JP4412923B2 - 電源回路 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、メインスイッチに駆動信号を伝達して定電圧を出力する電源回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の電源回路は、図3で示すように、一次−二次間が絶縁されたトランスT1の巻線に直列に接続されており、トランスT1により絶縁された一次側にはメインスイッチQ1を備えてある。また、二次側にはMOSFETで構成した整流スイッチQ2と転流スイッチQ3を備えてある。この転流スイッチQ3のゲート・ソース端子に補助スイッチQ4のドレイン・ソース端子をそれぞれ接続してある。
【0003】
補助スイッチQ4のゲート・ソース間にパルストランスT2の二次巻線を接続してある。パルストランスT2も一次・二次間が絶縁されており、このパルストランスT2の一次巻線をメインスイッチQ1のゲート・ソース間に接続してある。このパルストランスT2の一次巻線と並列にダイオードD1を接続してある。メインスイッチQ1に駆動信号を伝達する駆動回路DCを、メインスイッチQ1のゲートに接続してある。このメインスイッチQ1のゲートと駆動回路DCとを結ぶ接続部とパルストランスT2の一次巻線の一端の間にコンデンサC3を接続してある(例えば特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−238253公報(第3−5頁、第1図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この電源回路はパルストランスT2を備え、このパルストランスT2は磁性材を使用して巻線を構成するため、電源回路そのものが大型化し、コストもかかるという課題があった。また、励磁エネルギーのリセットのためにダイオードD1も必要となり、直流電流の抑制のためにコンデンサC3も必要である。さらに、パルストランスT2は一次−二次間の耐圧保証のために巻線構造にも十分な配慮が必要となる。
【0006】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、トランスやフォトカプラなどの伝達回路を必要とせず、簡単な回路で二次側補助スイッチQ4に駆動信号を伝達することができる新規な電源回路を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の電源回路は、メインスイッチのターンオン時、ゲート印加電圧を同時にコンデンサC3,C4,C5に容量に反比例した電荷を充電することで、補助スイッチのゲート・ソース間に電圧を印加でき、補助スイッチをオンさせることが可能である。よってパルストランスを使用した時と同様に二次側補助スイッチを駆動することが出来る。
【0008】
メインスイッチのターンオフ時にはコンデンサC3,C4,C5の電荷は放電され、逆極性で容量に反比例した電荷が充電されるため、パルストランスを使用した際に必要であった励磁エネルギーリセット用のダイオードを設ける必要がない。また、パルストランスを必要としないため、電源回路の小型化及び低コスト化を図ることができる。
【0009】
又、本来の目的であるメインスイッチのターンオン時、転流スイッチがオン状態で整流スイッチがオンしてしまい貫通電流が流れる現象を回避することができ、貫通電流のロスがなくなり、電源回路そのものの効率が上がる。貫通電流が発生しないので転流スイッチのドレイン・ソース間サージ電圧の低減、更に出力ノイズの減少にもつながる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を用いて本発明電源回路に係る実施例を説明する。図1及び図2はそれぞれ本発明に係る電源回路の実施例を示してある。
【0011】
先ず、図1に示す電源回路は、一次−二次間が絶縁されたトランスT1の巻線に直列に接続されており、トランスT1により絶縁された一次側にはメインスイッチQ1を備えてある。メインスイッチQ1はMOSFETで構成し、このメインスイッチQ1のソースとトランスT1の一次巻線の一端との間に入力コンデンサC1を接続してある。なお、本実施例では、メインスイッチQ1をMOSFETで構成してあるが、メインスイッチQ1は必ずしもMOSFETで構成する必要はない。
【0012】
二次側にはMOSFETで構成した整流スイッチQ2と転流スイッチQ3を備えてある。この転流スイッチQ3のゲート・ソース端子に補助スイッチQ4のドレイン・ソース端子をそれぞれ接続してある。なお、本実施例では、補助スイッチQ4をMOSFETで構成してあり、補助スイッチQ4をMOSFETで構成することが最適ではあるが、必ずしもMOSFETで構成する必要はない。
【0013】
補助スイッチQ4のゲート・ソース端子間に第一のコンデンサC4を接続してある。メインスイッチQ1に駆動信号を伝達する駆動回路DCを、メインスイッチQ1のゲートに接続し、メインスイッチQ1のゲートと駆動回路DCとの接続部と、補助スイッチQ4のゲートとの間に第二のコンデンサC3を接続してある。さらに、メインスイッチQ1のソースと入力コンデンサC1との接続部と、補助スイッチQ4のソースとの間に第三のコンデンサC5を接続してある。
【0014】
以上のように構成してある電源回路は以下のように作用する。駆動回路DCから矩形波パルスのハイ信号を出力すると、メインスイッチQ1のゲートに印加されて、メインスイッチQ1がオンする。逆に駆動回路DCから矩形波パルスのロー信号を出力すると、メインスイッチQ1はオフする。
【0015】
メインスイッチQ1がオンすると、二次側整流スイッチQ2がオンし、出力チョークL1を介して出力に負荷電流を送出する。メインスイッチQ1がオフすると、整流スイッチQ2はオフし、トランスT1の共振リセット電圧を駆動回路として転流スイッチQ3がオンする。転流スイッチQ3がオンすると、出力チョークL1に蓄えられた励磁エネルギーの放出により連続的な負荷電流が送出される。
【0016】
駆動回路DCから矩形波パルスのハイ信号を出力すると、直列に接続した、第一、第二、及び第三のコンデンサC4,C3,C5に電荷が蓄積される。第一、第二、及び第三のコンデンサC4,C3,C5は容量に反比例した電圧が印加される。
【0017】
第一のコンデンサC4に印加された電圧が補助スイッチQ4のゲート閾値を超えると、補助スイッチQ4がオンし、転流スイッチQ3のゲート電圧を強制的に引き抜き、転流スイッチQ3はオフする。
【0018】
駆動回路DCの信号を直接二次側に遅延無く伝達できることで、トランスを介して整流スイッチQ2がターンオンする少し前に転流スイッチQ3をオフさせることができ、整流スイッチQ2と転流スイッチQ3の同時オンにより流れる貫通電流を防止することができる。
【0019】
続いて、図2に示す電源回路について説明する。この電源回路において、第一のコンデンサC4は補助スイッチQ4のゲート電圧を確保するために設けてある。第一のコンデンサC4の容量は他のコンデンサC3,C5と容量分圧されるため、駆動回路DCの電圧に対して十分に補助スイッチの閾値電圧を超えるように選定する必要がある。そのため、コンデンサC3,C5に比べるとC4の容量は小さ目なコンデンサを選ぶ必要がある。そう考えると第一のコンデンサC4は補助スイッチQ4の内部コンデンサでその役割を十分果たすことができる。この図2図示の実施例では、補助スイッチQ4の内部コンデンサを第一のコンデンサC4として使用している例を示してある。なお、その他の構成及び作用については、図1図示の実施例とほぼ同様である。
【0020】
なお、図1及び図2の実施例では第一のコンデンサC4、第二のコンデンサC3及び第三のコンデンサC5を一つのみ設けてあるが、これらをそれぞれ複数個の群で構成することも可能である。また、このコンデンサ群は直列に接続しても並列に接続してもよい。
【0021】
【発明の効果】
本発明の電源回路は、メインスイッチのゲート信号のハイ信号をコンデンサによって二次側補助スイッチのゲート・ソース間に直接伝達する。そのハイ信号で第一のコンデンサへ電荷が充電され電圧が発生するため、二次側補助スイッチをオンさせることが可能である。よってパルストランスを使用した時と同等の効果が得られる。
【0022】
メインスイッチのゲート信号がロー信号となってもパルストランスT2が無いため励磁エネルギーの逆起電力が発生しない、このため励磁エネルギーをリセットするためのダイオードを設ける必要がない。また、パルストランスを必要としないため、電源回路の小型化及び低コスト化を図ることができる効果もある。
【0023】
さらに、メインスイッチのターンオン時、転流スイッチがオン状態で整流スイッチがオンしてしまい貫通電流が流れる現象を回避することができ、貫通電流のロスがなくなり、電源回路そのものの効率が上がる。貫通電流が発生しないので転流スイッチのドレイン・ソース間サージ電圧の低減、更に出力ノイズの減少にもつながる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る電源回路の一実施例を示す回路図である。
【図2】 図1図示とは別の実施例を示す回路図である。
【図3】 電源回路の従来例を示す回路図である。
【符号の説明】
T1 トランス
Q1 メインスイッチ
Q2 整流スイッチ
Q3 転流スイッチ
Q4 補助スイッチ
C1 入力コンデンサ
C2 出力コンデンサ
C3 第二のコンデンサ
C4 第一のコンデンサ
C5 第三のコンデンサ
L1 出力チョーク
T2 パルストランス
D1 ダイオード
DC 駆動回路

Claims (6)

  1. 一次−二次間が絶縁されたトランスの巻線に直列に接続されるメインスイッチを備える電源回路であって、転流スイッチのゲート端子とソース端子間に補助スイッチのドレイン又はコレクタ端子とソース又はエミッタ端子をそれぞれ接続し、この補助スイッチのゲート又はベース端子とソース又はエミッタ端子間に第一のコンデンサを接続し、メインスイッチのゲート又はベース端子とこのメインスイッチに駆動信号を伝達する駆動回路との接続部と、前記補助スイッチのゲート又はベース端子との間に第二のコンデンサを接続し、且つ前記メインスイッチのソース又はエミッタ端子から入力コンデンサとの接続部と前記補助スイッチのソース又はエミッタ端子との間に第三のコンデンサを接続してあることを特徴とする電源回路。
  2. 前記補助スイッチは、MOSFETで構成してあることを特徴とする請求項1記載の電源回路。
  3. 前記第一のコンデンサは、前記補助スイッチの内部コンデンサであることを特徴とする請求項1又は2記載の電源回路。
  4. 前記第一のコンデンサを、複数個の群で構成してあることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電源回路。
  5. 前記第二のコンデンサを、複数個の群で構成してあることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電源回路。
  6. 前記第三のコンデンサを、複数個の群で構成してあることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の電源回路。
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