JP4412758B2 - 前周期遷移金属のメタラシクロペンタジエンへのアルキン化合物の位置選択的な環化付加によるベンゼン誘導体の製造方法 - Google Patents
前周期遷移金属のメタラシクロペンタジエンへのアルキン化合物の位置選択的な環化付加によるベンゼン誘導体の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4412758B2 JP4412758B2 JP06599499A JP6599499A JP4412758B2 JP 4412758 B2 JP4412758 B2 JP 4412758B2 JP 06599499 A JP06599499 A JP 06599499A JP 6599499 A JP6599499 A JP 6599499A JP 4412758 B2 JP4412758 B2 JP 4412758B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- substituted
- carbon atoms
- transition metal
- general formula
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビスマス化合物、特にハロゲン化ビスマスによるジルコナシクロペンタジエン化合物などのメタラシクロペンタジェン化合物のトランスメタル化反応を経る環化付加反応を利用してアルキン類から位置選択的(regioselective)にベンゼン誘導体を製造する方法に関する。
【0002】
【従来技術】
2つのアセチレン類がジルコニウム化合物等の遷移金属化合物と反応すると種々のメタラシクロ化合物を形成することはよく知られている(例えば、J.Am.Chem.Soc.1994,116,1880−1889参照)。また、これまでに前記ジルコナシクロペンタジエンを中間体とし、3番目のアセチレン類(異なった種類でも良い)を反応させてベンゼン誘導体を合成する方法が提案されている。その方法の1つは銅塩を用いる方法であり、もう1つはニッケル錯体を用いる方法であるが、どちらの方法によっても、非対称のアセチレン類を用いた場合、生成する化合物は2種類の位置異性体の混合物である。すなわち、前記2つの方法は3番目のアセチレンに対して位置選択性のない反応である(J.Am.Chem.Soc.1998,120,1672−1680参照)。すなわち、従来の方法ではアセチレンカルボキシレートのような非対称性のアルキン類を原料とした場合においては、位置選択的にベンゼン誘導体化合物を製造することは出来なかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本願発明の課題は、前記アセチレンカルボキシレートのような非対称性のアルキン類を3番目のアセチレンとして使用した場合においても、位置制御的に遷移金属のメタラシクロペンタジエン、特にジルコナシクロペンタジエンとの反応により、位置選択的にベンゼン誘導体化合物を製造する方法を提供することである。ところで、本発明者らが前記トランスメタル化する反応を伴うベンゼン誘導体の製造方法を研究している中で、ビスマス化合物、特にビスマスハライド化合物であるBiCl3を使用すると、アルキン類がジルコナシクロペンタジェンなどのメタラシクロペンタジェンと反応してベンゼン誘導体生成すること、さらに非対称性のアルキン類を用いた場合に位置制御的にメタラシクロペンタジエンと環化付加反応することを発見した。そこで、前記発見基づいて、メタラシクロペンタジエンとアルキン類とから位置選択的にベンゼン誘導体化合物を製造する方法を開発した。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(1)一般式(1)の遷移金属のメタラシクロペンタジエンをハロゲン化ビスマス、特に塩化ビスマス(BiCl 3 )を用いて、3番目の非対称のアルキン類(2)と位置選択的に環化付加反応させてベンゼン誘導体(3)を製造する方法に関する、好ましくは前記反応の溶媒としてテトラヒドロフランを用いることを特徴とする前記方法に関する。
【0005】
【本発明の実施の態様】
本発明を詳細に説明する。中間原料である遷移金属のメタラシクロペンタジエン類は、前記公知文献等に記載の方法により、遷移金属錯体、特にジルコニウム錯体とアルキン類と反応させることよって調製できる。
一般式(1)において、L1及びL2の配位子としては置換、非置換及び適当な架橋基により架橋したシクロペンタジエニル基が好ましく、遷移金属としては、前周期遷移金属であるTi、Zr、及びHfが好ましい。特に好ましくは、ジルコニウムである。
【0006】
前記配位子において適当な架橋基としては、例えば、(イ)メチレン基、エチレン基、イソプロピレン基、ジフエニルメチレン基等のアルキレン基、(ロ)シリレン基、ジメチルシリレン基、ジシリレン基、テトラメチルジシリレン等のシリレン基、(ハ)ゲルマニウム、リン、窒素、ホウ素、アルミニウムを含む炭素数1〜30、好ましくは1〜20、の炭化水素基、である。好ましくは、アルキレン基、シリレン基である。本発明の反応は、反応式(1)で表すことができる。
【0007】
【化4】
【0008】
溶媒としては非プロトン性のものが使用され、特にテトラヒドロフランが好ましい。室温下において反応を進行させることができる。
【0009】
【実施例】
実施例1テトラヒドロフラン中で調製された非対称なジルコナシクロペンタジエンに、室温で1当量の塩化ビスマスを加えて1時間撹拌し、更に2当量のアセチレンカルボニル化合物を加え、室温で1時間撹拌することにより、98%(GC収率)の高い収率で、かつほぼ100%の位置規則性を持って目的とするベンゼン誘導体が得られた。この反応式(2)を以下に示す。また、位置選択的に得られたベンゼン誘導体のX線構造解析の結果を図1に示す。
【0010】
【化5】
【0011】
実施例2
下記の反応式で示される反応で得られたジルコナシクロペンタジエンに、室温で1当量の塩化ビスマスを加えて1時間撹拌し、更に2当量のアセチレンカルボニル化合物を加え、室温で1時間撹拌することにより、一方の生成物が比率85%で得られること、すなわち、位置選択性により特定の構造の比率が高い割合の生成物が得られた。この反応式(3)を以下に示す。
【0012】
【化6】
【発明の効果】
【0013】
以上述べたように、本発明のベンゼン誘導体を製造する方法によれば位置選択的に環化付加反応を行わせることができるという優れた効果がもたらされ、効率の良いベンゼン誘導体の製造法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】位置選択的に製造されたベンゼン誘導体のX線構造解析図である
Claims (3)
- 一般式(1)の遷移金属のメタラシクロペンタジエンをハロゲン化ビスマス(BiX 3 :Xは、ハロゲン原子を表す。)を用いて一般式(2)のアルキン類を環化付加させてベンゼン誘導体(3)を製造する方法。
(式中Mは、前周期遷移金属を表す。L1及びL2はそれぞれ、置換または非置換のシクロペンタジエニル基、インデニル基、フルオレニル基、アズレニル基、炭化水素オキシ基、アミド基、アセチルアセトナート基、カルボキシ基、ホスフィン配位子、アミン配位子、エーテル配位子、及びこれらが適当な架橋基により連結した配位子を表し、これらは同じでも異なっていてもかまわない。R1及びR4はそれぞれ炭素数が1〜20の範囲の、置換アルキル基、非置換アルキル基、炭素数が1〜20の範囲の置換又は非置換アルキルシリル基及びフェニル基から独立に選択される基であり、R2及びR3は、それぞれ炭素数が1〜20の範囲の置換アルキル基、非置換のアルキル基、炭素数が1〜20の範囲の置換又は非置換アルキルシリル基及びフェニル基から独立に選択される基、又はR2とR3で6員までの単環を構成してもよい、を表す。)
(R5及びR6は、それぞれ、炭素数が1〜20の範囲の置換または非置換のアルキル基、フェニル基、炭素数が1〜20の範囲の置換又は非置換アルキルシリル基又はアセチレンカルボキシレート形成する基を表し、これらは異なる(非対称のアルキン類である。))
(式中R1、R2、R3、R4、R5及びR6は前記と同じ) - 溶剤としてテトラヒドロフランを用いることを特徴とする請求項1に記載のベンゼン誘導体を製造する方法。
- 遷移金属としてジルコニウムを用いることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のベンゼン誘導体を製造する方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06599499A JP4412758B2 (ja) | 1999-03-12 | 1999-03-12 | 前周期遷移金属のメタラシクロペンタジエンへのアルキン化合物の位置選択的な環化付加によるベンゼン誘導体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06599499A JP4412758B2 (ja) | 1999-03-12 | 1999-03-12 | 前周期遷移金属のメタラシクロペンタジエンへのアルキン化合物の位置選択的な環化付加によるベンゼン誘導体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000256219A JP2000256219A (ja) | 2000-09-19 |
JP4412758B2 true JP4412758B2 (ja) | 2010-02-10 |
Family
ID=13303082
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP06599499A Expired - Fee Related JP4412758B2 (ja) | 1999-03-12 | 1999-03-12 | 前周期遷移金属のメタラシクロペンタジエンへのアルキン化合物の位置選択的な環化付加によるベンゼン誘導体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4412758B2 (ja) |
-
1999
- 1999-03-12 JP JP06599499A patent/JP4412758B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2000256219A (ja) | 2000-09-19 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2001072695A (ja) | 遷移金属化合物、配位子、触媒およびオレフィン重合に触媒を使用する方法 | |
JP3694371B2 (ja) | メタロセン化合物の新規な合成方法 | |
US6784305B2 (en) | Method for producing alkyl-bridged ligand systems and transition metal compounds | |
JP3986441B2 (ja) | モノハライドまたはジハライドメタロセン化合物の製造方法 | |
JP4412758B2 (ja) | 前周期遷移金属のメタラシクロペンタジエンへのアルキン化合物の位置選択的な環化付加によるベンゼン誘導体の製造方法 | |
WO1998043931A1 (en) | Process for preparing cyclopentadienyl compounds | |
JP4454225B2 (ja) | ラセミメタロセン錯体の製造方法 | |
JP3901800B2 (ja) | メタロセン化合物中のラセミ/メソ比の変更方法 | |
JP2007536316A (ja) | アンサ−メタロセン錯体のラセモ選択的製造方法 | |
EP0819695B1 (en) | Process for modifying the rac/meso ratio in a matallocene compound | |
JP2022530356A (ja) | 金属-配位子錯体を作製する方法 | |
JP4579155B2 (ja) | 部分的に水素化されたラセミ体のansa−メタロセン錯体の製造方法 | |
JP4127959B2 (ja) | 架橋ハフノセンの製造 | |
JP2012140421A (ja) | 有機金属化合物の製造方法 | |
JP4309534B2 (ja) | シクロペンタジエン誘導体の合成方法 | |
JP2006525264A (ja) | ハロゲン化メタロセン化合物の製造方法 | |
JP2005529865A (ja) | インデン置換体の製造方法 | |
JP4183852B2 (ja) | シクロヘプタジエノン誘導体の合成方法 | |
JP4252742B2 (ja) | アレニルエーテルの製造方法 | |
JP4067791B2 (ja) | テトラエン誘導体及びその製造方法 | |
EP1257516B1 (en) | Process for preparing bisindenylalkanes | |
JP3713405B2 (ja) | 架橋ジルコノセン化合物の製造方法 | |
JP2005514423A (ja) | ジアルキル−アンサ−メタロセンの製造 | |
JP3701147B2 (ja) | 架橋ハフノセン化合物の製造方法 | |
JP4328453B2 (ja) | 複核オレフィン錯体及びその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20031031 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20040129 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040907 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20070905 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070925 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20071109 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20071112 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080122 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080324 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090707 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090903 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20091110 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20091117 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121127 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |