JP4410696B2 - 粉状農薬水和剤および農薬製剤用分散剤 - Google Patents

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Description

本発明は、粉状農薬水和剤および農薬製剤用の分散剤に関し、詳しくは、水分散後の沈降物の再分散性が改善された粉状農薬水和剤および農薬製剤に用いられる分散剤に関する。
農薬は、農薬活性成分の効果を最大限に発揮させ、また、使用方法、使用者の安全性などを考慮した種々の剤型が開発されている。農薬の製剤の一つに水和剤というタイプがある。農薬水和剤は、水に溶けにくい農薬活性成分を微粒子にし、界面活性剤や補助剤を加えた薬剤であり、所定量の水に希釈して農薬として散布するものである。その中で、固形状水和剤としては粉状や粒状水和剤が挙げられる。粉状水和剤が有すべき物性の中で重要な要件としては、水中分散性及び再分散性が良好であることが挙げられる。
農薬水和剤を水に希釈し調製した農薬散布液は、調製後できるだけ速やかに散布することが好ましいが、天候の急変等により散布液を保管して後日に散布することがある。このような場合、従来の固形状水和剤は、時間の経過とともに散布液中の農薬活性成分等の水に不溶な成分が沈降し、ハードケーキ(再分散が困難な沈降物)が生成し、再分散性が著しく悪化していた。
特に、病害虫の航空防除の際には濃厚散布液を大量に調製するため、調製液の保管によるハードケーキの生成は、散布場面において作業効率の低下をもたらす大きな問題となっていた。
そこで、調製後の散布液を一定期間保管しても沈降物を生成しない、あるいは沈降物が生成しても容易に再分散することができる粉状水和剤の開発が求められている。
このような問題を解決するために、農薬水和剤に、天然に産出する粘土鉱物であるセピオライトを含有させることが知られている(例えば、特許文献1など)。
しかし、上記方法では、農薬活性成分の種類によっては良好な再分散性が得られず、またセピオライトは天然に産出する粘土鉱物であるため、品質管理が困難で品質が不安定となり、再分散性能差が生じる恐れがある。また、セピオライトは天然物であるため、供給不安に陥る可能性がある。さらに、セピオライトは、粘土鉱物のため生分解性がなく、農場に長年散布堆積した場合の土壌に与える影響、すなわち農作物に与える影響や安全性については確立された知見はない。
特開2001−294501号公報
本発明は、上記のような従来技術の問題を解決するために創案されたものであり、農薬水和剤を水に分散させた後の沈降物の再分散性が良好である粉状農薬水和剤を提供することを課題とするものである。
本発明者等は、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、粉状農薬水和剤に、水膨潤性のカルボキシメチルセルロースまたはその塩(以下、「カルボキシメチルセルロースまたはその塩」をCMCと略す)を配合することで、上記課題を解決でき、さらに分散安定性にも優れるなど粉体水和剤として優れた特性を備えることを見出し、係る知見に基づいて本発明を完成させた。
即ち、本発明は、下記粉状農薬水和剤および農薬製剤用分散剤を提供するものである。
〔1〕1種以上の農薬活性成分の粉体と、水膨潤性のカルボキシメチルセルロースまたはその塩の粉体とを含む粉体組成物である粉状農薬水和剤。
〔2〕カルボキシメチルセルロースまたはその塩が、グルコース残基当たりのカルボキシメチル置換度が0.05〜0.5であることを特徴とする、上記〔1〕に記載の粉状農薬水和剤。
〔3〕前記のカルボキシメチルセルロースナトリウム塩の1%水懸濁液粘度が5〜1000mPa・sであることを特徴とする、上記〔1〕または〔2〕に記載の粉状農薬水和剤。
〔4〕水膨潤性のカルボキシメチルセルロースまたはその塩の含有量が、0.1〜30重量%であることを特徴とする、上記〔1〕から〔3〕のいずれか一項に記載の粉状農薬水和剤。
〔5〕水膨潤性のカルボキシメチルセルロースまたはその塩からなる農薬製剤用分散剤。
[作用]
軽度にカルボキシメチル化して得られる水膨潤性のCMC粉体は、水中において、膨潤した繊維状あるいは粒子状の形状を呈して分散する。このような水膨潤性のCMCおよび農薬活性成分が分散した懸濁液は、散布薬液を長時間放置して沈殿層が形成されたとしても、その沈殿層は水膨潤性のCMCを含む流動性のある嵩高い沈殿層である。そのため、農薬活性成分やキャリア(担体)などの沈降によるハードケーキの生成を抑制することが可能となり、優れた再分散性が得られる。また、水中で膨潤した繊維状あるいは粒子状の水不溶性のCMCは3次元網目構造を構築し、農薬活性成分の沈降を抑制できるため、分散安定性をも高めることができる。また、水膨潤性CMCは保存安定性にも優れ、優れた再分散性を長期にわたり維持することができる。
本発明の粉状農薬水和剤は、水中における分散安定性に優れる。また、散布液調製後、長時間放置しても、沈降物がハードケーキ化しにくく、再分散が容易である。また、これらの分散安定性および再分散性は経時劣化しにくい。
本発明の粉状農薬水和物に添加するCMC粉体は、植物の構成物質であるセルロースを原料とした自然界での再生循環システムが構築された天然物であるため、生分解性を有し、土壌に堆積しても農作物に与える影響がなく、環境負荷が低い。
本発明の農薬製剤用分散剤は、水に希釈するタイプの農薬製剤を水に分散した際に、その分散安定性および再分散性を向上させることができる。
1.本発明の粉状農薬水和剤および分散剤
本発明の粉状農薬水和剤は、少なくとも1種の農薬活性成分の粉体と、水膨潤性のカルボキシメチルセルロースまたはその塩(CMC)の粉体とを含む複数種の粉体を成分とする粉体混合物である。粉状農薬水和剤としては、各種粉体の平均粒径は0.1mm未満であることが好適である。
本発明で用いるCMCは、水膨潤性を有するものである。水膨潤性のCMCは水不溶性である。カルボキシメチルセルロースは塩の形態であってもなくてもよく、好ましくはカルボキシメチルセルロースナトリウム塩が用いられる。原料の入手容易性や製造コストなど製造面からは、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩が好適に用いられる。
水膨潤性のCMCは、セルロースを軽度にカルボキシメチル化して得ることができ、水に対する溶解性または水膨潤性の程度についての指標の一つとして、グルコース残基当たりカルボキシメチル基の置換度(エーテル化度、以下、CM−DSと略称する場合がある)を挙げることができる。本発明で用いられるCMCとしては、CM−DSは、好ましくは0.05〜0.50であり、より好ましくは0.10〜0.45であり、さらに好ましくは0.10〜0.40である。CM−DSが上記下限未満では、水膨潤性のCMCの膨潤度合が不十分となり、水膨潤性のCMC自体もハードケーキを生成し、優れた再分散性が得られにくくなる傾向が強まる。また、CM−DSが上記の上限を越えた場合、水に対する溶解性が高まり、流動性のある嵩高い沈殿層を生成し難くなるため、ハードケーキの生成を抑制することが困難となり、良好な再分散性が得られにくくなる傾向が強まる。
また、主として、再分散性や製造工程における取り扱いの容易さという観点から、本発明で用いられる水膨潤性のCMCの粘度を調整することが好ましい。本発明で用いられる水膨潤性のCMCとしては、好ましくは1%水懸濁液粘度が5〜1000mPa・sであり、より好ましくは10〜500mPa・sの範囲である。1%水懸濁液粘度が上記下限未満では、増粘作用による粒子状物質の沈降速度低下効果が発揮されにくく、ハードケーキの生成を抑制することが困難となり、優れた分散安定性が得にくくなる傾向が強まる。また、1%水懸濁液粘度が上記上限を越えた場合、増粘作用による生産効率の低下、および、散布時の作業効率の低下に繋がる可能性が生じる。
本明細書においてCMCについての粘度は、B型回転粘度計により、25℃にて無水物換算1%水懸濁液を測定した際の、測定開始から3分後の値である。無水物換算1%水懸濁液の調製方法は、例えば、所定量の水を平型固定三角型攪拌羽根にて毎分600回転の回転数で攪拌し、そこに所定量の試料を添加し、同回転数にて3時間攪拌することにより調製する。次いで、得られた無水物換算1%水懸濁液の粘度に応じ、適切なローターおよび回転数にて測定した値である。具体的には、例えば、得られた無水物換算1%水懸濁液の粘度が0〜100mPa・sの場合は、ローターNo.1にて60rpmで測定した値、得られた無水物換算1%水懸濁液の粘度が100〜200mPa・sの場合は、ローターNo.1にて30rpmで測定した値、得られた無水物換算1%水懸濁液の粘度が200〜1000mPa・sの場合は、ローターNo.2にて30rpmで測定した値である。
本発明の水膨潤性のCMCの平均粒子径は、好ましくは0.1〜100μm、より好ましくは5〜80μmである。平均粒子径が上記下限未満では、その平均粒子径にするために膨大な粉砕エネルギーが必要となり、粉砕コストおよび製造コストの高騰させやすく、また、微粉が飛散しやすくなるため作業環境をより厳しく整備する必要性が生じやすい。また、平均粒子径が上記上限を越える場合には、粒子同士の絡みつきによる作業効率の低下が起きやすく、またスプレーノズルを用いて農薬散布する場合は、ノズル詰まりを引き起こす可能性が増大する。
本明細書において、粒径はレーザー回折散乱粒度分布計」(マイクロトラックModel-9220-SRA、日機装(株)社製)を用いて測定し、D50における値を平均粒径とした。
水膨潤性のCMCは、農薬活性成分の種類や含有量等に応じて異なるが、好ましくは農薬水和剤中0.1〜30重量%配合し、より好ましくは0.5〜20重量%配合する。このような含有量とし、各成分を均一に混合することにより、良好な再分散性および使用時に取り扱いやすい粉体の農薬組成物を得ることができる。
本発明の水膨潤性のCMCの乾燥状態における形状は、特に制限はなく、例えば、繊維状、粉状、微粉末状、顆粒状、ペレット状、シート状等の形状を用途に応じて適宜選択することが可能である。
本発明において用いられる農薬活性成分としては、特に限定されるものではなく、例えば、フサライド、ペンシクロン等の殺菌性化合物;フェンプロパトリン、イミダクロプリド、エトフェンプロックス等の殺虫性化合物;エトキサゾール、ピリダベン等の殺ダニ性化合物;モリネート、ピラゾスルフロンエチル、インダノファン等の除草性化合物などが挙げられる。
また、その他の補助成分としては、従来から粉状水和剤において使用されている界面活性剤、増量剤等が挙げられ、これらを必要に応じて適宜量で添加することができる。
また、本発明において用い得るその他補助剤としての界面活性剤および増量剤の種類は、特に限定されるものではなく、例えば、従来、農薬製剤分野において使用されているものを用いることができる。
界面活性剤としては、例えば、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホサクシネート、リグニンスルホン酸塩、脂肪酸塩、ポリカルボン酸塩等のアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル等のノニオン性界面活性剤などを用いることができ、必要に応じて、カチオン性界面活性剤、両イオン性界面活性剤等を用いることもできる。
また、増量剤としては、例えば、カオリンクレー、珪藻土、白色酸性土、タルク、ホワイトカーボン、アタパルジャイトなどを用いることができる。
本発明の粉状農薬水和剤の希釈倍率(粉状農薬水和剤に対して加える水の量)及び使用量は、特に制限されるものではなく、含有される農薬活性成分の種類や量、施用場所等に応じて、通常の範囲内で変えることができる。本発明の粉状水和剤の散布は、通常の農薬散布に用いられている手法と同様の方法で行うことができ、例えば、航空散布、地上少量散布、地上散布等の散布方法を用いることができる。
また、本発明の粉状農薬水和剤において用いられる水膨潤性のCMCはそれ自体を、水に希釈して使用するタイプの農薬製剤用の分散剤として、それらの農薬製剤と混合し、使用できる。本発明の分散剤は、農薬製剤を水中で分散させる分散性の他に、水中で一旦沈降した農薬成分を再分散させる性能をあわせ持っている。水に希釈して使用するタイプの農薬製剤としては、例えば、乳剤、水和剤、液剤、フロアブル剤、粒状水和剤等がある。水膨潤性のCMCを添加することにより、それらの農薬製剤について、粉状のものについては、水中での再分散性、顆粒状のものについては顆粒の水中崩壊性、分散安定性、再分散性、経時安定性が良好となる。
2.本発明の粉状農薬水和剤および農薬製剤用分散剤の製造
本発明の粉状農薬水和剤は、少なくとも1種の農薬有効成分、水膨潤性のCMC、及びその他の補助成分を、粉体農薬などの製法における定法に従って混合することにより製造できる。また、粉体の調製も、粉体農薬などの製法における定法に従って粉状化または微細化してよい。
本発明で用いられる水膨潤性CMCはセルロースを原料とし、軽度のカルボキシメチル化反応を行うことにより製造することができる。本発明におけるセルロース原料としては、晒または未晒木材パルプ、精製リンター、酢酸菌等の微生物によって生産されるセルロース等の天然セルロースや、セルロースを銅アンモニア溶液、モルホリン誘導体等何らかの溶媒に溶解し、改めて紡糸された再生セルロース、および上記セルロース原料を酸加水分解、アルカリ加水分解、酵素分解、爆砕処理、振動ボールミル処理等によって解重合処理した微細セルロースまたは機械的に処理した微細セルロース等を用いることができる。
水膨潤性のCMCは、公知の方法、例えば、セルロース原料を水酸化ナトリウムなどのアルカリでマーセル化し、次いでセルロースのOH基にCH2COOH(カルボキシメチル基)をエーテル結合させるため、カルボキシメチル化剤であるモノクロル酢酸またはモノクロル酢酸ナトリウムを用いて、エーテル化反応を行う方法で製造できる。このようにカルボキシメチル化剤の添加量を調整することによってCMCのCM−DSおよび粘度を調整することができる。カルボキシメチル化剤の添加量が多いとCMCの粘度は高くなる。
CMCの粘度が1000mPa・sを超える場合は、各種塩を添加する方法、CMCのpHをpH6以下とすることによりCMCの膨潤性を低下させる方法などの方法を用いて、粘度を下げることができる。工業的には、各種塩を添加する方法が簡便であり、好適である。各種塩としては、例えば、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウムなどのナトリウム塩が挙げられる。各種塩の添加量は、CMCの物性を変化させない範囲の任意の量でよいが、0.5〜30重量%(対CMC固形分重量)が好適である。
具体的には、例えば、セルロースを原料とし、溶媒に3〜20重量倍の低級アルコール、具体的にはメタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、イソブタノール、第3級ブタノール等の単独、または2種以上の混合物と水の混合媒体を使用する。尚、低級アルコールと水の合計に対する低級アルコールの割合は60〜95重量%が好ましい。
セルロースをマーセル化するマーセル化剤としては、水酸化アルカリ金属、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが好ましい。
マーセル化剤を、上記溶媒に、セルロースのグルコース残基当たり、0.5〜20倍モルとなるよう加えて、混合し、反応温度0〜70℃、好ましくは10〜60℃、で15分〜8時間、好ましくは30分〜7時間反応させ、マーセル化する。
その後、カルボキシメチル化剤をセルロースのグルコース残基当たり0.05〜2.0倍モル添加し、反応温度30〜90℃、好ましくは40〜80℃で、30分〜10時間、好ましくは1時間〜4時間反応させ、エーテル化を行う。
上記のように製造した、水膨潤性のCMCは、必要に応じて、洗浄工程、乾燥工程、粉砕工程、分級工程を経たものであっても問題はない。
以下、本発明の実施の形態を実施例により説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。尚、配合量を示す「部」はすべて「重量部」を示す。
<エーテル化度(CM−DS)の測定方法>(硝酸メタノール法)
試料約2.0gを精秤して、300ml共栓付き三角フラスコに入れた。硝酸メタノール(無水メタノール1リットルに特級濃硝酸100mlを加えた液)100mlを加え、3時間振とうして、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩を水素置換し、カルボキシメチルセルロース(H−CMC)にした。
そのH−CMCを絶乾で1.5〜2.0gを精秤し、300ml共栓付き三角フラスコに入れた。80%メタノール15mlでH−CMCを湿潤し、0.1N−水酸化ナトリウム100mlを加え、室温で3時間振とうした。
指示薬として、フェノールフタレインを用いて、0.1N硫酸で過剰の水酸化ナトリウムを逆滴定した。CM−DSは次式(I)および(II)によって算出した。
Figure 0004410696
Figure 0004410696
なお、上記式(I)および(II)において:
A:H−CMC 1gを中和するのに必要な1N水酸化ナトリウムの量(ml)
F:0.1N硫酸の力価
F’:0.1N水酸化ナトリウムの力価
[製造例1]
回転数を100rpmに調節した二軸ニーダーに99%イソプロピルアルコール911部と水酸化ナトリウム78.7部を水189部に溶解したものとを加え、市販の溶解パルプ(商品名「NDPS」、日本製紙ケミカル(株)製)を絶乾で200部仕込んだ。
30℃で90分間攪拌、混合しアルカリセルロースを調製後、さらに、攪拌しつつ90%イソプロピルアルコール90部に溶解したモノクロル酢酸26部を添加し、30分で70℃に昇温し、90分間反応させた。反応終了後、80%メタノールで2回洗浄、中和、脱液、乾燥、粉砕し、CM−DS 0.11、1%水懸濁液粘度15mPa・s、平均粒子径100μmのCMC(1)を得た。
[製造例2]
回転数を100rpmに調節した二軸ニーダーに99%イソプロピルアルコール1044部と水酸化ナトリウム69.8部を水162部に溶解したものとを加え、市販の溶解パルプ(商品名「NDPS」、日本製紙ケミカル(株)製)を絶乾で200部仕込んだ。30℃で90分間攪拌、混合しアルカリセルロースを調製後、さらに、攪拌しつつ90%イソプロピルアルコール90部に溶解したモノクロル酢酸66部を添加し、30分で70℃に昇温し、90分間反応させた。反応終了後、中和、脱液、乾燥、粉砕し、CM−DS 0.43、1%水懸濁液粘度400mPa・s、平均粒子径60μmのCMC(2)を得た。
[実施例1]
フラサイド(商品名「ラブサイド」原薬;呉羽化学工業(株)製)20重量部と焼成珪藻土70重量部をそれぞれ混合容器に秤り込み、万能混合機で5分間混合後、気流粉砕装置(セイシン企業(株)製)で粉砕を行い、回収した粉砕物を5分間混合した。この微粉砕物89重量部、リグニンスルホン酸塩(商品名「サンエキスP252」日本製紙ケミカル(株)製)10重量部、分散剤としてCMC(1)1重量部、湿潤剤(商品名「ノプコウェット50」サンノプコ(株)製)1重量部を混合し、平均粒子径80μmの農薬用粉状水和剤を製造した。
これを、加水倍量25倍となるよう蒸留水を加えて調製し、再分散性試験および所定時間後の沈降容積の測定を行った。なお、再分散性試験および沈降容積の測定は次のようにして実施した。
<再分散性試験および沈降容積測定>
メスシリンダーに、実施例及び比較例の各製剤に、加水倍量25倍、1000倍となるよう、蒸留水を加えて散布液を作製し、その散布液を1時間及び24時間放置した。
1時間後及び24時間後にメスシリンダーの底部に沈降している物質の沈降容量を測定し、また、メスシリンダーを往復倒立し、沈降物が完全に再分散するのに要する回数を測定した。
[実施例2]
製造例2で製造したCMC(2)を用いて、実施例1と同様に粉状農薬用水和剤を作製し、平均粒子径50μmの水和剤を得た。得られた水和剤に加水倍量25倍となるよう蒸留水を加えて調製し、再分散性試験および沈降容積の測定を行った。
[実施例3]
実施例1の粉状農薬用水和剤を、加水倍量1000倍となるよう蒸留水を加えて調製し、再分散性試験および沈降容積の測定を行った。
[実施例4]
実施例2の粉状農薬用水和剤を、加水倍量1000倍となるよう蒸留水を加えて調製し、再分散性試験および沈降容積の測定を行った。
[比較例1]
実施例1のCMC(1)を加えずに、平均粒子径40μmの農薬用粉状水和剤を作製し、これを、加水倍量25倍となるよう蒸留水を加えて調製し、再分散性試験および沈降容積の測定を行った。
[比較例2]
実施例1のCMC(1)を市販の粉末セルロース(商品名「KCフロックW−200G」日本製紙ケミカル(株)製)に変えた以外は、実施例1と同様に平均粒子径40μmの農薬用粉状水和剤を作製し、これを、加水倍量25倍となるよう蒸留水を加えて調製し、再分散性試験および沈降容積の測定を行った。
[比較例3]
実施例1のCMC(1)を市販のCMC(商品名「サンローズF10LC」日本製紙ケミカル(株)製)に変えた以外は、実施例1と同様に平均粒子径100μmの農薬用粉状水和剤を作製し、これを、加水倍量25倍となるよう蒸留水を加えて調製し、再分散性試験および沈降容積の測定を行った。
[比較例4]
実施例1のCMC(1)を市販のセピオライト(商品名「エードプラスSP」水澤化学工業(株)製)に変えた以外は、実施例1と同様に平均粒子径40μmの農薬用粉状水和剤を作製し、これを、加水倍量25倍となるよう蒸留水を加えて調製し、再分散性試験および沈降容積の測定を行った。
[比較例5]
比較例3の粉状農薬用水和剤を、加水倍量1000倍となるよう蒸留水を加えて調製し、再分散性試験および沈降容積の測定を行った。
[比較例6]
比較例4の粉状農薬用水和剤を、加水倍量1000倍となるよう蒸留水を加えて調製し、再分散性試験および沈降容積の測定を行った。
実施例1〜4及び比較例1〜6の再分散性試験および沈降容積測定の結果を表1に示す。
Figure 0004410696
表1の結果から、本発明の粉状農薬水和物は、25倍希釈でも1000倍希釈溶液でも沈降容積が少なく、再分散に要する回数も少なかった。特に、1時間までは、再分散の必要がなかった。

Claims (3)

  1. 1種以上の農薬活性成分の粉体と、グルコース残基当たりのカルボキシメチル置換度が0.05〜0.5である水膨潤性のカルボキシメチルセルロースまたはその塩の粉体とを含む粉体組成物である粉状農薬水和剤。
  2. 前記のカルボキシメチルセルロースまたはその塩の25℃における1%水懸濁液粘度が5〜1000mPa・sであることを特徴とする請求項1に記載の粉状農薬水和剤。
  3. 水膨潤性のカルボキシメチルセルロースまたはその塩の含有量が、0.1〜30重量%であることを特徴とする請求項1または2に記載の粉状農薬水和剤。
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