JP4410999B2 - ラチェットレンチ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ラチェット機構を備えたラチェットレンチに関するものである。
【0002】
【従来技術】
ラチェットレンチは、例えばボルト等を締め付けたりあるいは緩めたりする際に、ラチェットレンチの本体レバーを狭い角度範囲で往復回動することにより、ボルトに対して締付け方向あるいは緩め方向にのみ力を伝達することができるようにしたもので、図3に示す構成のものが提案されている。
【0003】
図3はラチェットレンチにおけるラチェット機構を備えたヘッド部分を示し、図3(a)は同ヘッド部分を下面側から見た図、図3(b)は同ヘッド部分の縦断面図を示している。ヘッド1は平面が略長楕円形状に形成され、下面側にラチェット機構を構成する各種部材を収容するための凹部2が形成され、ヘッド1の下面側にねじ止めされたヘッドカバー3によりこの凹部2が覆われている。
【0004】
ラチェット機構は、大径軸部4aの外周にラチェット歯4bが形成された回転体4を凹部2内に軸方向を上下方向として回転自在に軸支し、この回転体4の回転中心を通り、ヘッド1の長手方向に延びる軸線L1に対して対称位置に配置され、回転体4に対して開くように配置された左右一対の係合部材5a,5bのいずれか一方を選択的に回転体4のラチェット歯4bに係合させることにより、ヘッド1と回転体4とを回転体4と係合する係合部材5aまたは5bのいずれかを介して一方向に一体に回転させ、ヘッド1に加わる例えば締付け力が回転体4に連結されるビットあるいはソケット等のツールに伝達され、例えばボルトが締め付けられる。
【0005】
一対の係合部材5a,5bは共に同一形状の平板に形成されていて、回動支点となる一端部が円柱状に形成され、該一端部を支点として回動する他端部が回転体4のラチェット歯4bに係合する。
【0006】
ヘッド1における凹部2の内周縁部には、略半円形状の凹溝6a,6bが該凹部2に臨むように形成され、一対の係合部材5a,5bの円柱状一端部がそれぞれ凹溝6a,6bに嵌り込むようになっている。これら一対の係合部材5a,5bの円柱状一端部における上端部には突起部7が形成され、凹溝6a,6bの上端部に貫通形成された小径孔部8a(不図示)、8bに嵌合して位置決めされている。
【0007】
また、係合部材5aと係合部材5bとの間には、係合部材5aと係合部材5bのいずれか一方をラチェット歯4bに係合させ、いずれか他方をラチェット歯4bから外すためのカム部材9が回動可能に取り付けられている。このカム部材9は、凹部2の天板に形成された小径の貫通孔部10を貫通する軸部9aが形成され、ヘッド1の上面側でラチェットレバー11がこの軸部9aにねじ等で取り付けられている。そして、ラチェットレバー11は所定の角度範囲内を移動可能となっており、ヘッド1の上面から見てラチェットレバー11を反時計回り方向に回動すると、カム部材9が係合部材5aと当接して該係合部材5aを円柱状一端部を支点として時計回り方向に回動させることで、図3(a)に示すように、係合部材5aの他端部をラチェット歯4bとの係合から解除させる。
【0008】
そして、このカム部材9の反時計周り方向の回動によって、他方の係合部材5bはカム部材9との当接が解除され、係合部材5bと凹部2の内壁面との間に配置されているラチェットばね12bのばね力により係合部材5bがその円柱一端部を支点として時計周り方向に回動し、係合部材5bの他端部がラチェット歯4bに係合することになる。
【0009】
係合部材5bの他端部がラチェット歯4bに係合している図3(a)に示す状態において、ヘッド1に繋がるラチェットレンチ本体のレバー(不図示)を時計回転方向に回動すると、この係合部材5bはラチェット歯4bに向かい合った状態で係合するため、回転体4が時計回転方向に回動することになる。また、前記ラチェットレンチ本体のレバーを反時計方向に回動すると、係合部材5bはラチェット歯4bの歯面と次々に当接するだけで、回転体4に対して反時計回転方向への回転が伝達されない。
【0010】
また、ラチェットレバー11を図3に示す状態から時計回転方向に回動すると、上記の場合とは逆に、ラチェット歯4bに対して係合部材5bの係合が解除され、係合部材5aがラチェットばね12aのばね力により反時計回転方向に回動して係合することになり、前記ラチェットレンチ本体のレバーを反時計方向に回動するとその力が回転体4に伝達され、前記ラチェットレンチ本体のレバーを時計方向に回動するとヘッド1が回転体4に対して空回転するだけで、その力が回転体4に伝達されることがない。
【0011】
図3に示すように、回転体4は大径軸部4aの両側に該大径軸部4aよりも小径の小径軸部4c、4dが形成され、上方の小径軸部4cがヘッド1に形成された軸受孔13に回転可能に軸支され、下方の小径軸部4dがヘッドカバー3に形成した軸受孔14に回転可能に軸支され、該下方の小径軸部4dの下方に角軸4eが形成されている。そして、この角軸4eにソケットが取り外し可能に装着されるようになっている。
【0012】
なお、ヘッドカバー3は、凹部2の周縁部に形成された段部15に宛がわれ、ヘッド1の上面から小孔16a、16bを貫通したねじ(不図示)によりねじ止めされるようになっている。
【0013】
また、ラチェットレンチのラチェット機構としては、図4に示すように、一対の係合部材5a,5bを一体化した構成のものがある(特許文献1参照)。
【0014】
さらに、ラチェットレンチのラチェット機構としては、図5に示すように、一方向のみのラチェット機構であるが、係合部材5aと5bを回転体4のラチェット歯4bに対して噛み合いを半ピッチずらして配置した構成のものがある(特許文献2参照)。
【0015】
図3〜図5に示す構成において、凹部2は内周面が曲面に形成され、応力が一箇所に集中しないようにしており、ラチェットばね12a,12bの一端が凹部2の内周面に当接する箇所も曲面となっている。
【0016】
【特許文献1】
特開2000−117648公報(図4)
【特許文献2】
特開2002−239934公報(図4)
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
図3、図4に示すように、ヘッド1に形成される凹部2内のスペースは殆どが、回転体4の大径軸4aが収容される部分と、カム9及び係合部材5a,5bが収容される部分が占め、僅かに残った部分にラチェットばね12aとラチェットばね12bが配置される。
【0018】
ラチェットレバー11の回動により係合部材5aと係合部材5bは、ラチェット歯4bに対して確実に係合する位置と、ラチェット歯4bから確実に退避する位置との間を移動範囲としており、この移動範囲はある程度の距離を設定しておく必要がある。このため、係合部材5aと係合部材5bとをそれぞれラチェット歯4bに係合のためにばね力によって付勢するラチェットばね12aとラチェットばね12bとは充分な伸び量を確保しておく必要がある。
【0019】
ところで、これらのラチェットばね12aと12bとを配置する部分は、上述のように充分なスペースがないため、これらのラチェットばね12aと12bとは線状のばね部材を円錐形のコイルばねに形成した円錐ばねとし、圧縮した状態でばね部材間の重なりを少なくして大きな収縮量が得られるようにしており、これによって狭いスペースでも係合部材5aと5bとを充分な付勢力でラチェット歯4bに押し付けることができるようにしている。
【0020】
しかし、上述したように、ラチェットばね12a,12bの外端面は凹部2の弧状の内周面に当接し、これらラチェットばね12a,12bはそれぞれ係合部材5a,5bと該凹部2の弧状の内周面との間に単に弾装しているだけの組み付け構造としているので、これらラチェットばね12a,12bは係合部材5a,5bの回動動作中に装着位置にずれが生じることがある。
【0021】
そして、係合部材5aまたは5bがラチェット歯4bに中途半端に係合した状態でラチェットレンチにトルクをかけると、中途半端に係合していた係合部材5aまたは5bがラチェット歯4bから勢い良く外れ、勢い良く外れた係合部材5aまたは5bが衝撃的にラチェットばね12aまたは12bを叩き、叩かれたラチェットばね12aまたは12bをへたらせてしまうことがあった。特に、上述のようにラチェットばね12a,12bの装着位置にずれが生じた状態で衝撃的に叩かれると、このような傾向が大きく発生する。
【0022】
本願発明は、このような従来の問題を解消するためになされたもので、係合部材の充分な回動範囲を確保しつつラチェットばねを常に所定位置に配置できて、ラチェットばねの損傷等を防止できるラチェットレンチを提供しようとするものである。
【0023】
【課題を解決するための手段】
上記した本発明の目的を実現する第1の発明は、請求項1に記載のように、ヘッドカバーで覆われた内周面を弧状とするヘッド凹部内に、外周部にラチェット歯が形成されると共にレンチ本体の回動力を外部に伝達するための軸部材を備えた回転体と、前記ラチェット歯に対して係合可能な一対の係合部材と、前記一対の係合部材を前記ラチェット歯に向けてそれぞれ付勢するコイル状の円錐ばねからなるラチェットばねと、前記一対の係合部材を選択的に回動させて該ラチェット歯との係合を解除させると共に当接解除によりいずれか他方の係合部材を該ラチェット歯に係合可能とさせるカム部材と、を有するラチェットレンチにおいて、前記ラチェットばねは、前記係合部材と前記ヘッド凹部の内周面に背面側が当接するばね受け部材との間に弾装され、前記ばね受け部材は背面が前記ヘッド凹部の内周面に合致して当接すると共に、前記係合部材と対向する正面側に開口を有するばね受け凹部内に前記ラチェットばねの端部がガタなく嵌め込まれ、前記係合部材の回動範囲の一端を前記ばね受け部材の正面に当接する位置とし、前記ラチェットばねの収縮状態で前記ラチェットばねの巻回部の外径を前後の巻回部分同士が密着しない大きさに形成し、前記係合部材が前記ばね受部材の正面に当接した状態において、前記ラチェットばねは縮んで前記ばね受け部材の凹部内に全て収納されていることを特徴とする。
【0028】
上記した本発明の目的を実現する第2の発明は、請求項2に記載のように、上記したいずれかの発明で、前記係合部材は、回動支点部の上下にそれぞれ前記ヘッドと前記ヘッドカバーに軸支される突起部が形成されていることを特徴とする。
【0029】
【発明の実施の形態】
図1および図2は本発明の実施の形態を示している。
【0030】
図1はラチェットレンチにおけるラチェット機構を備えたヘッド部分を示し、図1(a)は同ヘッド部分を下面側から見た図、図1(b)は図1(a)のAA線に沿った同ヘッド部分の縦断面図、図1(c)はヘッドカバーの一部を示している。なお、図3に示す従来例と同様の構成要素には同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0031】
ヘッド1は平面が略長楕円形状に形成され、下面側にラチェット機構を構成する各種部材を収容するための凹部2が形成され、ヘッド1の下面側にねじ止めされたヘッドカバー23によりこの凹部2が覆われている。
【0032】
ラチェット機構は、大径軸部4aの外周にラチェット歯4bが形成された回転体4を凹部2内に軸方向を上下方向として回転自在に軸支し、この回転体4の回転中心を通り、ヘッド1の長手方向に延びる軸線L1に対して対称位置に配置され、回転体4に対して開くように配置された左右一対の係合部材25a,25bのいずれか一方を選択的に回転体4のラチェット歯4bに係合させることにより、ヘッド1と回転体4とを回転体4と係合する係合部材25aまたは25bのいずれかを介して一方向に一体に回転させ、ヘッド1に加わる例えば締付け力が回転体4に連結されるビットあるいはソケット等のツールに伝達され、例えばボルトが締め付けられる。
【0033】
一対の係合部材25a,25bは共に同一形状の平板に形成されていて、回動支点となる一端部が円柱状に形成され、該一端部を支点として回動する他端部が回転体4のラチェット歯4bに係合する。
【0034】
ヘッド1における凹部2の内周縁部後方には、略半円形状の凹溝6a,6bが該凹部2に臨むように前記軸線L1を軸対称に形成され、一対の係合部材25a,25bの円柱状一端部がそれぞれ凹溝6a,6bに嵌り込むようになっている。これら一対の係合部材25a,25bの円柱状一端部における上下端部には,図2(b)に示すように、それぞれ突起部27a,27bが形成され、凹溝6a,6bの上端部に貫通形成された小径孔部8a(不図示)、8bに嵌合すると共に、ヘッドカバー23に形成した小径の切り欠き部28a、28bに嵌合して位置決めされている。
【0035】
このように本実施の形態では一対の係合部材25a,25bの円柱状一端部の上下にそれぞれ設けた突起部27a,27bをヘッド1の小径孔部8a,8bとヘッドカバーの小径切り欠き部28a,28bに嵌合することにより、一対の係合部材25a,25bの倒れを防止している。
【0036】
中心軸線L1上にカム部材9の軸部9aが嵌合する貫通孔部10が凹部2の天板に形成され、この軸部9aに結合されたラチェットレバー11をヘッド1の外部から回動操作すると、カム部材9の両側に配置された一対の係合部材25a,25bのいずれか一方がカム部材9に当接してラチェット歯4bとの係合が解除され、いずれか他方の係合部材25a,25bがラチェットばね12a,12bのばね力に付勢されてラチェット歯4bと係合する。なお、この一対の係合部材25a,25bは、ヘッドカバー23を固定する不図示のねじ部材が貫通する小孔16a、16bを避けて回動する。
【0037】
本実施の形態において、一対の係合部材25a,25bをラチェット歯4bに付勢して係合させるためのラチェットばね12a,12bは円錐ばねを用いており、大径端面を凹部2の内周面側、小径端面を係合部材25a,25bに当接させるようにして配置されているが、該大径端面側にはばね受け部材29がそれぞれ設けられている。
【0038】
ばね受け部材29は、図2の(a)に示すように、前記係合部材25a、25bに対向する正面側が平坦面で、凹部2の内周面に当接する背面29bが該弧状の内周面に合致する円弧面に形成されていて、中央に形成され、正面側が開口する凹部29aにラチェットばね12a、12bの大径端面側がガタなく嵌め込まれている。
【0039】
このばね受け部材29は図2の(a)に示すように、正面側から見て矩形形状に形成され、軸方向(図1(b)の上下方向)における高さは、ヘッド1の凹部2の天板内面から段部15の面位置までとしているので、ヘッドカバー23を不図示のねじ部材によってヘッド1に固定した状態においてばね受け部材29はヘッド凹部2内にヘッドカバー23により軸方向にガタなく保持される。
【0040】
また、凹部2の内周面の周方向において、ばね受け部材29の一端部がヘッドカバー23を固定する不図示のねじ部材が貫通する小孔16a、16bの内周縁と凹部2の内周縁との間の平面略楔形状のスペースまで入り込んでおり、ヘッドカバー23を不図示のねじ部材でねじ止めした状態において、該ねじ部材によりばね受け部材29の周方向一端部が当接するため、ばね受け部材29が回転体4に近づく周方向における移動が阻止される。
【0041】
このように、ばね受け部材29はヘッド1の凹部2内で軸方向及び周方向の一方の移動が阻止され、ラチェットばね12a、12bはばね受け部材29の凹部29a内にガタなく嵌め込まれているため、ラチェットばね12a,12bは係合部材25a,25bの回動動作を受けても、図1に示す所定位置からずれることが防止される。なお、ばね受け部材29は周方向の一方向に対して移動を阻止し、周方向の反対方向への移動を阻止するために特別な手段を講じていないが、ばね受け部材29の背面29bと、凹部2の内周壁面とはある程度の摩擦を有して接触し、且つラチェットばね12a,12bのばね力を受けて接触しているため、係合部材25a,25bの回動動作でばね受け部材29が該周方向の反対方向へ移動することはない。
【0042】
本実施の形態のように、ラチェットばね12a,12bは、ヘッド1の凹部2の内周面が弧状に形成されていても、この弧状に合致する背面(外周面)を有するばね受け部材29に保持されて係合部材25a,25bと凹部2の内周面との間に位置ずれすることなく配置されているため、図1の(a)に示す係合部材25bがラチェット歯4bに係合している状態で、該係合部材25bに対するラチェットばね12bの作用方向が該係合部材25bの長さ方向と略直交する状態を保持されることになる。
【0043】
また、ラチェットばね12a,12bは、略円錐形状に形成されていて、係合部材25a,25bが夫々ばね受け部材29の正面に当接した状態では図2(a)に示すように、凹部29a内に全てが収納され、ラチェットばね12a,12bを構成する螺旋を描くばね部材(巻回部)の前後の巻回部分同士が密着しない外径に形成されている。
【0044】
このため、係合部材25a,25bが中途半端な状態でラチェット歯4bに係合していても、ラチェットレンチによる締付けあるいは緩め作業の際に、係合部材25a,25bがラチェット歯4bから外れ、大きな衝撃力でラチェットばね12a、12bを収縮させてもばねを構成するばね部材が巻回されて構成される巻回部同士の重なりが無いため、ラチェットばね12a,12bの損傷等がない。その際、ラチェットばね12a,12bはばね受け部材29の凹部29a内に全て収納されるため、ばね受け部材29の正面側と係合部材25a,25bとの間にラチェットばね12a,12bのばね部材が挟まれることもないので、ラチェットばね12a,12bの損傷を確実に防止することができる。
【0045】
また、係合部材25a、25bはばね受け部材29の正面に当接してそれ以上ラチェットばね12a,12bを収縮させることがないので、ラチェットばね12a,12bが必要以上に収縮されることも防止できる。
【0046】
以上説明したように、本実施の形態によれば、図3に示す従来のラチェットレンチにおけるヘッド1をそのまま使用し、新たに円柱状一端の下部にも突起部27bを形成した係合部材と、従来のヘッドカバー3を係合部材25a,25bの下部の突起部27bが嵌合する小径の切り欠き部28a,28bが形成されたヘッドカバー23に代えるだけで、ラチェットばね12a,12bの位置ずれを防止してラチェットばね12a,12bの破損等を防ぐことができ、ラチェットレンチを安全にしかも故障無く使用することができる。
【0047】
なお、本発明は,上記した実施の形態に限定されるものではなく、ラチェットばねの一端を弧状の曲面で受ける構造に対して適用することができる。
【0048】
なお、ラチェットレンチとしては、各種のトルクレンチ、トルクドライバー等も含まれる。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明によれば、ばね受け部材により、係合部材とヘッド凹部の内周面との間に弾装されているラチェットばねは、係合部材が回動しても位置ずれが生じることは無く、ラチェットばねを構成するばね部材同士が重なり合ったりする無理な姿勢とならずに常に一定の姿勢に保持できるため、ラチェットばねの損傷等を防止することができた。
【0050】
そして、前記ばね受け部材のばね受け凹部内にラチェットばねの端部を嵌め込んでいるため、ラチェットばねを確実に保持でき、ラチェットばねの位置ずれを防止することができる。
【0051】
また、ヘッドの強度上の問題や加工の問題などからヘッド凹部の内周面を弧状に形成している場合にラチェットばねの位置ずれが生じ易かったが、ばね受け部材を用いることによって、このような問題を解消することが可能となった。
【0052】
さらに、ばね受け部材が係合部材のストッパーとしての機能を有するため、ラチェットばねを必要以上に圧縮することがなく、ラチェットばねの損傷等の防止効果がより一層得られる。
【0053】
またさらに、ラチェットばねはコイル状の円錐ばねに形成されていて、縮んだ状態において、前記ばね受け部材の凹部内に収納され、且つ前後のばね部材が密着しない外径に形成されているので、係合部材が衝撃的にラチェットばねを叩いても、ラチェットばねをへたらすことがない。
【0054】
請求項2に係る発明によれば、係合部材の倒れを確実に防止でき、確実なラチェット動作が得られると共に、ラチェットばねの位置ずれの発生をより一層防止することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるラチェットレンチの実施の形態にけるヘッド部分を示し、図1(a)は同ヘッド部分を下面側から見た図、図1(b)は同ヘッド部分の縦断面図、図1(c)はヘッドカバーの一部を示す図。
【図2】図1の詳細を示し、(a)はばね受け部材の横断面図と正面図、(b)は係合部材の側面図と平面図。
【図3】従来のラチェットレンチのヘッド部分を示し、図3(a)は同ヘッド部分を下面側から見た図、図3(b)は同ヘッド部分の縦断面図。
【図4】従来の他のラチェットレンチのヘッド部分を示す図。
【図5】従来の他のラチェットレンチのヘッド部分を示す図。
【符号の説明】
L1 軸線
1 ヘッド
2 凹部
4 回転体
4b ラチェット歯
6a,6b 凹溝
9 カム部材
10 貫通孔部
11 ラチェットレバー
12a,12b ラチェットばね
23 ヘッドカバー
25a,25b 係合部材
27a,27b 突起部
28a(不図示)、28b 切り欠き部
29 ばね受け部材
29a 凹部
29b 背面
Claims (2)
- ヘッドカバーで覆われた内周面を弧状とするヘッド凹部内に、外周部にラチェット歯が形成されると共にレンチ本体の回動力を外部に伝達するための軸部材を備えた回転体と、前記ラチェット歯に対して係合可能な一対の係合部材と、前記一対の係合部材を前記ラチェット歯に向けてそれぞれ付勢するコイル状の円錐ばねからなるラチェットばねと、前記一対の係合部材を選択的に回動させて該ラチェット歯との係合を解除させると共に当接解除によりいずれか他方の係合部材を該ラチェット歯に係合可能とさせるカム部材と、を有するラチェットレンチにおいて、
前記ラチェットばねは、前記係合部材と前記ヘッド凹部の内周面に背面側が当接するばね受け部材との間に弾装され、前記ばね受け部材は背面が前記ヘッド凹部の内周面に合致して当接すると共に、前記係合部材と対向する正面側に開口を有するばね受け凹部内に前記ラチェットばねの端部がガタなく嵌め込まれ、前記係合部材の回動範囲の一端を前記ばね受け部材の正面に当接する位置とし、前記ラチェットばねの収縮状態で前記ラチェットばねの巻回部の外径を前後の巻回部分同士が密着しない大きさに形成し、前記係合部材が前記ばね受部材の正面に当接した状態において、前記ラチェットばねは縮んで前記ばね受け部材の凹部内に全て収納されていることを特徴とするラチェットレンチ。 - 前記係合部材は、回動支点部の上下にそれぞれ前記ヘッドと前記ヘッドカバーに軸支される突起部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のラチェットレンチ。
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