JP4413723B2 - メモリ交差制御装置およびディスクコピー方法 - Google Patents
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Description
図9に示したデュプレックスシステムは、全く同一の構成要素から形成された二つのコンピュータシステム4101,4102から構成されている。
図9に示したコンピュータシステム4101,4102において、CPU4111,4112とメモリ4121,4122およびメモリ交差制御装置4131,4132とは、メモリバスを介して互いに接続されている。このメモリバスは、内部バスインタフェース(内部バスI/F)4141,4142を介して内部バスに接続されており、この内部バスには、ディスクコントローラ4151,4152が接続されている。更に、この内部バスは、システムバスインタフェース(システムバスI/F)4161,4162を介してシステムバスに接続されており、このシステムバスには、様々な入出力装置(図9においては、一つの入出力装置4171,4172のみを示した)とバス交差制御装置4181,4182が接続されている。
図10に、従来のメモリ交差制御装置の詳細構成を示す。
図10に示したコンピュータシステム4101が運用系である場合に、運用系のメモリ交差制御装置4131に備えられた二重書込制御部4221は、メモリバスインタフェース(メモリバスI/F)4211を介してCPU4111によるメモリ4121へのアクセスを監視し、メモリ4121にデータが書き込まれる際に、メモリバスに出力されるデータをデータバッファ4231に取り込み、交差バスインタフェース(交差バスI/F)4251を介して交差バスに送出する。
このような転送シーケンスを繰り返すことにより、従来のデュプレックスシステムにおける運用系のディスク4191から予備系のディスク4192へのディスクコピーが、システム交差バスを経由して実現されていた。
旧来のコンピュータシステムにおいては、ディスクコントローラは、CPUとメモリおよびメモリ交差制御装置から形成されたユニットとは独立したユニットとして、他の入出力装置とともにシステムバスに接続されるのが一般的であった。
このため、ディスク4191のデータをディスク4192にコピーする際のデータの経路は、CPU4111がダウンしている可能性を考慮して、両コンピュータシステム4101,4102に備えられたシステムバスを相互に接続するシステム交差バスを経由する経路が選択されていたのである。
本発明にかかわる第1のメモリ交差制御装置の原理は、以下の通りである。
デュプレックスシステムを構成する二つのコンピュータシステムにそれぞれ備えられているCPU、メモリ、ディスクコントローラを内部バスで接続した構成を含む回路ユニットに備えられるメモリ交差制御装置であって、前記内部バスに接続されるとともに、対向する回路ユニットに備えられたメモリ交差制御装置にメモリ交差バスを介して接続されるメモリ交差制御装置において、二重書込処理手段は、運用系のメモリへのアクセスを監視し、メモリ交差バスを介して、運用系のメモリへの書込内容を予備系のメモリに書き込む。比較データレジスタは、運用系の前記CPUから二重書込処理の完了を検出するための比較データを受け付けて保持する。比較器は、比較データレジスタへの比較データの設定に応じて動作を開始し、二重書込処理手段によって予備系のメモリに二重書きされる情報と比較データとを比較して、二重書きされる情報の末尾を検出する。通知手段は、比較器による検出結果に応じて二重書き処理の完了を運用系のCPUに通知する。
例えば、デュプレックスシステムの立ち上げ時に、運用系のディスクから予備系のディスクへのディスクコピーを実行する際に、運用系のCPUはメモリ交差制御装置に検出指示を入力し、比較データレジスタに比較データを設定することにより、比較器による比較動作を起動する。その後、運用系のディスクコントローラを介して運用系のディスクの記録内容がメモリに書き込まれるごとに、メモリ交差制御装置に備えられる二重書込処理手段により、同一の内容が予備系のメモリに二重書きされる。比較器は、二重書きされる情報と比較データとを比較することにより、運用系のディスクコントローラからメモリへの転送単位ごとに、あるいは、複数の転送単位ごとに、その末尾を検出する。そして、通知手段は、上述した比較器により二重が記されるデータの末尾を検出した旨の比較結果が得られたときに、運用系のCPUに二重書き処理の完了を通知することにより、ディスクコピーの際に、予備系のメモリにデータが書き込まれたことを確認させることができる。
本発明にかかわる第2のメモリ交差制御装置の原理は、以下の通りである。
例えば、運用系のディスクから予備系のディスクへのディスクコピーに先立って、運用系のCPUは、運用系のディスクコントローラから運用系のメモリへの転送単位の末尾(あるいは複数の転送単位の末尾若しくは、ディスクの記録内容全体の末尾)を示す情報を受け取り、この情報を含む検出指示をメモリ交差制御装置に入力する。この情報は、運用系のCPUに対応する回路ユニットに備えられた検出情報抽出手段によって抽出され、検出情報保持手段に渡され保持される。このようにして検出情報保持手段に保持された検出情報と、データ転送手段によってメモリ交差バスに出力されるデータとは、照合手段によって照合される。そして、両者が一致したときに、この照合手段により、二重書きされるデータの末尾を検出した旨の検出結果が出力され、これに応じて、通知手段によって運用系のCPUに返される通知により、運用系のメモリ交差制御装置をデータの末尾が通過したことを確認できる。
本発明にかかわる第3のメモリ交差制御装置の原理は、以下の通りである。
上述した第2のメモリ交差制御装置と同様にして、運用系のCPUに対応する回路ユニット内の検出情報保持手段に検出情報が保持され、データ転送手段によってメモリ交差バスに出力されるデータとこの検出情報とが照合手段によって照合される。そして、検出情報と一致するデータがメモリ交差バスに出力されたときに、マーク追加手段によって、二重書きされるデータの末尾に上述したマークが追加される。このマークを、マーク検出手段によって検出したときに、検出結果出力手段により、データの末尾を検出した旨の検出結果を出力し、この検出結果に応じて通知手段が動作することにより、メモリ交差制御装置を形成する予備系の回路ユニットで転送対象のデータの受信が完了したことを確認できる。
本発明にかかわる第4のメモリ交差制御装置の原理は、以下の通りである。
例えば、運用系のディスクから予備系のディスクへのディスクコピーの際に、運用系のディスクコントローラから通知されるデータ転送の完了通知に応じて、運用系のCPUは、メモリ交差制御装置の管理下にある特定のアドレスを指定して、そのアドレスの内容の読み出しを要求する。ここで、上述したデータ転送の完了通知は、ディスクコントローラが、予め決定された量のデータを転送するごとにあるいはディスクの記録内容の全てを転送した後に、CPUにデータ転送の完了を通知するものである。
また、この検出結果に応じて、通知手段に備えられた完了通知手段が、上述した読出要求に対応する処理を実行することにより、あたかも、上述した読出要求に対応する処理であるかのようにして、運用系のCPUに二重書き処理の完了を通知することができる。
本発明にかかわる第5のメモリ交差制御装置の原理は、以下の通りである。
デュプレックスシステムを構成する二つのコンピュータシステムにそれぞれ備えられているCPU、メモリ、ディスクコントローラを内部バスで接続した構成を含む回路ユニットに備えられるメモリ交差制御装置であって、内部バスに接続されるとともに、対向する回路ユニットに備えられたメモリ交差制御装置にメモリ交差バスを介して接続されるメモリ交差制御装置において、二重書込処理手段は、運用系のメモリへのアクセスを監視し、メモリ交差バスを介して、運用系のメモリへの書込内容を予備系のメモリに書き込む。送信バッファは、運用系のCPUに対応して備えられた回路ユニットに配置され、運用系のディスクコントローラからアクセス可能であって、運用系のディスクコントローラから受け取ったデータをメモリ交差バスに送出する。受信バッファは、予備系のCPUに対応して備えられた回路ユニットに配置され、予備系のディスクコントローラからの要求に応じて、メモリ交差バスを介して受け取ったデータを予備系のディスクコントローラに送出する。第1の転送管理手段は、運用系のディスクコントローラから送信バッファへのデータ転送を管理する。第2の転送管理手段は、受信バッファから予備系のディスクコントローラへのデータ転送を管理する。
運用系のディスクから予備系のディスクへのディスクコピーの際に、運用系のディスクコントローラが、例えば、所定の転送単位ごとに、第1の転送管理手段を介して送信バッファにデータを書き込むと、このデータは、メモリ交差バスを介して予備系側の受信バッファに転送される。このようにして受信バッファに保持されたデータは、予備系のディスクコントローラからの読出要求に応じて、第2の転送管理手段を介してこの予備系のディスクコントローラに渡され、予備系のディスクへの記録処理に供される。
本発明にかかわる第1のディスクコピー方法の原理は、以下の通りである。
上述した第1のメモリ交差制御装置を有するデュプレックスシステムに備えられた運用系のディスクの記録内容を予備系のディスクにコピーするためのディスクコピー方法において、転送指示ステップにおいて、運用系のCPUは、運用系のディスクコントローラに、運用系のディスクの記録内容を運用系のメモリに転送する旨を指示する。検出指示ステップにおいて、運用系のCPUは、メモリ交差制御装置に対して、運用系のディスクコントローラから運用系のメモリに所定の転送単位のデータが転送されるごとに、転送データの末尾に対応する比較データを比較データレジスタへの設定に供する。確認ステップにおいて、運用系のCPUは、メモリ交差制御装置の通知手段からの通知が設定される結果表示レジスタを参照し、二重書き処理の完了を示す通知が結果表示レジスタに設定されたときに、運用系のメモリに転送単位のデータをコピーする動作が完了したことを確認する。読込指示ステップにおいて、運用系のCPUは、コピーの完了を確認した後に、予備系のディスクコントローラに、メモリ交差制御装置によって予備系のメモリに書き込まれるデータを読み出して予備系のディスクに記録する旨を指示する。
転送指示ステップにおいて、運用系のCPUは、運用系のディスクコントローラにディスクコピー動作を起動して、運用系のディスクコントローラから運用系のメモリに所定の量のデータを転送させるとともに、検出指示ステップを実行し、メモリ交差制御装置による二重書き処理の完了を検出させる。そして、この検出結果を示す通知に応じて、運用系のCPUは、運用系のディスクコントローラがメモリに書き込んだデータが、予備系のメモリに転送されたことを確認し、その後、読み込み指示ステップにおいて、予備系のディスクコントローラに予備系のメモリからの読み込み処理を指示して、予備系のディスクに書き込ませる。この動作を繰り返すことにより、メモリ交差制御装置に備えられた二重書込処理手段の機能を利用して、運用系のディスクに記録されたデータを予備系のディスクにすばやくコピーすることができる。
本発明にかかわる第2のディスクコピー方法の原理は、以下の通りである。
上述した第5のメモリ交差制御装置を有するデュプレックスシステムに備えられた運用系のディスクの記録内容を予備系のディスクにコピーするためのディスクコピー方法において、転送指示ステップにおいて、運用系のCPUは、運用系のディスクコントローラに、運用系のディスクの記録内容をメモリ交差制御装置に備えられた送信バッファに転送する旨を指示する。転送指示に応じて、運用系のディスクコントローラは、転送ステップにおいて、第1の転送管理手段による管理の下で運用系のディスクに記録されたデータを送信バッファに転送する。読込指示ステップにおいて、運用系のCPUは、予備系のディスクコントローラに、メモリ交差制御装置に備えられた受信バッファに保持されたデータを読み出して予備系のディスクに記録する旨を指示する。読込ステップにおいて、予備系のディスクコントローラは、第2の転送管理手段による管理の下で受信バッファに保持されたデータを読み込んで予備系のディスクに書き込む。
転送指示ステップにおいて、運用系のCPUから運用系のディスクコントローラにデータの転送先としてメモリ交差制御装置内の送信バッファが指定され、また、読込指示ステップにおいて、現用のCPUから予備系のディスクコントローラにデータの読込元としてメモリ交差制御装置内の受信バッファが指定される。したがって、運用系のディスクコントローラが運用系のディスクから読み出したデータは、転送ステップにおいて順次に送信バッファに転送され、更に、この送信バッファからメモリ交差バスを介して受信バッファに転送され、読込ステップにおいて、予備系のディスクコントローラによって予備系のディスクに書き込まれる。
そして、このようなディスクコピーの時間短縮を実現したことにより、デュプレックスシステムの立ち上げに要する時間を大幅に短縮し、デュプレックスシステムの運用をすばやく開始することができるので、デュプレックスシステムの運用管理の上でも大きな寄与が期待できる。
〔第1の実施形態〕
図1に、本発明にかかわる第2のメモリ交差制御装置の実施形態を示す。
図1において、デュプレックスシステムを構成する2つのコンピュータシステム(図示せず)に備えられる2つのメモリ交差制御装置2101,2102は、同等の構成要素を備えて形成される。
図1に示したメモリ交差制御装置2101において、二重書込処理部2011は、二重書込制御部4221、データバッファ4231およびメモリアクセス制御部4241から形成されており、メモリ交差制御装置2101の本来の機能である二重書き機能、すなわち、運用系のメモリに書き込まれたデータを予備系のメモリに書き込む機能を実現している。
上述した比較データレジスタ214および結果表示レジスタ216には、それぞれCPU4111からアクセス可能なアドレスが与えられている。
図2に、ディスクコピーにかかわる転送シーケンスを説明する図を示す。
まず、運用系のCPU4111(図2においては、符号CPU1で示す)は、コピー対象のデータの末尾を示す検出情報を運用系のメモリ交差制御装置2101(図2においては、メモリ交差制御装置1として示す)に入力し、比較データレジスタ214にこの検出情報を比較データとして設定させる。また一方、運用系のCPU4111は、運用系のディスクコントローラ4151(図2において、符号DKC1で示す)に起動指示を入力し、これに応じて、運用系のディスクコントローラ4151により、対応する運用系のディスク4191の記録内容が、運用系のコンピュータシステムの内部バス、内部バスインタフェース4141(図2において、内部バスI/F1として示す)およびメモリバスを経由する経路を利用して、運用系のメモリ4121(図2において、メモリ1で示す)にバースト書込みされる。
そして、上述したようにして比較データレジスタ214に設定された検出情報に一致するデータが、図1に示したデータバッファ4231を通過して交差バスインタフェース4251に渡されたときに、比較器213から出力される比較結果に応じて、レジスタ設定部215により、結果表示レジスタ216に完了通知が設定される(図2参照)。
この場合は、予備系のディスクコントローラ4152は、予備系の内部バス、内部バスインタフェース4142(図2において、内部バスI/F2として示す)およびメモリバスを経由する経路を利用して、予備系のメモリ4122に読出要求を送出する。そして、このメモリ4122からバースト読出処理によって読み出されたデータは、上述した経路を逆に辿って、予備系のディスクコントローラ4152に到達し、予備系のディスク4192に書き込まれる。
このような転送シーケンスを繰り返すことによってディスクコピーを実行すれば、従来方式のディスクコピーに要していた時間にくらべて極めて短い時間でディスクコピーを完了することができる。
TR1=2×(T1+2×T2+2×T3)+T4+T5 ・・・(1)
一方、図2に示した本発明にかかわる転送シーケンスにおいて、符号Aで示した転送処理に要する時間TR2は式(2)のように表される。
例えば、時間T1、T2、T3、T4をそれぞれ100ns,時間T4を240nsとすれば、従来の転送シーケンスに要する時間TR1は1340nsであるのに対して、本発明にかかわる転送シーケンスに要する時間は540nsとなる。
〔第2の実施形態〕
次に、転送対象のデータが予備系のメモリ交差制御装置を通過したことを確認する方法について説明する。
なお、図3に示す構成要素のうち、図1に示した各部と同等のものについては、図1に示した符号を付して示し、その説明を省略する。
図3においては、運用系のメモリ交差制御装置2101と予備系のメモリ交差制御装置2102とにおいて、それぞれ特徴的に動作する構成要素を図3に示し、その他の要素の図示は省略した。当然ながら、図3に示したメモリ交差制御装置2101,2102は、同等の構成要素から構成されている。
この検出通知が運用系のメモリ交差制御装置2101に備えられたメモリ交差バスインタフェース4251に到達したときに、検出通知受付部223は、結果表示レジスタ216に二重書込処理が完了した旨の完了通知を設定する。
次に、図3に示したメモリ交差制御装置を用いたデュプレックスシステムにおいて、運用系のディスク4191から予備系のディスク4192へのディスクコピーを実現する方法について説明する。
図2に示した転送シーケンスと同様に、運用系のCPU4111(図4において、符号CPU1として示す)によって、運用系のディスクコントローラ4151(図4において、符号DKC1として示す)への起動指示の入力が行われ、運用系のディスクコントローラ4151による運用系のメモリ4121(図4において、メモリ1として示す)へのバースト書込に応じて、メモリ交差制御装置2101,2102(図4において、それぞれメモリ交差制御装置1、2として示す)による二重書込処理が行われる。
このようにして、転送対象のデータが予備系のメモリ交差制御装置2102を通過したことを確認した後に、運用系のCPU4111は、図2に示した転送シーケンスと同様にして、予備系のディスクコントローラ4152(図4において、符号DKC2として示す)に起動指示を入力し、同様の読出処理を開始させる。
〔第3の実施形態〕
以上で説明した2つの実施形態では、運用系のCPU4111は、運用系のディスクコントローラ4151への起動指示に先立って、転送される記録内容の末尾を示す検出情報を運用系のメモリ交差制御装置2101の比較データレジスタ214に設定しておく必要があった。このためには、運用系のCPU4111は、各転送シーケンスで転送されるデータの末尾を意識する必要があるため、処理が若干煩雑となる可能性がある。
図5に、本発明にかかわる第4のメモリ交差制御装置の実施形態を示す。
なお、図5に示す構成要素のうち、図1に示した各部と同等のものについては、図1に示した符号を付して示し、その説明を省略する。
図5に示した運用系のメモリ交差制御装置2101に備えられたメモリバスインタフェース2311において、命令転送部232は、運用系のCPU4111からの結果表示レジスタ216に対する読出命令を検出し、これをその場で処理する代わりに二重書込処理部201に転送する。
また、図5に示した運用系のメモリ交差制御装置2101に備えられた読出命令受付部234は、上述したようにして予備系のメモリ交差制御装置2102から折り返された読出命令が交差バスインタフェース4251に到達したときに、この読出命令を実行し、結果表示レジスタ216の内容をメモリバスインタフェース2311を介して運用系のCPU4111に返させる。
図6に、ディスクコピーにかかわる転送シーケンスを説明する図を示す。
図2に示した転送シーケンスと同様に、運用系のCPU4111(図6において、符号CPU1として示す)によって、運用系のディスクコントローラ4151(図6において、符号DKC1として示す)への起動指示の入力が行われ、運用系のディスクコントローラ4151による運用系のメモリ4121(図6において、メモリ1として示す)へのバースト書込に応じて、メモリ交差制御装置2101,2102(図6において、それぞれメモリ交差制御装置1、2として示す)による二重書込処理が行われる。
この読出命令は、運用系のメモリ交差制御装置2101において、上述したようにして検出され、この時点で解決される代わりに、予備系のメモリ交差制御装置2102に転送される。
例えば、この結果表示レジスタ216に予め完了通知を示すビットパターンを保持させておけば、上述したようにして、この結果表示レジスタ216に対する読出命令を一旦予備系のメモリ交差制御装置2102において折り返してから処理することにより、転送対象のデータが予備系のメモリ交差制御装置2102を確実に通過したことを示す完了通知として運用系のCPU4111に返すことができる。
〔第4の実施形態〕
次に、メモリ交差制御装置の本来の機能である二重書き処理とは独立に、ディスクコピーを実現する方法について説明する。
なお、図7に示す構成要素のうち、図10に示した各部と同等のものについては、図10に示した符号を付して示し、その説明を省略する。
図7に示したメモリ交差制御装置2101,2102は、二重書込処理部2011,2012にそれぞれ備えられたデータバッファ(図示せず)の他に、送信バッファ2411,2412および受信バッファ2421,2422を備えて構成されている。
なお、図7においては、運用系のコンピュータシステム4101に備えられたディスクコントローラ4151に対応するディスク(図示せず)から予備系のコンピュータシステム4102に備えられたディスクコントローラ4152に対応するディスク(図示せず)へのディスクコピーにおけるデータの経路を矢印で示した。また、このときに、動作しない構成要素については、それぞれ図7において網掛けを付して示した。
運用系のCPU4111(図8において、符号CPU1として示す)は、図8に示した運用系のディスクコントローラ4151(図8において、符号DKC1として示す)への起動指示において、ディスク(図示せず)の記録内容の転送先として、運用系のメモリ交差制御装置2101(図8において、メモリ交差制御装置1として示す)の送信バッファ(図7に示した2411)を指定する。
この場合は、予備系のディスクコントローラ4152は、予備系の内部バス、内部バスインタフェース4142(図8において、内部バスI/F2として示す)およびメモリバスを経由する経路を利用して、予備系のメモリ交差制御装置2102に備えられた受信バッファ2422に読出要求を送出する。そして、この受信バッファ2422からバースト読出処理によって読み出されたデータは、上述した経路を逆に辿って、予備系のディスクコントローラ4152に到達し、予備系のディスク(図示せず)に書き込まれる。
このような転送シーケンスを繰り返すことによってディスクコピーを実行すれば、従来方式のディスクコピーに要していた時間にくらべて極めて短い時間でディスクコピーを完了することができる。
(付記1) デュプレックスシステムを構成する二つのコンピュータシステムにそれぞれ備えられているCPU、メモリ、ディスクコントローラを内部バスで接続した構成を含む回路ユニットに備えられるメモリ交差制御装置であって、前記内部バスに接続されるとともに、対向する回路ユニットに備えられたメモリ交差制御装置にメモリ交差バスを介して接続されるメモリ交差制御装置において、
運用系の前記メモリへのアクセスを監視し、前記メモリ交差バスを介して、前記運用系のメモリへの書込内容を予備系の前記メモリに書き込む二重書込処理手段と、
運用系の前記CPUから二重書込処理の完了を検出するための比較データを受け付けて保持する比較データレジスタと、
前記比較データレジスタへの比較データの設定に応じて動作を開始し、前記二重書込処理手段によって前記予備系のメモリに二重書きされる情報と前記比較データとを比較して、前記二重書きされる情報の末尾を検出する比較器と、
前記比較器による検出結果に応じて二重書き処理の完了を前記運用系のCPUに通知する通知手段と
を備えたことを特徴とするメモリ交差制御装置。
運用系のメモリへのアクセスを監視し、前記メモリ交差バスを介して、前記運用系のメモリへの書込内容を予備系のメモリに書き込む二重書込処理手段であって、回路ユニットが運用系であるときに、前記運用系のメモリに書き込まれたデータを前記メモリ交差バスに出力するデータ転送手段と、回路ユニットが予備系であるときに、運用系のメモリ交差制御装置のデータ転送手段によって前記メモリ交差バスに出力されたデータを受信し、前記予備系のメモリに書き込むデータ書込手段とを有する二重書込み処理手段と、
前記予備系のメモリに二重書きされるデータの末尾を示す検出情報を検出指示の一部として受け取る検出情報抽出手段と、
前記検出情報抽出手段から検出情報を受け取って保持する検出情報保持手段と、
前記データ転送手段によってメモリ交差バスに出力されるデータと前記検出情報保持手段に保持された検出情報とを照合する照合手段と、
前記照合手段によって、一致した旨の照合結果が得られたときにデータの末尾を検出した旨の検出結果を出力する検出結果出力手段と、
データの末尾を検出した旨の検出結果が得られたときに、二重書き処理の完了を運用系のCPUに通知する通知手段と
を備えたことを特徴とするメモリ交差制御装置。
運用系のメモリへのアクセスを監視し、前記メモリ交差バスを介して、前記運用系のメモリへの書込内容を予備系のメモリに書き込む二重書込処理手段であって、回路ユニットが運用系であるときに、前記運用系のメモリに書き込まれたデータを前記メモリ交差バスに出力するデータ転送手段と、回路ユニットが予備系であるときに、運用系のメモリ交差制御装置のデータ転送手段によって前記メモリ交差バスに出力されたデータを受信し、前記予備系のメモリに書き込むデータ書込手段とを有する二重書込み処理手段と、
回路ユニットが運用系であるときに、前記予備系のメモリへの二重書きの対象となるデータの末尾を示す検出情報を検出指示の一部として受け取る検出情報抽出手段と、
回路ユニットが運用系であるときに、前記検出情報抽出手段から検出情報を受け取って保持する検出情報保持手段と、
回路ユニットが運用系であるときに、前記データ転送手段によって前記メモリ交差バスに出力されるデータと前記検出情報保持手段に保持された検出情報とを照合する照合手段と、
回路ユニットが運用系であるときに、前記照合手段によって一致した旨の照合結果が得られたときに、前記メモリ交差バスに特定のビットパターンを有するマークを出力して、データの末尾に前記マークを追加するマーク追加手段と、
回路ユニットが予備系であるときに、前記データ書込手段によって予備系のメモリに書き込まれるデータを監視し、前記マークを検出するマーク検出手段と、
回路ユニットが予備系であるときに、前記マーク検出手段によってマークが検出されたときに、データの末尾を検出した旨の検出結果を出力する検出結果出力手段と
を備えたことを特徴とするメモリ交差制御装置。
運用系のメモリへのアクセスを監視し、前記メモリ交差バスを介して、前記運用系のメモリへの書込内容を予備系のメモリに書き込む二重書込処理手段であって、回路ユニットが運用系であるときに、前記運用系のメモリに書き込まれたデータを前記メモリ交差バスに出力するデータ転送手段と、回路ユニットが予備系であるときに、運用系のメモリ交差制御装置のデータ転送手段によって前記メモリ交差バスに出力されたデータを受信し、前記予備系のメモリに書き込むデータ書込手段とを有する二重書込み処理手段と、
回路ユニットが運用系であるときに、運用系のCPUからの特定アドレスを指定した読出要求を検出指示として受け取る読出要求受付手段と、
回路ユニットが運用系であるときに、前記特定アドレスを指定した読出要求を、前記予備系のメモリに二重書きされるデータの末尾を示す検出情報として受け取り、前記データ転送手段に渡して、前記メモリ交差バスに出力させる検出情報転送手段と、
回路ユニットが予備系であるときに、前記データ書込手段を通過するデータを監視し、検出情報である読出要求を検出する読出要求検出手段と、
回路ユニットが予備系であるときに、前記読出要求検出手段によって読出要求が検出されたときに、データの末尾を検出した旨の検出結果を出力する検出結果出力手段と、
回路ユニットが運用系であるときに、データの末尾を検出した旨の検出結果に応じて、前記特定のアドレスを指定した読出要求に対する応答として二重書き処理が完了した旨の完了通知を出力する完了通知出力手段と
を備えたことを特徴とする付記1に記載のメモリ交差制御装置。
運用系のメモリへのアクセスを監視し、メモリ交差バスを介して、運用系のメモリへの書込内容を予備系のメモリに書き込む二重書込処理手段と、
運用系のCPUに対応して備えられた回路ユニットに配置され、運用系のディスクコントローラからアクセス可能であって、運用系のディスクコントローラから受け取ったデータをメモリ交差バスに送出する送信バッファと、
予備系のCPUに対応して備えられた回路ユニットに配置され、予備系のディスクコントローラからの要求に応じて、メモリ交差バスを介して受け取ったデータを予備系のディスクコントローラに送出する受信バッファと、
運用系のディスクコントローラから送信バッファへのデータ転送を管理する第1の転送
管理手段と、
受信バッファから予備系のディスクコントローラへのデータ転送を管理する第2の転送管理手段と、
を備えたことを特徴とするメモリ交差制御装置。
運用系のCPUは、運用系のディスクコントローラに、運用系のディスクの記録内容を運用系のメモリに転送する旨を指示する転送指示ステップを実行するとともに、
前記運用系のCPUは、前記メモリ交差制御装置に対して、前記運用系のディスクコントローラから前記運用系のメモリに所定の転送単位のデータが転送されるごとに、前記転送データの末尾に対応する比較データを前記比較データレジスタへの設定に供する検出指示ステップを実行し、
前記運用系のCPUは、前記メモリ交差制御装置の通知手段からの通知が設定される結果表示レジスタを参照し、二重書き処理の完了を示す通知が前記結果表示レジスタに設定されたときに、前記運用系のメモリに前記転送単位のデータをコピーする動作が完了したことを確認する確認ステップを実行し、
運用系のCPUは、コピーの完了を確認した後に、予備系のディスクコントローラに、メモリ交差制御装置によって予備系のメモリに書き込まれるデータを読み出して予備系のディスクに記録する旨を指示する読込指示ステップを実行する
ことを特徴とするディスクコピー方法。
運用系のCPUは、運用系のディスクコントローラに、運用系のディスクの記録内容をメモリ交差制御装置に備えられた送信バッファに転送する旨を指示する転送指示ステップを実行し、
転送指示に応じて、運用系のディスクコントローラは、第1の転送管理手段による管理の下で運用系のディスクに記録されたデータを送信バッファに転送する転送ステップを実行し、
運用系のCPUは、予備系のディスクコントローラに、メモリ交差制御装置に備えられた受信バッファに保持されたデータを読み出して予備系のディスクに記録する旨を指示する読込指示ステップを実行し、
予備系のディスクコントローラは、前記第2の転送管理手段による管理の下で受信バッファに保持されたデータを読み込んで予備系のディスクに書き込む読込ステップを実行する
ことを特徴とするディスクコピー方法。
210 メモリ交差制御装置
211 比較処理部
212 モニタ部
213 比較器
214 比較データレジスタ
215 レジスタ設定部
216 結果表示レジスタ
221 マーク追加部
222 マーク検出部
223 検出通知受付部
231、421 メモリバスインタフェース(メモリバスI/F)
232 命令転送部
233 命令折り返し部
234 読出命令受付部
241 送信バッファ
242 受信バッファ
410 コンピュータシステム
411 CPU
412 メモリ
413 メモリ交差制御装置
414 内部バスインタフェース(内部バスI/F)
415 ディスクコントローラ
416 システムバスインタフェース(システムバスI/F)
417 入出力装置
418 バス交差制御装置
419 ディスク
422 二重書込制御部
423 データバッファ
425 交差バスインタフェース(交差バスI/F)
424 メモリアクセス制御部
Claims (4)
- デュプレックスシステムを構成する二つのコンピュータシステムにそれぞれ備えられているCPU、メモリ、ディスクコントローラを内部バスで接続した構成を含む回路ユニットに備えられるメモリ交差制御装置であって、前記内部バスに接続されるとともに、対向する回路ユニットに備えられたメモリ交差制御装置にメモリ交差バスを介して接続されるメモリ交差制御装置において、
運用系の前記メモリへのアクセスを監視し、前記メモリ交差バスを介して、前記運用系のメモリへの書込内容を予備系の前記メモリに書き込む二重書込処理手段と、
運用系の前記CPUから二重書込処理の完了を検出するための比較データを受け付けて保持する比較データレジスタと、
前記比較データレジスタへの比較データの設定に応じて動作を開始し、前記二重書込処理手段によって前記予備系のメモリに二重書きされる情報と前記比較データとを比較して、前記二重書きされる情報の末尾を検出する比較器と、
前記比較器による検出結果に応じて二重書き処理の完了を前記運用系のCPUに通知する通知手段と
を備えたことを特徴とするメモリ交差制御装置。 - デュプレックスシステムを構成する二つのコンピュータシステムにそれぞれ備えられているCPU、メモリ、ディスクコントローラを内部バスで接続した構成を含む回路ユニットに備えられるメモリ交差制御装置であって、前記内部バスに接続されるとともに、対向する回路ユニットに備えられたメモリ交差制御装置にメモリ交差バスを介して接続されるメモリ交差制御装置において、
運用系の前記メモリへのアクセスを監視し、前記メモリ交差バスを介して、前記運用系のメモリへの書込内容を予備系の前記メモリに書き込む二重書込処理手段と、
運用系の前記CPUに対応して備えられた回路ユニットに配置され、運用系の前記ディスクコントローラからアクセス可能であって、前記運用系のディスクコントローラから受け取ったデータを前記メモリ交差バスに送出する送信バッファと、
予備系の前記CPUに対応して備えられた回路ユニットに配置され、予備系の前記ディスクコントローラからの要求に応じて、前記メモリ交差バスを介して受け取ったデータを前記予備系のディスクコントローラに送出する受信バッファと、
前記運用系のディスクコントローラから前記送信バッファへのデータ転送を管理する第1の転送管理手段と、
前記受信バッファから前記予備系のディスクコントローラへのデータ転送を管理する第2の転送管理手段と、
を備えたことを特徴とするメモリ交差制御装置。 - 請求項1に記載のメモリ交差制御装置を有するデュプレックスシステムに備えられた前記運用系のディスクの記録内容を前記予備系のディスクにコピーするためのディスクコピー方法において、
前記運用系のCPUは、前記運用系のディスクコントローラに、前記運用系のディスクの記録内容を前記運用系のメモリに転送する旨を指示する転送指示ステップを実行するとともに、
前記運用系のCPUは、前記メモリ交差制御装置に対して、前記運用系のディスクコントローラから前記運用系のメモリに所定の転送単位のデータが転送されるごとに、前記転送データの末尾に対応する比較データを前記比較データレジスタへの設定に供する検出指示ステップを実行し、
前記運用系のCPUは、前記メモリ交差制御装置の通知手段からの通知が設定される結果表示レジスタを参照し、二重書き処理の完了を示す通知が前記結果表示レジスタに設定されたときに、前記運用系のメモリに前記転送単位のデータをコピーする動作が完了したことを確認する確認ステップを実行し、
前記運用系のCPUは、前記コピーの完了を確認した後に、前記予備系のディスクコントローラに、前記メモリ交差制御装置によって前記予備系のメモリに書き込まれるデータを読み出して前記予備系のディスクに記録する旨を指示する読込指示ステップを実行する
ことを特徴とするディスクコピー方法。 - 請求項2に記載のメモリ交差制御装置を有するデュプレックスシステムに備えられた前記運用系のディスクの記録内容を前記予備系のディスクにコピーするためのディスクコピー方法において、
前記運用系のCPUは、前記運用系のディスクコントローラに、前記運用系のディスクの記録内容を前記メモリ交差制御装置に備えられた前記送信バッファに転送する旨を指示する転送指示ステップを実行し、
前記転送指示に応じて、前記運用系のディスクコントローラは、前記第1の転送管理手段による管理の下で前記運用系のディスクに記録されたデータを前記送信バッファに転送する転送ステップを実行し、
前記運用系のCPUは、前記予備系のディスクコントローラに、前記メモリ交差制御装置に備えられた前記受信バッファに保持されたデータを読み出して前記予備系のディスクに記録する旨を指示する読込指示ステップを実行し、
前記読込指示に応じて、前記予備系のディスクコントローラは、前記第2の転送管理手段による管理の下で前記受信バッファに保持されたデータを読み込んで前記予備系のディスクに書き込む読込ステップを実行する
ことを特徴とするディスクコピー方法。
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