、
2‥洗い場、
3‥エプロン、
4‥排水トラップ、
5‥ドア、
6、6a、6b、6c‥開口部、
7‥口金、
8‥パイプ、
10‥パネル体、
20‥エプロン板、
21‥エプロン板の水抜き穴。
Claims (4)
- 洗い場を一体とした浴槽であって、前記洗い場の縁から立ち上げられ前記浴槽の前記洗い場側の側壁上端部にまで伸びると共に該側壁との間に空間を構成するエプロンの少なくとも一部を、該側壁の壁面に一体化させて一枚のパネル体を構成し、当該パネル体に各種部品を取り付けるための開口部を設けたことを特徴とする洗い場付き浴槽。
- 洗い場を一体とした浴槽であって、該浴槽の前記洗い場側の側壁としてのパネル体を穿孔してパイプを接続し、該パイプを前記パネル体の壁面に沿わせてエプロン板で覆うと共に、前記洗い場の床面を前記パネル体の下端部まで延出させたことを特徴とする洗い場付き浴槽。
- 前記パネル体が前記洗い場の立ち上がり縁部を兼ねる請求項1又は2記載の洗い場付き浴槽。
- 前記パネル体がエプロン板にて覆われる請求項1又は3記載の洗い場付き浴槽。
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