JP4410160B2 - 紫外線吸収性に優れたプラスチック眼鏡レンズの製造方法 - Google Patents

紫外線吸収性に優れたプラスチック眼鏡レンズの製造方法 Download PDF

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本発明は紫外線吸収性に優れたプラスチック眼鏡レンズの製造方法に関し、更に詳細には長波長紫外線を吸収するにもかかわらず、黄色の着色が少ないプラスチック眼鏡レンズの製造方法に関するものである。
紫外線は波長が約200〜400nmの電磁波であり、人体に対し種々の悪影響を与えると言われている。眼鏡レンズの関係においても、紫外線からの人眼保護の観点から紫外線吸収レンズへの要望が高まってきており、波長が400nm近辺までの紫外線を吸収する眼鏡レンズが市販されるようになってきている。紫外線吸収特性を有するプラスチック眼鏡レンズとしては種々のものが知られており、第一の例として、特許文献1〜5などには、プラスチックレンズモノマーに紫外線吸収剤を添加し、重合して得られるプラスチック眼鏡レンズが記載されている。第二の例として、特許文献6には、80〜100℃に加熱した紫外線吸収剤を分散させた水溶液にプラスチックレンズを浸漬することにより得られるプラスチック眼鏡レンズが記載されている。第三の例として、特許文献7には、紫外線吸収及び/又は散乱する物質をプラスチックレンズ表面に塗布したプラスチック眼鏡レンズが記載されている。
前記第一、第二及び第三の例のプラスチック眼鏡レンズのうち、特に代表的なプラスチック眼鏡レンズ材料であるジエチレングリコールビスアリルカーボネートからなるレンズは、該モノマーの特性上、385nm以下の波長の光をほぼ完全に吸収させるのは難しく、また、波長が400nm近辺までの紫外線の吸収特性をレンズに付与しようとすると、黄色の着色が大きいため、見栄えが悪いという問題があった。さらに、ジエチレングリコールビスアリルカーボネートを重合する場合、過酸化物からなる重合触媒を用いることが一般的であるが、この重合触媒により紫外線吸収剤が反応してしまうため、レンズの紫外線吸収特性が損なわれるというおそれがあった。
特開昭50−50049号公報 特開昭58−122501号公報 特開昭62−254119号公報 特開平2−93422号公報 特開平2−171716号公報 特開平1−230003号公報 特開平9−265059号公報
本発明は、かかる課題を解決するためになされたもので、長波長紫外線の吸収性に優れ、従来のプラスチック眼鏡レンズと比べて、黄色の着色が少ない、ジエチレングリコールビスアリルカーボネートからなるプラスチック眼鏡レンズの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは前記目的を達成するため鋭意検討した結果、ジエチレングリコールビスアリルカーボネートを主成分とするレンズに、比較的多量の紫外線吸収剤を短時間に表面あるいはその近傍に分散させることによって、長波長紫外線(近紫外線)の吸収性に優れると共に、黄色の着色が少ないプラスチック眼鏡レンズが得られることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、ジエチレングリコールビスアリルカーボネートを主成分とするレンズモノマーに過酸化物からなる重合触媒を添加し、−20℃〜150℃の温度で注型重合した後、得られたレンズを紫外線吸収剤を含有する溶液に浸漬する眼鏡レンズの製造方法であって、該紫外線吸収剤が、4−tert−ブチル−4'−メトキシベンゾイルメタン、ジベンゾイルメタン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、及び5−クロロ−2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールから選ばれる1種以上のものであり、浸漬条件が温度100〜130℃、30〜60分間であり、眼鏡レンズが、その中心厚を1.5〜2.4mmとしたときのレンズ中心における、波長385nmにおける紫外線透過率が3%以下、波長390nmにおける紫外線透過率が10%以下、波長400nmにおける紫外線透過率が60%以下であり、且つYI(黄色度)が1.0〜2.0の範囲にあることを特徴とする紫外線吸収性に優れたプラスチック眼鏡レンズの製造方法を提供するものである。
本発明の製造方法により、長波長紫外線をほぼ完全に吸収するにもかかわらずレンズの着色が少ないプラスチック眼鏡レンズを得ることができる。
本発明において用いられる紫外線吸収剤としては、ジベンゾイルメタン化合物、
ベンゾトリアゾール化合物、ベンゾフェノン化合物が挙げられる。
なお、ジベンゾイルメタン化合物は、例えば、特開昭52−46056号公報に記載されているように公知の化学物質であり、ベンゾトリアゾール化合物も公知の化合物である。しかし、プラスチックレンズの紫外線吸収剤として使用されること、波長が400nm近辺までの紫外線を吸収する特性を有し、従来のプラスチックレンズと比べて黄色の着色が少ないプラスチックレンズが得られることは知られていなかった。
前記ジベンゾイルメタン化合物の具体例としては、ジベンゾイルメタン、2−メチルジベンゾイルメタン、4−メチルジベンゾイルメタン、4−イソプロピルジベンゾイルメタン、2,4−ジメチルジベンゾイルメタン、2,5−ジメチルベンゾイルメタン、4,4'−ジイソプロピルジベンゾイルメタン、2−メチルジベンゾイルメタン、4−メチルジベンゾイルメタン、2−エチルジベンゾイルメタン、4−エチルジベンゾイルメタン、2−プロピルジベンゾイルメタン、4−プロピルジベンゾイルメタン、2−イソプロピルジベンゾイルメタン、4−イソプロピルジベンゾイルメタン、2−ブチルジベンゾイルメタン、4−ブチルジベンゾイルメタン、4−tert−ブチルジベンゾイルメタン、2,4−ジメチルジベンゾイルメタン、2,5−ジメチルジベンゾイルメタン、2,4−ジエチルジベンゾイルメタン、2,5−ジエチルジベンゾイルメタン、4,4'−ジメチルジベンゾイルメタン、4,4'−ジエチルジベンゾイルメタン、4,4'−ジプロピルジベンゾイルメタン、4,4'−ジイソプロピルジベンゾイルメタン、4,4'−ジブチルジベンゾイルメタン、4,4'−ジ−tert−ブチルジベンゾイルメタン、4−メチル−4'−エチルジベンゾイルメタン、2−メトキシジベンゾイルメタン、4−メトキシジベンゾイルメタン、2−エトキシジベンゾイルメタン、4−エトキシジベンゾイルメタン、2−プロポキシジベンゾイルメタン、4−プロポキシジベンゾイルメタン、2−ブトキシジベンゾイルメタン、4−ブトキシジベンゾイルメタン、4,4'−ジメトキシジベンゾイルメタン、4,4'−ジエトキシジベンゾイルメタン、4,4'−ジプロポキシジベンゾイルメタン、4,4'−ジイソプロポキシジベンゾイルメタン、4,4'−ジブトキシジベンゾイルメタン、4−メチル−4'−メトキシジベンゾイルメタン、4−メチル−4'−エトキシジベンゾイルメタン、4−メチル−4'−プロポキシジベンゾイルメタン、4−メチル−4'−ブトキシジベンゾイルメタン、4−エチル−4'−メトキシジベンゾイルメタン、4−エチル−4'−エトキシジベンゾイルメタン、4−エチル−4'−プロポキシジベンゾイルメタン、4−エチル−4'−ブトキシジベンゾイルメタン、4−プロピル−4'−メトキシジベンゾイルメタン、4−プロピル−4'−エトキシジベンゾイルメタン、4−プロピル−4'−プロポキシジベンゾイルメタン、4−プロピル−4'−ブトキシジベンゾイルメタン、4−イソプロピル−4'−メトキシジベンゾイルメタン、4−イソプロピル−4'−エトキシジベンゾイルメタン、4−イソプロピル−4'−プロポキシジベンゾイルメタン、4−イソプロピル−4'−ブトキシジベンゾイルメタン、4−ブチル−4'−メトキシジベンゾイルメタン、4−ブチル−4'−エトキシジベンゾイルメタン、4−ブチル−4'−プロポキシジベンゾイルメタン、4−ブチル−4'−ブトキシジベンゾイルメタン、4−tert−ブチル−4'−メトキシジベンゾイルメタン、4−tert−ブチル−4'−エトキシジベンゾイルメタン、4−tert−ブチル−4'−プロポキシジベンゾイルメタン、4−tert−ブチル−4'−ブトキシジベンゾイルメタンなどが挙げられる。本発明においては、これらのうち、4−tert−ブチル−4'−メトキシベンゾイルメタン及びジベンゾイルメタンが好ましい。
前記ベンゾトリアゾール化合物の具体例としては、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2,4,6−トリヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−クロロ−2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−クロロ−2−(2,4,6−トリヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−ブロモ−2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−ブロモ−2−(2,4,6−トリヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、ジクロロ−2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、ジブロモジクロロ−2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−2H−べンゾトリアゾールなどが挙げられる。
本発明においては、これらのうち、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール及び5−クロロ−2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールが好ましい。
また、前記ベンゾフェノン化合物の具体例としては、2,2',4,4'−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなどが挙げられる。
本発明のプラスチック眼鏡レンズは、ジエチレングリコールビスアリルカーボネートを主成分とするものであり、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート単独重合体、及びジエチレングリコールビスアリルカーボネートと共重合可能なモノマーとの混合モノマーの重合体からなるレンズが該当する。
本発明においてはジエチレングリコールビスアリルカーボネート単独重合体が好ましい。
また、その共重合体可能なモノマーの具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロルスチレン、クロルメチルスチレン、ジビニルベンゼン等の芳香族ビニル化合物;メチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ベンジルメタクリレート等のモノ(メタ)アクリレート類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ基を有するモノ(メタ)アクリレート類;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジ(メタ)アクリロキシプロパン、2,2−ビス〔4−((メタ)アクリロキシエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−((メタ)アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−((メタ)アクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル〕プロパン等のジ(メタ)アクリレート類;トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタントリメタクリレート等のトリ(メタ)アクリレート類;テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート等のテトラ(メタ)アクリレート類〔ただし、本明細書中の(メタ)アクリレートは、メタクリレート又はアクリレートを意味する〕;ジアリルフタレート、ジアリルイソフタレート、ジアリルテレフタレートなどが挙げられる。本発明においては、これらのうち、高屈折率のプラスチック眼鏡レンズを提供する観点から、芳香環を有する化合物が好ましい。
ジエチレングリコールビスアリルカーボネートと他のモノマーとの共重合体は公知であり、その例として、特開昭54−41965号公報、特開昭51−125487号公報、特再平01−503809号公報などに開示されている共重合体が挙げられる。
本発明に係るジエチレングリコールビスアリルカーボネートを主成分とするレンズは、上述のプラスチックレンズモノマーを重合することにより得られる。プラスチックレンズモノマーの重合方法は、特に限定されるものではないが、通常、注型重合が採用される。すなわち、上述のプラスチックレンズモノマーをレンズ成型用鋳型中に注入し、−20℃〜150℃の間で加熱することよりプラスチック眼鏡レンズが得られる。
プラスチックレンズモノマーには、特開平07−063902号公報、特開平07−104101号公報、特開平09−208621号公報、特開平09−255781号公報等に記載されている重合触媒、特開平01−163012号公報、特開平03−281312号公報等に記載されている内部離型剤、酸化防止剤等の助剤を必要に応じて添加することができる。また、本発明のプラスチック眼鏡レンズは、着色剤を用いて染色処理を行うことができる。
また、耐擦傷性向上のため、有機ケイ素化合物、酸化スズ、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化チタン等の微粒子状無機物等を有するコーティング液を用いて硬化被膜をプラスチックレンズ上に形成することができる。また、耐衝撃性を向上させるためにポリウレタンを主成分とするプライマー層を設けることができる。
さらに、反射防止の性能を付与するために、酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化タンタル等を用いて反射防止膜を施すこともできる。また、撥水性向上のため、フッ素原子を有する有機ケイ素化合物を用いて撥水膜を反射防止膜上に施すことができる。
本発明方法により得られるプラスチック眼鏡レンズは、ジエチレングリコールビスアリルカーボネートを主成分とするレンズに紫外線吸収剤を含有させたものである。該レンズに紫外線吸収剤を含有させる方法としては種々の方法があるが、本発明の目的を達成する観点から、また、紫外線吸収剤をレンズモノマーに混合し、重合する際に生じやすい光学ひずみを防止する観点から、上記の好適な化合物からなる紫外線吸収剤を含有する溶液に、高温、高圧下でレンズを浸漬させる方法を用いることが特に好ましい。
かかる方法によれば、短時間で、多量の紫外線吸収剤をレンズ内に拡散させることができ、また、プラスチックレンズの表面及びその近傍にのみ紫外線吸収剤を存在させ、レンズ表面から内部方向の深い箇所には紫外線吸収剤が存在しないレンズを得ることができる。また、かかる方法によって紫外線吸収剤をレンズ内に拡散させた場合、紫外線吸収剤は重合触媒として用いる過酸化物の影響を受けにくいという利点がある。
ここで、紫外線吸収剤を含有する溶液とは、紫外線吸収剤に水あるいはアルコールなどの有機溶媒等を加えたものをいい、さらに紫外線吸収剤の分散を向上させるための界面活性剤、プラスチックを膨潤させるためのベンジルアルコール等の膨潤剤、酸化防止剤などを添加してもよい。紫外線吸収剤の溶液中の濃度は、紫外線吸収性を付与するレンズの処理枚数、温度条件、圧力条件、ジエチレングリコールビスアリルカーボネートの物理特性、得ようとする紫外線吸収特性の程度によって適宜選定されるものであり、一概には定められないが、通常、紫外線吸収剤溶液1リットル当たり0.01〜20gとすることができる。
また、界面活性剤を添加する場合、その添加量は特に限定されるものではないが、通常、水等の溶媒1リットルに対して1〜50ミリリットルとすることができる。紫外線吸収剤溶液温度や圧力は、レンズの光学特性を損なわない範囲であれば特に限定されるものではないが、紫外線吸収剤をレンズ内に短時間で拡散させるために、溶液温度は100〜130℃が好ましい。
なお、YI値及び透過率はレンズの中心厚により変化するため、YI値及び透過率はレンズの中心厚において測定する。
以下、本発明を具体的に説明するために実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、次に記す物性は次の方法により求めた。
(1)YI値測定:JIS K7103−1977に規定されているプラスチックの黄色度及び黄色度試験方法に準じて測定した。
(2)透過率測定:分光光度計(U3410,日立製作所(株) 製) を用いて385nmの波長における紫外線透過率を測定した。
実施例1
ジエチレングリコールビスアリルカーボネート100重量部にジイソプロピルパーオキシジカーボネート3重量部を添加し、充分に攪拌混合したのち、ガラス製モールドと樹脂製ガスケットからなるレンズ成型用鋳型(0.00D、レンズ径70mm、肉厚2.2mmに設定)の中に注入し、電気炉中で40〜90℃まで20時間かけて徐々に昇温し90℃で1時間保持して重合を行った。重合終了後、ガスケットとモールドを取り外したのち、120℃で1時間熱処理してレンズを得た。
レンズに紫外線吸収性を付与するための紫外線吸収処理液として、紫外線吸収剤である4−tert−ブチル−4'−メトキシゾイルメタン7.5gと、界面活性剤である非イオン系のニッカサンソルト7000(日華化学(株)製)10ミリリットルを1リットルの水に添加したものを調製し、これを加圧容器(オートクレーブ)に入れた。得られたレンズを加圧容器内の紫外線吸収処理液に、120℃で30分間浸漬し、その後、120℃で1時間熱処理し、紫外線吸収剤を含浸させたプラスチックレンズを得た。
得られたレンズの透過率曲線を図1に示し、そのデータを第1表に示す。波長385nm紫外線透過率はほぼ0%であり、良好な紫外線カット性を示した。中心(厚さ2.2mm)におけるYI値は1.4であり、レンズは若干黄色味を帯びていた。
実施例2
実施例1において、紫外線吸収剤溶液として、ジベンゾイルメタン7.5gと、界面活性剤である非イオン系のニッカサンソルト7000(日華化学(株)製)10ミリリットルを1リットルの水に添加したものを調製し、これを加圧容器に入れた。実施例1と同様にして得られたレンズを加圧容器内の紫外線吸収処理液に、120℃で60分間浸漬し、その後、120℃で1時間熱処理し、紫外線吸収剤を含浸させたプラスチックレンズを得た。
得られたレンズの透過率曲線を図1に示し、そのデータを第1表に示す。波長385nm紫外線透過率はほぼ0%であり、良好な紫外線カット性を示した。中心(厚さ2.2mm)におけるYI値は1.2であり、レンズは若干黄色味を帯びていた。
実施例3
紫外線吸収剤溶液として、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール7.5gと、界面活性剤である非イオン系のニッカサンソルト7000(日華化学(株)製)10ミリリットルを1リットルの水に添加したものを調製し、これを加圧容器に入れた。実施例1と同様にして得られたレンズを加圧容器内の紫外線吸収処理液に、120℃で10分間浸漬し、その後、120℃で1時間熱処理し、紫外線吸収剤を含浸させたプラスチックレンズを得た。
得られたレンズの透過率曲線を図1に示し、そのデータを第1表に示す。波長385nm紫外線透過率はほぼ0%であり、良好な紫外線カット性を示した。中心(厚さ2.2mm)におけるYI値は1.5であり、レンズは若干黄色味を帯びていた。
実施例4
紫外線吸収剤溶液として、5−クロロ−2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール7.5gと、界面活性剤である非イオン系のニッカサンソルト7000(日華化学(株)製)10ミリリットルを1リットルの水に添加したものを調製し、これを加圧容器に入れた。実施例1と同様にして得られたレンズを加圧容器内の紫外線吸収処理液に、120℃で60分間浸漬し、その後、120℃で1時間熱処理し、紫外線吸収剤を含浸させたプラスチックレンズを得た。
得られたレンズの透過率曲線を図1に示し、そのデータを第1表に示す。波長385nm紫外線透過率はほぼ0%であり、良好な紫外線カット性を示した。中心(厚さ2.2mm)におけるYI値は1.5であり、レンズは若干黄色味を帯びていた。
実施例5
紫外線吸収剤溶液として、2,2',4,4'−テトラヒドロキシベンゾフェノン7.5gと、界面活性剤である非イオン系のニッカサンソルト7000(日華化学(株)製)10ミリリットルを1リットルの水に添加したものを調製し、これを加圧容器に入れた。実施例1と同様にして得られたレンズを加圧容器内の紫外線吸収処理液に、120℃で60分間浸漬し、その後、120℃で1時間熱処理し、紫外線吸収剤を含浸させたプラスチックレンズを得た。
得られたレンズの透過率曲線を図1に示し、そのデータを第1表に示す。波長385nm紫外線透過率はほぼ0%であり、良好な紫外線カット性を示した。中心(厚さ2.2mm)におけるYI値は2.0であり、レンズは若干黄色味を帯びていた。
Figure 0004410160
比較例1
ジエチレングリコールビスアリルカーボネート100重量部に、紫外線吸収剤として4−ドデシルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン0.10重量部、重合開始剤として4−ドデシルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン3重量部を添加し、充分に攪拌混合してレンズモノマー組成物を調製した。次いで、このレンズモノマー組成物をガラス製モールドと樹脂製ガスケットからなるレンズ成型用鋳型(0.00D、レンズ径70mm、肉厚2.2mmに設定)の中に注入し、電気炉中で40〜85℃まで20時間かけて徐々に昇温し85℃で1時間保持して重合を行った。重合終了後、ガスケットとモールドを取り外したのち、120℃で1時間熱処理してレンズを得た。
得られたレンズの透過率曲線を図2に示し、そのデータを第2表に示す。波長385nm紫外線透過率は3.9%であった。中心(厚さ2.2mm)におけるYI値は2.4であり、レンズは若干黄色味を帯びていた。
Figure 0004410160
以上をまとめて第3表に示す。
Figure 0004410160
実施例1〜5における透過率曲線を示す図である。 比較例1における透過率曲線を示す図である。

Claims (6)

  1. ジエチレングリコールビスアリルカーボネートを主成分とするレンズモノマーに過酸化物からなる重合触媒を添加し、−20℃〜150℃の温度で注型重合した後、得られたレンズを紫外線吸収剤を含有する溶液に浸漬する眼鏡レンズの製造方法であって、該紫外線吸収剤が、4−tert−ブチル−4'−メトキシベンゾイルメタン、ジベンゾイルメタン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、及び5−クロロ−2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールから選ばれる1種以上のものであり、浸漬条件が温度100〜130℃、30〜60分間であり、眼鏡レンズが、その中心厚を1.5〜2.4mmとしたときのレンズ中心における、波長385nmにおける紫外線透過率が3%以下、波長390nmにおける紫外線透過率が10%以下、波長400nmにおける紫外線透過率が60%以下であり、且つYI(黄色度)が1.0〜2.0の範囲にあることを特徴とする紫外線吸収性に優れたプラスチック眼鏡レンズの製造方法。
  2. レンズ上に、有機ケイ素化合物又は微粒子状無機物を有するコーティング液を用いた硬化被膜が形成されている請求項1に記載のプラスチック眼鏡レンズの製造方法。
  3. レンズ上に、ポリウレタンを主成分とするプライマー層が設けられている請求項1又は2に記載のプラスチック眼鏡レンズの製造方法。
  4. レンズ上に、酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化ジルコニウム、又は酸化タンタルを用いた反射防止膜が施されている請求項1〜3のいずれかに記載のプラスチック眼鏡レンズの製造方法。
  5. 反射防止膜上に、フッ素原子を有する有機ケイ素化合物を用いた撥水膜が施されている請求項4に記載のプラスチック眼鏡レンズの製造方法。
  6. 前記の紫外線吸収剤を含有する溶液が1リットル当たり0.01〜20gの紫外線吸収剤を含有する請求項1〜5のいずれかに記載のプラスチック眼鏡レンズの製造方法。
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