JP4414566B2 - 自動車のドアロック制御システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定の間隔で信号を送出する携帯器と、この携帯器から送出される前記信号に基づいて、自動車のドアロック機構に対して作動指令信号を出力する親器を備えた自動車のドアロック制御システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
使用者の手元にある携帯器が定期的に出力する出力信号を自動車のドアロック機構に繋がった親器で受信できるか否かにより自動車(車両)のドアの旋錠や解錠の制御を行うドアロック制御システム(「キーレスエントリー」と称されることもある)がある。
【0003】
一般的に、このようなシステムに用いられる携帯器はIDコードで変調された微弱な電波を一定の間隔で発信している。そして、親器では受信回路で受信したIDコードをデコーダーによって検出・照合し、このデコーダの出力を基に車両のドアロック機構をコントローラによって制御(ドアの旋錠/解錠)している。従って、ドアの鍵穴にマニュアル錠をさし込んで使用者が直にドアを旋錠/解錠しなくても携帯器を持ち歩くだけで、自動車に近づくと自動的にドアの解錠が行われ、自動車から離れると自動的に旋錠されるので便利である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来のシステムでは、以下に示す問題を有している。すなわち、携帯器からは、同期をとるためのプリアンブルや制御コード並びにその携帯器を特定するIDコードからなる個別コードが出力される。そして、受信した信号を復調し、IDコードを確認することにより、親器は受信した信号が対応する携帯器からの信号であることを認識できる。
【0005】
そして、携帯器からは常時同一の信号が同一の出力レベルで送信されているので、携帯器からの出力信号を親器で受信可能な距離は一定となる。つまり、携帯器が自動車に近づいていった際に受信開始する地点と、自動車から離れていった際に受信不能になる地点は、自動車の存在位置を基準とした場合の離反距離が等しくなる。
【0006】
一方、このようなドアロック制御システムの使い勝手を考慮すると、ドアロックの解錠(アンロック)は、実際にユーザが自動車のドアの前に接近し、ドアを開ける直前までに行えば良く、しかも、あまり遠い位置から解錠してしまうと、かえって無用心である。
【0007】
これに対し、一旦解錠した後施錠する場合には、複数の人が出入りしたり、荷物等を出し入れしたりする都合上、ある程度遠ざかった後に施錠するようにしたほうが良い。
【0008】
しかし、上記したように解錠位置と施錠位置は等距離となるので、一方の距離に合わせると他方の距離が十分でなくなり、両方の距離にとって最適な位置に設定することはできなかった。
【0009】
本発明は、上記した背景に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、上記した問題を解決し、ドアロックが解錠される地点と施錠される地点を異ならせることができ、使い勝手の良い自動車のドアロック制御システムを提供することにある。さらに、省電力効果も高くすることができることを副次的な目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本発明に係る自動車のドアロック制御システムでは、所定の間隔で出力信号を送出する携帯器と、この携帯器から送出される前記出力信号に基づき、自動車のドアロック機構に対して作動指令信号を出力する親器を備える。そして、前記携帯器は、データ長の長い第1のコードとデータ長の短い第2のコードを選択的に発生するコード発生手段と、前記コード発生手段で発生された前記第1または第2のコードを変調して前記出力信号として送信する送信手段とを設けた。さらに、前記親器が発する前記作動指令命令は、前記第1のコードに基づく出力信号の受信に基づいて発生される前記ドアを解錠するための命令と、前記携帯器からの前記出力信号を受信後、第2のコードに基づく出力信号を受信しなくなった際に発生される前記自動車のドアを施錠するための命令を含むように構成した。
【0011】
なお、上記した第1のコードに基づく出力信号の受信に基づいて発生される前記ドアを解錠するための命令の発生タイミングは、その出力信号の受信とともにすぐに行っても良いし、一定時間経過後でも良いし、さらには、その後に一定の条件を具備したときに初めて発生するようにしても良く、各種のタイミングを設定できる。
【0012】
データ長の長いコードほど、そのコードに基づく信号を受信(認識)できない確率が高くなる。従って、データ長の長い第1のコードに基づく出力信号を確実に親器側で受信できる距離は、データ長の短い第2のコードに基づく出力信号を確実に親器側で受信できる距離よりも短い。
【0013】
換言すると、携帯器(第1,第2のコードに基づく出力信号を所定の順で出力している)を持った状態で自動車に近づいていった場合には、まず第2のコードに基づく出力信号を受信し、さらにそれから一定距離近づいたときに第1のコードに基づく出力信号を受信する。一方、携帯器を持った状態で自動車から離れていった場合には、当初は第1,第2のコードに基づくいずれの出力信号も受信する。そして、まず第1のコードに基づく出力信号が受信できなくなり、さらにそれから一定距離だけ離れたときに第2のコードに基づく出力信号も受信できなくなる。
【0014】
従って、第1のコードに基づく出力信号の受信に基づいてドアロックの解錠を行い、第2のコードに基づく出力信号の受信不能に基づいてドアロックの施錠を行うことにより、解錠位置と施錠位置を異ならせることができる。つまり、自動車に比較的近い位置で解錠させ、自動車から比較的遠い位置で施錠させることができる。そして、第1のコードと第2のコードのデータ長の差が大きいほど、解錠位置と施錠位置の差を大きくすることができる。また、いずれのコードもデータ長が長いほど自動車(親器)に近い位置で解錠/施錠する。
【0015】
よって、ドアロックの解錠(アンロック)位置を自動車に近づけることにより、解錠してから実際に使用者が自動車に乗り込むまでの時間差が短くなり、安全性が高くなる。また、一旦解錠した後施錠する場合には、ある程度遠ざかった後に施錠することになるので、例えば複数の人が出入りしたり、荷物等を出し入れしたりする上で便利となる。
【0016】
また、データ長の短い第2のコードに基づく出力信号を発することにより、第1のコードに基づく出力信号のみを発する場合に比べて、送信時間が短くなり、携帯器の内部バッテリーの消費電力を抑え、長寿命化・省電力化が図れる。
【0017】
第1,第2のコードは、任意のデータを利用することができる。一例を挙げると、前記第1のコードは、携帯器を特定するIDコードを含むもので、前記第2のコードは前記IDコードを含まないようにすることができる。IDコードを含ませることにより、親器と対となっている携帯器からの信号であることを確認することも行える。
【0018】
また、前記ドアを解錠するための命令は、前記第1のコードに基づく出力信号を受信後、一定の条件に合致する前記出力信号をさらに受信した際に発せられるようにすることもできる。このように、第1のコードに基づく出力信号を受信してもすぐに解錠するのではなく、さらに一定の条件を合致した際に解錠するように構成すると、解錠する地点をさらに自動車に近づけることができ、安全性が高まる。
【0019】
そして、前記一定の条件は各種のものが適用できるが、一例を挙げると、前記第1のコードに基づく出力信号の受信した信号強度が、しきい値以上としたことがある。また、前記第1のコードに基づく出力信号を受信後に受信感度を低下させ、その低下させた受信感度の状態で前記第1のコードに基づく出力信号を受信することにしてもよい。さらに、それらを組み合わせたり、別の条件としても良い。
【0020】
さらにまた、前記第1のコードに基づく出力信号を受信後、少なくとも一定期間は前記第2のコードに基づく出力信号を受信した場合でも、前記第1のコードを受信したとみなして前記一定の条件の適否を判断するようにするとよい。すなわち、第1のコードと第2のコードを所定の順に送信した場合、第1のコードに基づく出力信号を送信後に、第2のコードに基づく出力信号が所定回数送信された場合には、次に第1のコードが受信されるまでは解錠することができなくなる。つまり、例えば携帯器を持った人が走って移動して来たり、第1のコードに基づく出力信号を通信エラーで認識できなかったり、その他の予期せぬ理由などによって自動車のドアの直前にきても一定の条件に合致する第1のコードが受信できないおそれがある。その場合には、次の第1のコードに基づく出力信号が送信されるのを待つか、マニュアル操作に基づく強制解錠命令を発する機能がある場合には、係る機能を操作したり、キー操作により解錠することになり、自動的に解錠されるというメリットがなくなる。
【0021】
そこで、第1のコードを受信後に第2のコードに基づく信号を受信した場合には、対応する携帯器からの信号の場合が多いと推定できる。しかも、通常であれば自動車に近づいてくるように移動しているので、既に第1のコードが受信できている以上第2のコードに基づく出力信号を受信した場合には、仮にその位置で第1のコードに基づく出力信号が出力された場合に親器側で受信できたと推定できる。よって、そのように推定して一定の条件に合致したか否かを判断することにより、第2のコードに基づく出力信号を発することによる解錠の遅れはなくなる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る自動車のドアロック制御システムの好適な実施の形態を説明する。図1に示すように、本システムは、所定の出力信号を送出する携帯器10と、自動車内の所定位置に設置され、前記出力信号の受信に基づいて自動車のドアロック装置の電気錠に対して解錠/施錠のための制御命令を送る親器20から構成される。
【0023】
携帯器10は、第1のコードたる個別コードと、第2のコードたる識別コードを選択的に発生するコード発生器11と、そのコード発生器11で発生された所定のコードを変調して出力信号としてアンテナ13を介して送信する送信器12と、それら送信器12並びにコード発生器11の動作を制御する送信制御部14とを備えている。
【0024】
図2に示すように、個別コードは、同期をとるためのプリアンブルと、制御コードからなるコード郡Aと、携帯器10を識別するためのIDコードからなるコード郡Bを組み合わせたコードである。また、識別コードは、コード郡Aのみからなるコードである。
【0025】
つまり、コード郡Aは、本発明が適用される制御システムで共通のコードであり、携帯器10から送信されたコード郡Aに基づく出力信号は、対とならない他の親器20でも受信し、正常な信号と認識されるものである。そして、コード郡Bが、対応付けられた対となる携帯器10と親器20とが保有する固有の情報であり、ある携帯器10から送信されたコード郡Bつまり個別コードに基づく出力信号は、対となる親器20でのみ正常な信号として処理される。
【0026】
また、個別コードは、識別コードにIDコード(コード郡B)を付加したものとも言える。よって、出力信号のデータ長(パルス幅)は、図2からも明らかなように、個別コードの方が長く、しかもIDコードが長いほどその差は顕著になる。
【0027】
さらに、送信制御部14は、図3に示すように、出力信号を間欠的に送信し、しかも、個別コードと識別コードを交互に送信する(コード発生器11が各コードを交互に発生させる)ように制御する。
【0028】
このように、間欠的に出力信号を送信することにより、携帯器10に内蔵するバッテリーの消費電力を抑え、省電力化を図っている。しかも、従来のこの種の携帯器からの出力信号は、毎回個別コードを出力するようにしていたが、本形態では、データ長の短い識別コードを間に送信することにより、実際の送信時間が短縮され、さらに消費電力を抑え、省電力化に伴う内部バッテリーの長寿命化が図れる。なお、図示の例では個別コードと識別コードに基づく出力信号を交互に送信するようにしたが、本発明はこれに限ることは無く、任意の順番で送信することができる。
【0029】
なおまた、図示省略するが、本形態では、マニュアル操作に基づく強制的なドアのロック(施錠)/アンロック(解錠)を行う機能も備えている。具体的には、携帯器10の表面に、マニュアル操作ボタンを設置し、そのボタンの押下に伴い、解錠命令信号或いは施錠命令信号を出力する。この命令信号は、例えば、制御コードを使って区別する。つまり、例えば制御コードを2バイト確保し、上記した所定間隔で送信する信号(オートモード)の場合には「00」、解除命令の場合(マニュアルモード)には「01」、施錠命令の場合(マニュアルモード)には「10」のようにすることにより対応できる。
【0030】
親器20は、図1に示すように、アンテナ21で受信した信号を、受信器22で復調した信号(携帯器10からの出力信号)をコード判定部23と信号強度判定部24に与える。コード判定部23は、受信した信号が、自己と対となる携帯器10が持つ個別コード(IDコード)を受信したと判定したならば、受信したIDをID記憶部26に一定期間記憶するとともに、受信したことをドア制御部27に伝える。また、識別コードを受信したことを判定すると、識別コードを受信したことをドア制御部27に与える(ID記憶部26には格納しない)。
【0031】
また、信号強度判定部24は、受信した信号強度を判定し、しきい値以上の場合には検出信号をドア制御部27に与える。従って、信号強度のみであるので、個別コードに基づく出力信号と、識別コードに基づく出力信号のいずれに対しても反応する。
【0032】
ドア制御部27は、信号強度判定部24から与えられる判定結果(受信信号強度)並びにコード判定部23から与えられる判定結果(IDコード:個別コードの受信)に基づき、対となる携帯器10からの出力信号の受信信号強度が、一定の値以上になったと判断した際に、解錠命令を発するようにしている。さらに、本形態では、一旦IDコードを認識すると、一定期間ID記憶部26に記憶し、その記憶している間に識別コードを受信した場合には、IDコードを認識したとみなすようにしている。つまり、コード判定部23から識別コードを受信した旨の信号が信号ドア制御部27に与えられた際に、IDコード記憶部26にIDコードが記憶されている場合には、それは個別コードの受信と認識して処理をし、IDコードが記憶されていない場合には、識別コードの受信と認識する。
【0033】
これにより、個別コードと個別コードの間に受信される識別コード(IDコードなし)に基づく出力信号を受信した場合でも、その受信した信号強度が一定以上の場合には解錠条件を合致したと判断し、解錠命令を発するようになる。すなわち、一度正規のIDコード(個別コード)を受信した場合には、次に受信した出力信号も同一の携帯器10から出力されたものの可能性が高いため、IDコードを受信したとみなすことにより、識別コードを送ることによる検出の遅れを解消するようにした。
【0034】
一方、施錠命令は、一定以上の受信信号強度の識別コードを受信できなくなった場合に出力するようにしている。つまり、一定期間以上連続してコード判定部23にて識別コードを認識できない場合には、ドア制御部27は施錠条件に合致したと判断し、施錠命令を出力するようにした。すなわち、乗車中並びに降車直後は、個別コードも所定間隔で受信されているので、自動車から離れていき、個別コードの受信範囲外になり、識別コードのみが受信されるようなことがあっても、その識別コードは、対となる携帯器10からの出力信号の可能性が極めて高い。よって、係る識別コードも受信できなくなると、携帯器10を持ったユーザは、所望の距離だけ自動車から離れたと判断でき、施錠する。
【0035】
このようにすると、図4に示すように、携帯器からの出力信号の受信範囲を自動車(親器)を中心に半径c(例えば5m)の範囲内とすると、当該範囲内が識別コードの検出範囲内となるので、その領域より外に携帯器が出た場合に施錠命令が発せられる。また、個別コード(IDコード)を確実に復調できる範囲は、上記した受信範囲よりも狭く自動車(親器)を中心に半径b(例えば3m)の範囲内となる。
【0036】
従って、個別コードの受信に基づいて解錠し、識別コードを受信しなくなることを条件に施錠するようにすると、解錠する地点と施錠する地点の自動車からの離反距離が異なる(解錠をより近い位置で行う)ようにすることができる。さらに、本形態のように、個別コードを受信し、しかも、一定のしきい値以上の信号の受信をもって解錠するようにすると、解錠条件を満たす領域は半径aの範囲内となり、さらに自動車からの離反距離を短くすることができる。そして、しきい値の設定を調整することにより、例えば1m以内(自動車のドアの直前位置)に接近した時に解錠させることもできる。
【0037】
なお、本発明では上記したような信号強度に基づく判定を必ずしも行わなくてもよい。つまり、図1に示す信号強度判定部24とID記憶部26を設けず、信号を受信していない状態或いは識別コードに基づく出力信号のみを受信している状態において、個別コードに基づく出力信号を受信した場合に、解錠命令を発するようにしても良い。
【0038】
また、信号強度に基づく判定を行う場合でも、必ずしもID記憶部26を設ける必要はない。すなわち、例えば個別コードを認識した場合に、実際にIDコードを格納するのではなく、タイマーを設け、個別コードを認識してから一定期間(例えば、次の個別コードを受信するまでの期間)は、識別コードに基づく出力信号を受信しても個別コードを受信したとして各種の処理を行うようにしても良い。なお、これを実現するためには、例えば、コード判定部23の判定結果自体を「個別コードを受信」として出力しても良いし、ドア制御部27側の判定アルゴリズムにおいて、一定期間は識別コード受信の通知を受けても個別コードを受信したとして解除条件の適否を判断するようにしてもよい。
【0039】
図5は、本発明に係る自動車のドアロック制御システムの第2の実施の形態を示している。本実施の形態では、親器20の構成が上記した第1の実施の形態と一部異なる。つまり、信号強度判定部24を設けず、替わりに感度制御部25を設け、受信器22の受信感度を変更可能とした。
【0040】
すなわち、この感度制御部25は、受信器22の受信感度を通常感度モードと低感度モードの2段階に切り替えることができ、コード判定部23にて個別コードを受信した場合に、一定期間低感度モードに切り替えるように動作する。また、感度制御部25は、現在の受信器22の受信感度がいずれのモードになっているかをドア制御部27に伝える機能も持っている。
【0041】
そして、ドア制御部27は、低感度モードのときにコード判定部23が個別コードを受信したと判定した場合に解錠命令を出力するように制御する。また、本形態においてもID記憶部26を備え、ID記憶部26にIDコードが記憶されている間に識別コードを受信した場合にもドア制御部27は解錠命令を出力するようにしている。
【0042】
一方、施錠命令は、第1の実施の形態と同様に識別コードに基づく出力信号が受信できなくなった場合に発するようにしている。この場合に、好ましくは、解錠命令を発した後、施錠命令を発するまでの間は、感度切り替えを行わないようにすることである。
【0043】
なお、その他の構成並びに作用効果は、上記した第1の実施の形態並びにその変形例と同様であるので、同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。また、具体的な図示は省略するが、第1の実施の形態と第2の実施の形態を組み合わせて構成してももちろんよい。つまり、感度切り替えと信号強度による判定の両方の機能を搭載しても良い。
【0044】
また、上記した各実施の形態では、IDコード付きの個別コードとIDコード無しの識別コードを用いたが、データ長が異なるコードであれば、その組み合わせに限ることはなく、両方のコードともIDコード無しとしたり、或いは、両方ともIDコードを付してもよい。
【0045】
【発明の効果】
上記したように、本発明に係る自動車のドアロック制御システムでは、異なるデータ長からなる第1,第2のコードに基づく各出力信号を所定の順で携帯器から送信し、親器側では、データ長の長い第1のコードに基づく出力信号(受信可能領域が狭い)の受信に基づいて解錠命令を発し、データ長の短い第2のコードに基づく出力信号(受信可能領域が広い)の受信ができなくなったことに基づいて施錠命令を発するようにしたため、解錠命令は自動車(親器)に比較的近づいてから発せられ、施錠命令は自動車(親器)から比較的遠ざかってから発せられるようになる。よって、ドアロックが解錠される地点と施錠される地点を異ならせることができ、使い勝手の良い自動車のドアロック制御システムを構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自動車のドアロック制御システムの第1の実施の形態を示すブロック図である。
【図2】個別コードと識別コードを説明する図である。
【図3】携帯器から発せられる出力信号の一例を示す波形図である。
【図4】作用を説明する図である。
【図5】本発明に係る自動車のドアロック制御システムの第2の実施の形態を示すブロック図である。
【符号の説明】
10 携帯器
11 コード発生器
12 送信器
13 アンテナ
14 送信制御部
20 親器
21 アンテナ
22 受信器
23 コード判定部
24 信号強度判定部
25 感度制御部
26 ID記憶部
27 ドア制御部

Claims (6)

  1. 所定の間隔で出力信号を送出する携帯器と、
    この携帯器から送出される前記出力信号に基づき、自動車のドアロック機構に対して作動指令信号を出力する親器を備え、
    前記携帯器は、データ長の長い第1のコードとデータ長の短い第2のコードを選択的に発生するコード発生手段と、
    前記コード発生手段で発生された前記第1または第2のコードを変調して前記出力信号として送信する送信手段とを有し、
    前記親器が発する前記作動指令命令は、前記第1のコードに基づく出力信号の受信に基づいて発生される前記ドアを解錠するための命令と、前記携帯器からの前記出力信号を受信後、第2のコードに基づく出力信号を受信しなくなった際に発生される前記自動車のドアを施錠するための命令を含むことを特徴とする自動車のドアロック制御システム。
  2. 前記第1のコードは、携帯器を特定するIDコードを含むもので、前記第2のコードは前記IDコードを含まないようにしたことを特徴とする請求項1に記載の自動車のドアロック制御システム。
  3. 前記ドアを解錠するための命令は、前記第1のコードに基づく出力信号を受信後、一定の条件に合致する前記出力信号をさらに受信した際に発せられるようにしたことを特徴とする請求項1または2に記載の自動車のドアロック制御システム。
  4. 前記一定の条件は、前記第1のコードに基づく出力信号の受信した信号強度がしきい値以上としたことを特徴とする請求項3に記載の自動車のドアロック制御システム。
  5. 前記一定の条件は、前記第1のコードに基づく出力信号を受信後に受信感度を低下させ、その低下させた受信感度の状態で前記第1のコードに基づく出力信号を受信することとしたことを特徴とする請求項3に記載の自動車のドアロック制御システム。
  6. 前記第1のコードに基づく出力信号を受信後、少なくとも一定期間は前記第2のコードに基づく出力信号を受信した場合でも、前記第1のコードを受信したとみなして前記一定の条件の適否を判断するようにしたことを特徴とする請求項4または5に記載の自動車のドアロック制御システム。
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